JPH08278608A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH08278608A
JPH08278608A JP8137395A JP8137395A JPH08278608A JP H08278608 A JPH08278608 A JP H08278608A JP 8137395 A JP8137395 A JP 8137395A JP 8137395 A JP8137395 A JP 8137395A JP H08278608 A JPH08278608 A JP H08278608A
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JP
Japan
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silver halide
processing
sensitive material
halide photographic
photographic light
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JP8137395A
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English (en)
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Wataru Ishikawa
渉 石川
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像機処理において、迅速、低補充量でも安
定な写真性能の得られるハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法を提供。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層及び少なくとも1層の保護層を有するハロゲン化銀
写真感光材料を露光後、現像、定着、水洗の各処理槽を
有する自動現像機を用いて処理を行う方法において、現
像液及び/又は定着液に蛋白質分解酵素を添加するこ
と、前記蛋白質分解酵素を固体状で添加すること、前記
ハロゲン化銀写真感光材料の処理において、現像液補充
量をハロゲン化銀写真感光材料1m2当たり300ml以下で
処理すること、自動現像機のラインスピードが1500mm/
min以上であり、かつ処理されるハロゲン化銀写真感光
材料の現像液への浸漬開始から乾燥終了までの全処理時
間が45秒以内であることを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動現像機を用いた迅速
処理及び現像補充量を低減しても安定な写真性能が得ら
れるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の自動現像機
を用いる迅速処理は、安定性、迅速性、簡易性、取り扱
い性と言った観点から自動現像機による処理が一般的で
ある。更に近年、作業の効率化から、更なる迅速性が求
められている。また、一般に写真処理廃液は環境保全上
好ましからざる成分を含み、そのまま公共用下水道に放
出することはできず、廃液として回収し活性汚泥法、燃
焼法等の手段で処理されている。そのため、廃液の低減
が強く望まれている。
【0003】廃液を低減する手段としては、自動現像機
処理における補充量の低減が考えられるが、補充量を減
らすと処理槽中に処理によって生ずる感光材料の構成成
分の溶出によって生ずるスカムと称する浮きかすが副生
し、処理フィルムを汚す欠点があり、迅速、低補充量で
も安定な写真性能の得られるハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ハロゲン化銀写真感光材料の自動現像機処理におい
て、迅速、低補充量でも安定な写真性能の得られるハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の構成に
より達成することができる。
【0006】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層及び少なくとも1層の保護層を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料を露光後、現像、定着、水洗の各処
理槽を有する自動現像機を用いて処理を行う方法におい
て、現像液及び/又は定着液に蛋白質分解酵素を添加す
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法。
【0007】 記載の蛋白質分解酵素を固体状で添
加することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。
【0008】 前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理
において、現像液補充量をハロゲン化銀写真感光材料1
m2当たり300ml以下で処理することを特徴とする又は
記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0009】 自動現像機のラインスピードが1500mm
/min以上であり、かつ処理されるハロゲン化銀写真感
光材料の現像液への浸透開始から乾燥終了までの全処理
時間が45秒以内であることを特徴とする、又は記
載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0010】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層及び少なくとも1層の保護層を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料を露光後、現像、定着、水洗の各処
理槽を有する自動現像機を用いて処理を行う方法におい
て、現像液又は定着液の各母液又は各補充液の少なくと
も1つが固形処理剤より調液され、かつ該現像液及び/
又は定着液に蛋白質分解酵素を固体で添加することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0011】 前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理
において、現像液補充量をハロゲン化銀写真感光材料1
m2当たり300ml以下で処理することを特徴とする記載
のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】 自動現像機のラインスピードが1500mm
/min以上であり、かつ処理されるハロゲン化銀写真感
光材料の現像液への浸透開始から乾燥終了までの全処理
時間が45秒以内であることを特徴とする又は記載の
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0013】以下、本発明について詳述する。
