JPH0827100A - フェニルケトン誘導体、光重合開始剤、感光性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

フェニルケトン誘導体、光重合開始剤、感光性樹脂組成物およびその硬化物

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JPH0827100A
JPH0827100A JP17771894A JP17771894A JPH0827100A JP H0827100 A JPH0827100 A JP H0827100A JP 17771894 A JP17771894 A JP 17771894A JP 17771894 A JP17771894 A JP 17771894A JP H0827100 A JPH0827100 A JP H0827100A
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JP
Japan
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group
acid
parts
photopolymerization initiator
resin composition
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Application number
JP17771894A
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English (en)
Inventor
Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Kazuhiko Hinoguchi
和彦 樋之口
Ritsuko Yoshioka
律子 吉岡
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感度に優れ、臭気が小さい硬化物を得ることが
できる新規な光重合開始剤、それを含有する感光性樹脂
組成物及びその硬化物を提供する。 【構成】式(1) 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に
水素原子、C1 〜C6 のアルキル基、C1 〜C6 のアル
コキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ニト
ロ基、−SCH3 、−O−CO−R5 、−COOR5
たは−COR5 (ここでR5 はC1 〜C4 のアルキル基
を表す)を表し、R4 はC1 〜C10のアルキル基を表
す)で示されるフェニルケトン誘導体を有効成分とする
光重合開始剤、これを含有した感光性樹脂組成物及びそ
の硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェニルケトン
誘導体、光重合開始剤、感光性樹脂組成物およびその硬
化物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン性不飽和基含有化合物であるモ
ノマ−、オリゴマ−は光重合開始剤の存在下で紫外線を
照射することにより重合することはよく知られており、
近年、塗料、印刷インキ、液状レジストインキ、ドライ
フィルム、接着剤、印刷板、注型物等に広く工業的に利
用されるようになってきている。通常の硬化法と比較し
て光重合開始剤の存在下での紫外線の照射による硬化は
いくつかの利点を有しているが、最も重要な利点はその
極めて速い硬化性にある。硬化速度は光重合開始剤に大
きく依存することから、従来の光重合開始剤を優れたそ
して有効な化合物で置き換える多くの試みがなされてき
た。例えば、ドイツ特許第1694149号に記載され
ているようなベンゾイン−エ−テル類、ドイツ特許公開
第1923266号に記載されているようなα−ヒドロ
キシメチルベンゾイン誘導体、米国特許第404803
4号に記載されているα−アミノアセトフェノンおよび
α−ジアミノアセトフェノン、ドイツ特許第23578
66号に記載されているα−ヒドロキシ−α−アルキロ
−ルアセトフェノンおよびそのエ−テル、特公平1−3
4242号に記載されているα−位が置換された芳香族
−脂肪族ケトン等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知の光重合
開始剤は、ある場合には、それを添加した光重合組成物
の暗所における貯蔵安定性が短かったり、他の光重合開
始剤は硬化性は比較的速いが樹脂との相溶性があまりよ
くなく、樹脂に溶解するのに時間がかかり、また硬化物
の臭気が強いため、使用するには問題がある等の欠点を
有する。従って従来の光重合開始剤の欠点を解決し、硬
化性に優れ、樹脂との相溶性のよい、さらには臭気の小
さい硬化物を与える光重合開始剤の開発が求められてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
鋭意検討を行い本発明に至った。即ち、本発明は、
(1)式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式(1)中、R1 、R2 およびR3 はそ
れぞれ独立に水素原子、C1 〜C6 のアルキル基、C1
〜C6 のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェ
ニル基、ニトロ基、−SCH3 、−O−CO−R5 、−
COOR5 または−COR5 (ここでR5 はC1 〜C4
