JPH0828333A - アクチュエータ用ソレノイド駆動装置 - Google Patents

アクチュエータ用ソレノイド駆動装置

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JPH0828333A
JPH0828333A JP16810994A JP16810994A JPH0828333A JP H0828333 A JPH0828333 A JP H0828333A JP 16810994 A JP16810994 A JP 16810994A JP 16810994 A JP16810994 A JP 16810994A JP H0828333 A JPH0828333 A JP H0828333A
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宏直 林
Motoyuki Kondou
基志 近藤
Yukio Inaguma
幸雄 稲熊
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    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/027Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle four

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 起動時の高速化を図るとともに、エネルギー
効率をも向上することのできるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置を提供する。 【構成】 電源1 により充電されるキャパシタ3 と、動
作初期にキャパシタ3 の充電エネルギーをソレノイドコ
イル4 へ放電させる放電回路(SW1) と、残余の期間にコ
イル4 へ電源1 から直接保持電流を供給してアクチュエ
ータを動作状態に保持する保持回路(SW2,D1)とを備えた
アクチュエータ用ソレノイド駆動装置において、放電回
路をキャパシタ3 とソレノイドコイル4 とにより決定さ
れる共振サイクルのほぼ半サイクルに設定して、一旦コ
イルに4 蓄積されたエネルギーをキャパシタ3 に回収さ
せるようにする。また、それに加えて、放電回路(SW1)
の作動後、保持回路(SW2,D1)の作動までに所定時間の不
作動期間を設定して、起動用の共振電流の消滅後にも残
留する残留磁力の低下を図るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータ用ソレ
ノイド駆動装置、特に内燃機関の燃料噴射弁や油圧バル
ブ等を操作するアクチュエータ用ソレノイドの駆動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料噴射弁を操作するアクチ
ュエータ用ソレノイドすなわちインジェクタソレノイド
や或る種の油圧バルブを操作するアクチュエータ用ソレ
ノイド等のような高速動作が必要なアクチュエータ用ソ
レノイドの駆動回路としては、例えば、バッテリ電源に
より駆動されるインジェクタソレノイドに関する実開昭
63−198443号公報に示されているように、ソレ
ノイドの駆動に先立ってバッテリ電源を昇圧して蓄電装
置に蓄積しておき、駆動の際にその電荷を放電してソレ
ノイドに急速に大電流を供給して高速起動し、その後バ
ッテリ電源から保持電流を供給することが行われてい
る。
【0003】図20は、そのような従来のアクチュエー
タ用ソレノイド駆動回路の基本的な構成を示す回路図で
あり、図中、1は電圧E0 のバッテリ電源、2は例えば
DC−DCコンバータからなる出力電圧V0 の高圧電源
回路、3は大容量Cの蓄電用キャパシタ、4は例えば燃
料噴射弁を操作するためのインダクタンスLおよび抵抗
Rを有するアクチュエータ用ソレノイドコイル、SW1
は起動用の第1のスイッチ、SW2 は保持用の第2のス
イッチ、D1 は保持回路の逆流防止用ダイオードであ
る。
【0004】図21は、その従来のアクチュエータ用ソ
レノイド駆動回路の基本的な構成における各部の動作波
形の一例を示すタイムチャートである。例えば内燃機関
の運転状態に応じて決定される燃料噴射信号である制御
入力信号に対応して作成された制御信号により、それぞ
れ、スイッチSW1 およびSW2 が初期のT1'時間およ
び残余のT2'時間オンに制御される。まず、スイッチS
1 がオンになると、バッテリ電源1を高圧電源回路2
により昇圧した電圧V0 に充電されていたキャパシタ3
がソレノイドコイル4を通して放電され、キャパシタ3
の容量Cとコイル4のインダクタタンスLにより決まる
共振電流I1 が流れる。これにより、ソレノイドコイル
4が急速に起動され、燃料噴射弁(図示せず)が高速で
開弁作動される。
【0005】制御信号SW1 の時間T1'すなわち起動期
間は、共振電流I1 のほぼ1/4サイクルの終了時、例
えばキャパシタ3の両端電圧V1 あるいはソレノイドコ
イル4の両端電圧Vsol がバッテリ電圧E0 以下となる
時点、例えば、ほぼゼロに設定されている。この時点に
おいて、スイッチSW1 が開かれ、制御信号SW2 によ
りスイッチSW2 がオンにされる。これにより、残りの
制御時間T2'すなわち保持期間の間、高圧電源回路2を
介することなく、バッテリ電源1からダイオードD1
通して直接ソレノイドコイル4に保持電流I2 が供給さ
れる。なお、V C はキャパシタ3の両端電圧、Isol
ソレノイドコイル4を流れる動作電流を示している。
【0006】図22は、従来のアクチュエータ用ソレノ
イド駆動回路の基本的な構成における各部の動作波形の
他の例を示しており、図21の例と異なるところは、保
持期間T2'においてスイッチSW2 が断続的なスイッチ
ング動作を行いながら、ほぼ一定の保持電流I2 したが
って保持期間T2'のソレノイドコイル4の動作電流I
sol を供給するようにして、ソレノイドの保持用エネル
ギーが節約されるように設計されている点である。な
お、図中、ソレノイドコイル4の動作電流Isol の波形
にはスイッチング時の過渡的な状態が例示されており、
また、磁力の波形は、アクチュエータを作動させるソレ
ノイドコイル4の磁界の強さの時間的変化を示してお
り、更に、可動子位置の波形は、その磁力により移動さ
れるアクチュエータ可動子の位置の時間的変化を示して
いる。これらの波形は、図21には特に例示されてはい
ないが、図21に示されている動作例の場合もほぼ同様
なものとなるのであり、ここに代表して例示されてい
る。
【0007】また、図23は、従来のアクチュエータ用
ソレノイド駆動回路の基本的な構成を示す回路図の変形
例であり、図20の構成例と異なるところは、スイッチ
SW 2 が省略されて、スイッチSW1 およびスイッチS
2 を兼用するスイッチSW 1'がソレノイドコイル4の
起動および保持に共通な回路部分に設けられている点で
ある。なお、保持期間T2'中スイッチSW1'は図22の
動作例と同様にスイッチングされており、また、特に図
示されてはいないが、その間高圧電源回路2の高圧供給
動作は停止されている。更に、動作電流Isol 、磁力お
よび可動子位置の波形は、図22と同様なものとして例
示されている。
【0008】上述したように、従来のアクチュエータ用
ソレノイド駆動回路においては、ソレノイドコイル4に
は図示されているような初期に急速に立ち上がるほぼ1
/4サイクルの共振電流が流れ、その後ほぼ一定の保持
電流となる動作電流Isol が流れる。これにより、作動
初期に瞬間的に大電流により燃料噴射弁を高速起動さ
せ、以後開弁状態を保持するための保持電流が供給され
て制御入力信号の期間中開弁状態が保持されることとな
る。このような構成により、アクチュエータ用ソレノイ
ドの高速化を実現しつつ、シンプルでかつ信頼性が高
く、しかも、エネルギーロスの少ない回路設計を可能と
し、また、高圧電源回路としてのDC−DCコンバータ
の小型化をも可能とするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成のアクチュエータ用ソレノイド駆動装置において
は、起動時の高速化のためにキャパシタ3の放電により
ソレノイドコイル4に大量に供給されたエネルギーが同
コイル中4に不要に蓄積され、その抵抗R等により消費
されることとなることから、エネルギー効率が良好でな
いという問題がある。加えて、上記した回路構成におい
ては、起動用の共振電流I1 がほぼ最大の時点におい
て、その電流I1 を遮断してほぼ一定の保持電流I2
切り換える必要があり、例えば図22の動作電流Isol
波形に示されているように、スイッチングノイズが発生
したり、また、スイッチング手段に高耐圧が必要となる
という問題がある。
【0010】また、ソレノイドコイルの電磁特性から、
ソレノイドコイル4を流れる起動電流I1 に対して、ソ
レノイドコイル4により発生される磁界、したがって、
ソレノイドアクチュエータを作動させる磁力は位相遅れ
を持っている。そこで、上記したソレノイドの起動後に
