JPH0828562A - 磁気軸受装置 - Google Patents

磁気軸受装置

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JPH0828562A
JPH0828562A JP6160358A JP16035894A JPH0828562A JP H0828562 A JPH0828562 A JP H0828562A JP 6160358 A JP6160358 A JP 6160358A JP 16035894 A JP16035894 A JP 16035894A JP H0828562 A JPH0828562 A JP H0828562A
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transfer function
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Shinichi Nomura
慎一 野村
Toshiharu Kogure
利春 小槫
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Seiko Seiki KK
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    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
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    • F16C32/0455Details of controllers, i.e. the units determining the power to be supplied, e.g. comparing elements, feedback arrangements with P.I.D. control including digital signal processing [DSP] and analog/digital conversion [A/D, D/A]

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転体の回転周波数の1次成分以外の変位も
抑制することができる磁気軸受装置を提供する。 【構成】 制御回路11〜15a、15bが、径方向変
位センサ5a、5bの出力に応じて、電磁石3a、3b
の励磁電流をフィードバック制御することで、ロータ1
は所定位置に磁気浮上される。CPU21は、位置検出
回路11からのセンサ信号S1を基に回転時のロータ1
の変位を解析する。そして、解析の結果得られる補正信
号S2を演算器12に供給することで、ロータ1の振動
を各周波数成分毎に打ち消す磁力を電磁石3a、3bに
発生させる。これにより、ロータ1の変位が抑制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気軸受装置に係り、
詳細には、回転時の回転体の変位を抑えることができる
磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気軸受装置は、回転体を磁気浮上させ
て非接触で軸支するもので、回転体の変位を検出する変
位センサの出力を基に、電磁石の励磁電流をフィードバ
ック制御することで、回転体の浮上位置を制御するよう
になっている。
【0003】この磁気軸受装置において、軸支している
回転体に不釣り合いがあると、回転したときに好ましく
ない振れ回り(変位)が生じる。この変位は、電磁石の
励磁電流を検出するセンサ、あるいは電磁石と回転体と
の隙間の磁束密度を検出するセンサ等の出力変化として
得られる。このため、従来では各種センサの出力から、
特定周波数成分、例えば、回転体の回転数に対応した周
波数(回転周波数)成分を削除することで、特定周波数
の制御ゲインを著しく低下させて回転体を慣性中心軸で
回転させることにより振れ回りを抑制していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁気軸受装置
が用いられる実際の装置、例えば、スピンドル等では、
その装置の機械的な構造等(例えば、回転体に対向する
電磁石を全く誤差なく配設することはできない)に起因
して、回転周波数に同期した1次成分の変位以外にも、
2次、あるいは3次以上といった高次の周波数の変位が
発生する。また、スピンドルの付近に設置された他の装
置、例えばポンプ等の振動も影響する場合があるので、
回転周波数及びその高調波(2次、3次〜)の周波数以
外の周波数でも変位が発生することがある。
【0005】特に、スピンドルに用いられる磁気軸受装
置では、回転体の軸端部に工具等が取り付けられるた
め、回転時の軸端部に変位が発生すると、工具等も振れ
回ってしまい、精密な加工ができない。また、回転体単
体では振動が発生しない場合でも、自動交換装置等によ
って工具が自動的に交換されるスピンドルでは、工具の
取付け位置が回転体の軸中心からずれることがある。こ
の場合も、回転時に工具が振れ回るため、同様に加工精
度を悪くしてしまう。
【0006】そこで、本発明は、回転体の回転時に発生
する振れ回りを抑制することができる磁気軸受装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、回転体を磁気浮上させる電磁石と、前記回転体の変
