JPH08283927A - 溶融錫メッキ軟銅線の製造方法 - Google Patents
溶融錫メッキ軟銅線の製造方法Info
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- JPH08283927A JPH08283927A JP8921195A JP8921195A JPH08283927A JP H08283927 A JPH08283927 A JP H08283927A JP 8921195 A JP8921195 A JP 8921195A JP 8921195 A JP8921195 A JP 8921195A JP H08283927 A JPH08283927 A JP H08283927A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶融メッキ浴前の軟化工程とフラックス処理
工程を必要とせずに、溶融錫メッキ軟銅線を製造する。 【構成】 硬銅線2を、溶融した錫銅合金メッキ浴4に
浸漬する。その後に溶融した錫メッキ浴に浸漬する。
工程を必要とせずに、溶融錫メッキ軟銅線を製造する。 【構成】 硬銅線2を、溶融した錫銅合金メッキ浴4に
浸漬する。その後に溶融した錫メッキ浴に浸漬する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融錫メッキ軟銅線の製
造方法に関する。
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、錫メッキ軟銅線を溶融メッキ法で
製造する方法として、硬銅線を軟銅線に変化させる軟化
工程と、この工程を経た後にその軟銅線を錫メッキ浴に
浸漬する工程との2工程により製造していた。また、そ
の軟化工程(方式)としては、光輝焼鈍式(真空ポット
焼鈍)、通電式,還元式などが一般的な方式として採用
されている。
製造する方法として、硬銅線を軟銅線に変化させる軟化
工程と、この工程を経た後にその軟銅線を錫メッキ浴に
浸漬する工程との2工程により製造していた。また、そ
の軟化工程(方式)としては、光輝焼鈍式(真空ポット
焼鈍)、通電式,還元式などが一般的な方式として採用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、錫メッ
キ浴工程とは別に軟化工程を経る方式においては、その
軟化工程に費やされる時間及び経費は無視できず、作業
能率の向上や製造コストの低減を図る上に問題があっ
た。
キ浴工程とは別に軟化工程を経る方式においては、その
軟化工程に費やされる時間及び経費は無視できず、作業
能率の向上や製造コストの低減を図る上に問題があっ
た。
【0004】更に、軟銅線化した後、錫メッキ浴に浸漬
するまでの間の銅線の取扱い等において、その銅線が軟
銅線で、引張荷重が低減しているが故に、断線しやすい
問題もある。
するまでの間の銅線の取扱い等において、その銅線が軟
銅線で、引張荷重が低減しているが故に、断線しやすい
問題もある。
【0005】更に、上記従来の溶融錫メッキ法において
は、軟銅線を直接純錫メッキ浴に浸漬することから、そ
の浸漬工程前に、軟銅線に付着した伸線機用潤滑液や酸
化被膜などを除去して被メッキ材表面を活性化するフラ
ックス処理工程も必要となり、そのフラックス残さによ
る経時変化は、その銅線の信頼性に問題を招き、電子・
電気機器用の配電線を製造する上で解決すべき最重要課
題である。
は、軟銅線を直接純錫メッキ浴に浸漬することから、そ
の浸漬工程前に、軟銅線に付着した伸線機用潤滑液や酸
化被膜などを除去して被メッキ材表面を活性化するフラ
ックス処理工程も必要となり、そのフラックス残さによ
る経時変化は、その銅線の信頼性に問題を招き、電子・
電気機器用の配電線を製造する上で解決すべき最重要課
題である。
【0006】そこで本発明は、上記の各問題を解決でき
る溶融錫メッキ軟銅線の製造方法を提供することを目的
とするものである。
る溶融錫メッキ軟銅線の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段とその作用】請求項1記載
