JPH08293385A - エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents
エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法Info
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- JPH08293385A JPH08293385A JP7095216A JP9521695A JPH08293385A JP H08293385 A JPH08293385 A JP H08293385A JP 7095216 A JP7095216 A JP 7095216A JP 9521695 A JP9521695 A JP 9521695A JP H08293385 A JPH08293385 A JP H08293385A
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Abstract
3元系化合物で構成された発光層を有するエレクトロル
ミネッセンス素子において、高輝度化を図る。 【構成】 ガラス基板11上に、第1電極12、第1絶
縁層13、発光層14、ZnSキャップ層15、第2絶
縁層16及び第2電極17を有してエレクトロルミネッ
センス素子が構成されており、発光層14が、発光中心
としてCeを添加したCa2 GaS4 から構成されてお
り、この発光層14中の酸素濃度を0.5at%以下と
した。
Description
型のセグメント表示やマトリックス表示、或いは各種情
報端末機器のディスプレイなどに使用されるエレクトロ
ルミネッセンス(以下、ELという)素子に関する。
ラス基板上に、光学的に透明なITO膜からなる第1電
極、Ta2 O5 (五酸化タンタル)等からなる第1絶縁
層、発光層、第2絶縁層及びITO膜からなる第2電極
を順次積層して形成されている。
鉛)を母体材料とし、発光中心としてMn(マンガン)
やTb(テルビウム)を添加したものや、SrS(硫化
ストロンチウム)を母体材料とし、発光中心としてCe
(セリウム)を添加したものが使用される。EL素子の
発光色は、ZnS中の添加物の種類によって決まり、例
えば発光中心としてMnを添加した場合には黄橙色、T
bを添加した場合には緑色の発光が得られる。また、S
rSに発光中心としてCeを添加した場合には、青緑色
の発光色が得られる。
は、赤色、緑色及び青色の発光を呈するEL発光層を形
成する必要がある。この中でも青色発光を呈するEL素
子の発光層材料としては、一般にSrSに発光中心とし
てCeを添加したものが用いられている。しかし、この
発光層材料を用いた場合、本来青緑色の発光を呈するの
で、青色発光のみを得るためには、発光スペクトルの緑
色成分をカットするフィルタを用いる必要がある。
イ情報学会国際会議技術論文ダイジェストp761〜7
64に示されているように、アルカリ土類金属チオガレ
ートを発光層の母材とし、発光中心元素としてCeを添
加したEL素子では、フィルタを用いることなく青色発
光が得られることが知られている。
金属チオガレートの結晶化温度は高く、EL素子の発光
層として用いる場合、600〜650℃の熱処理が行わ
れている。熱処理温度の上限が650℃であるのは、こ
れ以上の温度で熱処理を行うと、ガラス基板に著しい歪
みをもたらすからである。しかし、現状では、たとえこ
れらの温度で熱処理を行ったとしても、アルカリ土類金
属チオガレート発光層の結晶性は、ZnSやSrSを用
いた発光層に較べ、著しく低いものであった。そのた
め、アルカリ土類金属チオガレート発光層を用いて、実
用上十分な輝度を有するEL素子を実現することは、非
常に困難であった。
オガレート発光層の結晶性向上が重要である。しかしア
ルカリ土類金属チオガレートは、アルカリ土類金属(C
a、Sr、Ba)、Ga(ガリウム)及びS(硫黄)の
3元系化合物であるため、ZnSやSrS等の2元系化
合物に較べ、その結晶化のメカニズムは非常に複雑であ
り、未だ不明な点が多い。特に混入する微量の不純物
が、結晶化に与える影響などは、全く解明されていな
い。そのため、アルカリ土類金属チオガレート発光層を
用いたEL素子に関しては、高輝度化の指針が得られて
いないのが実状である。
リ土類金属チオガレートのような3元系化合物を用いて
発光層を形成したものにおいて、高輝度化を図ることを
目的とする。
上記目的を達成するため、発光層が発光中心を添加した
IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族化合物で構成されてお
り、かつ発光層中の酸素濃度が、0.5at%以下であ
ることを特徴としている。このように発光層中の酸素濃
度が0.5at%以下であると、例えばIIa 酸素化合物
やIIIb族酸素化合物等の、酸素に関係した副生成物の発
生が抑制され、発光層の結晶性が良好になっているた
め、発光輝度を高くすることができる。
%以下とした場合には、非常に高い発光輝度を安定して
得ることができる。また、本発明は、発光層が発光中心
を添加したIIa −IIIb−VIb (Oを除く)族化合物で構
成されており、かつ発光層中の酸素濃度(NO)と発光
中心元素の濃度(NL)との比(NO/NL)が、1以
下であることを特徴としている。
により、発光中心元素とアルカリ土類金属との置換を容
易にすることができる。これは、不純物として酸素が多
く存在すると、IIIb元素よりも酸化され易いIIa 族元素
と結合し複合体を形成するため、発光中心元素がアルカ
リ土類金属と置換しにくくなるためである。従って、E
L発光に有効な発光中心の数を増加させることができる
ため、EL発光輝度が著しく改善される。
においては、発光中心を添加した非晶質のIIa −IIIb−
VIb (Oを除く)族化合物薄膜を成膜した後、このIIa
−IIIb−VIb (Oを除く)族化合物薄膜の上にキャップ
層を形成し、このキャップ層が形成された後、還元性ガ
スを含む雰囲気において、熱処理を行いIIa −IIIb−VI
b (Oを除く)化合物薄膜を結晶化させることを特徴と
している。
処理を用いて、IIa −IIIb−VIb (Oを除く)化合物薄
膜を結晶化させることにより、酸素濃度を低くした高輝
度発光ののEL素子を製造することができる。その場
合、IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族化合物薄膜の上に
キャップ層を形成しておくことにより、熱処理により結
晶化する際の、IIa −IIIb−VIb (Oを除く)化合物薄
膜のひび割れ等を防ぐことができる。
合物薄膜の成膜も、還元性ガスを含む雰囲気中で行われ
るようにすれば、発光層中の酸素濃度を一層低くするこ
とができる。なお、成膜時及び熱処理時の還元性ガス
は、5mol%を超えるようにすることが望ましい。ま
た、キャップ層をZnSで形成するようにすれば、Ca
S等でキャップ層を形成したものに比べ、耐湿性を向上
させることができる。
え、かつ550℃以下であることが望ましい。これは、
250℃以下の場合には薄膜の付着力が弱く、熱処理時
に薄膜の剥離が発生し、550℃を超えると薄膜が微結
晶化し、熱処理時に結晶化の進行が遅くなるためであ
る。また、熱処理の温度としては、500℃以上650
℃未満であることが望ましい。これは、500℃未満の
熱処理では結晶化が起こらず、また650℃以上の熱処
理では基板に歪みが入るためである。また、熱処理する
温度を600℃以上650℃未満の高温とした場合に
は、熱処理する時間を1時間未満であっても十分結晶化
させることができる。
においては、基板上に第1電極及び第1絶縁層を形成し
た後、530℃以上の基板温度にて、還元性ガスを含む
雰囲気中で、発光中心を添加したIIa −IIIb−VIb (O
を除く)族化合物で構成された発光層を結晶化して形成
することを特徴としている。このように530℃以上の
基板温度とした場合には、成膜後の熱処理を行わなくて
も発光層を結晶化させることができる。
慮すれば、530℃以上650℃未満とするのが好まし
い。また、5mol%を超える還元性ガスを含む雰囲気
において発光層を形成すれば、後述する図4から分かる
ように、酸素の混入を十分抑制して、発光輝度を高くす
ることができる。
いて行うことができ、スパッタ時の還元性ガスの分圧は
0.01Pa以上であることが望ましい。上述したIIa
−IIIb−VIb (Oを除く)族化合物としては、アルカリ
土類金属チオガレートまたはアルカリ土類金属セレノガ
レートとすることができる。アルカリ土類金属チオガレ
ートとしては、例えばMGa2 S4 (M=Ca、Sr、
Ba)を用いることができ、アルカリ土類金属セレノガ
レートとしては、例えばMGa2 Se4 (M=Ca、S
r、Ba)を用いることができる。
元素としては、CeまたはEu等の希土類元素、Mnま
たはPb等を用いることができる。なお、アルカリ土類
金属チオガレートを用いた場合に、還元性ガスとしてH
2Sを用いれば、発光層中のSの解離(蒸発)を防ぐこ
とができ、アルカリ土類金属セレノガレートを用いた場
