JPH08269280A - 塩素含有重合体用安定剤、その製法及び塩素含有重合体組成物 - Google Patents

塩素含有重合体用安定剤、その製法及び塩素含有重合体組成物

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JPH08269280A
JPH08269280A JP1110396A JP1110396A JPH08269280A JP H08269280 A JPH08269280 A JP H08269280A JP 1110396 A JP1110396 A JP 1110396A JP 1110396 A JP1110396 A JP 1110396A JP H08269280 A JPH08269280 A JP H08269280A
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Hiroshi Sawada
宏 沢田
Seiji Wakagi
誠治 若木
Satoru Ota
覚 太田
Takashi Saito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素含有重合体への配合性や熱安定性に優
れ、しかも抑制された復水傾向を有する塩素含有重合体
用安定剤及びその製法を提供すること。 【解決手段】 ケイ酸、ケイ酸塩及びアルミノケイ酸塩
及びそれらの酸処理物から成る群より選択され且つ反応
性ケイ酸を含有するケイ酸質化合物と、油脂類とを含有
する組成物と、油脂類のケン化に要するKOHの当量と
反応性ケイ酸中和量との合計量以上の周期律表第II族金
属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物、水酸
化物及び反応性塩から成る群より選ばれる少なくとも一
種とを水の存在下に混合、反応させ、反応性ケイ酸を周
期律表第II族金属、第IV族金属及び/または第V族金属
のケイ酸塩に転化させると共に該油脂類のケン化生成物
をケイ酸質化合物に担持させることを特徴とする油脂ケ
ン化物複合ケイ酸塩からなる塩素含有重合体用安定剤の
製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有重合体用
安定剤及びその製法に関するもので、より詳細には、塩
素含有重合体への配合性や熱安定性に優れ、しかも抑制
された復水傾向を有する塩素含有重合体用安定剤及びそ
の製法に関する。本発明はまた、油脂精製工程で排出さ
れる廃白土の安定剤への有効利用にも関する。
【0002】
【従来の技術】塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂
は熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩酸を生じ、
分解、変色等が生じる。この熱分解に対して塩化ビニル
樹脂を安定化するために、従来種々の安定剤或いは安定
剤組成物が提案され、広く使用されている。このような
安定剤のうち、無機系のものとして、種々のケイ酸質化
合物を用いることが知られている。例えば特公昭52−
32899号公報には合成ケイ酸カルシウム等のケイ酸
塩の細孔に有機配合剤を含有させたものを塩素含有重合
体に熱安定剤として配合することが記載されており、ま
た特開平4−15237号公報には、微結晶カルシウム
シリケート・ハイドレートを塩素含有重合体等に配合す
ることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ケイ酸カルシウム等の
ケイ酸塩粒子は顔料性がよく、樹脂への配合性能や分散
性能に優れており、塩化水素や塩素イオンと反応してこ
れを捕捉するという特性を有するが、これらのケイ酸塩
は性質として親水性であり、特に塩化水素との反応性に
優れた非晶質或いは微結晶のものでは、この傾向が大き
いという問題を有する。即ち、これらのケイ酸質化合物
は一般に、貯蔵中に水分を吸着しやすく、塩素含有重合
体との混練時に水分を離脱して、配合樹脂組成物を発泡
させる傾向がある。
【0004】また、ケイ酸質化合物はそれ単独で熱安定
剤として使用することは稀であり、各種有機配合剤と組
合せで使用することが一般的であるが、ケイ酸質化合物
は親水性であるため、高級脂肪酸塩等の疎水性の有機成
分とはなじみが悪いという欠点もある。
【0005】更に、油脂の精製工程では、油脂類を比較
的多量に含有する廃白土が副生し、この廃白土の廃棄処
理が問題となっているが、その有効利用が可能となれ
ば、環境汚染防止及び資源有効利用の点で意義が大きい
ものと認められる。
【0006】本発明の目的は、塩素含有重合体への配合
性や熱安定性に優れ、しかも抑制された復水傾向を有す
る塩素含有重合体用安定剤及びその製法を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、油脂分を含有する白土を原料
に使用し、塩素含有重合体用安定剤として有効に再利用
できる方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ケイ
酸、ケイ酸塩及びアルミノケイ酸塩及びそれらの酸処理
物から成る群より選択され且つ反応性ケイ酸を含有する
ケイ酸質化合物と、油脂類とを含有する組成物と、油脂
類のケン化に要するKOHの当量と反応性ケイ酸中和量
との合計量以上の周期律表第II族金属、第IV族金属及び
/または第V族金属の酸化物、水酸化物及び反応性塩か
ら成る群より選ばれる少なくとも一種とを水の存在下に
混合、反応させ、反応性ケイ酸を周期律表第II族金属、
第IV族金属及び/または第V族金属のケイ酸塩に転化さ
せると共に該油脂類のケン化生成物をケイ酸質化合物に
担持させることを特徴とする油脂ケン化物複合ケイ酸塩
からなる塩素含有重合体用安定剤の製法が提供される。
【0008】本発明によればまた、3.0乃至3.1オ
ングストロームに実質上単一のX線回折ピークを有する
カルシウムシリケート・ハイドレート(以後この物質を
CSH−1と略記することがある)及び/又は、2.8
4乃至2.85、3.22乃至3.23、2.97乃至
2.98、1.86乃至1.87及び4.2乃至4.1
オングストロームに主要なX線回折ピークを有する結晶
性のケイ酸鉛(以後この物質をPbSHと略記すること
がある)及び3.05乃至3.15オングストロームに
実質上単一のX線回折ピークを有するカルシウム鉛シリ
ケートハイドレート(以後この物質をPbCSHと略記
することがある)を主体とするケイ酸質化合物粒子と、
該ケイ酸質化合物の細孔或いは表面に保持された高級脂
肪酸カルシウム塩、高級脂肪酸鉛塩、グリセリン及び/
又はグリセリン誘導体とを含有する組成物の疎水性粒子
から成ることを特徴とする塩素含有重合体用安定剤が提
供される。
【0009】さらに、該安定剤が、大気圧乃至減圧下、
50℃〜300℃で加熱されてなる塩素含有重合体用安
定剤が提供される。
【0010】
【作用】本発明では、ケイ酸、ケイ酸塩及びアルミノケ
イ酸塩及びそれらの酸処理物から成る群より選択された
ケイ酸質化合物と油脂類と或いは必要により更に亜鉛化