のアルキル基を表す)を表し、R4 はC1 〜C10のアル
キル基を表す)で示されるフェニルケトン誘導体、
(2)上記(1)のフェニルケトン誘導体を有効成分と
する光重合開始剤、(3)エチレン性不飽和基含有化合
物と上記(2)の光重合開始剤を含有することを特徴と
する感光性樹脂組成物、(4)上記(3)の感光性樹脂
組成物の硬化物、に関する。
【0007】上記式(1)において、C1 〜C6 のアル
キル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等があげ
られる。C1 〜C6 のアルコキシ基としては、例えばメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブト
キシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等があげられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子、沃素原子等があげられる。R5におけるC1
〜C4 のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基等があげられる。R
4 におけるC1 〜C10のアルキル基としては、例えば上
記C1 〜C6 のアルキル基として例示されたものの他、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等があげ
られる。上記式(1)の化合物のうち代表的なものは次
のとおりである。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】上記式(1)の化合物は、例えば安息香酸
系化合物とチオアニソールを反応させることにより得る
ことができる。安息香酸系化合物としては、例えば、o
−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p−メチル安
息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル
安息香酸、o−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香
酸、p−エチル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、
p−t−ブチル安息香酸、p−エトキシ安息香酸、o−
クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
香酸、2,4−ジクロロ安息香酸、o−フルオロ安息香
酸、p−フルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香
酸、p−シアノ安息香酸、p−フェニル安息香酸、m−
ニトロ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、o−ベ
ンゾイル安息香酸、o−メチルカルボニルオキシ安息香
酸、o−エチルカルボニルオキシ安息香酸、p−メチル
カルボニルオキシ安息香酸、o−メチルチオ安息香酸、
p−メチルチオ安息香酸等を挙げることができる。チオ
アニソ−ル系化合物としては、例えば、エチルフェニル
スルフィド、iso-プロピルフェニルスルフィド、tert−
ブチルフェニルスルフィド、n−ヘキシルフェニルスル
フィド等を挙げることができる。
【0011】上記式(1)の化合物を光重合開始剤とす
る場合は前記安息香酸系化合物1モルに対して、チオア
ニソ−ル系化合物約1モルを反応させて得たものが好ま
しい。反応溶媒としては、縮合剤をかねてポリリン酸を
使用するのが好ましい。反応温度は、70〜110℃が
好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0012】本発明の感光性樹脂組成物に使用されるエ
チレン性不飽和基含有化合物の例として、例えばラウリ
ル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−
ト、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、(メ
タ)アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)ア
クリレ−ト、水添ジシクロペンタジエン(メタ)アクリ
レ−ト、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレ−ト、メトキシテトラエチレングリコ
−ル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリレートモ
ノマー類、及びスチレンネオペンチルグリコ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、トリメチロ−ルプロパン、ペン
タエリスリト−ル、ジトリメチロ−ルプロパン、ジペン
タエリスリト−ル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレ−ト等の多価アルコ−ル類の(メタ)アクリレー
ト、またはこれら多価アルコール類にエチレンオキサイ
ド若しくはプロピレンオキサイドを付加させた化合物の
(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N
−メチロ−ルアクリルアミド等も用いることができる。
【0013】また前記モノマー類だけでなく、不飽和オ
リゴマ−またはポリマ−類およびこれらとモノマ−類と
の混合物が挙げられる。例えば、これらの例としてフマ