合に、還元性ガスとしてH2 Seを用いれば、発光層中
のSeの解離を防ぐことができる。
子10の断面を示した模式図である。なお、図1のEL
素子10では、矢印方向に光を取り出している。薄膜E
L素子10は、絶縁性基板であるガラス基板11上に、
光学的に透明なZnO(酸化亜鉛)からなる第1透明電
極(第1電極)12、光学的に透明なTa2 O5 からな
る第1絶縁層13、発光中心としてCeを添加したCa
Ga2 S 4 (カルシウムチオガレート)からなる発光層
14、光学的に透明なZnSキャップ層15、光学的に
透明なTa2 O5 からなる第2絶縁層16、及び光学的
に透明なZnOからなる第2透明電極(第2電極)17
が順次積層されて形成されている。
ついて説明する。なお、以下の説明における各層の膜厚
は、ガラス基板11の中央の部分を基準として記述して
ある。まず、ガラス基板11上に第1透明電極12を成
膜した。蒸着材料としては、ZnO粉末にGa2 O3
(酸化ガリウム)を加えて混合し、ペレット状に成形し
たものを用い、成膜装置としてはイオンプレーティング
装置を用いた。具体的には、ガラス基板11の温度を一
定に保持したままイオンプレーティング装置内を真空に
排気した。その後、Ar(アルゴン)ガスを導入して圧
力を一定に保ち、成膜速度が6〜18nm/minの範
囲となるようビーム電力及び高周波電力を調整した。
O5 からなる第1絶縁層13をスパッタ法により形成し
た。具体的には、ガラス基板11の温度を一定に保持
し、スパッタ装置内にArとO2 (酸素)の混合ガスを
導入し、1KWの高周波電力で成膜を行った。そして、
第1絶縁層13上に、CaGa2 S4 を母体材料とし、
発光中心としてCeを添加したCaGa2 S4 :Ce
(カルシウムチオガレート:セリウム)発光層14を、
スパッタ法を用いて形成した。
一定温度に保持し、成膜室内にArに5mol%の割合
でH2 S(硫化水素)を混合したガスを導入し、300
Wの高周波電力で成膜を行った。なお、H2 Sの分圧
は、0.05Pa〜0.2Paとした。スパッタターゲ
ットには、発光中心としてCeを添加したCaGa2 S
4 :Ce焼結体を用いた。スパッタ成膜した直後のカル
シウムチオガレート:セリウムCaGa2 S4 :Ce発
光層14に対してX線回折パターンを調べたところ、回
折ピークは認められず、非晶質であることが確認され
た。
パッタ法を用いて100nm形成した。この後、上記構
成のものを、20mol%の割合でH2 Sを含むAr雰
囲気中で、630℃、30分間熱処理した。この時のH
2 Sの分圧は、5Pa以下とした。なお、50paにす
ると、Sが析出するという問題が発生するので、それよ
り低い分圧、すなわち50pa未満とする必要がある。
この熱処理の結果、上記スパッタ成膜直後には、非晶質
で発光を示さなかったCaGa2 S4 :Ce発光層14
が、結晶化し発光を示すようになった。
絶縁層16を上述の第1絶縁層13と同様の方法で形成
した。そして、ZnO膜からなる第2透明電極17を、
上述の第1透明電極12と同様の方法により、第2絶縁
層16上に形成した。各層の膜厚は、第1、第2透明電
極12、17が300nm、第1、第2絶縁層13、1
6が600nm、発光層14が600nmである。
すように本実施例にて製造されたEL素子10は、比較
例に較べ著しく発光輝度が改善された。ここで、比較例
は、上述の実施例に対し、スパッタ成膜時及び熱処理時
にH2 Sを導入せず、Arのみの雰囲気でプロセスを行
ったものであり、EL素子の構造は本実施例と同一であ
る。
ローブX線マイクロアナリシス(EPMA:Electron P
robe Micro Analysis )法及び2次イオン質量分析(S
IMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)法を用い
て分析した。その結果、本実施例の発光層14中の酸素
濃度は、0.01at%であり、比較例は0.8at%
であった。
膜時及び熱処理時のH2 S濃度を変えて、同様な構造の
EL素子を製作した。その結果、図3に示すように、発
光層14中の酸素濃度が0.5at%以下の時にEL発
光輝度が著しく向上した(図中のサンプルでは0.48
以下であるが測定誤差等を勘案すれば0.5以下で効果
がある)。これは、酸素濃度を0.5at以下にするこ
とにより結晶性がよくなり、発光層14を走行するキャ
リアの散乱が減少するため、キャリアを高エネルギーに
加速することが容易となり、発光輝度が向上したもので