の発明は、硬銅線(2)を、溶融した錫銅合金メッキ浴
(4)に浸漬して軟化することを特徴とするものであ
る。
の発明は、硬銅線(2)を、溶融した錫銅合金メッキ浴
(4)に浸漬して軟化することを特徴とするものであ
る。
【0008】この発明においては、錫銅合金の溶融温度
が、錫の溶融温度に比べて高温であるため、溶融錫銅合
金を、硬銅線が軟化する高温に加熱するとができる。そ
のため、この高温の溶融錫銅合金メッキ浴に硬銅線を浸
漬することにより、その硬銅線に錫銅合金が溶融メッキ
されると同時にその硬銅線が高温に加熱されて軟化す
る。また、錫銅合金メッキ浴内が高温でかつ無酸状態で
あることから潤滑液や酸化被膜に影響されずに錫銅合金
層が形成されると考えられ、溶融メッキ浴以前のフラッ
クス処理は不要になる。
が、錫の溶融温度に比べて高温であるため、溶融錫銅合
金を、硬銅線が軟化する高温に加熱するとができる。そ
のため、この高温の溶融錫銅合金メッキ浴に硬銅線を浸
漬することにより、その硬銅線に錫銅合金が溶融メッキ
されると同時にその硬銅線が高温に加熱されて軟化す
る。また、錫銅合金メッキ浴内が高温でかつ無酸状態で
あることから潤滑液や酸化被膜に影響されずに錫銅合金
層が形成されると考えられ、溶融メッキ浴以前のフラッ
クス処理は不要になる。
【0009】請求項2記載の発明は、硬銅線(2)を、
溶融した錫銅合金メッキ浴(4)に浸漬して軟化し、そ
の後に溶融した錫メッキ浴(8)に浸漬することを特徴
とするものである。
溶融した錫銅合金メッキ浴(4)に浸漬して軟化し、そ
の後に溶融した錫メッキ浴(8)に浸漬することを特徴
とするものである。
【0010】この発明においては、錫銅合金メッキが施
された表面に錫層がメッキが施されることにより、軟銅
線に直接溶融錫メッキするものに比べて純錫層が厚く形
成される。
された表面に錫層がメッキが施されることにより、軟銅
線に直接溶融錫メッキするものに比べて純錫層が厚く形
成される。
【0011】請求項3記載の発明は、上記溶融した錫銅
合金メッキ浴(4)の温度を、硬銅線を軟化でき、か
つ、使用する錫銅合金の溶融点又はそれより若干高い温
度に設定したことを特徴とするものである。
合金メッキ浴(4)の温度を、硬銅線を軟化でき、か
つ、使用する錫銅合金の溶融点又はそれより若干高い温
度に設定したことを特徴とするものである。
【0012】本発明のような温度に設定することによ
り、溶融錫銅合金メッキ浴での銅拡散が飽和状態にな
り、そのメッキ浴への銅線の拡散は生じないか又は極め
て少なくなり、そのメッキ浴の劣化が抑制される。ま
た、設備の大型化、無用な電力消費等を招くことなく、
上記の作用を発揮させることができる。
り、溶融錫銅合金メッキ浴での銅拡散が飽和状態にな
り、そのメッキ浴への銅線の拡散は生じないか又は極め
て少なくなり、そのメッキ浴の劣化が抑制される。ま
た、設備の大型化、無用な電力消費等を招くことなく、
上記の作用を発揮させることができる。
【0013】
【実施例】次に本発明を図1に示す実施例に基づいて説
明する。1は被メッキ線である裸硬銅線2を巻き備えた
ドラムである。3は溶融錫銅合金を入れた第1槽で、そ
の溶融錫銅合金メッキ浴4を所定温度に加熱して溶融状
態に保持するヒータ5を備えている。
明する。1は被メッキ線である裸硬銅線2を巻き備えた
ドラムである。3は溶融錫銅合金を入れた第1槽で、そ
の溶融錫銅合金メッキ浴4を所定温度に加熱して溶融状
態に保持するヒータ5を備えている。
【0014】実施に際し、使用した裸銅線2の線径が
0.180mmで、メッキ浴4での銅線の浸漬長が300
mm、線速が350m/min の条件のもとで溶融錫銅合
金メッキ浴4を、銅が約6重量%溶解した錫銅合金で約
450℃に加熱溶融したものを使用した。
0.180mmで、メッキ浴4での銅線の浸漬長が300
mm、線速が350m/min の条件のもとで溶融錫銅合
金メッキ浴4を、銅が約6重量%溶解した錫銅合金で約
450℃に加熱溶融したものを使用した。
【0015】上記の条件のもとで上記の温度に設定した
のは次のような理由からである。錫の溶融温度は231
℃であるが、この温度の溶融錫中に上記線径の銅線を浸