【0014】本発明の処理方法に係る蛋白質分解酵素と
しては、カルボヒドラーゼ(例えば、ポリサッカラー
ゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、グルコシダーゼ等)、
アミダーゼ(例えばウレアーゼ、アルギナーゼ等)、エ
ラステラーゼ(例えばリパーゼ、ファスファターゼ、プ
ロテアーゼ等)が挙げられる。
【0015】具体的には、天野製薬(株)製造のアミラ
ーゼAD、アミラーゼAK、ビオザイムC,A,L、アミ
ラーゼアマノ、グルクザイムNL、イソアミラーゼアマ
ノ、ビオザイムT、コンチザイム、プロテアーゼA、プ
ロテアーゼP、プロテアーゼN、プロレザー、パンクレ
アチン、パパインW-4、プロメラインF、ニューラー
ゼF、プロチアーゼM、プロレザー、リパーゼA,M,
P,F、ラクターゼYL、デキストラーゼアマノ、セル
ラーゼA、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼGL、カタラ
ーゼL、リボヌクレアーゼP、リポキシターゼアマノ、
三共(株)製造のコクラーゼ、コクラーゼM、インベル
ターゼ三共、コクラーゼSS、リパーゼ三共、スクラー
ゼA,N、ナリンギナーゼ、コクラーゼY、(株)長瀬
産業製造のスピターゼR、CP-3,HS、PN-4、マル
トチーム205、グルコチーム、ビオブラーゼSP-4、デ
ナチームAP、デナプシン、ペクチナーゼナガセ、カタ
ラーゼナガセ、デオキシン1、ノボインダストリージャ
パン製造のセレミックス、ターマミル、ファンガミル、
AMG、ガマナーゼ、ブロモザイム、ノボザイム234、
アルカラーゼ、サブテリシン、PTN、バラターゼ、レ
シターゼ、ラクトザイム、DN、ウルトラザイム、セル
クラスト等を挙げることができ、これら市販品は容易に
入手できる。これらの酵素は水溶液として現像液、定着
液に添加してもよいが固体状で添加することがさらに好
ましい。特に、前記現像液及び/又は定着液を固形処理
剤で調液する場合には、固形状で添加するのが好まし
い。また、固形処理剤の場合、酵素を固形処理剤中に含
有させて添加しても、酵素単独で添加してもよい。
【0016】ここで言う固形状とは、形状として粉体、
顆粒状、錠剤状及びペースト状のいずれでもよく、ま
た、それらの混合体でもよい。
【0017】現像液、定着液に添加する時期は、処理を
開始する前でも、処理中及び処理終了後でもよい。酵素
単独で添加する場合は、特に処理終了後が好ましい。
【0018】本発明の酵素の添加量は処理液1l当たり
0.01g乃至1gの割合で添加することが好ましく、更に好
ましくは、処理液1l当たり0.01g乃至100mg添加するの
が好ましい。
【0019】本発明の処理方法に係る現像主薬として
は、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、
クロルハイドロキノン、ブロムハイドロキノン、2,3-ジ
クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、イソプ
ロピルハイドロキノン、2,5-ジメチルハイドロキノ
ン)、3-ピラゾリドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾ
リドン、1-フェニル-4-メチル-3-ピラゾリドン、1-フェ
ニル-4-ジメチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4-エチ
ル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-5-メチル-3-ピラゾリ
ドン等)、アミノフェノール類(例えばo-アミノフェノ
ール、p-アミノフェノール、N-メチル-o-アミノフェノ
ール、N-メチル-p-アミノフェノール、2,4-ジアミノフ
ェノール、2,4-ジアミフェノール等)、ピロガロール、
アスコルビン酸、1-アリル-3-ピラゾリン類(例えば1-
(p-ヒドロキシフェニル)-3-アミノピラゾリン、1-(p
-メチルアミノフェニル)-3-アミノピラゾリン、1-(p-
アミノフェニル)-3-アミノピラゾリン、1-(p-アミノ-
N-メチルフェニル)-3-アミノピラゾリン等)、遷移金
属錯塩類(Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の
遷移金属の錯塩であり、これらは現像液として用いられ
るためには還元力を有する形であればよく、例えばTi
3+,V2+,Cr2+,Fe2+,等の錯塩の形をとり、配位子
としては、エチレンジアミン四酢酸〔EDTA〕、ジエ
チレントリアミン五酢酸〔DTPA〕等のアミノポリカ
ルボン酸及びその塩、ヘキサメタポリ燐酸、テトラポリ
燐酸等の燐酸類及びその塩などが挙げられる)などを単
独もしくは組み合わせて使用することができる。
【0020】3-ピラゾリドン類とジヒドロキシベンゼン
類との組み合わせ、またはアミノフェノール類とジヒド
ロキシベンゼン類との組み合わせ、或いは3-ピラゾリド
ン類とアスコルビン酸との組み合わせ、アミノフェノー
ル類とアスコルビン酸との組み合わせ、3-ピラゾリドン
類と遷移金属錯塩類との組み合わせ、アミノフェノール
類と遷移金属錯塩類との組み合わせで使用することが好
ましい。また現像主薬は、通常0.01〜1.4モル/リット
ルの量で用いるのが好ましい。
【0021】銀スラッジ防止剤としては、特開昭62-470
2号、特開平3-51844号、同4-26838号、同4-362942号、
同1-319031号等に記載の化合物が挙げられる。
【0022】また、現像液は通電して再生することがで
きる。具体的には現像廃液に陰極(例えばステンレスワ
イヤー等の電気伝導体または半導体)を電解質液に陽極
(例えば炭素、金、白金、チタン等の不溶の電気伝導
体)を侵漬して陰イオン交換膜を介して現像廃液と電解
質溶液が接するようにし、両極に通電して再生する。通
電しながら本発明に係る感光材料を処理することもでき
る。この際、現像液に添加される各種の添加剤、例えば
現像液に添加することのできる保恒剤、アルカリ剤、p
H緩衝剤、増感剤、カブリ防止剤、銀スラッジ防止剤等
を追加添加することができる。
【0023】また、現像液に通電しながら感光材料を処
理する方法があり、その際に上記のような現像液に添加
できる添加剤を追加添加できる。
【0024】現像廃液を再生して利用する場合には、用
いられる現像液の現像主薬としては遷移金属錯塩が好ま
しい。
【0025】本発明の処理方法に係る現像液には、保恒
剤として亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩としては、亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ
重亜硫酸ナトリウムなどを用いる。
【0026】亜硫酸塩は0.25モル/リットル以上が好ま
しい。特に好ましくは0.4モル/リットルである。
【0027】現像液には、その他、必要によりアルカリ
剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、pH緩衝
剤(例えば、炭酸塩、燐酸塩、硼酸、酢酸、クエン酸、
アルカノールアミン等)、溶解助剤(例えば、ポリエチ
レングリコール類、及びこれらのエステル、アルカノー
ルアミン等)、増感剤(例えば、ポリオキシエチレン類
を含む非イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合物
等)、界面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(例えば、臭
化ナトリウム、臭化カリウムの如きハロゲン化物、ニト
ロベンズインダゾール、 ニトロベンズイミダゾール、ベ
ンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール
類、チアジアゾール類等)、キレート化剤(例えば、エ
チレンジアミン四酢酸またはそのアルカリ金属塩、ニト
リロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、現像促進剤(例えば、
米国特許2,304,025号、特公開昭47-45541号に記載の化
合物等)、硬膜剤(例えば、グルタルアルデヒドまたは
その重亜硫酸塩付加物等)、或いは消泡剤などを添加す
ることができる。
【0028】現像液のpHは8.5〜10.5に調整されること
が好ましい。
【0029】本発明の処理方法は感光材料の現像処理の
特殊な形式として、現像主薬を感光材料中、例えば乳剤
中に含ませることで、感光材料をアルカリ水溶液中で処
理して現像を行わせるアクチベータ処理液に用いてもよ
い。
【0030】このような処理は、チオ硫酸塩による銀塩
安定化処理と組み合わせて、感光材料の迅速処理の方法
の一つとして利用されることが多く、本発明に係る処理
液は適用が可能で、特にこのような迅速処理の場合本発
明の効果が大きい。
【0031】本発明の処理方法の定着液としては、一般
に用いられる組成のものを用いることがきる。定着液は
一般に定着剤とその他から成る水溶液であり、pHは3.8
〜5.8である。 定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チ
オ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸
塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、
チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩の他、可
溶性安定銀錯塩を生成す得る有機硫黄化合物で定着剤と
して知られているものを用いることができる。定着液に
は硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム塩、例えば
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬などを
加えることができる。
【0032】定着剤には、所望により保恒剤(例えば亜
硫酸塩、重亜硫酸等)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、p
H調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能を有するキレート
剤を含むことができる。
【0033】本発明処理法に係る固形現像剤及び固形定
着剤とは、形状としては粉体、顆粒状、錠剤及びペース
ト状のいずれでもよく、また、それらの混合体でも構わ
ない。キットの構成としては1剤で構成されている必要
はなく、複数のパートとして含むものも本発明における
固形現像剤、固形定着剤に含める。
【0034】上記現像剤、定着剤を構成する成分として
は、特に制限はなく、写真用処理剤として公知の物はい
ずれも適用することができる。
【0035】本発明の処理方法で適用される造粒方法と
しては、転動造粒法、押し出し造粒法、圧縮造粒法、ス
プレードライ法、溶解凝固法などを用いることができる
が、特に押し出し造粒法、圧縮造粒法が好ましい。
【0036】本発明に適する造粒法の粒度、形状に付い
ては、望まれる特性により異なるが、一般的に写真用処
理剤に望まれる溶解性と調液後の廃包装材料中の残存粉
体量或いは輸送時の振動による造粒物の破壊に対する耐
久性を考慮すると、顆粒状の場合は球換算粒径が0.5mm
〜50mm程度、好ましくは1mm〜15mm程度が好ましく、そ
の形状は円筒形、球状、立方体、直方体等でより好まし
くは球状或いは円筒状である。
【0037】錠剤状の場合も同様に望まれる特性により
異なるが、2mm〜5mm程度の径が好ましい。また、溶解
性を向上させたい場合、錠剤の厚みを下げた平板状の錠
剤、更に平板状の中央の厚みを更に下げた物、中空状の
ドーナツ状錠剤等も有用である。逆に、溶解を緩慢に行
う目的で更に径を大きくしてもよく、任意に調節でき
る。また、溶解度をコントロールするために表面状態を
平滑、又は多孔質等に変えたりしてもよい。
【0038】複数の造粒物に異なった溶解性を与えた
り、溶解性の異なる素材の溶解性を合わせるために、複
数の形状をとることも可能である。また、表面と内部で
組成の異なる多層の造粒物であってもよい。
【0039】本発明の処理方法に際しては、現像温度を
20〜30℃の通常の温度範囲に設定することもできるし、
30〜40℃の高温処理の範囲に設定することもできる。
【0040】本発明の処理方法においては、処理時間の
短縮の要望から自動現像機を用いて処理する。この際、
処理されるハロゲン化銀写真感光材料の面積に比例した
一定の現像液を補充しながら処理される。その現像補充
量は廃液量を低減するため1m2当たり300ml以下であ
り、好ましくは1m2当たり75〜200mlである。
【0041】本発明の処理方法においては、処理される
ハロゲン化銀写真感光材料の現像液への浸漬開始から乾
燥終了までの全処理時間(Dry to Dry)が10〜45秒であ
ることが好ましい。
【0042】ここで言う全処理時間とは黒白ハロゲン化
銀写真感光材料を処理するために必要な全行程時間を含
み、具体的には処理に必要な、例えば現像、定着、漂白
(減力)、安定化処理、乾燥等の工程の時間をすべて含
んだ時間、つまりDry to Dryの時間である。全処理時間
が20秒未満では減感、軟調化等で満足な写真性能が得ら
れない。さらに好ましくは全処理時間(Dry to Dry)が
10〜45秒である。
【0043】また、本発明の処理方法では、自動現像機
に90℃以上の伝熱体(例えば90℃〜130℃のヒートローラ
ー等)、或いは150℃以上の輻射物体(例えばタングステ
ン、炭素、Ni-Cr、酸化ジルコニウム・酸化イットリウ
ム・酸化トリウムの混合物、炭化ケイ素などに直接電流
を通じて発熱放射させてり、抵抗発熱体から熱エネルー
を銅、ステンレス、ニッケル、各種セラミックなどの放
射体に伝達させて発熱させたりして赤外線を放出するも
