JPH08295687A - 無水シトラコン酸の製造法 - Google Patents

無水シトラコン酸の製造法

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JPH08295687A
JPH08295687A JP7105042A JP10504295A JPH08295687A JP H08295687 A JPH08295687 A JP H08295687A JP 7105042 A JP7105042 A JP 7105042A JP 10504295 A JP10504295 A JP 10504295A JP H08295687 A JPH08295687 A JP H08295687A
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JP
Japan
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lactic acid
iron phosphate
solid catalyst
citraconic anhydride
air
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JP7105042A
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English (en)
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Mamoru So
衛 相
Kyoji Odan
恭二 大段
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 工業的に容易に入手することができる乳酸を
原料として、高選択率で無水シトラコン酸を生成させ
る、無水シトラコン酸の新規な製造方法を提供し、安定
した品質の無水シトラコン酸を安価に供給する。 【構成】 乳酸を、リン酸鉄を主成分とする固体触媒の
存在下で接触気相反応させ、無水シトラコン酸を合成す
る無水シトラコン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気相触媒反応によっ
て、乳酸を原料として無水シトラコン酸を製造する方法
に関する。無水シトラコン酸を加水分解して得られるシ
トラコン酸は、医薬農薬の中間体、および、合成樹脂、
表面活性剤、染料の原料として用いられ、この分野での
需要の増大が期待されている。
【0002】
【従来の技術】従来より、無水シトラコン酸は、ブドウ
糖、ショ糖等の発酵法によって製造されているイタコン
酸を加熱蒸留して製造されており、化学的反応による工
業的な製造は行われていない。また、発酵法という生産
性の悪い製造方法を採用していることから、無水シトラ
コン酸は高価であり、製品の品質も安定しないという問
題点がある。発酵法以外の化学的な合成法として、例え
ば特開昭50−49225号公報などに記載の方法も知
られているが、収率が低く工業的な合成法としてはまだ
十分ではない。そこで、医薬、農薬等の原料として無水
シトラコン酸またはシトラコン酸を安価に安定した品質
で供給する製造方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医薬、農薬
等の原料として有用な無水シトラコン酸またはシトラコ
ン酸を、工業的に容易に入手できる乳酸を原料とし、工
業的に有利な気相触媒反応を用いて、安価に安定した品
質で供給する製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、無水シトラ
コン酸を化学合成によって製造する方法を鋭意検討した
ところ、乳酸を原料として用い、特定の固体触媒上での
気相反応によって直接的に無水シトラコン酸を高選択的
に合成する新規な方法を見出だし、本発明を完成するに
至った。
【0005】即ち本発明は、乳酸を、リン酸鉄を主成分
とする固体触媒の存在下で接触気相反応させ、無水シト
ラコン酸を合成することを特徴とする無水シトラコン酸
の製造方法に関する。 さらに本発明では、固体触媒と
して、リン酸鉄および酸化タングステンを主成分とする
固体触媒を用いることが好ましい。
【0006】本発明において、出発原料として用いられ
る乳酸は反応系へ供給するまでは乳酸単独であってもよ
いが、乳酸を少なくとも、1重量%以上、特に3〜60