合物を含有する組成物と、周期律表第II族金属、第IV族
金属及び/または第V族金属(以下、第II族金属等とい
う)の酸化物、水酸化物及び反応性塩から成る群より選
ばれる少なくとも一種(以下、酸化物等という)を、水
の存在下に湿式混合するが、用いるケイ酸質化合物が反
応性ケイ酸を含有すること、及び第II族金属、第IV族金
属及び/または第V族金属の酸化物、水酸化物及び反応
性塩から成る群より選ばれる少なくとも一種を、油脂類
をケン化するに要するKOHの当量数と反応性ケイ酸を
中和する当量数との合計量以上の量で用いることが重要
である。
【0011】上記組成物と第II族金属、第IV族金属及び
/または第V族金属の酸化物乃至水酸化物とを湿式混合
すると、ケイ酸質化合物中の反応性ケイ酸と第II族金
属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物等とが
反応して、非晶質でしかも細孔容積の大きい第II族金
属、第IV族金属及び/または第V族金属のケイ酸塩がケ
イ酸質化合物中に生成すると共に、油脂類が第II族金
属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物等でケ
ン化されて、高級脂肪酸第II族金属塩、高級脂肪酸第IV
族金属塩及び/または高級脂肪酸第V族金属塩(以下、
高級脂肪酸第II族金属塩等という)、グリセリン及び/
又はグリセリン誘導体とを生成する。生成する第II族金
属等のケイ酸塩、高級脂肪酸第II族金属塩等、グリセリ
ン及びグリセリン誘導体は全て塩素含有重合体に対する
安定剤成分であると共に、これら成分が相乗的に作用し
て後述する例に示す通り高度の熱安定性が得られる。
【0012】さらに、本発明により得られる安定剤は、
大気圧乃至減圧下、50℃乃至300℃、好ましくは1
00℃乃至200℃で加熱処理して用いることにより復
水防止性及び熱安定効果が一層向上する。
【0013】また、上記反応に先立って、第II族金属等
の酸化物等の内でも、特に、後述の亜鉛の酸化物等を使
用すると、塩素含有重合体の初期着色防止及び加熱時の
着色を防止する上で顕著な効果がある。さらに、この亜
鉛の酸化物等の着色防止効果は、アルカリ土類金属を使
用する場合に特に顕著である。即ち、アルカリ土類金属
系安定剤は塩素含有重合体に対し暖色系(赤)の発色傾
向を示す安定剤であるが、これに寒色系(青)の発色傾
向を示す亜鉛の酸化物等を共存させることにより、両者
の補色作用により特定の着色傾向が防止される。のみな
らず本発明による安定剤では、亜鉛成分がアルカリ土類
金属ケイ酸塩中に組み込まれるため(以後この物質をZ
CSH−1と略記することがある。)、亜鉛成分を別個
に添加した場合に比べて、所謂亜鉛バーニングが生ずる
熱履歴が著しく延長されるという利点をもたらす。
【0014】本発明では、反応性ケイ酸と周期律表第II
族金属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物等
とが反応して第II族金属ケイ酸塩等を生成する系中で、
油脂類のケン化を行なうことも重要である。即ち、生成
したばかりの新鮮な第II族金属等のケイ酸塩はマクロポ
アを含有していると共に高度の活性を有しているから、
油脂類のケン化により生じる高級脂肪酸第II族金属塩
等、グリセリン及びグリセリン誘導体をケイ酸質粒子中
或いはその表面に強固に保持するという作用を示す。例
として非晶質第II族金属等のケイ酸塩が生成しないケイ
酸質化合物を含む組成物の中和では、脂肪類のケン化に
より生じる高級脂肪酸第II族金属塩等やグリセリン及び
グリセリン誘導体がケイ酸質化合物から遊離して全体が
ゼリー状の混合物となり、これを粉粒体にすることは困
難になるが、本発明では、上記油脂ケン化生成物の遊離
が有効に防止され、反応混合物の粉粒体化が容易であ
る。
【0015】湿式混合は、湿式摩砕混合条件下に行なう
のが有利である。摩砕混合とは、ケイ酸質化合物の新鮮
な表面が露出されるような混合条件であり、この混合条
件では、前述した諸反応がメカノケミストリー的に進行
し、油脂ケン化生成物の遊離傾向が完全に防止されると
共に、反応混合物が直接粉粒体として、或いは若干の乾
燥を行なうのみで粉粒体として得られるという利点があ
る。
【0016】本発明による安定剤は、ケイ酸質化合物粒
子の細孔(マクロポア)中或いは表面に、高級脂肪酸第
II族金属塩等、グリセリン及びグリセリン誘導体が一様
に保持固定されており、粒子毎の組成が均一且つ一様で
あるという特徴を有している。このため、後述する例に
示す通り、粒子毎の組成のバラツキが著しく少ない。ま
た、粒子の細孔及び表面に撥水性の高級脂肪酸第II族金
属塩等が一様に存在するため、本発明の安定剤粒子は性
質において疎水性であり、塩素含有重合体や他の有機安
定剤との配合、即ちコンパウンディングが至って容易で
あり、樹脂への食い込み及び樹脂中への分散が容易であ
るという潤滑作用の利点を与える。また、この安定剤は
そのベースがケイ酸第II族金属塩等であり、しかもグリ
セリンを含有するにもかかわらず、全く意外なことに、
吸湿傾向が著しく少ないという特性を示す。即ち非晶質
のケイ酸塩は水和水を一般に有しており、これを乾燥し
て水分を除去しても復水するが、本発明による安定剤で
はこの傾向が著しく小さい。
【0017】このような本発明の安定剤の作用効果は、
後述する例(図2の熱分析図、及び図4乃至6の赤外線
スペクトル参照)により示される。即ち、図2は試料を
加熱した際及び加熱後の約1000分間にわたる試料の
重量変化(TG(%))をプロットしたものである。こ
の図2によれば、油脂の担持処理を行う前の亜鉛カルシ
ウムシリカ複合水酸化物(実施例の欄で後述する試料B
−1)のTG曲線(曲線1)において、加熱の際の水分
蒸発による減量ピーク(測定開始後約600〜1000
分)は、同一条件下(温度条件は曲線3を参照のこと)
で測定して得られた、油脂の担持処理を行った実施例1
の安定剤のTG曲線(曲線2)において、加熱の際の水
分蒸発による減量ピーク(測定開始後約600〜100
0分)に比して遙かに大きく、この両ピークの比較か
ら、油脂の担持により本発明の安定剤は疎水性となって
おり、その表面乃至内部に水分をほとんど有していない
ことがわかる。さらに、図2において、曲線1及び曲線
2の1000分以後のTG%値の変化を比較すると、曲
線1のTG値は時間の経過とともに上昇するのに対し
て、曲線2のTG値は殆ど変化していないことが読み取
れる。このことから、油脂の担持処理を行っていない試
料B−1では、加熱による大幅な水分減量があった後
は、復水して徐々にその重量を増加させるのに対して、
油脂の担持処理を行った実施例1の安定剤では、復水が
ほとんど起こらないことがわかる。
【0018】図4は、後述の実施例1で得られた油脂ケ
ン化物複合ケイ酸塩からなる安定剤について、種々の条
件で処理したものをサンプリングし、そのサンプルの赤
外線吸収スペクトルを測定した結果である。この図4に
よれば、実施例1の生成物スラリーの風乾物の赤外線吸
収スペクトル(スペクトル1)には、1647cm-1
