JPH08282132A - 昇華性熱転写記録媒体 - Google Patents

昇華性熱転写記録媒体

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JPH08282132A
JPH08282132A JP7093459A JP9345995A JPH08282132A JP H08282132 A JPH08282132 A JP H08282132A JP 7093459 A JP7093459 A JP 7093459A JP 9345995 A JP9345995 A JP 9345995A JP H08282132 A JPH08282132 A JP H08282132A
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JP
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JP7093459A
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Yasuo Sugishita
康雄 杉下
Akira Naito
晃 内藤
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】昇華性熱転写記録媒体に接着層領域を設けるこ
とにより、通常の熱転写方式により画像を形成した後、
同じ熱転写方式により接着層を転写できるようにした昇
華性熱転写記録媒体を提供する。 【構成】基材上にイエロー塗工部、マゼンタ塗工部、シ
アン塗工部が順次塗り分けられている昇華性熱転写記録
媒体において、シアン塗工部とイエロー塗工部の間に接
着層領域を設け、もう一方の昇華転写用記録受像体の染
料受像層上に通常の熱転写方式によりイエロー、マゼン
タ、シアンのカラー画像を形成した後、同じ熱転写方式
により昇華性熱転写記録媒体の接着層を転写し、この画
像記録受像体と被転写材を重ね合わせて加熱、加圧する
ことにより良好な転写画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱昇華性染料を含有す
るインキ層を有する昇華性熱転写記録媒体を使用して、
昇華転写により染料受像層に画像を形成し、さらに画像
が形成された染料受像層上に接着層を形成出来る昇華性
熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビやビデオの画像、或いはコ
ンピューターグラフィックスの画像などからのカラーハ
ードコピーの方法として、良好な階調性表現を実現でき
ることから熱昇華性染料を利用する昇華転写記録方法が
広く利用されるようになっている。この場合の画像形成
の原理は、熱昇華性染料含有インキ層を有する熱転写記
録媒体の当該インキ層側と、熱昇華性染料を受容できる
染料受像層が基材上に積層されている受像体の当該染料
受像層側とを対向させておき、画像情報に応じて熱転写
記録媒体のインキ層を加熱することにより熱昇華性染料
を染料受像層に移行させて画像を形成するものである。
【0003】ところで、このような昇華転写記録方法で
形成された画像を、更に任意の被転写材上に転写するこ
とが広く行われているが、その代表的な方法としては、
予め受像体の染料受像層と反対側の基材面に粘着剤層と
離型シートを積層しておき、染料受像層に画像を形成し
た後に、離型シートを剥がし、受像体を所望の被転写材
の表面に粘着剤層を介して貼付けるという方法がある。
【0004】しかし、このような粘着剤付き受像体を、
薄葉紙、プラスチックフィルム、布或いは軟質のプラス
チックやゴムなどの表面が粗く平滑性の乏しい材料に貼
付けた場合には、剥がれ易いという問題点がある。この
ため、表面が粗く平滑性に乏しい材料に、前記のような
画像を転写する方法として、受像体の染料受像層を基材
から剥離可能としておき、染料受像層に画像を形成した
後に、染料受像層と所望の被転写材の表面とを対向さ
せ、その間にホットメルトタイプの接着シートを介在さ
せ、受像体の基材側からアイロン等で加熱加圧して染料
受像層と被転写材とを接着し、最後に前記の基材を染料
受像層から引き剥すという方法も行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
染料受像層と基材とを粘着材層を介して貼り合わせる方
式では、接着シートを別途に用意する必要があり、この
ことは、受像体と接着シートとをそれぞれ切り抜いて位
置合わせする操作があることから、作業が非常に繁雑に
なってしまう問題があった。本発明は前記従来の技術の
問題点を鑑みなされたものであり、昇華転写用受像体の
染料受像層に通常の昇華転写記録方法でイエロー、マゼ
