JPH08272418A - 非真円体の研削装置及び研削方法 - Google Patents

非真円体の研削装置及び研削方法

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JPH08272418A
JPH08272418A JP19561195A JP19561195A JPH08272418A JP H08272418 A JPH08272418 A JP H08272418A JP 19561195 A JP19561195 A JP 19561195A JP 19561195 A JP19561195 A JP 19561195A JP H08272418 A JPH08272418 A JP H08272418A
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隆則 米田
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貞恒 安味
Hirokazu Imaeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの粗研削加工に際してワークの回転速
度を速くして、粗研削加工に要する時間を短縮するとと
もに、加工精度に悪影響を与えることをなくす。 【解決手段】 ワークWaを回転させながら、ワークW
aの仕上げ形状を表すリフトデータと砥石径とに応じて
求められるプロフィールデータに基づき砥石台8を移動
させて、ワークWaをリフトデータに対応した非真円形
状に研削する。プロフィールデータを、ワークWaを同
一速度で回転させたときに砥石台8の移動時における加
速度が小さくなるように、フィルタ回路22により所定
のフィルタ次数でスムージングする。そして、スムージ
ング後のプロフィールデータに基づき、ワークWaに粗
研削加工を施すとともに、その後、元のプロフィールデ
ータに基づき、ワークWaに仕上げ研削加工を施す。そ
して、粗研削加工時においては、砥石台8の加速度が小
さくなった分だけ、主軸回転速度を速くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを回転させ
ながら、その外周面をワークの仕上げ形状を表すリフト
データに対応した非真円形状に研削加工する非真円体の
研削装置及び研削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18(a)〜(c)に示すように、例
えば研削盤においては、非真円形状のワークWaを形成
したカムシャフトWが、図示しない主軸に取り付けられ
る。そして、同じく図示しないモータにより主軸が回転
されたとき、その主軸とともにワークWaが一方向へ回
転されるようになっている。回転砥石12はその回転中
心とカムシャフトWの回転中心とを結ぶ直線に沿って、
カムシャフトWの軸線と直交する方向へ進退移動可能に
設けられ、ワークWaの外周面の被研削面Wbに接触さ
れた状態で一方向へ回転される。このとき、ワークWa
が所定速度で回転されるとともに、砥石12が進退移動
されることにより、ワークWaの被研削面Wbが全周に
亘って研削される。
【0003】前記砥石12はモータによりボールスクリ
ュー等を介して進退移動されるようになっており、その
モータは数値制御装置(以下、NC装置という)から与
えられる指令に基づきその回転を制御される。又、NC
装置には所定のカム形状に対応するリフトデータが予め
記憶され、NC装置はそのリフトデータと砥石12の径
とに応じて、ワークWの回転角度と砥石12の送り位置
との関係を示すプロフィールデータを求める。そして、
NC装置は、そのプロフィールデータに基づきモータを
回転制御して、砥石12を進退移動させる。これによ
り、ワークWaの被研削面Wbがリフトデータに対応し
た非真円形状に研削されて、非真円体としてのカム23
が形成される。
【0004】上記研削加工に際して、通常、ワークWa
は所定の切り込み量で粗研削加工された後に仕上げ研削
加工を施されるようになっている。この場合、従来で
は、粗研削加工及び仕上げ研削加工の何れにおいても、
同一のプロフィールデータに基づいて砥石12が進退制
御されるようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、粗研
削加工における総切り込み量は、仕上げ研削加工におけ
る総切り込み量より大きいものであり、全体の切り込み
量のほぼ7割を占めている。従って、粗研削加工に要す
る時間が全体の加工時間に占める割合も高い。このた
め、加工時間全体の短縮化を図るためには、特に粗研削
加工時においてワークWaの回転速度を速くして、粗研
削加工に要する時間を短縮することが有効である。
【0006】ところが、図18に示すように、カム23
は真円である基礎円部分23aから突出した部分23b
を有している。そして、その突出部分23bの研削を行
う場合には、前記プロフィールデータに基づいて、砥石
12を同図(c)に鎖線で示す位置と実線で示す位置と
の間で大きく進退移動させる必要がある。従って、加工
時間の短縮のため、粗研削加工に際してワークWaの回
転速度を速くすると、図示しない砥石台を含めた重量物
と同時に砥石12を大きな加速度で急速に進退移動させ
ることが困難になって、砥石12の追従性が悪化する。
言い換えれば、砥石12をプロフィールデータに応じて
正確に移動制御できなくなり、制御異常が発生したり、
粗研削加工により得られるワーク形状が予期しない形状
になったりする。その結果、場合によっては粗研削加工
によりワークWが所望の最終形状を越えて研削されてし
まい、仕上げ代がなくなるというおそれがあった。この
ため、加工時間の短縮化を図ることが困難であった。
【0007】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、ワークの粗研削加工に
際してワークの回転速度を速くすることにより、粗研削
加工に要する時間を短縮して、全体の加工時間の短縮化