の)で乾燥するゾーンを持つものが含まれる。
【0044】ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀組成は
特に制限はないが、好ましくは塩化銀60モル%以上を含
む塩臭化銀又は60モル%以上の塩化銀を含む塩沃臭化銀
である。
【0045】ハロゲン化銀乳剤の平均粒径は0.7μm以下
であることが好ましく、特に好ましくは0.5μm〜0.1μm
である。粒径とは、 写真科学の分野で常用されている用
語で、粒子が球状または球に近似の粒子の場合にはその
球の直径を粒径とする。粒子が立方体である場合には球
に換算し、その球の直径を粒径とする。
【0046】平均粒径を求める方法の詳細については、
ジェームス編:ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフ
ィックプロセス(T.H.James編:The theory of the pho
tographic process)第3版、36〜43頁(1966年〔マクミ
ラン「Mcmillan」社刊〕)を参考にして算出できる。
【0047】ハロゲン化銀粒子の形状に制限はなく、平
板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状、その他
いずれの形状でもよい。また、粒子サイズ分布は狭い方
が好ましく、特に平均粒子サイズの±40%の粒子サイズ
域内に全粒子の90%、望ましくは95%が入るような、い
わゆる単分散乳剤が好ましい。
【0048】ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化
銀粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで
もよいが、pH1〜4の酸性法によるものがより好まし
い。該粒子は一時に成長させてもよいし、種粒子をつく
った後、成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長さ
せる方法としては同じであっても、異なってもよい。ハ
ロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化物と銀イオンを同時に混
合しても、いずれか一方が存在する液中に他方を混合し
てもよい。また、ハロゲン化銀結晶の臨界成長速度を考
慮しつつ、ハロゲン化物イオンと銀イオンを混合釜内の
pH、pAgをコントロールしつつ逐次添加することにより
成長させてもよい。成長後にコンバージョン法を用いて
粒子のハロゲン組成を変化させてもよい。本発明のハロ
ゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、粒子を
形成する過程または成長させる過程の少なくとも1つの
過程でカドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、ルテ
ニウム塩、オスニウム塩、イリジウム塩またはロジウム
塩或いはこれらの元素を含む錯塩を添加することが好ま
しい。
【0049】ハロゲン化銀乳剤及びその調製法について
は、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(Reserch
Disclosure 176巻 17643, 22〜23頁(1978年12月)に記載
もしくは引用された文献に記載されている。
【0050】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されても、さ
れなくてもよい。化学増感の方法としては硫黄増感、還
元増感及び貴金属増感法が知られており、これらの何れ
を単独で用いてもまた併用してもよい。好ましい化学増
感法は硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、ロ
ーダニン類、ポリスルフィド化合物等を用いることがで
きる。
【0051】貴金属増感法のうち、その代表的なものは
金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴金属、
例えば白金、パラジウム、ロジウム当の錯塩を含有して
もよい。
【0052】還元増感剤としては、第一錫塩、アミン
類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを
用いることができる。
【0053】ハロゲン化銀写真感光材料は、公知の分光
増感色素を用いて分光増感されてよい。用いられる色素
はシアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノ
ール色素が包含される。特に有用な色素はシアニン色
素、メロシアニン色素及び複合メロシアニン色素に属す
る色素である。
【0054】増感色素は、通常のネガ型ハロゲン化銀乳
剤に用いられると同等の濃度で用いられる。特にハロゲ
ン化銀乳剤の固有感度を実質的に落とさない程度の色素
濃度で用いるのが有利である。ハロゲン化銀1モル当た
り増感色素1.0×10-5モル〜5×10-4モルが好ましく、
特にハロゲン1モル当たり増感色素の4×10-5モル〜2
×10-4モル濃度で用いることが好ましい。ハロゲン化銀
写真感光材料には、感光材料の製造工程、保存中あるい
は写真処理中のカブリの発生を防止し、或いは写真性能
を安定化させる目的で種々の化合物を含有せしめること
ができる。即ちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム
塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール
類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダ
ゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾ
チアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール、メルカ
プトチアジアゾール、アミノトリアゾール、ベンゾトリ
アゾール、ニトロベンゾトリアゾール、メルカプトテト
ラゾール類(特に、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾ
ール)等、メルカプトピリミジン、メルカプトトリアジ
ン、例えば、オキサゾリンチオンのようなチオケト化合
物、アザインデン類、例えばトリアザインデン類、テト
ラザインデン類(特に4-ヒドロキシ置換-1,3,3a,7-テト
ラザインデン類)、ペンタザインデン類等、ベンゼンチ
オスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホ
ン酸アミド等のカブリ防止剤、または安定剤として知ら
れた多くの化合物を加えることができる。
【0055】写真乳剤および非感光性の親水性コロイド
には、無機または有機の硬膜剤を含有せしめてもよい。
クロム塩(例えば、クロム明礬、酢酸クロム等)、アル
デヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド等)、N-メチロール化合物(例
えば、ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダント
ン等)、ジオキサン誘導体(例えば、2,3-ジヒドロキシ
ジオキサン等)、活性ビニル化合物(例えば、1,3,5-ト
リアクリロイル-ヘキサヒドロ-s-トリアジン、ビス(ビ
ニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′-メチレンビス
-〔β-(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕等)、
活性ハロゲン化合物(例えば、2,4-ジクロロ-6-ヒドロ
キシ-s-トリアジン等)、ムコハロゲン酸類(例えば、
ムコクロル酸、フェノキシムコクロル酸等)、イソオキ
サゾール類、ジアルデヒド澱粉、2-クロロ-6-ヒドロキ
シトリアジニル化ゼラチン等を単独または組み合わせて
用いることができる。感光性乳剤層及び/または非感光
性の親水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防止剤、滑
り性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性の改良など
種々の目的で公知の界面活性剤を用いてよい。
【0056】ハロゲン化銀乳剤の結合剤及び保護コロイ
ドとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ
以外の親水性コロイドも用いることができる。例えばゼ
ラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリ
マー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロ
ース硫酸エステル類等のようなセルロース誘導体、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉誘導体などの糖誘導体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセター
ル、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダ
ゾール、ポリビニルピラゾール等の単一或いは共重合体
の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができ
る。
【0057】特にゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン
の他、酸処理ゼラチン、ゼラチン加水分解物、Bull.So
c.Sci.Phot.Japan,No.16、30頁(1966)に記載されるよう
な酵素処理ゼラチンなどが好ましい。
【0058】写真乳剤には、寸法安定性の改良などの目
的で水溶性または難溶性合成ポリマーの分散物を含むこ
とができる。例えばアルキルメタクリレート、アルコキ
シアクリルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、メタアクリルアミド、ビニルエステル(例えば、酢
酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン、スチレン
などの単独または組み合わせ、またはこれらとアクリル
酸、メタクリル酸、α,β-不飽和ジカルボン酸、ヒド
ロキシアルキルメタクリレート、スルホアルキルメタク
リレート、スチレンスルホン酸等の組み合わせを単量体
成分とするポリマーを用いることができる。また、特開
平5-297515等に記載のゼラチンで安定化されたポリマー
ラテックスを含有することもできる。
【0059】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。例えば減感剤、可塑剤、滑り剤、現像促
進剤、オイル剤、染料などが挙げられる。これら公知の
添加剤としては、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(RD)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11
月)及び同No.308119(1989年12月)に記載された化合物が
挙げられる。これら三つのリサーチ・ディスクロージャ
ーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載し
た。
【0060】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VII
I 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 VIII 可塑剤 27 VII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 VII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IV 本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては、乳剤
層、保護層は単層でも2層以上からなる重層でもよい。
重層の場合には層間に中間層を設けてもよい。
【0061】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いることのできる支持体としては、例えば前述の(R
D)第176巻Item17643(1978年12月)及び同号187巻Item18
716(1979年11月)に記載されているものが挙げられる。
適当な支持体としては酢酸セルロース、ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレートなどで、これら支持体の片
面または両面に塗布される。また、これら支持体の表面
は塗布層の接着をよくするための下塗層を設けたり、コ
ロナ放電、紫外線照射などを施してもよい。
【0062】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
ることのできる支持体としては、酢酸セルロース、硝酸
セルロース、ポリエチレンテレフタレートのようなポリ
エステル、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ
スチレン、バライタ紙、ポリオエフィンを塗布した紙、
ガラス、金属等を挙げることができる。これらの支持体
は必要に応じて下地加工が施される。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。当
然のことながら、本発明は以下に述べる実施例により限
定されるものではない。
【0064】実施例−1 導電性層を有する支持体の調製 下引き処理したポリエチレンテレフタレートに8W/(m