ンタ、シアンの順に画像を形成した後に、接着層を転写
することで、接着シートを用いることなく任意の被転写
材に、特には表面が粗く平滑性に乏しい被転写材に対し
て、良好に転写することができ、転写後の浮きや剥がれ
が生じたりしない退色性の優れた昇華性熱転写記録媒体
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為に
本発明が提供する手段は、少なくとも基材、剥離層、染
料受像層が、この順に積層されてなる昇華転写記録用受
像体に対し、基材上にイエロー塗工部、マゼンタ塗工
部、シアン塗工部が順次塗り分けられている昇華性熱転
写記録媒体において、シアン塗工部とイエロー塗工部の
間に接着層領域を設けたことを特徴とする昇華性熱転写
記録媒体を提供する。本発明は昇華性熱転写記録媒体の
シアン塗工部とイエロー塗工部の間に接着層を設け、染
料受像層に画像を形成した後に、その染料受像層上に熱
転写方式により前記接着層を転写させ画像記録受像体と
することにより、上述の目的が達成できることを見いだ
したものである。
【0007】以下、図面に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。図1は本発明の昇華性熱転写記録媒体10
の断面図、図2は本発明の昇華性熱転写記録媒体10の
平面図である。昇華性熱転写記録媒体10は、基材11
上にセンサーマーク塗工部12、イエロー塗工部13、
マゼンタ塗工部14、シアン塗工部15、接着層塗工部
16が順次塗り分けられた構造を有する。図3は昇華転
写記録用受像体20の断面図である。この昇華転写記録
用受像体20は基材21、剥離層22、染料受像層23
が順次積層された構造を有する。昇華性熱転写記録媒体
10の基材11は、従来から熱転写記録媒体の基材とし
て使用されているものと同等なものを使用することがで
き、機械的強靭性、柔軟性、耐熱性などを考慮して適宜
選択することができる。
【0008】このような基材11の具体例としては、ポ
リエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレートな
どのポリエステルとか、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサルファ
ン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリア
ミド、アラミドフィルムなどのプラスチックフィルムと
か、上質紙、コート紙、合成紙などの紙基材とか、或い
はこれらを組み合わせたシートなどを例示することがで
きる。なかでも、平滑性、強度、コストなどの点からポ
リエステルフィルムが好ましい。基材11の厚さは特に
限定はないが、プリンターの搬送性等を考慮すると、一
般的には2.5〜50μm、好ましくは3.5〜16μ
mとする。
【0009】センサーマーク塗工部12、イエロー塗工
部13、マゼンタ塗工部14、シアン塗工部15に関し
ては、一般的な昇華性熱転写記録媒体と同様に、熱転写
により染料受像体に画像を形成できるものであればよ
く、色素、塗工厚等を含めて特に限定はしない。
【0010】接着層塗工部16は、画像形成後の画像記
録受像体30の染料受像層24上に熱信号により容易に
全面転写され、染料受像層24を被転写材に転写する場
合、被転写材との接着剤としての働きをする。接着層塗
工部16の主成分としては、被転写材への接着性、柔軟
性などを考慮して熱可塑性樹脂を適宜選択することがで
きる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチ
ラール樹脂、飽和ポリエステル、ポリウレタン、アクリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリアミド、スチレン−ブタジエン共重合
体などの中から1種以上を適宜選択して使用することが
できる。これらの熱可塑性樹脂は、昇華転写記録用受像
体20に形成された染料受像層23に熱信号により転写
された後、画像を被転写材に加熱加圧により転写する場
合にも良好な粘着性を示さなければならない点を考慮す
ると、その融点もしくは軟化点が130℃以下のものが
好ましく、特には50〜100℃のものがより好まし
い。接着層塗工部16の塗布厚は、薄すぎると表面が粗
い被転写材への接着性が不十分となり転写不良が生じ
る。一方、厚すぎると画像品位の低下が生じるだけでな
く、昇華性熱転写記録媒体10の保存性を低下させる。
従って、一般的には1〜20μm、好ましくは3〜10
μmとする。
【0011】図3に示した昇華転写記録用受像体20の
基材21は従来から感熱記録媒体の基材として使用され
ているものと同等なものを使用することができ、機械的