を図ることができるとともに、その粗研削加工による誤
差を加工精度に悪影響を与えることがない範囲内に収め
ることができる非真円体の研削装置及び研削方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の研削装置の発明では、回転砥石をワー
クの外周面に接触させた状態で、ワークを回転させると
ともに、ワークの仕上げ形状を表すリフトデータと砥石
径とに応じて求められるプロフィールデータに基づき、
移動手段により回転砥石をワークに対して接離方向へ相
対移動させて、ワークを前記リフトデータに対応した非
真円形状に研削する非真円体の研削装置において、前記
プロフィールデータを、ワークを同一速度で回転させた
ときに同ワークに対する回転砥石の相対移動時における
加速度が小さくなるようにスムージングするフィルタ手
段と、そのスムージングされたプロフィールデータに基
づき前記移動手段を制御してワークに粗研削加工を施す
とともに、その後、元のプロフィールデータに基づき移
動手段を制御してワークに仕上げ研削加工を施す制御手
段とを設けたものである。
【0009】請求項2の発明では、請求項1に記載の研
削装置において、スムージング後のプロフィールデータ
をリフトデータに変換する変換手段と、そのリフトデー
タの元のリフトデータに対する最大誤差が、仕上げ研削
加工における総切り込み量以上にならないように、前記
フィルタ手段のフィルタ次数を設定する次数設定手段と
を設けたものである。
【0010】請求項3の発明では、請求項1に記載の研
削装置において、元のプロフィールデータに対するスム
ージング後のプロフィールデータの最大誤差が、仕上げ
研削加工における総切り込み量以上にならないように、
前記フィルタ手段のフィルタ次数を設定する次数設定手
段を設けたものである。
【0011】請求項4の発明では、請求項2又は3に記
載の研削装置において、粗研削加工終了時にワークに残
すべく予め設定された仕上げ代に、前記スムージング後
のプロフィールデータに基づく粗研削加工後の最終ワー
ク形状が仮に元のプロフィールデータに基づいて粗研削
加工した場合の最終ワーク形状に比べて外方へ突出する
部分の最大誤差量を加えることにより、仕上げ研削加工
における総切り込み量を設定する総切り込み量設定手段
を設け、前記制御手段は、粗研削加工終了後、上記設定
された総切り込み量を残す位置から仕上げ研削加工を開
始するように、前記移動手段を制御するものである。
【0012】請求項5の発明では、請求項1〜4の何れ
かに記載の研削装置において、前記粗研削加工時におい
て、移動手段による最大加速度が、移動手段がその能力
を最大限に発揮できる最大可能加速度になるように、ワ
ークの回転速度を設定する回転速度設定手段を設けたも
のである。
【0013】請求項6の発明では、請求項5に記載の研
削装置において、前記回転速度設定手段は、移動手段の
能力及び移動手段に対する負荷等の条件に基づいて、移
動手段による最大可能加速度を算出する最大可能加速度
算出手段を含むものである。
【0014】請求項7の研削方法の発明では、回転砥石
をワークの外周面に接触させた状態で、ワークを回転さ
せるとともに、ワークの仕上げ形状を表すリフトデータ
と砥石径とに応じて求められるプロフィールデータに基
づき、回転砥石をワークに対して接離方向へ相対移動さ
せて、ワークを前記リフトデータに対応した非真円形状
に研削する非真円体の研削方法において、前記プロフィ
ールデータを、ワークを同一速度で回転させたときに同
ワークに対する回転砥石の相対移動時における加速度が
小さくなるようにスムージングし、その後、スムージン
グされたプロフィールデータに基づきワークに粗研削加
工を施し、続いて、元のプロフィールデータに基づきワ
ークに仕上げ研削加工を施すものである。
【0015】従って、請求項1及び7の発明によれば、
プロフィールデータは、フィルタ手段により、ワークを
同一速度で回転させたときに同ワークに対する回転砥石
の相対移動時における加速度が小さくなるようにスムー
ジングされる。そして、そのスムージングされたプロフ
ィールデータに基づき移動手段が制御されて、ワークに
粗研削加工が施される。その後、元のプロフィールデー
タに基づき移動手段が制御されて、ワークに仕上げ研削
加工が施される。
【0016】上記粗研削加工に際して用いられるプロフ
ィールデータは、元のプロフィールデータと比較して、
ワークを同一速度で回転させたときに同ワークに対する
回転砥石の相対移動時における加速度が小さくなるよう
にスムージングされている。そのため、この粗研削加工
時においては、加速度が小さくなった分だけ、ワークの
回転速度を仕上げ研削加工時と比較して速くすることが
できる。
【0017】請求項2の発明によれば、元のリフトデー
タに対して、スムージング後のプロフィールデータを変
換して得られたリフトデータの最大誤差が、仕上げ研削
加工における総切り込み量以上にならなければ、スムー
ジング後のプロフィールデータに基づく粗研削加工によ
り、ワークがその最終形状を越えて研削されることはな
い。このため、粗研削加工の後に行われる仕上げ研削加
工工程により、ワーク全周に亘る仕上げ加工が可能とな
る。又、前記誤差を、ワークの形状そのものを表すリフ
トデータ同士の比較により、正確に求めることができ
る。
【0018】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と比較して、スムージング後のプロフィールデータをリ
フトデータに変換しない分だけ処理が簡単になる。請求
項4の発明によれば、スムージング後のプロフィールデ
ータに基づく粗研削加工後の最終ワーク形状に応じて、
仕上げ研削加工の開始位置が制御されるので、粗研削加
工に続いて、元のプロフィールデータに基づく仕上げ研
削加工をスムーズに開始することができる。
【0019】請求項5及び6の発明によれば、ワークに
対する回転砥石の相対移動時において移動手段がその能
力を最大限に発揮できる最大可能加速度が算出される。
つまり、粗研削加工に際して、移動手段によるワークに
