JP3130770B2 - 非真円体の研削装置 - Google Patents

非真円体の研削装置

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JP3130770B2
JP3130770B2 JP07251619A JP25161995A JP3130770B2 JP 3130770 B2 JP3130770 B2 JP 3130770B2 JP 07251619 A JP07251619 A JP 07251619A JP 25161995 A JP25161995 A JP 25161995A JP 3130770 B2 JP3130770 B2 JP 3130770B2
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隆則 米田
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株式会社日平トヤマ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カム等の非真円形
状をなす被加工物を回転させながら、その外周面を回転
砥石によって研削加工する非真円体の研削装置に関し、
特に被加工物を装着した主軸の回転速度を制御するため
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被加工物を装着した主軸を回
転させながら、その主軸と直交する方向へ回転砥石を相
対移動させて、被加工物の外周を非真円形状に研削する
装置として、例えば車両用エンジンにおけるカムを研削
するためのカム研削盤が知られている。
【0003】この種のカム研削盤においては、主軸の回
転角度と回転砥石の移動位置との関係を設定したプロフ
ィールデータが、予め数値制御装置(以下、NC装置と
いう)に制御データとして記憶されている。そして、そ
のプロフィールデータに基づいて、NC装置により主軸
の回転角度に応じて回転砥石の移動位置が制御されるこ
とにより、被加工物が予め設定された所定の切り込み量
で研削されて、非真円体としてのカムが形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示すように、被
加工物Waを回転砥石12により所定の切り込み量ΔH
で研削する場合には、被加工物Wa及び回転砥石12に
回転抵抗が作用する。ところが、カムは非真円形状をな
しているため、被加工物Waの回転に伴い、その被加工
物Waに対する回転砥石12の接触長さ(図9に太線で
示す)Liが変化する。この研削加工時における接触長
さLiの変化は、前記回転抵抗の変化、言い換えれば被
加工物Wa及び回転砥石12を回転させるための駆動源
(図示しない)に対する負荷の変動となって表れる。そ
して、この負荷変動により、被加工物Wa及び回転砥石
12が微振動を発生してスムーズに回転されず、加工精
度に悪影響を与えるという問題があった。
【0005】加えて、被加工物Waの回転に伴い、その
被加工物Waの回転中心Oと、同被加工物Waに対する
回転砥石12の研削点Qiとの間の距離riも変化す
る。この距離riの変化は、被加工物Waの回転中心O
の周りのモーメントの変化、言い換えれば被加工物Wa
を回転させるための駆動源に対する負荷の変動となって
表れる。そして、このモーメントの変化に起因する負荷
変動によっても、被加工物Waが微振動を発生してスム
ーズに回転されず、加工精度に悪影響を与えるものであ
った。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、研削加工時における負
荷変動の影響を抑制して、加工精度を向上させることが
できる非真円体の研削装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、被加工物を装着した主軸を
回転させる回転手段と、被加工物の外周面を研削する回
転砥石を前記主軸に対して交差する方向へ相対移動させ
る移動手段とを備え、主軸を回転させながら、主軸の回
転角度と回転砥石の移動位置との関係を設定した制御デ
ータに基づき移動手段を制御して、被加工物を所定の非
真円形状に研削する非真円体の研削装置において、被加
工物に対する回転砥石の切り込み量に基づき、被加工物
に対する回転砥石の接触長さを算出する第1の算出手段
と、被加工物の回転中心とその被加工物に対する回転砥
石の研削点との間の距離を算出する第2の算出手段と、
主軸の回転速度が前記算出された接触長さと距離との積
の値に応じて変化するように、前記回転手段を制御する