強靭性、柔軟性、耐熱性などを考慮して適宜選択するこ
とができる。このような基材の具体例としては、ポリエ
チレンテフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの
ポリエステルとか、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリサルファン、ポリ
イミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、ア
ラミドフィルムなどのプラスチックフィルムとか、上質
紙、コート紙、合成紙などの紙基材とか、或いはこれら
を組み合わせたシートなどを例示することができる。な
かでも、平滑性、強度、コストなどの点からポリエステ
ルフィルムを好ましく使用できる。基材21の厚さには
特に限定はないが、プリンターの搬送性等を考慮する
と、一般的には25〜250μm、好ましくは75〜2
00μmとする。
【0012】剥離層22は画像が形成された染料受像層
23を任意の被転写材に転写する際、基材21から容易
に剥離し、剥離した後は転写画像の表面保護層として機
能するものである。従って、このような剥離層22とし
ては、基材21からの剥離性が良好で且つ染料受像層2
3と強固に接着し、さらに耐熱性、耐擦過性、耐水性、
耐薬品性等に優れ、熱昇華性染料が浸透、拡散、透過し
にくく、光透過性の材料を使用する。このような材料と
しては、例えば、ブチラール樹脂、飽和ポリエステル、
ポリウレタン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、スチ
レン−ブタジエン共重合体などの種々の熱可塑性樹脂
や、これらの架橋生成物、或いはフェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、けい素樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド、シリ
コーン樹脂などの熱硬化性樹脂の中から1種以上を適宜
選択して使用することができる。また前記のように、剥
離層22は転写画像の表面保護層として機能するもので
あるから、転写画像の色あせや黄ばみを防止するため
に、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。含有量
は、一般的には0.01から20%、好ましくは0.0
5から10%とする。剥離層22の厚みには特に制限は
ないが、薄すぎると被転写材に転写した染料画像の種々
の耐性が低下し、厚すぎると画像品位の低下が生じるの
で、一般的には、1〜10μmとすることが好ましい。
【0013】染料受像層23は、昇華性熱転写記録媒体
10のインキ層の昇華性染料を受容して画像が形成され
る層である。このような染料受像層23としては、染料
染着性を有する、ブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタ
ジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセター
ル、エポキシ、ケトン、或いはこれらの変性樹脂やブレ
ンド品などの熱可塑性樹脂や、これらの架橋生成物、等
を使用することができる。これらは単独でも2種以上を
混合してもよい。染料受像層23の厚さは、薄すぎると
画像の反射濃度が低下し、十分な画像を形成することが
困難になる。一方、厚すぎると色のにじみ等の画像品位
の低下が生じる。従って、一般的には1〜30μm、好
ましくは3〜10μmとする。なお、染料受像層23に
は、画像形成時の昇華性熱転写記録媒体への熱融着を防
止する目的で、種々の離型剤を含有させることが好まし
い。このような離型剤としては、公知の離型剤を適宜選
択して使用することができる。例えば、シリコーン系、
フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや、
界面活性剤や、金属酸化物、シリカ、等の各種フィラー
等が使用でき、中でも、シリコーンオイルを使用するこ
とが好ましい。また、その添加量は、染料受像層23の
構成条件により異なるが、一般的には、1〜30重量%
で配合することが好ましい。
【0014】本発明の昇華性熱転写記録媒体を構成する
各層叉は各塗工部には、必要に応じて各種の添加剤を添
加することができ、例えば、接着強度を調整するための
フィラーや界面活性剤、層の柔軟性や強度を向上させる
ための可塑剤や硬化剤などを添加することができる。本
発明の昇華性熱転写記録媒体は常法により製造すること
ができ、基材上に各塗工部をグラビア塗工方式により塗
工、乾燥することで製造することができる。昇華転写記
録用受像体についても、同様にグラビア塗工方式を用い
