JPH08286123A - 内視鏡のアングル操作装置 - Google Patents

内視鏡のアングル操作装置

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JPH08286123A
JPH08286123A JP7111089A JP11108995A JPH08286123A JP H08286123 A JPH08286123 A JP H08286123A JP 7111089 A JP7111089 A JP 7111089A JP 11108995 A JP11108995 A JP 11108995A JP H08286123 A JPH08286123 A JP H08286123A
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angle
wire
wires
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tension
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Kenji Abe
阿部健治
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アングル部を湾曲させるために、少なくとも
一対設けられる操作ワイヤの各々に、偏心押動駒を係合
させて、この偏心押動駒を回動させることによって、繰
り返しアングル操作を行うことによって、操作ワイヤに
伸びが発生した時に、それぞれの操作ワイヤを個別的
に、極めて容易に適正な状態にその張り調整を行えるよ
うにする。 【構成】 アングル部2aを上下に湾曲させる一対の操
作ワイヤ11a,11bを、個別的に張り調整するため
に、外周面がそれぞれ操作ワイヤ11a,11bに当接
する偏心押動駒20を有し、この偏心押動駒20は回動
軸21に固着して設けられ、回動軸21の一端は、台板
5に軸受22により回転自在に支承されており、他端部
は駆動軸23にスプライン結合されている。駆動軸23
は、本体操作部1のケーシング1aから導出されてお
り、その先端には操作つまみ24が連設され、この操作
つまみ24を回動操作することにより、各々の操作ワイ
ヤ11a,11bに所定の張りまたは弛みを持つように
張り調整を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用,工業用として
用いられる内視鏡において、その挿入部の先端部本体を
所望の方向に向けるために、この先端部本体に連設した
アングル部を遠隔操作により湾曲させるためのアングル
操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、例えば体腔内に挿入される挿
入部に本体操作部を連設し、さらに本体操作部に光源装
置(電子内視鏡の場合には、光源装置及びプロセッサ)
に着脱可能に接続されるライトガイド軟性部を連設する
ことにより大略構成されるものであって、挿入部は、そ
の先端側から先端部本体,アングル部及び軟性部となっ
ている。先端部本体には内視鏡観察機構が設けられてお
り、アングル部はこの先端部本体を所望の方向に向ける
ために、湾曲操作が可能となったものである。体腔内へ
の挿入経路はかなり長いことから、軟性部は、内視鏡が
用いられる用途に応じた長さを有する長尺の軟性部材で
あり、挿入部は曲がった挿入経路に挿入されることか
ら、軟性部は挿入経路に追従して任意の方向に曲がるこ
とになる。
【0003】挿入部は、このように機能面から、3つの
部位に分かれており、これらのうち、湾曲操作が可能な
アングル部の構造体は、多数のアングルリングを順次枢
着した節輪構造となっている。そして、アングル部の湾
曲操作は、本体操作部側で遠隔操作により行えるように
なっており、このために先端部本体の基端部またはアン
グル部を構成する最先端のアングルリングに止着した操
作ワイヤを本体操作部にまで延在させて、この操作ワイ
ヤを押し引き操作するように構成されている。アングル
部を上下方向に湾曲させるには、上下一対からなる操作
ワイヤを設け、また上下及び左右に、また複合操作によ
って任意の方向に湾曲させるには、上下及び左右に各一
対の操作ワイヤを設けるようになし、これらの操作ワイ
ヤは本体操作部に設けたプーリに巻回して設ける。そし
