JPH08290441A - 積層成形品およびその製造装置 - Google Patents

積層成形品およびその製造装置

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JPH08290441A
JPH08290441A JP7124228A JP12422895A JPH08290441A JP H08290441 A JPH08290441 A JP H08290441A JP 7124228 A JP7124228 A JP 7124228A JP 12422895 A JP12422895 A JP 12422895A JP H08290441 A JPH08290441 A JP H08290441A
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哲行 大田
Tatsufumi Oono
樹史 大野
Masahiko Hara
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    • B29L2031/3005Body finishings
    • B29L2031/3041Trim panels

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時に表皮材の裏面発泡層の剥離を防止し
て、アバタ等が樹脂芯材の表出表面に完全に発生させな
い自動車用内装部品を提供する。 【構成】 ドアトリム10は、所望の局面形状に成形さ
れた樹脂芯材11と、この樹脂芯材11の表面の一部に
貼着一体化された表皮材12とから大略構成されてお
り、表皮材12はモールド成形時に、樹脂芯材11の表
面側の一部に一体貼着されている。また、表皮材12の
下線に沿う見切りライン13に沿って、樹脂芯材11に
木目込み溝14を形成し、この木目込み溝14内に表皮
材12の端末を木目込み処理しており、樹脂芯材11
は、表皮材12が被覆されたアッパー部分Aと被覆され
ていないロア部Bとから構成されている。樹脂芯材11
の木目込み溝14の形成部位、特に表皮材12が木目込
み溝の溝板厚5は、樹脂芯材11の他の部位の一般板厚
6より厚く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮材と熱可塑性樹脂
からなる樹脂芯材よりなる多層積層成形品およびその製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような表皮材と熱可塑性樹脂から
なる樹脂芯材よりなる多層積層成形品は、自動車のドア
トリム、リヤトリム等の内装部品に用いられている。こ
のような多層積層成形品の製造は、熱可塑性樹脂を射出
成形等で樹脂芯材に予め成形しておき、該樹脂芯材に接
着剤等を用いて所定形状の表皮材を貼着するか、予め表
皮材をハードボード等に貼着させた部品を製作してお
き、この部品をビス等を用いて前記樹脂芯材に取付ける
方法等があるが、この方法では、後工程を要し手間が掛
かると共に、コストアップの要因となっていた。
【0003】そこで、このような多色積層成形品の製造
について、改良すべく、例えば特開昭64−26414
号公報に記載されているものが提案されている。
【0004】これによると、多色積層成形品の製造装置
は、図7に示すように、未閉鎖のモールド成形用上・下
型7,9間に表皮材3および溶融樹脂4を供給し、上下
型7,9を閉じ、表皮材と熱可塑性樹脂製の樹脂芯材か
らなる多色積層成形品を製造するようになっており、こ
の製造に際し、所定形状に裁断した表皮材2を上型7ま
たは下型9上の所定位置に載置し、上型7および下型9
の間で形成するキャビティ内に溶着樹脂4を供給するこ
とにより、熱可塑性樹脂製樹脂芯材と表皮材12との多
層積層成型品を得るというものである。
【0005】このような多色積層成形品の製造装置は、
次のような工程において行われる。
【0006】所定寸法に裁断した表皮材3を表面側を
上にしてそれぞれ上型7の成形面の所定部分に載置す
る。
【0007】次いで、型締め装置の昇降機構(図示せ
ず)を作動させ、上型7を下降させて上型7および下型
9の型面間のクリアランスが製品厚さより大きい位置で
一旦停止させる(図示状態)。この停止位置で溶融樹脂
4を射出成形機等の溶融樹脂供給装置(図示せず)によ
り、下型7内に設けられた樹脂通路(図示せず)を通じ
て表皮材3の裏面側に供給する。
【0008】次いで、再度昇降機構を作動させて上型
7を下降させることにより表皮材3を下型9側に押圧さ
せると、溶融樹脂4がキャビティ間に流動拡大して、表
皮材3と熱可塑性樹脂の樹脂芯材とが一体となって賦形
が完了する。
【0009】この結果、一部分が表皮材3によって被覆
された多色積層成型品が完成するのである。
【0010】そして、溶融樹脂4は、賦形する過程に準
じて、下型9に対して上型7が下降するに従い、キャビ
ティ間に流動拡大して樹脂芯材に成形されていくもので
あることから、キャビティ内全体に均等に行き渡り、所
定の形状に成形されるために、通常十分に樹脂温度を高
くした溶融樹脂を使用して、キャビティ内の流動性を高
めている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような多色積層成形体の製造において、注目すべきこと
は、表皮材を予め上型に載置した後、射出成形機等の溶
融樹脂供給装置により溶融樹脂を供給して、キャビティ
内に流動拡大させて樹脂芯材を成形していくという点で
ある。
【0012】即ち、通常この表皮材は、塩化ビニルシー
トからなる表面層と、その裏面に裏打ちされたポリプロ
ピレンフォーム等からなる発泡層とで形成されている。
そして、多色積層成形体の成形に当たっては、この表皮
材が金型に載置された場合、金型成形面に表面層が当接
し、逆に発泡層がキャビティ側に表出していることとな
る。この結果、発泡層は、溶融樹脂の高速流動や高温度
によって一部が剥離することがあり、剥離した発泡層は
溶融樹脂と混合して他の部位に流動し、樹脂芯材の表面
に表出して外観不良を起こしたり、発泡層が剥離した表
皮材における裏面には、発泡層が薄い部分が存在するこ
ととなり、表面にアバタ(小さな凹み)や膨れを発生さ
せてしまうことが考えられる。
【0013】このような発泡層の剥離現象は、例えば二
色積層成形体において、樹脂芯材の木目込み溝形成部位
部位付近で最も顕著となる(ここで、二色積層体とは、
成形体の一部が表皮材で覆われているも、他の部位は樹
脂芯材が表出したままとなっている成形体をいう)。
【0014】この点について、図1および図2に示され
た自動車用ドアトリム10を例にして説明する。このド
アトリム10は、所望の局面形状に成形された樹脂芯材
11と、この樹脂芯材11の表面(この場合は、一部)
に貼着一体化された表皮材12とから大略構成されてお
