JPH0686932A - メタクリル酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒の製造方法

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JPH0686932A
JPH0686932A JP4239239A JP23923992A JPH0686932A JP H0686932 A JPH0686932 A JP H0686932A JP 4239239 A JP4239239 A JP 4239239A JP 23923992 A JP23923992 A JP 23923992A JP H0686932 A JPH0686932 A JP H0686932A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い反応活性、選択性、良好な強度と長い寿
命を有するメタクリル酸製造用触媒を提供すること。 【構成】 一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれ燐、モリブ
デン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
す)で示されるヘテロポリ酸の部分中和塩からなるメタ
クリル酸製造用触媒を製造するにあたり、バナジウム原
料として水に可溶性の塩を用い、全ての触媒原料を水に
溶解又は懸濁させた溶液にアンモニウム根及び硝酸根を
存在させ、該溶液を110〜200℃で飽和水蒸気存在
下に1〜24時間加熱処理し、更に濃縮乾燥して得られ
る固体を不活性ガス雰囲気下に400〜500℃で焼成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気相接触酸化によるメタ
クリル酸の製造に用いられるヘテロポリ酸系触媒の製造
法に関する。詳しくはメタクロレイン、イソブタン等を
分子状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸を製造する
ために用いられるヘテロポリ酸系触媒の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造するための触媒は種々提案されており
(特開昭50−101316号、特開昭50−1425
10号、特開昭59−4445号等)、既にその一部は
工業規模の生産に用いられている。又、イソ酪酸の酸化
脱水素(特開昭57−72935号等)、イソブチルア
ルデヒドの酸化(特開昭57−144238号等)によ
りメタクリル酸を製造するための触媒もよく知られてい
る。
【0003】更に、イソブチレン又は第三級ブタノール
を酸化してメタクリル酸、メタクロレインを製造するた
めの触媒(特開昭55−127328号)、最近ではイ
ソブタンを直接酸化してメタクリル酸、メタクロレイン
を得るための触媒(特開平2−42032号等)も提案
されている。
【0004】これらの反応に用いられる触媒としては、
いずれもモリブデン及び燐を主成分とするヘテロポリ酸
及び/又はその塩の構造を有し、又バナジウムによるモ
リブデンの一部置換、銅、アンチモン、ヒ素等の助触媒
成分の添加が有効であることが知られている。
【0005】調製法に関しても環状アミンの使用等種々
の改良が提案されている。触媒原料の混合条件について
は加熱下で行うことが知られており、80℃程度以上
(特開平4−7037号、特開平4−63139号等)
で行うことが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知触媒の問題点は、既に実用化されているメタクロレ
インの酸化触媒においても反応収率(活性と選択性)と
触媒寿命の両者を満足させる点で必ずしも十分でないこ
とである。例えばアクロレインからアクリル酸を製造す
る触媒に較べ、反応の選択性が低いばかりでなく反応活
性と寿命も悪い。したがって大量の触媒が必要となり設
備費用と触媒コストの負担が大きいのが現状である。イ
ソブタン、イソ酪酸等を原料とする方法もいまだに工業
化出来ていないのも触媒の性能が十分でないことが大き
な理由の一つである。
【0007】本発明者らは先に触媒組成と触媒原料であ
るバナジウム塩の形態を限定した改良触媒を提案した
(特開平4−63139号)。しかしながら、なお水に
溶解性の小さい五酸化バナジウムを用いることによるハ
ンドリング上の問題点等が残っていた。本発明の課題は
現状の触媒を改良して、より高い反応活性、選択性、触
媒強度及び長い触媒寿命を合わせもつ触媒を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために、ヘテロポリ酸系触媒の改良について
