JP3465350B2 - メタクリル酸製造用触媒の製造法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は気相接触酸化によるメタ
クリル酸の製造に用いられるヘテロポリ酸系触媒の改良
に関する。詳しくはメタクロレイン、イソブタン、イソ
酪酸、イソブチルアルデヒドなどを分子状酸素で気相接
触酸化してメタクリル酸を製造するために用いられるヘ
テロポリ酸系触媒の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造するための触媒は数多く提案されており
(例えば、特開昭50-101316 号、特開昭50-142510 号、
特開昭59-4445 号など)、すでにその一部は工業規模の
生産に用いられている。また、イソ酪酸の酸化脱水素
(特開昭57-72935号など)、イソブチルアルデヒドの酸
化(特開昭57-144238 号など)によるメタクリル酸を製
造する触媒もよく知られている。さらに、イソブタンま
たは第三級ブタノールを酸化してメタクリル酸、メタク
ロレインを製造するための触媒(特開昭55-127328
号)、イソブタンを直接酸化してメタクリル酸、メタク
ロレインを得るための触媒(特開平2-42032 号)なども
提案されている。 【0003】これらの反応に用いられる触媒としては、
いずれもモリブデンおよび燐を主成分とするヘテロポリ
酸および/またはその塩の構造を有するものであり、組
成に関してはバナジウムによるモリブデンの一部置換、
銅、アンチモン、ヒ素などの助触媒成分の添加等の改良
が提案されている。また、これらの触媒の調製法とし
て、特開昭57-165040 号には、アンモニウム根およびア
ルカリ金属を含むヘテロポリ酸塩を調製しておき、その
後、不活性ガス中400〜550℃で焼成することによ
り脱アンモニアすることで低温活性な触媒が得られるこ
とが開示されている。 【0004】触媒原料中に硝酸根が含まれていれば、触
媒焼成する際、硝酸根が分解して窒素酸化物が生成す
る。メタクロレインの合成に用いられるモリブデン−ビ
スマス系の触媒を焼成して調製する際に、焼成雰囲気中
において、硝酸根が分解して生成する二酸化窒素などの
窒素酸化物を1容量%以上、および酸素を0.5容量%
以上に保持して行う方法が知られている(特開平5-2373
88号)。また、窒素含有化合物(主に一酸化窒素)を用
いて、劣化触媒の再活性化を行う方法(特開昭56-91846
号)も知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、すでに
実用化されているメタクリル酸の製造において、公知の
触媒の問題点は、反応収率(活性と選択性)と触媒寿命
の両者を満足させる点で必ずしも十分でないことであ
る。例えばアクロレインからアクリル酸を製造する触媒
に較べ、反応の選択性が低いばかりでなく反応活性と寿
命も悪く、したがって大量の触媒が必要となり、設備費
用と触媒コストの負担が大きいのが現状である。イソブ
タン、イソ酪酸などを原料とする方法も未だに工業化さ
れていないのも触媒の性能が十分でないことが大きな理
由の一つである。 【0006】本発明者らは、さきに触媒前駆体としてド
ーソン型のヘテロポリ酸塩(一部はヘテロポリ酸のアン
モニウム塩)を調製し、焼成によりケギン型ヘテロポリ
酸塩(一部はヘテロポリ酸のアンモニウム塩)に結晶転
移したのち、400〜500℃の温度で不活性ガス中で
焼成することにより脱アンモニアして調製する触媒の製
造法を提案した(特開平4-63139 号)。本発明の課題は
この触媒をさらに改良して、より高い反応活性、選択
性、触媒強度と長い触媒寿命を合わせもつ触媒を提供す
ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために、ヘテロポリ酸系触媒の改良につい
て、鋭意検討した結果、ケギン型ヘテロポリ酸のアンモ
ニウム塩を脱アンモニアする際、不活性ガスのみでは少
なくとも400℃以上の高温が必要であり、このため触
媒の表面積、細孔容積の低下、さらには触媒活性の低下
を招くことがわかった。そこで、この触媒焼成工程にお
いてケギン型ヘテロポリ酸のアンモニウム塩を、窒素酸
化物含有ガス中で低温にて脱アンモニアさせることによ
り、触媒の表面積および細孔容積の低下を抑制でき、高
活性の触媒が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに到ったものである。 【0008】すなわち本発明は、一般式PaMobcd