て、プーリに回転軸を連結して設け、この回転軸を本体
操作部のケーシング外に延在させて、アングルノブを連
結する。これによって、アングルノブを回動操作すれ
ば、操作ワイヤが押し引き動作される。
【0004】ところで、操作ワイヤは本体操作部から先
端部本体乃至その近傍位置にまで延在されることから、
かなりの長さを持っている。また、アングル部を湾曲操
作すると、引っ張られる側の操作ワイヤには極めて大き
な張力が作用する。従って、長期間にわたって繰り返し
操作すると、操作ワイヤが伸びることになる。このよう
に操作ワイヤが伸びると、アングルノブを操作した時に
遊びが生じるだけでなく、この伸びている操作ワイヤと
は反対側の操作ワイヤが引っ張られ、伸びている操作ワ
イヤが繰り出されるように操作された場合には、この操
作ワイヤは大きく弛むことになる。
【0005】操作ワイヤには、繰り出し側での弛みを防
止するために、弛み吸収部材を設けたものがある。この
弛み吸収部材の構成としては、筒状のケーシングを用
い、操作ワイヤをこのケーシング内で分割して、両分割
端部に膨出部を設けることによりケーシングから逸脱し
ないように保持し、かつ操作ワイヤの分割した部分がケ
ーシング内で動き得る状態となし、さらには一方の膨出
部には、他方の膨出部から離間する方向にばねを付勢さ
せている。これによって、操作ワイヤの弛みがケーシン
グ内で吸収できる。しかしながら、この弛み吸収部材に
より吸収される弛みには限度があり、弛み量がこの限度
を越えると、もはや吸収できなくなる。
【0006】操作ワイヤにおける軟性部の内部の部位で
は、密着コイル内に挿通されているから、この部位で弛
むことはない。しかしながら、アングル部内では、操作
ワイヤは密着コイルから導出されているから、アングル
部内で弛み、しかも上下及び左右の複合操作が行われた
りすると、操作ワイヤがこのアングル部内にたぐり寄せ
られる。挿入部内にはライトガイドや処置具挿通チャン
ネル等の挿通部材が挿通されており、従って操作ワイヤ
が弛むと、挿通部材に挟み込まれたり、絡み合ったりす
ることになる。とりわけ、ライトガイドは脆弱な極細の
光ファイバを束ねたものであるから、例えば操作ワイヤ
がライトガイドと他の挿通部材との間に挟み込まれた状
態で、前後方向に動いたりすると、ライトガイドを構成
する光ファイバの断線が発生する等の不都合が生じる。
【0007】以上のことから、操作ワイヤに繰り返し張
力が作用することにより伸びた時のために、この伸びを
吸収する機構を設ける構成としたものは、従来から知ら
れている。例えば、特開昭52−144178号公報に
は、プーリ近傍の部位に一対のローラを設けて、これら
両ローラをそれぞれ操作ワイヤに当接させるようにな
し、この両ローラ間にばねを装着して、このばねの付勢
力によって、両ローラを相互に近接または離間する方向
に付勢することによって、操作ワイヤに伸びが発生した
時には、このばねの付勢力によって、その伸びを吸収す
ることができ、操作ワイヤがアングル部内で弛む等の事
態の発生を防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
による操作ワイヤの伸び吸収機構を用いると、長期間繰
り返しアングル操作して、この操作ワイヤに伸びが生じ
たとしても、それを有効に吸収できるという利点はある
ものの、なお問題がない訳ではない。
【0009】即ち、操作ワイヤをばねの作用により弛ま
ないように構成した場合において、操作ワイヤは本体操
作部から挿入部における軟性部内の部位においては、密
着コイル内に挿通されており、この密着コイルと摺接す
るし、またアングル部内においては、アングルリングに
設けたワイヤ挿通部に操作ワイヤを挿通させており、こ
の部位でも摺接していることから、操作ワイヤの動きに
対する抵抗がある。操作ワイヤの伸びによる弛みを吸収
するには、ローラ間に設けられるばねの付勢力をある程
度大きくしておかなければ、確実に操作ワイヤの伸びに
よる弛みの吸収作用を発揮させることができない。ばね
による付勢力が弱いと、操作ワイヤを押し引きしてアン
グル操作した後、アングル部を直線状態に復帰させた時
に、操作ワイヤに作用する摺動抵抗によって、ローラが
必ずしも所定の位置に変位しないことになる。従って、
ばねによる付勢力はある程度大きくしておかなければ、
有効に弛みを吸収できなくなってしまう。