り、例えば、表皮材12の下線に沿う見切りライン13
に沿って、樹脂芯材11側に木目込み溝14が形成され
ており、この木目込み溝14内には、表皮材12の端末
が木目込み処理される。又木目込み溝14の他に、木目
込み溝15も形成されて、表皮材12の中央部等に位置
する中接ぎ装飾シート12dの端末を表皮材12と共に
木目込み処理している。
【0015】そして、樹脂芯材11の木目込み溝14、
15は、図7に示すように、上型7の凸条部7aと下型
9の凹条部9aとによって形成されるのであるが、上下
型7,9の成形過程における両者の間隙の動きと溶融樹
脂4の上下型7,9が形成するキャビティ内の供給過程
とに注目すると、凸条部7aの先端と凹条部9aの先端
とは、図8に示すように、一旦大きく接近して、両者隙
間Kを、キャビティの一般部分Kに比して、非常に
小さいものとした後、更に下型9に対して上型7が下降
して、溝形成部位に所定形状の木目込み溝形成用キャビ
ティ部を形成するようになっている。
【0016】凸条部7aの先端が凹条部9a先端を通過
するとき、もはや溶融樹脂4は、上下型7、9によって
押し潰され、キャビティ内に供給され、この供給は、表
皮材12が設置されていない樹脂芯材の部位即ちロア層
Bにまで及び、徐々に樹脂芯材を形成していくのである
が、溶融樹脂4が、凸条部7aの先端を越え、ロア部B
の部位に供給される時に、凹条部33との隙間Kが非
常に小さいために、流速が早まることとなる。又溶融樹
脂4が凸条部7aを越えるとき、低温の表皮材12によ
り、その表面が若干固化してしまい、この固化した部分
の下は未だ高温となっている。このために、前記溶融樹
脂4の高流速や表面固化部の裏面発泡層12bへの面当
たりによって両者間に高摩擦抵抗力が発生して、表皮材
12の裏面発泡層12bの一部が溶融剥離する場合があ
る。又、前記表面固化部は型締めによって破壊され、そ
の直ぐ下の溶融樹脂の高温樹脂が表面固化部から噴出し
て、表皮材12の裏面発泡層12bの一部を溶融剥離し
てしまうこともある。そして、このように剥離した表皮
材12の表面は、発泡層12bが薄くなって、この部位
はアバタ(小さな窪み)や膨らみ等の外観不良となって
しまう。又、剥離した裏面発泡層12bは、溶融樹脂4
内に混入してロア部Bまで運ばれてしまい、樹脂芯材1
1のロア部Bの表面に、剥離した溶融樹脂4が表出し
て、表面が小さな凹凸ができて、外観不良による外観意
匠性が損なわれるという不具合を出してしまう。
【0017】この点を解決するために、溶融樹脂温度を
下げるという対策が考えられるが、この対策では、逆に
溶融樹脂の流動性が悪化して、金型キャビティ内の全体
に均等に流動拡大されなくなり、所定の形状に成形され
ず外観不良が発生し、外観意匠性が損なわれるという不
具合が発生すること考えられる。
【0018】また、図7に示す製造装置においては、積
層成形品を製造するに当たって、金型キャビティ内に供
給される溶融樹脂は、表皮材12の裏面発泡層12b側
および表皮材12が存在しないロア層B側部位にも図示
しないゲートを介して溶融樹脂供給装置から供給される
ものとしている。このために、前記ゲート付近における
樹脂芯材11の表面には、所謂フローマークやシルバー
ストリーク等の外観不良が発生し、この点からも外観意
匠性を損わす不具合が生じることが考えられる。
【0019】本発明は、このような事情に鑑み、上記問
題を解決するために成されたものであり、成形時に表皮
材の裏面発泡層の剥離を防止して、アバタ等が樹脂芯材
の表出表面に完全に発生させず、しかもフローマークや
シルバーストリークを樹脂芯材の表面に表出させないこ
とにより、外観意匠性に優れた多積層成形品およびその
製造装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、第1に、多層積層成形品を、樹脂芯材と
この樹脂芯材の表面に積層する表皮材とで構成すると共
に、この表皮材を木目込み処理する木目込み溝を前記樹
脂芯材に形成し、且つ該樹脂芯材における木目込み溝構
成部位の板厚を、その他の部位の一般板厚に比して厚く
して構成した。
【0021】本発明は、第2に、多層積層成形品の製造
装置として、モールドプレス成形用上下型内で溶融樹脂
を所要形状に成形してなる樹脂芯材と、この樹脂芯材の
モールド成形時、樹脂芯材の表面を被覆する表皮材とか
ら構成される積層成形品の製造装置において、前記樹脂
芯材に前記表皮材を木目込み処理する木目込み溝を形成
すべく、前記モールドプレス成形用上型および下型にお
ける型面の一方に凸条部を形成すると共に、他方に前記
凸状部に対向する凹条部を形成し、且つ該凹状部または
凸条部を、前記樹脂芯材における木目込み溝形成部位の
板厚が他の部位の一般板厚に比して厚く成形される形状
にしたことを特徴としている。
【0022】本発明は、第3に、多層積層成形品の製造
装置として、前記モールド成形用上型の型面の一部に前
記表皮材を設置すると共に、前記モールド成形用下型に
おける前記表皮材に対向した型面上に、前記溶融樹脂を
分配供給するゲートを開口させたことを特徴としてい
る。
【0023】
【作用】かかる構成により、樹脂芯材の木目込み溝構成
部位の板厚を、他の部位の一般板厚より厚くし、このよ
うな木目込み溝を樹脂芯材に形成するための成形用上型
の凸条部を切欠くか下型の凹条部を拡大するかして、木
目込み溝形成部位の板厚が他の部位の一般板厚に比して
厚く成形される形状にしたので、凸条部先端と凹条部と
が、上金型の下降過程において、上下金型の一般隙間に
比して、狭くなることがなく、表皮材の裏面発泡層を剥
離させることを防止できる。
【0024】又、本発明による場合、溶融樹脂を分配供
給するゲートを表皮材に対向した下型の型面に開口させ
たために、フローマークやシルバーストリークがたとえ
発生したとしても、表皮材により覆い被されてしまい、
樹脂芯材の表面に表出することはない。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る自動車用内装部材とし
て、ドアトリムに適用した場合の実施例について図面に
基づき説明する。
【0026】図1は、ドアトリムの斜視図、図2は、図
1のII−II線における断面図であり、ドアトリム1
0は、所望の局面形状に成形された樹脂芯材11と、こ
の樹脂芯材11の表面の一部に貼着一体化された表皮材
12とから大略構成されている。
【0027】樹脂芯材11は、タルク等の充填材を混入
したポリプロピレン樹脂を素材としてモールド成形され
たものである。
【0028】表皮材12は、本実施例ではトップ層12
aとして塩化ビニルシート、その裏面に裏打ちされる発
泡層12bとしてポリプロピレンフォームが使用されて
いる。
【0029】更に、表皮材12の下線に沿う見切りライ
ン13に沿って、樹脂芯材11には、木目込み溝14が
形成されており、この木目込み溝14内に表皮材12の
