JPH06235086A - 電子部品用リード鋼線及びその製造方法 - Google Patents
電子部品用リード鋼線及びその製造方法Info
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- JPH06235086A JPH06235086A JP5042220A JP4222093A JPH06235086A JP H06235086 A JPH06235086 A JP H06235086A JP 5042220 A JP5042220 A JP 5042220A JP 4222093 A JP4222093 A JP 4222093A JP H06235086 A JPH06235086 A JP H06235086A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安価な鋼線に安価な溶融めっきを施し、その
めっき後に長時間経過しても半田付け性が良好で膜厚が
均一である。 【構成】 鋼素線を陽極としてアルカリ電解脱脂洗浄と
酸電解洗浄とを行ない、さらに該鋼素線を陰極としてア
ルカリ電解脱脂洗浄した後に酸浸漬で洗浄してから、電
気めっき法で鋼素線に厚さ0.5〜3μmの下地錫又は
半田めっき層を直接形成し、ついで溶融めっき法で厚さ
1〜30μmの錫又は半田めっき層を形成する。
めっき後に長時間経過しても半田付け性が良好で膜厚が
均一である。 【構成】 鋼素線を陽極としてアルカリ電解脱脂洗浄と
酸電解洗浄とを行ない、さらに該鋼素線を陰極としてア
ルカリ電解脱脂洗浄した後に酸浸漬で洗浄してから、電
気めっき法で鋼素線に厚さ0.5〜3μmの下地錫又は
半田めっき層を直接形成し、ついで溶融めっき法で厚さ
1〜30μmの錫又は半田めっき層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的安価な鋼線に安
価なめっき法である溶融めっきを施し、めっき後に長時
間経過しても半田付け性などが良好で膜厚が均一な電子
部品用リード鋼線及びその製造方法に関する。
価なめっき法である溶融めっきを施し、めっき後に長時
間経過しても半田付け性などが良好で膜厚が均一な電子
部品用リード鋼線及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅素線に溶融半田(錫−鉛合金)めっき
を直接施すことは、特開昭62−1848号や特開昭6
2−7840号などから公知であるけれども、安価な鋼
素線に溶融錫又は半田(錫−鉛合金)めっきを直接施す
ことは、該鋼素線の伸線や圧延の仕上げ加工時にその表
面に生じたスケールにより、該鋼素線と溶融めっきとの
なじみが非常に悪くて困難である。また、鋼素線に溶融
めっきを無理に施しても、該めっきの密着性及び半田付
け性が低く、電子部品用のリード鋼線としては使用不可
能である。
を直接施すことは、特開昭62−1848号や特開昭6
2−7840号などから公知であるけれども、安価な鋼
素線に溶融錫又は半田(錫−鉛合金)めっきを直接施す
ことは、該鋼素線の伸線や圧延の仕上げ加工時にその表
面に生じたスケールにより、該鋼素線と溶融めっきとの
なじみが非常に悪くて困難である。また、鋼素線に溶融
めっきを無理に施しても、該めっきの密着性及び半田付
け性が低く、電子部品用のリード鋼線としては使用不可
能である。
【0003】 このため、リード鋼線において、鋼素線
上に溶融錫又は半田めっきを形成するには、まず下地銅
めっきを施すことが必要である。この下地銅めっきとし
て、銅覆鋼線(以下、CP線という)を使用するか、又
は該当寸法の鋼素線に銅めっきを施している。
上に溶融錫又は半田めっきを形成するには、まず下地銅
めっきを施すことが必要である。この下地銅めっきとし
て、銅覆鋼線(以下、CP線という)を使用するか、又
は該当寸法の鋼素線に銅めっきを施している。
【0004】 このCP線を製造するには、直径5〜7
mmの太物鋼線に電気銅めっきの厚づけを施し、この後
に直径2.0mm又は1.6mmまで伸線して焼鈍しし、