2・min)のエネルギーでコロナ放電した後、下記構成の
帯電防止液を下記付き量になるように30m/minの速度で
ロールフィットコーティングパン及びエアナイフを用い
て塗布した。
【0065】 水溶性導電性ポリマー 化合物P−6 0.6g/m2 疎水性ポリマー 化合物L−1 0.4g/m2 ポリエチレンオキサイド 化合物A0−1 0.06g/m2 硬膜剤 化合物E−8 0.2g/m2 これを90℃で2分間乾燥し、140℃で90秒熱処理した。
この導電性層を支持体の片側に塗布したものを調製し
た。
【0066】
【化1】
【0067】ハロゲン化銀写真感光材料1の調製 (ハロゲン化銀乳剤の調製)同時混合法を用いて塩臭化
銀乳剤を調製した。混合は50℃で行い、調製後のpHは
5.8、EAgは123mVであった(塩化銀70モル%臭化銀30モ
ル%)。なお、最終到達平均粒径の5%が形成されてか
ら最終平均粒径に至るまでの混合工程時にヘキサクロロ
ロジウム酸ナトリウムを銀1モル当たり14×10-8モル添
加した。
【0068】得られた乳剤をフェニルイソシアネートで
処理した変性ゼラチンを用いて通常のフロキュレーショ
ン法で脱塩してからゼラチン中に分散し、防黴剤として
下記の化合物A,B,C(50:46:4)を加え、水酸化ナ
トリウムでpHを5.5に調整し、平均粒径0.19μmの立方
晶単分散粒子からなる乳剤を得た。
【0069】この乳剤に銀1モル当たりKBr100mg、4-
ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン45mg
加えた後、塩化金酸6mg、硫黄0.6mgを加え52℃で化学
熟成し、最高濃度に達してから1-フェニル-5-メルカプ
トテトラゾールを銀1モル当たり47mg 添加し熟成を停
止した後、銀1モル当たり沃化カリウム100mg、下記、
化合物SD−1を銀1モル当たり115mg添加した。
【0070】
【化2】
【0071】乳剤塗布液の調製 上記乳剤に以下の添加剤を添加し、乳剤塗布液を調製し
た。
【0072】 ゼラチン 0.9g/m2 化合物SD-2 142mg/Ag1モル 4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン 850mg/Ag1モル サポニン 0.1g/m2 化合物A-1 7mg/m2 5-ニトロインダゾール 114mg/Ag1モル 化合物S-1 70mg/Ag1モル 化合物H-1 300mg/Ag1モル ハイドロキノン 3g/Ag1モル 化合物A-2 2g/Ag1モル EDTA・2Na 1.4g/Ag1モル 化合物P−1 0.485g/m2 化合物V-1 35mg/m2 化合物E-1 9mg/gゼラチン
【0073】
【化3】
【0074】
【化4】
【0075】乳剤保護層塗布液の調製 以下の処方の乳剤保護層塗布液を調製した。
【0076】 ゼラチン 1.0g 化合物A-1 7mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径3μm) 22mg/m2 1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン 15mg/m2 化合物A-3 0.6mg/m2 ホルムアルデヒド 7mg/gゼラチン 化合物H-2 16mg/m2
【0077】
【化5】
【0078】バッキング塗布層塗布液の調製 以下の処方のバッキング保護層塗布液を調製した。
【0079】 ゼラチン 2.4g/m2 化合物S-1 66mg/m2 化合物S-2 15mg/m2 化合物S-3 58mg/m2 サポニン 0.1g/m2 コロイダルシリカ(平均径0.015μm) 300mg/m2 化合物P−2 0.50mg/m2 1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン 1mg/m2 グリオキザール 5.3mg/gゼラチン 化合物E-2 109mg/gゼラチン クエン酸 15mg/m2 化合物V-1 30mg/m
【0080】
【化6】
【0081】バッキング保護層塗布液の調製 下記の処方により、バッキング保護層塗布液を調製し
た。
【0082】 ゼラチン 0.7mg/m2 単分散ポリメチルメタクリレート(平均粒径5.5μm) 15mg/m2 化合物A-1 7mg/m2 化合物S-1 24mg/m2 化合物S-2 5mg/m2 化合物S-3 22mg/m2 化合物E-1 22mg/gゼラチン 試料の作製 前記、帯電防止層を有するポリエチレンテレフタレート
フィルム上の片面に、15W/(m2・min)のエネルギーでコ
ロナ放電した後、上記帯電防止層を有する側に、前記調
製のバッキング層塗布液、バッキング保護層塗布液を塗
布した。
【0083】また、支持体上の片面に15W/(m2・min)の
エネルギーでコロナ放電した後、乳剤層及び乳剤保護層
を塗布した。なお、乳剤層は銀量3.75g/m2、ゼラチン
量2.1g/m2、乳剤保護層はゼラチン1.0g/m2になるよう
に塗布、乾燥した。
【0084】得られた試料は、下記処方の処理液で処理
を行った。
【0085】 現像液処方(1リットル処方) 亜硫酸ナトリウム 55g 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 24g 4-メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 0.9g 臭化カリウム 5g 5-メチル-ベンゾトリアゾール 0.13g 硼酸 2.2g ジエチレングリコール 40g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.3g 水と水酸化カリウムを加えて1リットルとし、pH10.5にする。
【0086】定着液処方(1リットル処方) 下記に示す処方の定着液を調製した。
【0087】 (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5 W/V%水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 7g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6.0g クエン酸ナトリウム・2水塩 2.0g (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50W/V%の水溶液 4.7g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含有量が8.1W/V%の水溶液) 26.5g 定着液使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順に溶解し、1リットルに 仕上げ、酢酸でpH4.8に調整した。
【0088】感度及びカブリの評価 得られた試料をステップウエッジと密着させ、Arレー
ザー光の代用評価として波長480nmのフィルターを装着
した高照度感光計で露光し、迅速処理用自動現像機GR-2
