JP2000127200A - 表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法 - Google Patents
表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法Info
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Abstract
ラインをきれいに整え品質安定維持できる表皮材の部分
加飾一体成形品および表皮材の部分加飾成形方法を提供
する。 【解決手段】 意匠面Eの一部を形成すると共にその周
縁部1aが意匠面側から樹脂層2を横切って裏面側へ貫
通する表皮材1と、該表皮材1が樹脂層2を横切るとこ
ろの横断部1bに接合し表皮材1で覆われた内側領域で
成形される第一の樹脂層2aと、前記表皮材1が樹脂層
2を横切るところの横断部1bに接合して表皮材1の外
側領域で成形される第二の樹脂層2bと、を具備し、該
第二の樹脂層2bは表皮材1との接合部分で所定間隔ご
とに厚みをもたせた肉厚部21bを形成しながら大半を
薄肉部21aで形成した。
Description
面の他に表皮材で部分的に加飾されるようにした表皮材
の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金
型、および表皮材の部分加飾成形方法に関する。
部領域に表皮材で風合いや高級感を付与した部分加飾の
一体成形品がある。斯る一体成形品は、従来、図16の
ような製法等で造ってきた。まず、外周がトリミングさ
れた所定大きさの表皮材91をキャビティ型94へセッ
トし、真空引きにより該表皮材91を固定する。次い
で、型閉じを進行させ、その進行途中で溶融樹脂93を
射出する。そうして、型閉じを完了しプレスして一体成
形品Yを造るのである(図17)。符号92はコア型、
符号95は成形樹脂を示す。
では、表皮材91のトリミングカットで寸法誤差が生ま
れ易く、これが即品質に影響を与えた。また、表皮材9
1のセット時にも狂いが発生し、一体成形品Yにおける
表皮材の端末ライン91aが一定にならない問題があっ
た。さらに、真空引きする機器を必要とし、成形型の設
備が大掛りとなった。
空引きする機器を要せずして、表皮材端末ラインをきれ
いに整え品質安定維持できる表皮材の部分加飾一体成形
品および表皮材の部分加飾成形方法を提供することを目
的とする。
請求項1に記載の本発明の要旨は、意匠面の一部を形成
すると共にその周縁部が意匠面側から樹脂層を横切って
裏面側へ貫通する表皮材と、該表皮材が樹脂層を横切る
ところの横断部に接合し表皮材で覆われた内側領域で成
形される第一の樹脂層と、前記表皮材が樹脂層を横切る
ところの横断部に接合して表皮材の外側領域で成形され
る第二の樹脂層と、を具備し、該第二の樹脂層は表皮材
との接合部分で所定間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部を
形成しながら大半を薄肉部で形成したことを特徴とする
表皮材の部分加飾一体成形品にある。また、請求項2に
記載の本発明の要旨は、コア型とキャビティ型とを備
え、さらに該コア型には表皮材で覆われる一領域の外周
囲に進退動可能なクランプ体を設け、該クランプ体とコ
ア型との間に表皮材を挟んでクランプ体が退動し且つ型
閉じにした状態で、キャビティが形成されると共に表皮
材に接する部分でクランプ体とキャビティ型とでつくる
横断面の隙間形状が所定間隔ごとに切欠かれた切欠部を
設けながらもスリット状であることを特徴とする表皮材
の部分加飾一体成形品用金型にある。また、請求項3に
記載の本発明の要旨は、請求項2の部分加飾一体成形品
用金型を用い、コア型の一領域を表皮材で覆うようにし
てその表皮材の周縁部をキャビティ壁の外へ引き出しク
ランプ体とコア型とで挟持し、次いで、該表皮材で覆わ
れた内側領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を
射出し、その後、該表皮材の外側領域に配されたゲート
からキャビティへ溶融樹脂を射出しキャビティを埋め尽
くして表皮材と一体成形させることを特徴とする表皮材
の部分加飾成形方法にある。
成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材
の部分加飾成形方法について詳述する。図1〜図11は
