JP3929624B2 - 表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠面が樹脂成形面の他に表皮材で部分的に加飾されるようにした表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装部品などでは、意匠面の一部領域に表皮材で風合いや高級感を付与した部分加飾の一体成形品がある。
斯る一体成形品は、従来、図16のような製法等で造ってきた。まず、外周がトリミングされた所定大きさの表皮材91をキャビティ型94へセットし、真空引きにより該表皮材91を固定する。次いで、型閉じを進行させ、その進行途中で溶融樹脂93を射出する。そうして、型閉じを完了しプレスして一体成形品Yを造るのである(図17)。符号92はコア型、符号95は成形樹脂を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述の製法では、表皮材91のトリミングカットで寸法誤差が生まれ易く、これが即品質に影響を与えた。また、表皮材91のセット時にも狂いが発生し、一体成形品Yにおける表皮材の端末ライン91aが一定にならない問題があった。さらに、真空引きする機器を必要とし、成形型の設備が大掛りとなった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するもので、真空引きする機器を要せずして、表皮材端末ラインをきれいに整え品質安定維持できる表皮材の部分加飾一体成形品および表皮材の部分加飾成形方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の本発明の要旨は、意匠面の一部を形成すると共にその周縁部が意匠面側から樹脂層を横切って裏面側へ貫通する表皮材と、該表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接合し表皮材で覆われた内側領域で成形される第一の樹脂層と、前記表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接合して表皮材の外側領域で成形される第二の樹脂層と、を具備し、該第二の樹脂層は表皮材との接合部分で所定間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部を形成しながら大半を薄肉部で形成したことを特徴とする表皮材の部分加飾一体成形品にある。
また、請求項2に記載の本発明の要旨は、コア型とキャビティ型とを備え、さらに該コア型には表皮材で覆われる一領域の外周囲に進退動可能なクランプ体を設け、該クランプ体とコア型との間に表皮材を挟んでクランプ体が退動し且つ型閉じにした状態で、キャビティが形成されると共に表皮材に接する部分でクランプ体とキャビティ型とでつくる横断面の隙間形状が所定間隔ごとに切欠かれた切欠部を設けながらもスリット状であることを特徴とする表皮材の部分加飾一体成形品用金型にある。
また、請求項3に記載の本発明の要旨は、請求項2の部分加飾一体成形品用金型を用い、コア型の一領域を表皮材で覆うようにしてその表皮材の周縁部をキャビティ壁の外へ引き出しクランプ体とコア型とで挟持し、次いで、該表皮材で覆われた内側領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出し、その後、該表皮材の外側領域に配されたゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出しキャビティを埋め尽くして表皮材と一体成形させることを特徴とする表皮材の部分加飾成形方法にある。
【0006】
【実施形態】
以下、本発明に係る表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法について詳述する。
図1〜図11は本発明の表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法の一形態で、図1〜図4は成形過程を示す断面説明図で、図1は型開き状態にある表皮材の部分加飾成形用金型(以下、単に「金型」という)の断面説明図、図2は図1の状態から工程が進んで表皮材を係止セットした断面説明図、図3は型閉じ後、表皮材で覆われた内側領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図、図4は表皮材の外側領域に配されたゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図、図5は図4のA部拡大図、図6は図5で表皮材なしのV矢視図、図7は脱型の断面説明図、図8は図1のコア型及びクランプ体の平面図、図9は表皮材の部分加飾一体成形品の斜視図、図10は図9のIV−IV線断面図、図11は図10のB部拡大図である。