制御手段とを備えたものである。
【0008】請求項2の発明では、請求項1において、
前記第1の算出手段は、被加工物に対する回転砥石の接
触長さを主軸の単位回転角度毎に算出し、前記第2の算
出手段は、被加工物の回転中心と研削点との間の距離を
主軸の単位回転角度毎に算出し、前記制御手段は、主軸
の回転速度が前記算出された接触長さと距離との積の値
に応じて変化するように、主軸回転速度をその単位回転
角度毎に設定する設定手段を含み、研削加工時にはその
設定された回転速度に基づき前記回転手段を制御するも
のである。
【0009】請求項3の発明では、請求項1又は2にお
いて、被加工物に対する回転砥石の接触長さをL、被加
工物の回転中心と研削点との間の距離をr、主軸回転速
度をωとしたとき、制御手段はωが1/(L・r)に比
例して変化するように回転手段を制御するものである。
【0010】従って、請求項1の発明によれば、第1の
算出手段により、被加工物に対する回転砥石の接触長さ
が算出される。又、第2の算出手段により、被加工物の
回転中心とその被加工物に対する回転砥石の研削点との
間の距離が算出される。そして、主軸の回転速度が前記
算出された接触長さと距離との積の値に応じて変化する
ように、制御手段によって回転手段が制御される。即
ち、接触長さ及び距離が大きくなると、主軸を回転させ
るための回転手段に対する負荷が大きくなる。従って、
このような場合には、主軸の回転速度を遅くして、回転
手段に対する負荷を抑制する。一方、接触長さ及び距離
が小さいと、回転手段に対する負荷が小さくなるので、
このような場合には、主軸の回転速度を速くする。その
結果、被加工物の回転に伴って接触長さ及び距離が変化
しても、回転手段等に対する負荷の変動が抑制され、高
精度な加工が可能となる。
【0011】請求項2の発明によれば、接触長さ及び距
離は、主軸の単位回転角度毎に算出される。そして、主
軸の回転速度が、接触長さと距離との積の値に応じて変
化するように、主軸の単位回転角度毎に設定される。そ
して、この設定された回転速度に基づき回転手段が制御
される。このように、主軸の回転速度を研削加工前に予
め設定しておくことにより、回転手段をスムーズに制御
できる。又、回転手段を主軸の単位回転角度毎に正確か
つ確実に制御できる。
【0012】請求項3の発明によれば、ωは1/(L・
r)に比例して変化する。言い換えれば、主軸回転速度
ωは、接触長さLと距離rとの積の値が大きくなるのに
従って遅くなり、接触長さLと距離rとの積の値が小さ
くなるのに従って速くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を研削盤に具体化し
た実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2
に示すように、ワーク支持台1は基台2の一側上面に図
示しない移動機構により水平方向(Z方向)へ移動可能
に支持されている。主軸台3はワーク支持台1の上面に
配設され、カムシャフトWの一端を着脱可能に支持する
ための主軸4及びその主軸4を回転させるための回転手
段としてのサーボモータよりなる主軸用モータ5を備え
ている。又、カムシャフトWにはカムからなる複数の被
加工物Waが軸線方向へ所定の間隔をおいて形成され、
これら被加工物Waの外周面が被研削面Wbとなってい
る。そして、被加工物Waはその被研削面Wbを研削さ
れることにより、非真円体としてのカム23として形成
される。
【0014】ホルダ6は主軸4との間隔を調整自在にワ
ーク支持台1の上面に配設され、前記カムシャフトWが
主軸4とこのホルダ6との間においてZ方向へ延びるよ
うに回転可能にかつ着脱可能に支持される。そして、カ
ムシャフトWは、この支持状態で主軸用モータ5の駆動
に伴い所定の方向へ回転される。エンコーダ7は主軸用
モータ5に取り付けられ、このエンコーダ7からの検出
信号が後述するNC装置18に入力される。
【0015】砥石台8は前記基台2上にカムシャフトW
の軸線と直交する水平方向(X方向)へ移動可能に支持
されている。サーボモータよりなる移動用モータ9は基
台2の側部に取り付けられ、この移動用モータ9により
ボールスクリュー10が回転されて、砥石台8がカムシ
ャフトWと接近又は離間する方向へ移動される。本実施
の形態では、移動用モータ9及びボールスクリュー10
等により、移動手段が構成されている。エンコーダ11
は移動用モータ9に取り付けられ、このエンコーダ11
からの検出信号が後述するNC装置18に入力される。
回転砥石12は、カムシャフトWと対向するように砥石