ef (式中、P、MoおよびOはそれぞれ燐、モリブデンお
よび酸素を、Xは砒素、アンチモン、ホウ素、銅、ゲル
マニウム、ビスマス、ジルコニウム、セレン、セリウ
ム、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、ス
ズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルから
なる群より選ばれた少なくとも一種の元素を、Yはバナ
ジウム、タングステンおよびニオブからなる群より選ば
れた少なくとも一種の元素を、Zはアルカリ金属、アル
カリ土類金属およびタリウムからなる群より選ばれた少
なくとも一種の元素を示し、また添字a、b、c、d、
eおよびfは各元素の原子比を示し、b=12とした
時、aは0(ゼロ)を含まない3以下の値を、c、dお
よびeは0(ゼロ)を含む3以下の値をとり、fはO以
外のそれぞれの元素の酸化状態および原子比によって定
まる数値である)で表されるヘテロポリ酸の部分中和塩
からなるメタクリル酸製造用触媒の製造法において、ア
ンモニウム根の存在下に触媒原料の水溶液または水懸濁
液を混合し、濃縮乾燥して得られる固体を、一酸化窒素
濃度2〜20容量%のガス中、かつ該一酸化窒素を処理
系内に供給しながら、150〜400℃の温度で処理し
てアンモニアを脱離させることを特徴とするメタクリル
酸製造用触媒の製造法である。 【0009】本発明の触媒の基本的な構造は従来からよ
く知られているリンモリブデン酸のアルカリ金属、アル
カリ土類金属、タリウムによる部分中和塩である。砒
素、アンチモン等の他の成分はメタクリル酸選択性の向
上等に有効であり、添加することが推奨される。これら
の元素を含む触媒が有効であることはすでに知られてい
る所であるが、本発明の特定の触媒調製条件と組み合わ
せることによりその有効性はさらに向上する。 【0010】本発明の触媒は後に述べる混合、析出およ
び加熱熟成処理の段階でアンモニウム根が存在すること
が必須である。モリブデンおよびアンモニウムの原料と
してはモリブデン酸アンモニウムが適当であるが、酸化
モリブデン、リンモリブデン酸等とアンモニアまたはア
ンモニウム塩を組合せて用いてもよい。燐は燐酸を用い
るのが一般的であるが、燐酸アンモニウムなど他の必須
元素の塩などの形で用いてもよい。その他の成分は硝酸
塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物、水酸化物、酸化物、燐酸
塩等のいずれを用いてもよい。また、硝酸、硝酸アンモ
ニウム等の硝酸根含有化合物を添加してもよい。 【0011】上記原料は少なくとも二種の水溶液または
懸濁溶液とし、この溶液を混合して沈澱を析出させる。
混合後、得られたスラリーは、100〜200℃で1時
間以上加熱熟成処理してもよい。加熱熟成処理時間は1
時間以上で有ればとくに制限されないが、通常は1〜4
2時間である。これ以上の時間処理してもそれに見合う
効果がない。 【0012】加熱熟成処理が終わったスラリーは公知の
方法、すなわち箱型乾燥機、ドラム乾燥機、噴霧乾燥
機、バンド乾燥機、赤外乾燥機、気流乾燥機等で濃縮乾
燥される。用いる触媒原料、沈殿析出時の温度、PH、
その後の熟成処理、加熱処理等によりその結晶系はさま
ざまであるが、本発明に利用される触媒では、一般的に
ドーソン型のヘテロポリ酸塩、ケギン型のヘテロポリ酸
塩、または両者の混合物の構造になっている。 【0013】ドーソン型ヘテロポリ酸塩になっている場
合は、これを150〜350℃程度で加熱するとケギン
型のヘテロポリ酸塩に転移するとともに、共存する硝酸
アンモニウム等の中和生成物が除去される。この加熱の
工程は公知の装置で実施されるが、硝酸アンモニウムの
急激な分解による触媒活性および強度への悪影響を避け
るため、約10mm以下に分割した形状のヘテロポリ酸
を数時間かけて加熱することが望ましい。このようにし
て得られたケギン型ヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸の
アルカリ金属等の塩とヘテロポリ酸のアンモニウム塩と
の混合塩となっており、このままでは固体酸の性質がな
く活性が低いので焼成してアンモニウム根を脱離させる
必要がある。 【0014】窒素などの不活性ガス雰囲気中でアンモニ
ウム根の脱離を行うには約400〜500℃、好ましく
は約420〜450℃の温度で焼成しなければならな