ル酸エステルまたはアリル基および(メタ)アクリレ−
ト基のような不飽和基を含有する熱可塑性樹脂がある。
多くの場合これら不飽和基は官能基によってこれら線状
重合体の主鎖に結合されている。このようなオリゴマ−
またはポリマー類としては、例えば不飽和ポリエステ
ル、不飽和(メタ)アクリル樹脂及びイソシアネ−ト変
性またはエポキシド変性した(メタ)アクリレ−ト等が
挙げられる。
【0014】不飽和ポリエステルの具体例としては、例
えば、マレイン酸、フマル酸またはシトラコン酸のよう
な少なくとも1個の不飽和ジカルボン酸および多くの場
合、例えばフタル酸、コハク酸、アジピン酸またはイソ
フタル酸のような少なくとも1個の飽和ジカルボン酸と
例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジ
またはトリエチレングリコ−ルまたはテトラメチレング
リコ−ルのようなグリコ−ルとのオリゴマ−のエステル
化生成物であり、そして多くの場合モノカルボン酸およ
びモノアルコ−ルをさらに変性のために使用される。
【0015】イソシアネ−ト変性(メタ)アクリレ−ト
の具体例としては、有機ポリイソシアネ−ト(例えば、
イソホロンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−
ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等)とポリオ−ル
(例えば、エチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−
ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA
のポリエトキシジオ−ル、ポリエステルジオ−ル等)及
び水酸基含有(メタ)アクリレ−ト(例えば、2−ヒド
ロキシエチレン(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレ−ト等)の反応物等が挙げら
れる。
【0016】エポキシド変性(メタ)アクリレ−トの具
体例としては、例えば、エポキシ樹脂(例えば、ビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂等)
と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)
アクリレ−トや、これらエポキシ(メタ)アクリレ−ト
と多塩基性酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸等)の反応物等を挙げることが
できる。
【0017】未重合混合物の粘度および重合した硬化物
の物性を変化させるには、前記、モノマ−類と前記オリ
ゴマ−またはポリマー類の各成分を種々選択することに
よって与えられる。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物は種々の用途に
使用される。例えば、印刷インキ、塗料、液状レジスト
インキ、ドライフィルム、刷版材、接着剤、注型、コ−
ティング剤等に使用される。本発明の感光性樹脂組成物
は、多くの場合、光重合性化合物および光重合開始剤に
加えて、多くの他の添加剤を含有することができる。通
常はしばしば各成分を混合して組成物を製造するときに
重合を防止するために熱重合禁止剤が添加される。この
目的に使用される化合物としては、例えば、ハイドロキ
ノン、ハイドロキノン誘導体、p−メトキシフェノ−
ル、β−ナフチルアミンまたはβ−ナフト−ル等が挙げ
られる。さらに、例えばベンゾトリアゾ−ルまたはベン
ゾフェノン型の化合物のような少量の紫外線吸収剤、酸
化防止剤、その他光安定剤等を加えることができる。
【0019】本発明の感光性樹脂組成物は空気中の酸素
の重合禁止作用を排除するために、パラフィンまたは類
似のワックスのような物質を配合することができる。こ
れらは重合体への溶解性が不足しているために、重合の
開始時には上に浮かびそして空気の入り込むのを防ぐ透
明な表面層を形成する。硬化されるべき樹脂中に例えば
アリル基のような酸化防止作用を有する基を導入するこ
とによっても空気中の酸素を失活させることができる。
光重合開始剤はラジカルな開始剤、例えばパ−オキシ
ド、ハオドロパ−オキシド、ケトンパ−オキシドまたは
過炭酸エステルとともに使用することができる。
【0020】また本発明の感光性樹脂組成物はシリカ、
タルク、石膏、顔料、染料、繊維、チキソトロ−プ性を
付与する物質または流動助剤のような充填剤をも含有す
ることができる。さらに公知の光重合開始剤、例えばベ
ンゾインエ−テル、ジアルコキシアセトフェノン、ベン
ジルケタ−ル、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)
フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等
と式(1)の化合物の組み合わせも用い得る。特に薄層
および印刷インキの光重合のために、本発明による光重
合開始剤をアミンおよび/または芳香族ケトンと組み合
わせて用いることができる。アミンの例としては、トリ
エチルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−ジ
メチルエタノ−ルアミン、またはp−ジメチルアミノ安
息香酸エステル等が挙げられる。ケトンの例としては、
置換されたベンゾフェノン誘導体、ミヒラ−ケトン、ア
ントラキノン、アントラキノン誘導体、チオキサントン
とその誘導体等が挙げられる。
【0021】印刷インキの場合、光硬化は乾燥時間が印