重量%程度含有する乳酸の水溶液であってもよい。
【0007】本発明においては、触媒としてリン酸鉄を
主成分とする固体触媒を用いる。該固体触媒は、リン酸
鉄を含むものであれば良く、リン酸鉄を単独で用いて
も、他の成分(金属酸化物等)との混合系または複合系
であってもよい。リン酸鉄としては、FeP04 ,Fe
3 (P2 7 2 ,Fe2 2 7 などを挙げることが
できる。リン酸鉄と混合系または複合系を構成するのに
好ましい他の成分は、例えば酸化タングステン系化合物
として、酸化タングステン、リンタングステン酸および
シリカタングステン酸等のタングステンを含むヘテロポ
リ酸等、酸化タングステン系化合物以外のものとして
は、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、GeO2 、SiO
2 およびPbO等の金属酸化物等を挙げることができ
る。この中でも好ましいのは、酸化タングステン系化合
物である。
【0008】前記の混合系または複合系の場合のリン酸
鉄の含有率は、10〜100%(モル比)、特に30〜
100%(モル比)であることが好ましい。リン酸鉄の
含有率が低すぎると、選択率が悪くなるという問題があ
るからである。リン酸鉄と酸化タングステン化合物とを
含む混合系または複合系とする場合は、リン酸鉄と酸化
タングステン化合物の比が、1:9(FeとWの原子
比)乃至9:1(FeとWの原子比)、特に2:8(F
eとWの原子比)乃至8:2(FeとWの原子比)であ
ることが好ましい。この範囲が特に選択率が良いからで
ある。リン酸鉄および酸化タングステン化合物の合計の
含有率は、10〜100%(モル比)、特に30〜10
0%(モル比)であることが好ましい。
【0009】前記の混合系または複合系の形態として
は、リン酸鉄系成分と他の成分が物理的に混合している
もの、リン酸鉄系成分と他の成分が複合酸化物を形成し
ているもの、リン酸鉄系成分と他の成分がそれぞれ別個
に混合系または複合系を形成しているものの混合物、お
よびそれらを二層に充填したもの等を挙げることができ
る。例えば、酸化タングステン系化合物を含む混合系ま
たは複合系の場合は、酸化タングステン単独または酸化
タングステンと他の酸化物の混合物若しくは複合化合物
(複合酸化物等)等を使用して、さらにリン酸鉄系成分
を用いて混合系または複合系とすることができる。ま
た、リン酸鉄と前記の酸化タングステン系化合物とを含
む固体触媒の場合は、リン酸鉄と酸化タングステン系化
合物とを二層に充填して用いたり、両者を混合して用い
たりすることもできる。
【0010】前記固体触媒は、前述の触媒として作用す
る成分(触媒成分)を単独で使用する以外に、触媒成分
とともに工業的触媒を調製する場合に使用する希釈剤、
あるいは担体を混合して固体触媒とすることができる
【0011】次に触媒の調製について説明する。触媒の
調製に使用される原料は特に限定されるものではない
が、主成分のリン酸鉄の原料は、リン酸鉄または焼成し
てリン酸鉄となるものであれば良く、試薬等をそのまま
使用することができし、またリン化合物と鉄化合物とを
混合し、調整することもできる。
【0012】混合系または複合系とする場合の、酸化タ
ングステン系化合物成分の原料としては、タングステン
の塩化物、酸化物(WO2 、WO3 )、リンタングステ
ン酸およびシリカタングステン酸等のタングステンを含
むヘテロポリ酸等を挙げることができる。酸化タングス
テン系化合物以外の他の成分の原料としては、Ti
2 、ZrO 2 、SnO2 、GeO2 、SiO2 等の金
属酸化物の他、焼成してこれらの化合物となるものが使
用される。酸化物以外のものとしては、塩化物、硝酸
塩、水酸化物等が好ましい。
【0013】触媒の調製は、原料化合物(酸化物、塩な
ど)を充分に混合して、空気中で、50〜200℃で乾
燥し、さらに、300℃以上、特に400〜800℃の
温度で焼成することが好ましい。焼成温度が800℃以
上であると得られた触媒が焼結を起こし、比表面積が小
さくなることがあるので好ましくない。また、300℃
以下では活性成分が十分に生成しないので好ましくな
い。尚、リン酸鉄を原料として単独で用いる場合、また
はリン酸鉄と他の酸化物を原料として用いる場合は、空
気中で50〜200℃で乾燥するだけで用いることもで
きる。本発明で用いる固体触媒の形態は特に制限され
ず、例えば粉体のまま、あるいは成形した形態のいずれ
でも良好に使用することができる。成形するときはバイ