位を検出する変位検出手段と、前記回転体を安定に軸支
するため前記変位検出手段の信号を補償する補償回路
と、この補償回路で補償された信号に基づいて前記電磁
石の励磁電流を制御することで前記回転体の浮上位置を
制御する制御手段とを備えた磁気軸受装置に、前記回転
体の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
この回転速度検出手段の検出信号を受信すると共に前記
変位検出手段の検出信号を前記回転角度位置検出手段の
検出信号に同期して受信し周波数分析することで回転角
度位置毎の回転体の変位を回転周波数とその高調波成分
の振幅及び位相データに変換する周波数分析手段と、前
記変位検出手段の検出信号が入力される前記補償回路の
位置補正入力点から前記変位検出手段の前記検出信号が
出力される変位検出点に至るフィードバックループの閉
ループ伝達関数を測定する伝達関数測定手段と、この伝
達関数測定手段で測定された伝達関数から逆伝達関数を
演算する逆伝達関数演算手段と、前記周波数分析手段で
得られた振幅及び位相データと前記逆伝達関数演算手段
で演算された逆伝達関数より得たゲイン及び位相データ
とから前記回転体の変位を抑制するための補正信号を演
算生成する補正信号生成手段と、この補正信号生成手段
で生成された補正信号を前記回転角度位置検出手段の検
出信号に同期して前記位置補正入力点に供給する補正信
号供給手段とを具備させて前記目的を達成する。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
磁気軸受装置に、前記周波数分析手段による前記周波数
分析と前記回転速度検出手段の検出信号とから前記回転
周波数とその高調波成分以外の非同期な周波数を弁別す
る弁別手段と、この弁別手段で弁別された非同期な周波
数に同期した信号を発生する同期信号発生手段とを具備
させ、前記周波数分析手段は、前記同期信号に同期して
前記変位検出手段の検出信号を受信すると共に周波数分
析することで、前記回転体の変位を回転に非同期の周波
数とその高調波成分の振幅及び位相データに変換し、前
記補正信号生成手段は、前記非同期の周波数とその高調
波成分の振幅及び位相データと、前記逆伝達関数より得
たゲイン及び位相データとから、前記回転に非同期の回
転体の変位を抑制するための第2の補正信号を演算生成
し、前記補正信号供給手段は、前記第2の補正信号を前
記同期信号に同期して前記位置補正入力点に供給するこ
とで前記目的を達成する。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1及び2
記載の磁気軸受装置に、前記変位検出手段によって複数
回検出された変位をその検出回数に応じて平均化するこ
とで周期性を有する変位を得る平均化手段を具備させ、
前記周波数分析手段は、前記平均化手段で平均化された
変位を周波数分析することで前記目的を達成する。
【0010】請求項4記載の発明では、請求項1及び2
記載の磁気軸受装置に、前記回転体の振動を検出する振
動検出手段と、この振動検出手段と前記変位検出手段の
少なくとも一方が前記回転体の過振動や過変位を検出し
た場合に、前記回転体の異常を検出する異常検出手段と
を具備させて前記目的を達成する。
【0011】
【作用】請求項1記載の磁気軸受装置では、回転角度位
置検出手段が、回転体の回転角度位置を検出する。回転
速度検出手段は、前記回転体の回転速度を検出する。周
波数分析手段は、回転速度検出手段の検出信号を受信す
ると共に、前記変位検出手段の検出信号を前記回転角度
位置検出手段の検出信号に同期して受信し周波数分析す
ることで、回転角度位置毎の回転体の変位を回転周波数
とその高調波成分の振幅及び位相データに変換する。伝
達関数測定手段は、前記変位検出手段の検出信号が入力
される前記補償回路の位置補正入力点から前記変位検出
手段の前記検出信号が出力される変位検出点に至るフィ
ードバックループの閉ループ伝達関数を測定する。逆伝
達関数演算手段は、伝達関数測定手段で測定された伝達
関数から逆伝達関数を演算する。補正信号生成手段は、
前記周波数分析手段で得られた振幅及び位相データと、
前記逆伝達関数演算手段で演算された逆伝達関数より得
たゲイン及び位相データとから、前記回転体の変位を抑
制するための補正信号を演算生成する。そして、補正信
号供給手段が、補正信号生成手段で生成された補正信号
を前記回転角度位置検出手段の検出信号に同期して前記
位置補正入力点に供給することで、前記電磁石は、前記
回転体の変位を抑制する磁力を発生させる。
【0012】請求項2記載の磁気軸受装置では、弁別手
段が、前記周波数分析手段による前記周波数分析と前記
回転速度検出手段の検出信号とから、前記回転周波数と
その高調波成分以外の非同期な周波数を弁別する。同期
信号発生手段は、弁別手段で弁別された非同期な周波数
に同期した信号を発生する。前記周波数分析手段は、前
記同期信号に同期して前記変位検出手段の検出信号を受
信すると共に周波数分析することで、前記回転体の変位
を回転に非同期の周波数とその高調波成分の振幅及び位
相データに変換する。前記補正信号生成手段は、前記非
同期の周波数とその高調波成分の振幅及び位相データ
と、前記逆伝達関数より得たゲイン及び位相データとか
ら、前記回転に非同期の回転体の変位を抑制するための
第2の補正信号を演算生成する。そして、前記補正信号
供給手段が、前記第2の補正信号を前記同期信号に同期