刷製品の生産速度を決定する決定的要因であり、そして
1秒の何分の1のオ−ダ−であるべきなので非常に重要
である。本発明による光重合開始剤は、プリント回路基
盤用の液状レジストインキにも非常に適している。この
場合においてはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレ−
トにテトラヒドロ無水フタル酸や無水コハク酸を反応さ
せた化合物とエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤および
光重合開始剤との混合物が一般的に使用される。これら
の系から製造された液状レジストインキはプリント回路
基板に塗布し、ネガフィルムを通して紫外線を照射し、
その後未硬化部分は希アルカリ水溶液で溶出される。
【0022】紫外線硬化の他の応用分野としては、金属
被覆例えば、管、またはブリキ缶、ならびに合成樹脂被
覆、例えばPVC基材からなる床張り材または壁面材の
紫外線硬化等がある。紙への塗布の紫外線硬化としては
例えばラベル、箱類または本の表紙の無色ラッカ−被覆
がある。
【0023】本発明の上記式(1)の化合物はまたポリ
オレフィンの光化学架橋開始剤としても使用できる。こ
れについては例えばポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
イソブチレンならびにエチレン−プロピレン−コポリマ
−のような共重合体が重要であり、特に低圧、中圧もし
くは高圧ポリエチレンが好ましい。
【0024】本発明の感光性樹脂組成物は、100重量
部のエチレン性不飽和基含有化合物に対して通常0.1
〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の前記の式
(1)で示される光重合開始剤を配合するが、適当な割
合は、エチレン性不飽和基含有化合物の性質や、エネル
ギ−線の種類、照射量、温度、塗膜厚など様々な要因を
考慮することによって決定される。
【0025】本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性
不飽和基含有化合物および光重合開始剤を混合し、通常
50〜100℃、好ましくは70〜80℃に加温して溶
解するかあるいは混練等の方法により調製することがで
きる。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線等の
エネルギ−線を照射することにより0.1秒〜数分後に
指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化すること
ができる。適当なエネルギ−線としては、光重合開始剤
の分解を誘発するエネルギ−を有する限りいかなるもの
でもよいが、好ましくは高、低圧水銀ランプ、キセノン
ランプ、殺菌灯、レ−ザ−光などから得られる2000
オングストロ−ム〜7000オングストロ−ムの波長を
有する電磁波等の高エネルギ−線を使用する。エネルギ
−線への暴露は、エネルギ−線の強度によるが、通常
0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較的厚い
塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好まし
い。エネルギ−線照射後0.1秒〜数分後には、ほとん
どの組成物は重合により指触乾燥するが、重合反応を促
進するために加熱を併用することも場合によっては好ま
しい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の部は重量部である。 光重合開始剤の実施例 実施例1 p−t−ブチル安息香酸9.4部とチオアニソ−ル6.
2部を撹拌して混合する。これに60℃に加熱したポリ
リン酸70.6部を加え、撹拌しながら90℃に加熱し
て2時間反応させた。反応の終了を液体クロマトグラフ
ィ−にて確認した。ついで反応混合物に氷冷しながら氷
水50部を加えて撹拌し、反応物が均一に分散したとこ
ろでさらに氷水50部を注ぐ。この混合溶液にトルエン
120部、メチルイソブチルケトン120部を加えて撹
拌し、反応生成物を抽出した。トルエン−メチルイソブ
チルケトン溶液を1%水酸化ナトリウム水溶液100部
で洗浄し、その後さらに水100部で2回洗浄して、最
後の洗液が中性になったことを確認してからトルエン−
メチルイソブチルケトン混合溶媒を除去した。得られた
反応混合物にエタノ−ル40部を加えて再結晶し、N
o.1の化合物10.8部を得た。このものの融点は6
9℃であり、吸収波長のピ−クは206nm、263n
m及び315nmであった。
【0028】生成物の元素分析の結果は、以下のとおり
であった。 計算値(%) 実測値(%) C 76.01 76.05 H 7.10 7.11 S 11.27 11.24
【0029】実施例2 2,4−ジクロロ安息香酸10.0部とチオアニソ−ル
6.2部を撹拌して混合した。これに60℃に加熱した
ポリリン酸75.0部を加え、撹拌しながら100℃に
加熱して5時間反応させた。反応の終了を液体クロマト
グラフィ−にて確認した。ついで反応混合物に氷冷しな
がら氷水50部を加えて撹拌し、反応物が均一に分散し
たところでさらに氷水50部を注いだ。この混合溶液に
トルエン120部メチルイソブチルケトン120部を加
えて撹拌し、反応生成物を抽出した。トルエン−メチル
イソブチルケトン溶液を1%水酸化ナトリウム水溶液1
00部で洗浄し、その後さらに水100部で2回洗浄し
て、最後の洗液が中性になったことを確認してからトル
エン−メチルイソブチルケトン混合溶媒を除去した。得