い。400℃以下の温度であれば、アンモニウム根の脱
離が不十分であり高活性を発現できない。空気中で焼成
した場合は、約400℃以上ではヘテロポリ酸の分解、
焼結がおこって活性が低くなってしまう。ところが、窒
素酸化物を含有するガス、特に一酸化窒素と窒素等の不
活性ガスの混合ガスで処理すると、150〜400℃、
さらに好ましくは250〜350℃の低温で処理するこ
とにより、簡単にアンモニウム根が脱離する。窒素酸化
物を含有するガス中の一酸化窒素濃度は約1〜100容
量%、好ましくは約2〜20容量%であり、処理時間は
約0.5〜10時間である。 【0015】窒素酸化物を用いると、なぜ低温でアンモ
ニウム根が脱離するのかについての作用機構は明らかで
ないが、アンモニアと窒素酸化物の脱硝反応(NO+N
3→N2 )が関与しているのではないかと考えられ
る。 【0016】触媒原料中に硝酸根が含まれている場合、
その熱分解によって窒素酸化物が発生するが、本発明の
ようにヘテロポリ酸アンモニウム塩のアンモニウム根を
低温で除去するにはそれだけでは量的に不十分であり、
積極的に窒素酸化物を添加しなければならない。 【0017】アンモニウム根の脱離の状態は、メタクロ
レインの酸化反応での活性試験でも確認できるが、触媒
(ケギン型ヘテロポリ酸塩)の赤外吸収スペクトルで1
400cm-1付近のアンモニウムイオンの吸収が消滅し
ていることで確認できる。また、熱分析においても、窒
素気流中ではケギン型ヘテロポリ酸塩は、400℃以上
の温度でないと重量減少、発熱ピークの発生がみられな
いにもかかわらず、一酸化窒素と窒素の混合ガス気流中
では200℃前後より重量減少、発熱ピークの発生が確
認できる。 【0018】ドーソン型ヘテロポリ酸塩を直接、窒素酸
化物含有ガスで150〜400℃で処理しても、ドーソ
ン型ヘテロポリ酸塩からケギン型ヘテロポリ酸塩への転
移、硝酸アンモニウム等の中和生成物の除去、アンモニ
ウム根の脱離が進行し、触媒の焼成が終了する。 【0019】本発明の触媒は、窒素酸化物含有ガスでア
ンモニウム根の脱離を行ったのち、さらに空気中で約4
00℃以下で焼成することは差し支えない。 【0020】本発明の方法で調製した触媒は、アンモニ
アの脱離温度が低いため、それだけ高表面積の触媒にな
っており、さらに高活性である。 【0021】本発明の触媒はメタクロレインの酸化をは
じめ種々の原料の酸化によるメタクリル酸の製造に用い
られるが、使用にあたっては触媒単独、またはαアルミ
ナ、シリカ、シリコンカーバイト等の低表面積担体に担
持または希釈混合した形で用いられ、固定床の場合は円
柱状、球状、リング状、クローバー状、歯車状、塊状等
に成形して用いられる。これらの形状に成形するための
方法は公知の成形法、すなわち打錠成形、転動造粒、押
出成形、流動造粒、噴霧造粒等の方法が用いられる。成
形性の改良あるいは成形体の活性、強度向上のためにグ
ラファイト、ステアリン酸、ガラス繊維等各種の添加物
を成形時に添加してもかまわない。流動床、移動床など
の反応形式を用いることもできる。 【0022】本発明で得られた触媒の物性は、触媒組
成、調製法によっても異なるが、通常、表面積が1〜2
0m2 /g、成形後の細孔容積が0.1〜0.4cm3
/g、細孔半径が500〜10000Å、圧壊強度は1
kg以上である。同一条件で調製した触媒では、窒素酸
化物含有ガス中で低温にて脱アンモニアさせることによ
り、触媒の表面積および細孔容積は大きくなる。 【0023】本発明の触媒を用いて、メタクロレインを
気相で接触酸化してメタクリル酸を製造する場合、使用
される原料としては必ずしも純粋のメタクロレインであ
る必要はなく、イソブチレンやターシャリーブタノール
を気相接触酸化した得られたメタクロレイン含有ガスで
も、また液相法で得られたメタクロレインを気化したも
のでも良い。 【0024】酸素源は純粋な酸素でも良いが、工業的に
は空気が使用される。その他の希釈ガスとしては、窒
素、二酸化炭素、水蒸気等を用いることができる。反応
原料ガス中のメタクロレイン濃度は約1〜10%、メタ
クロレインに対する酸素の比は約1〜5程度が用いられ
る。原料ガスの空間速度は約500〜5000h-1の範
囲,反応温度は約260〜340℃程度が好ましい。反
応圧力は常圧付近または若干の加圧下で行われるのが普
通である。 【0025】また本発明の触媒を用いて、イソブタンを
直接酸化してメタクリル酸、メタクロレインを製造する
場合は、原料ガス中のイソブタン濃度は約15%以上の