して前記位置補正入力点に供給することで、前記電磁石
は、非同期の変位を抑制する磁力を発生させる。
【0013】請求項3記載の磁気軸受装置では、平均化
手段が、前記変位検出手段によって複数回検出された変
位をその検出回数に応じて平均化することで周期性を有
する変位を得る。そして、前記周波数分析手段が、前記
平均化手段で平均化された変位を周波数分析する。
【0014】請求項4記載の磁気軸受装置では、振動検
出手段が前記回転体の振動を検出すし、異常検出手段
は、振動検出手段と前記変位検出手段の少なくとも一方
が前記回転体の過振動や過変位を検出した場合に、前記
回転体の異常を検出する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の磁気軸受装置における各実施
例を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。図1
は、第1の実施例による磁気軸受装置の電磁石とロータ
との位置関係を表したものである。
【0016】ロータ1の図において上下には、ロータ1
を挟んで対向した上側電磁石3a、3b、3c、3d
と、下側電磁石4a、4b、4c、4dとがそれぞれ配
設されている。ロータ1の軸方向をZ軸とし、上側電磁
石3aと上側電磁石3bとが対向する方向をX1軸方
向、上側電磁石3cと上側電磁石3dとが対向する方向
をY1軸方向とすると、X1軸とY1軸とは互いに直交
しており、かつ、Z軸に垂直である。同様に、下側電磁
石4aと4b、及び下側電磁石4cと4dが、それぞれ
対向している方向を図1に示すようにX2軸方向、Y2
軸方向とすると、これらも互いに直交すると共に、Z軸
に垂直である。
【0017】各電磁石3a、3b、3c、3d及び4
a、4b、4c、4dには、それぞれロータ1の径方向
(X1、X2軸方向、及びY1、Y2軸方向)への変位
を検出する径方向変位センサ(図示せず)が並んで設け
られている。ロータ1は、各電磁石3a、3b、3c、
3d及び4a、4b、4c、4dの発生する磁力によっ
て、その径方向(X軸、Y軸方向)に磁気浮上され、各
電磁石3a、3b、3c、3d及び4a、4b、4c、
4dの励磁電流が図示しない各変位センサの出力を基に
フィードバック制御されることで、所定の位置に浮上保
持されるようになっている。
【0018】ロータ1の中間部分には、円盤形状のスラ
スト軸受用ロータ部1aが形成されており、図示しない
が、このスラスト軸受用ロータ部1aを上下に挟むよう
に軸方向電磁石が配設されている。また、ロータ1の、
例えば下端には、ロータ1の軸方向の変位を検出するた
めの軸方向変位センサが設けられている。この軸方向変
位センサの出力に応じて図示しない軸方向電磁石におけ
る励磁電流がフィードバック制御されることによって、
ロータ1は軸方向に浮上保持されるようになっている。
【0019】なお、ロータ1は、図示しないモータによ
って回転駆動されるようになっている。また、本実施例
では、ロータ1が1回転する度に1つのINDEXパル
ス信号と、1回転をr個に分割し1回転する度にr個の
CLOCKパルス信号とを出力するロータリーエンコー
ダ(図示せず)が、例えばロータ1の軸端部に取り付け
られている。
【0020】図2は、本実施例の磁気軸受装置における
制御系の構成の一部を表したものである。なお、この図
では、電磁石3a、3bの制御部Cのみが示されている
が、他の電磁石3cと3d、4aと4b、及び4cと4
dについても同様の制御部が設けられている。以下、こ
の制御部Cを代表して説明する。
【0021】図2に示すように、上側電磁石3a、3b
の近傍には、ロータ1の径方向(X1軸方向)への変位
を検出する径方向変位センサ5a、5bが配設されてい
る。本実施例では、径方向変位センサ5a、5bとし
て、例えば、インダクタンス型変位センサを用いるが、
静電容量型変位センサ、渦電流変位センサ等を用いても
よい。径方向変位センサ5a、5bには、その出力から
ロータ1の位置変位に対応したセンサ信号S1を得る位
置検出回路11が接続されている。
【0022】位置検出回路11は、基準信号Sからセン
サ信号S1を減算して偏差信号S3を算出する演算器1
6に接続されている。更に、演算器16は、偏差信号S
3から補正信号S2を減算する演算器12に接続されて
いる。演算器12の出力である位置指令信号S5は、入
力信号に対して比例動作、積分動作及び微分動作等の信
号処理を行うPID動作部13に供給されるようになっ
ている。また、PID動作部13には、位相反転器14
が接続されており、PID動作部13で処理された信号
は、位相反転器14で互いに位相が反転した信号とし
て、それぞれ電力増幅器15a、15bに供給されるよ
うになっている。電力増幅器15a、15bは、位相反
転器14からの信号に応じて増幅した励磁電流をそれぞ
れ電磁石3a、3bの励磁コイルに供給するようになっ
ている。
【0023】ここで、基準信号Sは、磁気軸受装置の中
心、すなわち、相対向する電磁石3aと3bの中間位置
に、ロータ1の軸中心が一致する位置を浮上位置として
指令する信号であり、その値は一定である。本実施例の
磁気軸受装置では、以上の各制御回路11、12、1
3、14、15a及び15bによって、径方向変位セン
サ5a、5bの出力を基に上側電磁石3a、3bの励磁
電流がフィードバック制御されるようになっている。
【0024】また、本実施例の磁気軸受装置では、位置
