JPH0827518A - 写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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Abstract
延)をして製造するオーステナイト系ステンレス鋼板の
表面を、写像性に優れた表面とする。 【構成】 JIS G 0551で表される結晶粒度番
号が7.3以上10以下、JIS B 0601で表さ
れる表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以下
の光輝焼鈍鋼帯を、圧下率0.5%以上1.5%以下の
条件で無潤滑冷間圧延する。 【効果】 オーステナイト系ステンレス鋼板において、
表面の写像性に優れた製品が安定的に供給することが可
能となる。
Description
オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関するも
のである。
て、例えばアンモニア分解ガスと呼ばれる水素:窒素=
3:1の割合の混合ガス中で焼鈍された、光輝焼鈍(B
A)仕上げ材は内外装用建築材料や厨房材料に用いられ
る。表面品質として良好な鮮映性(写像特性)が必要と
される。直近では、写像特性としてJIS H 868
6に規定された指数において85%以上の値を有するス
テンレス鋼板が要求されることが多い。製品表面に細か
な凹凸、皺状のうねりが多数存在すると写像性が劣り製
品の表面品質を著しく阻害することが知られており、そ
のため、前記凹凸うねりの防止・除去方法の研究が盛ん
に行われている。
系ステンレス鋼板のBA仕上においてはフェライト系ス
テンレス鋼の場合と異なり、光輝焼鈍での再結晶によっ
て表面に細かな凹凸が生じる。この凹凸を平坦にするた
めに表面粗さが中心線平均粗さ(JIS B 0601
に規定されたRa、以後Raと称す)で0.01μm以
上0.06μm以下程度の平滑なロールで軽い冷間圧延
を行って表面の写像性を向上させる調質圧延が施される
が、フェライト系ステンレス鋼板に比べると写像性が劣
ることが知られていた。
はBA後の調質圧延は通常0.3%程度の圧下率(伸び
長さで規定する場合は「伸び率」とも言う)の圧延で行
う。圧下率が高くなると細かな皺状のうねりが表面に発
生して逆に写像性を劣化させてしまう。この皺状のうね
りは結晶粒の方位差に起因して発生し、結晶粒径が大き
い場合には個々のうねりが大きくなると考えられる。そ
の改善方法として、結晶粒を微細なもの(結晶粒径20
μm以下,結晶粒度番号約8.5以上)とし、光輝焼鈍
後に40%以上の高圧下率の冷間圧延を行う方法が特開
昭60−243225号公報に示されている。しかしな
がら該方法では製品は加工硬化した高強度のものとな
り、二次加工が行われる汎用の製品板としては用いるこ
とができない。
号公報に示されている方法において高圧下率が必要な理
由は冷間圧延における潤滑油が板表面の平滑化を阻害す
るためであることを見出した。表面の写像性に優れかつ
加工性も具備したステンレス鋼板を得るためには、調質
圧延前の光輝焼鈍財の結晶粒径と調質圧延圧下率の適正
範囲を究明する必要がある。本発明者らは調質圧延を無
潤滑で行うことにより、僅かな圧下率でも充分平滑化が
可能となることを見出し、写像性および加工性ともに良
好なオーステナイト系ステンレス鋼板の最適製造条件を
明確にした。
通りである。 (1)JIS G 0551で表される結晶粒度番号が
7.3以上10以下、JIS B 0601で表される
表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以下の光
輝焼鈍鋼帯を圧延素材として、圧下率0.5%以上1.
5%以下の無潤滑冷間圧延を行うことを特徴とする。 (2)前記(1)記載の方法において光輝焼鈍温度が1
000℃以上1120℃以下の範囲であることを特徴と
する。
ンレス鋼板を光輝焼鈍し、続いて無潤滑冷間圧延(以後
調質圧延という)を行う工程において、焼鈍後の結晶粒
の大きさ(結晶粒度番号)、焼鈍鋼帯の表面の粗さ(R
a)および調質圧延の圧下率を特定範囲内で行うことに
よって写像性に優れた表面と加工性に優れた材質を得る
ことができる。
焼鈍材を調質圧延する場合、調質圧延による皺状のうね
りの発生を抑制するためには光輝焼鈍の結晶粒を小さく
しなければならない。結晶粒度番号(JIS G 05
51)で表した光輝焼鈍後の結晶粒の大きさと調質圧延
後の表面の写像性(評価方法JIS H 8686)と
の関係を図1に示す。調質圧延前の光輝焼鈍材の結晶粒
度番号が7.3以上では調質圧延後に安定して高い写像
性の鋼板となり、結晶粒度番号が7.3未満では写像性
が著しく劣化する。従って、光輝焼鈍後の素材の結晶粒
度番号は7.3以上にする必要がある。
して、製品特性としては好ましくない。加工性の指標と
して引張試験(JIS Z 2241)の破断伸びを用
いることがよく行われるが、加工性を具備するためには
一般に45%以上の破断伸びが要求される。
伸びを図2に示す。結晶粒度番号が10を超えると破断
伸びが45%未満となる。従って、最終光輝焼鈍された
調質圧延素材の結晶粒度番号は10以下にする必要があ
る。
り、焼鈍温度が高くなるほど結晶粒は粗大化する。従っ
て、焼鈍温度によって結晶粒度を調整することができ
る。焼鈍温度と結晶粒度との関係を図3に示す。焼鈍温
度が1000℃未満だと結晶粒度番号が10を超えて細
粒になりすぎ、焼鈍温度が1120℃を超えると結晶粒
度番号が7.3未満で粗粒になりすぎる。従って、最終
光輝焼鈍を1000℃以上1120℃以下の温度で行う
ことによって結晶粒度を7.3以上10以下にすること
ができる。
にしたがって結晶粒が大きく成長することが以前から一
般的に知られているが、30秒保定と60秒保定では結
晶粒度の有為差が認められなかった(表1 実施例N
o.5とNo.7参照)。現在工業的に行われる焼鈍は
ほとんど連続ラインでの処理で、保定時間は60秒以下
の範囲である。粒成長に及ぼす保定時間の影響として
は、温度の影響に比べて非常に小さく無視できる。
テンレス鋼は光輝焼鈍における再結晶によって表面に細
かな凹凸が生じる。この凹凸を平滑なロールを用いた調
質圧延によって平坦化すると表面の写像性が良好となる
が、表面の凹凸が細かいために、調質圧延を潤滑剤を供
給しながら行った場合には、潤滑剤が素材表面と平滑な
ロールとの隙間に入り込んで平坦化が充分に行われな
い。その結果、写像性の良好な表面を得ることができな
い。従って、調質圧延は無潤滑で行うことが必要であ
る。
効果的に行われない。無潤滑調質圧延における圧下率と
写像性との関係を図4に示す。写像性を85%以上にす
るには結晶粒度番号(GSN)が7.3以上の素材を
0.5%以上の圧下率で調質圧延することが必要であ
る。一方、結晶粒度番号が7.3を下回る素材は調質圧
延の効果が小さいか、逆に表面の写像性が劣化する。