磁力は直ちに低下せず、しばらくの間は、ソレノイドア
クチュエータの作動力、すなわち、例えば燃料噴射弁を
開弁方向に付勢する推力が残存することとなる。それに
もかかわらず、起動期間T1'の終了後直ちに保持電流I
2 が供給されており、余分なエネルギーの供給がなされ
ているばかりでなく、その保持電流I2 に基づく磁力が
図22の磁力波形中に一点鎖線により例示されているソ
レノイドアクチュエータの復帰用バネ力を打ち消してし
まい、却ってその推力の低下を遅らせることとなってい
る。
【0011】したがって、例えば図22(あるいは図2
4)の磁力波形中に例示されているように、そのような
推力が残存している間に制御入力、例えば、燃料噴射弁
の開弁制御信号が終了する場合には、保持期間T2'の終
了時にその残存する推力のうちのバネ力以上の余分な力
に基づく動作遅れが生じて、バネ力に見合う保持力から
復帰するための最小の復帰動作時間にその動作遅れが加
算され、それだけソレノイドアクチュエータの実際の復
帰動作時間、例えば、燃料噴射弁の実閉弁時間が長引く
という問題がある。
【0012】そこで、本発明は、ソレノイドの作動の高
速化を図るとともに、不要なエネルギーをも回収するこ
とのできるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置を提供
することを目的とする。また、本発明は、ソレノイドの
作動の高速化を図るとともに、不要なエネルギーを回収
することができ、しかも、復帰動作にも遅延のないアク
チュエータ用ソレノイド駆動装置を提供することを目的
とする。
【0013】更に、本発明は、ソレノイドの作動の高速
化を図るとともに、不要なエネルギーを回収し、かつ、
それを有効利用することによって、エネルギー効率をも
向上することのできるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置を提供することを目的とする。更にまた、本発明
は、ソレノイドの作動の高速化を図るとともに、不要な
エネルギーを回収し、かつ、それを有効利用することに
よって、エネルギー効率を向上することができ、しか
も、復帰動作にも遅延のないアクチュエータ用ソレノイ
ド駆動装置を提供することを目的とする。
【0014】具体的には、本発明は、ソレノイドの作動
の高速化のためにキャパシタの放電を用いてソレノイド
コイルにエネルギーを供給するとともに、供給されたエ
ネルギーをそのキャパシタに回収することによって、起
動動作の高速化を図るとともに不要なエネルギーをも回
収することのできるアクチュエータ用ソレノイド駆動装
置を提供することを目的とする。
【0015】また具体的には、本発明は、ソレノイドの
作動の高速化のためにキャパシタの放電を用いてソレノ
イドコイルにエネルギーを供給するとともに、供給され
たエネルギーをそのキャパシタに回収し、かつ、そのキ
ャパシタに回収されたエネルギーを次回のソレノイドの
作動、あるいは、引き続くソレノイドの保持動作や復帰
動作に有効利用することによって、ソレノイドの作動の
高速化を図るとともにエネルギー効率を向上することが
できるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】更に具体的には、本発明は、ソレノイドの
作動の高速化のためにキャパシタの放電を用いてソレノ
イドコイルにエネルギーを供給するとともに、供給され
たエネルギーをそのキャパシタに回収することによっ
て、ソレノイドの作動の高速化を図るとともにエネルギ
ー効率を向上し、しかも、ソレノイド作動用推力の低下
を待って保持動作を行うことによって、更にエネルギー
効率を向上することのできるアクチュエータ用ソレノイ
ド駆動装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によるアクチュエ
ータ用ソレノイド駆動装置は、基本的に、電源により充
電されるキャパシタと、ソレノイドアクチュエータを作
動させるためのソレノイドコイルと、ソレノイドアクチ
ュエータの動作制御時間の初期の第1の期間においてキ
ャパシタの充電エネルギーをソレノイドコイルへ放電さ
せてソレノイドアクチュエータを作動させる放電回路
と、ソレノイドアクチュエータの動作制御時間のうち第
1の期間を除く残余の期間内であって、少なくとも終了
時点が一致する第2の期間において電源からソレノイド
コイルに保持電流を供給してソレノイドアクチュエータ
を動作状態に保持する保持回路とを備えたアクチュエー
タ用ソレノイド駆動装置において、放電回路が作動され
る第1の期間がキャパシタとソレノイドコイルとにより
決定される共振サイクルのほぼ半サイクルに設定されて
おり、その第1の期間内において、キャパシタの充電エ
ネルギーがソレノイドコイルに転送され、その後、再び
上記キャパシタに回収されるように構成されるまた、そ
のような構成において、放電回路が作動される第1の期
間と保持回路が作動される第2の期間との間に所定時間
の第3の期間が設定され、かつ、その第3の期間におい
て、放電回路および保持回路がともに不作動とされるよ
うに構成される。
【0018】次に、それらの構成のいずれかにおいて、
放電回路がキャパシタとソレノイドコイルとの接続関係
を反転させるための第1の切替スイッチ手段を有してお
り、その第1の切替スイッチ手段は、放電回路が作動さ
れる第1の期間の後半のキャパシタにエネルギーが回収
される期間において、キャパシタとソレノイドコイルと
の接続関係を反転させるように構成される。
【0019】また、同じく上記した構成のいずれかであ
って、キャパシタと電源との接続関係を反転させるため
の第2の切替スイッチ手段を更に備え、かつ、その第2
の切替スイッチ手段は、引き続くソレノイドアクチュエ
ータの動作制御のためにキャパシタを電源により充電す
る際に、キャパシタと電源との接続関係を反転させるよ
うに構成される。
【0020】また更に、同じく上記した構成のいずれか
であって、キャパシタに並列に接続された第3のスイッ
チ手段およびダミーコイルの直列接続回路であって、そ
の第3のスイッチ手段が、放電回路が作動される第1の
期間の終了後で引き続くソレノイドアクチュエータの動
作制御の開始前の間の適当な時期に、キャパシタとダミ
ーコイルとにより決定される共振サイクルのほぼ半サイ
クルの間オンに制御される直列接続回路を更に備え、そ
して、その第3のスイッチ手段のオン制御により、キャ
パシタに回収されたエネルギーに基づいてキャパシタと
その直列接続回路とで形成される閉回路に共振電流を流
し、キャパシタを逆充電するように構成される。
【0021】また更に、同じく上記した構成のいずれか
であって、ソレノイドアクチュエータの動作制御時間の
終了直後から所定時間作動され、キャパシタに回収され
たエネルギーをソレノイドコイルへ放出するための放出
回路を更に備えるように構成される。本発明によるアク
チュエータ用ソレノイド駆動装置は、更に、電源により
充電されるキャパシタと、ソレノイドアクチュエータを
作動させるためのソレノイドコイルと、ソレノイドアク
チュエータの動作制御時間の初期の第1の期間において
キャパシタの充電エネルギーをソレノイドコイルへ放電
させてソレノイドアクチュエータを作動させる放電回路
であって、その第1の期間がキャパシタとソレノイドコ
イルとにより決定される共振サイクルのほぼ半サイクル
に設定されており、かつ、その第1の期間内において、
キャパシタの充電エネルギーがソレノイドコイルに転送
され、その後、再びキャパシタに回収されるようになっ
ている放電回路と、ソレノイドアクチュエータの動作制
御時間のうち第1の期間を除く残余の期間内であって、
少なくとも終了時点が一致する第2の期間において、キ
ャパシタに回収されたエネルギーに基づいてソレノイド
コイルへ保持電流を供給してソレノイドアクチュエータ
を動作状態に保持する保持回路とを備えるように構成さ
れる。
【0022】加えて、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置は、上記した全ての構成のいずれかで
あって、更に、ソレノイドコイルへの保持電流の供給開
始時点近傍におけるコイルエネルギーを検出するコイル
エネルギー検出手段と、そのコイルエネルギー検出手段
により検出されたコイルエネルギーに応じて放電回路を
作動させる第1の期間をフィードバック制御するフィー
ドバック制御手段とを備えるように構成される。
【0023】
【作用】上記構成によれば、ソレノイドアクチュエータ
の動作制御初期にキャパシタからソレノイドコイルに共
振作用によりエネルギーが供給されて、ソレノイドアク
チュエータの高速起動が実現されるとともに、その高速
起動に消費されるエネルギー以外のエネルギーはソレノ
イドコイルに蓄積されることなく、第1の期間の後半に
再びキャパシタに回収される。これにより、ソレノイド
アクチュエータの制御性を改善し、かつ、エネルギー効
率を向上することが可能となる。
【0024】この場合、ソレノイドアクチュエータの高
速起動後、所定時間を置いて、保持電流を供給するよう
にすれば、残留磁力を低下させることができ、ソレノイ
