JPH09156023A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH09156023A
JPH09156023A JP7316881A JP31688195A JPH09156023A JP H09156023 A JPH09156023 A JP H09156023A JP 7316881 A JP7316881 A JP 7316881A JP 31688195 A JP31688195 A JP 31688195A JP H09156023 A JPH09156023 A JP H09156023A
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JP
Japan
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transparent
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Application number
JP7316881A
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English (en)
Inventor
Fumiharu Yamazaki
文晴 山崎
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明高分子基体(A)10の一方の主面
に、少なくとも、主として酸化インジウムからなる透明
導電層(B)20と、炭素を主成分とする薄膜層(C)
30とをABCなる構成で形成してなる透明導電性積層
体。 【効果】 低シート抵抗、高可視光透過率を有し、さら
にこれを用いてエレクトロルミネッセンスディスプレイ
を形成すると発光継続時の輝度低下を著しく抑制した、
耐久性に優れたものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電性積層体に
関し、より詳しくはエレクトロルミネッセンスディスプ
レイの透明電極として好適に使用できる、発光輝度の経
時劣化を抑制した透明導電性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電性積層体は従来、液晶ディスプ
レイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、エレク
トロクロミックディスプレイなどの表示素子の電極、太
陽電池などの光電変換素子の窓電極、電磁波シールドの
電磁波遮蔽膜、あるいは透明タッチパネルなどの入力装
置の電極として利用されている。従来公知の透明導電層
としては金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属薄膜
と、酸化インジウム、酸化第二スズ、酸化亜鉛などの酸
化物半導体薄膜とが知られている。前者の貴金属薄膜は
抵抗値の低いものは容易に得られるが透明性に劣る。後
者の酸化物半導体薄膜は、抵抗値は貴金属薄膜に若干劣
るが、透明性に優れているため広く利用されている。そ
の中でも酸化スズを含有した酸化インジウム薄膜は低抵
抗で透明性に優れているため広く利用されている。スズ
をドープした酸化インジウム薄膜の抵抗率は通常5×1
-5〜1×10-3Ω・cm程度、透過率は一般に80〜
90%である。
【0003】エレクトロルミネッセンスディスプレイ
は、透明基体上に、透明導電膜を形成した透明導電性基
体をベースにし、上記透明導電膜上に発光体層、絶縁層
及び背面電極を順次形成し、さらに全体を透明防湿層で
被覆した構造のものが知られている。ここで、透明導電
膜には酸化スズ、酸化インジウム等が、発光体層には硫
化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛等が、絶縁層に
は誘電率の高い酸化イットリウム、窒化シリコン、酸化
タリウム等が、背面電極にはアルミニウムや炭素が用い
られている。従来、エレクトロルミネッセンス用透明導
電性基体には、ガラスを基体にしたものが用いられてき
た。上記透明導電性基体には、発光層で発光した可視光
を効率的に外部に放出させるために透明性に優れている
こと、駆動電圧の点からシート抵抗がある程度低いこと
に加え、長時間の使用に耐えることが要求される。ガラ
スを基体とした場合には、基体温度を400℃程度にま
で加熱できるため、化学的に安定な結晶性透明導電層が
形成でき、透明性、及び耐環境性に優れた透明導電性基