1.5%を超えた場合、写像性は劣化しないものの、無
潤滑圧延の弊害である軽い焼き付きが表面に発生しはじ
め、白い筋模様として鋼板表面の品質を劣化させる。従
って、調質圧延の圧下率は0.5%以上1.5%以下で
なければならない。
の素材の表面粗さの大きさに関わらず写像性の向上を図
ることが可能であるが、高い写像性を得るためには調質
圧延前の素材の表面粗さを制限する必要がある。表1の
実施例No.15のように光輝焼鈍語の鋼帯の表面粗さ
がRaで0.2μmでは、写像性が低いことから、実施
例No.1〜No.8のように調質圧延前の光輝焼鈍鋼
帯のRaは0.15μm以下にする必要がある。
す。鋼種としてはSUS304を用い、熱間圧延後焼鈍
を施し、続いて冷間圧延を行った素材を用いて、表1に
示す各条件で光輝焼鈍を行った後に結晶粒度番号、表面
の中心線平均粗さ(Ra)を測定し、引き続き表1に示
す圧下率で調質圧延を行った。それぞれの鋼板について
写像性と表面の焼き付きによる白筋の有無を評価した。
光輝焼鈍は窒素:25vol.%,水素:75vol.%の水素
含有の非還元雰囲気ガス中で行い、調質圧延は6Hiの
圧延機を用いて行った。
度番号が7.3以上10以下、Raが0.15μm以下
であり、調質圧延後の焼き付きによる白筋模様も無く、
写像性が85%以上、破断伸びが45%以上と、比較例
(No.9〜15)、従来例(No.16)に比べ品質
の優れた品質のステンレス鋼板となっている。
よれば、表面の写像性の優れたオーステナイト系ステン
レス鋼板を製造することが可能となる。特に、この技術
を用いれば最終光輝焼鈍工程と調質圧延工程で表面品質
が造り込めるため、ステンレス鋼板の表面品質を前行程
の影響を受けずに安定して製造することができる。
粒度番号の影響を示した図である。
晶粒度番号の影響を示した図である。
温度の影響を示した図である。
像性に及ぼす調質圧延圧下率の影響を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 JIS G 0551で表される結晶粒
度番号が7.3以上10以下、JIS B 0601で
表される表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm
以下の光輝焼鈍鋼帯を圧延素材として、圧下率が0.5
%以上1.5%以下の無潤滑冷間圧延を行うことを特徴
とする写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】 光輝焼鈍における加熱温度が1000℃
以上1120℃以下であることを特徴とする請求項1記
載の写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の
製造方法。
Priority Applications (1)
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JP16043594A JP3215266B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH0827518A true JPH0827518A (ja) | 1996-01-30 |
JP3215266B2 JP3215266B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=15714877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16043594A Expired - Lifetime JP3215266B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 写像性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0951954A1 (fr) * | 1998-04-23 | 1999-10-27 | Ugine S.A. | Acier inoxydable utilisable dans le domaine de la cuverie et notamment dans le domaine de la cuverie vinicole. |
JP2002273504A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-25 | Nippon Steel Corp | 表面光沢に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
CN1293810C (zh) * | 2004-03-26 | 2007-01-10 | 北京化工大学 | 负载型纳米氧化镁及其制备方法 |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP16043594A patent/JP3215266B2/ja not_active Expired - Lifetime
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EP0951954A1 (fr) * | 1998-04-23 | 1999-10-27 | Ugine S.A. | Acier inoxydable utilisable dans le domaine de la cuverie et notamment dans le domaine de la cuverie vinicole. |
FR2777811A1 (fr) * | 1998-04-23 | 1999-10-29 | Usinor | Tole d'acier inoxydable austenitique utilisable dans le domaine de la cuverie et notamment dans le domaine de la cuverie vinicole |
JP2002273504A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-25 | Nippon Steel Corp | 表面光沢に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
JP4530559B2 (ja) * | 2001-03-15 | 2010-08-25 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 表面光沢に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
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JP3215266B2 (ja) | 2001-10-02 |
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