ある。なお、酸素濃度を0.01at以下にした場合に
は、安定した高輝度発光(酸素濃度が0.5atを超え
るものの10倍程度)を得ることができた。
2 S4 :Ce発光層14を成膜する温度は、250℃〜
550℃の範囲が望ましい。その理由は、250℃以下
の場合には薄膜の付着力が弱く、熱処理時に薄膜の剥離
が発生した。また、550℃を超えると薄膜が微結晶化
し、熱処理時に結晶化の進行が遅くなった。さらに、上
述の実施例において、非晶質のCaGa2 S4 :Ce発
光層14を熱処理する温度は、500℃以上650℃未
満が望ましい。これは、500℃未満の熱処理では結晶
化が起こらず、また650℃以上の熱処理ではガラス基
板に歪みが入るためである。また、熱処理する温度を6
00℃以上650℃未満の高温とした場合には、熱処理
する時間を1時間未満であっても十分結晶化させること
ができる。 (第2実施例)この第2実施例は、第1実施例のような
熱処理によるアニールを行わずに発光層14を形成した
ものである。
形成を以下のようにして行った。第1絶縁層13を第1
実施例と同様に形成した後、ガラス基板11を580℃
の一定温度に保持し、成膜室内にArに10mol%の
割合でH2 Sを混合したガスを導入し、300Wの高周
波電力で600nmの発光層14を成膜した。スパッタ
ターゲットには、発光中心としてCeを添加したCaG
a2 S4 :Ce焼結体を用いた。
光層14に対してX線回折パターンを調べた。その結
果、CaGa2 S4 の(400)面に対応する回折ピー
クが認められ、結晶化していることが確認された。次
に、発光層14上に、ZnSキャップ層15を形成せず
に、Ta2 O5 からなる第2絶縁層16及びZnO膜か
らなる第2透明電極17を第1実施例と同様な方法で形
成した。
は比較例に較べ、約5倍の発光輝度が得られた。ここで
比較例は、上述の実施例において、スパッタ成膜時のH
2 S濃度を、0.5mol%にして成膜を行ったもので
あり、EL素子の構造は本実施例と同一である。上述の
発光層14中の酸素濃度を、実施例1と同様な方法で分
析した。その結果、本実施例の発光層14中の酸素濃度
は、0.08at%であった。また、比較例では酸素濃
度は、0.7at%であった。
成膜時のH2 S濃度を変えて、同様な構造のEL素子を
製作した。その結果、図4に示すように、スパッタ成膜
時のH2 S濃度が5mol%を越えると、EL発光輝度
を高く安定させることができた。また、混入する酸素濃
度は、成膜室に存在するH2 Sの全体量に依存するた
め、スパッタ成膜時のH2 Sの分圧は、0.01Pa以
上が望ましい。
基板11の温度(基板温度)とフォトルミネッセンス
(以下、PLという)発光との関係について検討した。
このPL発光とは、発光層に励起光を照射した時に現れ
る発光であり、この実施例においては青色発光である。
なお、励起光源としては、波長325nmのHe−Cd
レーザを用いている。この青色PL発光が発光層の結晶
化の程度を示している。
基板温度500℃までは、PL発光が全く見られず、従
って結晶化していないと考えられる。530℃以上の基
板温度した場合には、青色PL発光が観測された。特
に、580℃、620℃の基板温度のサンプルでは、輝
度が高く十分に結晶化しているものと考えられる。な
お、ガラス基板を用いて基板温度を650℃以上にする
と、ガラス基板のそりが発生するため、基板温度は65
0℃未満にする必要がある。 (第3実施例)この第3実施例においては、第1、第2
絶縁層13、16として光学的に透明なSrTiO3
(チタン酸ストロンチウム)を用いるとともに、CaG
a2 S4:Ce発光層14を、MOCVD(有機金属気
相成長)法により形成している。その他の構成は、第2
実施例と同じである。
の製造方法について説明する。まず、ガラス基板11上
に第1透明電極12を第1実施例と同様の方法で形成し
た後、SrTiO3 からなる第1絶縁層13をスパッタ
法により形成した。具体的には、ガラス基板11の温度
を一定に保持し、スパッタ装置内にArとO2の混合ガ
スを導入し、1KWの高周波電力で成膜を行った。
2 S4 を母体材料とし、発光中心としてCeを添加した
CaGa2 S4 :Ce発光層14を、MOCVD(有機
金属気相成長)法により形成した。具体的には、ガラス
基板11を550℃の一定温度に保持し、成膜室内を減
圧雰囲気下にした後、Arキャリアガスを用いてCa
(C11H20O2 )2 (ジピバロイルメタン化カルシウ
ム)を、同様にArキャリアガスを用いてGa(C2 H
5 )3 (トリエチルガリウム)を、またArガスで希釈