【0007】
(1)表皮材の部分加飾一体成形品用金型
表皮材の部分加飾一体成形品を造る金型について説明する。
図1に示した金型は、表皮材の部分加飾一体成形品に用いる金型の一例で、コア型3とクランプ体4とキャビティ型5とを具備する。
【0008】
コア型3はここではその略中央にコア型凸部3aがある固定型(下型)になっている。コア型3にはキャビティ壁31が形成されるが、表皮材1が配される領域より外のキャビティ壁の一部はクランプ体4に担わせている(図2)。そのため、コア型上にクランプ体4をおさめる凹所36が確保される。コア型3には、表皮材1で覆われる内側領域(内包領域)と表皮材1の外側領域のキャビティ壁の双方に溶融樹脂G2a,G2bを射出するゲート32,33が形成される(図3,図4)。
【0009】
クランプ体4は、表皮材1で覆われる前記コア型凸部3a(一領域)の外周縁に沿って設けられる。クランプ体4は、表皮材1が配されるコア型凸部3aの部分が開口Oした環状ブロックで(図8)、コア型側に設置され、クランプ体上面に前述のごとくコア型キャビティ壁41をつくる。クランプ体4は、その下面が可動軸71に支えられ(図7参照)、該可動軸を作動させる油圧シリンダ(図示せず)によってコア型3から浮上したりコア型3に密着したり進退動可能に設けられる。クランプ体4がコア型3に引き下がった状況下、クランプ体4の内周縁49とコア型凸部外周縁39とは全周にわたって近接状態にある(図8)。従って、クランプ体4を浮上させた後、コア型3とクランプ体4の間に表皮材1を介在させてクランプ体4を下降させれば、コア型3とクランプ体4とで表皮材1を挟み、コア型凸部3a上に表皮材1を配して係止セットできる。コア型3とクランプ体4とで表皮材1を係止セットしたとき、表皮材1に接するクランプ体4の部分が接合部42であり、該接合部42はクランプ体の内周縁49を所定幅で取巻く。接合部42は、クランプ体4の他のキャビティ壁41より一段下がった格好にしている。接合部42は上面42aを平らにする一方で、所定間隔P1ごとに上面が切欠かれた切欠部42bを設ける。該切欠部42bは所定幅の接合部42を横切る形になっている(図5)。
【0010】
キャビティ型5は下面にキャビティ壁51が形成された可動型(上型)である。キャビティ型5は、クランプ体4の接合部42に対向する部分が突出して突起部52を形成する。突出部52の両側壁はキャビティ壁51からなだらかな弧を描き、その底面52aをフラットにする(図2)。意匠面Eに現われる表皮材端末ラインLの見栄えを良くするためである。
クランプ体4とコア型3との間に表皮材1を挟んでクランプ体4をコア型3に引き込み表皮材1を挟持した後、キャビティ型5を下降させ、型閉めすると、表皮材1による部分加飾一体成形品用のキャビティCが形成される。このとき、表皮材1に接する部分でクランプ体4とキャビティ型5とでつくる横断面の隙間形状Sが、所定間隔ごとに切欠かれた前述の切欠部42bを有しながらもスリット状となる。キャビティ型5の突起部52がクランプ体4の内周縁49近くの接合部42の方へ突出しており、この部分でのスリット幅εを小さくする(図6)。スリット幅εを狭くしているのは、このような狭いスリット幅εを設けないと、図13のように表皮材1で覆われた内側領域に溶融樹脂G2aを充填する際、完全充填する前に表皮材1が破れて表皮材1の外側領域へ溶融樹脂Gαが流れ込む図14の不具合が出易いからである。
【0011】
図6は、図5でクランプ体4とキャビティ型5とでつくる隙間形状SのV矢視図である。図6では隙間形状Sを判り易くするため表皮材1を省く。表皮材1に接する部分でのクランプ体4とキャビティ型5とでつくる横断面形状は、図5で突起部52のあるところでは、この隙間形状Sの形を保つ。突起部52を越えればキャビティ壁51となり大きなキャビティ空間となる。
前記スリット幅εは0<ε≦1.0mmの範囲が好ましい。0を省くのは、隙間形状Sがスリット状であっても、表皮材1の外側領域で成形される第二の樹脂層2bに係る溶融樹脂G2bがここを通過し、表皮材1の横断部1bに接合した第二の樹脂層2bを形成するからである。スリット幅εを0にしてしまうと、表皮材1と第二の樹脂層2bの合接部が一様なものとして得られなくなる。表皮材1(詳しくは横断部1b)と第二の樹脂層2bの合接部があることによって製品の見栄えがよくなる。スリット幅εを1.0mm以下とするのは、合接の強度を確実にし、且つ合接部の見栄えが悪くならないようにするためである。