体が容易に得られる。しかしながら、ガラスを基体とし
た場合には、割れやすい、重い、薄型化に限度がある、
といった問題があった。そのため、割れにくく、薄くて
軽い透明高分子基体を用いた透明電極が強く求められて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】透明高分子基体をエレ
クトロルミネッセンスディスプレイ用透明電極に使用す
る場合、透明導電層を形成する際の基体の加熱温度は、
高分子基体の耐熱温度により制限されるため、通常20
0℃以下にしなければならない。そのため耐環境性に優
れた結晶性酸化インジウムを形成するのは容易ではな
い。エレクトロルミネッセンス用透明導電性基体として
使用するためには、少なくとも可視光透過率80%以
上、シート抵抗1000Ω/□以下が要求される。透明
高分子フィルムの一方の主面に、主として酸化インジウ
ムからなる透明導電層を10nm以上形成すれば、可視
光透過率80%以上、シート抵抗1000Ω/□以下の
透明導電性フィルムを作製できるが、これをエレクトロ
ルミネッセンスディスプレイ用透明電極としてそのまま
使用すると、発光層である硫化亜鉛あるいは硫化カドミ
ウム等と、主として酸化インジウムからなる透明導電層
とが直接接触するため、電圧を印加し長時間発光を継続
させると、発光層と透明導電層との界面が劣化し、発光
輝度が比較的早期に減衰してしまうという問題があっ
た。
【0005】本発明は、エレクトロルミネッセンスディ
スプレイの発光輝度の経時劣化を抑制させて長寿命化を
計ることができ、なおかつ可視光透過率80%以上でシ
ート抵抗が1000Ω/□以下の透明導電性積層体を提
供することを目的としている。本発明者らは、上記事情
に鑑み、発光層と透明導電層との間に、界面の劣化を抑
制することのできる層を設けることにより発光を継続さ
せた時の劣化を抑えることのできる透明導電性積層体を
得ることを見出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、透明高分子
基体の一方の主面に、好ましくは厚さが10〜200n
mの、主として酸化インジウムからなる透明導電層を形
成し、さらにその上に、好ましくは厚さが1〜50nm
の炭素を主成分とする薄膜層を形成することにより、こ
れをエレクトロルミネッセンスディスプレイの透明電極
に使用したときに、発光継続による経時劣化を著しく抑
制することができることを見いだし本発明を完成するに
いたった。
【0007】すなわち、本発明は、(1)透明高分子基
体(A)の一方の主面に、少なくとも、主として酸化イ
ンジウムからなる透明導電層(B)と、炭素を主成分と
する薄膜層(C)をABCなる構成で形成した透明導電
性積層体、(2)主として酸化インジウムからなる透明
導電層(B)の厚さが10〜200nm、炭素を主成分
とする薄膜層(C)の厚さが1〜50nmであることを
特徴とする(1)の透明導電性積層体、(3)炭素を主
成分とする薄膜層(C)をスパッタリング法、またはプ
ラズマCVD法によって形成することを特徴とする
(1)または(2)の透明導電性積層体、(4)エレク
トロルミネッセンスディスプレイの透明電極として好適
に使用しうる(1)〜(3)のいずれかの透明導電性積
層体に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、添付図面の図1をもっ
て説明するに、透明高分子基体(A)10の一方の主面
に、主として酸化インジウムからなる透明導電層である
第1層(B)20と、炭素を主成分とする薄膜層(C)
30とを順次形成した透明導電性積層体である。
【0009】本発明において使用する透明高分子基体と
しては、透明性を有するプラスチック成形体が使用で
き、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエー
テルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカ
ーボネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げら
れる。これらの高分子基体は透明導電層を形成する主面
が平滑であれば板状であってもフィルム状であってもよ
い。板状の高分子基体は寸法安定性と機械的強度に優れ
ているため、特にそれが要求される場合には好適に使用
できる。またフィルム状の高分子基体は可撓性を有して
おり、透明導電層をロールツロール法で連続的に形成で
きるため、これを使用した場合には効率よく透明導電性