したH2 Sを成膜室に導入した。
Arキャリアガス中にCe(C11H 20O2 )3 (ジピバ
ロイルメタン化セリウム)を140℃で蒸発させ、これ
を成膜室に供給した。そして、これらの原料ガスを反応
及び熱分解させることによって、発光中心としてCeを
添加したCaGa2 S4 :Ce発光層14を600nm
の膜厚で形成した。
第2絶縁層16を第1絶縁層13と同様の方法で形成し
た。そして、ZnO膜からなる第2透明電極17を第1
透明電極12と同様の方法により、第2絶縁層16上に
形成した。なお、第1、第2の絶縁層13、16の膜厚
は、500nmである。EL発光特性を評価したとこ
ろ、図6に示すように本実施例は比較例に較べ、著しく
発光輝度が改善された。ここで、比較例は、上述の実施
例において、Ce(C11H20O2 )3 を120℃で蒸発
させたものであり、EL素子の構造は本実施例と同一で
ある。
度を、第1実施例と同様な方法で分析した。その結果、
本実施例の発光層14中の酸素濃度(NO)は0.18
at%であり、セリウム濃度(NL)は0.3at%で
あった。従って、酸素濃度とセリウム濃度の比(NO/
NL)は、0.6であった。一方、比較例では酸素濃度
(NO)は本実施例と同じであったが、セリウム濃度
(NL)は0.1at%であり、酸素濃度とセリウム濃
度の比(NO/NL)は、1.8であった。
e(C11H20O2 )3 を蒸発させる温度を変化させ、発
光層14中の酸素濃度とセリウム濃度の比(NO/N
L)が、発光輝度に与える影響を調べた。その結果、図
7に示すように、発光層14中の酸素濃度とセリウム濃
度の比(NO/NL)が1以下の領域で、発光輝度が著
しく向上した。特に、その比が0.5以下では、安定し
た高い発光輝度が得られた。 (第4実施例)この第4実施例においては、第1、第2
絶縁層13、16として光学的に透明なAl2 O3 (酸
化アルミニウム)を用いるとともに、SrGa2 S4 を
母体材料とし、発光中心としてCeを添加したSrGa
2 S4 :Ce(ストロンチウムチオガレート:セリウ
ム)発光層14を電子ビーム蒸着法を用いて形成してい
る。その他の構成は、第1実施例と同じである。
の製造方法について説明する。まず、ガラス基板11上
に第1透明電極12を第1実施例と同様の方法で形成し
た後、Al2 O3 からなる第1絶縁層13を、MOCV
D(有機金属気相成長)法により形成した。具体的に
は、ガラス基板41を400℃の一定温度に保持し、成
膜室内を減圧雰囲気下にした後、Arキャリアガスを用
いてAl(CH3 )3 (トリメチルアルミニウム)と、
O2 を成膜室に導入した。そして、これらの原料ガスを
反応及び熱分解させることによって、Al2 O3 からな
る第1絶縁層13を形成した。
4 を母体材料とし、発光中心としてCeを添加したSr
Ga2 S4 :Ce発光層14を、電子ビーム蒸着法を用
いて形成した。具体的には、成膜室内を高真空に排気し
た後、ガラス基板11を300℃の一定温度に保持し、
Ceを添加したSrS:CeペレットとGa2 S3 (硫
化ガリウム)ペレットを用いた2元蒸着法によって、S
rGa2 S4 :Ce発光層14を600nmの膜厚で形
成した。この際、Ceを添加したSrS:CeとGa2
S3 の、各ペレットに照射する電子ビーム電力を調整し
て、SrGa2 S4 :Ce発光層14の組成を、化学量
論組成に合わせた。
a2 S4 :Ce発光層14を、20mol%の割合でH
2 Sを含むAr雰囲気中で、ハロゲンランプによる加熱
により630℃、5分間熱処理した。この結果、上記電
子ビーム蒸着法による成膜直後には、非晶質であったS
rGa2 S4 :Ce発光層14が結晶化し、発光を示す
ようになった。
ップ層15を電子ビーム蒸着法を用いて100nm形成
した。そして、キャップ層15上に、Al2 O3 からな
る第2絶縁層16を第1絶縁層13と同様の方法で形成
した。そして、ZnO膜からなる第2透明電極17を第
1透明電極12と同様の方法により、第2絶縁層16上
に形成した。なお、第1、第2の絶縁層13、16の膜
厚は、400nmである。
は比較例に較べ、発光輝度が約5倍に改善された。ここ
で、比較例は、上述の実施例において、H2 Sを混合せ
ず、Arのみの雰囲気中で熱処理を行ったものであり、
EL素子の構造は本実施例と同一である。上述の発光層
14中の酸素濃度及びCe濃度を、第1実施例と同様な
方法で分析した。その結果、本実施例の発光層14中の
酸素濃度とセリウム濃度の比(NO/NL)は、0.8