高濃度の方がよい。酸素源としては純酸素、酸素富化空
気、空気等が用いられる。イソブタンに対する酸素の比
は約0.2〜2程度が適当である。 【0026】反応ガス中には水蒸気を約3〜30%の範
囲で含有することが望ましい。原料ガス中に窒素、二酸
化炭素、一酸化炭素等の希釈ガスが含まれていてもよ
い。この反応では転化率はさほど高くできないので未反
応イソブタンおよび場合により酸素は回収して再循環さ
れる。副生メタクロレインは再循環するか別の反応器に
導きメタクリル酸に酸化する。空間速度は約300〜3
000h-1、反応温度は約270〜340℃程度が好ま
しい。反応圧力は常圧または加圧下で行われる。 【0027】本発明の触媒は、イソ酪酸の酸化脱水素、
イソブチルアルデヒドの酸化によるメタクリル酸製造に
も用いることが出来る。またイソブチレンから一段でメ
タクリル酸を製造する際にも用いることが可能である。
これらの反応では、メタクロレインの酸化と同様な反応
条件が採用できる。 【0028】 【発明の効果】本発明の方法で製造した触媒はメタクリ
ル酸の製造において、従来の触媒よりも高い反応活性、
選択性、良好な強度と長い触媒寿命を有している。とく
に反応活性、選択性が高いため、その工業的な意義は大
きい。 【0029】 【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。転化率、および選択率の定義は下
記のとおりである。 (メタクロレイン酸化反応)メタクロレイン 転化率=(反応メタクロレイン モル数/供給メタクロレイン
モル数)×100メタクリル 酸選択率=(生成メタクリル 酸モル数/反応メタクロレイン
モル数)×100 (イソブタン酸化反応)イソフ゛タン 転化率=(反応イソフ゛タン モル数/供給イソフ゛タン モ
ル数)×100メタクロレイン 選択率=(生成メタクロレイン モル数/反応イソフ゛タン
モル数)×100メタクリル 酸選択率=(生成メタクリル 酸モル数/反応イソフ゛タン
モル数)×100 【0030】実施例1 イオン交換水4800gに85%燐酸450g、燐酸銅
Cu3 (PO4 2 ・3H2 O 130g、硝酸セシウ
ム819g、60%砒酸水溶液284gを加え、40℃
に保持して撹拌溶解し、均一な水溶液とした。(A液) ステンレス製20Lジャケット付き反応器にイオン交換
水6990kgを仕込み、温度を40℃に保持した。そ
こにモリブデン酸アンモニウム(NH4 6 Mo7 32
・4H2 O 6356gを添加し、撹拌溶解させた。
(B液) 【0031】A液をB液の入っている反応器に全量注入
して沈澱を析出させスラリーとした後、五酸化バナジウ
ム137gを添加し、ジャケットにスチームを流して1
25℃に加熱し、熟成処理を38時間行った後、乾燥機
中、120℃で水分を蒸発させた。この段階の乾固物
は、X線回折でいわゆるドーソン型のヘテロポリ酸塩構
造であった。乳鉢で粉砕した乾固物100部に対し、水
30部およびガラス繊維4部を加え混錬後、金型を用い
て押出成形し、直径5mm、長さ約7mmの成形触媒原
料を得た。これを120℃で乾燥後、空気気流中320
℃で2時間焼成した。この段階の触媒はX線回折および
赤外吸収分析でケギン型のヘテロポリ酸塩構造であっ
た。 【0032】この段階の触媒40gを内径25mmのガラ
ス管に充填し、一酸化窒素60cc/minと窒素54
0cc/minの混合ガス流通下、350℃で3時間処
理して触媒を得た。この触媒は比表面積が13.9m2
/gもあり、赤外吸収分析では1400cm-1のアンモ
ニウム根に帰属されるピークが消滅していた。 【0033】この触媒9mlを内径15mmのガラス製
反応管に充填し、メタクロレイン4モル%、酸素12モ
ル%、水蒸気16モル%、残りが窒素からなる組成の原
料ガスを空間速度(STP基準)670h-1で反応管を
通し、反応温度270℃でメタクロレイン酸化反応の活
性試験を行った。その結果、メタクロレイン転化率7
8.0%、メタクリル酸選択率84.2%であった。な
お、以下の実施例においてもメタクロレイン酸化反応活
性試験の条件は同一である。 【0034】実施例2 実施例1において、ケギン型ヘテロポリ酸塩の触媒40
gを内径25mmのガラス管に充填し、一酸化窒素12
0cc/minと窒素540cc/minの混合ガス流
通下250℃で3時間処理して触媒を得た以外は実施例
1と同様に触媒を調製した。活性試験の結果、メタクロ
レイン転化率80.4%、メタクリル酸の選択率84.