基体を生産できる故に、これもまた好適に使用できる。
この場合フィルムの厚さは通常10〜250μmのもの
が用いられる。フィルムの厚さが10μmよりあまり薄
いと、基材としての機械的強度に不足し、250μmよ
りあまり厚いと可撓性が不足するためフィルムをロール
で巻きとって利用するのに適さない。
【0010】上記透明高分子基体のなかでもポリエチレ
ンテレフタレートは、透明性及び加工性に優れているた
め、より好適に利用できる。また、ポリエーテルサルフ
ォンは、耐熱性に優れているため、透明導電性積層体作
製後に熱処理を必要とする場合、また該透明導電性積層
体を使用してエレクトロルミネッセンスディスプレイを
組み立てる際に加熱処理を必要とする場合に、より好適
に利用できる。
【0011】該透明高分子基体はその表面に予めスパッ
タリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電
子線照射などのエッチング処理や、下塗り処理を施して
この上に形成される主として酸化インジウムからなる透
明導電層の上記フィルムに対する密着性を向上させる処
理を施してもよい。また、主として酸化インジウムから
なる透明導電層を成膜する前に、必要に応じて溶剤洗浄
や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよい。
【0012】本発明においては、かかる透明高分子基体
の一方の主面に主として酸化インジウムからなる透明導
電層を第1層として形成する。該透明導電層は抵抗率を
低くするためにスズを混合しても良い。通常3〜20重
量%程度のスズを含有させることにより抵抗率を低下さ
せることができ、より薄い膜厚で必要とされるシート抵
抗値を有する透明導電層が形成できる。
【0013】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の厚さは、通常10nm〜200nmが好ましい。透
明導電層の厚さは、そのシート抵抗値及び可視光透過率
に影響する。シート抵抗値を小さくするためには、該透
明導電層の厚さをできる限り厚くすればよいが、あまり
厚くすると可視光透過率が低下してしまう。そのため、
要求されるシート抵抗値及び可視光透過率によって該透
明導電層の厚さが決定される。該透明導電層の厚さが1
0nmよりあまり薄いとシート抵抗値が高くなりすぎる
ため、エレクトロルミネッセンスディスプレイの透明電
極として使用するには不適である。シート抵抗値を下げ
るためには膜厚を厚くすればよいが、200nmよりあ
まり厚いと可視光透過率が低くなってしまうためこれも
また好ましくない。
【0014】すなわち、透明高分子基体の一方の主面
に、厚さが好ましくは10〜200nmの主として酸化
インジウムからなる透明導電層を形成することで、エレ
クトロルミネッセンスディスプレイの透明電極に要求さ
れるシート抵抗値及び可視光透過率を有する透明導電性
積層体が得られるわけであるが、該透明導電層は発光継
続時の耐久性に劣っていて、これをそのまま透明電極に
使用してエレクトロルミネッセンスディスプレイを形成
し、電圧を印加して発光を継続させると比較的早期に発
光強度が減衰してしまう。
【0015】そのため本発明においては、上記の如く主
として酸化インジウムからなる透明導電層を形成した
後、さらにこの上に、炭素を主成分とする薄膜層を設け
る。該薄膜層を設けるのは、酸化インジウムと発光層で
ある硫化亜鉛あるいは硫化カドミウム等とが直接接触す
ることによる主として酸化インジウムからなる透明導電
層の発光時の劣化を防ぐためである。
【0016】すなわち、本発明を完成するにあたってポ
イントとなったのは、炭素を主成分とする薄膜層が硫化
亜鉛あるいは硫化カドミウム等の発光層に対する耐久性
に優れていることを見いだしたことであって、さらに炭
素を主成分とする薄膜層は、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイを発光させるための通電に対する耐久性に
も優れているため、発光を継続した際に生じる発光輝度
の低下を著しく抑制することができるのである。
【0017】炭素を主成分とする薄膜層の厚さは1〜5
0nmが好ましい。さらに好ましくは1〜10nmであ
る。この厚さが1nmよりあまり薄いと発光継続時の輝
度低下抑制の効果が得られないため好ましくない。すな
わち、エレクトロルミネッセンスディスプレイの透明電
極として発光継続時の輝度低下効果を付与させるために
は、炭素を主成分とする薄膜層は少なくとも1nm以上
の厚さが必要なのである。また、この厚さが50nmよ