検出回路11がA/D変換器24に接続されている。A
/D変換器24には、図示しないロータリエンコーダか
ら1回転につき1回出力されるINDEXパルス信号
と、1回転をr分割することでr回出力されるCLOC
Kパルス信号とが、それぞれ供給されるようになってい
る。また、A/D変換器24は、各種インターフェイス
及びデータバス等のバスライン22を介してCPU(中
央処理装置)21に接続されている。位置検出回路11
で得られたセンサ信号S1は、INDEXパルス信号を
開始点とすると共にCLOCKパルス信号に同期して各
回転角度位置毎にA/D変換器24を介してCPU21
にも供給されるようになっている。
【0025】CPU21は、ROM(リード・オンリ・
メモリ)25に格納された各種プログラムに基づいて各
種の処理を行うものであり、処理結果としての各種デー
タを、ワーキングメモリとしてのRAM(ランダム・ア
クセス・メモリ)26に格納するようになっている。
【0026】CPU21は、図示しない回転速度検出器
から検出した回転速度データと、A/D変換器24を介
して供給される各回転角度位置毎のセンサ信号S1か
ら、回転時のロータ1の変位を周波数解析するようにな
っている。また、CPU21は、解析結果である回転周
波数及び2次、3次といった高調波成分の振幅と、IN
DEXパルス信号を基準として得られた位相差データと
を、それぞれRAM26に格納するようになっている。
但し、センサ信号S1から得られるロータ1の変位の情
報は、ロータ1の一端部分におけるX1軸方向(図1参
照)への変位成分である。また、CPU21は、位置補
償入力点である演算器12からセンサ信号S1の入力点
である演算器16に至る磁気軸受装置の閉ループ伝達関
数の逆伝達関数データであるゲイン及び位相データと、
前記変位の周波数解析結果とから、ロータ1の回転に同
期した変位、すなわち回転周波数及び、2次、3次、…
といった高調波成分の変位を抑制するための補正信号S
2を演算生成し、これをD/A変換器18を介して補償
入力点である演算器12に供給するようになっている。
【0027】これにより、演算器12では位置指令信号
S5が生成され、これがPID動作部13に供給される
ことで、上側電磁石3a、3bは、X軸方向へのロータ
1の変位成分を打ち消す磁力を発生させるようになって
いる。なお、D/A変換器18には、図示しないロータ
リーエンコーダからのINDEXパルス信号とCLOC
Kパルス信号が供給されるようになっている。CPU2
1は、このINDEXパルス信号を開始点とし、CLO
CKパルス信号に同期して補正信号S2を各回転角度位
置毎に出力するようにD/A変換器18を制御してい
る。
【0028】また、CPU21には、他の電磁石3cと
3d、4aと4b、及び4cと4dについての制御部
も、制御部C同様に、バスライン22を介してそれぞれ
接続されており、これらの各制御部に対しても、同様に
ロータ1の変位を抑制するための補正信号をそれぞれ供
給することで、ロータ1の変位を抑制するようになって
いる。
【0029】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。先ず、動作の概要と、変位抑制の原
理について説明する。本実施例では、ロータ1の回転時
に変位が生じた場合に、ロータ1の位置制御を行うサー
ボ系(制御回路11〜15a、15b等)に所定の補正
信号(補正信号S2)を供給することで、各電磁石3
a、3b、3c、3d及び4a、4b、4c、4dが変
位に対抗する強制力としての磁力を発生させる。この磁
力によって変位は打ち消され、ロータ1は振れることな
く、その幾何学的な中心軸を回転中心として回転する。
【0030】但し、実際の磁気軸受装置では、機械的な
構造等に起因して、ロータ1の変位は、回転に同期した
1次成分のみならず、その高次成分や回転に非同期の周
波数成分等も含んでいることがあるため、変位を完全に
抑制するためには、変位の各周波数成分をそれぞれ打ち
消さなければならない。
【0031】そこで、本実施例では、CPU21が各径
方向変位センサ5a、5b等の出力信号(センサ信号S
1)からロータ1の変位状態を解析し、各周波数成分毎
に変位を打ち消すための補正信号を得るようにしてい
る。なお、CPU21によるロータ1の周波数解析は、
各軸毎、すなわち、X1軸、Y1軸、及びX2軸、Y2
軸毎に独立して行われるが、各軸共、同様に処理が進め
られるので、以下、X1軸方向の周波数解析を代表して
説明する。
【0032】回転中のロータ1の変位(X1軸方向)は
径方向変位センサ5a、5bで検出され、センサ信号S
1となる。CPU21はこのセンサ信号S1をA/D変
換器24を介し、INDEXパルス信号を開始点とする
各回転角度位置毎の変位データとして取り込む。従っ
て、CPU21は、この各回転角度位置毎の変位データ
を周波数解析することで、回転中のロータ1の変位波形
を構成する周波数分布を知ることができる。
【0033】変位の周波数解析は、調和解析法や、離散
フーリエ級数展開、あるいは、高速フーリエ展開法等を
用いて行うが、ここでは、調和解析法を例として説明す
る。すなわち、2πを周期とする普通の曲線R(θ)
は、次式で表すことができる。
【0034】 R(θ)=a0 +a1 cos θ+a2 cos 2θ+…+an cos nθ+… +b1 sin θ+b2 sin 2θ+…+bn sin nθ+… (1) (1)式は、(2)式に変形できる。 R(θ)=a0 +C1 cos (θ+φ1 )+C2 cos (2θ+φ2 )+… +Cn cos (nθ+φn )+… (2) Cn =√(an 2 +bn 2 ),tan φn =−(bn /a
