JPH0829621B2 - 可逆性記録材料 - Google Patents

可逆性記録材料

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JPH0829621B2
JPH0829621B2 JP62007226A JP722687A JPH0829621B2 JP H0829621 B2 JPH0829621 B2 JP H0829621B2 JP 62007226 A JP62007226 A JP 62007226A JP 722687 A JP722687 A JP 722687A JP H0829621 B2 JPH0829621 B2 JP H0829621B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、感熱記録材料、可逆性記録材料、表示体な
どして使用される反復使用可能な記録材料に関する。
従来技術 加熱により発色し常温で消色する、あるいはこの逆の
挙動を示す発色材料は、サーモクロミズム材料として知
られており、繰返し使用可能な記録材料、示温材料、あ
るいは表示体などとしての利用が提案されている。
従来の可逆性感熱発色材料は、pH変化、結晶転移、脱
水、固相変化あるいは電子供与体−受容体間の電子授受
等による変色原理を利用しているが、最大の欠点はいず
れも温度−時間の函数型で発色濃度が変化して消色に変
わり、発色状態での定着ができなかったことである。着
色状態、即ち発色濃度を維持するためには、連続的な熱
供給を必要としていた。消色から発色に変わる逆の挙動
の場合も同様であった。
特開昭60−101171号公報には、感熱色素と、顕色剤と
してのアスコルビン酸またはその誘導体とを用いた感熱
組成物が記載されており、感熱色素の一例としてフルオ
ラン系化合物が示されている。しかし、本発明の特定の
フルオラン系染料とアスコルビン酸誘導体との組合せは
示されておらず、また、可逆的に発色−消色が可能で、
かつ、発色状態を定着できるという作用効果は何ら示唆
されていない。
また、特開昭61−237684号公報や特開昭61−239444号
公報には、ロイコ染料と有機物固体酸とを用い、常温で
着色の大きい状態と小さい状態とを可逆的に存在せしめ
るサーモクロミック有機材料が示されているが、本発明
の特定の材料については何ら示されていない。
発明の目的 本発明は、サーマルヘッドやレーザー光の照射等によ
る加熱によって発色状態と消色状態とが可逆的に変化
し、しかも発色状態での定着が可能な可逆性記録材料を
提供することを目的とする。
発明の構成 本発明の可逆性記録材料は、下記一般式(I)に示す
ロイコ染料とアスコルビン酸−6−O−アシル誘導体と
を主成分とすることを特徴とする。
(式中、記号は次のものを示す。
R1,R2:水素、C3〜18のアルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基、置換アリール基などの
置換基を示し、R1とR2とがアルキレン基となり環を形成
することもできる。
R3:アルキル基、ハロゲン、アルキルアラルキル基また
はアリール置換アミノ基) 以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明でロイコ染料としては、上記一般式(I)で示
される特定のフルオラン系化合物が用いられ、この具体
例としては以下のものが挙げられる。これらは単独であ
るいは2種以上併用して用いられる。
(1)3−N,N−ゾプロピルアミノ−7−クロルフルオ
ラン (2)3−N,N−n−プロピル−n−ブチルアミノ−7
−t−ブチルフルオラン (3)3−N−ブチルアミノ−7−N,N−メチルフェニ
ルフルオラン (4)3−オクチルアミノ−7−アニリノフルオラン (5)3−N−ヘキサデカノアミノ−7−メチルアミノ
フルオラン (6)3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラ
(7)3−N,N−n−ブチルトリルアミノ−7−N,N−メ
チルフェニルフルオラン (8)3−N,N−n−ジブチルアミノ−7−o−クロル
アニリノフルオラン (9)3−N,N−n−ジブチルアミノ−7−p−アセチ