りあまり厚いと透明性が損なわれるのに加え、該層の積
層による発光継続時の輝度低下の抑制は50nm以下の
厚さで十分なされているため、いたずらに成膜時間をか
け厚い層を形成するのは好ましくない。経済的には該層
の厚さは発光継続時の輝度低下効果を損なわない範囲内
でなるべく薄い方が好ましく、10nmの厚さでその効
果は十分得られるため該金属薄膜層の厚さは、1〜10
nmがより好ましい。
【0018】なお、炭素を主成分とする薄膜層は、スパ
ッタリング法により形成するのが好ましい。それは、主
として酸化インジウムからなる透明導電層の形成方法は
スパッタリング法によるのが一般的であり、その上に形
成する炭素を主成分とする薄膜層もスパッタリング法で
形成すると、一貫生産が可能であるため経済的に二層構
成の透明導電性積層体が得られるためである。
【0019】また、炭素を主成分とする薄膜層はカーボ
ンペーストや有機溶剤を塗布し乾燥させることによって
も形成可能である。ただしそれらの塗布によって主とし
て酸化インジウムからなる透明導電性が劣化する恐れが
あるため、スパッタリング法、またはプラズマCVD法
といった手法により形成するのがより好ましいのであ
る。
【0020】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法といった従来公知の物理的
気相成長法のいずれも採用できる。電気抵抗値の低い主
として酸化インジウムからなる透明導電層は一般的には
スパッタリング法により形成される。スパッタリング法
においては、ターゲットに酸化インジウムあるいはスズ
を含有した酸化インジウムを、スパッタガスにアルゴン
等の不活性ガスを用い、通常スパッタガス圧力:1〜1
0mTorr、高分子基体温度:20〜150℃の条件
下で、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロ
ンスパッタ法が利用できる。また、透明導電層の透明性
および導電性を高くするためにスパッタガス中に0.1
〜20流量%の酸素ガスを混合しても良い。また、ター
ゲットにインジウムあるいはインジウム・スズ合金を、
スパッタガスにアルゴン等の不活性ガスを、反応性ガス
に酸素ガスを用いた直流あるいは高周波反応性スパッタ
リング法も好適に利用できる。この方法では透明導電層
の透過率および導電性が、反応性ガスである酸素ガスの
分圧に非常に敏感に影響するので、その制御を厳密に行
うことが好ましい。上記のスパッタリング法はいずれ
も、透明性及び導電性に優れた透明導電層が容易に得ら
れるため、好適に利用できる。
【0021】炭素を主成分とする薄膜層の成膜方法は、
前述したように、塗布法でも可能ではあるがスパッタリ
ング法、またはプラズマCVD法がより好ましい。炭素
を主成分とする薄膜層をスパッタリング法により形成す
るには、ターゲットに炭素を、スパッタガスにアルゴン
等の不活性ガスを用い、通常スパッタガス圧力:1〜1
0mTorr、高分子基体温度:20〜150℃の条件
下で、直流あるいは高周波スパッタリング法が利用でき
る。また該薄膜層の透明性を向上させる目的で、2〜4
0vol%程度の水素を混合したアルゴンガスをスパッ
タガスに使用してもよい。
【0022】スパッタリング法においては、炭素の成膜
中に、ターゲットから加速された粒子が、基材やそれに
形成した透明導電層にダメージを与え、その電気抵抗値
を上昇させたり、可視光透過率を低下させたりすること
がある。そのような場合には炭素を主成分とする薄膜層
の形成方法としてプラズマCVD法を採用するのが好ま
しい。プラズマCVD法では炭素を含むガスをプラズマ
エネルギーによって分解することで炭素薄膜を得る手法
であるため、基材やそれに形成した透明導電層にダメー
ジを与えることが少ないのである。プラズマCVD法に
おいては、原料ガスにメタン、エタン、プロパン、ブタ
ンといった飽和炭化水素、あるいはエチレン、プロピレ
ン、ブタジエン、アセチレンといった不飽和炭化水素等
が使用できる。プラズマ発生源としては、高周波電源に
よる高周波プラズマ等が使用できる。また、可視光透過
率の向上や密着性の向上を図るために、上記原料ガス中
にヘリウムやアルゴンといったガスを適量含有させても
よい。
【0023】透明高分子基体と主として酸化インジウム
からなる透明導電層との密着力を向上させるためにさら
に適当な中間層を、性能が損なわない範囲でそれらの層
間に挿入してもよい。また、耐擦傷性を向上させたり、
水蒸気バリア性を向上させるために、性能が損なわれな