本発明の表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一
体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法の一
形態で、図1〜図4は成形過程を示す断面説明図で、図
1は型開き状態にある表皮材の部分加飾成形用金型(以
下、単に「金型」という)の断面説明図、図2は図1の
状態から工程が進んで表皮材を係止セットした断面説明
図、図3は型閉じ後、表皮材で覆われた内側領域にある
ゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明
図、図4は表皮材の外側領域に配されたゲートからキャ
ビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図、図5は図4の
A部拡大図、図6は図5で表皮材なしのV矢視図、図7
は脱型の断面説明図、図8は図1のコア型及びクランプ
体の平面図、図9は表皮材の部分加飾一体成形品の斜視
図、図10は図9のIV−IV線断面図、図11は図10の
B部拡大図である。
る。図1に示した金型は、表皮材の部分加飾一体成形品
に用いる金型の一例で、コア型3とクランプ体4とキャ
ビティ型5とを具備する。
部3aがある固定型(下型)になっている。コア型3に
はキャビティ壁31が形成されるが、表皮材1が配され
る領域より外のキャビティ壁の一部はクランプ体4に担
わせている(図2)。そのため、コア型上にクランプ体
4をおさめる凹所36が確保される。コア型3には、表
皮材1で覆われる内側領域(内包領域)と表皮材1の外
側領域のキャビティ壁の双方に溶融樹脂G2a,G2bを射
出するゲート32,33が形成される(図3,図4)。
コア型凸部3a(一領域)の外周縁に沿って設けられ
る。クランプ体4は、表皮材1が配されるコア型凸部3
aの部分が開口Oした環状ブロックで(図8)、コア型
側に設置され、クランプ体上面に前述のごとくコア型キ
ャビティ壁41をつくる。クランプ体4は、その下面が
可動軸71に支えられ(図7参照)、該可動軸を作動さ
せる油圧シリンダ(図示せず)によってコア型3から浮
上したりコア型3に密着したり進退動可能に設けられ
る。クランプ体4がコア型3に引き下がった状況下、ク
ランプ体4の内周縁49とコア型凸部外周縁39とは全
周にわたって近接状態にある(図8)。従って、クラン
プ体4を浮上させた後、コア型3とクランプ体4の間に
表皮材1を介在させてクランプ体4を下降させれば、コ
ア型3とクランプ体4とで表皮材1を挟み、コア型凸部
3a上に表皮材1を配して係止セットできる。コア型3
とクランプ体4とで表皮材1を係止セットしたとき、表
皮材1に接するクランプ体4の部分が接合部42であ
り、該接合部42はクランプ体の内周縁49を所定幅で
取巻く。接合部42は、クランプ体4の他のキャビティ
壁41より一段下がった格好にしている。接合部42は
上面42aを平らにする一方で、所定間隔P1ごとに上
面が切欠かれた切欠部42bを設ける。該切欠部42b
は所定幅の接合部42を横切る形になっている(図
5)。
が形成された可動型(上型)である。キャビティ型5
は、クランプ体4の接合部42に対向する部分が突出し
て突起部52を形成する。突出部52の両側壁はキャビ
ティ壁51からなだらかな弧を描き、その底面52aを
フラットにする(図2)。意匠面Eに現われる表皮材端
末ラインLの見栄えを良くするためである。クランプ体
4とコア型3との間に表皮材1を挟んでクランプ体4を
コア型3に引き込み表皮材1を挟持した後、キャビティ
型5を下降させ、型閉めすると、表皮材1による部分加
飾一体成形品用のキャビティCが形成される。このと
き、表皮材1に接する部分でクランプ体4とキャビティ
型5とでつくる横断面の隙間形状Sが、所定間隔ごとに
切欠かれた前述の切欠部42bを有しながらもスリット
状となる。キャビティ型5の突起部52がクランプ体4
の内周縁49近くの接合部42の方へ突出しており、こ
の部分でのスリット幅εを小さくする(図6)。スリッ
ト幅εを狭くしているのは、このような狭いスリット幅
εを設けないと、図13のように表皮材1で覆われた内
側領域に溶融樹脂G2aを充填する際、完全充填する前に
表皮材1が破れて表皮材1の外側領域へ溶融樹脂Gαが
流れ込む図14の不具合が出易いからである。
型5とでつくる隙間形状SのV矢視図である。図6では
隙間形状Sを判り易くするため表皮材1を省く。表皮材
1に接する部分でのクランプ体4とキャビティ型5とで