近に水分子のO−H結合に由来する吸収が1580cm
-1の吸収ピークの肩として確認することができる。一
方、この風乾物を加熱処理して水分を除去して得たもの
の赤外線吸収スペクトル(スペクトル2)では、164
7cm-1付近の肩が消失していることが確認できる。こ
の加熱処理後の実施例1の生成物を、室温75%関係湿
度下で7日放置した後に測定して得た赤外線吸収スペク
トル(スペクトル3)でも、1647cm-1付近に水分
子のO−H結合に由来する吸収が確認されず、本発明に
係る安定剤は復水し難いことが確認できる。
【0019】図5は、油脂を使用しない以外は実施例1
と同様にして得た亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物の
風乾物の加熱処理前(スペクトル1)と加熱処理後(ス
ペクトル2)の赤外線吸収スペクトルであるが、油脂を
担持していない亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物は発
水性に乏しいために、加熱処理を施しても1647cm
-1付近の水分子のO−H結合に由来する吸収が消失して
いないことが確認できる。図5には示さなかったが、こ
の加熱処理後の試料をさらに室温75%関係湿度下で1
週間放置した試料の赤外線吸収スペクトルは、スペクト
ル1と同様のものとなっており、油脂を担持していない
亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物が復水し易いことも
既に確認している。
【0020】図6は、実施例1と同様の操作により得た
亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物(試料B−1)とス
テアリン酸カルシウム(スラリー風乾物の約20重量%
を添加)との混合物の均一スラリーの風乾粉末(スペク
トル1)、同スラリーの加熱乾燥直後の粉末(スペクト
ル2)、同粉末の室温75%関係湿度下で7日放置した
もの(スペクトル3)、及びステアリン酸カルシウム
(スペクトル4)の赤外線吸収スペクトルである。スペ
クトル3において、1647cm-1付近の水分子のO−
H結合に由来する吸収が確認できることから明かなよう
に、複合ケイ酸塩に単に有機酸カルシウム塩を混合した
だけでは、混合物の復水を防止できず、本発明に係る安
定剤の作用効果は達成されないことがわかる。
【0021】以上から、本発明の安定剤のごとく油脂を
複合ケイ酸塩の表面に担持させると、疎水性の複合ケイ
酸塩からなる安定剤を得ることができ、特に、この安定
剤は復水し難い。この安定剤の復水防止性能は、複合ケ
イ酸塩に従来公知の高級脂肪酸塩の添加剤を単に使用す
るのみでは得られないことが容易に理解できる。
【0022】本発明による安定剤では、有機成分、即ち
高級脂肪酸塩がケイ酸質粒子に保持固定されているので
高級脂肪酸塩が、プレートアウトする傾向も至って少な
いという利点をもたらす。
【0023】更に、本発明の安定剤は、比較的向上した
白色度を有しており、高温で処理されたときにもそれ自
体熱劣化や着色を生じないという利点を与える。これ
は、用いた油脂類が廃油脂である場合にも全く同様であ
る。即ち、本発明ではケイ酸質化合物中の反応性ケイ酸
分が非晶質のアルカリ土類金属ケイ酸塩等に転化するこ
とによって、白色度の向上がもたらされているものと認
められる。また、グリセリンは高温で着色劣化しやすい
のが難点であるが、本発明による安定剤ではグリセリン
が第II族金属ケイ酸塩等に配位しているため安定化され
ているものと認められる。
【0024】本発明の製法の最も重要な態様によれば、
アルカリ土類金属ケイ酸塩は、3.0乃至3.1オング
ストロームに実質上単一のX線回折ピークを有するカル
シウムシリケート・ハイドレート(CSH−1)の形で
存在する。更に、ケイ酸鉛及びカルシウム鉛ケイ酸塩
は、2.84乃至2.85、3.22乃至3.23、
2.97乃至2.98、1.86乃至1.87及び4.
2乃至4.1オングストロームに主要なX線回折ピーク
を有する結晶性のケイ酸鉛(PbSH)及び3.05乃
至3.15オングストロームに実質上単一のX線回折ピ
ークを有するカルシウム鉛シリケートハイドレート(P
bCSH)の形で存在する。これらのものは、前述した
全ての特性の点で特に優れている。
【0025】
【発明の好適態様】
〔ケイ酸質化合物〕本発明で原料として使用するケイ酸
質化合物は、反応性ケイ酸を含有する限り、種々のケイ
酸、ケイ酸塩、層状ケイ酸、アルミノケイ酸塩、或いは
それらの酸処理物の任意のものであってよい。反応性ケ
イ酸とは、NaOH水溶液と反応させたとき、ケイ酸ナ
トリウムとして抽出されるケイ酸分をいい、例えば非晶
質シリカは勿論のこと、Hashimoto and
Jackson法(0.5NNaOH水溶液中2.5分
間煮沸反応)で溶解するシリカ及び塩基性摩砕条件下で
溶解するシリカ、例えばクリストバライト、オパールC
T,モンモリロナイト、クロライト等がこれに含まれ
る。反応性ケイ酸分の含有量は、ケイ酸質化合物当り、
10重量%以上、特に30重量%以上であることが好ま
しい。本発明で使用するケイ酸質化合物は、10m2
g以上の範囲の比表面積を有するものであることが好ま
しい。
【0026】非晶質シリカとしては、ホワイトカーボ
ン、その他の湿式法非晶質シリカや、スメクタイト族粘
土鉱物、例えば酸性白土、モンモリロナイト、フラース
アース等の粘土鉱物を酸処理して得られるシリカが使用
される。この非晶質シリカは一般に150乃至400m
2 /gのBET比表面積を有するものであり、その二次
粒子径は1乃至10μm、特に1乃至5μmの範囲にあ
るのがよい。層状ケイ酸としてはマガディアイト、ケニ
ヤアイト、マカタイト、アイラライト、カネマイトを酸
で処理して得られるものである。ケイ酸塩としては、ケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウ
ム、ケイ酸ストロンチウムの如きケイ酸アルカリ土類金
属塩、ケイ酸亜鉛の如きケイ酸の第IIb族金属塩;ケイ
酸鉛の如きケイ酸の第IV族金属塩;ケイ酸アンチモンの
如きケイ酸の第V族金属塩等が使用され、前述した反応
性ケイ酸を含有するものが単独であるいは2種以上の組
合せで使用される。これらのケイ酸塩は、それ自体公知
の湿式法或いは乾式法により合成されたものでもよい。
アルミノケイ酸塩としては、層状アルミノケイ酸塩、特
に各種粘土鉱物や、テクトケイ酸塩、ゼオライトの内前
述した反応性ケイ酸を含有するものが使用される。
【0027】天然に産出する粘土鉱物例えば酸性白土、
モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト、ハロ
イサイト等の殆どのものは、非晶質ケイ酸やクリストバ
ライト等の反応性シリカを含有しているので、これを本
発明の目的に用いることができる。また、粘土鉱物を酸
処理すると粘土中のアルミナ成分や他の金属成分が溶出
して、反応性ケイ酸(活性ケイ酸)の含有量が増大する
ので、このものを本発明の目的に有利に使用することが