さらに直径0.5mmなどの該当寸法まで伸線する。ま
た、細物の該当寸法の鋼素線では、鋼線は銅で置換され
やすいので、シアン浴で銅ストライクめっきした後に、
シアン浴で銅の厚づけめっきを施している。
mmの太物鋼線に電気銅めっきの厚づけを施し、この後
に直径2.0mm又は1.6mmまで伸線して焼鈍しし、
さらに直径0.5mmなどの該当寸法まで伸線する。ま
た、細物の該当寸法の鋼素線では、鋼線は銅で置換され
やすいので、シアン浴で銅ストライクめっきした後に、
シアン浴で銅の厚づけめっきを施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にCP線の製造に
は、大規模の電気めっき設備が必要となって設備経費が
掛り、しかも太物鋼素線の浸漬のためにめっき液(シア
ン)のくみ出し量も多く、公害防止の処理費用が高くな
る。CP線は、中央部が鋼素線であるから、銅であれば
200〜300℃でよい焼鈍し温度が約550℃も要し
て銅表面を荒らし、しかも伸線時のスケールが表面に多
く残留して前処理に手間が掛る。
は、大規模の電気めっき設備が必要となって設備経費が
掛り、しかも太物鋼素線の浸漬のためにめっき液(シア
ン)のくみ出し量も多く、公害防止の処理費用が高くな
る。CP線は、中央部が鋼素線であるから、銅であれば
200〜300℃でよい焼鈍し温度が約550℃も要し
て銅表面を荒らし、しかも伸線時のスケールが表面に多
く残留して前処理に手間が掛る。
【0006】 一方、細物の該当寸法の鋼素線の場合
は、2段階のシアン浴での銅めっきが必要であり、シア
ンのために公害防止の処理が問題になる。CP線や銅の
厚づけめっき鋼線は、比較的高価な銅をベースにして価
格を設定するために銅相場に応じてリード線の価格が変
動し、銅ベースが上昇するとリード線の価格も上昇する
という問題もある。
は、2段階のシアン浴での銅めっきが必要であり、シア
ンのために公害防止の処理が問題になる。CP線や銅の
厚づけめっき鋼線は、比較的高価な銅をベースにして価
格を設定するために銅相場に応じてリード線の価格が変
動し、銅ベースが上昇するとリード線の価格も上昇する
という問題もある。
【0007】 本発明は、溶融めっきリード鋼線の製造
に関する前記の問題点を改善するために提案されたもの
であり、加速劣化試験などにおいて半田付け性及び半田
濡れ性が良好である溶融めっきのリード鋼線を提供する
ことを目的としている。本発明の他の目的は、めっき前
処理をより改善することにより、溶融めっき法で錫又は
半田めっきをリード鋼素線に容易に施せる電子部品用リ
ード鋼線の製造方法を提供することである。
に関する前記の問題点を改善するために提案されたもの
であり、加速劣化試験などにおいて半田付け性及び半田
濡れ性が良好である溶融めっきのリード鋼線を提供する
ことを目的としている。本発明の他の目的は、めっき前
処理をより改善することにより、溶融めっき法で錫又は
半田めっきをリード鋼素線に容易に施せる電子部品用リ
ード鋼線の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電子部品用リード鋼線1は、図1に示
すように、電気めっき法によって鋼素線2に厚さ0.5
〜3μmの下地錫又は半田めっき層3を直接形成し、つ
いで溶融めっき法で厚さ1〜30μmの錫又は半田めっ
き層4を形成する。下地めっき層3において、下地とし
て有効な最低厚さは0.5μmであり、3μmを超える
めっき厚さは経済的に不利である。
に、本発明に係る電子部品用リード鋼線1は、図1に示
すように、電気めっき法によって鋼素線2に厚さ0.5
〜3μmの下地錫又は半田めっき層3を直接形成し、つ
いで溶融めっき法で厚さ1〜30μmの錫又は半田めっ
き層4を形成する。下地めっき層3において、下地とし
て有効な最低厚さは0.5μmであり、3μmを超える
めっき厚さは経済的に不利である。
【0009】 電気めっき法の下地めっき層3の組成は
錫100〜10%,鉛0〜90%であり、溶融めっき法
の錫又は半田めっき層4の組成も錫100〜10%,鉛
0〜90%である。鋼素線2の素材には、鉄又はその合