ドアクチュエータの復帰時間を短縮することができる。
次に、キャパシタとソレノイドコイルとの接続関係を反
転させて、回収されるエネルギーによりキャパシタが同
極性に再充電されるようにすれば、ソレノイドアクチュ
エータの引き続く動作のための充電エネルギーとして利
用することが可能となる。また、ソレノイドアクチュエ
ータの引き続く動作において、キャパシタと電源との接
続関係を反転させて充電し、かつ、ソレノイドコイルへ
の動作電流を引き続く動作毎に反転させれば、同様に、
キャパシタに回収されたエネルギーをソレノイドアクチ
ュエータの引き続く動作のための充電エネルギーとして
利用することが可能となる。
【0025】また更に、キャパシタへのエネルギーの回
収後に、キャパシタにダミーコイルを時限的に接続して
共振電流を流し、更に逆極性に充電させるようにすれ
ば、同様に、キャパシタに回収されたエネルギーをソレ
ノイドアクチュエータの引き続く動作のための充電エネ
ルギーとして利用することが可能となる。また更に、ソ
レノイドアクチュエータの動作制御時間の終了時にキャ
パシタに回収されたエネルギーをソレノイドコイルに放
出するようにすれば、ソレノイドコイルに逆方向の電流
を流すことができ、ソレノイドアクチュエータの復帰時
間を短縮することが可能となる。
【0026】更に、ソレノイドアクチュエータの動作状
態を保持するための第2の期間に、キャパシタに回収さ
れたエネルギーをソレノイドコイルに供給することがで
きるように保持回路を構成すれば、回収されたエネルギ
ーを保持電流として利用することが可能となる。加え
て、フィードバック制御手段を設けることにより、エネ
ルギーの放電および回収に必要な時間を必要最小限のも
のとして、ソレノイドアクチュエータ動作制御の最小制
御可能時間を広げることができるとともに、エネルギー
ロスを低減することが可能となる。
【0027】
【実施例】図1は、本発明によるアクチュエータ用ソレ
ノイド駆動装置の基本原理を実施するための基本回路構
成図であり、電圧E0 のバッテリ電源1、DC−DCコ
ンバータからなる出力電圧V0 の高圧電源回路2、大容
量Cの蓄電用キャパシタ3、インダクタンスLおよび抵
抗Rを有する例えば内燃機関の燃料噴射弁操作のための
アクチュエータ用ソレノイドコイル4、起動用の第1の
スイッチSW1 、保持用の第2のスイッチSW2 および
保持回路の逆流防止用ダイオードD1 は、上記した図2
0に示されている従来のアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の構成要素と同等である。
【0028】図2は、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の基本回路構成における動作波形すな
わち基本動作波形の一例を示すタイムチャートであり、
図イと同様にI1 は共振電流、I2 は保持電流、VC
キャパシタ3の両端電圧、I sol およびVsol はそれぞ
れソレノイドコイル4の電流およびその両端電圧を示し
ている。上記した従来のアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の動作と異なるところは、起動用の第1のスイッ
チSW1 の作動時間T1 が共振電流I1 のほぼ半サイク
ルに設定されており、コイル4の両端電圧Vsol が反転
し、共振電流I 1 が極大値に達した後再びゼロとなる時
点においてスイッチSW1 がオフとなる。同時に、第2
のスイッチSW2 がオンとなり、ソレノイドコイル4に
バッテリ電源1から第2のスイッチSW2 およびダイオ
ードD1 を経て直接に保持電流I 2 が供給される。した
がって、燃料噴射弁(図示せず)は、上記従来の装置と
同様に、共振電流I1 の初期の1/4サイクルにおいて
高速に起動され、その後、共振電流I1 の後半ほぼ1/
4サイクルおよび保持電流I2 により開弁状態に保たれ
ることとなる。
【0029】このような基本動作においては、電圧VC
波形に示されているように、高圧電源回路2の高圧V0
に充電されていたキャパシタ3は、上述した共振サイク
ルの最初の1/4サイクルで放電し、次の1/4サイク
ルで逆充電される。そして、コイルのエネルギーE波形
に示されているように、最初の1/4サイクルにおいて
ソレノイドコイル4中に蓄えられたエネルギーは、ソレ
ノイド起動の仕事に消費された分低下するが、次の1/
4サイクルにおいてキャパシタ3に転送され、ソレノイ
ドコイル4中に不要に蓄えられることはなくなる。
【0030】すなわち、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の基本動作においては、LC共振作
用によりキャパシタ3に蓄えられたエネルギーをソレノ
イドコイル4に急速に供給してソレノイドアクチュエー
タを高速起動するとともに、そのLC共振作用を更に積
極的に利用して、キャパシタ3が再充電されるように
し、それを可能とするように起動期間T1 が設定されて
いることとなる。これにより、ソレノイドアクチュエー
タの起動のために消費されたエネルギー以外の余分なエ
ネルギーはキャパシタ3に回収されることとなり、コイ
ルのエネルギーEの波形中に点線により示されているよ
うにソレノイドコイル4に不要に蓄積されることがなく
なる。
【0031】このような本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の基本構成によれば、アクチュエー
タ用ソレノイドの高速起動および保持に必要なエネルギ
ーのみが供給され、前述した従来の装置のように不要に
蓄積され、無駄に消費されることがなくなる。こうして
エネルギーロスを軽減することができるので、前述した
ようなアクチュエータ用ソレノイドの高速化を実現しつ
つ、シンプルかつ信頼性が高く、しかも、エネルギーロ
スの少ない回路設計を可能とし、また、高圧電源回路と
してのDC−DCコンバータの小型化をも可能とすると
いうこの種高速作動回路の利点に加えて、更にキャパシ
タの容量、DC−DCコンバータの出力電圧や電力容量
を減少させることができ、小型化かつ低コスト化を図る
ことが可能となる。
【0032】更に、本発明によるアクチュエータ用ソレ
ノイド駆動装置の基本構成によれば、ソレノイドコイル
4の起動用の動作電流I1 がほぼゼロとなった時点にお
いて、スイッチSW1 およびスイッチSW2 を切替え制
御することができるので、スイッチングノイズの発生を
極力低減することが可能となる。また、スイッチに要求
される耐圧性を緩和することも可能となり、例えば、ス
イッチSW1 におけるサージ吸収回路が不要となる。
【0033】更にまた、ソレノイドアクチュエータの起
動に共振を利用しつつ、電流がゼロとなる時点まで動作
電流を流すようにしているので、スイッチSW1 にサイ
リスタを利用することができ、高電圧の流し出し回路が
安価かつ簡単に構成される。また、サイリスタを利用す
れば、電流=0の時点でサイリスタ自身がオフとなるの
で、オフタイミングの制御が不要となり、タイミング制
御が簡単となる。
【0034】加えて、ソレノイドコイル4に不要に蓄え
られるエネルギーがなくなり、ソレノイドアクチュエー
タに送られるエネルギーを必要最少限のものとすること
ができるので、ソレノイドの発熱が抑制され、そして、
発熱が少なく、かつ、上述したようにサージも小さいこ
とから、ソレノイドアクチュエータを小型化することが
可能となり、それだけ高速化を図ることが可能となる。
しかも、後述するように、ソレノイドコイル4に送られ
るエネルギーのうち不要な分はキャパシタに回収され、
例えば引き続くアクチュエータ動作のための昇圧のため
等に利用することができ、省エネルギーを図ることがで
きる。
【0035】ところで、上述したように、ソレノイドコ
イルの電磁特性によれば、ソレノイドコイル4を流れる
共振電流I1 に対して、ソレノイドコイル4により発生
される磁界、したがって、ソレノイドを作動させる磁力
は位相遅れを持っている。そこで、上記した起動期間T
1 内の共振の半サイクルの後半の1/4サイクルにおけ
るように共振電流I1 が減少しても、磁力は直ちに低下
せず、ソレノイドアクチュエータの起動が減速あるいは
停止されることはない。そして、その磁力が働いている
しばらくの間は、ソレノイドアクチュエータに作動保持
力を供給することは不要となる。本発明によるアクチュ
エータ用ソレノイド駆動装置の第1の実施例は、そのよ
うなソレノイドアクチュエータの作動原理に基づくもの
であり、その回路構成は図1に示されている本発明によ
るアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の基本回路構成
と同等である。
【0036】図3は、この本発明によるアクチュエータ
用ソレノイド駆動装置の第1の実施例における動作波形
の一例を示すタイムチャートであり、上記した本発明に
よるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の基本回路構
成における動作波形を示す図2と同様に、I1 はソレノ
イドアクチュエータ起動用の共振電流、I2 は保持電