鋭意検討した結果、特定の触媒組成を持ち、特定の調製
工程を含む手段で調製された触媒が上記の課題を達成す
ることを見い出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】すなわち本発明は一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれ燐、モリブ
デン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元素の
原子比を表し、b=12としたとき、a,c及びeは0
(ゼロ)を含まない3以下の値、d及びfは0(ゼロ)
を含む3以下の値、gはそれぞれの元素の酸化状態及び
原子比によって定まる値である)で示されるヘテロポリ
酸の部分中和塩からなるメタクリル酸製造用触媒を製造
するにあたり、バナジウム原料として水に可溶性の塩を
用い、全ての触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液に
アンモニウム根及び硝酸根を存在させ、該溶液を110
〜200℃で飽和水蒸気存在下に1〜24時間加熱処理
し、更に濃縮乾燥して得られる固体を不活性ガス雰囲気
下に400〜500℃で焼成することを特徴とするメタ
クリル酸製造用触媒の製造方法である。
【0010】本発明の触媒の基本的な構造は、従来から
よく知られているリンモリブデン酸のルビジウム、セシ
ウム、タリウムによる部分中和塩であるが、更には必須
成分としてバナジウムを含んでいる。他の成分としてヒ
素は、メタクリル酸選択性の向上に有効であり、この目
的のために添加することが推奨される。またY元素であ
る銅、銀、ビスマス、鉄、コバルト、アンチモン、ラン
タン、セリウム等も反応活性や選択性の向上に効果があ
り含まれている方が望ましい。中でも銅を選択した場合
はその効果が大きい。
【0011】これらの元素を含む触媒が有効であること
は既に知られている所であるが、本発明の特定の触媒調
製条件と組み合わせることにより、その有効性は更に向
上する。
【0012】次に本発明の態様を詳細に説明する。本発
明において、触媒原料の混合及び加熱処理の段階でアン
モニウム根及び硝酸根が存在することが必須である。原
料として下記のものを使用することによりこれを満足さ
せることができる。モリブデン及びアンモニウムの原料
としてはモリブデン酸アンモニウムが適当であるが、酸
化モリブデン、リンモリブデン酸等とアンモニア又はア
ンモニウム塩を組合せて用いてもよい。バナジウムとし
てはメタバナジン酸アンモニウム、蓚酸バナジル、モリ
ブドバナド燐酸のような操作性が良く、可溶性の塩を用
いる。燐及びヒ素は燐酸、ヒ酸を用いるのが一般的であ
るが燐酸アンモニウム等他の必須元素の塩等の形で用い
てもよい。
【0013】硝酸根の原料としては、カリウム、ルビジ
ウム、セシウム、タリウム及び任意成分のいずれかを硝
酸塩にするか、又は硝酸、硝酸アンモニウム等の硝酸根
含有化合物を添加する。硝酸根が原料のいずれかに存在
すれば、他のルビジウム、セシウム、タリウム及び任意
成分は塩化物、炭酸塩、水酸化物、燐酸塩等を用いるこ
ともできる。
【0014】上記原料を水中に溶解又は懸濁させ、これ
を混合する。混合方法は特に規定されず、原料を溶液で
仕込んでも又固体のまま仕込んでも良いが、析出反応を
一時にするため予め酸成分、塩基成分を混合しておき、
最終的に両者を混合する方法が推奨される。混合液は、
通常、懸濁液となっている。この混合液のpHは約3〜
9の範囲になっていることが好ましい。混合液中のアン
モニウム根、硝酸根はモリブデン12モルに対し、それ
ぞれ約6〜18モル、約0.1〜5モル存在させるのが
良い。
【0015】混合後、得られた懸濁液は、約110〜2
00℃で飽和水蒸気存在下に1時間以上加熱処理され
る。加熱処理がこの条件以下の場合はメタクリル酸への
転化率が低い触媒になる。又、200℃以上にしてもそ
れに見合った効果が無いばかりか、加熱処理設備が高価
なものとなる。処理時間は1時間以上であれば特に制限
されないが、通常は1〜24時間である。これ以上の時
間処理してもそれに見合った効果は得られない。
【0016】加熱処理はオートクレーブなどの加圧容器
で、通常、撹拌しながら実施される。前記の混合処理も
同一の容器で実施することも可能である。本発明の加熱
処理が有効である理由は詳らかではないが、懸濁液中の
結晶の組成、粒子形態が加熱処理過程で変化することが
観測されている。
【0017】加熱処理が終わった懸濁液は濾過して固体
分を分離してもよいが、通常は公知の方法、すなわち箱