金例えば炭素鋼,ステンレス鋼などを包含する。
錫100〜10%,鉛0〜90%であり、溶融めっき法
の錫又は半田めっき層4の組成も錫100〜10%,鉛
0〜90%である。鋼素線2の素材には、鉄又はその合
金例えば炭素鋼,ステンレス鋼などを包含する。
【0010】 電子部品用リード鋼線1を製造するに
は、鋼素材2の前処理が必要であり、少なくとも鋼素線
2を陽極としてアルカリ電解脱脂洗浄と酸電解洗浄とを
行ない、さらに該鋼素線を陰極としてアルカリ電解脱脂
洗浄した後に酸浸漬洗浄する。各洗浄工程の終了後にそ
の都度水洗することを要する。鋼素線2を陰極とするア
ルカリ電解脱脂洗浄は、該鋼素材を陽極とするアルカリ
電解脱脂又は酸電解洗浄と工程順を入替えてもよい。
は、鋼素材2の前処理が必要であり、少なくとも鋼素線
2を陽極としてアルカリ電解脱脂洗浄と酸電解洗浄とを
行ない、さらに該鋼素線を陰極としてアルカリ電解脱脂
洗浄した後に酸浸漬洗浄する。各洗浄工程の終了後にそ
の都度水洗することを要する。鋼素線2を陰極とするア
ルカリ電解脱脂洗浄は、該鋼素材を陽極とするアルカリ
電解脱脂又は酸電解洗浄と工程順を入替えてもよい。
【0011】 本発明方法では、前記の前処理の後に、
まず電気めっき法によって鋼素線2の表面に下地の錫又
は半田めっきを直接施し、このめっき浴には一般にアル
カノールスルホン酸浴を使用すると好ましい。下地めっ
きの厚さは、溶融めっき速度が40〜50m/分のよう
に比較的早い場合に0.5〜1μmとし、20〜30m
/分のように遅い場合に1.5〜3μmとすることが好
ましい。
まず電気めっき法によって鋼素線2の表面に下地の錫又
は半田めっきを直接施し、このめっき浴には一般にアル
カノールスルホン酸浴を使用すると好ましい。下地めっ
きの厚さは、溶融めっき速度が40〜50m/分のよう
に比較的早い場合に0.5〜1μmとし、20〜30m
/分のように遅い場合に1.5〜3μmとすることが好
ましい。
【0012】 次に、溶融めっき浴10(図3)に浸漬
し、図3に示すような縦引きによって錫又は半田めっき
を比較的厚く付着させる。溶融めっき法における縦引き
法は、高速の横引き法に比べてめっき速度が約40〜6
0m/分と遅いけれども、膜厚の均一性を保持し、めっ
き厚さも約15〜20μmは十分可能であるので好まし
い。
し、図3に示すような縦引きによって錫又は半田めっき
を比較的厚く付着させる。溶融めっき法における縦引き
法は、高速の横引き法に比べてめっき速度が約40〜6
0m/分と遅いけれども、膜厚の均一性を保持し、めっ
き厚さも約15〜20μmは十分可能であるので好まし
い。
【0013】 溶融めっき浴10において、水平可動ダ
イス11を通し、窒素などの不活性ガスの雰囲気中で冷
却する。水平可動ダイス11(図4参照)は、膜厚の均
一性を保ち且つ錫又は半田かすの付着を避けるために使
用する。図3に例示するように、通常2〜3段階で冷却
して錫又は半田めっき層4の表面を円滑にし、不活性ガ
スの雰囲気により、錫又は半田めっき層4及びめっき浴
10の表面酸化を防止する。
イス11を通し、窒素などの不活性ガスの雰囲気中で冷
却する。水平可動ダイス11(図4参照)は、膜厚の均
一性を保ち且つ錫又は半田かすの付着を避けるために使
用する。図3に例示するように、通常2〜3段階で冷却
して錫又は半田めっき層4の表面を円滑にし、不活性ガ
スの雰囲気により、錫又は半田めっき層4及びめっき浴
10の表面酸化を防止する。
【0014】
【作用】本発明方法では、前処理において、鋼素線2を
陽極とするアルカリ電解脱脂洗浄と酸電解洗浄により、
該鋼素線の表面から油脂分などを電気的にはぎ取る。こ
の工程において、鋼素線2は酸素ガスに覆われ、表面に
酸化皮膜ができて不導体化する。このため、鋼素線2を
陰極としてアルカリ電解脱脂洗浄を行なって還元し、さ
らに酸浸漬洗浄によって酸化皮膜を除去する。
陽極とするアルカリ電解脱脂洗浄と酸電解洗浄により、
該鋼素線の表面から油脂分などを電気的にはぎ取る。こ
の工程において、鋼素線2は酸素ガスに覆われ、表面に
酸化皮膜ができて不導体化する。このため、鋼素線2を
