JPH08281857A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH08281857A
JPH08281857A JP7162097A JP16209795A JPH08281857A JP H08281857 A JPH08281857 A JP H08281857A JP 7162097 A JP7162097 A JP 7162097A JP 16209795 A JP16209795 A JP 16209795A JP H08281857 A JPH08281857 A JP H08281857A
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transparent
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thin film
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Fumiharu Yamazaki
文晴 山崎
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明高分子基体10の一方の主面上に、第1
層として主として酸化インジウムからなる透明導電層2
0を形成し、さらにその上に第2層としてスパッタリン
グ法によって形成された銅からなる金属薄膜層30を形
成した、発光輝度の経時劣化を抑えた、エレクトロルミ
ネッセンスディスプレイの透明電極として好適に使用し
うる透明導電性積層体。 【効果】 耐環境性に優れ、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイの透明電極に適した透明導電性積層体を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明導電性積層体に関
し、より詳しくはエレクトロルミネッセンスディスプレ
イの透明電極として好適に使用できる、耐環境性に優れ
た透明導電性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電性積層体は従来、液晶ディスプ
レイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、エレク
トロルミックディスプレイなどの表示素子の電極、太陽
電池などの光電変換素子の窓電極、電磁波シールドの電
磁波遮蔽膜、あるいは透明タッチパネルなどの入力装置
の電極として利用されている。従来公知の透明導電層と
しては金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属薄膜と、
酸化インジウム、酸化第二スズ、酸化亜鉛などの酸化物
半導体薄膜とが知られている。前者の貴金属薄膜は抵抗
値の低いものは容易に得られるが透明性に劣る。後者の
酸化物半導体薄膜は抵抗値は貴金属薄膜に若干劣るが、
透明性に優れているため広く利用されている。その中で
も酸化スズを含有した酸化インジウム薄膜は低抵抗で透
明性に優れているため広く利用されている。スズをドー
プした酸化インジウム薄膜の抵抗率は通常5×10-5
1×10-3Ω・cm程度、透過率は一般に80〜90%
である。
【0003】エレクトロルミネッセンスディスプレイは
透明基体上に透明導電膜を形成した透明導電性基体をベ
ースにし、上記透明導電膜上に発光体層、絶縁層及び背
面電極を順次形成し、さらに全体を透明防湿層で被覆し
た構造のものが知られている。透明導電膜には酸化ス
ズ、酸化インジウム等が、発光体層には硫化亜鉛、硫化
カドミウム、セレン化亜鉛等が、絶縁層には誘電率の高
い酸化イットリウム、窒化シリコン、酸化タリウム等
が、背面電極にはアルミニウムが用いられている。
【0004】従来エレクトロルミネッセンスディスプレ
イ用透明導電性基体には、ガラスを基体にしたものが用
いられてきた。上記透明導電性基体には、発光層で発光
した可視光を効率的に外部に放出させるために透明性に
優れていること、駆動電圧の点からシート抵抗がある程
度低いことに加え、長時間の使用に耐えることが要求さ
れるが、ガラスを基体とした場合には基体温度を400
℃程度にまで加熱できるため、化学的に安定な結晶性透
明導電層が形成でき、透明性、及び耐環境性に優れた透
明導電性基体が容易に得られるためである。しかしなが
ら、ガラスを基体とした場合には、割れやすい、重い、
薄型化に限度がある、といった問題があった。そのた
め、割れにくく、薄くて軽い透明高分子基体を用いた透
明電極が強く求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】透明高分子基体をエレ