つくる横断面形状は、図5で突起部52のあるところで
は、この隙間形状Sの形を保つ。突起部52を越えれば
キャビティ壁51となり大きなキャビティ空間となる。
前記スリット幅εは0<ε≦1.0mmの範囲が好まし
い。0を省くのは、隙間形状Sがスリット状であって
も、表皮材1の外側領域で成形される第二の樹脂層2b
に係る溶融樹脂G2bがここを通過し、表皮材1の横断部
1bに接合した第二の樹脂層2bを形成するからであ
る。スリット幅εを0にしてしまうと、表皮材1と第二
の樹脂層2bの合接部が一様なものとして得られなくな
る。表皮材1(詳しくは横断部1b)と第二の樹脂層2
bの合接部があることによって製品の見栄えがよくな
る。スリット幅εを1.0mm以下とするのは、合接の
強度を確実にし、且つ合接部の見栄えが悪くならないよ
うにするためである。一方、図6で隙間形状Sの切欠部
42bの深さL1や幅L2は適宜決められるが、例えば、
本実施形態の表皮材1による加飾部面積が500mm×
180mm程度(図9参照)では、深さL1が3mmで
幅L2が4mmφほどの半円状のものが選択される。切
欠部42bのピッチP1も適宜決められ、例えば約20
mmとする。切欠部42bを設けるのは、ここに第二の
樹脂層2bを埋めて成形することによって肉厚部21b
を形成し機械的強度を高める図る狙いがある。なお、切
欠部42bが大きくなり過ぎると、図13,図14のよ
うな問題が起きてしまうので、切欠部42bの深さL1
や幅L2は一定範囲(これまでの試験結果によれば、深
さL1×幅L2の面積が100mm2以下)内に制限され
る。
ごとく実施される。まず、成形操作に先立ち、所定大き
さに裁断カットした平板状の表皮材1を準備する。該表
皮材1は一体成形品Pが出来上った後にその周縁部1a
がカットされるので、図12の従来技術のようにシビア
な寸法カットする必要は全くない。製品となる所定寸法
の表皮材より若干大きめの表皮材1が用意される。表皮
材1には例えば真空成形トリムされた樹脂製のレザー表
皮材が用いられる。そして、金型を型開状態とし、さら
にクランプ体4を上動させ、クランプ体4がコア型3か
ら浮上した状態とする。クランプ体4がキャビティ型方
向に押し出された状態とする。
皮材1を配設する(図1)。続いて、図示しない油圧シ
リンダを作動させ、クランプ体4をコア型側に引き込む
ことにより前記表皮材1をコア型上に係止する(図
2)。表皮材1の部分加飾一体成形品Pをつくるキャビ
ティC内で表皮材1をセットするにあたり、コア型3の
凸部3a(一領域)を表皮材1で覆うようにしてその表
皮材1の周縁部1aをキャビティ壁31の外へ引き出し
クランプ体4とコア型3とで挟持しセットする。表皮材
1はコア型凸部3aを覆って、その表皮材周縁部1aが
キャビティ壁の外(具体的にはコア型凸部とクランプ体
の間隙)へ引き出され、係止セットされる。クランプ体
4が下降してコア型3に密着すると、コア型凸部3aの
外周縁39とクランプ体4の内周縁49とで表皮材周縁
部1aを挟持する(図5)。表皮材外周全域に亘ってコ
ア型3とクランプ体4とで挟持する。その結果、表皮材
1がコア型凸部3aを覆うようにしてセットされる。若
干大きめに裁断カットされたところの表皮材周縁部1a
はクランプ体下側にできる空間に収納される。
ィ型5を閉めていくと、キャビティ内(ここでは、完全
な型閉じ状態でない)で部分的にその領域を表皮材1が
占有して、コア型3とクランプ体4とに表皮材1が係止
セットされた格好になる。次に、表皮材1で覆われた内
側領域にあるゲート32を開き、通路34を通ってゲー
ト32からキャビティへ溶融樹脂G2aを射出し、部分加
飾用の表皮材1との一体成形を行う。この段階での射出
成形は、完全な型閉じ状態下で実施してもよいが、表皮
材1の一体成形状態をよくするため、金型を少し開き加
減として低圧成形法を採用するのがより好ましい。溶融
樹脂G2aがコア型凸部上に団子状に盛られることにな
る。溶融樹脂Gの材料には、例えばポリエチレン,ポリ
プロピレン等の熱可塑性プラスチックが使用される。溶
融樹脂G(G2a,G2b)の材料は部分加飾用の表皮材1
と相溶性のものとなる。
て、少し開き加減にあったキャビティ型5を完全に閉
じ、型閉じを完了させる(図3)。この過程で、係止セ
ットされた表皮材1とコア型凸部上で団子状に盛られた
上述の溶融樹脂G2aがプレスされる。充満する溶融樹脂
G2aで、表皮材1はキャビティ型5のキャビティ壁に押