一方、図6で隙間形状Sの切欠部42bの深さL1や幅L2は適宜決められるが、例えば、本実施形態の表皮材1による加飾部面積が500mm×180mm程度(図9参照)では、深さL1が3mmで幅L2が4mmφほどの半円状のものが選択される。切欠部42bのピッチP1も適宜決められ、例えば約20mmとする。切欠部42bを設けるのは、ここに第二の樹脂層2bを埋めて成形することによって肉厚部21bを形成し機械的強度を高める図る狙いがある。なお、切欠部42bが大きくなり過ぎると、図13,図14のような問題が起きてしまうので、切欠部42bの深さL1や幅L2は一定範囲(これまでの試験結果によれば、深さL1×幅L2の面積が100mm2以下)内に制限される。
【0012】
(2)表皮材の部分加飾成形方法
上記金型を用いて、表皮材の部分加飾成形方法は以下のごとく実施される。
まず、成形操作に先立ち、所定大きさに裁断カットした平板状の表皮材1を準備する。該表皮材1は一体成形品Pが出来上った後にその周縁部1aがカットされるので、図12の従来技術のようにシビアな寸法カットする必要は全くない。製品となる所定寸法の表皮材より若干大きめの表皮材1が用意される。表皮材1には例えば真空成形トリムされた樹脂製のレザー表皮材が用いられる。
そして、金型を型開状態とし、さらにクランプ体4を上動させ、クランプ体4がコア型3から浮上した状態とする。クランプ体4がキャビティ型方向に押し出された状態とする。
【0013】
次いで、コア型3とクランプ体4の間に表皮材1を配設する(図1)。
続いて、図示しない油圧シリンダを作動させ、クランプ体4をコア型側に引き込むことにより前記表皮材1をコア型上に係止する(図2)。表皮材1の部分加飾一体成形品PをつくるキャビティC内で表皮材1をセットするにあたり、コア型3の凸部3a(一領域)を表皮材1で覆うようにしてその表皮材1の周縁部1aをキャビティ壁31の外へ引き出しクランプ体4とコア型3とで挟持しセットする。表皮材1はコア型凸部3aを覆って、その表皮材周縁部1aがキャビティ壁の外(具体的にはコア型凸部とクランプ体の間隙)へ引き出され、係止セットされる。クランプ体4が下降してコア型3に密着すると、コア型凸部3aの外周縁39とクランプ体4の内周縁49とで表皮材周縁部1aを挟持する(図5)。表皮材外周全域に亘ってコア型3とクランプ体4とで挟持する。その結果、表皮材1がコア型凸部3aを覆うようにしてセットされる。若干大きめに裁断カットされたところの表皮材周縁部1aはクランプ体下側にできる空間に収納される。
【0014】
しかる後、型閉じを進行させる。キャビティ型5を閉めていくと、キャビティ内(ここでは、完全な型閉じ状態でない)で部分的にその領域を表皮材1が占有して、コア型3とクランプ体4とに表皮材1が係止セットされた格好になる。
次に、表皮材1で覆われた内側領域にあるゲート32を開き、通路34を通ってゲート32からキャビティへ溶融樹脂G2aを射出し、部分加飾用の表皮材1との一体成形を行う。この段階での射出成形は、完全な型閉じ状態下で実施してもよいが、表皮材1の一体成形状態をよくするため、金型を少し開き加減として低圧成形法を採用するのがより好ましい。溶融樹脂G2aがコア型凸部上に団子状に盛られることになる。
溶融樹脂Gの材料には、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチックが使用される。溶融樹脂G(G2a,G2b)の材料は部分加飾用の表皮材1と相溶性のものとなる。
【0015】
斯る溶融樹脂G2aの射出を終えたら、続いて、少し開き加減にあったキャビティ型5を完全に閉じ、型閉じを完了させる(図3)。
この過程で、係止セットされた表皮材1とコア型凸部上で団子状に盛られた上述の溶融樹脂G2aがプレスされる。充満する溶融樹脂G2aで、表皮材1はキャビティ型5のキャビティ壁に押しつけられ、意匠面Eを形成する表皮材部分がきれいに形成される。
【0016】
その後、表皮材1の外側領域に配されたゲート33を開き、通路35を経てゲート33からキャビティCへ溶融樹脂G2bを射出する(図4)。
表皮材1の外側領域のキャビティCへ充填された該溶融樹脂G2bは、キャビティCを埋め、さらに前述したクランプ体4の接合部42とキャビティ型5の突起部52とでつくる隙間形状Sの該隙間部分へも流れ込む。そして、表皮材1に接合しこれとの一体化を図る。表皮材1は、その周縁部1aが第一の樹脂層2aを覆って裏面側へ貫通しているが、第一の樹脂層2aを覆った表皮材1のキャビティに配された部分(横断部1b)に第二の樹脂層2bが接合する。この接合部分には前述のスリット幅εによる薄肉部21aと切欠部42bによる肉厚部21bが形成される。
こうして、溶融樹脂G2bで表皮材外側にある残りのキャビティCを埋め尽くして表皮材1で部分加飾された一体成形品Pを造る。本実施形態では通常成形を行うが、この時も、キャビティ型5を寸開して低圧成形法を採ることができる。