流、VC はキャパシタ3の両端電圧、Isol およびV
sol はそれぞれソレノイドコイル4の電流およびその両
端電圧を示している。この第1の実施例においては、起
動期間T1 と保持期間T2 との間に所定時間のスイッチ
SW1 およびスイッチSW2 がオフの期間T3 、すなわ
ち、ソレノイド電流Isol =0の期間が設けられてお
り、この期間T3 において、上記した起動用共振電流I
1 に基づいた残存磁力を所望のレベルにまで低下させる
ことができる。
【0037】この本発明によるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第1の実施例によれば、上記した本発明
によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の基本構成
に基づいてソレノイドの起動の高速化を図り、かつ、不
要なエネルギーを回収することができるとともに、図中
の磁力波形に示されているように、起動後早期に磁力を
バネ力より少し大きい値にまで低下させることができる
ので、残存磁力によるソレノイド復帰時の動作遅れを僅
かなものとすることができ、例えば燃料噴射弁の実閉弁
時間が長引くことは解消される。図4(A)(B)およ
び(C)は、それぞれ、この第1の実施例に基づく実例
を用いて実測したコイル電流(A)、上記した磁力に代
わる推力(kgf) および上記した可動子位置に代わる可動
子移動量(μm)を示している。
【0038】次に、上述した本発明によるアクチュエー
タ用ソレノイド駆動装置の基本構成および第1の実施例
においては、起動期間T1 の後半におけるエネルギー回
収のためのキャパシタ3の再充電は放電前の極性と逆極
性に行われ、その両端電圧V C は図2あるいは図3に示
されているように負の値となる。そのため、例えば次の
燃料噴射のために電源側からキャパシタ3を正極性に再
充電する際に、それを打ち消すために余分なエネルギー
を供給する必要が生じ、回収されたエネルギーの有効利
用が行われていないこととなる。そこで、更に本発明
は、上述したように回収されたエネルギーを有効に利用
するために、以下のような各種の改善策を提案する。
【0039】図5は、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の第2の実施例の構成を示す回路構成
図であり、電圧E0 のバッテリ電源1、DC−DCコン
バータからなる出力電圧V0 の高圧電源回路2、大容量
Cの蓄電用キャパシタ3、インダクタンスLおよび抵抗
Rを有する内燃機関の燃料噴射弁操作のためのアクチュ
エータ用ソレノイドコイル4、起動用の第1のスイッチ
SW1 、保持用の第2のスイッチSW2 および保持回路
の逆流防止用ダイオードD1 は、上記した図1に示され
ている本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装
置の基本回路構成の構成要素と同等である。本実施例に
おいては、更に、キャパシタ3とソレノイドコイル4と
の間に、それらの接続を反転するための同期制御される
二個の二端子スイッチからなる切替スイッチ、例えば、
連動切替スイッチSW3 が設けられている。
【0040】図7は、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の第2の実施例における動作波形の一
例を示すタイムチャートである。例えば燃料噴射信号で
ある制御入力信号から生成された制御信号により第1の
スイッチSW1 および第2のスイッチSW2 が、それぞ
れ、初期のT1 時間および残余のT2 時間オンに制御さ
れる。通常、切替スイッチSW3 は起動用の第1のスイ
ッチSW1 が接続されている端子側、すなわち正の側、
に接続されており、起動用の第1のスイッチSW1 がオ
ンになると、それまでバッテリ電源1を高圧電源回路2
により昇圧した電圧V0 に充電されていたキャパシタ3
の電荷は、切替スイッチSW3 、スイッチSW1 および
ソレノイドコイル4を経て、キャパシタ3の容量Cおよ
びソレノイドコイル4のインダクタンスLにより決定さ
れる共振電流I1 として放電される。
【0041】第1のスイッチSW1 のオン制御時間T1
は、前記した本発明によるアクチュエータ用ソレノイド
駆動装置の基本構成におけるように、共振電流I1 のほ
ぼ半サイクルに設定されており、コイル4の両端電圧V
sol が反転し、共振電流I1が極大値に達した後再びゼ
ロとなる時点においてスイッチSW1 がオフとなる。そ
の後、第2のスイッチSW2 がオンとなり、ソレノイド
コイル4にバッテリ電源1から第2のスイッチSW2
よびダイオードD1 を経て直接に保持電流I2が供給さ
れる。したがって、燃料噴射弁(図示せず)は、共振電
流I1 の初期の1/4サイクルにおいて高速に起動さ
れ、その後、共振電流I1 の後半ほぼ1/4サイクルお
よび保持電流I2 により開弁状態に保たれることとな
る。なお、図2におけると同様に、VC はキャパシタ3
の両端電圧、Isol はソレノイドコイル4の電流を示し
ている。
【0042】このような燃料噴射弁の作動に並行して、
図7に示されているように、例えば、ソレノイドコイル
4の両端電圧Vsol が反転する時点、すなわち、共振電
流I 1 の初期の1/4サイクルに達した時点において、
切替スイッチSW3 がスイッチSW1 が接続されていな
い方の端子の側、すなわち逆の側、に切替えられる。こ
れにより、共振電流I1 の前半の1/4サイクルにおい
てキャパシタ3に充電されていたエネルギーがソレノイ
ドコイル4に移り、次いで、共振電流I1 の後半の1/
4サイクルにおけるキャパシタ3が逆充電される期間
に、切替スイッチSW3 によりキャパシタ3とソレノイ
ドコイル4の接続関係が反転されるので、キャパシタ3
は再び最初の充電極性に充電されることとなる。
【0043】すなわち、ソレノイドアクチュエータの作
動のためにソレノイドコイル4に大量に供給され、そし
て、その高速起動という仕事に消費されるエネルギー以
外のエネルギーはソレノイドコイル4に蓄積されるが、
その蓄積されたエネルギーは再びキャパシタ3を元の極
性に充電し、キャパシタ3に回収されることとなる。し
たがって、図7のキャパシタ3の両端電圧VC の波形に
示されているように、その後、次の燃料噴射のためにキ
ャパシタ3を充電するには、このソレノイドの高速起動
の仕事に消費された不足分ΔVC をバッテリ電源1およ
び高圧電源回路2により補充すればよいこととなる。
【0044】なお、この第1の実施例においては、更に
必要に応じて、高圧電源回路2とキャパシタ3との間に
スイッチスイッチSW4 を挿入し、スイッチSW1 と同
期してオンオフ制御するように構成する。こうすれば、
ソレノイドコイル4に蓄積されたエネルギーがキャパシ
タ3に戻されるタイミングにおいて、キャパシタ3が高
圧電源側から充電されることが防止され、より多くのエ
ネルギーが回収されることとなる。
【0045】このように、本発明によるアクチュエータ
用ソレノイド駆動装置の第2の実施例によれば、アクチ
ュエータ用ソレノイドの高速起動および保持に必要なエ
ネルギーのみが供給され、前述した従来の装置のように
不要に蓄積され、無駄に消費されることがなくなり、エ
ネルギーロスを実質的に保持回路中のダイオードD1
よるもののみとすることができる。こうしてエネルギー
ロスを軽減することができるので、前述したようなアク
チュエータ用ソレノイドの高速化を実現しつつ、シンプ
ルかつ信頼性が高く、しかも、エネルギーロスの少ない
回路設計を可能とし、また、高圧電源回路としてのDC
−DCコンバータの小型化をも可能とするというこの種
高速作動回路の利点に加えて、更にキャパシタの容量、
DC−DCコンバータの出力電圧や電力容量を減少させ
ることができ、小型化かつ低コスト化を図ることが可能
となる。
【0046】図6は、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の第2の実施例の変形実施例の構成を
示す回路構成図であり、図5に示されている第2の実施
例の構成中、切替スイッチSW3 の代わりに、ソレノイ
ドコイル4の両端電圧Vが反転した時にキャパシタ3と
コイル4とを自動的に逆接続するようにブリッジ接続さ
れたダイオードD2 、D3 、D4 およびD5 が設けられ
ており、そして、スイッチSW1 は、例えば図7の動作
波形における波形SW1 中に点線図示されているよう
に、ソレノイドコイル4の両端電圧が正から負に反転す
るタイミングにおいてオフにされる。
【0047】この変形実施例の動作は、基本的には、上
述した第2の実施例と同様である。すなわち、起動用の
第1のスイッチSW1 がオンになると、それまでバッテ
リ電源1を高圧電源回路2により昇圧した電圧V0 に充
電されていたキャパシタ3の電荷は、ダイオードD2
よびD5 、スイッチSW1 およびソレノイドコイル4を
経て、キャパシタ3の容量Cおよびコイル4のインダク
タンスLにより決定される共振電流I1 として放電され
る。なお、この期間においては、ダイオードD 3 および