端末12cを木目込み処理することにより、表皮材12
の良好な見切りライン13を形成するようにしている。
【0030】そして、図3で示すように、樹脂芯材11
における木目込み溝14が形成される部位の板厚5は、
樹脂芯材11の他の部位の一般板厚6より厚く形成され
ている。具体的には、例えば一般板厚6が、2.5mmに
対して、溝板厚5は、3.5mm位となっている。この場
合、、木目込み溝14の溝幅7は、2mm、深さ8は、5
〜10mm程度である。又、溝板厚5の範囲は、木目込み
溝14の全体に及ぶ符号Xで記載した範囲に渡ってい
る。
【0031】木目込み溝15は、又表皮材12の中央部
等に設置する中接ぎ装飾シート12dの端末を表皮材1
2と共に木目込み処理する溝として、樹脂芯材11に形
成されている。
【0032】中接ぎ装飾シート12dは、表皮材12と
表面外観、手触り感が相違する材質が好ましく、この実
施例では、クロス裏面にポリウレタンフォームを裏打ち
したものが使用されている。
【0033】このように、本発明による自動車用トリム
10は、アッパー部Aとロア部Bとの間で外観の対比効
果が現出するため、アッパー部Aのみ表皮材12で樹脂
芯材11の表面を被覆するという二色積層成形体となっ
ている。
【0034】したがって、従来の2つの成形体同士を接
着等して形成するドアトリムに比して、樹脂芯材11単
体構成のものを使用するため、製造工程数が短縮化で
き、アッパーメンバーとロアメンバーとをビス等により
固定する工数を廃止できるなど、加工コストを大幅に引
き下げることが可能となる。
【0035】又、後述するように、樹脂芯材11のゲー
トがアッパー部A側にのみ限定設置され、ドアトリム1
0のロア部B表面にフローマークやシルバーストリーク
等の不良が現れないように工夫されているため、樹脂芯
材11の良好な樹脂外観が得られ、従来のものに比し
て、外観不良が著しく低減できる効果がある。
【0036】同時に、表皮材12は、樹脂芯材11のモ
ールド成形時、一体プレス成形されるため、接着剤によ
る真空貼着加工等を必要せず、工数が簡素化できると共
に、接着剤廃止による良好な作業環境が得られるという
付随的な利点もある。
【0037】次に、上記ドアトリムを製造するための本
発明による製造装置の一実施例を説明する。
【0038】この成形装置は、図4に示すように、表皮
材12は、樹脂芯材11のモールド成形前に、予め真空
成形型等他の手段により予備成形されている表皮材12
をセットするモールドプレス成形用上型20と、樹脂芯
材11の素材である溶融樹脂Mが分配供給されるモール
ドプレス成形用下型30と、下型30に接続され、樹脂
用材Mの供給機構である射出成形機40とから大略構成
されている。
【0039】更に詳しくは、モールドプレス成形用上型
20は、昇降用シリンダ21により所定ストローク上下
可能であり、型面の所定箇所に真空吸引孔22が開設さ
れ、この真空吸引孔22は、配管23を通じて真空ポン
プ24と接続しており、配管23には、開閉バルブ25
が配置されている。
【0040】一方、モールドプレス成形用下型内には、
射出成形機40のノズルと接続するマニホールド31が
内装されており、このマニホールド31と連通するよう
にゲート32がモールドプレス成形用下型30に穿設加
工されている。
【0041】このゲート32の設置箇所は、図5に示す
ように、アッパー部Aを構成する表皮材12の設置エリ
ア(図中斜線で示す部分)内の3か所に対向して設定さ
れている。
【0042】このことは、ゲート32付近に生じやすい
フローマークやシルバーストリーク等の外観不良を、表
皮材12により目隠しして外観意匠性を向上させるため
である。
【0043】又、再び図4において、表皮材12或いは
中接ぎ装飾体12dを木目込み処理を行うために、下型
30の型面の例えば表皮材12の見切りライン13に沿
って木目込み溝14を形成するために、下型30には凹
条部33が形成されており、この凹条部33に対応して
上型20には凸条部26が形成されている。
【0044】そして、この凸条部26および凹条部33
によって、前記樹脂芯材11における木目込み溝14の
形成部位の板厚5が、樹脂芯材11の他の部位の一般板
厚6より厚く形成されるようになっている。
【0045】即ち、上記のような溝板厚5を持った木目
込み溝を形成すべく成した成形型は、図6に明確に示さ
れている。これによれば、例えば、成形型のうち下型3
0の凹条部33を、一点鎖線で示されているように切欠
きZを形成して、上型20の凸条部26との隙間を確保
するようになっている。ただ、これとは逆に、凸条部2
6を切り欠いて、切欠きを形成しても良いが、この切欠
きによって凸条部26自体が細くなって、脆くなること
が考えられるので、凹条部33側に切欠きZを形成する
ようにした。
【0046】この結果、凸条部26の先端と凹条部33
との隙間Sが、上型20の下降過程において、キャビ
ティーを形成する上下型20,30の一般隙間Sに比
して、広くすることができ、溶融樹脂Mが、凸条部26
を越えて、ロア層Bの部位に供給される時に、凸条部2
6と凹条部33との隙間を通る溶融樹脂Mの流速を減少
させることができる。
【0047】そして、溶融樹脂Mが凸条部26を越える
とき、低温の表皮材12により、その表面が若干固化し
て、この表面固化部が裏面発泡層12bに面当たりにな
ったとしても、又表面固化部の直ぐ下の溶融樹脂の高温
樹脂が型締めによって噴出したとしても、溶融樹脂Mの
流速が減速しているため、表皮材12の裏面発泡層12
bの溶融剥離を減少させることができる。
【0048】このように裏面発泡層12bの溶融剥離を
減少させたことにより、表皮材12の表面は、アバタや
膨らみ等の外観不良を起こすことなく、又、剥離した裏
面発泡層12bが溶融樹脂4内に混入してロア部Bまで
運ばれて、樹脂芯材11のロア部Bの表面に、剥離した
溶融樹脂4が表出して、表面が小さな凹凸ができて、外
観不良による外観意匠性を損なわせることも防止できる
こととなる。
【0049】そして、上記実施例以外の表皮材として、
例えば自動車用ドアトリムとして最適なものを、その商
品性とコストの両面を満足する観点から、鋭意検討した
結果、表1に示すような表皮材を最適なものと判断し
た。
【0050】
【表1】 すなわち、表皮材12のトップ層12aの厚さは、コス
ト面で選択すると、薄い方が良いのであるが、型成形に
当たって、展開率が大きな部位においては、表皮が切れ
て、樹脂芯材11を形成する溶融樹脂Mが切れ目から表
面に漏れる現象が出て、成形性を悪くした。また、トッ
プ層12aに装飾の観点から、「シボ模様」をつけるこ
とをするが、この「シボ模様」が浅くなったり、流れて
シボ模様とならない場合が出て、商品性に問題を残し
た。また反面、トップ層12aの板厚を厚くすると、展
開率の大きな部位の正形成は良好となり、しかも、良好