できる。粘土及び粘土酸処理物(活性白土)の比表面積
は10乃至350m2 /gの範囲にあるのがよい。
【0028】用いる酸は、無機酸でも有機酸でも格別の
制限なしに使用されるが、経済的には、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の酸が使用される。これらの酸は、稀釈水
溶液の形で酸処理反応に用いる。
【0029】また、天然に得られるゼオライト、例えば
モルデナイト、クリノプチロライト、ホージャサイト等
は、同様に反応性ケイ酸を含有していることが多く、こ
れらは本発明の目的に有利に使用できる。また、結晶性
ゼオライト、例えばゼオライトA,ゼオライトX,ゼオ
ライトY、ゼオライトP、アナルサイム、ソーダライト
等もこれを酸処理することにより容易に非晶質化するの
で、これを本発明の目的に使用することができる。
【0030】〔油脂含有組成物〕原料の油脂としては天
然の動植物界に広く存在し、脂肪酸とグリセリンとのエ
ステルを主成分とするものであり、例えば大豆油、菜種
油、パーム油、パーム核油、綿実油、ヤシ油、米糠油、
ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿
油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ
油、コーン油などの植物性油脂及びイワシ油、ニシン
油、イカ油、サンマ油などの魚油、肝油、鯨油、牛脂、
牛酪脂、馬油、豚脂、羊脂などの動物性油脂を単独また
はそれらを組み合わせて使用できる。また、これらの使
用済みの油脂として、家庭用や業務用に揚油として用い
た後の食用廃油、食品加工メーカーからの使用済み食用
油、食用油脂精製メーカーにおける抽出回収油、シリコ
ン油なども使用できる。
【0031】本発明では、前記ケイ酸質化合物と上記油
脂とを混合して使用する他に、ケイ酸質化合物に油脂類
が吸着されたもの、例えば油脂の精製工程で排出される
油脂含有廃白土を用いることもできる。即ち、活性白土
(酸処理粘土)は、油脂類中に含まれる色素等の吸着
(脱色)に広く使用されているが、この精製工程から排
出される廃白土は全体当り5乃至60重量%の油脂を含
有しており、本発明では白土と含有油脂との両方を安定
剤成分として有効に利用できる。
【0032】本発明に用いる組成物は、二成分基準で2
乃至99重量%、特に30乃至70重量%のケイ酸質化
合物と1乃至98重量%、特に30乃至70重量%の油
脂類とを含有するのがよい。即ちケイ酸質化合物の含有
量が上記範囲よりも低いと、粉体としての取扱いが困難
となり、一方上記範囲よりも多いと安定剤としての性能
が低下する。
【0033】〔混合反応〕本発明によれば、前述した組
成物と周期律表第II族金属、第IV族金属及び/または第
V族金属の酸化物、水酸化物及び反応性塩から成る群よ
り選ばれる少なくとも一種とを、水の存在下に混合し、
反応させる。この反応に際し、合成分の添加順序等には
特に制限はなく、反応系中に、ケイ酸質化合物、油脂
類、第II族金属等の酸化物等が共存するようにすればよ
い。
【0034】反応物、即ち、ケイ酸質化合物、油脂類、
第II族金属等の酸化物等の混合比を調節して反応条件を
所望のものとし、或いは混合反応後最終的に得られる油
脂ケン化物複合ケイ酸塩の成分組成を所望の範囲内のも
のとするために、これら反応物を混合反応させた後に、
さらに、これら反応物の各々を適宜追加で添加してもよ
い。この場合、追加で加える反応物は、本発明の前記特
徴とは関係なく加えることができ、その量は本発明の所
望の作用効果が発揮される範囲の量であれば特に限定さ
れない。
【0035】第II族金属の酸化物等としては、主として
アルカリ土類金属及び/または亜鉛の酸化物等が使用さ
れる。アルカリ土類金属の酸化物等としては、水酸化カ
ルシウム、特に石灰乳が好適に使用されるが、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を用
いることもできる。亜鉛の酸化物等としては、酢酸亜
鉛、亜鉛(II)アセチルアセトネート、安息香酸亜鉛、
臭化亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、塩基性炭酸
亜鉛、4−シクロヘキシル酪酸亜鉛、ジベンジルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、乳酸亜
鉛、硝酸亜鉛、酸化亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、
燐酸亜鉛、ジンクピリチオン、サリチル酸亜鉛、ステア
リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、ジンクメタ
アンチモネート、ジンクアンチモニーオキサイド、ジン
クボレート、ジンクアルミニウムオキサイド、ガーナイ
ト、ジンクアルミニウムフォスフェートハイドライドハ
イドレート、ジンクアルミニウムフォスフェートハイド
ロオキサイドハイドレート、ジンクアルミニウムシリケ
ート、ジナルサイト、ジンクアルミニウムサルフェート
ハイドレート、ジンクカルシウムハイドロオキサイドシ
リケイト、ジンクカーボネート、ジンクカーボネートハ
イドロオキサイド、ジンクカルシウムハイドロオキサイ
ドシリケート、ジンクカーボネートハイドロオキサイド
ハイドレート、ジンククロレートハイドレート、ジンク
ハイドロジェンフォスフェートハイドレート、ジンクハ
イドロジェンフォスファイトハイドレート、ジンクハイ
ドロオキサイド、ジンクハイドロオキサイドハイドレー
ト、ビスミルパイト、ジンクアイオデート、リチウムジ
ンクアイオデート、ジンクマグネシウムアルミニウムシ
リケートハイドレート、ジンクマグネシウムフォスフェ
ート、シュウ酸亜鉛、ジンクオキサイドボレートハイド
レート、ジンクオキサイドフォスフェート、ジンクフォ
スフェート、ジンクフォスファイト、ジンクシリケー
ト、ジンクサルフェート、ジンクサルフェートハイドロ
オキサイド、ジンクサルファイド、ジンクチタニウムオ
キサイド、ジンクチタニウムサルフェート、ジンクチタ
ニウムサルファイド等が挙げられる。また、第IV族、第
V族の酸化物等としては、好ましくは水酸化鉛(Pb
(OH)2)、酸化鉛(PbO)、酸化錫(SnO2
SnO)、酸化アンチモン(Sb2 3 ,Sb2 4
Sb2 5 )等を、より好ましくは水酸化鉛、酸化鉛等
を用いるとよい。
【0036】これら、第II族、第IV族及び第V族の金属
酸化物、水酸化物、反応性塩の内、少なくとも1種類以
上の組合せで用いることが可能である。
【0037】第II族、第IV族及び第V族の金属酸化物、
水酸化物及び/又は反応性塩の量は、油脂類のケン化に
要するKOHの当量と反応性ケイ酸の中和量との合計量
以上であればよい。特に、この条件下で、これら第II族
金属等の酸化物等を、油脂類のケン化に要するKOHの
当量の1.01乃至2000重量倍の量で用いると、本
発明の作用効果がより有効に発揮される。特に着色防止
効果を顕著に発揮させるために、亜鉛の酸化物等を使用
する場合、亜鉛の酸化物等を、ケイ酸質化合物当り0.