4 は、逆電圧が印加されているので、導通しない。
【0048】第1のスイッチSW1 のオン制御時間は、
ほぼT1 /2に設定されており、コイル4の両端電圧V
sol が正から負に反転する時点にスイッチSW1 がオフ
となる。それにより、以後の共振電流I1 はダイオード
3 およびD4 を通ることとなり、キャパシタ3に対し
て反転された共振電流I1 によりキャパシタ3は放電前
と同じ極性に充電される。すなわち、放電したエネルギ
ーのうち、ソレノイドの起動に用いられ仕事に消費され
るエネルギーを除いたエネルギーがキャパシタ3に戻さ
れることとなる。なお、それ以後の共振電流I1 は、既
にスイッチSW 1 がオフに制御されているので、流れる
ことはない。
【0049】そして、共振電流I1 のほぼ半サイクル後
に、第2のスイッチSW2 がオン制御され、逆流防止ダ
イオードD1 を経て、それ以後の制御入力信号の継続時
間であるT2 時間中バッテリ電源1から直接コイル4に
保持電流I2 を供給する。また、同時に、第2の実施例
と同様に、キャパシタ3は、回収されたエネルギーに加
えて、バッテリ電源1を高圧電源回路2により昇圧した
電圧V0 によって充電され、消費された不足分ΔVC
補足され、その両端電圧VC は図示のように変化する。
【0050】この本発明によるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第2の実施例の変形実施例によれば、上
記第2の実施例と同様に、ソレノイドコイルに不要に蓄
積され、無駄に消費されるエネルギーロスを軽減しつ
つ、アクチュエータ用ソレノイドの高速化を実現するこ
とができ、更に、同期制御される切替スイッチに代えて
ダイオードによる自動接続切替回路を用いていることか
ら、よりシンプルかつ信頼性が高くなり、更に、小型化
かつ低コスト化を図ることが可能となる。
【0051】図8は、本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の第3の実施例の構成を示す回路構成
図であり、電圧E0 のバッテリ電源1、DC−DCコン
バータからなる出力電圧V0 の高圧電源回路2、大容量
Cの蓄電用キャパシタ3、インダクタンスLおよび抵抗
Rを有する内燃機関の燃料噴射弁操作のためのアクチュ
エータ用ソレノイドコイル4、起動用の第1のスイッチ
SW1 、保持用の第2のスイッチSW2 および保持回路
の逆流防止用ダイオードD1 は、上記した図1に示され
ている本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装
置の基本的構成要素と同等であり、この第3の実施例に
おいては、上記した第2の実施例における極性転換スイ
ッチSW3 に代えて、高圧電源回路2とキャパシタ3と
の間にそれらの接続関係を転換するための連動切替スイ
ッチSW5 および保持回路とソレノイドコイル4との接
続関係を転換するための逆流防止用ダイオードD6 およ
び連動切替スイッチSW6 が設けられている。
【0052】図9は、本発明のアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第3の実施例における動作波形の一例を
示すタイムチャートである。この第3の実施例において
は、図9の切替スイッチSW5 の制御波形およびキャパ
シタ3の両端電圧VC 波形から明らかなように、引き続
く燃料噴射において、電源からのキャパシタ3の充電極
性が反転され、キャパシタ3からソレノイドコイル4に
供給する駆動用電流の極性が反転される。それにより、
上述した図1および図2に示されている本発明によるア
クチュエータ用ソレノイド駆動装置の基本原理において
説明した共振の半サイクルにおいてキャパシタ3に返送
されたエネルギーが、次の燃料噴射のために行われるキ
ャパシタ3の反転された極性への充電に有効利用される
こととなる。
【0053】なお、図示された回路構成においては、切
替スイッチSW5 は保持期間T2 の終了後すなわち一つ
のソレノイドアクチュエータ制御入力の終了後に切替え
られて、キャパシタ3の反転された極性への充電が開始
されるように制御されることが必要であり、そのために
は、高圧電源回路2の出力制御あるいは上記した本発明
の第2の実施例におけるスイッチSW4 と同様なスイッ
チを設けて、キャパシタ3の充電開始を制御することが
有効である。
【0054】このソレノイドコイル4への駆動用電流の
反転と同期して切替スイッチSW6を切替えて、バッテ
リ1から供給されるソレノイドコイル4への保持電流も
反転される。これにより、図中のIsol 波形に示されて
いるように、保持電流もまた起動電流の反転と同期して
その極性が反転されることとなる。なお、反転時の保持
回路は、保持期間中は起動用スイッチSW1 がオフにさ
れており、切替スイッチSW5 の切替えによってはソレ
ノイドコイル4の図中上端とバッテリ1の負極とが接続
されないので、連動切替スイッチSW6 によりそれらを
接続する回路を形成することが必要となるが、例えば、
図中のIsol 波形に点線で示すように、簡単化のために
保持電流を、反転することなく、常に正極性で供給する
ようにすることも可能である。この場合、起動電流の反
転時に、保持電流を供給する際にエネルギーロスが生じ
ることとなるが、保持電流の供給開始時にはほぼコイル
電流はゼロとなっているので、格別大きなロスとはなら
ない。
【0055】この第3の実施例によれば、上記第2の実
施例と同様に、ソレノイドコイル4に不要に蓄積されて
いたエネルギーをキャパシタ3に回収し、かつ、次の燃
料噴射のために回収したエネルギーを有効利用すること
ができるので、エネルギーロスを軽減してアクチュエー
タ用ソレノイドの高速化を実現しつつ、シンプルかつ信
頼性が高く、しかも、小型化かつ低コスト化を図ること
が可能となるとともに、ソレノイドコイル4に交互に逆
向きの電流を流すことによって、アクチュエータの着磁
に基づく磁気飽和のために作動電流が低下する等の性能
劣化を防止することが可能となる。
【0056】図10は、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の第4の実施例の構成を示す回路構
成図であり、電圧E0 のバッテリ電源1、DC−DCコ
ンバータからなる出力電圧V0 の高圧電源回路2、大容
量Cの蓄電用キャパシタ3、インダクタンスLおよび抵
抗Rを有する内燃機関の燃料噴射弁操作のためのアクチ
ュエータ用ソレノイドコイル4、起動用の第1のスイッ
チSW1 、保持用の第2のスイッチSW2 および保持回
路の逆流防止用ダイオードD1 は、上記した図1に示さ
れている本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の基本的構成要素と同等であり、この第4の実施例
においては、上記した第2あるいは第3の実施例におけ
る極性転換スイッチSW3 あるいはSW5 に代えて、キ
ャパシタ3の両端にスイッチSW7 およびダミーコイル
1 が接続されている。
【0057】図9は、本発明のアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第4の実施例における動作波形の一例を
示すタイムチャートである。この第4の実施例において
は、図9のスイッチSW7 の制御波形と、キャパシタ
3、スイッチSW7 およびダミーコイルL1 の閉回路を
流れる電流I3 波形から明らかなように、共振電流I1
の最初のほぼ半サイクルにおいて一旦ソレノイドコイル
4に移ったエネルギーが再びキャパシタ3を逆極性に充
電するように返送された後、適当な時期にスイッチSW
7 が閉成される。それにより、キャパシタ3、スイッチ
SW7 およびダミーコイルL1 の閉回路に、キャパシタ
3に蓄積されていた電荷に基づいて、キャパシタ3とダ
ミーコイルL1 とにより決定される共振電流I3 が流れ
る。
【0058】この共振電流I3 の半サイクルが経過した
時点においてスイッチSW7 が開成されると、キャパシ
タ3から放出されて一旦ダミーコイルL1 へ移ったエネ
ルギーが、再びキャパシタ3を放電前とは逆極性に充電
するように、キャパシタ3に返送された状態で充放電が
停止する。ここでキャパシタ3、スイッチSW7 および
ダミーコイルL1 の閉回路の損失が無視しうる程度のも
のとすれば、キャパシタ3の充電極性は反転されること
となる。この状態において、次の燃料噴射に備えるた
め、高圧電源回路2からキャパシタ3への追加充電が開
始される。したがって、キャパシタ3に回収されたエネ
ルギーは次の燃料噴射のために有効利用されることとな
る。
【0059】この第4の実施例によれば、スイッチとコ
イルとからなる簡単な付加回路をキャパシタに並列に設
けることによって、上記した第2および第3の実施例と
同様に、キャパシタ3に回収されたエネルギーを有効利
用してエネルギーを節約することができるので、アクチ
ュエータ用ソレノイドの高速化を実現しつつ、シンプル
かつ信頼性が高く、しかも、小型化かつ低コスト化を図
ることができる。