な「シボ模様」が形成されたが、コスト面で高価なもの
となってしまう。そこで、コスト及び商品性の両面か
ら、上記実施例では、トップ層12aの板厚を、表1に
示すごとく、0.5〜06mmのものが最適であるとし
た。
【0051】また、発泡層の厚さは、コスト面から選択
すると、やはり薄い方が良いのであるが、あまり薄過ぎ
ると、堅くクッション性に欠けて感触を悪くし、アバタ
等の成形上の問題が出て、商品性に難点が出てきた。ま
た、発泡層12bを厚くすると、柔らかになりクッショ
ン性を高め、また断熱効果を大とすることから、アバタ
等の発生も少なくなり、商品性を高めたのであるが、コ
ストの面で高価なものとなってしまう。そこで、上記実
施例では、発泡層12bの板厚を、表1に示すように、
3〜5mmのものを選択した。これによると、表皮材12
を、樹脂芯材11の成形と同時に行う同時成形の場合、
3〜5mmの発泡層12bを使用すると、その一部が熱等
で溶けても、残厚が最低でも、1.5mm確保できて、ク
ッション性を悪化させることはなかった。また、表皮材
12を予め賦形しておく予備賦形の場合、樹脂芯材11
の成形時に、表皮材12を上型に吸引して真空成形する
と、展開率の大きな部位は、真空成形後の残圧が、2mm
位で良く、これにより、予備賦形した表皮材12の発泡
層12bにおいて、樹脂芯材11を形成する溶融樹脂M
の流動性が良好となり、剥離等を起こさなかった。
【0052】次に、発泡層12bの発泡率であるが、こ
れをコスト面から選択すると、発泡率は高い方が良い
が、あまり高いと、樹脂芯材11への底づき感があり、
しかも剥離現象が出やすく、アバタ等が多く発生するよ
うになった。逆に、発泡率を低くすると、アバタ等が出
にくくなる反面、それだけ堅くなって、クッション性に
欠け、しかもコスト面で不利となってしまう。そこで、
発泡層12bの発泡率を、表1に示すように、15〜2
5倍発泡のものを選択した。そして、この選択に当たっ
て、アバタの発生率の観点から、発泡層12bの発泡率
を種々検討したが、発泡率が低いと、発泡層12bを構
成しているセルが適当に小さく、単位面積当たりのセル
同士が作る壁が多く強度性の富み、発泡率を高くする
と、強度性が悪化することから、アバタの発生が多くな
るのである。また、アバタの発生は、セルの破壊により
起こるものであるが、発泡倍率が小さいと、セルが小さ
くなって、発泡率の高い発泡層の大きなセルと同じ数だ
け、成形時につぶれてたとしても、その分発泡層12b
の表面のへこむ量が小さくて済むこととなる。このよう
な検討をする中で、樹脂芯材11における木目込み溝構
成部位の板厚5を、その他の部位の一般板厚6に比して
厚くして構成すると共に、商品性及びコスト面から表1
に示す発泡率を選択した結果、特に二色積層成形体であ
る例えば自動車用ドアトリム等の内装材として最適なも
のを提供できるに至ったのである。
【0053】上記実施例におけるドアトリム11は、樹
脂芯材11の一部表面を、表皮材12で被覆した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものでなく、樹脂
芯材11の全面に表皮材12を被覆し、中接ぎ装飾シー
トの端末を木目込み処理するための木目込み溝を有して
なるドアトリムであっても良いこと明らかである。
【0054】又、表皮材12は、真空ポンプ24を用い
て上型20に設置したが、例えば表皮材12の外周を挟
み付けてクランプするクランプ機構を用いたり、上型に
設けた針により表皮材12の外周を取付ける等して上型
20に設置するようにしても良い。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明において
は、第1に、多層積層成形品を樹脂芯材とこの樹脂芯材
の表面に積層する表皮材とで構成すると共に、この表皮
材を木目込み処理する木目込み溝を前記樹脂芯材に形成
し、且つ該樹脂芯材における木目込み溝構成部位の板厚
を、その他の部位の一般板厚に比して厚くして構成した
多層積層成形品であり、第2に、樹脂芯材に表皮材を木
目込み処理する木目込み溝を形成すべく、モールドプレ
ス成形用上型および下型における型面の一方に凸条部を
形成すると共に、他方に前記凸状部に対向する凹条部を
形成し、且つ該凹状部または凸条部を、樹脂芯材におけ
る木目込み溝形成部位の板厚が他の部位の一般板厚に比
して厚く成形される形状にして構成した多層積層成形品
の製造装置であることから、成形時に表皮材の裏面発泡
層が剥離して、表皮材にアバタや膨れ等の発生を防止で
きる。又二色積層成形体については、剥離溶融樹脂によ
る樹脂芯材の表面の外観不良を起こすことがなく、常に
表面が完全良好なる外観を呈する多層積層成形品を提供
できることとなる。
【0056】又、本発明は、これらに加えて、溶融樹脂
を下型型面に供給するゲート32の設置箇所が、表皮材
の設置エリアに限定して設定していることにより、ゲー
ト付近に生じやすいフローマークやシルバーストリーク
等の外観不良を、表皮材により目隠しすることができ、
これにより多層積層成形品の外観意匠性を更に向上させ
ることができることとなる。
【0057】加えて、本発明によれば、従来の2つの成
形体同志を接着等して形成するドアトリムに比して、樹
脂芯材単体構成のものを使用するため、製造工程数が短
縮化でき、アッパーメンバーとロアメンバーとをビス等
により固定する工数を廃止できるなど、加工コストを大
幅に引き下げることが可能となる。
【0058】同時に、表皮材は、樹脂芯材のモールド成
形時、一体プレス成形されるため、接着剤による真空貼
着加工等を必要せず、工数が簡素化できると共に、接着
剤廃止による良好な作業環境が得られるという付随的な
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す自動車用ドアトリムの
正面斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図2における円内の拡大図である。
【図4】自動車用ドアトリムを成形するための成形装置
の一実施例を示す断面図である。
【図5】図4の成形装置の金型の内、下型の要部を示す
平面図である。
【図6】図3の成形装置の上型が下降して下型に近付く
途中過程を示す要部断面図である。
【図7】従来の自動車用ドアトリムを成形するための成
形装置を示す断面図である。
【図8】図7の成形装置の上型が下降して下型に近付く
途中過程を示す要部断面図である。
【符号の説明】
5 樹脂芯材の溝部構成部位の板厚 6 樹脂芯材の一般板厚 11 樹脂芯材 12 表皮材 14 木目込み溝 15 木目込み溝
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 積層成形品およびその製造装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮材と熱可塑性樹脂