られた反応混合物にエタノ−ル40部を加えて再結晶
し、No.2の化合物11.2部を得た。このものの融
点は72℃であり、吸収波長のピ−クは205nm及び
322nmであった。
【0030】生成物の元素分析の結果は、以下のとおり
であった。 計算値(%) 実測値(%) C 56.55 56.55 H 3.40 3.41 S 10.79 10.80 Cl 23.88 23.85
【0031】実施例3 o−メチル安息香酸7.2部とチオアニソ−ル6.2部
を撹拌して混合する。これに60℃に加熱したポリリン
酸55.1部を加え、撹拌しながら90℃に加熱して2
時間反応させた。反応の終了を液体クロマトグラフィ−
にて確認した。ついで反応混合物に氷冷しながら氷水5
0部を加えて撹拌し、反応物が均一に分散したところで
さらに氷水50部を注ぐ。この混合溶液に酢酸エチル3
50部を加えて撹拌し、反応生成物を抽出した。酢酸エ
チル溶液を1%水酸化ナトリウム水溶液100部で洗浄
し、その後さらに水100部で2回洗浄して最後の洗液
が中性になったことを確認してから酢酸エチルを除去し
てNo.3の化合物7.3部を得た。このものは室温で
液体であり、吸収波長のピ−クは206nm、241n
m及び316nmであった。
【0032】生成物の元素分析の結果は、以下のとおり
であった。 計算値(%) 実測値(%) C 74.34 74.31 H 5.83 5.84 S 13.23 13.26
【0033】実施例4〜7 実施例1〜3と同様にし、下記表1記載の原料を反応さ
せて生成物を得た。得られた目的化合物の元素分析値
(%)、融点(℃)、吸収波長(nm)を下記表1に示
す。
【0034】
【表1】 表1 実施例 原料 元素分析値(%) 融 点 吸収波長 (目的化合物No. ) 実測値(計算値) (℃) (nm) 4 o−クロロ安息香酸 C:63.94 (63.97 ) 20以下 206 チオアニソール H: 4.23 ( 4.23 ) 242 (No. 4) S:12.22 (12.20 ) 320 Cl:13.56 (13.51 ) 5 o−メトキシ安息香酸 C:69.72 (69.73 ) 20以下 206 チオアニソール H: 5.45 ( 5.47 ) 317 (No. 5) S:12.46(12.41 ) 6 p−フェニル安息香酸 C:78.93 (78.90 ) 154 206 チオアニソール H: 5.31 ( 5.31 ) 247 (No. 6) S:10.53 (10.53 ) 317 7 安息香酸 C:74.93 (74.95 ) 20以下 208 iso-プロピルフェニル H: 5.31 ( 5.31 ) 247 スルフィド S:12.52 (12.51 ) 325 (No. 7)
【0035】応用実施例 実施例8〜14、比較例1〜3 KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリト−ルヘ
キサアクリレ−トおよびペンタアクリレ−トの混合物、
日本化薬(株)製)60部、KAYARAD R−11
4(エポキシアクリレ−ト、日本化薬(株)製)25
部、KAYARADTMPTA(トリメチロ−ルプロパ
ントリアクリレ−ト、日本化薬(株)製)15部および
モダフロ−(レベリング剤、モンサント(株)製)0.
5部を混合してワニスを調製した。次にこのワニス10
0部に対してカ−ボンブラック(顔料)15部、KAY
ACURE EPA(N,N−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエステル、光重合促進剤、日本化薬(株)製)1
部および実施例1〜7で得た光重合開始剤2部を配合
し、予備混合後、3本ロ−ルミルで3回混練し、感光性
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をRIテスタ−によ
りポリエチレンテレフタレ−トフィルム(厚さ75μ
m)上に厚さ5〜7μmになるように塗工した。次にこ
のフィルムを80W/cmのメタルハライドランプ下1
0cmの所を通過させ、紫外光を照射して硬化し、この
樹脂組成物の硬化性(mJ/cm2 )及びその硬化物の
臭気について評価した評価結果を表2に示した。
【0036】硬化性:この樹脂組成物をRIテスタ−に
よりポリエチレンテレフタレ−トフィルム(厚さ75μ
m)上に厚さ5〜7μmになるように塗工した。次にこ
のフィルムを80W/cmのメタルハライドランプ下1
0cmの所を通過させ、紫外光を照射した。硬化性の評
価は、コ−ト紙を塗膜の硬化面に当てて転写することに
よる表面硬化性と、指触による内部硬化性によって行
い、塗膜を硬化するのに要した紫外光の照射量(mJ/
cm2 )を測定した。 硬化物の臭気:硬化物の臭気を次の基準により判定し
た。 ○・・・・ほとんど臭気がない。 △・・・・少し臭気がある。 ×・・・・臭気がある。
【0037】
【表2】 表2 実施例 比較例 光重合開始剤 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 No.1の化合物 2 No.2の化合物 2 No.3の化合物 2 No.4の化合物 2 No.5の化合物 2 No.6の化合物 2 No.7の化合物 2 IRGACURE 907 *1 3 KAYACURE BMS *2 2 KAYACURE DETX-S *3 2 KAYACURE EPA *4 1 1 1 1 1 1 1 1 1 表面硬化性(mJ/cm2 ) 70 70 90 70 80 70 90 90 90 90 内部硬化性(mJ/cm2 ) 140 170 140 170 130 170 170 200 180 180 硬化物の臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○