型乾燥機、ドラム乾燥機、噴霧乾燥機、バンド乾燥機、
赤外乾燥機、気流乾燥機等で濃縮乾燥される。乾燥温度
は、通常、約100〜150℃、好ましくは約110〜
130℃である。乾燥後の固体はドーソン型のヘテロポ
リ酸塩となっており、このままでは殆ど活性がなく、焼
成して活性化させる。
【0018】不活性ガス雰囲気下に約400〜500℃
で焼成して活性化する前に、急激な焼成による触媒活性
及び強度への悪影響を避けるために、この乾燥固体を予
め約350℃までの温度で徐々に焼成するのが好まし
い。この焼成によりケギン型のヘテロポリ酸に転移する
と共に、共存する硝酸アンモニウム等の中和生成物が除
去される。焼成時に硝酸アンモニウムの急激な分解によ
る触媒活性及び強度への悪影響を避けるため、乾燥後の
固体を約10mm以下の形状に破砕又は成形したものを焼
成することが望ましい。
【0019】この段階で得られたヘテロポリ酸はアンモ
ニウム、X成分(カリウム等)との混合塩となってお
り、このままでは固体酸の性質がなく未だ活性が低い。
これを更に窒素等の不活性ガス雰囲気下に約400〜5
00℃、好ましくは約420〜450℃で約1〜10時
間焼成する。これによりほぼ全てのアンモニウム成分が
脱離しプロトン酸となり高活性を発現する。
【0020】空気中で焼成した場合、約400℃以上で
はヘテロポリ酸の分解、焼結が起こって活性が低くな
り、約400℃以下ではアンモニウム根が多く残留して
しまうためやはり活性が低い。不活性ガス中で焼成した
後、空気中で約400℃以下で焼成することは差し支え
ない。
【0021】本発明で製造された触媒はメタクロレイン
の酸化をはじめ種々の原料の酸化によるメタクリル酸の
製造に用いられるが、使用にあたっては触媒単独、又は
α−アルミナ、シリカ、シリコンカーバイト等の低表面
積担体に担持又は希釈混合した形で用いられ、固定床反
応に用いる場合は円柱状、球状、リング状、クローバー
状、歯車状、塊状等に成形して用いられる。流動床、移
動床等の反応形式で用いることもできる。
【0022】これらの形状に成形するための方法は公知
の成形法、即ち打錠成形、転動造粒、押出成形、流動造
粒、噴霧造粒等の方法が用いられる。成形性の改良又は
成形体の活性、強度向上のためにグラファイト、ステア
リン酸、ガラス繊維等各種の添加物を成形時に添加して
よい。
【0023】本発明で得られた触媒の物性は一般に、表
面積が1〜20 m2 /g、成形後の細孔容積が0.1〜
0.4cm3 /g、細孔径が50〜1000nm半径、圧壊強
度は1Kg重以上である。
【0024】本発明で得られる触媒を用いて、メタクロ
レインを気相で接触酸化してメタクリル酸を製造する場
合、使用される原料としては必ずしも純粋のメタクロレ
インである必要はなく、イソブチレンやターシャリーブ
タノールを気相接触酸化した得られたメタクロレイン含
有ガスでも、また液相法で得られたメタクロレインを気
化したものでも良い。酸素源は純粋な酸素でも良いが、
工業的には空気が使用される。
【0025】その他の希釈ガスとしては、窒素、二酸化
炭素、水蒸気等を用いることができる。反応原料ガス中
のメタクロレイン濃度は約1〜10%、メタクロレイン
に対する酸素の比は約1〜5程度が用いられる。原料ガ
スの空間速度は約500〜5000h-1の範囲、反応温
度は約260〜340℃程度が好ましい。反応圧力は通
常、常圧付近又は若干の加圧下で行われる。
【0026】また本発明で得られる触媒を用いて、イソ
ブタンを直接酸化してメタクリル酸、メタクロレインを
製造する場合は、原料ガス中のイソブタン濃度は約15
%以上の高濃度の方がよい。酸素源としては純酸素、酸
素富化空気、空気等が用いられる。イソブタンに対する
酸素の比は約0.2〜2程度が適当である。
【0027】反応ガス中には水蒸気を約3〜30%の範
囲で含有させることが望ましい。原料ガス中に窒素、二
酸化炭素、一酸化炭素等の希釈ガスが含まれていてもよ
い。この反応では転化率はさほど高くできないので、未
反応イソブタン及び場合により酸素は回収して再循環さ
れる。
【0028】副生メタクロレインは再循環するか別の反
応器に導きメタクリル酸に酸化する。空間速度は約30
0〜3000h-1、反応温度は約270〜340℃程度
が好ましい。反応圧力は、通常、常圧又は加圧下で行わ
れる。
【0029】本発明で得られる触媒は、イソ酪酸の酸化
脱水素、イソブチルアルデヒドの酸化によるメタクリル
酸製造にも用いることが出来る。又イソブチレンから一
段でメタクリル酸を製造する際にも用いることが可能で
ある。これらの反応では、メタクロレインの酸化と同様
な反応条件が採用できる。
【0030】
【発明の効果】本発明で得られる触媒はメタクリル酸の