陰極としてアルカリ電解脱脂洗浄を行なって還元し、さ
らに酸浸漬洗浄によって酸化皮膜を除去する。
【0015】 本発明方法では、無公害のめっき浴10
において鋼素線2に電気めっきの錫又は半田めっきを施
し、その厚みを溶融めっき速度に応じて0.5〜1μm
又は1.5〜3μmと定める。次に、鋼素線2を溶融め
っき浴10に浸漬し、縦引きによって錫又は半田めっき
の膜厚の均一性を保持しながら、該めっきを比較的厚く
約15〜20μm付着させる。
において鋼素線2に電気めっきの錫又は半田めっきを施
し、その厚みを溶融めっき速度に応じて0.5〜1μm
又は1.5〜3μmと定める。次に、鋼素線2を溶融め
っき浴10に浸漬し、縦引きによって錫又は半田めっき
の膜厚の均一性を保持しながら、該めっきを比較的厚く
約15〜20μm付着させる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 直径0.5mmのリード鋼素線2を、図2に例示する工
程にしたがって前処理する。この前処理における洗浄液
と洗浄条件は下記の通りである。
程にしたがって前処理する。この前処理における洗浄液
と洗浄条件は下記の通りである。
【0017】1.アルカリ浸漬脱脂洗浄 水酸化ナトリウム 15% 界面活性剤 10% 液温 40〜50℃
【0018】2.アルカリ電解脱脂洗浄(+) 水酸化ナトリウム 15〜20% 界面活性剤 2〜5% 陽極 リード鋼素線2 陰極 鉄板
【0019】3.酸電解洗浄 塩酸 15〜20% 陽極 リード鋼素線2 陰極 鉄板
【0020】4.アルカリ電解脱脂洗浄(−) 水酸化ナトリウム 15〜20% 界面活性剤 2〜5% 陽極 鉄板 陰極 リード鋼素線2
【0021】5.酸浸漬洗浄 塩酸 20〜30%
【0022】 前処理したリード鋼素線2を下記の浴組
成の電気めっき浴に浸漬し、鉛3%,錫97%を有する
厚さ1.5〜3μmの下地半田めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 350g/l アルカノールスルホン酸鉛 15g/l 遊離酸 170g/l 光沢剤及び分散剤 60ml/l
成の電気めっき浴に浸漬し、鉛3%,錫97%を有する
厚さ1.5〜3μmの下地半田めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 350g/l アルカノールスルホン酸鉛 15g/l 遊離酸 170g/l 光沢剤及び分散剤 60ml/l
【0023】 次に、溶融めっき浴10(図3)に浸漬
し、縦引きによって鉛3%,錫97%を有する厚さ10
〜12μmの半田めっき層4を形成する。溶融めっき浴
10において、半田めっき鋼線1は水平可動ダイス11
を通して冷却する。めっき鋼線1は、冷却窒素ガスの雰
囲気中で3段階で冷却することで半田めっき層4の表面
を円滑にし、該半田めっき層4及びめっき浴10の表面
酸化を防止する。
し、縦引きによって鉛3%,錫97%を有する厚さ10
〜12μmの半田めっき層4を形成する。溶融めっき浴
10において、半田めっき鋼線1は水平可動ダイス11
を通して冷却する。めっき鋼線1は、冷却窒素ガスの雰
囲気中で3段階で冷却することで半田めっき層4の表面
を円滑にし、該半田めっき層4及びめっき浴10の表面
酸化を防止する。
【0024】 水平可動ダイス11は、図4に示すよう
にスライスベアリング12の上に取付け、固定せずに自
由に動くように設置することにより、めっき鋼線1の膜
厚の均一性を保ち且つ半田かすの付着を避ける。この際
に、ダイスを固定しているならば、めっき鋼線が走行時
に振動すると、大きい偏心が発生して膜厚の均一性を阻
害することになる。
にスライスベアリング12の上に取付け、固定せずに自
由に動くように設置することにより、めっき鋼線1の膜
厚の均一性を保ち且つ半田かすの付着を避ける。この際
に、ダイスを固定しているならば、めっき鋼線が走行時
に振動すると、大きい偏心が発生して膜厚の均一性を阻
害することになる。
【0025】実施例2 実施例1と同様に前処理したリード鋼素線2を下記の浴