【0060】図12は、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の第4の実施例の変形実施例の構成
を示す回路構成図であり、図10に示されている第4の
実施例の構成中の高圧電源回路2をスイッチSW8 およ
びコイルL2 からなる共振を利用したキャパシタ3の充
電回路により置き換えたものである。図13は、本発明
によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の第4の実
施例の変形例における動作波形の一例を示すタイムチャ
ートである。
【0061】この変形実施例の動作に当たっては、ま
ず、初期駆動時、t1 においてスイッチSW8 をオンに
し、バッテリ1、コイルL2 およびキャパシタ3の容量
Cにより共振電流I4 を流す。キャパシタ3が、例え
ば、バッテリ1の電圧E0 の2倍の2E0 に充電される
ように回路定数を選択しておき、その充電状態に達した
時点t2 、例えば、共振電流I4 が0となる半サイクル
後においてスイッチSW8をオフにする。次いで、その
後の適当な時点t3 においてスイッチSW7 をオンに
し、ダミーコイルL1 およびキャパシタ3の容量Cによ
り共振電流I3 を流して、共振の半サイクル後のt4
おいてスイッチSW7 をオフとすることにより上記した
第4の実施例と同様にキャパシタ3の充電極性を反転さ
せてほぼ−2E 0 に充電させる。
【0062】その後、再びt5 においてスイッチSW8
をオンにし、共振電流I4 を流す。この時、キャパシタ
3は−2E0 に充電されているので、キャパシタ3はよ
り大きな共振電流I4 により充電され、スイッチSW8
をオフとするt6 時点においてキャパシタ3の充電電圧
は、例えば、4E0 に達する。次いで、t7 時点にスイ
ッチSW7 をオンにして共振電流I3 を流し、t8 時点
においてスイッチSW 7 をオフとしてキャパシタ3を極
性反転したほぼ−4E0 に充電させる。以下同様にし
て、t9 およびt10の間スイッチSW8 をオンにしてキ
ャパシタ3を例えば6E0 に充電し、次いで、それを反
転し、更に、より高い電圧へ充電する動作を繰り返し、
図示されているように、tn およびtn+1 間の充電によ
り、所望の電圧V0 に達する。
【0063】上記した充電状態が確立された後、前述し
た各実施例と同様に、スイッチSW 1 を閉成してソレノ
イドコイル4に共振電流I1 を流して、アクチュエータ
用ソレノイドを起動させるとともに、キャパシタ3にエ
ネルギーを回収して逆極性に充電する。この時の充電電
圧の大きさはソレノイドの起動に消費されたエネルギー
分低下するので、上記したスイッチSW7 およびスイッ
チSW8 を用いた充電操作を繰り返してキャパシタ3の
充電電圧を元の電圧V0 に復帰させることができる。
【0064】この本発明によるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第4の実施例の変形実施例によれば、上
記した第4の実施例と同様にエネルギーの有効利用を図
ることができるとともに、DC−DCコンバータのよう
な高圧電源回路2を簡略化することができ、より低コス
ト化を実現することができる。更に、この変形例におけ
る昇圧のためのスイッチSW7 およびスイッチSW8
よるスイッチング操作は、電流I3 およびI4 が0の時
点において実行することができるので、軽負担で、か
つ、低ノイズ化を実現することができる。
【0065】以上述べた実施例や変形例においては、キ
ャパシタ3に回収したエネルギーを引き続く燃料噴射の
ための起動用エネルギーに利用しているが、これをソレ
ノイドアクチュエータの作動状態保持用のエネルギーと
して利用することもできる。図14は、そのための本発
明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の第5の
実施例の構成を示す回路構成図であり、この第5の実施
例においては、図1に示されている本発明によるアクチ
ュエータ用ソレノイド駆動装置の基本構成中のスイッチ
SW2 およびダイオードD1 からなる保持回路に代え
て、保持期間T2にキャパシタ3の蓄積エネルギーをソ
レノイドコイル4に供給するための同期切替スイッチS
9-1 、SW9-2 およびSW10-1、SW10-2が設けられ
ている。
【0066】図15は、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の第5の実施例における動作波形の
一例を示すタイムチャートである。同期切替スイッチS
9- 1 、SW9-2 は少なくとも保持期間を除いてキャパ
シタ3の充電に必要な期間、例えば保持期間以外の全期
間中、閉成され、また、同期切替スイッチSW10-1、S
10-2は保持期間のみ閉成されるようになっており、起
動期間T1 にスイッチSW1 がオンとなり、ソレノイド
コイル4に起動用共振電流を流し、余分なエネルギーを
キャパシタ3に回収して、それを逆極性に再充電する。
保持期間T2 においてスイッチSW1 および同期切替ス
イッチSW9-1 、SW9-2 をオフとするとともに、同期
切替スイッチSW10-1、SW10-2をオンにする。
【0067】この第5の実施例においては、図15の動
作波形例に示されているように、一方の切替スイッチS
10-2がパルス状にスイッチング制御されており、キャ
パシタ3の充電電荷をソレノイドコイル4に共振電流と
して一気に流すのではなく、間歇的に保持電流として供
給するようにしている。これにより、前述した従来技術
における図22あるいは図24に示されている動作例と
同様な保持作用を実現することができる。なお、例えば
ダンピングコイルや抵抗により共振電流を抑制しつつ、
この切替スイッチSW10-2を切替スイッチSW10-1と同
様に単にオン制御することも可能であることはいうまで
もない。
【0068】また、上述したキャパシタ3に回収したエ
ネルギーを、ソレノイドアクチュエータの復帰動作の高
速化、例えば、燃料噴射弁の閉弁動作の高速化のため
に、利用することもできる。図16は、そのための本発
明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置の第6の
実施例の構成を示す回路構成図であり、この第6の実施
例においては、図1に示されている本発明によるアクチ
ュエータ用ソレノイド駆動装置の基本構成中のスイッチ
SW2 およびダイオードD1 からなる保持回路に加え
て、保持期間の終了時にキャパシタ3に回収されて蓄え
られている電荷を保持電流路を経てソレノイドコイル4
に放出するためのスイッチSW11が、例えばスイッチS
1 に並列に、設けられている。
【0069】図17は、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の第6の実施例における動作波形の
一例を示すタイムチャートであり、スイッチSW1 のオ
ンによる起動期間T1 においてソレノイドアクチュエー
タを起動した後、キャパシタ3に回収されたエネルギー
は、その後SW2 のオンによる保持期間T2 が経過する
まで蓄えられており、保持期間T2 の終了後のソレノイ
ドアクチュエータの復帰動作期間内の適当な期間T3
間スイッチSW11がオンにされて、キャパシタ3に蓄え
られていた電荷がソレノイドコイル4に放出される。上
述したようにキャパシタ3に回収されたエネルギーはキ
ャパシタ3を逆極性に充電されており、このキャパシタ
3の負電圧がスイッチSW11のオンによりソレノイドコ
イル4に逆向きのソレノイド電流Isol を流し、前述し
たソレノイドアクチュエータの復帰動作時における残留
推力を打ち消す。これにより、ソレノイドアクチュエー
タの推力の低下が速まり、結果として、ソレノイドアク
チュエータの復帰動作時間、例えば、燃料噴射弁の閉弁
時間が短縮されることとなる。
【0070】この本発明によるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第6の実施例によれば、上述した本発明
の基本原理に基づくエネルギー回収作用に基づく省エネ
ルギー効果とともに、回収されたエネルギーをソレノイ
ドアクチュエータの復帰時にソレノイドコイルに放出す
るようにして、ソレノイドアクチュエータの復帰時間、
例えば燃料噴射弁の閉弁時間、の短縮のために有効に利
用することが可能となる。
【0071】上述した本発明によるアクチュエータ用ソ
レノイド駆動装置の基本原理を実現する構成および各種
実施例ならびにそれらの変形実施例においては、ソレノ
イドの起動のために第1のスイッチSW1 をオン制御す
るするT1 時間あるいはソレノイドの作動を保持するた
めの時間T2 の開始時点を共振電流I1 がソレノイドコ
イル4の保持電流にほぼ等しくなる時点、あるいは、共
振電流I1 =0となる時点とすることが望ましいが、燃
料噴射制御すなわち制御入力の最小制御可能時間を確保
するためにT1 時間を最適制御することもできる。図1
8は、そのための本発明によるアクチュエータ用ソレノ
イド駆動装置の第7の実施例の制御原理を示す制御線図