ところで、第二の樹脂層2bをバージン材で形成する一方、第一の樹脂層2aをリサイクル材で形成すると、より好ましくなる。第一の樹脂層2aは意匠面側に現われないため、外観に不都合がなく、リサイクル材を用いることによってコストダウンが図れる。ここで、リサイクル材には、市場に出て回収される素材の他、工場の生産過程で不良品やバリなどとなって排出されたものを粉砕利用した素材等を含む。リサイクル材については、相溶性があれば混ざりものであっても構わない。また、その色なども第一の樹脂層2aが意匠面側に現われてこないことからリサイクル材と同一になる必要はない。
【0017】
かくのごとく成形された表皮材1の部分加飾一体成形品Pは、冷却固化された後、脱型工程に移る。クランプ体4と図示しないエジェクタピンとで一体成形品Pを突き上げて脱型する(図7)。
金型から一体成形品Pを取出した後、最後に、成形品裏面から伸びる表皮材周縁部1aを作業者が手やハサミ等で取り除くと、図9,図10ごとくの所望の表皮材の部分加飾一体成形品Pが得られる。なお、一体成形品Pの裏面側のゲートランド部分23も適宜カットされる。
【0018】
(3)表皮材の部分加飾一体成形品
前述の一体成形法で得られた表皮材1の部分加飾一体成形品は、図9〜図11ごとくの形状になっている。表皮材1との一体成形品Pで、意匠面Eは樹脂層2bがつくる意匠面の他に、表皮材1が島状に存在し、部分加飾が施されている(図8)。
表皮材1は、前記成形法を採ることによって、意匠面Eの一部を形成すると共にその周縁部1aが意匠面側から樹脂層2を横切って裏面側へ貫通する(図11)。そして、表皮材1が樹脂層2を横切るところの横断部1bに、表皮材1で覆われた内側領域で成形される第一の樹脂層2aが接合し、また、表皮材1の外側領域で成形される第二の樹脂層2bが外側から接合している。第二の樹脂層2bは表皮材1との接合部分で所定間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部21bを形成しながら大半を薄肉部21aで形成する。図11のIX−IX線矢視図では、図6の隙間形状Sに第二の樹脂層2bが埋まった形になる。
【0019】
成形を終えた段階の一体成形品Pの裏面側には表皮材周縁部1aが現われるが、図11はその部分をトリミングカットしカット部1cとする。なお、本実施形態は表皮材外周全域に亘ってコア型3とクランプ体4とで挟持することによって図9のような島状の部分加飾一体成形品Pとしたが、他形態として図12のような部分加飾一体成形品Pとすることもできる。図12では、意匠面に現われる加飾用表皮材1の一側縁が一体成形品Pの樹脂層側縁と一致する。
【0020】
(3)効果
このように構成した表皮材の部分加飾一体成形品および表皮材の部分加飾成形方法によれば、表皮材周縁部1aがキャビティ壁の外へ引き出され、且つコア型3とクランプ体4により常に決まった位置に係止セットされるので、意匠面サイドに現われる表皮材端末ラインLが一定できれいに仕上がる。また、成形工程で、まずゲート32を開き、表皮材1に覆われた箇所に溶融樹脂G2aを供給して表皮材1との一体成形を行い、表皮材1の意匠面Eを形成した後、ゲート33から溶融樹脂G2bを表皮材外側のキャビティCに供給して製品外周部にあたる樹脂部分を形成するから、表皮材1の意匠面の境界が乱れないのである。
そして、表皮材1は一体成形品Pが出来ると、表皮材端縁1aが成形品裏面側に現われ、この部分は不要部分となってカットされるので、成形時における表皮材1は所定寸法より若干大きめのものを用いれば足り、裁断にシビアにならずに済む。さらに,表皮材端縁1aのトリミング処理もいらず作業性に優れる。
【0021】
ところで、図13のようなクランプ体4の形状にすると、表皮材1が破れる不具合を招く。すなわち、表皮材1で覆われる内側領域に溶融樹脂G2aを完全充填する前に表皮材1が破れて、溶融樹脂Gαが表皮材1の外側領域へ流れ出るのである(図14)。その結果、加飾部の樹脂層2bに漏れ部αが発生する(図15)。この漏れ部αは表皮材1の毛や一部をもぎとって意匠外観に悪影響(ウエルド,ツヤムラなど)を与えてきた。また、表皮材1に覆われる内側領域が溶融樹脂G2aで完全充填されないためショートショットβが発生し、後工程の溶融樹脂G2bが流れ込む不具合も出た(図15)。
しかるに、本発明では、表皮材1の横断部1bに溶融樹脂G2aが接する部分(リアランス)を小さくして表皮材1の破れを防止する。クランプ体4の接合部42とキャビティ型5の突起部52とで隙間形状Sを形成することによって、表皮材1の破れを防止するのである。しかも、その一方で、クリアランスをある程度大きくとって、具体的には切欠部42bを設け肉厚部21bを形成することによって、樹脂層2bと表皮材1との接合力を高め、上記問題を解決するものである。表皮材加飾部のショートショットをなくし、且つ表皮材1と樹脂層2bとの接合力を確保できる。
【0022】