組成の電気めっき浴に浸漬し、厚さ1.5〜3μmの錫
めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 320g/l 遊離酸 150g/l 光沢剤及び分散剤 50ml/l
組成の電気めっき浴に浸漬し、厚さ1.5〜3μmの錫
めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 320g/l 遊離酸 150g/l 光沢剤及び分散剤 50ml/l
【0026】 以下、実施例1と同様に溶融めっき浴1
0に浸漬し、縦引きによって厚さ10〜12μmの錫め
っき層4を形成する。溶融めっき浴10において、錫め
っき鋼線1を水平可動ダイス11を通してから冷却す
る。
0に浸漬し、縦引きによって厚さ10〜12μmの錫め
っき層4を形成する。溶融めっき浴10において、錫め
っき鋼線1を水平可動ダイス11を通してから冷却す
る。
【0027】実施例3 実施例1と同様に前処理したリード鋼素線2を下記の浴
組成の電気めっき浴に浸漬し、鉛3%,錫97%を有す
る厚さ0.5〜1μmの半田めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 180g/l アルカノールスルホン酸鉛 10g/l 遊離酸 120g/l 光沢剤及び分散剤 30ml/l
組成の電気めっき浴に浸漬し、鉛3%,錫97%を有す
る厚さ0.5〜1μmの半田めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 180g/l アルカノールスルホン酸鉛 10g/l 遊離酸 120g/l 光沢剤及び分散剤 30ml/l
【0028】 以下、実施例1と同様に溶融めっき浴1
0に浸漬し、縦引きによって鉛3%,錫97%を有する
厚さ10〜12μmの半田めっき層4を形成する。溶融
めっき浴10において、半田めっき鋼線1を水平可動ダ
イス11を通してから冷却する。
0に浸漬し、縦引きによって鉛3%,錫97%を有する
厚さ10〜12μmの半田めっき層4を形成する。溶融
めっき浴10において、半田めっき鋼線1を水平可動ダ
イス11を通してから冷却する。
【0029】実施例4 実施例1と同様に前処理したリード鋼素線2を下記の浴
組成の電気めっき浴に浸漬し、厚さ0.5〜1μmの錫
めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 180g/l 遊離酸 100g/l 光沢剤及び分散剤 25ml/l
組成の電気めっき浴に浸漬し、厚さ0.5〜1μmの錫
めっき層3を形成する。 アルカノールスルホン酸第一錫 180g/l 遊離酸 100g/l 光沢剤及び分散剤 25ml/l
【0030】 以下、実施例1と同様に溶融めっき浴1
0に浸漬し、縦引きによって厚さ10〜12μmの錫め
っき層4を形成する。溶融めっき浴10において、錫め
っき鋼線1を水平可動ダイス11を通してから冷却す
る。
0に浸漬し、縦引きによって厚さ10〜12μmの錫め
っき層4を形成する。溶融めっき浴10において、錫め
っき鋼線1を水平可動ダイス11を通してから冷却す
る。
【0031】比較例 実施例1で用いたリード鋼素線を、従来と同様にアルカ
リ浸漬脱脂,アルカリ電解脱脂(−)さらに酸浸漬によ
って洗浄する。前処理したリード鋼素線にクリームペー
ストを塗布してから、実施例1と同様の溶融めっき浴に
浸漬し、鉛3%,錫97%を有する平均厚さ10〜25
μmの半田めっき層を形成する。
リ浸漬脱脂,アルカリ電解脱脂(−)さらに酸浸漬によ
って洗浄する。前処理したリード鋼素線にクリームペー
ストを塗布してから、実施例1と同様の溶融めっき浴に
浸漬し、鉛3%,錫97%を有する平均厚さ10〜25
μmの半田めっき層を形成する。
【0032】実施例1及び比較例で得た半田めっきリー
ド鋼線に関し、半田付け性を評価する。この半田付け性
は、両リード鋼線をロジン25重量%,1PA75重量
%のフラックス中に5秒間浸漬後、235℃の温度に保
持した錫62%,鉛38%の共晶半田浴中に5秒間浸漬