6SR(コニカ[株]製)を用い下記処方の処理液を用い
現像温度35℃、定着温度35℃、乾燥温度45℃、処理時間
(Dry to Dry)45秒で処理した。
【0089】なお、処理液の補充量は処理されるハロゲ
ン化銀写真感光材料1m2当たり現像液120ml、定着液100
mlとした。また、面積の80%を黒化させた大全サイズの
フィルムを1日100枚処理のランニングを8日間(800
枚)行った後の処理液に表1に示した本発明の蛋白質分
解酵素を添加し、1時間後に同一処理を行ったフィルム
について感度、カブリ、乾燥性、処理フィルムの汚れに
付いて評価した。
【0090】感度は試料No.1のスタート液で処理した
フィルムが最低濃度+1.0の濃度を得るのに必要な露光
量の逆数を100とした相対感度で示した。カブリは支持
体濃度を差し引いた値で示した。
【0091】乾燥性の評価 前記、感度測定に用いた試料フィルムと同様に、面積の
80%を黒化させた大全サイズのフィルムをランニングを
800枚行った後の処理液で前記同様に処理し、試料フィ
ルムが乾燥部を通過直後のフィルムを手で触れ、 クッツ
キの程度で乾燥性を評価し、1(劣)〜5(優)の5段階表
示で表した。評価点は5が最もよく、3が使用下限レベ
ル、2以下は使用不可のレベルを表す。
【0092】処理汚染 高塩濃度の現像液中に溶出した際、ミセル化し凝集した
有機物質スラッジにより生じる処理汚染を目視で評価
し、1(劣)〜5(優)の5段階表示で表した。評価点は5
が最もよく、3が使用下限レベル、2以下は使用不可の
レベルを表す。
【0093】これらに評価結果を表1、2に示した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】表1、2より本発明の現像液及び/又は定
着液に蛋白分解酵素を固体で添加しても、溶解して添加
してもランニング処理後でのカブリ、乾燥性、フィルム
及び自動現像機の汚染が低減していることが分かる。
【0097】実施例2 下記処方の現像液、定着液を処理開始時に処理液とし、
現像補充剤、定着補充剤を固体状で用いた以外は実施例
1と同様の処理を行った。
【0098】 現像液処方 純水(イオン交換水) 800ml 炭酸カリウム 70g アスコルビン酸 25g 4-メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 1.0g EDTA・Na 1.45g 臭化カリウム 5g 5-メチル-ベンゾトリアゾール 0.2g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.03g 6-メルカプトヒポキサンチン 0.09g 亜硫酸ナトリウム 40g ジエチレングリコール 40g 純水で1リットルに仕上げ、水酸化でpH9.8に調整した。
【0099】 定着液処方 チオ硫酸ナトリウム 250g 純水(イオン交換水) 20ml 亜硫酸ナトリウム 15g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6g 酒石酸 2g リンゴ酸 10g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含有量が8.1W/V%の水溶液) 20ml 純水で1リットルに仕上げ、pHは50W/W%の硫酸溶液で4.5に調整した。
【0100】現像補充剤の調製 錠剤(A)の調製 アスコルビン酸ナトリウム3000gを市販のバンダムミル
(細川ミクロン(株)製)中で、平均粒径10μmになる
まで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム4000g、4-
メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル-3-ピラゾリド
ン100g、蛋白質分解酵素を表3の如く加えミル中で30分
混合して撹拌造粒機中で室温にて10分間、30mlの水を添
加して造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2
時間乾燥し、造粒物の水分をほぼ除去する。このように
して調製した造粒物にポリエチレングリコール6000を10
0gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用い
て10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製
作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造
した打錠機により1錠当たりの充填量を7.127gにして圧
縮打錠を行い、800個の現像補充用錠剤(A)を調製し
た。
【0101】錠剤(B)の調製 臭化カリウム500g、炭酸カリウム5500g、5-メチルベン
ゾトリアゾール20g、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾ
ール3gを錠剤Aの調製と同様に粉砕、造粒した。水の
添加量は30.0mlとし、造粒した後、50℃にて30分間乾燥
し、造粒物の水分をほぼ除去する。このようにして得ら
れた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト
1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を
6.192gにして圧縮打錠を行い、1000個の現像補充用錠剤
(B)を調製した。
【0102】上記錠剤(A)、(B)を各々8錠、10錠
ずつ計18錠を1分包として、連続20分包分を酸素透過率
10ml/m2・24hr・1atm(20℃、65RH)、水分透過率2.0g
・mm/m2・24hr・1atmのポリエチレンテレフタレート
/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン積層フィ
ルムにより形成されたピールオープン包材を使用し、四
方シール方式で分包した。
【0103】定着補充剤の調製 錠剤(C)の調製 チオ硫酸ナトリウム13500g、亜硫酸ナトリウム1500gを
前記錠剤(A)と同様に粉砕した後、市販の混合機で均
一に混合する。次に(A)と同様にして、水の添加量を
500mlにして造粒を行った。造粒後、造粒物を60℃にて3
0分間乾燥し、造粒物の水分をほぼ除去する。このよう
にして調製した造粒物にN-ラウロイルアラニンナトリウ
ム4gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で
混合機を用いて3分間混合する。次に得られた混合物を
菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改
造した打錠機により1錠当たりの充填量を7.502gにして
圧縮打錠を行い、2000個の定着補充用錠剤(C)を調製
した。
【0104】錠剤(D)の調製 硼酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩1500g、リンゴ酸