しつけられ、意匠面Eを形成する表皮材部分がきれいに
形成される。
ート33を開き、通路35を経てゲート33からキャビ
ティCへ溶融樹脂G2bを射出する(図4)。表皮材1の
外側領域のキャビティCへ充填された該溶融樹脂G
2bは、キャビティCを埋め、さらに前述したクランプ体
4の接合部42とキャビティ型5の突起部52とでつく
る隙間形状Sの該隙間部分へも流れ込む。そして、表皮
材1に接合しこれとの一体化を図る。表皮材1は、その
周縁部1aが第一の樹脂層2aを覆って裏面側へ貫通し
ているが、第一の樹脂層2aを覆った表皮材1のキャビ
ティに配された部分(横断部1b)に第二の樹脂層2b
が接合する。この接合部分には前述のスリット幅εによ
る薄肉部21aと切欠部42bによる肉厚部21bが形
成される。こうして、溶融樹脂G2bで表皮材外側にある
残りのキャビティCを埋め尽くして表皮材1で部分加飾
された一体成形品Pを造る。本実施形態では通常成形を
行うが、この時も、キャビティ型5を寸開して低圧成形
法を採ることができる。ところで、第二の樹脂層2bを
バージン材で形成する一方、第一の樹脂層2aをリサイ
クル材で形成すると、より好ましくなる。第一の樹脂層
2aは意匠面側に現われないため、外観に不都合がな
く、リサイクル材を用いることによってコストダウンが
図れる。ここで、リサイクル材には、市場に出て回収さ
れる素材の他、工場の生産過程で不良品やバリなどとな
って排出されたものを粉砕利用した素材等を含む。リサ
イクル材については、相溶性があれば混ざりものであっ
ても構わない。また、その色なども第一の樹脂層2aが
意匠面側に現われてこないことからリサイクル材と同一
になる必要はない。
飾一体成形品Pは、冷却固化された後、脱型工程に移
る。クランプ体4と図示しないエジェクタピンとで一体
成形品Pを突き上げて脱型する(図7)。金型から一体
成形品Pを取出した後、最後に、成形品裏面から伸びる
表皮材周縁部1aを作業者が手やハサミ等で取り除く
と、図9,図10ごとくの所望の表皮材の部分加飾一体
成形品Pが得られる。なお、一体成形品Pの裏面側のゲ
ートランド部分23も適宜カットされる。
形品は、図9〜図11ごとくの形状になっている。表皮
材1との一体成形品Pで、意匠面Eは樹脂層2bがつく
る意匠面の他に、表皮材1が島状に存在し、部分加飾が
施されている(図8)。表皮材1は、前記成形法を採る
ことによって、意匠面Eの一部を形成すると共にその周
縁部1aが意匠面側から樹脂層2を横切って裏面側へ貫
通する(図11)。そして、表皮材1が樹脂層2を横切
るところの横断部1bに、表皮材1で覆われた内側領域
で成形される第一の樹脂層2aが接合し、また、表皮材
1の外側領域で成形される第二の樹脂層2bが外側から
接合している。第二の樹脂層2bは表皮材1との接合部
分で所定間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部21bを形成
しながら大半を薄肉部21aで形成する。図11のIX−
IX線矢視図では、図6の隙間形状Sに第二の樹脂層2b
が埋まった形になる。
には表皮材周縁部1aが現われるが、図11はその部分
をトリミングカットしカット部1cとする。なお、本実
施形態は表皮材外周全域に亘ってコア型3とクランプ体
4とで挟持することによって図9のような島状の部分加
飾一体成形品Pとしたが、他形態として図12のような
部分加飾一体成形品Pとすることもできる。図12で
は、意匠面に現われる加飾用表皮材1の一側縁が一体成
形品Pの樹脂層側縁と一致する。
表皮材の部分加飾成形方法によれば、表皮材周縁部1a
がキャビティ壁の外へ引き出され、且つコア型3とクラ
ンプ体4により常に決まった位置に係止セットされるの
で、意匠面サイドに現われる表皮材端末ラインLが一定
できれいに仕上がる。また、成形工程で、まずゲート3
2を開き、表皮材1に覆われた箇所に溶融樹脂G2aを供
給して表皮材1との一体成形を行い、表皮材1の意匠面
Eを形成した後、ゲート33から溶融樹脂G2bを表皮材
外側のキャビティCに供給して製品外周部にあたる樹脂
部分を形成するから、表皮材1の意匠面の境界が乱れな
いのである。そして、表皮材1は一体成形品Pが出来る
と、表皮材端縁1aが成形品裏面側に現われ、この部分
は不要部分となってカットされるので、成形時における
表皮材1は所定寸法より若干大きめのものを用いれば足
り、裁断にシビアにならずに済む。さらに,表皮材端縁
1aのトリミング処理もいらず作業性に優れる。