漬してもその銅線の伸び回復(軟化)は全く生じない。
また、300℃を越えると、錫メッキ浴への銅線の溶解
(拡散)は急速に高まり、溶融錫の劣化に拍車をかける
ことになり決して良い方法ではない。
のは次のような理由からである。錫の溶融温度は231
℃であるが、この温度の溶融錫中に上記線径の銅線を浸
漬してもその銅線の伸び回復(軟化)は全く生じない。
また、300℃を越えると、錫メッキ浴への銅線の溶解
(拡散)は急速に高まり、溶融錫の劣化に拍車をかける
ことになり決して良い方法ではない。
【0016】また、錫銅合金の溶融温度は錫と銅との構
成比により変化するもので、銅含有量が増加すると溶融
温度も高くなる。例えば、銅が約5重量%溶解した錫銅
合金の場合には、その溶融温度は約380℃程度とな
り、銅が6重量%溶解した場合には、その溶融温度は約
420℃程度になり、銅が約15重量%溶解した錫銅合
金の場合には、その溶融温度は約500℃になる。
成比により変化するもので、銅含有量が増加すると溶融
温度も高くなる。例えば、銅が約5重量%溶解した錫銅
合金の場合には、その溶融温度は約380℃程度とな
り、銅が6重量%溶解した場合には、その溶融温度は約
420℃程度になり、銅が約15重量%溶解した錫銅合
金の場合には、その溶融温度は約500℃になる。
【0017】上記の各合金において、夫々の合金の温度
を夫々の上記溶融点よりも著しく高温にすると、銅線の
伸び回復(軟化)については良い状態となるが、銅線の
錫銅合金メッキ浴への溶解は抑えられない状況になる。
すなわち、合金の温度とその銅の拡散量は相関にあり、
溶融点より著しく高温にすると銅拡散が飽和状態になら
ず銅線の錫銅合金メッキ浴への溶解(拡散)は抑えられ
ない。そのため、溶融錫銅合金の劣化が起こる。
を夫々の上記溶融点よりも著しく高温にすると、銅線の
伸び回復(軟化)については良い状態となるが、銅線の
錫銅合金メッキ浴への溶解は抑えられない状況になる。
すなわち、合金の温度とその銅の拡散量は相関にあり、
溶融点より著しく高温にすると銅拡散が飽和状態になら
ず銅線の錫銅合金メッキ浴への溶解(拡散)は抑えられ
ない。そのため、溶融錫銅合金の劣化が起こる。
【0018】また、銅線の線径を0.180mmとし、か
つ、浸漬長及び線速が上記の条件のものでは溶融温度を
600℃以上にした場合には、銅線の伸びの回復は可能
であるが、このような高温にすることは設備の大型化、
無用な電力の消費、作業の困難化を招き、現実的ではな
い。
つ、浸漬長及び線速が上記の条件のものでは溶融温度を
600℃以上にした場合には、銅線の伸びの回復は可能
であるが、このような高温にすることは設備の大型化、
無用な電力の消費、作業の困難化を招き、現実的ではな
い。
【0019】更に、約300℃〜600℃の溶融錫銅合
金メッキ浴に浸漬することにより、この浸漬工程前のフ
ラックス処理工程は不要であった。これは約300℃以
上の溶融錫銅合金メッキ浴内では、その温度が高温であ
ることと無酸状態であることにより、酸化還元反応が瞬
間的に起こり(反応速度は速いものと考えられる)、銅
線表面に付着する潤滑液や酸化被膜の影響を受けずに銅
線が溶融(拡散)し合金層を形成すると推察される。
金メッキ浴に浸漬することにより、この浸漬工程前のフ
ラックス処理工程は不要であった。これは約300℃以
上の溶融錫銅合金メッキ浴内では、その温度が高温であ
ることと無酸状態であることにより、酸化還元反応が瞬
間的に起こり(反応速度は速いものと考えられる)、銅
線表面に付着する潤滑液や酸化被膜の影響を受けずに銅
線が溶融(拡散)し合金層を形成すると推察される。
【0020】以上のことから、裸銅線の線径が0.18
0mmを使用した上記の条件において、目的とする銅線の
伸びの回復及び引張荷重等からすると、溶融温度は約3
00℃〜600℃が適温と考えられ、好ましくは約45
0℃と考えられる。
0mmを使用した上記の条件において、目的とする銅線の
伸びの回復及び引張荷重等からすると、溶融温度は約3
00℃〜600℃が適温と考えられ、好ましくは約45
0℃と考えられる。
【0021】尚、銅線の伸び回復(軟化)に必要なメッ