製造において、高い反応活性、選択性、良好な強度と長
い触媒寿命を有している。特に反応活性が高いため、そ
の工業的な意義は極めて大きい。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。転化率、及び選択率の定義は下記の
とおりである。 転化率(%)=〔(反応した原料の炭素原子モル数)×
100〕÷(供給した原料の炭素分子モル数) 選択率(%)=〔(生成した生成物の炭素原子モル数)
×100〕÷(反応した原料の炭素原子モル数)
【0032】実施例1 1リットルの三角フラスコにモリブデン酸アンモニウム
〔(NH4 ) 6 Mo732・4H2 O〕296.5g、
硝酸銅〔Cu(NO3 ) 2 ・3H2 O〕10.1gを入
れ、85%燐酸24.2g、50%硫酸セシウム水溶液
73gを水224mlに混合しこれを加えた。更にメタ
バナジン酸アンモニウム(NH4 VO3)164.gを
添加し混合した。内容物を1リットルのオートクレーブ
に入れ、120℃で飽和水蒸気存在下に5時間加熱撹拌
を行った。得られたスラリーをバットに移し、乾燥機中
120℃で濃縮乾燥させた。この段階の乾固物はX線回
折の結果、いわゆるドーソン型のヘテロポリ酸構造であ
った。
【0033】乾固物を乳鉢で粉砕し、粉砕した乾固物1
00部に対し、水30部及びガラス繊維4部を加え混錬
後、金型を用いて押出成形し、直径5mm、長さ約7mmの
成形体を得た。これを120℃で乾燥後、320℃で5
時間焼成した。この段階の触媒はX線回折及び赤外吸収
分析の結果、ケギン型のヘテロポリ酸構造であった。こ
れを窒素雰囲気中で435℃で5時間焼成後、更に空気
中で390℃で3時間焼成し触媒を得た。この触媒組成
はP1.5 Mo121.0 Cs1.4 Cu0.1 (ただし、O、
H、N原子を除く)である。
【0034】この触媒9mlを内径15mmのガラス製反応
管に充填し、メタクロレイン4モル%、酸素12モル
%、水蒸気16モル%、残りが窒素からなる組成の原料
ガスを空間速度(STP基準)670h-1で反応管を通
し、反応温度280℃で活性試験を行った。その結果メ
タクロレイン転化率95.4%、メタクリル酸選択率7
6.0%であった。
【0035】比較例1 120℃で飽和水蒸気存在下の加熱処理及び窒素雰囲気
下435℃の焼成を行わなかった以外は実施例1と同様
にして触媒調製と活性試験を行った。活性試験の結果は
メタクロレイン転化率68.4%、メタクリル酸選択率
80.5%であった。
【0036】比較例2 オートクレーブを用いた120℃で飽和水蒸気存在下の
加熱処理の代わりに、コンデンサー付の外熱式容器中で
常圧約100℃で5時間加熱撹拌を行った以外は実施例
1と同様にして触媒調製と活性試験を行った。活性試験
の結果はメタクロレイン転化率89.4%、メタクリル
酸選択率78.1%であった。
【0037】実施例2 イオン交換水270mlにモリブデン酸アンモニウム2
96.5gを溶解した液と、85%燐酸21.0g、燐
酸銅〔Cu3 ( PO4 ) 2 ・3H2 O〕6.05g 、6
0%砒酸13.3g 、硝酸セシウム38.2gを水22
4mlに溶解した液を40℃にて混合し、これにメタバ
ナジン酸アンモニウム8.19gを添加し混合した。こ
の溶液を容量1リットルのオートクレーブに入れ、12
0℃で飽和水蒸気存在下に5時間加熱撹拌を行った。得
られたスラリーをバットに移し、乾燥機中120℃で濃
縮乾燥させた。この段階の乾固物はX線回折の結果、い
わゆるドーソン型のヘテロポリ酸構造であった。
【0038】乾固物を乳鉢で粉砕し、粉砕した乾固物1
00部に対し、水25部及びガラス繊維4部を加え混錬
後、金型を用いて押出成形し、直径5mm、長さ約7mmの
成形体を得た。これを120℃で乾燥後、250℃で5
時間焼成した。この段階の触媒はX線回折及び赤外吸収
分析の結果、ケギン型のヘテロポリ酸構造であった。こ
れを窒素雰囲気中で435℃で5時間焼成後、更に空気
中で390℃で3時間焼成し触媒を得た。この触媒組成
はP1.5 Mo120.5 As0.4 Cs1.4 Cu0.3 (ただ
し、O、H、N原子を除く)である。
【0039】この触媒のBET表面積は5.6 m2 /g、
細孔容積は0.26cm3 /g、細孔ピーク半径は200n
m、直径方向圧壊強度は1.5kg重であった。実施例1
と同様に行った活性試験の結果はメタクロレイン転化率
93.0%、メタクリル酸選択率82.6%であった。
【0040】実施例3、4 実施例2において、オートクレーブを用い飽和水蒸気存
在下の加熱処理を120℃で2時間、140℃で5時間
行った以外は実施例2と同様にして触媒調製及び活性試