【0010】しかしながら、ローラに作用するばねの付
勢力を大きくすると、この付勢力がアングルノブを回動
操作することにより行われるアングル操作に対する抵抗
となり、その操作性が悪くなる。また、内視鏡の操作を
行う術者等によっては、アングル操作を行う際に、アン
グルノブの操作時にある程度の遊びがある方が好ましい
ということもあり、しかもその遊びの量も術者の好み等
により異なってくる。アングルノブには常にばねによる
付勢力が作用しているから、術者等がアングルノブを操
作すると、直ちにばねによる反力が作用することにな
り、遊びを持たせることができない。しかも、反力が生
じているにも拘らず、ローラが所定の位置に変位するま
では、アングル部が湾曲しないことになることから、操
作を行う際に多少の違和感が生じるのも否めない。
【0011】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、操作ワイヤに伸びが
発生した時に、適正な状態にその張り調整を行うことが
できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、アングルノブに連結したプーリに操
作ワイヤを巻回して設け、かつこのプーリから一対の操
作ワイヤを延在させて、本体操作部内における途中の部
位からガイド部材により操作ワイヤをガイドさせるよう
に構成し、このプーリとガイド部材との間の位置には、
一対からなる操作ワイヤのそれぞれを一方側に対して他
方側に向けて近接または離間する方向に押動する偏心押
動駒を設けて、この偏心押動駒に回動軸を連結し、この
回動軸を本体操作部のケーシング外に延在させて、この
回動軸を回動操作することによって、各操作ワイヤを個
別的に張り調整できる構成としたことをその特徴とする
ものである。
【0013】
【作用】長期間にわたって繰り返しアングル操作を行う
と、操作ワイヤに伸びが発生するが、この伸びがある
と、その操作ワイヤが引っ張る方向にアングルノブを操
作した時における遊びとして作用することになる。そこ
で、このアングルノブの操作時における遊びが必要でな
い場合、あるいは必要以上の遊びが生じている場合に
は、回動軸を適宜回動操作して、外周面が操作ワイヤに
当接している偏心押動駒を回動させて、当該の操作ワイ
ヤを押動することによって、それに適正な張り乃至弛み
を持たせることができる。従って、個々の操作ワイヤの
張り調整を個別的に行うことによって、アングルノブを
最適な条件下で操作できるようになる。また、操作ワイ
ヤは偏心押動駒と実質的に点接触しているから、アング
ルノブの操作に対しては、この部位における摺動抵抗が
増大するだけで、操作に対して殆ど抵抗が増大しないこ
とになり、操作性が悪くなるようなこともない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図1にアングル操作装置と共に内視
鏡の全体の概略構成を示し、また図2に内視鏡の本体操
作部の外観を示す。図中において、1は本体操作部であ
って、この本体操作部1には体腔内等への挿入部2が連
設されており、また光源装置(電子内視鏡の場合には光
源装置及びプロセッサ)に着脱可能に接続されるライト
ガイド軟性部3が連設されている。挿入部2は先端側か
ら先端部本体2a,アングル部2b及び軟性部2cとな
っている。先端部本体2aには、照明窓及び観察窓が設
けられており、また鉗子等の処置具を導出するための処
置具挿通チャンネルや、観察窓を洗浄するための送気送
水ノズルが設けられている。ただし、これらは周知のも
のであるから、その図示及び詳細な説明は省略する。ア
ングル部2bは、先端部本体2aを所望の方向に向ける
ために、湾曲可能な部位である。さらに、軟性部2cは
断面形状を保ったまま所望の方向に曲げることができる
ようになっている。
【0015】アングル部2bは、多数のアングルリング
4を順次枢着してなる節輪構造となっており、アングル
操作装置10によって湾曲操作できるようになってい
る。ここで、アングル部2bは図中に矢印で示したよう
に、上下方向に湾曲させることができるようになってお
り、またこの矢印における上下方向と、それと直交する
左右方向にも湾曲させることができるように構成したも
のとがある。上下及び左右に湾曲できるようになってお
れば、上下及び左右の複合湾曲操作を行うことにより、