キ浴4の温度は、使用する銅線の線径、メッキ浴の浸漬
長、銅線の走行速度等の諸条件により異なるものである
から、これらの諸条件のもとで硬銅線を軟化できるよう
にメッキ浴4における銅の混合比率と加熱温度を選定す
るもので、使用する合金の銅の比率と加熱温度は上記実
施例のものに限定されるものではない。
キ浴4の温度は、使用する銅線の線径、メッキ浴の浸漬
長、銅線の走行速度等の諸条件により異なるものである
から、これらの諸条件のもとで硬銅線を軟化できるよう
にメッキ浴4における銅の混合比率と加熱温度を選定す
るもので、使用する合金の銅の比率と加熱温度は上記実
施例のものに限定されるものではない。
【0022】また、使用する溶融錫銅合金の溶融点又は
それより若干高い温度に設定して銅拡散が飽和状態にな
るようにすることにより、銅線の溶融錫銅合金メッキ浴
4への拡散が生じないか又は極めて少なくなり、該メッ
キ浴4の劣化を防止又は抑制できる上に、無用な電力の
消費、設備の大型化、作業の困難化を招かずに所期の目
的を達成できる。
それより若干高い温度に設定して銅拡散が飽和状態にな
るようにすることにより、銅線の溶融錫銅合金メッキ浴
4への拡散が生じないか又は極めて少なくなり、該メッ
キ浴4の劣化を防止又は抑制できる上に、無用な電力の
消費、設備の大型化、作業の困難化を招かずに所期の目
的を達成できる。
【0023】6は上記第1槽3における銅線の導出部に
備えた第1のダイスで、そのダイス穴径は、第1槽3内
で錫銅合金メッキ浴をした銅線を通過させて、その余剰
合金を絞り取り、錫銅合金層を所定厚にするように設定
されている。
備えた第1のダイスで、そのダイス穴径は、第1槽3内
で錫銅合金メッキ浴をした銅線を通過させて、その余剰
合金を絞り取り、錫銅合金層を所定厚にするように設定
されている。
【0024】7は溶融錫を入れた第2槽で、その溶融錫
メッキ浴8を所定温度に加熱して溶融状態に保持するヒ
ータ9を備えている。この錫8は純度が極めて高いもの
を使用し、また、その温度は約250〜260℃に加熱
されている。
メッキ浴8を所定温度に加熱して溶融状態に保持するヒ
ータ9を備えている。この錫8は純度が極めて高いもの
を使用し、また、その温度は約250〜260℃に加熱
されている。
【0025】10は上記第2槽7における銅線の導出部
に備えた第2のダイスで、そのダイス穴径は、第2槽7
内で錫メッキ浴した銅線を通過させて、その余剰錫を絞
り取り、錫層を所定厚にするように設定されている。
に備えた第2のダイスで、そのダイス穴径は、第2槽7
内で錫メッキ浴した銅線を通過させて、その余剰錫を絞
り取り、錫層を所定厚にするように設定されている。
【0026】11は上記第2のダイス10を通過した後
の錫メッキ軟銅線を巻き取るドラムである。尚、銅線は
ドラム1からドラム11へ走行させるもので、その走行
手段は図示されていないが、公知の駆動ローラ等を用い
て、所定の走行速度で走行させる。
の錫メッキ軟銅線を巻き取るドラムである。尚、銅線は
ドラム1からドラム11へ走行させるもので、その走行
手段は図示されていないが、公知の駆動ローラ等を用い
て、所定の走行速度で走行させる。
【0027】次に製造工程について説明する。ドラム1
に巻かれた裸硬銅線2を、第1槽3の溶融錫銅合金メッ
キ浴4に浸漬状態で通過させるとともに第1のダイス6
を通過させ、更に第2槽7の溶融錫メッキ浴8に浸漬状
態で通過させるとともに第2のダイス10を通過させて
ドラム11に巻取る。 このとき、裸硬銅線2は、溶融
錫銅合金メッキ浴4により軟銅線化するとともに錫銅合
金が付着し、第1のダイス6によって付着した錫銅合金
層が所定厚に絞られて第1槽3から導出される。そし
て、この導出された銅線2aは、溶融錫メッキ浴8によ
り、上記の錫銅合金層の表面に錫が付着され、第2のダ
イス10によってその付着した錫層が所定厚に絞られて
第2槽7から導出される。
に巻かれた裸硬銅線2を、第1槽3の溶融錫銅合金メッ
キ浴4に浸漬状態で通過させるとともに第1のダイス6
を通過させ、更に第2槽7の溶融錫メッキ浴8に浸漬状
態で通過させるとともに第2のダイス10を通過させて