からなる樹脂芯材よりなる多層積層成形品およびその製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような表皮材と熱可塑性樹脂から
なる樹脂芯材よりなる多層積層成形品は、自動車のドア
トリム、リヤトリム等の内装部品に用いられている。こ
のような多層積層成形品の製造は、熱可塑性樹脂を射出
成形等で樹脂芯材に予め成形しておき、該樹脂芯材に接
着剤等を用いて所定形状の表皮材を貼着するか、予め表
皮材をハードボード等に貼着させた部品を製作してお
き、この部品をビス等を用いて前記樹脂芯材に取付ける
方法等があるが、この方法では、後工程を要し手間が掛
かると共に、コストアップの要因となっていた。
【0003】そこで、このような多色積層成形品の製造
について、改良すべく、例えば特開昭64−26414
号公報に記載されているものが提案されている。
【0004】これによると、多色積層成形品の製造装置
は、図7に示すように、未閉鎖のモールド成形用上・下
型7,9間に表皮材3および溶融樹脂4を供給し、上下
型7,9を閉じ、表皮材と熱可塑性樹脂製の樹脂芯材か
らなる多色積層成形品を製造するようになっており、こ
の製造に際し、所定形状に裁断した表皮材2を上型7ま
たは下型9上の所定位置に載置し、上型7および下型9
の間で形成するキャビティ内に溶着樹脂4を供給するこ
とにより、熱可塑性樹脂製樹脂芯材と表皮材12との多
層積層成型品を得るというものである。
【0005】このような多色積層成形品の製造装置は、
次のような工程において行われる。
【0006】所定寸法に裁断した表皮材3を表面側を
上にしてそれぞれ上型7の成形面の所定部分に載置す
る。
【0007】次いで、型締め装置の昇降機構(図示せ
ず)を作動させ、上型7を下降させて上型7および下型
9の型面間のクリアランスが製品厚さより大きい位置で
一旦停止させる(図示状態)。この停止位置で溶融樹脂
4を射出成形機等の溶融樹脂供給装置(図示せず)によ
り、下型7内に設けられた樹脂通路(図示せず)を通じ
て表皮材3の裏面側に供給する。
【0008】次いで、再度昇降機構を作動させて上型
7を下降させることにより表皮材3を下型9側に押圧さ
せると、溶融樹脂4がキャビティ間に流動拡大して、表
皮材3と熱可塑性樹脂の樹脂芯材とが一体となって賦形
が完了する。
【0009】の結果、一部分が表皮材3によって被覆
された多色積層成型品が完成するのである。
【0010】そして、溶融樹脂4は、賦形する過程に準
じて、下型9に対して上型7が下降するに従い、キャビ
ティ間に流動拡大して樹脂芯材に成形されていくもので
あることから、キャビティ内全体に均等に行き渡り、所
定の形状に成形されるために、通常十分に樹脂温度を高
くした溶融樹脂を使用して、キャビティ内の流動性を高
めている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような多色積層成形体の製造において、注目すべきこと
は、表皮材を予め上型に載置した後、射出成形機等の溶
融樹脂供給装置により溶融樹脂を供給して、キャビティ
内に流動拡大させて樹脂芯材を成形していくという点で
ある。
【0012】即ち、通常この表皮材は、塩化ビニルシー
トからなる表面層と、その裏面に裏打ちされたポリプロ
ピレンフォーム等からなる発泡層とで形成されている。
そして、多色積層成形体の成形に当たっては、この表皮
材が金型に載置された場合、金型成形面に表面層が当接
し、逆に発泡層がキャビティ側に表出していることとな
る。この結果、発泡層は、溶融樹脂の高速流動や高温度
によって一部が剥離することがあり、剥離した発泡層は
溶融樹脂と混合して他の部位に流動し、樹脂芯材の表面
に表出して外観不良を起こしたり、発泡層が剥離した表
皮材における裏面には、発泡層が薄い部分が存在するこ
ととなり、表面にアバタ(小さな凹み)や膨れを発生さ
せてしまうことが考えられる。
【0013】このような発泡層の剥離現象は、例えば二
色積層成形体において、樹脂芯材の木目込み溝形成部位
部位付近で最も顕著となる(ここで、二色積層体とは、
成形体の一部が表皮材で覆われているも、他の部位は樹
脂芯材が表出したままとなっている成形体をいう)。
【0014】この点について、図1および図2に示され
た自動車用ドアトリム10を例にして説明する。このド
アトリム10は、所望の局面形状に成形された樹脂芯材
11と、この樹脂芯材11の表面(この場合は、一部)
に貼着一体化された表皮材12とから大略構成されてお
り、例えば、表皮材12の下線に沿う見切りライン13
に沿って、樹脂芯材11側に木目込み溝14が形成され
ており、この木目込み溝14内には、表皮材12の端末
が木目込み処理される。又木目込み溝14の他に、木目
込み溝15も形成されて、表皮材12の中央部等に位置
する中接ぎ装飾シート12dの端末を表皮材12と共に
木目込み処理している。
【0015】そして、樹脂芯材11の木目込み溝14、
15は、図7に示すように、上型7の凸条部7aと下型
9の凹条部9aとによって形成されるのであるが、上下
型7,9の成形過程における両者の間隙の動きと溶融樹
脂4の上下型7,9が形成するキャビティ内の供給過程
とに注目すると、凸条部7aの先端と凹条部9aの先端
とは、図8に示すように、一旦大きく接近して、両者隙
間Kを、キャビティの一般部分Kに比して、非常に
小さいものとした後、更に下型9に対して上型7が下降
して、溝形成部位に所定形状の木目込み溝形成用キャビ
ティ部を形成するようになっている。
【0016】凸条部7aの先端が凹条部9a先端を通過
するとき、もはや溶融樹脂4は、上下型7、9によって
押し潰され、キャビティ内に供給され、この供給は、表
皮材12が設置されていない樹脂芯材の部位即ちロア層
Bにまで及び、徐々に樹脂芯材を形成していくのである
が、溶融樹脂4が、凸条部7aの先端を越え、ロア部B
の部位に供給される時に、凹条部33との隙間Kが非
常に小さいために、流速が早まることとなる。又溶融樹
脂4が凸条部7aを越えるとき、低温の表皮材12によ
り、その表面が若干固化してしまい、この固化した部分
の下は未だ高温となっている。このために、前記溶融樹
脂4の高流速や表面固化部の裏面発泡層12bへの面当
たりによって両者間に高摩擦抵抗力が発生して、表皮材
12の裏面発泡層12bの一部が溶融剥離する場合があ
る。又、前記表面固化部は型締めによって破壊され、そ
の直ぐ下の溶融樹脂の高温樹脂が表面固化部から噴出し
て、表皮材12の裏面発泡層12bの一部を溶融剥離し
てしまうこともある。そして、このように剥離した表皮
材12の表面は、発泡層12bが薄くなって、この部位
はアバタ(小さな窪み)や膨らみ等の外観不良となって
しまう。又、剥離した裏面発泡層12bは、溶融樹脂4
内に混入してロア部Bまで運ばれてしまい、樹脂芯材1
1のロア部Bの表面に、剥離した溶融樹脂4が表出し