ンダとして一般的に知られているもの、例えばシリカゲ
ル等を用いることも可能である。
【0014】次に接触気相反応に付いて説明する。接触
気相反応においては、乳酸を気相状態で供給し、前記固
体触媒に接触させることにより無水シトラコン酸を製造
する。接触気相反応に際しては、同伴ガスを使用するこ
とができる。同伴ガスとしては、窒素ガス、空気、酸素
ガス、炭素ガス等が使用できる。同伴ガスの使用量は、
乳酸1モルに対して、0.3〜10モル倍程度である。
特に空気、酸素ガスは反応を促進させる効果があり、好
ましい。乳酸は、水蒸気とともにガス状態で反応系への
供給することができる。その場合に、水蒸気の使用量
は、乳酸1モルに対して2〜100モル程度が好まし
い。水蒸気の使用量は原料の乳酸に対して多い方が、シ
トラコン酸の選択率を向上される傾向があるが、余り多
くなり過ぎると目的化合物の収量低下と水蒸気供給によ
るエネルギーロスのために好ましくない。
【0015】乳酸の接触気相反応による無水シトラコン
酸、またはシトラコン酸を合成する反応温度は、150
〜350℃、特に180〜300℃であることが好まし
い。また反応圧は、常圧、低度の加圧、あるいは減圧の
いずれでもよい。接触時間はとくに限定しないが、収率
ならびに工業的観点からすると、0.1〜20秒、特に
0.2〜10秒程度であることが好ましい。シトラコン
酸は生成した無水シトラコン酸を水と接触させることに
よって容易に合成することができる。特に合成条件を限
定するものではない。
【0016】製造方法は、乳酸の接触気相反応を連続式
で行うことが好ましい。触媒の使用形態としては、固定
床、移動床、流動床のいずれの形態であってもよいが、
工業的には固定床方式で行うのが好ましい。触媒層の形
態としては、固体触媒を、単一の層として用いても、二
層として用いてもよい。リン酸鉄を単独で使用する場合
は一層で用いるが、例えばリン酸鉄と酸化タングステン
系化合物とを含む固体触媒については、二層状に充填し
て原料を最初にリン酸鉄に接触させ、続いて酸化タング
ステン系化合物に接触させるようにしても良い。また、
両者の触媒成分を混合し、一層として用いてもよい。選
択性の向上には、二層状態で充填するのが好ましい。
【0017】
【実施例】
{触媒の調製}本発明で用いる固体触媒および触媒成分
は次のようにして調製した。 (イ)リン酸鉄 水5リットルに硝酸第二鉄〔Fe(NO3 3 ・9H2
O〕122gを溶解し、この水溶液にアンモニア水を加
えて、水溶液のpH値を8に調整して、沈殿物を生成さ
せる。この沈殿物に85重量%のリン酸〔H3 PO4
41.5gを加えた後、その水溶液を100℃で加熱し
て、熟成した。生成した沈殿物を蒸発し乾固して、空気
中、150℃の温度で8時間乾燥した後、粉砕して4〜
10メッシュに整粒して、次にその粉砕品を空気中、4
80℃で5時間焼成した。得られた焼成物は、酸化還元
滴定法により、鉄原子の95%以上が三価のFeであ
り、そのX線回折スペクトルにおいて決定された構造
は、トリデマイト型のFePO4 〔X相〕を示すもので
あった。
【0018】(ロ) 酸化タングステン(WO3 ) 市販品(関東化学製)の酸化タングステン(WO3 )を
水添加し、充分に混練した後、100℃で8時間乾燥し
た。乾燥物を粉砕して4〜10メッシュに整粒にして触
媒とした。 (ハ) 酸化タングステン−酸化スズ系(Sn/W=1
/9) 所定量の市販品酸化タングステン(WO3 )と、酸化ス
ズ(SnO2 )に水を加えて、器にて充分混合し、その
混合物を100℃、8時間乾燥し、さらに500℃で5
時間焼成した。焼成品を粉砕して4〜10メッシュに整
粒して触媒とした。 (ニ) 酸化タングステン−リン酸系(P/W=5/9
5) 所定量の酸化タングステン(WO3 )と所定量(H3
4 )を少量の水とを混合してペスト状にして、これを
100℃、5時間乾燥した後、粉砕して4〜10メッシ
ュに整粒して触媒とした。
【0019】比較例に使用した触媒: (ホ) シリカアルミナ(Al/Si=15/85) SiO2 とAl(OH)3 を用いて上記(ハ)と同様に
してシリカアルミナを調製した。
【0020】{乳酸の接触気相反応} [実施例1]前記(イ)で調製されたリン酸鉄単独から
なる固体触媒30ml(20g)を内径18mmのステ
ンレス製反応管に充填した後、常圧下、この反応管に乳
酸:水蒸気:空気(モル比)=10.92:480:3
50となるように、10%(重量)のピルビン酸の水溶