ドラム11に巻取る。 このとき、裸硬銅線2は、溶融
錫銅合金メッキ浴4により軟銅線化するとともに錫銅合
金が付着し、第1のダイス6によって付着した錫銅合金
層が所定厚に絞られて第1槽3から導出される。そし
て、この導出された銅線2aは、溶融錫メッキ浴8によ
り、上記の錫銅合金層の表面に錫が付着され、第2のダ
イス10によってその付着した錫層が所定厚に絞られて
第2槽7から導出される。
【0028】次に、本発明の製造方法と従来の製造方法
との比較試験の結果を説明する。使用銅線は次の表1の
ものであった。
との比較試験の結果を説明する。使用銅線は次の表1の
ものであった。
【0029】
【表1】 尚、表1において、従来品は既に軟化処理が施されてい
るので、その伸び率は大きくなっている。
るので、その伸び率は大きくなっている。
【0030】メッキ浴の状態は次の表2であった。
【0031】
【表2】 試験結果は次の表3の通りになった。
【0032】
【表3】 尚、上記表3における従来品の合金層は、溶融錫メッキ
浴時において銅線が溶融することにより、銅線部と錫層
との間に形成されたものである。
浴時において銅線が溶融することにより、銅線部と錫層
との間に形成されたものである。
【0033】また、表3において、メッキ試験は、JI
Sに規定されるメッキ試験(JISC3002K8
(2))を示す。以上の結果から、本発明によれば、軟
化工程を経ることなく従来と同等に軟銅線ができたこと
が分かる。
Sに規定されるメッキ試験(JISC3002K8
(2))を示す。以上の結果から、本発明によれば、軟
化工程を経ることなく従来と同等に軟銅線ができたこと
が分かる。
【0034】また、従来品においては、溶解(拡散)速
度が速いために、合金層が厚く形成され易く、表3の如
く、錫層の厚みが薄くなっている。これに対し、本発明
品においては、錫層が厚く形成され、トータルメッキ厚
が50%程度増加していることが分る。
度が速いために、合金層が厚く形成され易く、表3の如
く、錫層の厚みが薄くなっている。これに対し、本発明
品においては、錫層が厚く形成され、トータルメッキ厚
が50%程度増加していることが分る。
【0035】更にJISに規定されるメッキ試験結果も
従来品と同等に満足できた。更に、本発明品において
は、フラックス処理を施すことなく上記の結果が得られ
た。
従来品と同等に満足できた。更に、本発明品において
は、フラックス処理を施すことなく上記の結果が得られ
た。
【0036】
【発明の効果】以上のようであるから、請求項1記載の
発明によれば、従来の光輝焼鈍式等の軟化工程を経るこ
となく、溶融メッキ工程時に同時に軟銅線化できるた
め、従来の軟化工程に必要な設備やその占有面積、更に
は経費を削減できる。更に、溶融メッキ時に軟銅線化す
るため、従来のような断線の問題も解消できる。更に、
フラックス処理も必要としないので、フラックス処理に
より生じる経時変化による品質の信頼性の低下の問題も
解消でき、電子・電気機器用配電線の製造に有効であ
る。更に、軟化工程とフラックス処理工程が不要となる
ため、リードタイムの短縮が図り得る。
発明によれば、従来の光輝焼鈍式等の軟化工程を経るこ
となく、溶融メッキ工程時に同時に軟銅線化できるた
め、従来の軟化工程に必要な設備やその占有面積、更に
は経費を削減できる。更に、溶融メッキ時に軟銅線化す
るため、従来のような断線の問題も解消できる。更に、
フラックス処理も必要としないので、フラックス処理に
より生じる経時変化による品質の信頼性の低下の問題も
解消でき、電子・電気機器用配電線の製造に有効であ
る。更に、軟化工程とフラックス処理工程が不要となる
ため、リードタイムの短縮が図り得る。
【0037】請求項2記載の発明によれば、錫銅合金処
理が施されているため、従来と同様な錫メッキ浴をした
場合に、純錫層が厚く形成され、錫メッキ銅線としての
品質を向上できる。
理が施されているため、従来と同様な錫メッキ浴をした
場合に、純錫層が厚く形成され、錫メッキ銅線としての
品質を向上できる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、溶融錫銅合