クトロルミネッセンスディスプレイ用透明電極に使用す
る場合、透明導電層を形成する際の基体の加熱温度は、
高分子基体の耐熱温度に制限されるため通常200℃以
下にしなければならない。そのため耐環境性に優れた結
晶性酸化インジウムを形成するのは容易ではない。エレ
クトロルミネッセンスディスプレイ用透明導電性基体と
して使用するためには、少なくとも可視光透過率80%
以上、シート抵抗1000Ω/□以下が要求される。透
明高分子フィルムの一方の主面に、主として酸化インジ
ウムからなる透明導電層を10nm以上形成すれば、可
視光透過率80%以上、シート抵抗1000Ω/□以下
の透明導電性フィルムを作製できるが、これをエレクト
ロルミネッセンスディスプレイ用透明電極としてそのま
ま使用すると、発光層である硫化亜鉛あるいは硫化カド
ミウム等と、主として酸化インジウムからなる透明導電
層とが直接接触するため、電圧を印加し長時間ルミネッ
センス発光を継続させると発光層と透明導電層との界面
が劣化し発光輝度が比較的早期に減衰してしまうという
問題があった。
【0006】発光層と透明導電膜との界面の劣化を抑制
する方法として、劣化の発生する主として酸化インジウ
ムからなる透明導電層上にパラジウムを積層させ、透明
導電層が発光層に直接接触しないようにする方法が開示
されていた(特開昭62−18254号公報)。しかし
ながら、パラジウムの積層は、該金属が高価な材料であ
るために価格を大きく引き上げることとなり、業界から
安価でなおかつ耐環境性に優れたエレクトロルミネッセ
ンスディスプレイ用透明導電性基体が強く求められてい
た。また、パラジウムを含めそれ以外の金属、例えば、
インジウム、スズ、アルミニウム、クロムなどを、具体
的には実施例に示すように蒸着法にて主として酸化イン
ジウムからなる透明導電層上に積層した透明導電性基体
についても提案されている(特開平6−71804号公
報)。しかしながら、これらはエレクトロルミネッセン
スデスプレイの初期の発光ムラの抑制には効果がある
が、発光輝度低下という経時劣化の抑制には必ずしも顕
著な効果がみられないことを我々は見い出した。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、発光ムラを抑
え、さらに発光層と透明導電層との間の界面の劣化を抑
制し、発光を継続させた時の劣化を抑えエレクトロルミ
ネッセンスディスプレイの長寿命化を計ることができ、
なおかつ可視光透過率80%以上でシート抵抗が100
0Ω/□以下の透明導電性積層体を安価に提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スパッタリ
ング法で形成した銅がエレクトロルミネッセンスディス
プレイの発光継続時の輝度低下を著しく抑制する効果が
あることを見いだし、また透明高分子基体の一方の主面
に、少なくとも、厚さが10〜200nmの、主として
酸化インジウムからなる透明導電層を形成し、さらにそ
の上に、厚さが1〜20nmで、銅からなる金属薄膜層
をスパッタリング法で形成することにより、銅以外の金
属薄膜層を積層するよりも耐環境性が著しく改善される
ことを見いだし本発明を完成するにいたった。
【0009】すなわち、本発明は、透明高分子基体
(A)の一方の主面に、少なくとも、主として酸化イン
ジウムからなる透明導電層(B)と、スパッタリング法
により形成した銅からなる金属薄膜層(C)と、をAB
Cなる構成で形成した、発光輝度の経時劣化を抑えた、
エレクトロルミネッセンスディスプレイの透明電極とし
て好適に使用しうる透明導電性積層体であり、また、好
ましくは、主として酸化インジウムからなる透明導電層
(B)の厚さが10〜200nm、スパッタリング法で
形成した銅からなる金属薄膜層(C)の厚さが1〜20
nmである透明導電性積層体に関するものである。
【0010】本発明は、添付図面の図1をもって説明す
るに、透明高分子基体(A)(10)の一方の主面に、
主として酸化インジウムからなる透明導電層である第1
層(B)(20)と、スパッタリング法により形成した
銅からなる金属薄膜層である第2層(C)(30)と、
を順次形成した透明導電性積層体である。そして好まし
くは、該主として酸化インジウムからなる透明導電膜
(B)の厚さが10〜200nm、スパッタリング法に
より形成した銅からなる金属薄膜層(C)の厚さが1〜
20nmである透明導電性積層体に関するものである。
【0011】本発明において使用する高分子基体として
は、透明性を有するプラスチック成形体が使用できる。
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル
サルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボ
ネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げられ
る。これら高分子基体は透明導電層を形成する主面が平
滑であれば板状であってもフィルム状であってもよい。
板状の高分子基体は寸法安定性と機械的強度に優れてい
るため特にそれが要求される場合には好適に使用でき
る。また高分子フィルムは可撓性を有しており透明導電
層をロールツロール法で連続的に形成することができる
ため、これを使用した場合には効率よく透明導電性基体
を生産できる故にこれもまた好適に使用できる。この場
合フィルムの厚さは通常10〜250μmのものが用い
られる。フィルムの厚さが10μm以下では、基材とし
ての機械的強度に不足し、250μm以上では可撓性が
不足するためフィルムをロールで巻きとって利用するの
に適さない。
【0012】上記透明高分子基体のなかでもポリエチレ
ンテレフタレートは透明性及び加工性に優れているため
より好適に利用できる。また、ポリエーテルサルフォン
は耐熱性に優れているため、透明導電性積層体作製後に
熱処理を必要とする場合、また該透明導電性積層体を使
用してエレクトロルミネッセンスディスプレイを組み立
てる際に加熱処理を必要とする場合に、より好適に使用
できる。
【0013】この透明高分子基体はその表面に予めスパ
ッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、
電子線照射などのエッチング処理や、下塗り処理を施し
てこの上に形成される主として酸化インジウムからなる
透明導電層の上記フィルムに対する密着性を向上させる
処理を施してもよい。また、主として酸化インジウムか
らなる透明導電層を成膜する前に、必要に応じて溶剤洗
浄や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよい。
【0014】本発明においては、かかる透明高分子基体
の一方の主面に主として酸化インジウムからなる透明導
電層を第1層として形成する。該透明導電層は抵抗率を
低くするためにスズを混合しても良い。通常3〜20重
量%程度のスズを含有させることにより抵抗率を低下さ
せることができ、より薄い膜厚で必要とされるシート抵
抗値を有する透明導電層が形成できる。
【0015】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の厚さは通常10nm〜200nmが好ましい。透明
導電層の厚さは、そのシート抵抗値及び可視光透過率に
影響する。シート抵抗値を小さくするためには、該透明
導電層の厚さをできる限り厚くすればよいが、厚くする
と可視光透過率が低下してしまう。そのため、要求され
るシート抵抗値及び可視光透過率によって該透明導電層
の厚さが決定される。該透明導電層の厚さが10nm以
下であるとシート抵抗値が1000Ω/□よりも高くな
ってしまうため、これをエレクトロルミネッセンスディ
スプレイの透明電極として使用するには不適である。シ
ート抵抗値を下げるためには膜厚を厚くすればよいが、
200nm以上になると可視光透過率が低くなってしま
うためこれもまた好ましくない。
【0016】すなわち、透明高分子基体の一方の主面
に、厚さが10〜200nmの主として酸化インジウム
からなる透明導電層を形成することで、エレクトロルミ
ネッセンスディスプレイの透明電極に要求されるシート
抵抗値及び可視光透過率を有する透明導電性積層体が得
られるわけであるが、該透明導電層は耐環境性に劣って
いて、これをそのまま透明電極に使用してエレクトロル
ミネッセンスディスプレイを形成し、電圧を印加して発
光を継続させると比較的早期に発光強度が減衰してしま
う。
【0017】そのため本発明においては、上記の如く主
として酸化インジウムからなる透明導電層を形成した
後、さらにこの上に、スパッタリング法によって銅から
なる金属薄膜層を成膜する。該層を設けるのは、酸化イ
ンジウムと発光層である硫化亜鉛あるいは硫化カドミウ
ム等とが直接接触することによる主として酸化インジウ
ムからなる透明導電層の劣化を防ぐためである。すなわ
ち、銅からなる金属薄膜層を、主として酸化インジウム
層上に設けることで、主として酸化インジウムからなる
透明導電層と硫化亜鉛あるいは硫化カドミウム等の発光
層とが直接接触することを防ぎ、しかも表面に積層した
銅は硫化亜鉛あるいは硫化カドミウム等の発光層に対す
る耐久性に優れているため、発光を継続した際に生じる
発光輝度の低下といった劣化を著しく抑制することがで