であり、ソレノイドコイル4の保持力、例えば、保持電
流(I2)、の目標値Kと、実際にソレノイドコイル4
に蓄積されているコイルエネルギーEとを比較し、最適
な時間T1 をフィードバック制御する。これにより、ソ
レノイド起動用のT1 時間を不要に長くすることがなく
なり、エネルギーロスを更に低減することが可能とな
る。
【0072】なお、上述した本発明によるアクチュエー
タ用ソレノイド駆動装置の第2の実施例の変形実施例に
おいても、図18に示されている制御原理を用いて、キ
ャパシタ3の放電に必要な時間T1 /2を最適制御する
ことにより、結果として、時間T1 を最適制御すること
ができる。この場合、この変形実施例においては,ソレ
ノイドの起動のためのキャパシタ3の放電時間を制御す
ることができることとなるので、ソレノイドの起動に必
要なエネルギー量に応じた放電量の制御が可能となり、
放電およびエネルギー回収に必要な時間をより最適に制
御するとともに、エネルギー効率を最適なものとするこ
とができる。
【0073】コイルエネルギーEの検出に当たっては、
例えば保持電流の供給開始時点においてソレノイドコイ
ル4に蓄積されているエネルギーを測定することが必要
であり、そのための手段としては、磁気的な手段、例え
ば、簡便な手段としてホール素子を利用することができ
る。図19は、そのための本発明によるアクチュエータ
用ソレノイド駆動装置の第7の実施例におけるソレノイ
ドのコイルエネルギー検出手段の原理を示す概念構成図
であり、ソレノイドコイル4により駆動される例えば燃
料噴射弁操作用のソレノイドコア5の磁気回路中に埋め
込まれたホール素子6により実現することができる。よ
り簡便な構成として、やや感度は低下するが、ホール素
子6をソレノイドコイル4に接触配置することにより、
実現することも可能である。更に、電気的な手段とし
て、例えば、保持電流供給開始時点のソレノイドコイル
4を流れる電流を検出することにより、蓄積されたエネ
ルギー量を測定することも可能である。
【0074】以上述べた本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の第2の実施例以降の各実施例、あ
るいはその変形実施例、においては、図1および図2に
示されている本発明によるアクチュエータ用ソレノイド
駆動装置の基本原理を実現する構成と、図1と同等の回
路構成を用いつつ図3に示されている本発明によるアク
チュエータ用ソレノイド駆動装置の第1の実施例とのい
ずれか一方の構成に対してそれぞれの改善を適用した例
が示されているが、その改善を他方の構成に対しても適
用しうることはいうまでもない。
【0075】また、上述した本発明によるアクチュエー
タ用ソレノイド駆動装置の第5の実施例を除く基本構成
および他の実施例においては、特に明示してはいない
が、前述した従来の装置に用いられている図22あるい
は図24に示されているような保持電流のスイッチング
を組み合わせることが可能である。この場合は、保持電
流のスイッチングを電流=0の近傍で開始することがで
き、また、保持電流自体も低減されていることから、ノ
イズの発生が少なく、また、スイッチング手段の耐圧性
も緩和されることとなる。
【0076】また、上述した本発明によるアクチュエー
タ用ソレノイド駆動装置の基本構成および各種実施例に
おいては、説明の簡便化のために各スイッチ手段として
機械的な接点切替え構成のものを例示して説明がなされ
ているが、これらの一部あるいは全てを電子的素子を用
いて構成することができる。特に、本発明の基本原理に
おける第1のスイッチ等のように、共振電流がゼロとな
る時点においてオフにされるスイッチ手段にサイリスタ
を用いれば、サイリスタが自身でオフすることから、ス
イッチ手段のオフのタイミング制御が不要となり、それ
だけ制御系の設計が簡単となる。
【0077】更に、上述した本発明の実施例の大部分に
おいては、電源としてバッテリの電圧を昇圧する高圧電
源回路を用いているが、本発明によるアクチュエータ用
ソレノイド駆動装置の基本原理および各種実施例におけ
る改善は、非昇圧時においても成立するものであること
はいうまでもない。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明のアクチュエータ
用ソレノイド駆動装置によれば、アクチュエータ用ソレ
ノイドの高速化を実現しつつ、シンプルかつ信頼性が高
く、しかも、エネルギーロスの少ない回路設計を可能と
し、また、高圧電源回路としてのDC−DCコンバータ
の小型化をも可能とするというこの種高速作動回路の利
点に加えて、更にキャパシタの容量、DC−DCコンバ
ータの出力電圧や電力容量を減少させることができ、小
型化かつ低コスト化を図ることが可能となる。
【0079】また、ソレノイドに不要に蓄積されるエネ
ルギーを回収し、回収されたエネルギーを有効に利用し
て、省エネルギー化を図り、かつ、ソレノイドの復帰動
作の高速化を実現することが可能となる。更に、本発明
によるアクチュエータ用ソレノイド駆動装置によれば、
動作制御のための各種のスイッチング動作を動作電流が
ゼロとなった時点において実行することができ、スイッ
チングノイズの発生を低減するとともに、スイッチに要
求される耐圧性を緩和することも可能となる。加えて、
ソレノイドコイルに不要に蓄えられるエネルギーがなく
なり、ソレノイドアクチュエータに送られるエネルギー
を必要最少限のものとすることができるので、ソレノイ
ドの発熱が抑制され、そして、発熱が少なく、かつ、上
述したようにサージも小さいことから、ソレノイドアク
チュエータを更に小型化することが可能となり、それだ
けより高速化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の基本原理を実施するための基本回路構成図であ
る。
【図2】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の基本回路構成における動作波形すなわち基本動作
波形の一例を示すタイムチャートである。
【図3】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第1の実施例における動作波形すなわち基本動作
波形の一例を示すタイムチャートである。
【図4】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第1の実施例の実例に対する実測例を示すタイム
チャートである。
【図5】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第2の実施例の構成を示す回路構成図である。
【図6】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第2の実施例の変形例の構成を示す回路構成図で
ある。
【図7】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第2の実施例における動作波形の一例を示すタイ
ムチャートである。
【図8】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第3の実施例の構成を示す回路構成図である。
【図9】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆動
装置の第3の実施例における動作波形の一例を示すタイ
ムチャートである。
【図10】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第4の実施例の構成を示す回路構成図である。
【図11】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第4の実施例における動作波形の一例を示すタ
イムチャートである。
【図12】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第4の実施例の変形実施例の構成を示す回路構
成図である。
【図13】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第4の実施例の変形実施例における動作波形の
一例を示すタイムチャートである。
【図14】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第5の実施例の構成を示す回路構成図である。
【図15】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第5の実施例における動作波形の一例を示すタ
イムチャートである。
【図16】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第6の実施例の構成を示す回路構成図である。
【図17】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第6の実施例における動作波形の一例を示すタ
イムチャートである。