金メッキ浴の劣化を防止又は抑制できる上に設備の大型
化、無用な電力消費、作業の困難化を招かずに上記の効
果を発揮できる。
金メッキ浴の劣化を防止又は抑制できる上に設備の大型
化、無用な電力消費、作業の困難化を招かずに上記の効
果を発揮できる。
【図1】 本発明の溶融錫メッキ軟銅線の製造方法の実
施例を示す工程説明図。
施例を示す工程説明図。
2…硬銅線 4…溶融錫銅合金メッキ浴 8…溶融
錫メッキ浴
錫メッキ浴
Claims (3)
- 【請求項1】 硬銅線を、溶融した錫銅合金メッキ浴に
浸漬して軟化することを特徴とする溶融錫メッキ軟銅線
の製造方法。 - 【請求項2】 硬銅線を、溶融した錫銅合金メッキ浴に
浸漬して軟化し、その後に溶融した錫メッキ浴に浸漬す
ることを特徴とする溶融錫メッキ軟銅線の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の溶融した錫銅合金
メッキ浴の温度を、硬銅線を軟化でき、かつ、使用する
錫銅合金の溶融点又はそれより若干高い温度に設定した
ことを特徴とする溶融錫メッキ軟銅線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8921195A JPH08283927A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 溶融錫メッキ軟銅線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8921195A JPH08283927A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 溶融錫メッキ軟銅線の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283927A true JPH08283927A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=13964392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8921195A Pending JPH08283927A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 溶融錫メッキ軟銅線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08283927A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012104376A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Hitachi Cable Ltd | 溶融はんだめっき線の製造方法 |
CN102560311A (zh) * | 2012-03-16 | 2012-07-11 | 鹰潭市众鑫成铜业有限公司 | 一种镀锡线热镀过程中使用的合金 |
JP2013039603A (ja) * | 2011-08-17 | 2013-02-28 | Hitachi Cable Ltd | 溶融はんだめっき撚線の製造方法 |
CN103184398A (zh) * | 2011-12-31 | 2013-07-03 | 镇江泛沃汽车零部件有限公司 | 一种镀锡装置及镀锡方法 |
CN108772612A (zh) * | 2018-07-16 | 2018-11-09 | 浙江德通科技有限公司 | 新型浸锡炉 |
JP6489257B1 (ja) * | 2018-03-14 | 2019-03-27 | 日立金属株式会社 | 錫メッキ銅線およびその製造方法、並びに絶縁電線、ケーブル |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP8921195A patent/JPH08283927A/ja active Pending
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