先端部本体2aを任意の方向に向けることができる。た
だし、図面においては、簡略化のために、アングル操作
装置10は上下方向にのみ湾曲させるように構成したも
のを示す。
【0016】アングル操作装置10は、一対からなる操
作ワイヤ11a,11b(なお、以下の説明において、
操作ワイヤを総称する場合には、符号11を用いる)を
有し、これらの操作ワイヤ11は、アングル部2bにお
けるアングルリング4のうち、先端部本体2aに連結さ
れている最先端のリング4aに止着されるか、または先
端部本体2aに止着されている。そして、両操作ワイヤ
11はアングル部2b内では上下の位置に位置決めされ
た状態にして引き回されている。ここで、操作ワイヤ1
1の位置決めは、例えば、図3に示したように、アング
ルリング4の周胴部に切設部を形成して、この切設部を
凹状に曲成して挿通路を形成し、その内部に操作ワイヤ
11を挿通させている。これによって、操作ワイヤ11
はアングル部2b内では、円周方向には位置が規制され
るが、軸線方向には動けるようになっている。操作ワイ
ヤ11が軟性部2cに至ると、この軟性部2c内の部位
では、金属線材を密着したコイル状に巻回することによ
って、断面形状は保持するが、曲げが可能な構造となっ
た密着コイル12内に挿通されている。
【0017】密着コイル2は、その先端部が軟性部2c
とアングル部2bとの連結部に固定して設けたスリーブ
13に固着して設けられており、基端部は本体操作部1
内にまで延在させて、この本体操作部1に設けた台板5
に取り付けたスリーブ14に固着されている。操作ワイ
ヤ11は密着コイル2内に挿通されて、スリーブ14か
ら引き出される。そして、操作ワイヤ11の基端部は、
台板5に設けたプーリ6に巻回されて、その端部はプー
リ6に固着されている。上下の操作ワイヤ11a,11
bは同一のプーリ6に巻回されており、このプーリ6を
回転させると、一方の操作ワイヤ、例えば操作ワイヤ1
1aが引っ張られ、他方の操作ワイヤ11bが繰り出さ
れる結果、アングル部2bを構成する相隣接するアング
ルリング4,4間の隙間が、引っ張り側では短縮し、繰
り出し側では拡大することになって、引っ張り側に湾曲
することになる。
【0018】プーリ6の回転は、本体操作部1のケーシ
ング1aの外に設けたアングルノブ7を手指等で回転さ
せることにより行われる。このために、プーリ6とアン
グルノブ7との間は回転軸8により連結されており、ま
たプーリ6の軸部6aは台板5に軸受9により回転自在
に支障されている。このように構成することによって、
術者等内視鏡の操作を行う者は、本体操作部1を把持し
た状態で、その手指でアングルノブ7を操作することに
より、遠隔操作でアングル部2bを上下に湾曲させるこ
とができる。なお、アングル部2bを上下だけでなく、
左右にも湾曲させる場合には、もう一対の操作ワイヤを
設けて、これらの操作ワイヤをアングル部2b内におい
て、前述した一対からなる操作ワイヤ11とそれぞれ9
0°の角度をもった状態で延在させるようになし、また
軟性部2c内から本体操作部1内に延在させるまでの間
に、追加される一対の操作ワイヤを操作ワイヤ11と平
行になるように位相を変えるようになし、プーリ6と同
軸に他方のプーリを設けて、このプーリに操作ワイヤを
巻回させて、その端部を固着する。そして、この他方の
プーリには中空の回転軸を連結して、この回転軸を本体
操作部1のケーシング1aから外に延在させて、もう一
つのアングルノブに連結するように構成すれば良い。
【0019】ともあれ、アングル操作を行うと、引っ張
り側の操作ワイヤに強い引っ張り力が作用するから、繰
り返しアングル操作を行うと、操作ワイヤ11に伸びが
生じることになる。このように操作ワイヤ11が伸びた
時には、その弛みを除去するようにして張り調整を行え
るようになっている。ここで、一対からなる操作ワイヤ
11a,11bは、それぞれ個別的に張り調整を行える
ようになっており、このために、それぞれの操作ワイヤ
11a,11bには、以下に示す構成の張り調整機構が
接続されている。
【0020】即ち、張り調整機構としては、図4からも
明らかなように、偏心押動駒20を有し、この偏心押動
駒20は回動軸21に固着して設けられている。偏心押
動駒20は、その外周面が各々の操作ワイヤ11に当接
しており、この外周面は非円形または円形(図面におい
ては非円形のものを示す)の曲面形状であって、その回