し、半田で濡れた面積を百分率(%)で表わす。
ド鋼線に関し、半田付け性を評価する。この半田付け性
は、両リード鋼線をロジン25重量%,1PA75重量
%のフラックス中に5秒間浸漬後、235℃の温度に保
持した錫62%,鉛38%の共晶半田浴中に5秒間浸漬
し、半田で濡れた面積を百分率(%)で表わす。
【0033】 下記の表1には、リード鋼線の常態及び
170℃の恒温槽中で24,48,72時間放置した後
の半田付け性を各5本の平均値で示す。
170℃の恒温槽中で24,48,72時間放置した後
の半田付け性を各5本の平均値で示す。
【0034】
【表1】
【0035】 また、85℃,85%RHの恒温恒湿試
験における両リード鋼線の半田付け性も開示する。下記
の表2は、恒温恒湿試験済みリード鋼線の常態及び25
0,500時間放置した後の半田付け性を示す各5本の
平均値である。
験における両リード鋼線の半田付け性も開示する。下記
の表2は、恒温恒湿試験済みリード鋼線の常態及び25
0,500時間放置した後の半田付け性を示す各5本の
平均値である。
【0036】
【表2】
【0037】 また、105℃,100%RH,1.2
気圧のプレッシャークッカー試験(以下、PCTと称
す)において、半田付け性を開示する。下記の表3に
は、リード鋼線の常態及びPCT後に16時間放置した
後の半田付け性を各5本の平均値で示す。
気圧のプレッシャークッカー試験(以下、PCTと称
す)において、半田付け性を開示する。下記の表3に
は、リード鋼線の常態及びPCT後に16時間放置した
後の半田付け性を各5本の平均値で示す。
【0038】
【表3】
【0039】次に、両リード鋼線の半田濡れ性を評価す
る。この半田濡れ性は、長さ2mmのリード鋼線を前記
と同じフラックス中に5秒間浸漬した後、235℃に保
持した共晶半田浴中に7秒間浸漬し、半田液面が平行と
なる時間(ゼロクロスタイム)をソルダーグラフで測定
し、これを秒単位で表わす。
る。この半田濡れ性は、長さ2mmのリード鋼線を前記
と同じフラックス中に5秒間浸漬した後、235℃に保
持した共晶半田浴中に7秒間浸漬し、半田液面が平行と
なる時間(ゼロクロスタイム)をソルダーグラフで測定
し、これを秒単位で表わす。
【0040】 半田濡れ性は、PCTにおいて開示す
る。下記の表4には、リード鋼線の常態及びPCT後に
16時間放置した後の半田濡れ性を各5本の平均値で示
す。
る。下記の表4には、リード鋼線の常態及びPCT後に
16時間放置した後の半田濡れ性を各5本の平均値で示
す。
【0041】
【表4】
【0042】 表1〜4から明らかなように、実施例1
のリード鋼線1は、比較例のリード鋼線に比べて、加熱
及び恒温恒湿試験後並びにPCTの加速劣化試験後の半
田付け性が良好であり、PCTの加速劣化試験後の半田
濡れ性も優れている。したがって、実施例1から4のリ
ード鋼線1は、電子部品として保存が可能であって電子
部品用として十分に使用できる。
のリード鋼線1は、比較例のリード鋼線に比べて、加熱
及び恒温恒湿試験後並びにPCTの加速劣化試験後の半
田付け性が良好であり、PCTの加速劣化試験後の半田
濡れ性も優れている。したがって、実施例1から4のリ
ード鋼線1は、電子部品として保存が可能であって電子
部品用として十分に使用できる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る電子部品用リード鋼線は、
高価で公害が心配な銅の下地めっきを施さなくても、溶
融錫又は半田めっきによって従来と同等の密着性及び半
田付け性を有し、電子部品用として使用可能である。本
発明のリード鋼線は、安価な鋼材及び溶融めっき法を利
用し、高価な銅を全く使用しなくてもよいから、電子部
品業界において安価なリード鋼線として画期的な製品で
ある。
高価で公害が心配な銅の下地めっきを施さなくても、溶
融錫又は半田めっきによって従来と同等の密着性及び半
田付け性を有し、電子部品用として使用可能である。本
発明のリード鋼線は、安価な鋼材及び溶融めっき法を利
用し、高価な銅を全く使用しなくてもよいから、電子部