であった。一方、比較例では酸素濃度とセリウム濃度の
比(NO/NL)は、5.2であった。
aGa2 S4 又はSrGa2 S4 により構成するものを
示したが、BaGa2 S4 を用いてもよい。本発明は、
これらのアルカリ土類金属チオガレート又は土類金属セ
レノガレート(MGa2 Se 4 、M=Ca、Sr、B
a)等のIIa −IIIb−VIb (Oを除く)化合物を発光層
14に用いたものに適用できる。
Ceの他、Tb、Eu(ユーロピウム)、Sm(サマリ
ウム)等の希土類元素、またはMn、Pb(鉛)等を用
いてもよい。さらに、還元性ガスとしてH2 Sを用いた
が、この他にもH2 (水素)、H2Se(硫化セレン)
等のガスを用いることもできる。
ある。
とEL発光輝度との関係を表す特性図である。
とEL発光輝度との関係を表す特性図である。
2 S濃度とEL発光輝度との関係を表す特性図である。
ミネッセンス強度との関係を示す特性図である。
とEL発光輝度との関係を表す特性図である。
セリウム濃度の比(NO/NL)とEL発光輝度との関
係を表す特性図である。
2…第1透明電極(第1電極)、13…第1絶縁層、1
4…発光層、15…ZnSキャップ層、16…第2絶縁
層、17…第2透明電極(第2電極)。
Claims (17)
- 【請求項1】 基板上に、第1電極、第1絶縁層、発光
層、第2絶縁層及び第2電極が積層形成され、少なくと
も前記発光層からの光取り出し側を光学的に透明とした
エレクトロルミネッセンス素子において、 前記発光層が、発光中心を添加したIIa −IIIb−VIb
(Oを除く)族化合物で構成されており、かつ前記発光
層中の酸素濃度が、0.5at%以下であることを特徴
とするエレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項2】 前記酸素濃度が、0.01at%以下で
あることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミ
ネッセンス素子。 - 【請求項3】 基板上に、第1電極、第1絶縁層、発光
層、第2絶縁層及び第2電極が積層形成され、少なくと
も前記発光層からの光取り出し側を光学的に透明とした
エレクトロルミネッセンス素子において、 前記発光層が、発光中心を添加したIIa −IIIb−VIb
(Oを除く)族化合物で構成されており、かつ前記発光
層中の酸素濃度(NO)と発光中心元素の濃度(NL)
との比(NO/NL)が、1以下であることを特徴とす
るエレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項4】 前記発光層が、発光中心を添加したアル
カリ土類金属チオガレートまたはアルカリ土類金属セレ
ノガレートであることを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項5】 基板上に、第1電極、第1絶縁層、発光
層、第2絶縁層及び第2電極を積層形成し、少なくとも
前記発光層からの光取り出し側を光学的に透明としたエ
レクトロルミネッセンス素子の製造工程において、 発光中心を添加した非晶質のIIa −IIIb−VIb (Oを除
く)族化合物薄膜を成膜した後、このIIa −IIIb−VIb
(Oを除く)族化合物薄膜の上にキャップ層を形成し、
このキャップ層が形成された後、還元性ガスを含む雰囲
気において熱処理を行いIIa −IIIb−VIb (Oを除く)
化合物薄膜を結晶化させる工程を有することを特徴とす
るエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項6】 前記IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族化
合物薄膜の成膜は、還元性ガスを含む雰囲気中で行われ
ることを特徴とする請求項5に記載のエレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法。 - 【請求項7】 前記キャップ層をZnSを用いて形成す
ることを特徴とする請求項5又は6に記載のエレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項8】 前記IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族化
合物薄膜の成膜温度が、250℃を超え、かつ550℃
以下であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか
