JPH0741509A - 光重合開始剤、これを含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物

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JPH0741509A
JPH0741509A JP20551793A JP20551793A JPH0741509A JP H0741509 A JPH0741509 A JP H0741509A JP 20551793 A JP20551793 A JP 20551793A JP 20551793 A JP20551793 A JP 20551793A JP H0741509 A JPH0741509 A JP H0741509A
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JP
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photopolymerization initiator
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acid
resin composition
compound
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Application number
JP20551793A
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English (en)
Inventor
Koji Isobe
孝治 磯部
Kazuhiko Hinoguchi
和彦 樋之口
Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感度に優れ、臭気が小さい硬化物を得ることが
できる新規な光重合開始剤、それを含有する感光性樹脂
組成物及びその硬化物を提供する。 【構成】特定の構造を有する光重合開始剤及びこれを含
有した感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光重合開始剤、こ
れを含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エチレン性不飽和基含有化合物であるモ
ノマー、オリゴマーは光重合開始剤の存在下で紫外線を
照射することにより重合することは良く知られており、
近年、塗料、印刷インキ、液状レジストインキ、ドライ
フイルム、接着剤、印刷版、注型物等に広く工業的に利
用されるようになってきている。通常の硬化法と比較し
て光重合開始剤存在下での紫外線の照射による硬化はい
くつかの利点を有しているが、最も重要な利点はその高
速硬化性にある。硬化速度は光重合開始剤におおきく依
存することから、従来の光重合開始剤を優れたそして更
に有効な化合物で置き換える多くの試みがなされてき
た。例えば、ドイツ特許第1694149号に記載され
ているようなベンゾイン−エーテル類、ドイツ特許公開
第1923266号で記載されているようなα−ヒドロ
キシメチルベンゾイン誘導体、米国特許第404803
4号で記載されているα−アミノアセトフェノン及びα
−ジアミノアセトフェノン、ドイツ特許第235786
6号に記載されているα−ヒドロキシ−α−アルキロー
ルアセトフェノン及びそのエーテル、特公平1−342
42号に記載されているα−位が置換された芳香族−脂
肪族ケトン等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知の光重合
開始剤は、ある場合には、このような光重合開始剤と混
合した光重合し得る系の暗所における貯蔵安定性が短か
かったり、他の光重合開始剤は、硬化性は比較的に速い
が硬化物の臭気が強く、使用するには問題がある。本発
明は従来の光重合開始剤の欠点を解決し、硬化性に優
れ、臭気の小さい硬化物を与える光重合開始剤、それを
含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は 1.式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ、
水素原子、、シアノ基、フェニル基、ニトロ基、−CO
−R7 、−COOR8 、−CO−R9 、−S−R10、R
1 〜R3 の中、少なくとも1つは水素原子以外の基、R
4 、R5 及びR6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
1 〜C5 のアルキル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、
ニトロ基、−NR1112、R7 、R8 、R9 、及びR10
はそれぞれC1 〜C5のアルキル基、フェニル基、R11
及びR12はC1 〜C5 のアルキル基、Xはイオウ原子又
は酸素原子である。)で示される光重合開始剤 2.エチレン性不飽和基含有化合物と第1項記載の光重
合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物
及びその硬化物に関する。
【0007】本発明の光重合開始剤は、安息香酸系化合
物とジフェニルスルフィド系化合物又はフェニルオキシ
ベンゼン系化合物、を反応させることにより得ることが
できる。安息香酸系化合物の具体例としては、例えば、
o−シアノ安息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ
安息香酸、p−フェニル安息香酸、o−フェニル安息香
酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニ
トロ安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸、o−メチルカ
ルボニルオキシ安息香酸、o−エチルカルボニルオキシ
安息香酸、p−メチルオキシカルボニル安息香酸、o−
メチルチオ安息香酸、p−メチルチオ安息香酸、m−メ
チルチオ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸等を挙げ
ることができる。
【0008】ジフェニルスルフィド系化合物の具体例と
しては、例えばジフェニルスルフィド、4−ニトロ−ジ
フェニルスルフィド、2,4−ジニトロ−ジフェニルス
ルフィド、4−クロロ−ジフェニルスルフィド、4−メ
チル−ジフェニルスルフィド、2−メチル−ジフェニル
スルフィド、2−エチル−ジフェニルスルフィド、4−
N,N−ジメチルアミノ−ジフェニルスルフィド、2−
メトキシ−ジフェニルスルフィド、4−エトキシ−ジフ
ェニルスルフィド、2,4−ジメチル−ジフェニルスル
フィド、等を挙げることができる。フェニルオキシベン
ゼン系化合物の具体例としては、例えばフェノキシベン
ゼン、2−フェノキシ−1−メチルベンゼン、2−フェ
ノキシ−1−エチルベンゼン、4−フェノキシ−1−メ
チルベンゼン、等を挙げることができる。
【0009】本発明の光重合開始剤は前記、安息香酸系
化合物1モルに対して、前記ジフェニルスルフィド系化
合物あるいは、フェニルオキシベンゼン系化合物、約1
モルを反応させて得たものが好ましい。反応に際しては
反応溶媒として、アルキルスルホン酸(例えばメタンス
ルホン酸等)に無水リン酸を溶解したものを使用するの
が好ましい。反応温度は25〜100℃が好ましく、反
応時間は0.5〜10時間が好ましい。
【0010】本発明の感光性樹脂組成物に使用されるエ
チレン性不飽和基含有化合物の例としては例えば、ラウ
リル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アク
リロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカプロラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、水添ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、スチレンネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリ
トール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド又
はプロピレンオキサイドの付加物の多価(メタ)アクリ
レート類等のモノマー類、不飽和オリゴマーまたはポリ
マー及びこれらとモノマー類との混合物が挙げられる。
これらにはフマル酸エステルまたはアリル基または(メ
タ)アクリレート基のような不飽和基を含有する熱可塑
性樹脂がある。多くの場合にはこれら不飽和基は官能基
によってこれら線状重合体の主鎖に結合されている。希
釈剤としての前記モノマー類とオリゴマーとの混合物は
非常に重要である。このようなオリゴマーとしては、例
えば不飽和ポリエステル、不飽和(メタ)アクリル樹脂
及びイソシアネート変性またはエポキシド変性(メタ)
アクリレート等が挙げられる。未重合混合物の粘度及び
重合した硬化物の物性を変化させるには、前記、モノマ
ー類と前記オリゴマーの各成分を種々例示したものから
選択することによって与えられる。不飽和ポリエステル
の具体例としては、例えば、マレイン酸、フマル酸また
はシトラコン酸のような少なくとも1個の不飽和ジカル
ボン酸及び多くの場合には例えばフタル酸、コハク酸、
アジピン酸またはイソフタル酸のような少なくとも1個
の飽和ジカルボン酸と例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジまたはトリエチレングリコールま
たはテトラメチレングリコールのようなグリコールとの
オリゴマーのエステル化生成物であり、そして多くの場
合にはモノカルボン酸及びモノアルコールを更に変性の
為に使用される。
【0011】イソシアネート変性(メタ)アクリレート
の具体例としては、例えば、有機ポリイソシアネート
(例えば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)と
ポリオール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフ
ェノールAのポリエトキシジオール、ポリエステルジオ
ール等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等)の反応物等が
挙げられる。エポキシド変性(メタ)アクリレートの具
体例としては、例えば、エポキシ樹脂(例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)
と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)
アクリレートやこれらエポキシ(メタ)アクリレートと
多塩基性酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸等)の反応物等を挙げることがで
きる。
【0012】本発明の感光性樹脂組成物は種々の用途に
使用される。例えば、印刷インキ、塗料、液状レジスト
インキ、ドライフィルム、刷版材、接着剤、注型、コー
ティング剤等に使用される。本発明の感光性樹脂組成物
は、多くの場合、光重合性化合物及び光重合開始剤に加
えて多くの他の添加剤を含有することができる。通常は
しばしば各成分を混合して組成物を製造するときに重合
を防止するために熱重合禁止剤が添加される。この目的
に使用する化合物としては例えばハイドロキノン、ハイ
ドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフ
チルアミンまたはβ−ナフトール等が挙げられる。更に
例えばベンゾトリアゾールまたはベンゾフェノン型の化
合物のような少量の紫外線吸収剤、その他、酸化防止
剤、光安定剤等を加えることができる。
【0013】本発明の感光性樹脂組成物は空気中の酸素
の重合禁止作用を排除するために、パラフィンまたは類
似のワックスのような物質を配合することができる。こ
れらは重合体への溶解性が不足しているために、重合の
開始時には上に浮かびそして空気のはいりこむのを防ぐ
透明な表面層を形成する。硬化されるべき樹脂中に例え
ばアリル基のような酸化防止作用を有する基を導入する
ことによっても空気中の酸素を失活させることができ
る。光重合開始剤はラジカルな開始剤、例えばパーオキ
シド、ハイドロパーオキシド、ケトン−パーオキシドま
たは過炭酸エステルとともに使用することができる。
【0014】また本発明の感光性樹脂組成物はシリカ、
タルク、石コウ、顔料、染料、繊維、チキソトロープ性
を付与する物質または流動助剤のような充填材をも含有
することができる。更に公知の光重合開始剤、例えばベ
ンゾインエーテル、ジアルコキシアセトフェノン、ベン
ジルケタール、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)
フェニル〕−2−モルフォリノープロパン−1−オン等
と式(1)の化合物との組合せも用い得る。特に薄層及
び印刷インキの光重合のために、本発明による光重合開
始剤をアミン及び/又は芳香族ケトンと組合せて用いる
ことができる。アミンの例としては、トリエチルアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタ
ノールアミン、またはp−ジメチルアミノ安息香酸エス
テル等が挙げられる。ケトンの例としては、置換された
ベンゾフェノン誘導体、ミヒラーケトン、アントラキノ
ン及びアントラキノン誘導体とチオキサントンとその誘
導体等が挙げられる。
【0015】印刷インキの場合、光硬化は乾燥時間が印
刷製品の生産速度を決定する決定的要因であり、そして
1秒の何分の1のオーダーであるべきなので非常に重要
である。本発明による光重合開始剤は、プリント回路基
板用の液状レジストインキにも非常に適している。この
場合においてはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレー
トにテトラヒドロ無水フタル酸や無水コハク酸を反応さ
せた化合物とエポキシ樹脂、エポキシ硬化剤及び光重合
開始剤との混合物が一般的に使用される。これらの系か
ら製造された液状レジストインキはプリント回路基板に
塗布し、ネガフィルムを通して紫外線を照射し、その後
未硬化部分は希アルカリ水溶液で溶出される。
【0016】紫外線硬化の他の応用分野としては、金属
被覆例えば、管またはブリキ缶、並びに合成樹脂被覆、
例えばPVC基材からなる床張り材または壁面材の紫外
線硬化である。紙への塗布の紫外線硬化としては例えば
ラベル、箱類または本の表紙の無色ラッカー被覆があ
る。本発明による光重合開始剤はまたポリオレフィンの
光化学架橋開始剤としても使用できる。これについては
例えばポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン
ならびにエチレン−プロピレン−コポリマーのような共
重合体が重要であり、特に低圧、中圧もしくは高圧ポリ
エチレンが好ましい。
【0017】本発明の感光性樹脂組成物は、100重量
部のエチレン性不飽和基含有化合物に対して通常0.1
〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の前記の
式(1)で示される光重合開始剤を配合するが、適当な
割合は、エチレン性不飽和基含有化合物の性質や、エネ
ルギー線の種類、照射量、温度、塗膜厚などさまざまな
要因を考慮することによって決定される。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性
不飽和基含有化合物及び光重合開始剤を混合、溶解ある
いは混練等の方法により調製することができる。
【0019】本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線等の
エネルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に
指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化すること
ができる。適当なエネルギー線としては、光重合開始剤
の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるもの
でもよいが、好ましくは高、低圧水銀ランプ、キセノン
ランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000
オングストローム〜7000オングストロームの波長を
有する電磁波エネルギー等の高エネルギー線を使用す
る。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によ
るが、通常0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし
比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるの
が好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後に
は、殆どの組成物は重合により指触乾燥するが重合反応
を促進するために加熱を併用することも場合によっては