n ),n=1,2… 上記の計算結果として、Cn 、φn が得られる。
【0035】なお、a0 =(1/r)Σyk ,an
(2/r)Σyk cos nθk ,bn =(2/r)Σyk
sin nθk である。ここで、rは、ロータ1の1回転当
たりの分割データ数、θk は各回転角度位置、yk は各
回転角度位置の変位、nは周波数の次数、Cn はn次周
波数の振幅、φn はn次周波数の、INDEXパルス信
号からの位相差である。また、Σの加算範囲はK=1か
らK=rまでである。
【0036】以上の式からロータ1の変位がn次周波数
成分までの振幅と位相差の波形情報として得られる。次
に、CPU21は、制御回路11〜15a、15b等の
サーボ系の補償入力点である演算器12からセンサ信号
S1の入力点である演算器16に至る閉ループ伝達関数
の逆伝達関数を求める。そして、この求めた逆伝達関数
より得たn次周波数までのゲイン及び位相データと、前
記変位の波形情報であるn次周波数までの振幅及び位相
差データとを各々周波数毎に乗算、加算することによ
り、n次周波数までの補正用振幅、位相差データを算出
する。また、CPU21はこの補正用振幅、位相差デー
タから(2)式に基づいて補正用信号S2(Rc
(θ))を演算生成し、これをINDEXパルス信号を
開始点とすると共にCLOCKパルス信号に同期して、
D/A変換器18を介して補償入力点である演算器12
に供給することで、ロータ1の回転周波数及び高調波成
分の変位を抑制する。
【0037】ここで、サーボ系の逆伝達関数は、以下の
ようにして求める。本実施例では、逆伝達関数を求める
前に、まず制御回路11、12、13、14、15a及
び15b、センサ5a、5b、電磁石3a、3b、ロー
タ1を含めたサーボ系の補償入力点である演算器12か
らセンサ信号S1の入力点である演算器16に至る閉ル
ープ伝達関数を求める。伝達関数は、CPU21が所定
の振幅、周波数の加振信号をD/A変換器18を介して
補償入力点である演算器12に供給し、この加振信号を
加えて得られるセンサ信号S1をA/D変換器24を介
して受信することで求める。すなわち、予め値(振幅、
周波数)の分かった加振信号をサーボ系に入力し、それ
に対応する出力であるセンサ信号S1を受信する。そし
て、入力に対する出力の振幅比からゲインを、入力に対
する出力の位相差から位相をそれぞれ取り、順次周波数
を掃引することで必要とする周波数範囲の伝達関数を算
出する。
【0038】伝達関数が求まったら、その逆伝達関数を
求める。すなわち、求めた伝達関数をG(s)とする
と、その逆伝達関数は、1/G(s)と定義されるの
で、CPU21は、この関係から逆伝達関数を求める。
次に、磁気軸受装置が行う全体の動作について説明す
る。
【0039】図3は、第1の実施例による磁気軸受装置
の動作の流れを表したものである。なお、X1軸の変位
を抑制するための処理を中心に以下説明するが、他のY
1軸、X2軸、Y2軸に関する処理も同様に行われるも
のとする。先ず、各電磁石3a、3b、3c、3d及び
4a、4b、4c、4d等の磁力によってロータ1を磁
気浮上させて、非接触状態にする。この時、CPU21
は、補正信号を出力していないので、ロータ1の位置制
御は、基準信号Sの指令値に従って行われ、ロータ1
は、磁気軸受装置の中心位置に浮上保持される。
【0040】そして、操作者により、変位抑制のための
処理を開始させる指示がなされることで(ステップ1;
Y)、CPU21は、所定の振幅、周波数の加振信号を
D/A変換器18を介して演算器12に加える(ステッ
プ2)。そして、その加振信号を含むセンサ信号S1を
A/D変換器24を介して受信し(ステップ3)、その
データをRAM26の所定の格納エリアに格納する。
【0041】続いて、CPU21は、出力した加振信号
と受信したセンサ信号S1のデータとから、ROM25
に格納された所定の計算プログラムに従って、制御回路
11〜15a、15b、センサ5a、5b、電磁石3
a、3b、ロータ1を含めたサーボ系における補償入力
点である演算器12からセンサ信号S1の入力点である
演算器16に至る閉ループ伝達関数を算出する(ステッ
プ4)。伝達関数が求まったら、CPU21は、その逆
伝達関数を算出して(ステップ5)、その関数データを
RAM26に格納する。
【0042】次に、図示しないモータよってロータ1が
回転されると、その回転に同期したINDEXパルス信
号とCLOCKパルス信号とが、それぞれD/A変換器
18等に供給される。そして、ロータ1の回転が所定の
回転数になった後、CPU21は、センサ信号S1を、
INDEXパルス信号を開始点とし、CLOCKパルス
信号に同期させてロータ1が1回転する間、各回転角度
位置毎に受信する(ステップ6)。このとき、ロータ1
が変位している場合には、ロータ1の1回転分の変位の
波形データがCPU21でサンプリングされ、そのデー
タはRAM26の所定の格納エリアに格納される。
【0043】CPU21は、センサ信号S1の受信回数
が、所定回(例えば、5回)か否かを判断する(ステッ
プ7)。所定回でなければ(ステップ7;N)、ステッ
プ6に移行し、所定回になるまでセンサ信号S1のサン
プリングを繰り返す。センサ信号S1の受信回数が所定