い範囲で積層構成を形成する主面とは逆側の透明高分子
基体の面に、適当なハードコート層等を形成してもよ
い。
【0024】上記の方法により得られた透明導電性フィ
ルムを、耐環境性を向上させるために、熱処理(アニー
リング)を施してもよい。熱処理温度は通常、100〜
250℃程度である。
【0025】本発明のように別種の元素からなる薄膜層
を積層した場合、その界面は明確に区別されるものでは
なく、通常ある程度相互拡散を生じている。しかしなが
ら、主として酸化インジウムからなる透明導電層と、炭
素を主成分とする薄膜層との界面付近において相互拡散
が生じても、それは通常性能には影響しない範囲であれ
ばかまわないのである。本発明にいう層構成はかかる意
義を有するものであり、以下の分析法により確認でき
る。
【0026】上記の方法により形成した透明導電層の原
子組成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合プ
ラズマ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RB
S)等により測定できる。またこれらの膜厚は、オージ
ェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡による断
面観察等により測定できる。
【0027】エレクトロルミネッセンス発光体は、例え
ば、背面電極となるアルミニウム箔の一方の面にチタン
酸バリウム粉末をアセトン溶液中に分散させた液を塗布
し乾燥させることで誘電体層を形成した後、さらにその
上に硫化亜鉛粉末等をアセトン等の適当な溶液中に分散
させた液を塗布することで発光層を形成し、この塗布面
と、本発明の透明導電性積層体の炭素を主成分とする薄
膜層とを密着させた上で加熱処理することにより貼り合
わせて得ることができる。湿気に対する発光層の耐久性
を向上させるために、さらにエレクトロルミネッセンス
発光体全体を防湿フィルム2枚で挟み込んでもよい。
【0028】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。 〔実施例1〕ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ188μm)の一方の面に、第1層として、ターゲッ
トに酸化スズを5重量%含有した酸化インジウムを、ス
パッタリングガスに酸素ガスを含有したアルゴンガス
(流量比、アルゴン:酸素=10:0.1)を用いて、
2mTorrの雰囲気の下で、DCマグネトロン反応性
スパッタリング法により厚さ50nmの透明導電層を形
成した。さらにその上に、第2層として、ターゲットに
炭素(純度99.9%)を、スパッタリングガスに水素
ガスを10vol%含有したアルゴンガスを用いて、2
mTorrの雰囲気下で、DCマグネトロンスパッタリ
ング法により厚さ10nmの炭素を主成分とする薄膜層
を形成し、2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0029】〔実施例2〜実施例4〕第2層の炭素を主
成分とする薄膜層の厚さを1nm(実施例2)、5nm
(実施例3)、50nm(実施例4)とした以外は実施
例1と同じ手法で2層構成の透明導電性積層体を作製し
た。
【0030】〔実施例5〕第1層の透明導電層の厚さを
10nmとした以外は実施例1と同じ手法で2層構成の
透明導電性積層体を作製した。
【0031】〔実施例6〕ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ188μm)の一方の面に、第1層とし
て、ターゲットにスズを10重量%含有したインジウム
を、スパッタリングガスに酸素ガスを含有したアルゴン
ガス(流量比、アルゴン:酸素=10:0.4)を用い
て、2mTorrの雰囲気の下で、DCマグネトロン反
応性スパッタリング法により厚さ50nmの透明導電層
を形成した。さらにその上に、第2層として、原料ガス
にエタンガスを使用した高周波プラズマCVD法により
厚さ200nmの炭素を主成分とする薄膜層を形成し、
2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0032】〔比較例1〕第2層の炭素を主成分とする
薄膜層を形成しなかったこと以外は実施例1と同じ手法
で1層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0033】〔比較例2〕第2層の炭素を主成分とする
薄膜層の厚さを100nmとした以外は実施例1と同じ