1乃至60重量%、特に5乃至30重量%の量で用いる
とよい。
【0038】湿式摩砕反応とは、非晶質シリカ等に機械
的な摩砕力が加わる条件下での反応であり、一般にボー
ルミル、チューブミル、振動ミル、ビーズミル等の反応
装置を使用し、可能的に低い温度、一般に70℃以下の
温度、特に15乃至50℃の温度で、3乃至300時間
で反応を行なうことができる。
【0039】本発明の製造方法の一例としては、水と粉
砕媒体を仕込んだチューブミルでカルシウム塩及び/ま
たは鉛塩の原料をシリカに対して過剰モル量を用い、C
SH−1あるいはZCSH−1及び/またはPbSH、
PbCSHを、湿式摩砕下に反応生成させその後、油脂
を添加し、同様の摩砕下に加水分解反応させ、金属石鹸
およびグリセリン及びグリセリン誘導体とを生成させ
る。次に、湿式摩砕混合状態にある上記生成物スラリー
を加熱下に蒸発乾固し複合体を形成させ、粉砕あるいは
分級して本願の製品を得ることができる。
【0040】このようにして得られた安定剤の製品は、
非晶質或いは低結晶性のケイ酸の第II族金属塩、第IV族
金属塩及び/または第V族金属塩を主体とするケイ酸質
化合物粒子と、該ケイ酸質化合物の細孔或いは表面に保
持された高級脂肪酸の第II族金属塩、第IV族金属塩及び
/または第V族金属塩とグリセリン及び/又はグリセリ
ン誘導体を含有する組成物の疎水性粒子から成る油脂ケ
ン化物複合ケイ酸塩からなる。この油脂ケン化物複合ケ
イ酸塩は、通常、三成分基準でケイ酸質化合物を1乃至
99重量%、高級脂肪酸の第II族金属塩、第IV族金属塩
及び/または第V族金属塩を0.4乃至97重量%、グ
リセリン及び/又はその誘導体をグリセリン分として
0.02乃至60重量%含有する。
【0041】本発明の安定剤は、例えば、塩素含有重合
体にたいしては、該重合体100重量部当たり、特に
0.1乃至50重量部、好ましくは0.1乃至10重量
部、最も好ましくは0.5乃至2.0重量部の量で用い
ることにより、顕著な発泡防止と耐熱持続性能とが同時
に発揮される。具体的には、塩素含有重合体100重量
部当たり、(A)本発明の油脂ケン化物複合ケイ酸塩を
0.1乃至50重量部、(B)亜鉛の酸化物、水酸化物
及び反応性塩から成る群より選ばれる少なくとも一種を
0.1乃至50重量部、(C)アルコール類及び/また
はその部分エステルを0.1乃至25重量部及び(D)
β−ジケトン乃至β−ケト酸エステル化合物及び/また
は亜燐酸エステル化合物を0.05乃至5重量部を含有
して成ることを特徴とする塩素含有重合体組成物として
用いるとよい。
【0042】塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化
ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン重
合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無
水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重
合体、塩化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビ
ニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレ
イン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−アクリロノトリル共重合
体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれれ
らの塩素含有重合体とポリエチレン、ポリブテン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル
−ブタジエン−スチレン共重合体等のブレンド物等を挙
げることができる。
【0043】また本発明の安定剤が配合された樹脂組成
物には、それ自体公知の各種添加剤、例えば非金属系安
定剤、有機錫系安定剤、塩基性無機酸塩等の他の安定剤
乃至は安定助剤、可塑剤、初期着色改良剤、アルコール
類及び/またはその部分エステル、酸化防止剤、光安定
剤、造核剤、充填剤、エポキシ安定剤、有機キレータ
ー、顔料、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止
剤、難燃剤、滑剤等を、その安定性が損なわれない範囲
内において添加配合することが可能である。
【0044】また、無機系の安定剤、例えば過ハロゲン
酸素酸含有化合物、ハイドロタルサイト類化合物、リチ
ウムアルミニウム複合水酸化物等を配合することができ
る。具体的には、亜鉛型ハイドロタルサイト類化合物、
過塩素酸型ハイドロタルサイト類化合物及び過塩素酸型
のリチウムアルミニウム複合酸化物等を配合することが
できる。
【0045】より具体的には、過ハロゲン酸素酸含有化
合物として(1)特願昭59−235158号に記載の
過塩素酸処理ハイドロタルサイト系化合物、(2)過塩
素酸処理リチウムアルミニウムカーボネートハイドレー
ト、(3)過ハロゲン酸素酸アニオン(過塩素酸アニオ
ン、過ヨウ素酸アニオン等)を包接した無定形のシリ
カ、アルミナ、アルミナ−シリカのゲル構造体、又はア
ニオン交換性或いはアニオン吸着性を有する無機鉱物
(特願昭60−216243号、特願昭59−2351
56号)、(4)過塩素酸の金属塩(その構成金属とし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウ
ム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛、アルミニウム等
が挙げられる)、(5)過塩素酸処理珪酸塩、例えば、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸バリウム、珪
酸亜鉛、珪酸鉛等の過塩素酸処理物;カオリン、ベント
ナイト、マイカ粉、タルク、珪藻土、酸性白土、活性白
土、ゼオライト等の各種珪酸粘土鉱物の過塩素酸処理物
等が挙げられる。
【0046】有機錫化合物としては、有機錫メルカプタ
イド類、有機錫サルファイド類、有機錫メルカプタイド
・サルファイド類、有機錫メルカプトカルボキシレート
類及び有機錫カルボキシレート類が包含される。
【0047】(1)有機錫メルカプタイド類としては、
ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル
錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、ジオクチル錫ビ
ス(メルカプトエチル・トール油脂脂肪酸エステル)、
ジオクチル錫ビス(2−メルカプトエチルカプリレー
ト)、ジブチル錫ビス(メルカプトエチル・トール油脂
脂肪酸エステル)、ジメチル錫ビス(メルカプトエチル
ステアレート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオ
グリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシ
ルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(テトラデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(C12-16 混合ア
ルキルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(イソオク
チルチオグリコレート)、ジメチル錫ビス(イソオクチ
ルメルカプトプロピオネート)、ビス(2−メルカプト
カルボニルエチル)錫ビス(イソオクチルチオグリコレ
ート)、ビス(2−ブトキシカルボニルエチル)錫ビス
(ブチルチオグリコレート)等のジ有機錫メルカプタイ
ド及びモノブチル錫トリス(ラウリルメルカプタイ
ド)、モノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカプ
タイド)、モノオクチル錫トリス(2−メルカプトエチ
ルカプリレート)、モノブチル錫トリス(メルカプトエ
チル・トール油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリス
(メルカプトエチル・トール油脂肪酸エステル)、モノ
メチル錫トリス(メルカプトエチルラウレート)、モノ
メチル錫トリス(メルカプトエチルステアレート)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルオレート)、モノ
オクチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)モ
ノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(テトラデシルチオグリ
コレート)、モノオクチル錫トリス(ヘキサデシルチオ
グリコレート)、モノオクチル錫トリス(C12-16 混合
アルキルチオグリコレート)、モノオクチル錫トリス
(オクタデシルチオグリコレート)、モノブチル錫トリ
ス(イソオクチルチオグレコレート)、モノブチル錫ト
リス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノ
メチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)、モ
ノメチル錫トリス(テトラデシルチオグリコレート)、
2−メトキシカルボニルエチル錫トリス(イソオクチル
チオグリコレート)、2−ブトキシカルボニルエチル錫
トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等のモ
ノ有機錫メルカプタイドがあげられる。
【0048】(2)有機錫サルファイド類としては、メ
チルチオスタノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、
オクチルチオスタノイック酸、ジメチル錫サルファイ
ド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイ
ド、ジシクロヘキシル錫サルファイド、モノブチル錫サ
ルファイド・オキサイド、2−メトキシカルボニルエチ
ル錫サルファイド、2−エトキシカルボニル錫サルファ
イド、2−ブトキシカルボニルエチル錫サルファイド、
2−イソプロポキシカルボニルエチル錫サルファイド、
ビス(2−メトキシカルボニルエチル)錫サルファイ
ド、ビス(2−プロポキシカルボニルエチル)錫サルフ
ァイド等があげられる。
【0049】(3)有機錫メルカプタイド・サルファイ
ド類としては、ビス〔モノブチル・ジ(イソオクトキシ
カルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジ
ブチルモノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)
錫〕サルファイド、ビス〔ビス(2−メトキシカルボニ
ルエチル)錫イソオクチルチオグリコレート〕スルフィ
ド、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)
ジサルファイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/ジイ
ソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビス
(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサル
ファイド、ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコレ
ート)トリサルファイド、ビス〔メチル錫ジ(2−メチ
ルカプトエチルカプリレート)サルファイド、ビス〔メ
チル錫ジ(2−メルカプトエチルカプリレート)〕ジサ
ルファイド等があげられる。
【0050】(4)有機錫メルカプトカルボキシレート
類としては、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネー
ト、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジ
ブチル錫メルカプトアセテート、ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)錫チオグリコレート)錫チオグリコレ
ート、ビス(2−メトキシカルボニルエチル)錫メルカ
プトプロピオネート等があげられる。
【0051】(5)有機錫カルボキシレート類として
は、モノ又はジメチル錫、モノ又はジブチル錫、モノ又
はジオクチル錫あるいはモノ又はビス(ブトキシカルボ
ニルエチル)錫のオクトエート、ラウレート、ミリステ
ート、パルミテート、ステレート、イソステアレート等
の脂肪族一価のカルボキシレート類:マレートポリマ
ー、ブチルマレート、ベンジルマレート、オレイルマレ
ート、ステアリルマレート等のマレート類;及びこれら
を混合塩あるいは塩基性塩があげられる。
【0052】可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩
素系可塑剤、テトラヒドロフタール酸系可塑剤、アゼラ
イン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系
可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤な
どがあげられる。
【0053】フタル酸エステル系可塑剤としては、例え
ば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、
ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソ
ノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリ
ルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチ
ルテレフタレート等が挙げられる。アジピン酸エステル
系可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジペート、ジ
イソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ
(ブチルジグリコール)アジペート等が挙げられる。
【0054】燐酸エステル系可塑剤としては、例えば、
トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピ
ルフェニル)フォスフェート、トリエチルフォスフェー
ト、トリブチルフォスフェート、トリオクチルフォスフ
ェート、トリ(ブトキシエチル)フォスフェート、オク
チルジフェニルフォスフェート等が挙げられる。
【0055】ポリエステル系可塑剤としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等
の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、フタール酸、イソフタール
酸、テレフタール酸等の二塩基酸を用い、必要により一
価アルコール、モノカルボン酸をストッパーに使用した
ポリエステルが挙げられる。
【0056】初期着色改良剤としては、例えば、β−ア
ミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、ジ
フェニル尿素、メラミン、ジヒドロピリジン、トリアジ
ン、イソシアヌル酸誘導体などの含窒素化合物などが挙
げられる。
【0057】アルコール類及び/またはその部分エステ
ルとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、ソルビトール、マンニトール、トリメチロール
プロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トールまたはジペンタエリスリトール、またはこれらの
ステアリン酸部分エステル、ビス(ジペンタエリスリト
ール)アジペート、グリセリン、ジグリセリン、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチ
レングリコール類、ステアリルアルコールなどが挙げら
れる。
【0058】酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止
剤・硫黄系酸化防止剤・ホスファイト系酸化防止剤が挙
げられ、上記フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−
ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステア
リル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオ
ジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−
ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
メチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビ
ス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブ
チルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グ
リコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第
三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビ
ス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エ
チリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノ
ール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第
三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第
三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレ
ート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒ
ドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−
トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−
トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、
テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2
−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオ
キシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノー
ル、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第
三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ}〕エチル〕−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレング
リコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられ
る。
【0059】上記硫黄系酸化防止剤としては例えば、チ
オジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステア
リル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタ
エリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピ
オネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプ
ロピオン酸エステル類があげられる。
【0060】上記ホスファイト系酸化防止剤としては、
例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェ
ニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチ
ルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニル
ホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モ
ノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピ
リデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシ
ル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テ
トラ(C12-15 混合アルキル)−4,4’−n−ブチリ
デンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジ
ホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフ
ェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4
−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイ
ト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)(オクチル)ホスファイトなどがあげられる。
【0061】有機ホスファイト化合物は、初期着色改良
剤、熱安定剤としても作用する。本発明において、特に
有効なものとしては、例えば、ジフェニルデシルホスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
デシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホ
スファイト、トリブチルホスファイト、ジラウリルアシ
ッドホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ト
リス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリル
チオホスファイト、トリラウリルホスファイト、ビス
(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサン
ジメチルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイ
ト、テトラデシル−1,1,3−トリス(2’−メチル
−5’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブタ
ンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキ
ル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスフ
ァイト、トリス(4−ヒドロキシ−2,5−ジ第三ブチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニ
ルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4’−イソプ
ロピリデンジフェノールポリフォスファイト、ジフェニ
ル・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブ
チル−5−メチルフェノール)]チオジエタノールジホ
スファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,
4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチ
ルフェノール)]チオジエタノールジホスファイト、ビ
ス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n−ブチリ
デンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]
−1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル
−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエ
リスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホ
スファイト、テトラトリデシル(2−第三ブチル−5−
メチルフェノール)ジホスファイト、トリス(2,4−
ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
【0062】光系安定剤としてはヒンダードアミン系光
安定剤があげられ、例えば2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエー
ト、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4ピペリ
ジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チルー4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシ
レート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチルー
4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・
ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)・ジ(トリデシル)ブタンテトカルボキシレート、
3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカル
ボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2,−{ト
リス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキ
シ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス
〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリ
アジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザド
デカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメ
チル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロ
ロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジア
ミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジ
ブロモエタン縮合物などがあげられる。
【0063】造核剤としては、アルミニウム−p−第三
ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビト−ル、ビ
ス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4
−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム塩、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニ
ル)ホスフェートナトリウム塩などがあげられる。
【0064】エポキシ化合物は、安定剤としてのみなら
ず可塑剤としても使用されるが、このものとしては、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚
油、エポキシ化桐油、エポシ化トール油脂肪酸エステ
ル、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ
化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル
(エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル等)、エポキシ化ス
テアリン酸エステル(エポキシステアリン酸メチル,−
ブチル,−2−エチルヘキシルまたは−ステアリル
等)、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、
3−(2−キセノキシ)−1、2−エポキシプロパン、
エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノール−Aジグリ
シジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイ
ド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エ
ポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキ
サンカルボキシレートなどがあげられる。
【0065】β−ジケトン化合物としては、デヒドロ酢
酸、1,3−シクロへキサジオン、メチレンビス−1,
3−シクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シク
ロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテ
トラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラ
ロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイル
シクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキ
サジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、
ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒド
ロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリ
ベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステ
アロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメ
タン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタ
ン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチ
レン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ビス(メ
チレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾ
イルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メト
キシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステ
アロイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタ
ン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メ
タン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)
メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロ
イル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルア
セトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ス
テアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)メタ
ン、ジビバロイルメタンなどあげられ、これらの金属塩
も同様に有用である。
【0066】また、β−ケト酸エステルとしては、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル
等のアセト酢酸エスチル、プロピオニル酢酸メチル、プ
ロピオニル酢酸エチル等のプロピオニル酢酸エステル、
ベンゾイル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸ブチル等のベン
ゾイル酢酸エステル等を例示することができ、最も好適
なものとしてはアセト酢酸エステルを挙げることができ
る。
【0067】滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
るが、特に脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系が好
ましい。
【0068】
【実施例】以下の実施例における、原料及び生成物の測
定は、以下の方法で行なった。 (1)X線回折 理学電気(株)製ガウガーフレックスRAD−1Bシス
テムを用いて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメータ 検出器 シンチレーションカウンター 電圧 40KV 電流 30mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 1°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1°RS0.15mm SS1° 照射角 6° 特に、本発明の反応生成物であるCSH−1およびZC
SH−1の生成はCa(OH)2 あるいはZnOの回折
ピークの減少乃至消失と3.0〜3.1オングストロー
ムに実質的に単一に検出される回折ピークの生成とによ
り判定した。
【0069】(2)赤外線吸収スペクトル 日本分光製FTIR8000のTGSセンサーを用いて
透過光の吸光光度を測定した。試料はKBr粉末でウエ
ハー成形し、試料を含まないKBrウエハーをリファレ
ンスとし、関係湿度45%の空気雰囲気で測定した。特
に、油脂の反応系における存在は、エステルのカルボニ
ル基の伸縮振動1750〜1717cm-1の吸収の有無
により判定した。また、油脂の加水分解生成物である金
属石鹸の生成は、カルボキシル基の逆対称伸縮振動16
10〜1550cm-1及び対称伸縮振動1420〜13
00cm -1の吸収ピークの検出により判定した。
【0070】(3)示差熱分析及び復水率の測定 セイコー電子工業製SSC−5200TG−DTAシス
テム。標準物質α−A12 3 を用いて、加熱脱水後の
反応生成物の復水性を測定した。まず、試料約20mg
を20℃/分の加熱速度で約190℃に昇温し、30分
保持した後自然放冷し、放冷から25時間後の復水量を
測定した。 加熱による脱水減量(TGの読み;重量%)=A 25時間後のTGの読み(重量%)=B 復水率(%)C=100(A−B)/A 復水量(加熱試料100g当たりの吸水量;g/100g)D=
100AC/(100−A) と定義する。
【0071】(4)液体クロマトグラフィー 島津製作所製高速液体クロマトグラフィー、クロマトパ
ックC−R4Aカラム、Shordex GPC KF
801ソックスレーによる溶媒抽出液を試料とし、示差
屈折計で鹸化生成物を同定した。
【0072】(5)化学分析 JIS R9011の石灰の化学分析法に準拠して行な
った。
【0073】(6)数平均粒子径 明石ビームテクノロジー製 走査電子顕微鏡WET−S
EM(WS−250)を用いて、制限視野像中の粒子径
(μm)を算術平均して平均粒子径を求めた。