品業界において安価なリード鋼線として画期的な製品で
ある。
【0044】 本発明方法は、軽視できない公害の処理
が比較的容易であり、めっき設備も小規模で設備費や取
付費用も少なくて済む。本発明方法におけるめっき設備
は、比較的小さい設置面積で実施可能であるから、設備
全体を考慮してもリード鋼線を安価に提供することがで
きる。
が比較的容易であり、めっき設備も小規模で設備費や取
付費用も少なくて済む。本発明方法におけるめっき設備
は、比較的小さい設置面積で実施可能であるから、設備
全体を考慮してもリード鋼線を安価に提供することがで
きる。
【0045】 また、本発明方法では、前処理において
最後に酸浸漬洗浄によって酸化皮膜を除去するととも
に、通常、酸浸漬洗浄に塩酸を使用して電気めっきの初
期電着を助けている。本発明方法は、溶融錫又は半田め
っきを施すリード鋼線の製造において、全体としてめっ
き工程数が比較的少なく、リード鋼線がリード銅線や銅
覆鋼線に比べて安価である利点を維持している。
最後に酸浸漬洗浄によって酸化皮膜を除去するととも
に、通常、酸浸漬洗浄に塩酸を使用して電気めっきの初
期電着を助けている。本発明方法は、溶融錫又は半田め
っきを施すリード鋼線の製造において、全体としてめっ
き工程数が比較的少なく、リード鋼線がリード銅線や銅
覆鋼線に比べて安価である利点を維持している。
【図1】 本発明に係る電子部品用リード鋼線を示す拡
大断面図である。
大断面図である。
【図2】 本発明方法の前処理工程を例示するフローチ
ャートである。
ャートである。
【図3】 本発明方法における溶融めっき装置を示す概
略側面図である。
略側面図である。
【図4】 図3の要部を拡大して示す横断面図である。
1 電子部品用リード鋼線 2 鋼素線 3 電気錫又は半田めっき層 4 溶融錫又は半田めっき層 10 溶融めっき浴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/50 D 9272−4M E 9272−4M // C23C 28/02 H01B 5/02 A 13/00 501 E 7244−5G H01G 1/14 F 9174−5E
Claims (2)
- 【請求項1】 電気めっき法で鋼素線に厚さ0.5〜3
μmの下地錫又は半田めっき層を直接形成し、ついで溶
融めっき法で厚さ1〜30μmの錫又は半田めっき層を
形成している電子部品用リード鋼線。 - 【請求項2】 鋼素線を陽極としてアルカリ電解脱脂洗
浄と酸電解洗浄とを行ない、さらに該鋼素線を陰極とし
てアルカリ電解脱脂洗浄した後に酸浸漬で洗浄してか
ら、電気めっき法によって鋼素線の表面に下地の錫又は
半田めっきを施し、ついで溶融めっき浴に浸漬し、縦引
きによって錫又は半田めっきを比較的厚く付着させ、水
平可動ダイスを通して不活性ガスの雰囲気中で冷却する
電子部品用リード鋼線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5042220A JPH0819544B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 電子部品用リード鋼線及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5042220A JPH0819544B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 電子部品用リード鋼線及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06235086A true JPH06235086A (ja) | 1994-08-23 |