対する回転砥石の相対移動時における最大加速度は、前
記算出された最大可能加速度の値まで大きくすることが
可能である。このため、その分ワークの回転速度を速く
設定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を研削盤に具体化し
た実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2
に示すように、ワーク支持台1は基台2の一側上面に図
示しない移動機構により水平方向(Z方向)へ移動可能
に支持されている。主軸台3はワーク支持台1の上面に
配設され、カムシャフトWの一端を着脱可能に支持する
ための主軸4及びその主軸4を回転させるためのサーボ
モータよりなる主軸用モータ5を備えている。又、カム
シャフトWには複数のワークWaが軸線方向へ所定の間
隔をおいて形成され、これらワークWaの外周面が被研
削面Wbとなっている。そして、ワークWaはその被研
削面Wbを研削されることにより、非真円体としてのカ
ム23として形成される。
【0021】ホルダ6は主軸4との間隔を調整自在にワ
ーク支持台1の上面に配設され、前記カムシャフトWが
主軸4とこのホルダ6との間においてZ方向へ延びるよ
うに回転可能にかつ着脱可能に支持される。そして、カ
ムシャフトWは、この支持状態で主軸用モータ5の駆動
に伴い所定の方向へ回転される。エンコーダ7は主軸用
モータ5に取り付けられ、このエンコーダ7からの検出
信号が後述するNC装置18に入力される。
【0022】砥石台8は前記基台2上にカムシャフトW
の軸線と直交する水平方向(X方向)へ移動可能に支持
されている。サーボモータよりなる移動用モータ9は基
台2の側部に取り付けられ、この移動用モータ9により
ボールスクリュー10が回転されて、砥石台8がカムシ
ャフトWと接近又は離間する方向へ移動される。本実施
の形態では、移動用モータ9及びボールスクリュー10
等により、移動手段が構成されている。エンコーダ11
は移動用モータ9に取り付けられ、このエンコーダ11
からの検出信号が後述するNC装置18に入力される。
回転砥石12は、カムシャフトWと対向するように砥石
台8の一端に支軸13により回転可能に支持されてい
る。砥石用モータ14は砥石台8上に配設され、この砥
石用モータ14によりプーリ15,16及びベルト17
を介して砥石12が一方向へ回転される。
【0023】NC装置18は制御手段を構成し、装置全
体の動作を制御するためのものである。このNC装置1
8は、各種演算処理を行うCPU(中央処理装置)1
9、装置全体の動作を制御するためのプログラム等を記
憶したROM(リードオンリメモリ)20、各種情報を
一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)2
1、及び後述するフィルタ手段としてのフィルタ回路2
2を有している。本実施の形態では、CPU19、RO
M20及びRAM21により、変換手段、次数設定手
段、回転速度設定手段、総切り込み量設定手段及び最大
可能加速度算出手段が構成されている。
【0024】前記RAM21には、加工対象となる各種
のワークWaにそれぞれ対応して、例えば図7に示すよ
うな仕上げ後の最終カム形状に基づくリフトデータ、つ
まり元のリフトデータD1aが予め記憶されている。この
リフトデータD1aは、例えば図15(a)にも示すよう
に、カム23の基礎円部分23aの位置を「0」とし
て、その「0」の位置に対する突出部分23bの半径方
向における突出量r1の変化の状態を表したものであ
る。言い換えれば、リフトデータD1aは、最終的に得ら
れるカム23の回転中心から外周面までの半径方向にお
ける長さrの変化の状態、即ち仕上げ後の最終カム形状
そのものを表すデータである。
【0025】図8は、前記図7に示すリフトデータD1a
と砥石12の径とに基づいて求められたプロフィールデ
ータD1を示すものである。このプロフィールデータD
1は、主軸4が1回転される間における砥石台8の位置
変位の状態を表すものであり、ここでは主軸4の回転速
度を50rpm(1.2秒で1回転)としている。尚、
このプロフィールデータD1では、図15(b)にも示
すように、砥石12に対するワークWaの接触部位が、
カム23の基礎円部分23aと対応する位置になってい
る場合において、砥石台8の位置を「0」としている。
そして、砥石12に対するワークWaの接触部位が、カ
ム23の突出部分23bと対応する位置になったとき
に、砥石台8の位置が「0」から大きく変位されるよう
になっている。言い換えれば、プロフィールデータD1
は、ワークWaを半径Rの砥石12で研削する場合にお
いて、主軸4が1回転される間におけるワークWaの回
転中心と砥石12の回転中心との間の距離Xの変化の状
態、即ち砥石12の移動量そのものを表すデータであ
る。
【0026】砥石12とワークWaとの接触点が両者の
回転中心を結ぶ直線上に常に位置していれば、プロフィ
ールデータD1は前記リフトデータD1aと一致したデー
タとなる。しかし、図15(b)に示すように、所定の
径を有する砥石12がワークWaと接触する場合には、
両者の接触点は両者の回転中心を結ぶ直線に対して上下
にシフトする。そして、このことがプロフィールデータ
D1とリフトデータD1aとの違いとなって現れるのであ
る。
【0027】図9は、前記図8に示すプロフィールデー
タD1を1階微分して、主軸4が50rpmで1回転さ
れる間における砥石台8の速度変化を表したものであ
る。同図より明らかなように、砥石台8は、砥石12に
対するワークWaの接触部位が、カム23の基礎円部分
23aから突出部分23bに移行した直後及び突出部分
23bから基礎円部分23aに移行する直前に、その速
度が急激に変化される。
【0028】又、このNC装置18は前記各エンコーダ
7,11からの検出信号に基づいて、ワークWaの回転
角度及び回転速度を算出するとともに、砥石台8のX方
向における移動位置等を算出する。そして、NC装置1
8は、これら算出結果及び前記プロフィールデータD1