台8の一端に支軸13により回転可能に支持されてい
る。砥石用モータ14は砥石台8上に配設され、この砥
石用モータ14によりプーリ15,16及びベルト17
を介して砥石12が一方向へ回転される。
【0016】第1の算出手段、第2の算出手段、制御手
段及び設定手段を構成するNC装置18は、装置全体の
動作を制御するためのものである。このNC装置18
は、各種演算処理を行うCPU(中央処理装置)19、
装置全体の動作を制御するためのプログラム等を記憶し
たROM(リードオンリメモリ)20、及び各種情報を
一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)2
1を有している。
【0017】前記RAM21には、加工対象となる各種
の被加工物Waにそれぞれ対応して、仕上げ後の最終カ
ム形状に基づくリフトデータが予め記憶されている。図
3及び図4(a)に例示するように、このリフトデータ
は、最終的に得られるカム23(図3に2点鎖線で示
す)の回転中心Oから外周面までの半径方向における長
さr(Ai)を、被加工物Waの単位角度毎(例えば1/1
000度毎)に設定したものである。尚、被加工物Wa
の角度Ai とは、被加工物Waをその半径方向に沿って
延びる直線によって単位角度毎に分割したときに、各半
径方向線が0度を示す所定の半径方向線に対してなす角
度を表すものである。そして、ここでは、図3に示すよ
うに、カム23の基礎円部分23a(半径方向における
長さr(Ai)が一定の部分)の中間位置をP1としたと
き、その位置P1と被加工物Waの回転中心Oとを結ぶ
半径方向線が、0度(=角度A1 )を示す半径方向線と
して設定されている。
【0018】又、図3及び図4(a)に示すように、N
C装置18は、被加工物Waに対する砥石12の切り込
み量ΔHに基づき、被加工物Waに対する砥石12の接
触長さ(図3に太線で示す)L(Ai)を、被加工物Waの
角度Ai にそれぞれ対応して算出して、RAM21に記
憶する。つまり、図3に示すように、被加工物Waに対
する砥石12の研削点Qi が被加工物Wa上の各角度A
i の位置と対応しているときの接触長さL(Ai)を求め
る。尚、切り込み量ΔHとは、被加工物Waが1回転さ
れるとき、砥石12により被加工物Waをその外周面か
らどの程度の深さまで切り込むかを、被加工物Waの外
周面に接する接線と直交する方向における長さで表した
ものである。
【0019】更に、NC装置18は、被加工物Waが各
角度Ai の位置において砥石12と接触するときの主軸
回転角度θ(Ai)を算出して、RAM21に記憶する。つ
まり、図3に示すように、被加工物Waに対する砥石1
2の研削点Qi が被加工物Waの各角度Ai の位置と対
応しているときの主軸回転角度θ(Ai)を求める。この主
軸回転角度θ(Ai)は、研削点Qi が被加工物Wa上の前
記位置P1と対応しているときの角度θ(A1)を0度とし
て設定してある。
【0020】被加工物Waに対する砥石12の研削点Q
i が、被加工物Waの回転中心Oと砥石12の回転中心
Pi とを結ぶ直線上に常に位置していれば、被加工物W
aの角度Ai とそれに対応する主軸回転角度θ(Ai)とは
常に同一の値となる。しかし、図3に示すように、非真
円形状をなす被加工物Waを所定の半径Rを有する砥石
12で研削する場合には、前記研削点Qi が両回転中心
O,Pi を結ぶ直線に対して上下にシフトする。従っ
て、被加工物Waの角度Ai とそれに対応する主軸回転
角度θ(Ai)とは、常に同一の値にはならない。その結
果、等角度毎に設定されている被加工物Waの角度Ai
に対して、主軸回転角度θ(Ai)は等角度毎の値として算
出されない。
【0021】そこで、NC装置18は、この図4(a)
における主軸回転角度θ(Ai)に対応するリフトデータr
(Ai)及び接触長さL(Ai)を、図4(b)に示すように、
等角度毎(例えば1/1000度毎)の主軸回転角度θ
i に対応する被加工物Waの回転中心Oと研削点Qi と
の間の距離ri 及び接触長さLi に変換する。即ち、図
4(a)に示すリフトデータとしての長さr(Ai)は、主
軸回転角度θ(Ai)に対応する被加工物Waの回転中心O
と研削点Qi との間の距離と言い換えることができる。
従って、NC装置18は、この図4(a)における主軸
回転角度θ(Ai)と、それに対応する長さr(Ai)及び接触
長さL(Ai)とに基づき、所定の補間式を用いた補間演算
(例えばスプライン補間演算)により、等角度毎の主軸
回転角度θi に対応する距離ri 及び接触長さLi を算