て、剥離層、染料受像層をそれぞれ塗工、乾燥すること
で製造することができる。
【0015】本発明の昇華性熱転写記録媒体を用いて染
料画像を形成する場合、通常のプリンターを用いて行う
ことができる。なお、プリンターとしては、被転写材に
染料受像層を転写するときに画像が反転するので、原稿
ソースに対し鏡像画像を形成できるものが好ましい。図
1、図2に示した本発明の昇華性熱転写記録媒体を用い
て、図3に示した昇華転写記録用受像体20の染料受像
層23に染料画像を転写し染料受像層23aを形成す
る。この染料受像層23a上に昇華性熱転写記録媒体の
接着層16を熱転写により全面転写し、接着層16aが
形成され、図4に示す画像記録受像体30を得る。この
染料受像層23aの画像を被転写材に転写する場合に
は、画像記録受像体30の接着層16aを被転写材に重
ね、市販の熱ロールを利用したラミネーターや熱板を用
いたホットプレス機、ホットスタンプ機、或いは家庭用
アイロンなどの加熱手段で、画像記録受像体30の基材
21側から加熱、加圧することにより接着層16aを被
転写材に接着させ、最後に基材21を剥離層22から剥
離する。
【0016】
【作用】本発明の昇華性熱転写記録媒体を使用すること
により、昇華転写記録方法により画像形成する時と同一
の装置、プロセスで接着層を昇華転写記録受像体の染料
受像層に精度良く転写できる。さらに接着層が転写され
た昇華転写記録受像体を加熱、加圧することにより、任
意の被転写材、特に表面が粗く平滑性に乏しい被転写材
に対して、良好に転写することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。まず、昇華性熱転写記録媒体10については以下の
方法で作成した。厚さ5.4μmの透明なポリエチレン
テレフタレートフィルム(ダイアホイル製、商品名:K
203E)からなる基材11の片面に以下の配合組成の
耐熱滑性層形成用組成物を、もう一方の面に、センサー
マーク形成用組成物、イエロー形成用組成物、マゼンタ
形成用組成物、シアン形成用組成物、接着層用アンカー
形成用組成物、接着層形成用組成物を使用して、グラビ
ア方式により塗工、乾燥を繰り返し、1.5μm(乾燥
厚)のセンサーマーク塗工部12、イエロー塗工部1
3、マゼンタ塗工部14そしてシアン塗工部15を塗り
分け、0.5μm(乾燥厚)の接着層用アンカー層を塗
工し、10μm(乾燥厚)の接着層塗工部16をその上
に積層するように塗工することにより、昇華性熱転写記
録媒体を作製した。
【0018】昇華性熱転写記録媒体10の塗工部に使用
した塗工形成用組成物の1例。 <耐熱滑性層> ・シリコーン樹脂(信越化学製、商品名:KS−770A) 15重量部 ・硬化剤(信越化学製、商品名:PL−8) 0.1重量部 ・トルエン 70重量部 ・メチルエチルケトン 15重量部 <センサーマーク塗工部> ・顔料(御国色素製、商品名:MHIブラック220) 15重量部 ・ポリエステル樹脂(ユニチカ製、商品名:XA−7026) 20重量部 ・トルエン 35重量部 ・メチルエチルケトン 30重量部 <イエロー塗工部> ・染料(日本化薬製、商品名:Kayacet Yellow AG) 20重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡製、商品名:バイロン200) 20重量部 ・トルエン 30重量部 ・メチルエチルケトン 30重量部 <マゼンタ塗工部> ・染料(日本化薬製、商品名:Kayacet Red 026) 20重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡製、商品名:バイロン200) 20重量部 ・トルエン 30重量部 ・メチルエチルケトン 30重量部 <シアン塗工部> ・染料(三菱化学製、商品名:HSB9) 20重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡製、商品名:バイロン200) 20重量部 ・トルエン 30重量部 ・メチルエチルケトン 30重量部 <接着層用アンカー層> ・ポリアミド樹脂(富士化成製、商品名:トーマイト1310)10重量部 ・トルエン 30重量部 ・イソプロピルアルコール 60重量部 <接着層> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 20重量部 (ユニオンカバイド製、商品名:VMCC) ・シリカ(富士デビソン製、商品名:サイリシア620) 5重量部 ・メチルエチルケトン 75重量部
【0019】次に、昇華転写記録用受像体20に関して
は以下の方法により作製した。厚さ150μmの乳白色
のポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイル
製、商品名:W400)からなる基材21の片面に剥離
層形成用組成物、染料受像層形成用組成物を順次使用し
て、グラビア方式により塗工、乾燥を繰り返し、2μm
(乾燥厚)の剥離層22、5μm(乾燥厚)の染料受像
層23を積層することにより、本発明の昇華転写記録用
受像体20を作製した。
【0020】昇華転写記録用受像体20の各層の塗工に
使用した塗工形成用組成物の1例。 <剥離層> ・ブチラール樹脂(積水化学製、商品名:SLec−BH3) 10重量部 ・紫外線吸収剤(チバ・ガイギー製、商品名:チヌビン 327)5重量部 ・エチルアルコール 55重量部 ・メチルエチルケトン 30重量部 <染料受像層> ・ポリエステル樹脂(東洋紡製、商品名:バイロン220) 20重量部 ・硬化剤(旭化成製、商品名:デュラネート24A−100) 2重量部 ・トルエン 39重量部 ・メチルエチルケトン 39重量部
【0021】得られた昇華性熱転写記録媒体10と昇華
転写記録用受像体20を用いて、画像記録受像体30を
得た。その受像体30に関して、以下に示す条件(条件
1、条件2)で被転写材に転写して、浮きや剥がれにつ
いて試験した。比較として、受像体の染料受像層と反対
側の基材面に粘着剤層と離型シートを兼ね備えた受像体
に関しても、本発明品と同じように、浮きや剥がれにつ
いて試験した。 条件1 被転写材:布地(木綿100%) 転写方法:画像記録受像体30の裏側からアイロンで9
0秒間、加熱、加圧(180℃、100g/cm2 )し
た後に、受像体のポリエチレンテレフタレート基材を剥
離層との界面で剥離。 条件2 被転写材:木板 転写方法:画像記録受像体30の裏側から熱ロールで6
0秒間、加熱、加圧(200℃、2000g/cm2
した後に、受像体のポリエチレンテレフタレート基材を
剥離層との界面で剥離。
【0022】条件1、条件2の何れに関しても室温放置
下で、1週間後の被転写材からの浮きや剥がれについて
みると、受像体の染料受像層と反対側の基材面に粘着剤
層と離型シートを兼ね備えた受像体はエッジの部分から
浮き剥がれてしまっているのに対して、本発明の昇華性
熱転写記録媒体を用いて被転写材に転写した物は何れの
条件下でも全く浮き剥がれは見られなかった。さらに、
1ヶ月後観察してみても、本発明品は全く浮き剥がれは
見られなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明の昇華性熱転写記録媒体を使用す
ることにより、通常の昇華転写記録方法により画像形成
する時と同一の装置、プロセスで接着層を昇華転写記録
用受像体の染料受像層に精度良く転写できる。さらに接
着層が転写された昇華転写記録用受像体の染料受像層は
加熱、加圧することにより、任意の被転写材、特に表面
が粗く平滑性に乏しい被転写材に対して、良好に転写す
ることができ、転写後の浮きや剥がれが生じたりしない
で、退色性の優れた昇華転写記録用受像体を含む昇華性
熱転写記録媒体を提供することができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の昇華性熱転写記録媒体の断面図を示す
説明図である。
【図2】本発明の昇華性熱転写記録媒体の平面図を示す
説明図である。
【図3】本発明の昇華性熱転写記録媒体を使用して画
像、接着層転写を行うために使用した昇華転写記録受像
体の断面図を示す説明図である。
【図4】本発明の昇華性熱転写記録媒体と昇華転写記録
用受像体を使用して得られた画像記録受像体の断面図を
示す説明図である。
【符号の説明】 10…昇華性熱転写記録媒体 11…基材 12…センサーマーク塗工部 13…イエロー塗工部 14…マゼンタ塗工部 15…シアン塗工部 16…接着層塗工部 16a…昇華転写記録用受像体に転写された接着層 20…昇華転写記録用受像体 21…基材 22…剥離層 23…染料受像層 23a…画像が形成された染料受像層 30…画像記録受像体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材、剥離層、染料受像層が順次積層され
    てなる昇華転写記録用受像体に昇華転写により画像を形
    成する昇華性熱転写記録において、基材上に少なくとも
    イエロー塗工部、マゼンタ塗工部、シアン塗工部が順次
    塗り分けられている昇華性熱転写記録媒体において、シ
    アン塗工部とイエロー塗工部の間に接着層塗工部を設け
    たことを特徴とする昇華性熱転写記録媒体。
JP7093459A 1995-04-19 1995-04-19 昇華性熱転写記録媒体 Pending JPH08282132A (ja)

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