1000g、酒石酸200gを前記(A)の調製と同様に粉砕、
造粒する。水の添加量は100ml、造粒後、50℃にて30分
間乾燥し、造粒物の水分をほぼ除去する。このようにし
て調製した物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを
添加し、3分間混合した後、得られた混合物を菊水製作
所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造した打
錠機により1錠当たりの充填量を5.702gにして圧縮打錠
を行い、1000個の定着補充用錠剤(D)を調製した。
【0105】次に、上記錠剤(A)、(B)を各々8
錠、10錠ずつ計18錠を1分包とし、連続20分包分を酸
素透過率10ml/m2/・24hr・1atm(20℃、65%RH)、
水分透過率2.0g・mm/m2・24hr・1atmの ポリエチレン
テレフタレート/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエ
チレン積層フィルムにより形成されたピールオープン包
材を使用し、四方シール方式で分包した。
【0106】また、定着補充用錠剤は、上記錠剤
(C)、(D)を各々20錠、10錠ずつ計30錠を1分包と
し、連続20分包分を上記現像補充用錠剤と同様に分包し
た。
【0107】ピールオープン包材としては、シーラント
フィルムとしてトーセロCMPSO11Cを使用し、無延
伸ポリプロピレンフィルム/延伸ポリプロピレンフィル
ムの無延伸ポリプロピレンフィルム面でラミネートし
た。
【0108】作成したピールオープンフィルムと無延伸
ポリプロピレンフィルム/延伸ポリプロピレンフィルム
をヒートシールし定着補充剤を調製した。
【0109】感度及びカブリの評価 上記現像液、定着液スタート液として迅速処理用自動現
像機GR-26SR(コニカ[株]製)に固形処理剤投入部材
を装備し、下記処理条件で全処理時間(Dry toDry)25秒
で実施例1と同様に面積の80%を黒化させた大全サイズ
のフィルムを1日100枚処理のランニングを8日間(800
枚)行った後の処理液で、試料フィルムをステップウエ
ッジと密着させ、Arレーザー光の代用評価として波長4
80nmのフィルターを装着した高照度感光計で露光し、試
料フィルムを処理し、実施例1と同様に感度、カブリ、
乾燥性、処理フィルムの汚れに付いて評価し、これらの
結果を表3、4に示した。
【0110】なお、ランニング中は現像液にはハロゲン
化銀写真感光材料1m2当たり前記錠剤(A)及び(B)
を各々2個と水110mlを添加補充した。(A)及び
(B)を38mlの水に溶解したときのpHは9.8であった。
【0111】定着液には、ハロゲン化銀写真感光材料1
m2当たり前記錠剤(C)剤を2個、(D)剤を1個及び
水105mlを添加した。水の添加は、処理剤の添加とほぼ同
時に開始し、添加速度は各処理剤1個の溶解速度におよ
そ比例した10分間に等速で添加した。
【0112】処理条件 工程 温度(℃) 時間(秒) 現像 35 8.2 定着 33 5 水洗 常温 4.5 スクイズ 1.6 乾燥 40 5.7 計 −
25
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】表3、4より、本発明の蛋白質分解酵素を
含む固形処理剤を用いる処理方法はランニングによる処
理変動及びカブリが小さく、乾燥性を劣化せしめず、か
つフィルム及び自動現像機の汚れを大巾に改善されてい
る。
【0116】
【発明の効果】本発明により、ランニングによる処理変
動及びカブリが小さく、乾燥性を劣化せしめず、かつフ
ィルム及び自動現像機の汚れが大巾に改善されたハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法が得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層及び少なくとも1層の保護層を有するハロゲン
    化銀写真感光材料を露光後、現像、定着、水洗の各処理
    槽を有する自動現像機を用いて処理を行う方法におい
    て、現像液及び/又は定着液に蛋白質分解酵素を添加す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蛋白質分解酵素を固体状
    で添加することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理に
    おいて、現像液補充量をハロゲン化銀写真感光材料1m2
    当たり300ml以下で処理することを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 自動現像機のラインスピードが1500mm/
    min以上であり、かつ処理されるハロゲン化銀写真感光
    材料の現像液への浸漬開始から乾燥終了までの全処理時
    間が45秒以内であることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層及び少なくとも1層の保護層を有するハロゲン
    化銀写真感光材料を露光後、現像、定着、水洗の各処理
    槽を有する自動現像機を用いて処理を行う方法におい
    て、現像液又は定着液の各母液又は補充液の少なくとも
    1つが固形処理剤より調液され、かつ該現像液及び/又
    は定着液に蛋白質分解酵素を固体で添加することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理に
    おいて、現像液補充量をハロゲン化銀写真感光材料1m2
    当たり300ml以下で処理することを特徴とする請求項5
    記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 自動現像機のラインスピードが1500mm/
    min以上であり、かつ処理されるハロゲン化銀写真感光
    材料の現像液への浸透開始から乾燥終了までの全処理時
    間が45秒以内であることを特徴とする請求項5又は6記
    載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
JP8137395A 1995-04-06 1995-04-06 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 Pending JPH08278608A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1146389A1 (en) * 2000-04-11 2001-10-17 Eastman Kodak Company Hydrolyzed water-resistant protective overcoat for an imaging element

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