きるのである。
【0018】ここで留意しなければならないのは、銅か
らなる金属薄膜層の成膜方法はスパッタリング法によら
なければならないことである。金属薄膜を形成する手段
としてはスパッタリング法以外にも、蒸着法が簡便な方
法として知られている。しかしながら、蒸着法で形成し
た銅からなる金属薄膜層を用いて作製したエレクトロル
ミネッセンス素子は、初期の発光ムラは抑制できるもの
の、発光輝度の経時劣化(耐久性)に関しては顕著な効
果がみられない。すなわち、エレクトロルミネッセンス
素子の発光継続時の経時劣化を抑制するためには、銅か
らなる金属薄膜層をスパッタリング法で形成する必要が
あるのである。
【0019】スパッタリング法によって形成した銅から
なる金属薄膜層の厚さは1〜20nmが好ましい。さら
に好ましくは1〜10nmである。この厚さが1nmよ
り薄いと耐環境性向上の効果が得られないため好ましく
ない。すなわち、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イの透明電極として耐環境性を付与させるためには少な
くとも1nmより厚い銅からなる金属薄膜層が必要なの
である。また、この厚さが20nmより厚いと透明性が
損なわれるのに加え、該層の積層による耐環境性の改善
は20nm以下の厚さで十分なされているため、いたず
らに成膜時間をかけ厚い層を形成するのは好ましくな
い。経済的には該層の厚さは耐環境性を損なわない範囲
内でなるべく薄い方が好ましく、10nmの厚さで耐環
境性は十分得られるため該金属薄膜層の厚さは、1〜1
0nmがより好ましい。
【0020】なお、大気中に放置された金属は、その表
面に数nmの自然酸化層が形成されることが知られてい
る。従って本発明におけるスパッタリング法により形成
した銅からなる金属薄膜層(C)にも自然酸化層が形成
されていると考えられる。この場合、金属薄膜層におけ
る最表面の数nmは酸化銅になっていると予想される。
【0021】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の成膜方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法といった従来公知の物理的気相
成長法のいずれも採用できる。スパッタリング法におい
ては、ターゲットに酸化インジウムあるいはスズを含有
した酸化インジウムを、スパッタガスにアルゴン等の不
活性ガスを用いた直流(DC)あるいは高周波(RF)
マグネトロンスパッタ法が利用できる。また、透明導電
層の透明性および導電性を高くするためにスパッタガス
中に0.1〜20流量%の酸素ガスを混合しても良い。
また、ターゲットにインジウムあるいはスズ・インジウ
ム合金を、スパッタガスにアルゴン等の不活性ガスを、
反応性ガスに酸素ガスを用いた直流あるいは高周波反応
性スパッタリング法も好適に利用できる。この方法では
透明導電層の透過率および導電性が、反応性ガスである
酸素ガスの分圧に非常に敏感に影響するので、その制御
を厳密に行うことが好ましい。上記のスパッタリング法
はいずれも、透明性及び導電性に優れた透明導電層が容
易に得られるため、好適に利用できる。
【0022】一方、銅からなる金属薄膜層の成膜方法は
前述したようにスパッタリング法を用いなければならな
い。スパッタリング法においては、ターゲットに銅を、
スパッタガスにアルゴン等の不活性ガスを用いた、直流
あるいは高周波スパッタリング法が利用できる。スパッ
タ圧は、装置によって異なるが、放電し得る範囲なら特
に制限はなく、通常1〜10mTorr程度である。基
板温度については、高分子基板が熱で変形しない範囲な
らよく、通常室温〜150℃である。
【0023】上記の方法により得られた透明導電性フィ
ルムを、耐環境性を向上させるために、熱処理(アニー
リング)を施してもよい。熱処理温度は通常、100〜
200℃程度である。
【0024】上記の方法により形成した透明導電層の原
子組成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合プ
ラズマ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RB
S)等により測定できる。またこれらの膜厚は、オージ
ェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡による断
面観察等により測定できる。
【0025】以上のように、本発明においては、高分子
透明フィルムの一方の主面に、少なくとも、第1層とし
て主として酸化インジウムからなる透明導電層を形成
し、その上に第2層として銅からなる金属薄膜層を形成