手法で2層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0034】〔比較例3〜比較例4〕第1層の透明導電
層の厚さを5nm(比較例3)、400nm(比較例
4)とした以外は実施例1と同じ手法で2層構成の透明
導電性積層体を作製した。
【0035】以上のようにして作製した透明導電性フィ
ルムの、透明導電層及び金属薄膜層の厚さ、シート抵
抗、可視光透過率、耐環境性は以下の手法で評価した。 透明導電層の厚さ[T1 (nm)]及び炭素を主成分
とする薄膜層の厚さ[T 2 (nm)]:前もって成膜速
度r(nm/min)を測定しておき、膜厚は成膜時間
t(min)を制御することで変化させた。膜厚T(n
m)は以下の式より求められる。T=r×tシート抵
抗[R( Ω/□) ]:4端子法により測定した。 可視光透過率[Tvis(%)]:日立製作所(株)
製、分光光度計U−3400により測定した。 発光継続試験[I/I0 ]:以下の工程でエレクトロ
ルミネッセンス発光体を作製し、温度50℃、湿度60
%の雰囲気下で、交流100V(周波数:1kHz)の
電圧を印加し発光させ、その時の初期発光輝度I0 (カ
ンデラ/m2 )と、そのまま3000時間発光を継続さ
せた後の発光輝度I(カンデラ/m2 )とをミノルタ
(株)製の輝度計:LS−110を用いて測定し、その
変化率I/I 0 で評価した。
【0036】エレクトロルミネッセンス発光体は、背面
電極となるアルミニウム箔の一方の面にチタン酸バリウ
ム粉末をアセトン溶液中に分散させた液を塗布し乾燥さ
せることで誘電体層を形成した後、さらにその上に硫化
亜鉛粉末等をアセトン等の適当な溶液中に分散させた液
を塗布することで発光層を形成し、この塗布面と、実施
例1〜実施例6及び比較例1〜比較例4により得た透明
導電性積層体の積層面とを密着させ、その後60℃で1
20分間、さらに120℃で2分間加熱処理することに
より貼り合わせることで作製した。以上の測定結果を表
1に掲げる。
【0037】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の透明導電性積層体
は、低シート抵抗、高可視光透過率を有し、さらにこれ
を用いてエレクトロルミネッセンスディスプレイを形成
すると発光継続時の輝度低下を著しく抑制した耐久性に
優れたものが得られるのが分かる。
【0038】
【発明の効果】以上のごとく、本発明においては、高分
子透明基体の一方の主面に、第1層として主として酸化
インジウムからなる透明導電層を形成し、その上に第2
層として炭素を主成分とする薄膜層を形成することによ
り発光継続時の輝度低下を抑制した、エレクトロルミネ
ッセンスディスプレイの透明電極に適した透明導電性積
層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図
【符号の説明】
10 透明高分子基体 20 主として酸化インジウムからなる透明導電層 30 炭素を主成分とする薄膜層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子基体(A)の一方の主面に、
    少なくとも、主として酸化インジウムからなる透明導電
    層(B)と、炭素を主成分とする薄膜層(C)をABC
    なる構成で形成した透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】 主として酸化インジウムからなる透明導
    電層(B)の厚さが10〜200nm、炭素を主成分と
    する薄膜層(C)の厚さが1〜50nmであることを特
    徴とする請求項1記載の透明導電性積層体。
  3. 【請求項3】 炭素を主成分とする薄膜層(C)をスパ
    ッタリング法、またはプラズマCVD法によって形成す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性
    積層体。
  4. 【請求項4】 エレクトロルミネッセンスディスプレイ
    の透明電極として好適に使用しうる請求項1〜3のいず
    れかに記載の透明導電性積層体。
JP7316881A 1995-12-05 1995-12-05 透明導電性積層体 Pending JPH09156023A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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