に基づき、前記主軸用モータ5及び移動用モータ9を回
転制御して、ワークWaを所定速度で回転させるととも
に、そのワークWaの回転に応じて砥石台8をX方向へ
移動させる。又、NC装置18は、前記ワーク支持台1
のZ方向への移動制御を行って、所定のワークWaを砥
石12と対向配置させる。これらの結果、所定のワーク
WaがリフトデータD1aに対応した非真円形状に研削さ
れて、図3に1点鎖線で示すようなカム23が形成され
る。
【0029】前記フィルタ回路22は例えばFIRデジ
タルフィルタよりなり、前記図8に示すようなプロフィ
ールデータD1を、ワークWを同一速度で回転させたと
きに砥石台8の移動時における加速度が小さくなるよう
に所定のフィルタ次数でスムージングして、図11に実
線で示すような別のプロフィールデータD2を作成す
る。図11の実線及び鎖線より明らかなように、スムー
ジング後のプロフィールデータD2は、元のプロフィー
ルデータD1と比較して、カーブがなまされてその立ち
上がりや立ち下がりが緩やかになっている。
【0030】ここで、前記フィルタ回路22によるスム
ージング処理の原理について説明する。例えば図16
(a)に示すようなデータを5次のフィルタ次数でスム
ージングする場合について説明する。先ず点列化された
データ上において、スムージング処理を行うべき所定の
点Pを中央として、連続する5つの点P−2,P−1,
P,P+1,P+2を取り出す。そして、それら各点P
−2〜P+2の値にそれぞれ所定の重み付け係数を乗算
する。この重み付け係数は中央の点Pに対応するものほ
ど値が大きくなるように設定されるとともに、5つの各
点P−2〜P+2に対応する重み付け係数の合計が
「1」になるように設定されている。例えば中央の点P
に対応する重み付け係数が「0.5」、その中央の点P
の両隣の2つの点P+1,P−1の重み付け係数が
「0.15」、両端の2つの点P+2,P−2の重み付
け係数が「0.1」のように設定されている。そして、
前記乗算の結果得られた5つの値の合計値を、中央の点
Pに対応する値とする。そして、この処理を、対象とす
る点を1つずつずらしながら順次行うことにより、図1
6(b)に示すように、スムージング後のデータが得ら
れる。図16(a)と図16(b)との比較より明らか
なように、スムージング後のデータは元のデータと比較
して、その立ち上がりが緩やかになるようになまされ
る。この場合、フィルタ次数を大きくするほど、言い換
えればスムージングに際して取り出す点の数を多くする
ほど、スムージング後のデータの立ち上がりが緩やかに
なる。
【0031】又、本実施の形態において、NC装置18
は、前記ワークWaの研削加工に際して、図3に示すよ
うに、ワークWaに予め設定した仕上げ代H1を残すよ
うに粗研削加工を施した後に、その仕上げ代H1分を含
む仕上げ研削加工を施す。この場合、NC装置18は、
粗研削加工時においては、前記フィルタ回路22により
スムージングされたプロフィールデータD2に基づき移
動用モータ9を制御して、砥石台8をX方向へ移動させ
る。一方、NC装置18は、仕上げ研削加工時において
は、元のプロフィールデータD1に基づき移動用モータ
9を制御して、砥石台8をX方向へ移動させる。
【0032】次に、前記のように構成された研削盤の作
用を説明する。さて、先ず図4に示すフローチャート
は、NC装置18の制御のもとで行われるワークWaの
研削加工処理動作の概要を示すものである。即ち、先
ず、RAM21に記憶されているリフトデータD1aと砥
石12の径とに基づき求められたプロフィールデータD
1のスムージング処理が行われて(ステップS10
1)、スムージング後のプロフィールデータD2が作成
される。続いて、そのスムージングデータD2に応じ
て、粗研削加工時における主軸回転速度ωの設定処理が
行われる(ステップS102)。尚、詳しくは後述する
が、仕上げ研削加工時における主軸回転速度ω0 は、プ
ロフィールデータD1に応じて求められてRAM21内
に設定される。
【0033】次に、前記スムージング後のプロフィール
データD2に基づき、前記設定主軸回転速度ωで粗研削
加工が実施される(ステップS103)。その後、元の
プロフィールデータD1に基づき、前記主軸回転速度ω
0 で仕上げ研削加工が実施され(ステップS104)、
研削加工処理が終了される。
【0034】次に、前記ステップS101におけるスム
ージング処理動作について、図5のフローチャートに基
づいて詳細に説明する。先ず、例えば図示しない入力手
段からの入力指令等に基づき、装置にセットされる加工
対象となるワークWaが決定される(ステップS20
1)。続いて、その決定されたワークWaに対応するリ
フトデータD1aが決定される(ステップS202)。次
に、その決定されたリフトデータD1aと研削加工に使用
する砥石12の径とに基づき、プロフィールデータD1
が求められる(ステップS203)。その後、前記決定
されたワークWaに対応して、粗研削加工における総切
り込み量及びワークWaの回転量が決定されるととも
に、仕上げ研削加工における仕上げ代H1及びワークW
aの回転量が決定される(ステップS204)。
【0035】次に、先に決定されたプロフィールデータ
D1が、予め設定されたフィルタ次数でフィルタ回路2
2によりスムージングされて、スムージング後のプロフ
ィールデータD2が作成される(ステップS205)。
尚、フィルタ回路22による最初のスムージングにおい
ては、フィルタ次数が1次に設定されている。
【0036】続いて、前記スムージング後のプロフィー
ルデータD2がリフトデータD2aに変換される(ステッ
プS206)。そして、前記元のリフトデータD1aに対
するリフトデータD2aの最大誤差ΔDが算出されるとと
もに、仕上げ研削加工における総切り込み量H2が算出
される(ステップS207)。
【0037】即ち、元のリフトデータD1aに対するリフ
トデータD2aの誤差量の変化は図12に示すようにな
る。そして、最大誤差ΔDは、プラス方向の最大誤差量
ΔDaとマイナス方向の最大誤差量ΔDbとの和により