することにより、耐環境性に優れエレクトロルミネッセ
ンスディスプレイの透明電極に適した透明導電性基体を
提供することができる。
【0026】なお、本発明においては、このようにして
形成した透明導電性積層体の金属薄膜層上に、例えば、
硫化亜鉛粉末等をアセトン等の適当な溶液中に分散させ
た液を塗布し、常法により加熱処理して発光層を形成
し、その上にチタン酸バリウム粉末をアセトン溶液中に
分散させた液を塗布し、同様に常法により加熱処理を行
うことにより誘電体層(絶縁層)を形成し、さらに、そ
の上から背面電極としてアルミニウム等を重ね加熱処理
後、防湿フィルム2枚で挟み込みエレクトロルミネッセ
ンス発光体を得ることができる。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。 〔実施例1〕ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ188μm)の一方の面に、第1層として、ターゲッ
トに酸化スズを5重量%含有した酸化インジウムを、ス
パッタリングガスにアルゴンガス、反応性ガスに酸素ガ
ス(流量比、アルゴン:酸素=10:0.1)を用い
て、3mTorrの雰囲気の下で、DCマグネトロン反
応性スパッタリング法により厚さ50nmの透明導電層
を形成した。さらにその上に、第2層として、ターゲッ
トに銅を、スパッタリングガスにアルゴンガスを用い
て、3mTorrの雰囲気下で、DCマグネトロンスパ
ッタリング法により厚さ5nmの金属薄膜層を形成し、
2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0028】〔実施例2〜実施例4〕第2層の金属薄膜
層の厚さを1nm(実施例2)、10nm(実施例
3)、20nm(実施例4)とした以外は実施例1と同
じ手法で2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0029】〔実施例5〜実施例6〕第1層の透明導電
層の厚さを10nm(実施例5)、200nm(実施例
6)とした以外は実施例1と同じ手法で2層構成の透明
導電性積層体を作製した。
【0030】〔比較例1〕第2層の金属薄膜層を形成し
なかったこと以外は実施例1と同じ手法で1層構成の透
明導電性積層体を作製した。
【0031】〔比較例2〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにパラジウムを用いて、パラジウムからなる金属薄
膜層を形成したこと以外は、実施例1と同じ手法で2層
構成の透明導電性積層体を作製した。
【0032】〔比較例3〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにチタンを用いて、チタンからなる金属薄膜層を形
成したこと以外は、実施例1と同じ手法で2層構成の透
明導電性積層体を作製した。
【0033】〔比較例4〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにインジウムを用いて、インジウムからなる金属薄
膜層を形成したこと以外は、実施例1と同じ手法で2層
構成の透明導電性積層体を作製した。
【0034】〔比較例5〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにスズを用いて、スズからなる金属薄膜層を形成し
たこと以外は、実施例1と同じ手法で2層構成の透明導
電性積層体を作製した。
【0035】〔比較例6〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにクロムを用いて、クロムからなる金属薄膜層を形
成したこと以外は、実施例1と同じ手法で2層構成の透
明導電性積層体を作製した。
【0036】〔比較例7〕第2層を形成する際、ターゲ
ットにアルミニウムを用いて、アルミニウムからなる金
属薄膜層を形成したこと以外は、実施例1と同じ手法で
2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0037】〔比較例8〕第2層を形成する際、ターゲ
ットに銀を用いて、銀からなる金属薄膜層を形成したこ
と以外は、実施例1と同じ手法で2層構成の透明導電性
積層体を作製した。
【0038】〔比較例9〕ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ188μm)の一方の面に、第1層とし
て、ターゲットに酸化スズを5重量%含有した酸化イン
ジウムを、スパッタリングガスにアルゴンガス、反応性
ガスに酸素ガス(流量比、アルゴン:酸素=10:0.