JPH0819544B2 JPH0819544B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=12629960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5042220A Expired - Fee Related JPH0819544B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 電子部品用リード鋼線及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819544B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013164963A1 (ja) * | 2012-05-02 | 2013-11-07 | 住友電工ウインテック株式会社 | ベアリング付きダイス、絶縁電線の製造装置および絶縁電線の製造方法 |
US8839804B2 (en) * | 2009-01-22 | 2014-09-23 | Electric Power Research Institute, Inc. | Conductor cleaning system |
JP2015134961A (ja) * | 2013-12-17 | 2015-07-27 | 日新製鋼株式会社 | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 |
JP2022525782A (ja) * | 2019-03-27 | 2022-05-19 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 電気めっき被覆前に部品を前処理する前処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030050648A1 (en) | 2001-09-11 | 2003-03-13 | Spiration, Inc. | Removable lung reduction devices, systems, and methods |
US6592594B2 (en) | 2001-10-25 | 2003-07-15 | Spiration, Inc. | Bronchial obstruction device deployment system and method |
US20030216769A1 (en) | 2002-05-17 | 2003-11-20 | Dillard David H. | Removable anchored lung volume reduction devices and methods |
US20030181922A1 (en) | 2002-03-20 | 2003-09-25 | Spiration, Inc. | Removable anchored lung volume reduction devices and methods |
US7533671B2 (en) | 2003-08-08 | 2009-05-19 | Spiration, Inc. | Bronchoscopic repair of air leaks in a lung |
US7691151B2 (en) | 2006-03-31 | 2010-04-06 | Spiration, Inc. | Articulable Anchor |
US8795241B2 (en) | 2011-05-13 | 2014-08-05 | Spiration, Inc. | Deployment catheter |
-
1993
- 1993-02-05 JP JP5042220A patent/JPH0819544B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN104303244A (zh) * | 2012-05-02 | 2015-01-21 | 住友电工运泰克株式会社 | 带有轴承的模具、制造绝缘电线的装置和制造绝缘电线的方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0819544B2 (ja) | 1996-02-28 |
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