【0038】注 *1 IRGACURE 907:C
iba Geigy社製 光重合開始剤 2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルフォリノプロパン−1−オン *2 KAYACURE BMS:Octel Chemicals
社製、光重合開始剤 4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド *3 KAYACURE DETX−S:日本化薬
(株)製、光重合開始剤 2,4−ジエチルチオキサントン *4 KAYACURE EPA:日本化薬(株)製、
光重合促進剤 N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
【0039】実施例15〜21、比較例4、5 クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸の反
応物とテトラヒドロ無水フタル酸の反応物(エポキシ当
量218のクレゾ−ル型エポキシ樹脂1090部、アク
リル酸360部、カルビト−ルアセテ−ト412.5
部、ソルベントナフサ412.5部、ハイドロキノン
1.1部、トリフェニルフォスフィン8.3部を仕込
み、100〜110℃で15時間反応させ、次いでテト
ラヒドロ無水フタル酸620部を仕込み、95〜100
℃で8時間反応し、得られた固形分の酸価が110mgKO
H/gの反応物)85部、KAYARAD R−2058
(日本化薬(株)製、フェノ−ルノボラック型エポキシ
アクリレ−ト、ブチロセルソルブアセテ−ト30重量%
含有品)15部、KAYARAD DPHA(日本化薬
(株)製、ジペンタエリスリト−ルペンタ及びヘキサア
クリレ−ト混合物)5部、カルビト−ルアセテ−ト10
部、トリイソシアヌレ−トトリグリシジルエ−テル10
部、フタロシアニングリ−ン(顔料)1.0部、硫酸バ
リウム23部、モダフロ−(モンサント社製、レベリン
グ剤)1.0部、ジシアンジアミド(エポキシ硬化剤)
2部、「2P4MHZ」(四国化成工業社製、エポキシ
硬化剤)1部及び表3にしたがって光重合開始剤、光重
合促進剤を予備混合し、3本ロ−ルミルで混練し、本発
明の感光製樹脂組成物を得た。
【0040】この樹脂組成物をスクリ−ン印刷法により
銅スルホ−ルプリント配線板の全面に約30μmの厚さ
になるように塗布した。次いで熱風循環炉に入れ、80
℃で30分間乾燥後室温まで冷却し、乾燥塗膜を得た。
この試験片を用いて感度試験を行った。21段ステップ
タブレットをそなえたネガマスクを塗膜面に接触させ、
超高圧水銀灯露光装置(オ−ク製作所製)を用いて50
0mJ/cm 2 で露光し、ネガマスクを塗膜面より剥離し、
次ぎに1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、2.
0kg/cm 2 のスプレ−圧で現像しステップタブレットの
硬化段数を読みとり、その結果を表3に示した。
【0041】
【表3】 表3 実施例 比較例 光重合開始剤 15 16 17 18 19 20 21 4 5 No.1の化合物 2.5 No.2の化合物 2.5 No.3の化合物 2.5 No.4の化合物 2.5 No.5の化合物 2.5 No.6の化合物 2.5 No.7の化合物 2.5 IRGACURE 907 *1 4.5 KAYACURE DETX-S *3 2.5 KAYACURE EPA *4 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 0.5 2.5 感光試験 10 9 8 9 8 9 8 5 4
【0042】前記、実施例及び比較例から明らかなよう
に、本発明の光重合開始剤を含有した感光性樹脂組成物
は硬化性(感光性)に優れ、臭気が少ない硬化物を与え
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有した感光性
樹脂組成物は、硬化性に優れ、硬化物の臭気が少ない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に
    水素原子、C1 〜C6のアルキル基、C1 〜C6 のアル
    コキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ニト
    ロ基、−SCH3 、−O−CO−R5 、−COOR5
    たは−COR5(ここでR5 はC1 〜C4 のアルキル基
    を表す)を表し、R4 はC1 〜C10のアルキル基を表
    す)で示されるフェニルケトン誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフェニルケトン誘導体を有
    効成分とする光重合開始剤。
  3. 【請求項3】エチレン性不飽和基含有化合物と請求項2
    記載の光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の感光性樹脂組成物の硬化
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7799884B2 (en) * 2002-06-19 2010-09-21 Henkel Ag & Co. Kgaa Polymeric photoinitiators

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