出して、RAM21に記憶する。
【0022】図5は、主軸4の回転角度θi と接触長さ
Li との関係を示すものである。同図より明らかなよう
に、主軸4の回転に伴い、被加工物Waに対する砥石1
2の接触長さLi は大きく変化する。又、前述した図9
からも明らかなように、被加工物Waの回転中心Oと研
削点Qi との間の距離ri も、主軸4の回転に伴い変化
する。
【0023】そして、図4(b)に示すように、NC装
置18は、主軸4の回転速度ωi が前記算出された接触
長さLi と距離ri との積の値に応じて変化するよう
に、その主軸回転速度ωi を主軸4の単位回転角度毎に
算出して、RAM21に記憶する。具体的には、NC装
置18は、下記の式(1)を用いて主軸4の回転速度ω
i を算出する。 ωi =K1 ・ω0 ・(L0 ・r0 )/(Li ・ri )+K2 …(1) ここで、ω0 はカム23の基礎円部分23aが砥石12
に接触しているときの主軸回転速度であり、この速度ω
0 は予め設定されている。L0 はカム23の基礎円部分
23aにおける砥石12の接触長さである。r0 はカム
23の基礎円部分23aにおける回転中心Oと研削点Q
i との間の距離である。K1 及びK2 は装置固有の補正
係数であり、各装置毎に予め設定されている。
【0024】これに対して、カム23の突出部分23b
においては、前述のように接触長さLi 及び距離ri が
変化する。従って、カム23の基礎円部分23aが砥石
12に接触しているときの主軸回転速度ω0 を基準の回
転速度としたとき、主軸4の回転速度ωi が、その基準
回転速度ω0 に対して前記接触長さLi と距離ri との
積の値に反比例して変化するように、主軸回転速度ωi
を前記式(1)に従って主軸4の単位回転角度毎に算出
する。言い換えれば、主軸回転速度ωi は1/(Li ・
ri )に比例して変化するように設定される。その結
果、主軸回転速度ωi は、接触長さLi と距離ri との
積の値が大きくなるに従って小さく設定され、接触長さ
Li と距離ri との積の値が小さくなるに従って大きく
設定される。
【0025】図6は、基準回転速度ω0 を50rpmに
設定した場合において、接触長さLi にのみ対応した主
軸回転速度の変化の状態を表したものである。従来、こ
の種のカム研削盤やカッタにより切削を行う装置で用い
られていた方法の1つであるが、同図に示すように、主
軸回転速度を接触長さLi のみ考慮して設定すると、速
度の最大値が大きくなり過ぎ、主軸用モータ5に対する
負荷が大きくなって加工精度に悪影響を与える。これに
対して、図7は、基準回転速度ω0 を前記図6の場合と
同じく50rpmに設定した場合において、接触長さL
i 及び距離riに対応した主軸回転速度の変化の状態を
表したものである。図6と図7との比較より明らかなよ
うに、図7における主軸回転速度の最大値は図6におけ
る主軸回転速度の最大値より小さくなっている。このよ
うに、主軸回転速度を接触長さLi に加えて距離ri を
も考慮して設定すると、速度の最大値が適正に抑制さ
れ、主軸用モータ5に対する負荷が過大にならない。
【0026】又、NC装置18は、前記リフトデータと
砥石12の半径Rとに基づき制御データとしてのプロフ
ィールデータを求めて、RAM21に記憶する。図3及
び図4(b)に示すように、このプロフィールデータ
は、主軸4が1回転される間における砥石台8のX方向
における移動位置Xi を、主軸4の単位回転角度毎に設
定したものである。
【0027】そして、研削加工時、NC装置18は前記
各エンコーダ7,11からの検出信号に基づいて、主軸
4の回転角度に対する回転速度を演算するとともに、砥
石台8のX方向における移動位置等を演算する。そし
て、NC装置18は、これら演算結果、前記設定した主
軸回転速度ωi 及び前記プロフィールデータ等に基づ
き、主軸用モータ5及び移動用モータ9を回転制御し
て、主軸4をその回転角度に応じた速度で回転させると
ともに、その主軸4の回転角度に応じて砥石台8をX方
向へ移動させる。又、NC装置18は、前記ワーク支持
台1のZ方向への移動制御を行って、所定の被加工物W
aを砥石12と対向配置させる。これらの結果、所定の
被加工物Waがリフトデータに対応した非真円形状に研
削されて、図3に2点鎖線で示すようなカム23が形成
される。
【0028】さて、上記のように構成されたカム研削盤
においては、被加工物Waに対する砥石12の切り込み
量ΔHに基づき、被加工物Waに対する砥石12の接触
長さLi が主軸4の単位回転角度毎に算出される。又、