【図18】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第7の実施例における制御原理を示す制御線図
である。
【図19】本発明によるアクチュエータ用ソレノイド駆
動装置の第7の実施例におけるソレノイドのコイルエネ
ルギー検出手段の一例を示す概念構成図である。
【図20】従来のアクチュエータ用ソレノイド駆動回路
の基本的な構成を示す回路図である。
【図21】従来のアクチュエータ用ソレノイド駆動回路
の動作波形の一例を示すタイムチャートである。
【図22】従来のアクチュエータ用ソレノイド駆動回路
の基本的な構成における各部の動作波形の他の例を示す
タイムチャートである。
【図23】従来のアクチュエータ用ソレノイド駆動回路
の基本的な構成の変形例の構成を示す回路図である。
【図24】従来のアクチュエータ用ソレノイド駆動回路
の基本的な構成の変形例における各部の動作波形を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1…バッテリ電源 2…DC−DCこんばーた 3…キャパシタ 4…ソレノイドコイル 5…ソレノイドコア 6…ホール素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 基志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 稲熊 幸雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41の 1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源により充電されるキャパシタと、ソ
    レノイドアクチュエータを作動させるためのソレノイド
    コイルと、ソレノイドアクチュエータの動作制御時間の
    初期の第1の期間において該キャパシタの充電エネルギ
    ーを該ソレノイドコイルへ放電させてソレノイドアクチ
    ュエータを作動させる放電回路と、該ソレノイドアクチ
    ュエータの動作制御時間のうち該第1の期間を除く残余
    の期間内であって、少なくとも終了時点が一致する第2
    の期間において該電源から該ソレノイドコイルに保持電
    流を供給してソレノイドアクチュエータを動作状態に保
    持する保持回路とを備えたアクチュエータ用ソレノイド
    駆動装置において、 上記放電回路が作動される第1の期間が上記キャパシタ
    と上記ソレノイドコイルとにより決定される共振サイク
    ルのほぼ半サイクルに設定されており、 上記第1の期間内において、上記キャパシタの充電エネ
    ルギーが上記ソレノイドコイルに転送され、その後、再
    び上記キャパシタに回収されるようになっているアクチ
    ュエータ用ソレノイド駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアクチュエータ用ソレ
    ノイド駆動装置において、 放電回路が作動される第1の期間と保持回路が作動され
    る第2の期間との間に所定時間の第3の期間が設定さ
    れ、かつ、該第3の期間において、上記放電回路および
    上記保持回路がともに不作動とされるようになっている
    アクチュエータ用ソレノイド駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載のアク
    チュエータ用ソレノイド駆動装置において、 放電回路がキャパシタとソレノイドコイルとの接続関係
    を反転させるための第1の切替スイッチ手段を有してお
    り、 上記第1の切替スイッチ手段は、上記放電回路が作動さ
    れる第1の期間の後半のキャパシタにエネルギーが回収
    される期間において、上記キャパシタと上記ソレノイド
    コイルとの接続関係を反転させるようになっているアク
    チュエータ用ソレノイド駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2に記載のアク
    チュエータ用ソレノイド駆動装置であって、 キャパシタと電源との接続関係を反転させるための第2
    の切替スイッチ手段を更に備えており、 上記第2の切替スイッチ手段は、引き続くソレノイドア
    クチュエータの動作制御のために上記キャパシタを上記
    電源により充電する際に、上記キャパシタと上記電源と
    の接続関係を反転させるようになっているアクチュエー
    タ用ソレノイド駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2に記載のアク
    チュエータ用ソレノイド駆動装置であって、 キャパシタに並列に接続された第3のスイッチ手段およ
    びダミーコイルの直列接続回路であって、上記第3のス
    イッチ手段が、放電回路が作動される第1の期間の終了
    後で引き続くソレノイドアクチュエータの動作制御の開
    始前の間の適当な時期に、上記キャパシタと上記ダミー
    コイルとにより決定される共振サイクルのほぼ半サイク
    ルの間オンに制御される直列接続回路を更に備え、 上記第3のスイッチ手段のオン制御により、上記キャパ
    シタに回収されたエネルギーに基づいて上記キャパシタ
    と上記直列接続回路とで形成される閉回路に共振電流を
    流し、上記キャパシタを逆充電するようになっているア
    クチュエータ用ソレノイド駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1あるいは請求項2に記載のアク
    チュエータ用ソレノイド駆動装置であって、 ソレノイドアクチュエータの動作制御時間の終了直後に
    所定時間作動され、上記キャパシタに回収されたエネル
    ギーを上記ソレノイドコイルへ放出するための放出回路
    を更に備えたアクチュエータ用ソレノイド駆動装置。
  7. 【請求項7】 電源により充電されるキャパシタと、 ソレノイドアクチュエータを作動させるためのソレノイ
    ドコイルと、 ソレノイドアクチュエータの動作制御時間の初期の第1
    の期間において上記キャパシタの充電エネルギーを上記
    ソレノイドコイルへ放電させてソレノイドアクチュエー
    タを作動させる放電回路であって、該第1の期間が上記
    キャパシタと上記ソレノイドコイルとにより決定される
    共振サイクルのほぼ半サイクルに設定されており、か
    つ、該第1の期間内において、上記キャパシタの充電エ
    ネルギーが上記ソレノイドコイルに転送され、その後、
    再び上記キャパシタに回収されるようになっている放電
    回路と、 上記ソレノイドアクチュエータの動作制御時間のうち上
    記第1の期間を除く残余の期間内であって、少なくとも
    終了時点が一致する第2の期間において、上記キャパシ
    タに回収されたエネルギーに基づいて上記ソレノイドコ
    イルへ保持電流を供給してソレノイドアクチュエータを
    動作状態に保持する保持回路とを備えたアクチュエータ
    用ソレノイド駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    のアクチュエータ用ソレノイド駆動装置であって、 ソレノイドコイルへの保持電流の供給開始時点近傍にお
    けるコイルエネルギーを検出するコイルエネルギー検出
    手段と、 上記コイルエネルギー検出手段により検出されたコイル
    エネルギーに応じて放電回路を作動させる第1の期間を
    フィードバック制御するフィードバック制御手段とを更
    に備えたアクチュエータ用ソレノイド駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000065179A1 (de) * 1999-04-21 2000-11-02 Quante Aktiengesellschaft Verriegelungsanordnung und sicherungssystem mit einer verriegelungsanordnung
JP2005223168A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Mitsubishi Electric Corp 電磁アクチュエータ及びその制御方法
WO2005093239A1 (en) * 2004-03-29 2005-10-06 Mitron Oy Method and device for controlling the fuel supply in a motor
JP2013148202A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Denso Corp 電磁弁の駆動装置
KR102012338B1 (ko) * 2018-12-27 2019-10-21 하나엘텍 주식회사 저전력 구동 솔레노이드

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