1つに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項9】 前記熱処理の温度が500℃以上650
℃未満であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれ
か1つに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項10】 前記熱処理の温度が600℃以上で6
50℃未満であり、かつ熱処理の時間が1時間未満であ
ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1つに記
載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項11】 基板上に、第1電極、第1絶縁層、発
光層、第2絶縁層及び第2電極を積層形成し、少なくと
も前記発光層からの光取り出し側を光学的に透明とした
エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法におい
て、 前記基板上に前記第1電極及び第1絶縁層を形成した
後、530℃以上の基板温度にて、還元性ガスを含む雰
囲気中で、前記発光中心を添加したIIa −IIIb−VIb
(Oを除く)族化合物で構成された発光層を結晶化して
形成する工程を有することを特徴とするエレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記基板はガラス基板であって、前記
発光層は650℃未満の基板温度にて形成されることを
特徴とする請求項11に記載のエレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記発光層は5mol%を超える還元
性ガスを含む雰囲気において行われることを特徴とする
請求項11又は12に記載のエレクトロルミネッセンス
素子の製造方法。 - 【請求項14】 前記IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族
化合物が、発光中心を添加したアルカリ土類金属チオガ
レートであることを特徴とする請求項5乃至13のいず
れか1つに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造
方法。 - 【請求項15】 前記還元性ガスとしてH2 Sを用いる
ことを特徴とする請求項14に記載のエレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法。 - 【請求項16】 前記IIa −IIIb−VIb (Oを除く)族
化合物が、発光中心を添加したアルカリ土類金属セレノ
ガレートであることを特徴とする請求項5乃至13のい
ずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製
造方法。 - 【請求項17】 前記還元性ガスとしてH2 Seを用い
ることを特徴とする請求項16に記載のエレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP09521695A JP3941126B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 |
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---|---|
JPH08293385A true JPH08293385A (ja) | 1996-11-05 |
JP3941126B2 JP3941126B2 (ja) | 2007-07-04 |
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JP (1) | JP3941126B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100871910B1 (ko) * | 2007-08-29 | 2008-12-05 | 금호전기주식회사 | 유기 발광 다이오드 및 그 제조 방법 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP09521695A patent/JP3941126B2/ja not_active Expired - Fee Related
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