1)を用いて、3mTorrの雰囲気の下で、DCマグ
ネトロン反応性スパッタリング法により厚さ50nmの
透明導電層を形成した。さらにその上に、第2層とし
て、蒸着源に銅を用いて、5×10-5Torrの雰囲気
下で、電子ビーム蒸着法により厚さ5nmの金属薄膜層
を形成し、2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0039】〔比較例10〕第2層の金属薄膜層の厚さ
を50nmとした以外は実施例1と同じ手法で2層構成
の透明導電性積層体を作製した。
【0040】〔比較例11〜比較例12〕第1層の透明
導電層の厚さを5nm(比較例11)、400nm(比
較例12)とした以外は実施例1と同じ手法で2層構成
の透明導電性積層体を作製した。
【0041】以上のようにして作製した透明導電性フィ
ルムの、透明導電層及び金属薄膜層の厚さ、シート抵
抗、可視光透過率、耐環境性は以下の手法で評価した。 透明導電層の厚さ[T1 (nm)]及び金属薄膜層の
厚さ[T2 (nm)]:前もって成膜速度r(nm/m
in)を測定しておき、膜厚は成膜時間t(min)を
制御することで変化させた。膜厚T(nm)は以下の式
より求められる。 T=r×t シート抵抗[R(Ω/□) ]:4端子法により測定し
た。 可視光透過率[Tvis(%)]:日立製作所(株)
製、分光光度計U−3400により測定した。 耐環境性[I/I0 ]:以下の工程でエレクトロルミ
ネッセンス発光体を作製し、温度50℃、湿度60%の
雰囲気下で、交流100V(周波数:1kHz)の電圧
を印加し発光させ、その時の初期発光輝度I0 (カンデ
ラ/m2 )と、そのまま3000時間発光を継続させた
後の発光輝度I(カンデラ/m2 )とをミノルタ(株)
製の輝度計:LS−110を用いて測定し、その変化率
I/I0 で評価した。
【0042】エレクトロルミネッセンス発光体の作製
は、実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例5により
得た透明導電性基体上に、硫化亜鉛粉末をアセトン溶液
中に分散させた液を塗布し、その後60℃で120時
間、さらに120℃で2分間加熱処理を行うことにより
発光層を形成する。その後、さらにその上にチタン酸バ
リウム粉末をアセトン溶液中に分散させた液を塗布し、
その後60℃で120分間加熱処理を行うことにより誘
電体層を形成する。さらにその上から厚さ0.2mmの
アルミニウムを重ね150℃で2分間加熱処理した。こ
れを防湿フィルム2枚で挟み込みエレクトロルミネッセ
ンス発光体を得た。以上の測定結果を表1に掲げる。
【0043】
【表1】
【0044】上記表の結果から明らかなように、本発明
の透明導電性積層体は、低シート抵抗、高可視光透過率
を有し、さらにこれを用いてエレクトロルミネッセンス
ディスプレイを形成すると発光輝度低下を著しく抑制し
た、耐環境性をも兼ね備えたものであることが判る。
【0045】
【発明の効果】以上のごとく、本発明においては、高分
子透明基体の一方の主面に、第1層として主として酸化
インジウムからなる透明導電層を形成し、その上に第2
層としてスパッタリング法により形成した銅からなる金
属薄膜層を形成することで、耐環境性に優れエレクトロ
ルミネッセンスの透明電極に適した透明導電性積層体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図
【符号の説明】
10 透明高分子基体 20 主として酸化インジウムからなる透明導電層 30 スパッタリング法によって形成された銅からなる
金属薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/08 C23C 14/08 D H01B 5/14 H01B 5/14 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子基体(A)の一方の主面に、
    少なくとも、主として酸化インジウムからなる透明導電
    層(B)と、スパッタリング法により形成した銅からな
    る金属薄膜層(C)と、をABCなる構成で形成した、
    発光輝度の経時劣化を抑えた、エレクトロルミネッセン
    スディスプレイの透明電極として好適に使用しうる透明
    導電性積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の、主として酸化インジウ
    ムからなる透明導電層(B)の厚さが10〜200n
    m、スパッタリング法により形成した銅からなる金属薄
    膜層(C)の厚さが1〜20nmであることを特徴とす
    る透明導電性積層体。
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