算出される。つまり、図3に示すように、仮にワークW
aを元のプロフィールデータD1に基づいて粗研削加工
した場合には、その粗研削加工後の最終ワーク形状P1
が2点鎖線で示すような形状となる。これに対して、ワ
ークWaをスムージング後のプロフィールデータD2に
基づいて粗研削加工した場合には、その粗研削加工後の
最終ワーク形状P2が太線で示すような形状となる。そ
して、この2点鎖線で示すワーク形状P1に対する太線
で示すワーク形状P2の半径方向のずれ幅が、前記図1
2に示すように元のリフトデータD1aに対するリフトデ
ータD2aの誤差量となる。又、前記仕上げ研削加工にお
ける総切り込み量H2は、先に設定された仕上げ代H1
に、前記プラス方向の最大誤差量ΔDa、即ちワーク形
状P1に対しワーク形状P2が外方へ突出している部分
の半径方向の最大誤差量ΔDaを加えることにより算出
される。
【0038】次に、前記算出された元のリフトデータD
1aに対するリフトデータD2aの最大誤差ΔDが、同じく
前記算出された仕上げ研削加工における総切り込み量H
2より小さいか否かが判断される(ステップS20
8)。このとき、その最大誤差ΔDが仕上げ研削加工に
おける総切り込み量H2より小さければ、スムージング
後のプロフィールデータD2に基づく粗研削加工によ
り、ワークWaが図3に1点鎖線で示す仕上げ研削加工
後の最終形状P4を越えて研削されることはない。
【0039】従って、前記ステップS208における判
定結果がYESの場合には、砥石台8の加速度が極力小
さくなるように、極力高次のフィルタ次数でスムージン
グすべく、フィルタ回路22のフィルタ次数が1次上げ
られて再設定される(ステップS209)。そして、前
記ステップS205に戻って、新たに設定された高次の
フィルタ次数で、プロフィールデータD1のスムージン
グが行われる。このように、前記最大誤差ΔDが総切り
込み量H2より小さくなる範囲内で、フィルタ次数が1
次ずつ順次上げられて再スムージングされる。
【0040】そして、前記ステップS208における判
定結果がNOになった場合、即ち最大誤差ΔDが総切り
込み量H2以上となった場合には、スムージング後のプ
ロフィールデータD2に基づく粗研削加工により、ワー
クWaが図3に1点鎖線で示す最終形状P4を越えて研
削されてしまうことになる。そのため、このような場合
には、前記ステップS208における判定結果がYES
であった1次低いフィルタ次数に戻すべく、フィルタ回
路22のフィルタ次数が1次下げられて再設定される
(ステップS210)。そして、この再設定されたフィ
ルタ次数でプロフィールデータD1がスムージングされ
て、最終的なスムージング後のプロフィールデータD2
が作成され(ステップS211)、処理が終了される。
【0041】例えば、前述した図12においては、プラ
ス方向の最大誤差量ΔDa=0.046mm、マイナス
方向の最大誤差量ΔDb=0.008mmで、最大誤差
ΔD=ΔDa+ΔDb=0.046+0.008=0.
054mmとなっている。この場合、仕上げ代H1=
0.050mmであれば、仕上げ研削加工における総切
り込み量H2=H1+ΔDa=0.050+0.046
=0.096mmとなる。従って、最大誤差ΔDは総切
り込み量H2以上でないので、図11に実線で示すスム
ージング後のプロフィールデータD2に基づく粗研削加
工により、ワークWaが図3に1点鎖線で示す最終形状
P4を越えて研削されることはない。しかも、この図1
1に実線で示すスムージングデータD2より1次高いフ
ィルタ次数でスムージングされたプロフィールデータか
ら求められたリフトデータと元のリフトデータD1aとの
最大誤差ΔDが前記総切り込み量H2以上となるような
場合には、図11に実線で示すプロフィールデータD2
は、砥石台8の加速度が極力小さくなるように、極力高
次のフィルタ次数でスムージングされた最適なものであ
るといえる。
【0042】又、前記のようにして、粗研削加工時のプ
ロフィールデータD2が決定されると、前記誤差量のう
ち、プラス方向の最大誤差量ΔDaが求められ、これに
より、仕上げ研削加工時の総切り込み量H2(=H1+
ΔDa)が求められる。そして、最終ワーク形状P4か
らこの総切り込み量H2を残す位置が仕上げ研削開始位
置として設定される。即ち、図3において、細線P3で
示す線より仕上げ研削が開始されるように、粗研削後、
砥石台8がX方向に位置決めされて、仕上げ研削加工が
実施されるようになっている。言い換えれば、スムージ
ング後のプロフィールデータD2に基づく粗研削加工後
の最終ワーク形状P2に応じて、仕上げ研削加工の開始
位置が制御される。その結果、粗研削加工に続いて、元
のプロフィールデータD1に基づく仕上げ研削加工をス
ムーズに開始することができる。
【0043】次に、前記ステップS102における主軸
回転速度ωの設定処理動作について、図6のフローチャ
ートに基づいて詳細に説明する。先ず、移動用モータ9
の能力及び砥石台8の移動時において移動用モータ9に
かかる負荷等の条件に基づいて、その移動用モータ9に
よる砥石台8の最大可能加速度αが算出される(ステッ
プS301)。つまり、砥石台8の移動時において移動
用モータ9がその能力を最大限に発揮できる最大可能加
速度αが算出される。
【0044】次に、前記作成されたスムージング後のプ
ロフィールデータD2が2階微分されて、砥石台8の加
速度が算出される(ステップS302)。例えば、前記
図11に実線で示すスムージング後のプロフィールデー
タD2を2階微分すると、主軸4が50rpmで1回転
される間における砥石台8の加速度の変化が図13に示
すように表される。続いて、前記算出された加速度のう
ちで最大の加速度Mが選択される(ステップS30
3)。例えば図13においては、砥石台8の最大加速度
Mが3000mm/s2 となっている。
【0045】そして、次に、その最大加速度Mが前記最
大可能加速度αになるように、粗研削加工時における主
軸回転速度ωが算出されて設定される(ステップS30
4)。具体的には、RAM21内に設定されている仕上