験を行った。活性試験の結果を表1に示す。
【0041】比較例3〜5 実施例2において、オートクレーブを用いた120℃で
飽和水蒸気存在下の加熱処理の代わりに、コンデンサー
付の外熱式容器中で常圧約100℃で1、4、20時間
加熱撹拌を行った以外は実施例2と同様にして触媒調製
及び活性試験を行った。活性試験の結果を表1に示す。
【0042】比較例6 硝酸セシウムの代わりに炭酸セシウム31.3gを用い
た以外は実施例2と同様にして触媒調製及び活性試験を
行った。活性試験の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 宇井 利明 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 山本 哲也 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 PaMobVcAsdXeYfOg (式中、P、Mo、V、As、Oはそれぞれ燐、モリブ
    デン、バナジウム、ヒ素及び酸素を表し、Xはカリウ
    ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より
    選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Yは銅、銀、ビ
    スマス、鉄、コバルト、アンチモン、ランタン及びセリ
    ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表
    し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元素の
    原子比を表し、b=12としたとき、a,c及びeは0
    (ゼロ)を含まない3以下の値、d及びfは0(ゼロ)
    を含む3以下の値、gはそれぞれの元素の酸化状態及び
    原子比によって定まる値である)で示されるヘテロポリ
    酸の部分中和塩からなるメタクリル酸製造用触媒を製造
    するにあたり、バナジウム原料として水に可溶性の塩を
    用い、全ての触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液に
    アンモニウム根及び硝酸根を存在させ、該溶液を110
    〜200℃で飽和水蒸気存在下に1〜24時間加熱処理
    し、更に濃縮乾燥して得られる固体を不活性ガス雰囲気
    下に400〜500℃で焼成することを特徴とするメタ
    クリル酸製造用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒原料を水に溶解又は懸濁させた溶液
    中のアンモニウム根及び硝酸根の量がモリブデン12モ
    ルに対してそれぞれ6〜18モル、0.1〜5モルであ
    る請求項1記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガス雰囲気下に400〜500℃
    で焼成する前に、予め350℃までの温度で徐々に焼成
    することを特徴とする請求項1記載のメタクリル酸製造
    用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガス雰囲気下に400〜500℃
    で焼成した後、更に空気中で400℃までの温度で焼成
    することを特徴とする請求項1又は請求項3記載のメタ
    クリル酸製造用触媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7253309B2 (en) 2002-02-07 2007-08-07 Nippon Shokubai Co., Ltd Method for production of methacrylic acid
KR100891085B1 (ko) * 2001-06-28 2009-03-31 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 메타크릴산의 제조에 유용한 촉매
EP2505577A1 (en) 2003-06-05 2012-10-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of (meth)acrylic acid
CN116139814A (zh) * 2021-11-19 2023-05-23 核工业北京化工冶金研究院 一种用于吸附铯的吸附剂、其制备方法、吸附方法及用途

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