回であった場合(ステップ7;Y)、CPU21は、各
サンプリング毎に格納された波形データを各々加算し、
所定回数で除算して平均化し、1回分の波形データに整
理してRAM26に格納する(ステップ8)。この波形
データの平均化により、繰り返し性のない外乱要素が、
受信した波形データから削除され、安定した制振制御を
可能とする。
【0044】次に、CPU21は、ステップ8で得られ
た波形データ(センサ信号S1の平均値)を、例えば調
和解析法により、各周波数成分毎に分解し(ステップ
9)、この分解によって得られた各周波数成分毎の振幅
とINDEXパルス信号からの位相差とをそれぞれRA
M26に格納する(ステップ10)。
【0045】CPU21は、ステップ10で得られた各
周波数毎の振幅と位相差データと、ステップ5において
逆伝達関数により得た各周波数に対応するゲイン及び位
相データとを各々乗算、加算することで、各周波数成分
毎の補正データを算出し、(2)式によって補正信号S
2を演算生成する(ステップ11)。そして、生成した
補正信号S2をRAM26に格納し、D/A変換器18
を介して、INDEXパルス信号を開始点としCLOC
Kパルス信号に同期させて補償入力点である演算器12
に供給する(ステップ12)。これにより、基準信号S
とセンサ信号S1の偏差である偏差信号S3に補正信号
S2が減算入力され、位置指令信号S5となる。そし
て、位置指令信号S5を基にロータ1の位置制御が行わ
れる。
【0046】次に、CPU21は、補正信号S2の出力
と共に、INDEXパルス信号を開始点としCLOCK
パルス信号に同期してセンサ信号S1を受信する(ステ
ップ13)。そして、受信したセンサ信号S1の値、す
なわち、ロータ1の変位が所定の許容できる振幅値以下
であるか否かを判断する(ステップ14)。
【0047】振幅が所定の許容値以下であった場合、す
なわち、補正信号S2の値がロータ1の変位を十分抑制
することができる適切な値であった場合には(ステップ
14;Y)、操作者によって処理の終了が指示されるま
で(ステップ15;Y)、ステップ12から15の処理
を繰り返す。すなわち、ステップ11で生成した補正信
号S2を順次INDEXパルス信号を開始点とし、CL
OCKパルス信号に同期させて各回転角度位置毎に出力
することで、ロータ1の変位を抑制する処理を継続す
る。
【0048】ステップ14で、変位量が所定許容値より
大きかった場合(N)、その変位量が制御可能な所定の
限界値以上であるか否かを判断する(ステップ16)。
例えば、スピンドル等では、ロータ1に取付けられる工
具の磨耗、破損等によって、工具を含めた回転体全体の
重量バランスに著しい不釣り合いが生じ、補正信号S2
では、その変位を抑制することができないことがある。
このような制御困難な過変位を検出した場合(ステップ
16;Y)、CPU21は、操作者に異常を知らせるた
め、例えば、警告灯を点灯させるための異常信号を出力
したり、ロータ1の回転の停止を指令する信号を図示し
ないモータの駆動制御部等に出力して(ステップ1
7)、処理を終了させる。このCPU21による異常出
力で、操作者は、工具の交換時期を知ることができる。
【0049】なお、変位センサ5a、5bとは別に図示
しない振動検出センサをスピンドル部に配設し、ロータ
1の振動をこの振動センサ信号でCPU21に取り込
み、過振動を検出した場合、前記と同様に異常信号を出
力し、ロータ1の回転停止を指令し、処理を終了させて
もよい。
【0050】一方、ステップ16においてセンサ信号S
1から得たロータ1の変位量が所定限界値未満であった
場合には(ステップ16;N)、サーボ系の閉ループ伝
達関数を測定する上での誤差、すなわち遅れや進み、あ
るいはゲインの増減等により、補正信号S2の値が適切
でなかったこととなるのでステップ6に移行して補正信
号S2の値が適切な値になるまで、すなわち変位量が所
定許容値以下になるまで(ステップ14;Y)、ステッ
プ6〜14のシーケンスを繰り返し、補正信号S2を更
新することにより、補正信号S2がより適正な値に補正
される。
【0051】本実施例の磁気軸受装置では、以上の処理
が、各軸(X1軸、Y1軸、及びX2軸、Y2軸)毎に
行われる。以上説明したように、第1の実施例では、ロ
ータ1の回転に同期した1次の変位のみならず、その高
調波成分の変位も抑制することができる。
【0052】次に、第2の実施例について説明する。な
お、第1の実施例と同様の構成については同一の符号を
付し、その詳細な説明は適宜省略することとする。図4
は、第2の実施例による磁気軸受装置における制御系D
の構成の一部を表したものである。
【0053】本実施例では、ロータ1の回転に非同期な
2つのパルス信号、すなわち第2のINDEXパルス信
号と第2のCLOCKパルス信号とを発振する発振器2
3がバスライン22に接続されている。また、バスライ
ン22には、D/A変換器17が接続されており、発振
器23の第2のINDEXパルス信号と第2のCLOC
Kパルス信号は、このD/A変換器17とA/D変換器
24とに供給されるようになっている。
【0054】補償入力点である演算器12には、第2の
補償入力点である演算器16が接続されており、この演
算器16には、基準信号Sとセンサ信号S1の偏差を演
算する演算器19が接続されている。本実施例では、C
PU27がロータ1の回転に同期した変位成分を抑制す
るための補正信号S2のみならず、回転に非同期の変位
成分を抑制する補正信号S4も生成するようになってい