げ研削加工時における主軸回転速度ω0 の値に、最大加
速度Mと最大可能加速度αとの比の平方根の値を乗算し
た結果が、粗研削加工時における主軸回転速度ωとして
設定される。
【0046】例えば、仕上げ研削加工が、図8に示すプ
ロフィールデータD1に基づき、50rpmの主軸回転
速度ω0 で実施されるとする。この場合、図8に示すプ
ロフィールデータD1を2階微分すると、主軸4が50
rpmで1回転される間における砥石台8の加速度の変
化が図10に示すように表される。そして、この図10
より明らかなように、その加速度のうちで最大の値は4
200mm/s2 である。つまり、この4200mm/
2 という加速度は、移動用モータ9がその能力を最大
限に発揮できる砥石台8の最大可能加速度αである。言
い換えれば、プロフィールデータD1が求められたと
き、砥石台8の最大加速度が前記4200mm/s2
いう最大可能加速度αになるように、仕上げ研削加工時
における主軸回転速度ω0 が50rpmという値に設定
される。
【0047】これに対して、粗研削加工が、図11に実
線で示すスムージング後のプロフィールデータD2に基
づき、50rpmの主軸回転速度ωで実施されるとす
る。そして、前述したように、この場合における砥石台
8の最大加速度Mは、図13に示すように3000mm
/s2 となる。しかしながら、移動用モータ9がその能
力を最大限に発揮できる砥石台8の最大可能加速度α
は、前記仕上げ研削加工時と同じく4200mm/s2
であるので、この粗研削加工時においても、砥石台8の
最大加速度Mを4200mm/s2 まで大きくすること
が可能である。
【0048】従って、前記ステップS304における数
式に基づいて、粗研削加工時における主軸回転速度ωを
算出すると、 ω=ω0 √(α/M)=50×√(4200/300
0)≒60rpm となる。この結果からも明らかなように、仕上げ研削加
工時における50rpmという主軸回転速度ω0 に対し
て、粗研削加工時における主軸回転速度ωを60rpm
という速い速度に設定することができる。
【0049】図14は、粗研削加工が図11に実線で示
すスムージングデータD2に基づき60rpmの主軸回
転速度ωで実施された場合における砥石台8の加速度の
変化を表すものである。同図に示すように、この場合に
おける砥石台8の最大加速度Mは、砥石台8の最大可能
加速度αである4200mm/s2 となる。そして、前
記図10に示すように、仕上げ研削加工が元のプロフィ
ールデータD1に基づき50rpmの主軸回転速度ω0
で実施された場合における砥石台8の最大加速度も、粗
研削加工時と同じく4200mm/s2 となる。
【0050】このように、粗研削加工時及び仕上げ研削
加工時において、砥石台8の最大加速度が互いに同じに
なるようにしても、粗研削加工時においては、スムージ
ングデータD2に基づき研削を行うことにより、仕上げ
研削加工時よりも主軸回転速度を速いものとすることが
できる。
【0051】以上のように、本実施の形態では、プロフ
ィールデータD1を、ワークWを同一速度で回転させた
ときに砥石台8の移動時における加速度が小さくなるよ
うに、フィルタ回路22により所定のフィルタ次数でス
ムージングするようにしている。そして、そのスムージ
ングされたプロフィールデータD2に基づき、ワークW
aに粗研削加工を施すとともに、その後、元のプロフィ
ールデータD1に基づき、ワークWaに仕上げ研削加工
を施すようにしている。そして、粗研削加工時において
は、砥石台8の加速度が小さくなった分だけ、主軸回転
速度ωを速くするようにしている。
【0052】このため、全体の加工時間に占める割合の
高い粗研削加工において、その加工に要する時間を短縮
することができ、全体の加工時間の短縮化を図ることが
できる。
【0053】又、本実施の形態では、元のリフトデータ
D1aとスムージング後のプロフィールデータD2から求
められたリフトデータD2aとの最大誤差ΔDが、仕上げ
研削加工における総切り込み量H2以上にならないよう
に、フィルタ回路22のフィルタ次数が設定される。つ
まり、前記最大誤差ΔDが仕上げ研削加工における総切
り込み量H2以上にならなければ、スムージングデータ
D2に基づく粗研削加工により、ワークWaがその最終
形状を越えて研削されることはない。
【0054】このため、粗研削加工の後に行われる仕上
げ研削加工工程により、ワークWaの全周に亘る仕上げ
加工が可能となる。従って、粗研削加工に際して、元の
プロフィールデータD1に対して誤差のあるスムージン
グデータD2を用いても、最終的に得られるカム23の
加工精度に悪影響を与えることはない。加えて、設定さ
れるフィルタ次数は、砥石台8の加速度が極力小さくな
るように極力高次に設定されるので、加工精度に悪影響
を与えない範囲内で、粗研削加工時における主軸回転速
度ωを極力速い速度に設定することができる。
【0055】しかも、前記最大誤差ΔDを、ワークWa
の形状そのものを表すリフトデータ同士の比較により求
めている。これは、最大誤差ΔDを、図3に示すよう
に、仮に元のプロフィールデータD1に基づいて粗研削
加工後した場合の最終ワーク形状P1と、スムージング
後のプロフィールデータD2に基づく粗研削加工後の最
終ワーク形状P2との半径方向のずれ幅に基づき求めて
いることになる。従って、最大誤差ΔDを実際に得られ
るワーク形状に基づき高精度に求めることができ、前記
フィルタ次数をより適正に設定することが可能となる。
【0056】更に、本実施の形態では、移動用モータ9
がその能力を最大限に発揮できる砥石台8の最大可能加
速度αが算出される。そして、砥石台8の最大加速度M
がその最大可能加速度αになるように、粗研削加工時に
おける主軸回転速度ωが設定される。尚、仕上げ研削加
工時における主軸回転速度ω0 も、砥石台8の最大加速
度が前記最大可能加速度αになるように設定される。従
って、粗研削加工時及び仕上げ研削加工時における主軸
回転速度ω,ω0 を、砥石台8の追従性が悪化しない範
囲内で極力速い最適値に設定することができ、加工時間
の短縮を図りつつ、加工精度の低下を確実に防止でき