て、表面が小さな凹凸ができて、外観不良による外観意
匠性が損なわれるという不具合を出してしまう。
【0017】この点を解決するために、溶融樹脂温度を
下げるという対策が考えられるが、この対策では、逆に
溶融樹脂の流動性が悪化して、金型キャビティ内の全体
に均等に流動拡大されなくなり、所定の形状に成形され
ず外観不良が発生し、外観意匠性が損なわれるという不
具合が発生すること考えられる。
【0018】また、図7に示す製造装置においては、積
層成形品を製造するに当たって、金型キャビティ内に供
給される溶融樹脂は、表皮材12の裏面発泡層12b側
および表皮材12が存在しないロア層B側部位にも図示
しないゲートを介して溶融樹脂供給装置から供給される
ものとしている。このために、前記ゲート付近における
樹脂芯材11の表面には、所謂フローマークやシルバー
ストリーク等の外観不良が発生し、この点からも外観意
匠性を損わす不具合が生じることが考えられる。
【0019】本発明は、このような事情に鑑み、上記問
題を解決するために成されたものであり、成形時に表皮
材の裏面発泡層の剥離を防止して、アバタ等が樹脂芯材
の表出表面に完全に発生させず、しかもフローマークや
シルバーストリークを樹脂芯材の表面に表出させないこ
とにより、外観意匠性に優れた多積層成形品およびその
製造装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、第1に、多層積層成形品を、樹脂芯材と
この樹脂芯材の表面に積層する表皮材とで構成すると共
に、この表皮材を木目込み処理する木目込み溝を前記樹
脂芯材に形成し、且つ該樹脂芯材における木目込み溝構
成部位の板厚を、その他の部位の一般板厚に比して厚く
して構成した。
【0021】本発明は、第2に、多層積層成形品の製造
装置として、モールドプレス成形用上下型内で溶融樹脂
を所要形状に成形してなる樹脂芯材と、この樹脂芯材の
モールド成形時、樹脂芯材の表面を被覆する表皮材とか
ら構成される積層成形品の製造装置において、前記樹脂
芯材に前記表皮材を木目込み処理する木目込み溝を形成
すべく、前記モールドプレス成形用上型および下型にお
ける型面の一方に凸条部を形成すると共に、他方に前記
凸状部に対向する凹条部を形成し、且つ該凹状部または
凸条部を、前記樹脂芯材における木目込み溝形成部位の
板厚が他の部位の一般板厚に比して厚く成形される形状
にしたことを特徴としている。
【0022】本発明は、第3に、多層積層成形品の製造
装置として、前記モールド成形用上型の型面の一部に前
記表皮材を設置すると共に、前記モールド成形用下型に
おける前記表皮材に対向した型面上に、前記溶融樹脂を
分配供給するゲートを開口させたことを特徴としてい
る。
【0023】
【作用】かかる構成により、樹脂芯材の木目込み溝構成
部位の板厚を、他の部位の一般板厚より厚くし、このよ
うな木目込み溝を樹脂芯材に形成するための成形用上型
の凸条部を切欠くか下型の凹条部を拡大するかして、木
目込み溝形成部位の板厚が他の部位の一般板厚に比して
厚く成形される形状にしたので、凸条部先端と凹条部と
が、上金型の下降過程において、上下金型の一般隙間に
比して、狭くなることがなく、表皮材の裏面発泡層を剥
離させることを防止できる。
【0024】又、本発明による場合、溶融樹脂を分配供
給するゲートを表皮材に対向した下型の型面に開口させ
たために、フローマークやシルバーストリークがたとえ
発生したとしても、表皮材により覆い被されてしまい、
樹脂芯材の表面に表出することはない。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る自動車用内装部材とし
て、ドアトリムに適用した場合の実施例について図面に
基づき説明する。
【0026】図1は、ドアトリムの斜視図、図2は、図
1のII−II線における断面図であり、ドアトリム1
0は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材11と、こ
の樹脂芯材11の表面の一部に貼着一体化された表皮材
12とから大略構成されている。
【0027】樹脂芯材11は、タルク等の充填材を混入
したポリプロピレン樹脂を素材としてモールド成形され
たものである。
【0028】表皮材12は、本実施例ではトップ層12
aとして塩化ビニルシート、その裏面に裏打ちされる発
泡層12bとしてポリプロピレンフォームが使用されて
いる。
【0029】更に、表皮材12の下線に沿う見切りライ
ン13に沿って、樹脂芯材11には、木目込み溝14が
形成されており、この木目込み溝14内に表皮材12の
端末12cを木目込み処理することにより、表皮材12
の良好な見切りライン13を形成するようにしている。
【0030】そして、図3で示すように、樹脂芯材11
における木目込み溝14が形成される部位の板厚5は、
樹脂芯材11の他の部位の一般板厚6より厚く形成され
ている。具体的には、例えば一般板厚6が、2.5mm
に対して、溝板厚5は、3.5mm位となっている。こ
の場合木目込み溝14の溝幅7は、2mm、深さ8
は、5〜10mm程度である。又、溝板厚5の範囲は、
木目込み溝14の全体に及ぶ符号Xで記載した範囲に渡
っている。
【0031】木目込み溝15は、又表皮材12の中央部
等に設置する中接ぎ装飾シート12dの端末を表皮材1
2と共に木目込み処理する溝として、樹脂芯材11に形
成されている。
【0032】中接ぎ装飾シート12dは、表皮材12と
表面外観、手触り感が相違する材質が好ましく、この実
施例では、クロス裏面にポリウレタンフォームを裏打ち
したものが使用されている。
【0033】このように、本発明による自動車用トリム
10は、アッパー部Aとロア部Bとの間で外観の対比効
果が現出するため、アッパー部Aのみ表皮材12で樹脂
芯材11の表面を被覆するという二色積層成形体となっ
ている。
【0034】したがって、従来の2つの成形体同士を接
着等して形成するドアトリムに比して、樹脂芯材11単
体構成のものを使用するため、製造工程数が短縮化で
き、アッパーメンバーとロアメンバーとをビス等により
固定する工数を廃止できるなど、加工コストを大幅に引
き下げることが可能となる。
【0035】又、後述するように、樹脂芯材11のゲー
トがアッパー部A側にのみ限定設置され、ドアトリム1
0のロア部B表面にフローマークやシルバーストリーク
等の不良が現れないように工夫されているため、樹脂芯
材11の良好な樹脂外観が得られ、従来のものに比し
て、外観不良が著しく低減できる効果がある。
【0036】同時に、表皮材12は、樹脂芯材11のモ
ールド成形時、一体プレス成形されるため、接着剤によ
る真空貼着加工等を必要せず、工数が簡素化できると共
に、接着剤廃止による良好な作業環境が得られるという
付随的な利点もある。
【0037】次に、上記ドアトリムを製造するための本