る。補正信号S4は、CPU27からD/A変換器17
を介して第2の補償入力点である演算器16に供給され
るようになっている。
【0055】他の構成は、第1の実施例と同様である。
次に、このように構成された実施例の動作について説明
する。例えば、工作機械等において2つのスピンドルを
非同期運転すると、両者の発生する振動が互いに干渉し
て、それぞれのスピンドルのロータが、その回転に非同
期の変位成分を含んだ変位を起こすことがある。
【0056】本実施例の磁気軸受装置は、このような場
合において、ロータ1の回転に非同期の変位成分を抑制
するための補正信号S4を生成し、これを所定のサーボ
系に加えることで、非同期の変位成分も抑制する。以
下、この非同期の変位を抑制するための具体的な処理に
ついて説明する。
【0057】まず、ロータ1を磁気浮上させると共に所
定回転数で回転させた状態において、第1の実施例と同
様にセンサ信号S1からロータ1の変位を解析する。す
なわち、センサ信号S1を各周波数成分に分解する。そ
して、各周波数成分を、ロータ1の回転に同期した周波
数成分と非同期の周波数成分とに弁別する。
【0058】弁別した非同期の周波数成分について、C
PU27は、まず、その周期を求める。そして、求めた
周期毎に1パルス発生する第2のINDEXパルス信号
と、その周期をエンコーダと同じ分割数にした第2のC
LOCKパルス信号とを、発振器23から出力させると
共に、その第2のINDEXパルス信号を開始点とし、
第2のCLOCKパルス信号に同期して再びセンサ信号
S1をA/D変換器24を介して受信する。
【0059】次に、CPU27は、受信したセンサ信号
S1を周波数分解して、回転に非同期の波形データを得
る。このとき、センサ信号S1を複数回サンプリングし
て、第1の実施例におけるステップ8での処理と同様に
波形データを平均化してもよい。波形データが得られた
ら、CPU27は、第1の実施例と同様に、制御回路1
1〜15a、15b、センサ5a、5b、電磁石3a、
3b、ロータ1を含めたサーボ系における逆伝達関数を
用いて、この非同期の波形データから、非同期の振動成
分を打ち消すための補正信号S4を生成する。
【0060】これと平行してCPU27は、第1の実施
例と同様の処理(図3のステップ6〜11)を行うこと
で、補正信号S2を生成する。そして、補正信号S2を
INDEXパルス信号を開始点としCLOCKパルス信
号に同期させて、補正信号S4を発振器23の第2のI
NDEXパルス信号を開始点とし、第2のCLOCKパ
ルス信号に同期させてそれぞれD/A変換器18とD/
A変換器17とから出力する。
【0061】これにより、第2の補償入力点である演算
器16においては、基準信号Sとセンサ信号S1の偏差
である偏差信号S3に補正信号S4が重畳され、これが
位置指令信号S6として補償入力点である演算器12に
供給される。一方、補償入力点である演算器12におい
ては、位置指令信号S6に補正信号S2が重畳されて、
位置指令信号S5が生成される。そして、ロータ1の位
置制御は、この補正信号S2、S4を含んだ位置指令信
号S5に基づいて行われる。これにより、ロータ1の回
転に同期した変位成分と非同期の変位成分とを、打ち消
す磁力が電磁石3a、3b、3c、3d及び4a、4
b、4c、4d等で発生し、ロータ1の変位が抑制され
る。
【0062】なお、第2の実施例では、ロータ1の回転
に非同期のパルス信号を発振器23から得るようにして
いたが、その非同期の振動の振動源である他のスピンド
ルにおけるロータに対してロータリーエンコーダを取付
け、そのロータリーエンコーダから、非同期のINDE
Xパルス信号とCLOCKパルス信号とをそれぞれCP
U27で受信してもよい。この場合、CPU27は、他
のスピンドルのロータリーエンコーダ等から受信したこ
れら非同期のパルス信号に同期してセンサ信号S1をサ
ンプリングすることで、補正信号S4を生成する。ま
た、生成した補正信号S4をこれら非同期のパルス信号
に同期して出力する。
【0063】また、非同期変位の原因となっている他の
装置(スピンドル)とロータ1の回転とを同期させるこ
とで、それぞれの回転系における非同期の変位成分を除
去してもよい。例えば、ロータ1の回転数を検出するセ
ンサを設け、このセンサで検出された回転数に応じて他
のスピンドルのモータの駆動を調整することで、他のス
ピンドルの回転数をロータ1の回転数に一致させる、あ
るいはその整数倍にする。この同期運転により、それぞ
れの回転系における補償すべき周波数成分を減少させる
ことができる。また、磁気軸受装置においては第2の補
償入力点である演算器16や発振器23等が不要とな
り、第1の実施例における構成と同じになるので、制御
系の回路構成を簡略化することができる。
【0064】なお、以上の各実施例では、CPU21、
27が計算により各サーボ系の伝達関数を求めていた
が、例えば、サーボアナライザ(FFTアナライザ)を
用いて予め伝達関数を測定して、そのデータをROM2
5に格納しておいてもよい。また、伝達関数が理論的に
求まる場合には、理論的に求めた伝達関数から逆伝達関
数を求めてそのデータを予めROM25等に格納してお
き、この格納したおいたデータを用いて補正信号S2、
S4等を生成するようにしてもよい。
【0065】また、以上の各実施例では、各回転角度位
置をロータリエンコーダのCLOCKパルス信号にて検
出しているが、CPU27のタイマ処理(時間分割)で