る。
【0057】因みに、プロフィールデータD1ではなく
てリフトデータD1aをフィルタ回路22でスムージング
することも考えられる。しかし、リフトデータD1aはワ
ークWaの形状そのものを表すデータであり、プロフィ
ールデータD1とは異なり、砥石径を考慮した砥石台8
の動きそのものを表すデータではない。このため、リフ
トデータD1aをスムージングしても、砥石台8の加速度
を必ずしも的確に小さくすることはできない。例えば、
図9に示すリフトデータD1aを1階微分及び2階微分し
て得られた速度及び加速度データを、それぞれ図9及び
図10に2点鎖線で示す。この図9及び図10より明ら
かなように、リフトデータD1aに基づく速度及び加速度
データは、砥石台8の速度及び加速度を的確に表してい
るとはいえない。このため、砥石径を考慮した砥石台8
の動きそのものを表すプロフィールデータD1をスムー
ジングすることは、砥石台8の加速度を的確に小さくす
る上で非常に有効である。
【0058】尚、本発明を例えば以下のように変更して
具体化してもよい。 (1)前記実施の形態では、元のリフトデータD1aとス
ムージング後のプロフィールデータD2から求められた
リフトデータD2aとの比較により最大誤差ΔDを求める
ようにしていたが、元のプロフィールデータD1に対す
るスムージング後のプロフィールデータD2の最大誤差
を最大誤差ΔDと見なして処理を行うこと。即ち、図1
7に示すように、前記図5のフローチャートにおけるス
テップS206の処理を省くとともに、ステップS20
7の処理に代えてステップS207aの処理、つまり元
のプロフィールデータD1に対するスムージング後のプ
ロフィールデータD2の最大誤差ΔDを算出するととも
に、仕上げ研削加工における総切り込み量H2を算出す
る処理を行うようにする。このようにした場合には、最
大誤差ΔDが砥石台8の動きを表すプロフィールデータ
に基づき求められるので、その最大誤差ΔDが実際に得
られるワーク形状に基づくものとは若干異なる可能性が
あり、実際の最大誤差ΔDを正確に求めることができな
いおそれがある。しかしながら、最大誤差ΔDをそれほ
ど正確に求める必要がない場合、例えば残りの切り込み
量の最小値が「0」以上さえあればよいような場合等に
は、この別の実施の形態の処理を選択できるようにすれ
ば、スムージング後のプロフィールデータD2をリフト
データD2aに変換しない分だけ処理が簡単になる。
【0059】(2)砥石台8の最大可能加速度αを、実
際に移動用モータ9により砥石台8を移動させて計測
し、その計測値を予めRAM21に登録しておくこと。 (3)前記実施の形態では、ワークWaの回転に応じて
砥石台8をX方向へ移動させるようにしていたが、これ
に代えて、砥石台8を固定配置するとともに、ワークW
aをその回転に応じてX方向へ移動させるように構成す
ること。
【0060】上記実施の形態から把握できる技術的思想
について以下に述べる。 (1)移動手段はモータ及びボールスクリューを含み、
モータによりボールスクリューが回転されることによ
り、砥石がワークと接近又は離間する方向へ移動される
請求項1に記載の非真円体の研削装置。
【0061】このようにすれば、砥石の加速度が小さく
なった分だけ、ワークの回転速度を速くすることができ
る。 (2)粗研削加工時において、移動手段による加速度が
小さくなった分だけ、仕上げ研削加工時よりもワークの
回転速度を速くする請求項5に記載の非真円体の研削方
法。
【0062】このようにすれば、全体の加工時間に占め
る割合の高い粗研削加工において、その加工に要する時
間を短縮できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような優れた効果を奏する。請求項1及び7の発明に
よれば、ワークの粗研削加工に際してワークの回転速度
を速くして、粗研削加工に要する時間を短縮することが
できる。その結果、全体の加工時間の短縮化を図ること
ができる。
【0064】請求項2の発明によれば、スムージング後
のプロフィールデータに基づく粗研削加工により、ワー
クがその最終形状を越えて研削されることはないので、
粗研削加工の後に行われる仕上げ研削加工工程により、
ワーク全周に亘る仕上げ加工が可能となる。このため、
粗研削加工に際して、元のプロフィールデータに対して
誤差のあるスムージングデータを用いても、最終的に得
られる非真円体の加工精度に悪影響を与えることはな
い。
【0065】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と比較して、スムージング後のプロフィールデータをリ
フトデータに変換しない分だけ処理が簡単になる。請求
項4の発明によれば、スムージング後のプロフィールデ
ータに基づく粗研削加工後の最終ワーク形状に応じて、
仕上げ研削加工の開始位置が制御されるので、粗研削加
工に続いて、元のプロフィールデータに基づく仕上げ研
削加工をスムーズに開始することができる。
【0066】請求項5及び6の発明によれば、粗研削加
工時におけるワークの回転速度を、ワークと砥石との相
対移動時における追従性が悪化しない範囲内で極力速い
最適値に設定することができ、加工時間の短縮を図りつ
つ、加工精度の低下を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を研削盤に具体化した実施の形態を示
す一部破断側面図。
【図2】 研削盤の平面図。
【図3】 ワークに対する研削状態を説明するための
図。
【図4】 研削加工処理動作の概要を示すフローチャー
ト。
【図5】 スムージング処理動作を示すフローチャー
ト。
【図6】 主軸回転速度の設定処理動作を示すフローチ
ャート。
【図7】 元のリフトデータを示す説明図。
【図8】 元のプロフィールデータを示す説明図。
【図9】 元のプロフィールデータを1階微分した状態
を示す説明図。
【図10】 元のプロフィールデータを2階微分した状
態を示す説明図。
【図11】 スムージング後のプロフィールデータを示
す説明図。