発明による製造装置の一実施例を説明する。
【0038】この成形装置は、図4に示すように、表皮
材12は、樹脂芯材11のモールド成形前に、予め真空
成形型等他の手段により予備成形されている表皮材12
をセットするモールドプレス成形用上型20と、樹脂芯
材11の素材である溶融樹脂Mが分配供給されるモール
ドプレス成形用下型30と、下型30に接続され、樹脂
用材Mの供給機構である射出成形機40とから大略構成
されている。
【0039】更に詳しくは、モールドプレス成形用上型
20は、昇降用シリンダ21により所定ストローク上下
可能であり、型面の所定箇所に真空吸引孔22が開設さ
れ、この真空吸引孔22は、配管23を通じて真空ポン
プ24と接続しており、配管23には、開閉バルブ25
が配置されている。
【0040】一方、モールドプレス成形用下型内には、
射出成形機40のノズルと接続するマニホールド31が
内装されており、このマニホールド31と連通するよう
にゲート32がモールドプレス成形用下型30に穿設加
工されている。
【0041】このゲート32の設置箇所は、図5に示す
ように、アッパー部Aを構成する表皮材12の設置エリ
ア(図中斜線で示す部分)内の3か所に対向して設定さ
れている。
【0042】このことは、ゲート32付近に生じやすい
フローマークやシルバーストリーク等の外観不良を、表
皮材12により目隠しして外観意匠性を向上させるため
である。
【0043】又、再び図4において、表皮材12或いは
中接ぎ装飾体12dを木目込み処理を行うために、下型
30の型面の例えば表皮材12の見切りライン13に沿
って木目込み溝14を形成するために、下型30には凹
条部33が形成されており、この凹条部33に対応して
上型20には凸条部26が形成されている。
【0044】そして、この凸条部26および凹条部33
によって、前記樹脂芯材11における木目込み溝14の
形成部位の板厚5が、樹脂芯材11の他の部位の一般板
厚6より厚く形成されるようになっている。
【0045】即ち、上記のような溝板厚5を持った木目
込み溝を形成すべく成した成形型は、図6に明確に示さ
れている。これによれば、例えば、成形型のうち下型3
0の凹条部33を、一点鎖線で示されているように切欠
きZを形成して、上型20の凸条部26との隙間を確保
するようになっている。ただ、これとは逆に、凸条部2
6を切り欠いて、切欠きを形成しても良いが、この切欠
きによって凸条部26自体が細くなって、脆くなること
が考えられるので、凹条部33側に切欠きZを形成する
ようにした。
【0046】この結果、凸条部26の先端と凹条部33
との隙間Sが、上型20の下降過程において、キャビ
ティーを形成する上下型20,30の一般隙間Sに比
して、広くすることができ、溶融樹脂Mが、凸条部26
を越えて、ロア層Bの部位に供給される時に、凸条部2
6と凹条部33との隙間を通る溶融樹脂Mの流速を減少
させることができる。
【0047】そして、溶融樹脂Mが凸条部26を越える
とき、低温の表皮材12により、その表面が若干固化し
て、この表面固化部が裏面発泡層12bに面当たりにな
ったとしても、又表面固化部の直ぐ下の溶融樹脂の高温
樹脂が型締めによって噴出したとしても、溶融樹脂Mの
流速が減速しているため、表皮材12の裏面発泡層12
bの溶融剥離を減少させることができる。
【0048】このように裏面発泡層12bの溶融剥離を
減少させたことにより、表皮材12の表面は、アバタや
膨らみ等の外観不良を起こすことなく、又、剥離した裏
面発泡層12bが溶融樹脂4内に混入してロア部Bまで
運ばれて、樹脂芯材11のロア部Bの表面に、剥離した
溶融樹脂4が表出して、表面が小さな凹凸ができて、外
観不良による外観意匠性を損なわせることも防止できる
こととなる。
【0049】そして、本発明による表皮材として、例え
ば自動車用ドアトリムに使用する場合最適なものとし
、その商品性とコストの両面を満足する観点から、鋭
意検討した結果、表1に示すような表皮材を最適なもの
と判断した。
【0050】
【表1】すなわち、表皮材12のトップ層12aの厚さ
は、コスト面で選択すると、薄い方が良いのであるが、
型成形に当たって、展開率が大きな部位においては、表
皮が切れて、樹脂芯材11を形成する溶融樹脂Mが切れ
目から表面に漏れる現象が出て、成形性を悪くした。ま
た、トップ層12aに装飾の観点から、「シボ模様」を
つけることをするが、この「シボ模様」が浅くなった
り、流れてシボ模様とならない場合が出て、商品性に問
題を残した。また反面、トップ層12aの板厚を厚くす
ると、展開率の大きな部位の正形成は良好となり、しか
も、良好な「シボ模様」が形成されたが、コスト面で高
価なものとなってしまう。そこで、コスト及び商品性の
両面から、上記実施例では、トップ層12aの板厚を、
表1に示すごとく、0.5〜0.6mmのものが最適で
あるとした。
【0051】また、発泡層の厚さは、コスト面から選択
すると、やはり薄い方が良いのであるが、あまり薄過ぎ
ると、堅くクッション性に欠けて感触を悪くし、アバタ
等の成形上の問題が出て、商品性に難点が出てきた。ま
た、発泡層12bを厚くすると、柔らかになりクッショ
ン性を高め、また断熱効果を大とすることから、アバタ
等の発生も少なくなり、商品性を高めたのであるが、コ
ストの面で高価なものとなってしまう。そこで、上記実
施例では、発泡層12bの板厚を、表1に示すように、
3〜5mmのものを選択した。これによると、表皮材1
2を、樹脂芯材11の成形と同時に行う同時成形の場
合、3〜5mmの発泡層12bを使用すると、その一部
が熱等で溶けても、残厚が最低でも、1.5mm確保で
きて、クッション性を悪化させることはなかった。ま
た、表皮材12を予め賦形しておく予備賦形の場合、樹
脂芯材11の成形時に、表皮材12を上型に吸引して真
空成形すると、展開率の大きな部位は、真空成形後の残
圧が、2mm位で良く、これにより、予備賦形した表皮
材12の発泡層12bにおいて、樹脂芯材11を形成す
る溶融樹脂Mの流動性が良好となり、剥離等を起こさな
かった。
【0052】次に、発泡層12bの発泡率であるが、こ
れをコスト面から選択すると、発泡率は高い方が良い
が、あまり高いと、樹脂芯材11への底づき感があり、
しかも剥離現象が出やすく、アバタ等が多く発生するよ
うになった。逆に、発泡率を低くすると、アバタ等が出
にくくなる反面、それだけ堅くなって、クッション性に
欠け、しかもコスト面で不利となってしまう。そこで、
発泡層12bの発泡率を、表1に示すように、15〜2
5倍発泡のものを選択した。そして、この選択に当たっ
て、アバタの発生率の観点から、発泡層12bの発泡率
を種々検討したが、発泡率が低いと、発泡層12bを構
成しているセルが適当に小さく、単位面積当たりのセル
同士が作る壁が多く強度性の富み、発泡率を高くする
と、強度性が悪化することから、アバタの発生が多くな