また、コア型3とクランプ体4とで表皮材1をコア型上に係止セットできるので、従来必要とした真空引きの機器はいらなくなる。また、図3の表皮材1との一体成形で、型を少し開き加減にしてキャビティCへ溶融樹脂Gを射出し、さらにプレスする低圧成形法を用いた場合は、表皮材1のダメージが少なくなるメリットがある。
【0023】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。表皮材1,樹脂層2,コア型3,クランプ体4,キャビティ型5等の形状,大きさ,材質,個数等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0024】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の表皮材の部分加飾一体成形品および表皮材の部分加飾成形方法は、表皮材のセットに真空引きしなくてもよく、意匠面に現われる表皮材端末ラインを綺麗に整えることができ、品質安定に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表皮材の部分加飾成形方法の一形態で、型開き状態にある金型の断面説明図である。
【図2】図1の状態から工程が進んで表皮材を係止セットした断面説明図である。
【図3】型閉じ後、表皮材で覆われた内側領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図である。
【図4】表皮材の外側領域に配されたゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図である。
【図5】図4で溶融樹脂なしのA部拡大図である。
【図6】図5で表皮材なしのV矢視図である。
【図7】脱型の断面説明図である。
【図8】図1のコア型及びクランプ体の平面図である。
【図9】表皮材の部分加飾一体成形品の斜視図である。
【図10】図9のIV−IV線断面図である。
【図11】図10のB部拡大図である。
【図12】別形態の表皮材の部分加飾一体成形品の斜視図である。
【図13】図5に対応する他形態図である。
【図14】図5に対応する他形態図である。
【図15】不具合の状況を説明する斜視図である。
【図16】従来技術の説明断面図である。
【図17】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 表皮材
1a 周縁部
1b 横断部
2 樹脂層
2a 第一の樹脂層
2b 第二の樹脂層
21a 薄肉部
21b 肉厚部
3 コア型
32,33 ゲート
4 クランプ体
42b 切欠部
5 キャビティ型
C キャビティ
E 意匠面
G2a,G2b,G 溶融樹脂
P 成形品(一体成形品)
S 隙間形状
Claims (3)
- 意匠面の一部を形成すると共にその周縁部が意匠面側から樹脂層を横切って裏面側へ貫通する表皮材と、該表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接合し表皮材で覆われた内側領域で成形される第一の樹脂層と、前記表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接合して表皮材の外側領域で成形される第二の樹脂層と、を具備し、該第二の樹脂層は表皮材との接合部分で所定間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部を形成しながら大半を薄肉部で形成したことを特徴とする表皮材の部分加飾一体成形品。
- コア型とキャビティ型とを備え、さらに該コア型には表皮材で覆われる一領域の外周囲に進退動可能なクランプ体を設け、該クランプ体とコア型との間に表皮材を挟んでクランプ体が退動し且つ型閉じにした状態で、キャビティが形成されると共に表皮材に接する部分でクランプ体とキャビティ型とでつくる横断面の隙間形状が所定間隔ごとに切欠かれた切欠部を設けながらもスリット状であることを特徴とする表皮材の部分加飾一体成形品用金型。
- 請求項2の部分加飾一体成形品用金型を用い、コア型の一領域を表皮材で覆うようにしてその表皮材の周縁部をキャビティ壁の外へ引き出しクランプ体とコア型とで挟持し、次いで、該表皮材で覆われた内側領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出し、その後、該表皮材の外側領域に配されたゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出しキャビティを埋め尽くして表皮材と一体成形させることを特徴とする表皮材の部分加飾成形方法。
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