液(供給量9.615ml/時間)と空気(供給量78
4ml/時間)を流し、反応温度230℃で、また接触
時間5.4秒で反応を行った。反応ガスを、ガスクロマ
トグラフィによって分析し、生成した無水シトラコン酸
等の量を求めた。それらの結果を表1に示す。
【0021】[実施例2〜5]前記(イ)で調製したリ
ン酸鉄と(ロ)〜(ニ)で得られた酸化タングステン系
化合物とを表1に示す割合で30ml(20g)を採
り、各触媒成分を混合することなく内径18mmのステ
ンレス製反応管に二層状に充填し、リン酸鉄の方が最初
に原料ガスに接触するようにした以外は、実施例1と同
様の条件で反応を行った。生成した無水シトラコン酸等
の量を表1に示した。
【0022】[実施例6]前記(イ)で調製したリン酸
鉄と(ニ)で得られた酸化タングステン系化合物とを表
1の割合で混合した固体触媒30ml(20g)を用い
て、内径18mmのステンレス製反応管に実施例1と同
様に一層状に充填し、実施例1と同様の条件で反応を行
った。生成した無水シトラコン酸等の量を表1に示し
た。
【0023】[比較例1]前記(ホ)で調製したシリカ
アルミナを用いた以外は、実施例1と同様の条件で反応
を行った。結果を表1に示した。
【0024】表1中、乳酸の反応率は、式 反応率=(供給乳酸−回収乳酸)/供給乳酸 で求められるものであり、また、無水シトラコン酸の選
択率は、式 選択率=生成した無水シトラコン酸(mol)×2/(供給
乳酸−回収乳酸(mol)) で求められるものであり、収率は、式 収率=反応率×選択率 で求められるものである。尚、本願発明者は乳酸2分子
から無水シトラコン酸1分子ができるものと推定してい
る。
【0025】
【表1】
【0026】このようにして得られた無水シトラコン酸
は水に溶解して容易にシトラコン酸とすることができ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明は、無水シトラコン酸の新規な製
造方法を提供するものである。本発明によれば、乳酸
を、リン酸鉄を主成分とする固体触媒の存在下で接触気
相反応させ、高選択率で無水シトラコン酸を生成させる
ことができるので、安定した品質の無水シトラコン酸を
供給することができる。
【0028】触媒としてリン酸鉄および酸化タングステ
ンを主成分とする固体触媒を用いると、さらに高選択率
で無水シトラコン酸を得ることができる。
【0029】また、本発明によれば、工業的に容易に入
手することができる乳酸を原料として用いることがで
き、さらに工業的に有利な気相触媒反応で反応すること
ができるので、安価に無水シトラコン酸を供給すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸を、リン酸鉄を主成分とする固体触
    媒の存在下で接触気相反応させ、無水シトラコン酸を合
    成することを特徴とする無水シトラコン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 乳酸を、リン酸鉄および酸化タングステ
    ンを主成分とする固体触媒の存在下で接触気相反応さ
    せ、無水シトラコン酸を合成することを特徴とする無水
    シトラコン酸の製造方法。
JP7105042A 1995-04-28 1995-04-28 無水シトラコン酸の製造法 Pending JPH08295687A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014097980A (ja) * 2012-10-19 2014-05-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology α位に水素と水酸基とを有するヒドロキシカルボン酸またはそのオリゴマーの高温高圧水処理によるフラノン誘導体またはγ−ブチロラクトン誘導体の製造方法
US8829246B2 (en) 2007-09-20 2014-09-09 Arkema France Process for manufacturing acrolein from glycerol
CN105121439A (zh) * 2013-02-19 2015-12-02 辉瑞公司 作为pde4亚型抑制剂用于治疗cns和其他病症的氮杂苯并咪唑化合物

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