被加工物Waの回転中心Oとその被加工物Waに対する
砥石12の研削点Qi との間の距離ri が主軸4の単位
回転角度毎に算出される。そして、主軸4の回転速度ω
i が前記算出された接触長さLi と距離ri との積の値
に応じて変化するように、その主軸回転速度ωi が主軸
4の単転角度毎に設定される。そして、研削加工時に
は、主軸用モータ5が前記設定された主軸回転速度ωi
に基づき主軸4の単位回転角度毎に回転制御される。
【0029】即ち、カム23は非真円形状をなしている
ため、被加工物Waの回転に伴い、前記接触長さLi 及
び距離ri 、言い換えれば被加工物Waに対する回転抵
抗及びその回転抵抗に起因して生ずる被加工物Waの回
転中心Oの周りのモーメントが変化する。そして、接触
長さLi 及び距離ri (回転抵抗及びモーメント)が大
きくなると、主軸用モータ5に対する負荷が大きくな
る。しかし、このような場合には、主軸4の回転速度ω
i が遅くなるように主軸用モータ5が回転制御されるの
で、同モータ5に対する負荷が抑制される。一方、接触
長さLi 及び距離ri (回転抵抗及びモーメント)が小
さくなると、主軸用モータ5に対する負荷が小さくな
る。そして、このような場合には、主軸4の回転速度ω
i が速くなるように主軸用モータ5が回転制御される。
【0030】その結果、この実施の形態では次のような
効果を奏する。 (1)被加工物Waの回転に伴って接触長さLi 及び距
離ri が変化しても、主軸用モータ5に対する負荷の変
動が抑制され、被加工物Waが微振動を発生することな
くスムーズに回転されて、高精度な加工が可能となる。
【0031】(2)前記接触長さLi の変化に伴い、砥
石12に対する回転抵抗も比例して変化する。しかし、
この場合も、前述のように接触長さLi の変化に応じて
主軸4の回転速度ωi が変化するように主軸用モータ5
が回転制御されるので、砥石12を回転させるための砥
石用モータ14に対する負荷の変動が抑制され、砥石1
2が微振動を発生することなくスムーズに回転されて、
高精度な加工が可能となる。
【0032】(3)この実施の形態では、接触長さLi
及び距離ri が主軸4の単位回転角度毎に算出されると
ともに、それらに基づき、主軸4の回転速度ωi が主軸
4の単位回転角度毎に予め設定される。そして、研削加
工時には、主軸用モータ5が前記設定された主軸回転速
度ωi に基づき主軸4の単位回転角度毎に回転制御され
る。このように、主軸4の回転速度ωi を研削加工前に
予め設定しておくことにより、主軸用モータ5をスムー
ズに制御できる。又、主軸用モータ5を主軸4の単位回
転角度毎に正確かつ確実に制御できる。
【0033】尚、本発明は各部の構成を例えば以下のよ
うに変更して具体化してもよい。 (1) 前記接触長さLi 、距離ri 及び主軸回転速度
ωi を研削加工開始前に予め求めることなく、研削加工
時において主軸4の単位回転角度毎に算出するようにす
ること。或いは、主軸回転速度ωi のみを研削加工開始
前に予め求めることなく、研削加工時において主軸4の
単位回転角度毎に算出するようにすること。
【0034】(2) 主軸回転速度ωi を、前記実施の
形態とは異なった手順で算出すること。即ち、図8
(a)に示すように、被加工物Waの角度Ai に対応し
てリフトデータとしての長さr(Ai)及び接触長さL(Ai)
がRAM21に設定された後、この長さr(Ai)と接触長
さL(Ai)との積の値に応じて変化する主軸回転速度ω(A
i)を、下記の式(2)に従って求める。リフトデータと
しての長さr(Ai)は、研削点Qi が被加工物Wa上の各
角度Ai の位置と対応しているときの、被加工物Waの
回転中心Oと研削点Qi との間の距離を表している。そ
のため、この長さr(Ai)を、被加工物Waの回転中心O
と研削点Qi との間の距離としてそのまま用いることが
できる。 ω(Ai)=K1 ・ω0 ・(L0 ・r0 )/{L(Ai)・r(Ai)}+K2 …(2) 上記式(2)に従って算出された主軸回転速度ω(Ai)
は、等角度毎ではない主軸回転角度θ(Ai)に対応するも
のである。そのため、次に、この主軸回転角度θ(Ai)に
対応する主軸回転速度ω(Ai)を、図8(b)に示すよう
に、等角度毎の主軸回転角度θi に対応する主軸回転速
度ωi に変換する。即ち、主軸回転角度θ(Ai)及びそれ
に対応する主軸回転速度ω(Ai)に基づき、所定の補間式
を用いた補間演算(例えばスプライン補間演算)によ
り、等角度毎の主軸回転角度θi に対応する主軸回転速
度ωi を算出する。このようにしても、前記実施の形態