好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例中の部は重量部である。 光重合開始剤の実施例 実施例1 メタンスルホン酸127部及び無水リン酸13部を仕込
み、攪拌し、完全に溶解させる。次いでジフェニルスル
フィド13.0部、p−シアン安息香酸10.3部を仕
込み、40℃で4時間反応し、液体クロマトグラフィー
にて、反応が終了したことを確認した。次いで反応液
を、水酸化カリウム水溶液(水20部に水酸化カリウム
1部を溶解したもの。)2800部に攪拌しながら滴下
し、析出した沈殿物をろ別し、乾燥し、次いでエタノー
ル65部に加熱(60℃),溶解し、25℃まで冷却し
析出した沈殿物をろ別し、エタノールを除去し、反応生
成物16.5部を得た。反応生成物は、下記の構造式を
有し、融点(℃)は139〜140℃であった。
【0021】
【化3】
【0022】生成物の元素分析の測定結果は、以下の通
りであった。
【0023】実施例2 メタンスルホン酸136部及び無水リン酸14部を仕込
み、攪拌し完全に溶解した。次いで、ジフェニルスルフ
ィド14.0部、p−メトキシカルボニル安息香酸1
3.5部を仕込み40℃で4時間反応し、液体クロマト
グラフィーにて反応が終了したことを確認した。次いで
反応液を水酸化カリウム水溶液(水20部に水酸化カリ
ウム1部を溶解したもの。)3000部に攪拌しながら
滴下し、析出した沈殿物をろ別、乾燥し次いでエタノー
ル70部に加熱(60℃)、溶解し25℃まで冷却し析
出した沈殿物をろ別し、エタノールを除去し、反応生成
物18.3部を得た。反応生成物は、下記の構造式を有
し、融点は145〜148℃であった。
【0024】
【化4】
【0025】生成物の元素分析の測定結果は、以下の通
りであった。
【0026】実施例3 メタンスルホン酸127部及び無水リン酸13部を仕込
み、攪拌し完全に溶解し、次いでフェニルオキシベンゼ
ン11.9部、p−シアソ安息香酸10.3部を仕込
み、50℃で6時間反応を行い液体クロマトグラフィー
にて反応が終了したことを確認した。次いで反応液を水
酸化カリウム水溶液(水20部に水酸化カリウム1部を
溶解したもの。)2800部に攪拌しながら滴下し、析
出した沈殿物をろ別し、乾燥し、次いでエタノール60
部に加熱(60℃)、溶解し、25℃まで冷却し析出し
た沈殿物をろ別し、エタノールを除去し、反応生成物1
5.7部を得た。反応生成物は下記の構造式を有し、融
点は103〜104℃であった。
【0027】
【化5】
【0028】生成物の元素分析の測定結果は、以下の通
りであった。
【0029】実施例4〜8 実施例1〜3と同様にして、下記の様に安息香酸系化合
物とジフェニルスルフィド系化合物を変えて、反応生成
物を得た。
【0030】
【表1】
【0031】注 1)実施例4で使用した原料はp−エチルオキシカルボ
ニル安息香酸とジフェニルスルフィド。 2)実施例5で使用した原料はp−エチルオキシカルボ
ニル安息香酸とフェニルオキシベンゼン。 3)実施例6で使用した原料はp−シアノ安息香酸と2
−メチルジフェニルスルフィド。 4)実施例7で使用した原料はp−メチルチオ安息香酸
とジフェニルスルフィド、 5)実施例8で使用した原料はo−シアノ安息香酸とジ
フェニルスルフィド。
【0032】応用実施例 実施例9〜16、比較例1 KAYARAD、UX−8101(ウレタンアクリレー
ト、日本化薬(株)製)48部、エチルカルビトールア
クリレート10部、N−ビニルピロリドン4部、アクリ
ロイルモノホリン38部、カーボンブラック(顔料)4
5部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
(光重合促進剤)3.5部及び表1にしたがって光重合
開始剤を配合し、予備混合後、3本ロールミルで3回混
練し、感光性樹脂組成物を得た。次に、この樹脂組成物
をスクリーン印刷法によりポリカーボネート樹脂(0.
5mm厚さ)に厚さ12〜15μmになるように印刷
し、80w/cmのメタルハライドランプ下10cmの
所を通過させ紫外線を照射して硬化し、この樹脂組成物
の硬化性(mJ/cm2) 、硬化性の臭気について評価した評
価結果を表2に示した。
【0033】硬化性:樹脂組成物をスクリーン印刷法に
よりポリカーボネート樹脂(0.5mm厚さ)に厚さ1
2〜15μmになるように印刷し、80w/cmのメタ
ルハライドランプ下10cmの所を通過させ紫外線を照
射し、塗膜の硬化(指触による)に要した照射量(mJ/c
m2) を測定した。 硬化物の臭気:硬化物の臭気を測定した。 ○・・・・ほとんど臭気がない △・・・・少し臭気あり ×・・・・臭気がある
【0034】
【表2】 表2 実 施 例 比較例 使用された光重合開始剤 9 10 11 12 13 14 15 16 1 実施例1で得た生成物 3.5 実施例2で得た生成物 3.5 実施例3で得た生成物 3.5 実施例4で得た生成物 3.5 実施例5で得た生成物 3.5 実施例6で得た生成物 3.5 実施例7で得た生成物 3.5 実施例8で得た生成物 3.5 イルガキュアー907 *1 0.5 0.5 3.5 KAYACURE DETX-S *2 0.5 硬化性(mJ/cm2) 100 120 110 120 120 90 100 90 170 臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
【0035】*1 イルガキュアー907:チバ・ガイ
ギー社製 光重合開始剤 2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルフォリノプロパン−1−オン *2 KAYACURE DETX−S:日本化薬
(株)製、光重合開始剤、2,4−ジエチルチオキサン
トン