ルアニリノフルオラン (10)3−ピロリジノ−7−o−トルイジノフルオラン (11)3−N,N−シクロヘキシル−n−ブチルアミノ−
7−p−アセチルアニリノフルオラン (12)3−オクチルアミノ−7−(2,4−ジニトロアニ
リノ)フルオラン (13)3−N,N−n−ブチル−n−プロピル7−m−ア
セチルアニリノフルオラン 顕色剤として用いられるアスコルビン酸−6−O−ア
シル誘導体は、以下の一般式(II)で表されるものが用
いられる。
このアスコルビン酸誘導体の具体例としては以下のも
のが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上併用し
て用いられる。
(1)L−アスコルビン酸−6−O−ブチリル (2)L−アスコルビン酸−6−O−ラウリル (3)L−アスコルビン酸−6−O−パルミティル (4)L−アスコルビン酸−6−O−ミリスティル (5)L−アスコルビン酸−6−O−ステアリル (6)L−アスコルビン酸−6−O−デカノイル 本発明の可逆性記録材料は、適当な支持体上に前記ロ
イコ染料とアスコルビン酸−6−O−アシル誘導体とを
含む記録層を形成することにより得ることができ、通
常、バインダーが用いられる。バインダーとしては、使
用目的により溶剤に溶解して使用する場合と、水分散系
で使用する場合とが適宜選択される。このようなバイン
ダーの具体例としては、澱粉、メチルまたはエチルセル
ロースおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸
共重合体、ポリビニルブチラール、ポリエステル、シリ
コン樹脂等の樹脂が挙げられ、これらは単独であるいは
2種以上混合して用いられる。
バインダーを溶剤に溶解する場合には塩化ビニルー酢
酸ビニル共重合体が、また、水分散系で使用する場合に
はポリビニルアルコール等が好適である。
なお、記録層には、さらに炭素カルシウム、酸化チタ
ン、シリカ等の改質剤などを添加することもできる。
本発明の可逆性記録材料を作製するには、紙、プラス
チック、合成紙などの支持体上に、ロイコ染料、アスコ
ルビン酸−6−O−アシル誘導体およびバインダー、所
望により改質剤等を添加し、メチルアルコール、アセト
ン、テトラヒドロフラン等の溶剤に溶解または分散した
塗料、あるいは、水を用いて分散液とした塗料を用意
し、この塗料を支持体上に塗布、乾燥して記録層を形成
することができる。
各成分の使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、ア
スコルビン酸−6−O−アシル誘導体が0.5〜4.0重量
部、好ましくは2.1〜3.7重量部;バインダーが1.0〜3.0
重量部、好ましくは1.5〜2.0重量部が好適である。
また、記録層の付着量は、0.5〜5g/m2、好ましくは1.
5〜3.5g/m2が適当である。
本発明の可逆性記録材料は、高温加熱、例えば90〜13
5℃に加熱することにより発色させ、この状態で常温に
冷却しても発色状態を維持することが可能である。ま
た、再度、低温、例えば65〜90℃に加熱すると記録層が
消色し、これを常温に戻しても消色状態が維持され、定
着が可能である。よって、本発明の可逆性記録材料を用
いることにより、高温に加熱して情報を記録し、低温に
加熱してこれを消色させる。繰返し使用可能な可逆性記
録プロセスが実現できる。
発明の効果 本発明によれば、特定のロイコ染料とアスコルビン酸
−6−O−アシル誘導体とを用いることにより、サーマ
ルヘッド等の加熱によって、温度に依存して発色と消色
とが可逆的に変化し、しかも発色または消色状態が定着
可能であり、繰返し使用が可能な記録材料が実現でき
る。
実施例1 3−N,N−n−ジブチル−7−クロルフルオラン1重
量部、アスコルビン酸−6−O−ラウリル2.3重量部お
よび酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体3.5重量部を、テ
トラヒドロフラン30重量部に溶解し、これをワイヤーバ
ーを用い厚さ25μmのポリエステルフィルム上に塗布
し、乾燥して2.5g/m2の記録層を有する白色の可逆性記
録シートを得た。
次に、この記録シートにサーマルヘッドを用いて温度