INDEXパルス信号を開始点とし、ある時間間隔でセ
ンサ信号S1をサンプリングしたり、補正信号S2、S
4を出力してもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の磁気軸受装置によれば、回転体
の回転周波数の1次成分以外の変位も抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における磁気軸受装置の
機械的構成の一部を概略的に示した斜視図である。
【図2】同磁気軸受装置の制御系における構成の一部を
示した説明図である。
【図3】同磁気軸受装置の動作の流れを示したフローチ
ャートである。
【図4】本発明の第2の実施例による磁気軸受装置の制
御系における構成の一部を示した説明図である。
【符号の説明】
1 ロータ 3a、3b、3c、3d 上側電磁石 4a、4b、4c、4d 下側電磁石 5a、5b 径方向変位センサ 11 位置検出回路 12、16、19 演算器 13 PID動作部 14 位相反転器 15a、15b 電力増幅器 17、18 D/A変換器 21、27 CPU 22 バスライン 23 発振器 24 A/D変換器 25 ROM 26 RAM C、D 制御部 S 基準信号 S1 センサ信号 S2、S4 補正信号 S3 偏差信号 S5、S6 位置指令信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を磁気浮上させる電磁石と、 前記回転体の変位を検出する変位検出手段と、 前記回転体を安定に軸支するため、前記変位検出手段の
    信号を補償する補償回路と、 この補償回路で補償された信号に基づいて前記電磁石の
    励磁電流を制御することで、前記回転体の浮上位置を制
    御する制御手段とを備えた磁気軸受装置において、 前記回転体の回転角度位置を検出する回転角度位置検出
    手段と、 前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 この回転速度検出手段の検出信号を受信すると共に、前
    記変位検出手段の検出信号を前記回転角度位置検出手段
    の検出信号に同期して受信し周波数分析することで、回
    転角度位置毎の回転体の変位を回転周波数とその高調波
    成分の振幅及び位相データに変換する周波数分析手段
    と、 前記変位検出手段の検出信号が入力される前記補償回路
    の位置補正入力点から前記変位検出手段の前記検出信号
    が出力される変位検出点に至るフィードバックループの
    閉ループ伝達関数を測定する伝達関数測定手段と、 この伝達関数測定手段で測定された伝達関数から逆伝達
    関数を演算する逆伝達関数演算手段と、 前記周波数分析手段で得られた振幅及び位相データと、
    前記逆伝達関数演算手段で演算された逆伝達関数より得
    たゲイン及び位相データとから、前記回転体の変位を抑
    制するための補正信号を演算生成する補正信号生成手段
    と、 この補正信号生成手段で生成された補正信号を前記回転
    角度位置検出手段の検出信号に同期して前記位置補正入
    力点に供給する補正信号供給手段とを具備することを特
    徴とする磁気軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数分析手段による前記周波数分
    析と前記回転速度検出手段の検出信号とから、前記回転
    周波数とその高調波成分以外の非同期な周波数を弁別す
    る弁別手段と、 この弁別手段で弁別された非同期な周波数に同期した信
    号を発生する同期信号発生手段とを備え、 前記周波数分析手段は、前記同期信号に同期して前記変
    位検出手段の検出信号を受信すると共に周波数分析する
    ことで、前記回転体の変位を回転に非同期の周波数とそ
    の高調波成分の振幅及び位相データに変換し、 前記補正信号生成手段は、前記非同期の周波数とその高
    調波成分の振幅及び位相データと、前記逆伝達関数より
    得たゲイン及び位相データとから、前記回転に非同期の
    回転体の変位を抑制するための第2の補正信号を演算生
    成し、 前記補正信号供給手段は、前記第2の補正信号を前記同
    期信号に同期して前記位置補正入力点に供給することを
    特徴とする請求項1記載の磁気軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記変位検出手段によって複数回検出さ
    れた変位をその検出回数に応じて平均化することで周期
    性を有する変位を得る平均化手段を備え、 前記周波数分析手段は、前記平均化手段で平均化された
    変位を周波数分析することを特徴とする請求項1及び2
    記載の磁気軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記回転体の振動を検出する振動検出手
    段と、 この振動検出手段と前記変位検出手段の少なくとも一方
    が前記回転体の過振動や過変位を検出した場合に、前記
    回転体の異常を検出する異常検出手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1及び2記載の磁気軸受装置。
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