【0036】実施例17〜24、 比較例2、3 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸の反
応物とテトラヒドロ無水フタル酸の反応物(エポキシ当
量218のクレゾール型エポキシ樹脂1090部、アク
リル酸366部、カルビトールアセテート412.5
部、ソルベントナフサ412.5部、ハイドロキノン
1.1部、トリフェニルホスフィン8.3部を仕込み、
100〜110℃で15時間反応させ、次いでテトラヒ
ドロ無水フタル酸620部を仕込み、95〜100℃で
8時間反応し、得られた固型分の酸価が110mgKOH/g
の反応物)85部、KAYARAD R−2058(日
本化薬(株)製、フェノールノボラック型エポキシアク
リレート、ブチロセロソルブアセテート30重量%含有
品)15部、KAYARAD DPHA(日本化薬
(株)製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサア
クリレート混合物)5部、カルビトールアセテート10
部、トリイソシアヌレートトリグリシジルエーテル10
部、フタロシアニングリーン(顔料)1.0部、硫酸バ
リウム23部、モダフロー(モンサント社製、レベリン
グ剤)1.0部、ジシアンジアミド(エポキシ硬化剤)
2部、「2P4MHZ」(四国化成工業社製、エポキシ
硬化剤)1部及び表2にしたがって光重合開始剤、光重
合促進剤を予備混合し、3本ロールミルで混練し、本発
明の感光性樹脂組成物を得た。
【0037】この樹脂組成物をスクリーン印刷法により
銅スルホールプリント配線板の全面に約30μmの厚さ
になるように塗布した。次いで熱風循環炉に入れ、80
℃で30分間乾燥後室温まで冷却し、乾燥塗膜を得た。
この試験片を用いて感度試験を行った。21段ステップ
タブレットをそなえたネガマスクを塗膜面に接触させ、
オーク製作所社製、超高圧水銀灯露光装置を用いて50
0mJ/cm2で露光し、ネガマスクを塗膜面より剥離し、次
に1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液とし、2.0kg/c
m2のスプレー圧で現像しステップタブレットの硬化段数
を読みとり、その結果を表3に示した。
【0038】
【表3】 表3−1 実 施 例 17 18 19 20 21 22 23 24 実施例1で得た光重合開始剤 2.5 実施例2で得た光重合開始剤 2.5 実施例3で得た光重合開始剤 2.5 実施例4で得た光重合開始剤 2.5 実施例5で得た光重合開始剤 2.5 実施例6で得た光重合開始剤 2.5 実施例7で得た光重合開始剤 2.5 実施例8で得た光重合開始剤 2.5 イルガキュアー907 *1 KAYACURE DETX-S *2 KAYACURE EPA *3 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 感光試験 8 8 8 8 8 9 9 9
【0039】注 *1 イルガキュアー907:チバ・
ガイギー社製 光重合開始剤 2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルフォリノプロパン−1−オン *2 KAYACURE DETX−S:日本化薬
(株)製、光重合開始剤、2,4−ジエチルチオキサン
トン *3 KAYACURE EPA:日本化薬(株)
製、光重合促進剤、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルエステル
【0040】前記、実施例及び比較例から明らかなよう
に、本発明の光重合開始剤を含有した感光性樹脂組成物
は硬化性(感光性)に優れ、臭気が少ない硬化物を与え
る。
【0041】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有した感光性
樹脂組成物は、硬化性に優れ、硬化物の臭気が小さい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1 ,R2 及びR3 はそれぞれ水素原子、シア
    ノ基、フェニル基、ニトロ基、−O−CO−R7 、−C
    OOR8 、−CO−R9 、−S−R10、R1 〜R3 の中
    少なくとも1つは水素原子以外の基、R4 、R5 及びR
    6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C5 のア
    ルキル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、ニトロ基、−N
    1112、R7 、R8 、R9 及びR10はそれぞれC1
    5 のアルキル基、フェニル基、R11及びR12はC1
    5 のアルキル基、Xはイオウ原子又は酸素原子であ
    る。)で示される光重合開始剤。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和基含有化合物と請求項1
    記載の光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の感光性樹脂組成物の硬化
    物。
JP20551793A 1993-07-29 1993-07-29 光重合開始剤、これを含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物 Pending JPH0741509A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7799884B2 (en) * 2002-06-19 2010-09-21 Henkel Ag & Co. Kgaa Polymeric photoinitiators

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