形状にすると、表皮材1が破れる不具合を招く。すなわ
ち、表皮材1で覆われる内側領域に溶融樹脂G2aを完全
充填する前に表皮材1が破れて、溶融樹脂Gαが表皮材
1の外側領域へ流れ出るのである(図14)。その結
果、加飾部の樹脂層2bに漏れ部αが発生する(図1
5)。この漏れ部αは表皮材1の毛や一部をもぎとって
意匠外観に悪影響(ウエルド,ツヤムラなど)を与えて
きた。また、表皮材1に覆われる内側領域が溶融樹脂G
2aで完全充填されないためショートショットβが発生
し、後工程の溶融樹脂G2bが流れ込む不具合も出た(図
15)。しかるに、本発明では、表皮材1の横断部1b
に溶融樹脂G2aが接する部分(リアランス)を小さくし
て表皮材1の破れを防止する。クランプ体4の接合部4
2とキャビティ型5の突起部52とで隙間形状Sを形成
することによって、表皮材1の破れを防止するのであ
る。しかも、その一方で、クリアランスをある程度大き
くとって、具体的には切欠部42bを設け肉厚部21b
を形成することによって、樹脂層2bと表皮材1との接
合力を高め、上記問題を解決するものである。表皮材加
飾部のショートショットをなくし、且つ表皮材1と樹脂
層2bとの接合力を確保できる。
1をコア型上に係止セットできるので、従来必要とした
真空引きの機器はいらなくなる。また、図3の表皮材1
との一体成形で、型を少し開き加減にしてキャビティC
へ溶融樹脂Gを射出し、さらにプレスする低圧成形法を
用いた場合は、表皮材1のダメージが少なくなるメリッ
トがある。
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。表皮材1,樹脂層2,コア型3,クラン
プ体4,キャビティ型5等の形状,大きさ,材質,個数
等は用途に合わせて適宜選択できる。
飾一体成形品および表皮材の部分加飾成形方法は、表皮
材のセットに真空引きしなくてもよく、意匠面に現われ
る表皮材端末ラインを綺麗に整えることができ、品質安
定に優れた効果を発揮する。
で、型開き状態にある金型の断面説明図である。
トした断面説明図である。
ートからキャビティへ溶融樹脂を射出した断面説明図で
ある。
ティへ溶融樹脂を射出した断面説明図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 意匠面の一部を形成すると共にその周縁
部が意匠面側から樹脂層を横切って裏面側へ貫通する表
皮材と、該表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接
合し表皮材で覆われた内側領域で成形される第一の樹脂
層と、前記表皮材が樹脂層を横切るところの横断部に接
合して表皮材の外側領域で成形される第二の樹脂層と、
を具備し、該第二の樹脂層は表皮材との接合部分で所定
間隔ごとに厚みをもたせた肉厚部を形成しながら大半を
薄肉部で形成したことを特徴とする表皮材の部分加飾一
体成形品。 - 【請求項2】 コア型とキャビティ型とを備え、さらに
該コア型には表皮材で覆われる一領域の外周囲に進退動
可能なクランプ体を設け、該クランプ体とコア型との間
に表皮材を挟んでクランプ体が退動し且つ型閉じにした
状態で、キャビティが形成されると共に表皮材に接する
部分でクランプ体とキャビティ型とでつくる横断面の隙
間形状が所定間隔ごとに切欠かれた切欠部を設けながら
もスリット状であることを特徴とする表皮材の部分加飾
一体成形品用金型。 - 【請求項3】 請求項2の部分加飾一体成形品用金型を
用い、コア型の一領域を表皮材で覆うようにしてその表
皮材の周縁部をキャビティ壁の外へ引き出しクランプ体
とコア型とで挟持し、次いで、該表皮材で覆われた内側
領域にあるゲートからキャビティへ溶融樹脂を射出し、
その後、該表皮材の外側領域に配されたゲートからキャ
ビティへ溶融樹脂を射出しキャビティを埋め尽くして表
皮材と一体成形させることを特徴とする表皮材の部分加
飾成形方法。
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---|---|---|---|
JP32008198A JP3929624B2 (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 表皮材の部分加飾一体成形品、その部分加飾一体成形品用金型、および表皮材の部分加飾成形方法 |
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