105℃で印字したところ、鮮明な赤色系画像が得られ
た。マクベス濃度計による反射濃度で測定したところ、
0.52の画像濃度であった。次いで、この画像を70〜90℃
に調節した乾燥機の中で10秒間加熱したところ、殆ど消
色していた。この消色後の濃度は、0.23であった。
さらに、消色後の記録シートに、再度前記同様に105
℃で印字を行なったところ、再び鮮明な赤色系画像が形
成された。さらに、これを再び70〜90℃の乾燥機中で10
秒間加熱したところ、殆ど消色していた。このように、
高温(105℃)で発色させ、低温(70〜90℃)で消色さ
せることのできる可逆性の温度依存性発消色型の記録シ
ートが得られた。
実施例2 3−N,N−n−ジブチルアミノ−7−オルトクロルア
ニリノフルオラン1重量部、アスコルビン酸−6−O−
ミリスティル3.0重量部、ポリビニルアルコール10%水
溶液20重量部および水12重量部を、ボールミル中で48時
間分散し、これをワイヤーバーを用いて厚さ25μmのポ
リエステルフィルム上に塗布し、70℃で乾燥して12μm
の可逆性記録層を有する白色の記録シートを得た。
次に、実施例1に準じて、110℃で印字したところ鮮
明な黒色画像が得られた。画像濃度は0.76であった。
さらに、70〜90℃で再加熱することにより発色画像は
殆ど消色して消色後の濃度は0.28となった。
これらはプロセスを繰り返すことにより、実施例1と
同様に高温側(110℃)で発色し、低温側(70〜90℃)
で消色させることのできる可逆性の温度側依存発消色型
の記録シートが得られた。
実施例3 3−ヘキサデカノアミノ−7−メチルアミノフルオラ
ン1重量部、アスコルビン酸−6−O−パルミティルと
アスコルビン酸−6−O−ステアリル1:1混合物3.3重量
部ポリビニルアルコール10%溶液20重量部、および水10
部をボールミル中48時間分散し、これをワイヤーバーを
用いて厚さ25μmのポリエステルフィルム上に塗布し、
50℃で乾燥して2.3g/m2の可逆性記録層を有する着色の
ない記録シートを得た。
次に実施例1に準じて95℃で印字して緑黒色鮮明な画
像が得られた。画像濃度は0.68を示した。さらに70℃に
加熱することにより画像は消色して、消色した濃度は0.
24を示した。
以上、これらの記録−消色プロセスを繰り返すことに
より、高温側90〜95℃に加熱することにより発色、低温
側(70〜80℃)で消色させることのできる可逆性温度依
存型の発消色性記録シートが得られた。
実施例4 3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン1
重量部、アスコルビン酸−6−O−ステアリル3.0重量
部および酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体3.5重量部を
テトラヒドロフラン30重量部に溶解し、これをワイヤバ
ーを用い厚さ25μmのポリエステルフィルム上に塗布
し、105℃で15秒間乾燥して、わずかに暗緑色に呈色し
た記録シートを得た。
この記録シートに波長633nmのHe−Neレーザーをビー
ム径10μmに絞って照射したところ、照射部に緑黒色系
の変色がみられた。
ついで、この記録シートを75℃に設定した乾燥器中で
10秒間加熱したところ、緑黒色系の変色が淡い暗緑色ま
で消色した。
レーザー光照射による発色と、より低温における消色
の変化が可逆的に繰返しできる記録シートが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表されるフルオラン系
    ロイコ染料と、アスコルビン酸−6−O−アシル誘導体
    とを主成分とすることを特徴とする可逆性記録材料。 (式中、記号は次のものを示す。 R1,R2:水素、C3〜18のアルキル基、シクロアルキル
    基、アラルキル基、アリール基、置換アリール基などの
    置換基を示し、R1とR2とがアルキレン基となり環を形成
    することもできる。 R3:アルキル基、ハロゲン、アルキルアラルキル基また
    はアリール置換アミノ基などの置換基を示す。)
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