5%であった。 【0035】実施例3 実施例1において、ケギン型ヘテロポリ酸塩の触媒40
gを内径25mmのガラス管に充填し、一酸化窒素30
cc/minと窒素570cc/minの混合ガス流通
下250℃で3時間処理して触媒を得た以外は実施例1
と同様に触媒を調製し、活性試験を行った。活性試験の
結果、メタクロレイン転化率78.4%、メタクリル酸
の選択率84.2%であった。 【0036】比較例1 実施例1において、ケギン型ヘテロポリ酸塩の触媒を、
窒素中435℃で3時間、さらに空気中380℃で3時
間焼成して触媒を得た以外は実施例1と同様に触媒を調
製し活性試験を行った。この触媒は比表面積が6.5m
2 /gであり、活性試験の結果、メタクロレイン転化率
68.0%、メタクリル酸選択率84.6%であった。 【0037】実施例4 実施例1において調製した触媒を用いて、イソブタン酸
化反応を行った。触媒6mlを内径15mmのガラス製
反応管に充填し、イソブタン25モル%、酸素12モル
%、水蒸気15モル%、残りが窒素からなる組成の原料
ガスを空間速度(STP基準)1000h-1で反応管を
通し、反応温度310℃で反応を行った。その結果、イ
ソブタン転化率7.9%、メタクロレイン選択率9.4
%、メタクリル酸選択率59.6%であった。なお、以
下の実施例においてもイソブタン酸化反応活性試験の条
件は同一である。 【0038】比較例2 実施例1において、ケギン型ヘテロポリ酸塩の触媒40
gを内径25mmのガラス管に充填し、窒素600cc
/min流通下、350℃で3時間処理して触媒を得た
以外は実施例1と同様に触媒を調製した。この触媒は赤
外吸収分析において、1400cm-1のアンモニウム根
に帰属されるピークが残っていた。イソブタン酸化反応
活性試験の結果、イソブタン転化率2.2%、メタクロ
レイン選択率22.1%、メタクリル酸選択率48.2
%であった。 【0039】比較例3 実施例1において、ケギン型ヘテロポリ酸塩の触媒40
gを内径25mmのガラス管に充填し、窒素600cc
/min流通下、435℃で3時間処理して触媒を得た
以外は実施例1と同様に触媒を調製した。この触媒は赤
外吸収分析において、1400cm-1のアンモニウム根
に帰属されるピークは消滅していたが、比表面積は1
0.1m2 /gであった。イソブタン酸化反応活性試験
の結果、イソブタン転化率6.4%、メタクロレイン選
択率8.7%、メタクリル酸選択率54.3%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−237388(JP,A) 特開 昭57−32734(JP,A) 特開 昭60−44042(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式PaMobcdef (式中、P、MoおよびOはそれぞれ燐、モリブデンお
    よび酸素を、Xは砒素、アンチモン、ホウ素、銅、ゲル
    マニウム、ビスマス、ジルコニウム、セレン、セリウ
    ム、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、ス
    ズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルから
    なる群より選ばれた少なくとも一種の元素を、Yはバナ
    ジウム、タングステンおよびニオブからなる群より選ば
    れた少なくとも一種の元素を、Zはアルカリ金属、アル
    カリ土類金属およびタリウムからなる群より選ばれた少
    なくとも一種の元素を示し、また添字a、b、c、d、
    eおよびfは各元素の原子比を示し、b=12とした
    時、aは0(ゼロ)を含まない3以下の値を、c、dお
    よびeは0(ゼロ)を含む3以下の値をとり、fはO以
    外のそれぞれの元素の酸化状態および原子比によって定
    まる数値である)で表されるヘテロポリ酸の部分中和塩
    からなるメタクリル酸製造用触媒の製造法において、ア
    ンモニウム根の存在下に触媒原料の水溶液または水懸濁
    液を混合し、濃縮乾燥して得られる固体を、一酸化窒素
    濃度2〜20容量%のガス中、かつ該一酸化窒素を処理
    系内に供給しながら、150〜400℃の温度で処理し
    てアンモニアを脱離させることを特徴とするメタクリル
    酸製造用触媒の製造法。
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