るのである。また、アバタの発生は、セルの破壊により
起こるものであるが、発泡倍率が小さいと、セルが小さ
くなって、発泡率の高い発泡層の大きなセルと同じ数だ
け、成形時につぶれてたとしても、その分発泡層12b
の表面のへこむ量が小さくて済むこととなる。このよう
な検討をする中で、樹脂芯材11における木目込み溝構
成部位の板厚5を、その他の部位の一般板厚6に比して
厚くして構成すると共に、商品性及びコスト面から表1
に示す発泡率を選択した結果、特に二色積層成形体であ
る例えば自動車用ドアトリム等の内装材として最適なも
のを提供できるに至ったのである。
【0053】上記実施例におけるドアトリム11は、樹
脂芯材11の一部表面を、表皮材12で被覆した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものでなく、樹脂
芯材11の全面に表皮材12を被覆し、中接ぎ装飾シー
トの端末を木目込み処理するための木目込み溝を有して
なるドアトリムであっても良いこと明らかである。
【0054】又、表皮材12は、真空ポンプ24を用い
て上型20に設置したが、例えば表皮材12の外周を挟
み付けてクランプするクランプ機構を用いたり、上型に
設けた針により表皮材12の外周を取付ける等して上型
20に設置するようにしても良い。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明において
は、第1に、多層積層成形品を樹脂芯材とこの樹脂芯材
の表面に積層する表皮材とで構成すると共に、この表皮
材を木目込み処理する木目込み溝を前記樹脂芯材に形成
し、且つ該樹脂芯材における木目込み溝構成部位の板厚
を、その他の部位の一般板厚に比して厚くして構成した
多層積層成形品であり、第2に、樹脂芯材に表皮材を木
目込み処理する木目込み溝を形成すべく、モールドプレ
ス成形用上型および下型における型面の一方に凸条部を
形成すると共に、他方に前記凸状部に対向する凹条部を
形成し、且つ該凹状部または凸条部を、樹脂芯材におけ
る木目込み溝形成部位の板厚が他の部位の一般板厚に比
して厚く成形される形状にして構成した多層積層成形品
の製造装置であることから、成形時に表皮材の裏面発泡
層が剥離して、表皮材にアバタや膨れ等の発生を防止で
きる。又二色積層成形体については、剥離溶融樹脂によ
る樹脂芯材の表面の外観不良を起こすことがなく、常に
表面が完全良好なる外観を呈する多層積層成形品を提供
できることとなる。
【0056】又、本発明は、これらに加えて、溶融樹脂
を下型型面に供給するゲート32の設置箇所が、表皮材
の設置エリアに限定して設定していることにより、ゲー
ト付近に生じやすいフローマークやシルバーストリーク
等の外観不良を、表皮材により目隠しすることができ、
これにより多層積層成形品の外観意匠性を更に向上させ
ることができることとなる。
【0057】加えて、本発明によれば、従来の2つの成
形体同志を接着等して形成するドアトリムに比して、樹
脂芯材単体構成のものを使用するため、製造工程数が短
縮化でき、アッパーメンバーとロアメンバーとをビス等
により固定する工数を廃止できるなど、加工コストを大
幅に引き下げることが可能となる。
【0058】同時に、表皮材は、樹脂芯材のモールド成
形時、一体プレス成形されるため、接着剤による真空貼
着加工等を必要せず、工数が簡素化できると共に、接着
剤廃止による良好な作業環境が得られるという付随的な
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す自動車用ドアトリムの
正面斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図2における円内の拡大図である。
【図4】自動車用ドアトリムを成形するための成形装置
の一実施例を示す断面図である。
【図5】図4の成形装置の金型の内、下型の要部を示す
平面図である。
【図6】図3の成形装置の上型が下降して下型に近付く
途中過程を示す要部断面図である。
【図7】従来の自動車用ドアトリムを成形するための成
形装置を示す断面図である。
【図8】図7の成形装置の上型が下降して下型に近付く
途中過程を示す要部断面図である。
【符号の説明】 5 樹脂芯材の溝部構成部位の板厚 6 樹脂芯材の一般板厚 11 樹脂芯材 12 表皮材 14 木目込み溝 15 木目込み溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂芯材とこの樹脂芯材の表面に積層す
    る表皮材とで構成すると共に、この表皮材を木目込み処
    理する木目込み溝を前記樹脂芯材に形成し、且つ該樹脂
    芯材における木目込み溝構成部位の板厚を、その他の部
    位の一般板厚に比して厚くしたことを特徴とする積層成
    形品。
  2. 【請求項2】 モールドプレス成形用上下型内で溶融樹
    脂を所要形状に成形してなる樹脂芯材と、この樹脂芯材
    のモールド成形時、樹脂芯材の表面を被覆する表皮材と
    から構成される積層成形品の製造装置において、前記樹
    脂芯材に前記表皮材を木目込み処理する木目込み溝を形
    成すべく、前記モールドプレス成形用上型および下型に
    おける型面の一方に凸条部を形成すると共に、他方に前
    記凸状部に対向する凹条部を形成し、且つ該凹状部また
    は凸条部を、前記樹脂芯材における木目込み溝形成部位
    の板厚が他の部位の一般板厚に比して厚く成形される形
    状にしたことを特徴とする積層成形品の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記モールド成形用上型の型面の一部に
    前記表皮材を設置すると共に、前記モールド成形用下型
    における前記表皮材に対向した型面上に、前記溶融樹脂
    を分配供給するゲートを開口させたことを特徴とする請
    求項2記載の積層成形品の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002355844A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 T S Tec Kk 加飾部材を備えた自動車用内装ライニング部品及びそれを一体成形する方法及びその装置
JP2002355834A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 T S Tec Kk 加飾部材を備えた自動車用内装ライニング部品及びそれを一体成形する方法及びその装置
WO2019111860A1 (ja) * 2017-12-05 2019-06-13 南条装備工業株式会社 樹脂成形装置及び樹脂成形方法

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