動中心からの距離は連続的(または段階的)に変化する
ように構成したものである。回動軸21の一端は、台板
5に軸受22により回転自在に支承されており、他端部
は駆動軸23にスプライン結合されている。駆動軸23
は、本体操作部1のケーシング1aから導出されてお
り、その先端には操作つまみ24が連設されている。
【0021】また、偏心押動駒20は所定の角度位置に
おいて、ロックされるようになっている。このロック機
構は、駆動軸23には、それを回動軸21に嵌合する方
向に付勢するばね25が作用しており、かつ操作つまみ
24にはそのスカート部の端面に係合歯24aが形設さ
れており、この係合歯24aは、図5に示したように、
ケーシング1aの外面に固着して設けた円形の菊座26
に係合させるように構成したものである。これによっ
て、常時においては、駆動軸23は、ばね25の付勢力
によって、その操作つまみ24に設けた係合歯24aが
菊座26と係合して、回動不能な状態に保持される結
果、偏心押動駒20が固定的に保持される。一方、操作
つまみ24をばね25の付勢力に抗して引き上げると、
係合歯24aの菊座26に対する係合が解除されて、駆
動軸23を回動させることができるようになり、この駆
動軸23とスプライン係合されている回動軸21がこれ
に追従して回動することになり、これによって偏心押動
駒20が回動する。
【0022】偏心押動駒20は、その回動位置により、
操作ワイヤ11を、プーリ6とスリーブ14との間の位
置において、その引っ張り,繰り出し方向とほぼ直交す
る方向、即ち相手方の操作ワイヤ11に近接・離間する
方向(図面においては、近接する方向)に押動させるこ
とにより弛みを吸収して、操作ワイヤ11に所望の張力
を持たせるようにしたものである。そして、一対からな
る操作ワイヤ11,11はそれぞれ別個の偏心押動駒2
0により押動されて、その弛みなり張りの調整を行える
ようになっている。
【0023】さらに、操作ワイヤ11における偏心押動
駒20との係合位置からスリーブ14側の部位には、間
隔調整ローラ27が装着されており、この間隔調整ロー
ラ27によって、たとえ偏心押動駒20により操作ワイ
ヤ11が偏寄させたとしても、所定の角度から円滑にそ
れをスリーブ14内に導けるようになし、操作ワイヤ1
1がスリーブ14の端部におけるエッジ部分に摺接する
のを防止している。
【0024】以上のように構成することによって、アン
グル部2bを繰り返し湾曲操作することによって、操作
ワイヤ11が伸びた時には、その張りを調整できる。例
えば、図1の上側に位置する操作ワイヤ11aが伸びた
時には、アングルノブ7を操作して、アングル部2bが
下方に湾曲するように、即ち操作ワイヤ11bが引っ張
られるように操作する。この時には、当該の操作ワイヤ
11aが伸びているから、プーリ6に引き込まれても、
ある程度までは操作ワイヤ11aに引っ張り力が作用せ
ず、余長分が完全にプーリ6に巻き取られた時からアン
グル部2bの湾曲が開始する。そこで、アングルノブ7
を所定の原点位置、即ち操作ワイヤ11aをプーリ6内
に引き込まない状態となる位置に配置して、操作つまみ
24を持ちあげるようにして、係合歯24aの菊座26
に対する係合を解除させて、それを回動する。この操作
つまみ24の回動に伴って、偏心押動駒20が回動し
て、この回動に応じて操作ワイヤ11aがもう一方の操
作ワイヤ11b側に押し出されるようになる結果、この
操作ワイヤ11に張りが生じることになる。そして、前
述した余長分以上操作ワイヤ11aが押し出されると、
湾曲部2bの湾曲が開始することになる。この湾曲が開
始する直前の状態が操作ワイヤ11aが完全に張りを持
った状態であり、この状態で操作つまみ24の回動操作
を停止すると、操作ワイヤ11aは遊びのない状態とな
り、アングルノブ7を操作すると、直ちにアングル部2
bが回動することになる。勿論、操作つまみ24をこの
状態から戻す方向に所定角度回動させると、アングルノ
ブ7の操作に遊びを持たせることができるようになる。
そして、他方側の操作ワイヤ11bも同様にして張りの
調整を行うことができる。
【0025】以上のように、操作ワイヤ11が伸びた時
に、操作つまみ24を回動操作するという極めて簡単な
操作だけで、極めて容易にその張り調整を行うことがで
き、しかも2本乃至4本設けられる操作ワイヤを1本ず