と同様に、主軸4の回転速度ωi が接触長さLi と距離
ri との積の値に応じて変化するように、主軸用モータ
5を主軸4の単位回転角度毎に制御できる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
次のような優れた効果を奏する。請求項1及び3の発明
によれば、主軸の回転速度が、被加工物に対する回転砥
石の接触長さ、及び被加工物の回転中心とその被加工物
に対する回転砥石の研削点との間の距離の積の値に応じ
て変化するように、回転手段が制御されるので、研削加
工時における負荷変動の影響を抑制して、加工精度を向
上させることができるという優れた効果を奏する。
【0036】請求項2の発明によれば、回転手段をスム
ーズに制御できるとともに、主軸の単位回転角度毎に正
確かつ確実に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を研削盤に具体化した一実施形態を示
す一部破断側面図。
【図2】 研削盤の平面図。
【図3】 被加工物に対する研削状態を説明するための
概略図。
【図4】 (a)は被加工物の角度に対応するリフトデ
ータ、接触長さ及び主軸回転速度を示す説明図、(b)
は等角度毎の主軸回転角度に対応する距離、接触長さ、
主軸回転角度及びプロフィールデータを示す説明図。
【図5】 主軸回転角度と接触長さとの関係を示すグラ
フ。
【図6】 主軸回転角度と接触長さのみに対応した主軸
回転速度との関係を示すグラフ。
【図7】 主軸回転角度と接触長さ及び距離に対応した
主軸回転速度との関係を示すグラフ。
【図8】 別の実施形態を示す説明図。
【図9】 被加工物に対する研削状態を説明するための
概略図。
【符号の説明】
4…主軸、5…回転手段としての主軸用モータ、8…砥
石台、9…移動手段を構成する移動用モータ、10…移
動手段を構成するボールスクリュー、12…回転砥石、
14…砥石用モータ、18…第1の算出手段、第2の算
出手段、制御手段及び設定手段を構成するNC装置、2
3…カム、Wa…被加工物、O…回転中心、θi …主軸
回転速度、ΔH…切り込み量、Li …接触長さ、Qi …
研削点、ri …回転中心と研削点との間の距離、ωi …
主軸回転速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 19/08 B24B 19/12 B24B 49/16 G05B 19/18 G05B 19/416

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を装着した主軸を回転させる回
    転手段と、被加工物の外周面を研削する回転砥石を前記
    主軸に対して交差する方向へ相対移動させる移動手段と
    を備え、主軸を回転させながら、主軸の回転角度と回転
    砥石の移動位置との関係を設定した制御データに基づき
    移動手段を制御して、被加工物を所定の非真円形状に研
    削する非真円体の研削装置において、 被加工物に対する回転砥石の切り込み量に基づき、被加
    工物に対する回転砥石の接触長さを算出する第1の算出
    手段と、 被加工物の回転中心とその被加工物に対する回転砥石の
    研削点との間の距離を算出する第2の算出手段と、 主軸の回転速度が前記算出された接触長さと距離との積
    の値に応じて変化するように、前記回転手段を制御する
    制御手段とを備えた非真円体の研削装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の算出手段は、被加工物に対す
    る回転砥石の接触長さを主軸の単位回転角度毎に算出
    し、前記第2の算出手段は、被加工物の回転中心と研削
    点との間の距離を主軸の単位回転角度毎に算出し、前記
    制御手段は、主軸の回転速度が前記算出された接触長さ
    と距離との積の値に応じて変化するように、主軸回転速
    度をその単位回転角度毎に設定する設定手段を含み、研
    削加工時にはその設定された回転速度に基づき前記回転
    手段を制御する請求項1に記載の非真円体の研削装置。
  3. 【請求項3】 被加工物に対する回転砥石の接触長さを
    L、被加工物の回転中心と研削点との間の距離をr、主
    軸回転速度をωとしたとき、制御手段はωが1/(L・
    r)に比例して変化するように回転手段を制御する請求
    項1又は2に記載の非真円体の研削装置。
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