【図12】 リフトデータの誤差量を示す説明図。
【図13】 スムージングデータを2階微分した状態を
示す説明図。
【図14】 スムージングデータに基づき60rpmの
主軸回転速度で粗研削加工した場合における砥石台の加
速度の変化を表す説明図。
【図15】 (a)はリフトデータを説明するための
図、(b)はプロフィールデータを説明するための図。
【図16】 フィルタ回路によるスムージング処理の原
理を示す説明図。
【図17】 別の実施の形態における処理の一部を示す
フローチャート。
【図18】 砥石に対するワークの接触状態をそれぞれ
示す部分側面図。
【符号の説明】
4…主軸、5…主軸用モータ、8…砥石台、9…移動手
段を構成する移動用モータ、10…移動手段を構成する
ボールスクリュー、12…回転砥石、18…制御手段を
構成するNC装置、19…変換手段、次数設定手段、回
転速度設定手段、総切り込み量設定手段及び最大可能加
速度算出手段を構成するCPU、20…変換手段、次数
設定手段、回転速度設定手段、総切り込み量設定手段及
び最大可能加速度算出手段を構成するROM、21…変
換手段、次数設定手段、回転速度設定手段、総切り込み
量設定手段及び最大可能加速度算出手段を構成するRA
M、22…フィルタ手段としてのフィルタ回路、23…
非真円体としてのカム、Wa…ワーク、Wb…被研削
面、D1a…元のリフトデータ、D1…元のプロフィール
データ、D2…スムージング後のプロフィールデータ、
D2a…D2を変換して得られたリフトデータ、H1…仕
上げ代、H2…仕上げ研削加工における総切り込み量、
ω…粗研削加工時における主軸回転速度、ω0 …仕上げ
研削加工時における主軸回転速度、α…最大可能加速
度、M…最大加速度、ΔD…D1aに対するD2aの最大誤
差、ΔDa…プラス方向の最大誤差量、ΔDb…マイナ
ス方向の最大誤差量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 19/403 N

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転砥石をワークの外周面に接触させた
    状態で、ワークを回転させるとともに、ワークの仕上げ
    形状を表すリフトデータと砥石径とに応じて求められる
    プロフィールデータに基づき、移動手段により回転砥石
    をワークに対して接離方向へ相対移動させて、ワークを
    前記リフトデータに対応した非真円形状に研削する非真
    円体の研削装置において、 前記プロフィールデータを、ワークを同一速度で回転さ
    せたときに同ワークに対する回転砥石の相対移動時にお
    ける加速度が小さくなるようにスムージングするフィル
    タ手段と、 そのスムージングされたプロフィールデータに基づき前
    記移動手段を制御してワークに粗研削加工を施すととも
    に、その後、元のプロフィールデータに基づき移動手段
    を制御してワークに仕上げ研削加工を施す制御手段とを
    設けた非真円体の研削装置。
  2. 【請求項2】 スムージング後のプロフィールデータを
    リフトデータに変換する変換手段と、そのリフトデータ
    の元のリフトデータに対する最大誤差が、仕上げ研削加
    工における総切り込み量以上にならないように、前記フ
    ィルタ手段のフィルタ次数を設定する次数設定手段とを
    設けた請求項1に記載の非真円体の研削装置。
  3. 【請求項3】 元のプロフィールデータに対するスムー
    ジング後のプロフィールデータの最大誤差が、仕上げ研
    削加工における総切り込み量以上にならないように、前
    記フィルタ手段のフィルタ次数を設定する次数設定手段
    を設けた請求項1に記載の非真円体の研削装置。
  4. 【請求項4】 粗研削加工終了時にワークに残すべく予
    め設定された仕上げ代に、前記スムージング後のプロフ
    ィールデータに基づく粗研削加工後の最終ワーク形状が
    仮に元のプロフィールデータに基づいて粗研削加工した
    場合の最終ワーク形状に比べて外方へ突出する部分の最
    大誤差量を加えることにより、仕上げ研削加工における
    総切り込み量を設定する総切り込み量設定手段を設け、
    前記制御手段は、粗研削加工終了後、上記設定された総
    切り込み量を残す位置から仕上げ研削加工を開始するよ
    うに、前記移動手段を制御する請求項2又は3に記載の
    非真円体の研削装置。
  5. 【請求項5】 前記粗研削加工時において、移動手段に
    よる最大加速度が、移動手段がその能力を最大限に発揮
    できる最大可能加速度になるように、ワークの回転速度
    を設定する回転速度設定手段を設けた請求項1〜4の何
    れかに記載の非真円体の研削装置。
  6. 【請求項6】 前記回転速度設定手段は、移動手段の能
    力及び移動手段に対する負荷等の条件に基づいて、移動
    手段による最大可能加速度を算出する最大可能加速度算
    出手段を含む請求項5に記載の非真円体の研削装置。
  7. 【請求項7】 回転砥石をワークの外周面に接触させた
    状態で、ワークを回転させるとともに、ワークの仕上げ
    形状を表すリフトデータと砥石径とに応じて求められる
    プロフィールデータに基づき、回転砥石をワークに対し
    て接離方向へ相対移動させて、ワークを前記リフトデー
    タに対応した非真円形状に研削する非真円体の研削方法
    において、 前記プロフィールデータを、ワークを同一速度で回転さ
    せたときに同ワークに対する回転砥石の相対移動時にお
    ける加速度が小さくなるようにスムージングし、その
    後、スムージングされたプロフィールデータに基づきワ
    ークに粗研削加工を施し、続いて、元のプロフィールデ
    ータに基づきワークに仕上げ研削加工を施す非真円体の
    研削方法。
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