つ個別的に調整できる。アングル部2bを湾曲させる操
作は、例えば上下方向であっても、上方向への湾曲の方
が、下方向への湾曲操作より頻度が高く、また角度も大
きい等というように、伸び量はそれぞれ異なるものであ
るから、このように個別的に調整できるようになってい
ると、極めて都合が良い。
【0026】このように、張り調整が可能な構成とする
と、その分だけ操作ワイヤ11の押し引き操作に対する
抵抗が大きくなるが、偏心押動駒20は操作ワイヤ11
に対して、実質的に点接触状態となるから、その間の摺
動抵抗は実質的に無視できる程度のものであり、従って
アングル部2bの操作性に悪影響を及ぼすおそれはな
い。また、張り調整のために操作ワイヤ11の押出量を
大きくすると、操作ワイヤ11の偏心押動駒20から先
の部分における導出角度が変わってくるが、間隔調整ロ
ーラ27によって、その方向が補正されることになるか
ら、常に最適な角度から円滑にそれをスリーブ14内に
導けるようになるので、格別問題となることはない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、アング
ル部を湾曲させるために、少なくとも一対設けられる操
作ワイヤを、偏心押動駒を回動させることによって、そ
れぞれ個別的に張り調整できるように構成したので、繰
り返しアングル操作を行うことによって、操作ワイヤに
伸びが発生した時に、極めて容易に適正な状態にその張
り調整を行うことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アングル操作装置と共に内視鏡の全体の概略構
成図である。
【図2】内視鏡の本体操作部の外観図である。
【図3】アングル部内での操作ワイヤの位置決め機構の
構成を示す断面図である。
【図4】図1の本体操作部におけるX−X部の位置での
断面図である。
【図5】操作つまみのロック機構の構成を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 本体操作部 1a ケーシング 2 挿入部 2a 先端部本体 2b アングル部 2c 軟性部 4 アングルリング 5 台板 6 プーリ 7 アングルノブ 10 アングル操作装置 11,11a,11b 操作ワイヤ 20 偏心押動駒 21 回動軸 23 駆動軸 24 操作つまみ 24 係合歯 25 ばね 26 菊座 27 間隔調整リング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側から先端部本体,アングル部及び
    軟性部を順次連設してなる挿入部の基端部に本体操作部
    を設け、この本体操作部内に設けたアングルノブによっ
    て押し引き操作される操作ワイヤを先端部本体またはア
    ングル部の最先端のリングに止着し、この操作ワイヤを
    押し引き操作することによって、アングル部を湾曲させ
    るものにおいて、前記アングルノブに連結したプーリに
    前記操作ワイヤを巻回して設け、かつこのプーリから一
    対の操作ワイヤを延在させて、前記本体操作部内におけ
    る途中の部位からガイド部材により操作ワイヤをガイド
    させるように構成し、このプーリとガイド部材との間の
    位置には、一対からなる操作ワイヤのそれぞれを一方側
    に対して他方側に向けて近接または離間する方向に押動
    する偏心押動駒を設けて、この偏心押動駒に回動軸を連
    結し、この回動軸を本体操作部のケーシング外に延在さ
    せて、この回動軸を回動操作することによって、各操作
    ワイヤを個別的に張り調整できる構成としたことを特徴
    とする内視鏡のアングル操作装置。
  2. 【請求項2】 前記張力調整部材の配設位置とガイド部
    材の配設位置との間に、前記一対からなる操作ワイヤと
    接触回転する位置決めローラを配置する構成としたこと
    を特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル操作装
    置。
JP07111089A 1995-04-13 1995-04-13 内視鏡のアングル操作装置 Expired - Lifetime JP3087604B2 (ja)

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