【0074】(7)見掛け比重 JISK−6220に準拠して測定した。
【0075】(8)比表面積 島津製作所製ポーラログラフ マイクロメリデイクス
オートポア9220にて測定した。
【0076】(9)吸水率 加熱蒸発乾固した試料をシリカゲルデシケーター中で放
冷後、25℃の飽和塩化カリウム水溶液のデシケータに
入れ、関係湿度85%に48時間保ち、試料の吸水率
〔重量%〕を測定した。
【0077】(10)吸油量 JISK−5101−19に準拠して測定した。
【0078】(11)蛍光X線分析 セイコー電子工業製 SEA2001Lにて生成物中の
金属、Zn,Ca,Siを同定した。
【0079】(カルシウムシリカ複合水酸化物[CSH
−1]の調製)球径10〜20mmのアルミナボールよ
りなる粉砕媒体5Lを充填した容量15Lの磁性ボール
ミル(内径25cm,長さ30cm)に、イオン交換水
2L、平均粒径5.0μmのケイ酸質化合物(非晶質シ
リカ55重量%、結晶性シリカ39重量%、比表面積1
20m2 /g)127.7g、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2 含量99.9%)190gを投入し、室温下
回転数60rpmで60時間ミルを回転し未反応水酸化
カルシウム存在下pH12.5〜13.0のカルシウム
シリカ複合水酸化物の均一スラリーを得た(試料A−
1)。同定はX線回折によった。それを図1に示す。
【0080】(亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物[Z
CSH−1]の調製)球径10〜20mmのアルミナボ
ールよりなる粉砕媒体5Lを充填した容量15Lの磁性
ボールミル(内径25cm,長さ30cm)に、イオン
交換水2L,平均粒径5.0μmのケイ酸質化合物(非
晶質シリカ55重量%、結晶性シリカ39重量%、比表
面積120m2 /g)127.7g、水酸化カルシウム
〔Ca(OH)2 含量99.9%〕190g及び酸化亜
鉛(ZnO含量99.9%)31gを投入し、室温下回
転数60rpmで60時間ミルを回転し、未反応水酸化
カルシウム存在下pH12.5〜13.0の亜鉛カルシ
ウムシリカ複合水酸化物の均一スラリーを得た(試料B
−1)。同定はX線回折によった。それを図1に示す。
【0081】(珪酸鉛[PbSH]の調製)球形10乃
至20mmのアルミナボールよりなる粉砕媒体5Lを充
填した容量15Lの磁性ボールミル(内径25cm,長
さ30cm)に、イオン交換水2L、酸化鉛PbOを5
13.6g、平均粒径5.0μmの珪酸質化合物(非晶
質シリカ85.8%、比表面積180m2)80.4g
を投入し、室温下回転数60rpmで60時間ミルを回
転後、得られたスラリーを5Lビーカーに移し、3時間
加熱攪拌後、白色のスラリーを得た(試料C−1)。得
られた試料の同定はX線回折によった。X線回折スペク
トルを図3に示す。
【0082】(カルシウム鉛シリケートハイドレート
[PbCSH]の調製)球形10乃至20mmのアルミ
ナボールよりなる粉砕媒体5Lを充填した容量15Lの
磁性ボールミル(内径25cm,長さ30cm)に、イ
オン交換水2L、酸化鉛PbOを513.6g、平均粒
径5.0μmの珪酸質化合物(非晶質シリカ85.8
%、比表面積180m2)80.4g及び純度99.9
%の水酸化カルシウム8.5gを投入した以外は上記試
料C−1の調製と同様に行い、カルシウム鉛複合水酸化
物の白色スラリーを得た(試料D−1)。得られた試料
の同定はX線回折によった。X線回折スペクトルを図3
に示す。
【0083】(実施例1)試料B−1のスラリーに、ケ
ン化価173のナタネ油80gを添加して、室温下、6
0rpmで15時間摩砕下に油脂の加水分解反応と、亜
鉛カルシウムシリカ複合酸化物の反応を継続させ、未反
応水酸化カルシウム存在下に油脂のケン化反応を終了さ
せた。ケン化反応の終了判定は赤外線スペクトルの解析
を行なった。更に、平均粒子径5.0μmの活性ケイ酸
粉末51.3gを添加し5時間ミルを回転した後、反応
生成スラリーを取り出し、減圧下で加熱蒸発乾固して4
50gの乾燥物を得た。化学分析及び熱分析より、生成
物は、亜鉛カルシウムシリカ複合水酸化物;354g、
ケン化生成物;96gであった。この油脂鹸化物複合Z
CSH−1(試料H−1)の物性の測定値を表1に示
し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能
を表2及び表3に示し、又TG(%)の経時変化を図2
に示す。
【0084】(実施例2)原料油脂としてケン化価19
4の大豆油80gを用いた以外は、実施例1と同様の反
応操作及び同定法により油脂鹸化物複合ZCSH−1を
得た。かかる油脂鹸化物複合ZCSH−1(試料H−
2)の物性を表1に示し、硬質及び軟質PVC配合に組
み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0085】(実施例3)原料油脂としてケン化価18
5の米糠油80gを用いた以外は、実施例1と同様の反
応操作及び同定により油脂鹸化物複合ZCSH−1を得
た。かかる油脂鹸化物複合ZCSH−1(試料H−3)
の物性を表1に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込
んだ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0086】(実施例4)原料油脂としてケン化価20
3のパーム油80gを用いた以外は、実施例1と同様の
反応操作及び同定により油脂鹸化物複合ZCSH−1を
得た。かかる油脂鹸化物複合ZCSH−1(試料H−
4)の物性を表1に示し、硬質及び軟質PVC配合に組
み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0087】(実施例5)原料油脂としてケン化価19
0の魚油を用いた以外は、実施例1と同様の反応操作及
び同定により油脂鹸化物複合ZCSH−1を得た。かか
る油脂鹸化物複合ZCHS−1(試料H−5)の物性を
表1に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合
の諸性能を表2及び表3に示した。
【0088】(実施例6)原料油脂としてケン化価21
4の牛脂80gを用いた以外は、実施例1と同様の反応
操作及び同定により油脂鹸化物複合ZCSH−1を得
た。かかる油脂鹸化物複合ZCSH−1(試料H−6)
の物性を表1に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込
んだ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0089】(実施例7)油脂原料をケン化価173の
菜種油10gにした以外は、実施例1と同様の原料、操
作にて油脂鹸化物複合ZCSH−1(試料H−7)を得
た。この生成物の物性を表1に物性、硬質及び軟質PV
C配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示し
た。
【0090】(実施例8)油脂原料をケン化価173の
菜種油300g、水酸化カルシウム(純度99.9%)
258.5gを用いた以外は、実施例1と同様の原料、
操作にて油脂鹸化物複合ZCSH−1を得た。この生成
物(試料H−8)は、表1に物性、硬質及び軟質PVC
配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示し
た。
【0091】(実施例9)菜種油(ケン化価150)含
有量40.0重量%、活性白土(SiO2 77.0重量
%)60.0重量%よりなる菜種油脱色処理後の活性白
土即ち、廃白土200g(反応性ケイ酸の含有量は廃白
土中67.5重量%)と水酸化カルシウム(純度99.
9%)176.4g、及びイオン交換水2Lを実施例1
と同様のボールミルに仕込み、60rpmで65時間摩
砕反応を継続し、pH12.6の均一スラリーを得た。
これに、平均粒子径5.0μmの活性ケイ酸粉末73.
5g(水分10%、純度94.6重量%)を添加し、更
に、15時間ボールミルを回転しpH11.8の均一ス
ラリーを得、このスラリーを加熱蒸発乾固し、450.
5gの乾燥物を得た。分析結果より、生成物(試料H−
9)は、活性白土成分含有カシウムシリカ複合水酸化
物;362.4g、ケン化生成物;88.1gで、表1
に物性、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸
性能を表2及び表3に示した。
【0092】(実施例10)牛脂(ケン化価214)含
有量39.4重量%、活性白土(SiO2 74.8重量
%)60.6重量%よりなる牛脂脱色処理後の活性白土
即ち、牛脂精製廃白土200g(反応性ケイ酸の含有量
は廃白土中63.4重量%)と水酸化カルシウム(純度
99.9%)148g、イオン交換水2Lを実施例1と
同様のボールミルに仕込み、60rpmで65時間摩砕
反応を継続し、pH12.8の均一スラリーを得た。こ
のスラリーに平均粒子径5.0μmの活性ケイ酸粉末4
8.0g(水分10%、純度94.6重量%、)を添加
し、更に15時間ボールミルを回転しpH12.1の均
一スラリーを得た。以下実施例9と同様に行なった。分
析結果より、生成物(試料H−10)は、活性白土成分
含有カルシウムシリカ複合水酸化物;297.6g、ケ
ン化生成物;90.2gよりなり、表1に物性、硬質及
び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び
表3に示した。
【0093】(実施例11)アルミノ珪酸塩であるモン
モリロナイトを主成分とする酸性白土(SiO2 70.
3重量%)150g、純度99.9%の水酸化カルシウ
ム166.5g及びケン化価194の大豆油80gをイ
オン交換水2Lと共に実施例1と同様のボールミルに投
入し、60rpmで60時間回転後、平均粒子径5.0
μmの活性ケイ酸粉末69.3g(水分10%)を添加
し、更に15時間ボールミルを回転しpH12.1の均
一スラリーを得、実施例1と同様に行なった。分析結果
より生成物(試料H−11)は、酸性白土成分含有カル
シウムシリカ複合水酸化物;370.0g、ケン化生成
物;90.6gよりなり、表1に物性、硬質及び軟質P
VC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示
した。
【0094】(実施例12)アルミノケイ酸塩である4
Aゼオライトを6Nの塩酸に一昼夜浸漬し、充分に水洗
浄した後、乾燥粉砕し平均粒子径15.0μm、比表面
積280m2 /g、純度94.3%の活性ケイ酸粉末を
得た。この活性ケイ酸粉末127.3gとケン化価20
3のパーム油100gを用いた以外は、実施例1と同様
に行なった。分析結果より生成物(試料H−12)は亜
鉛カルシウムシリカ複合水酸化物;360g、ケン化生
成物;100.3gよりなり、表1に物性、硬質及び軟
質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3
に示した。
【0095】(実施例13)平均粒子径5.0μmの活
性ケイ酸粉末128g(水分10%、SiO2 純度9
6.5%)、純度99.9%の水酸化カルシウム19
3.1g、ケン化価190の魚油10g及び2Lのイオ
ン交換水と実施例1と同様のボールミルに仕込み、回転
数60rpmで60時間摩砕下に反応後、更に72gの
活性ケイ酸粉末を再度ボールミルに仕込み、24時間摩
砕下に反応して過剰アルカリを中和し、カルシウムシリ
カ複合水酸化物;367.1g、ケン化価;10.6g
の複合生成物(試料H−13)を得、その物性を表1
に、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能
を表2及び表3に示した。
【0096】(実施例14)平均粒子径5.0μmの活
性ケイ酸粉末180g(水分10%、SiO2 純度9
6.5%)、純度99.9%の水酸化カルシウム19
3.1g、純度99.0%の酸化亜鉛148.3gケン
化価190の魚油20g及び2Lのイオン交換水とを実
施例1と同様のボールミルに仕込み、回転数60rpm
で60時間摩砕下に反応後、更に20gの活性ケイ酸粉
末を再度ボールミルに仕込み、24時間摩砕下に反応し
て過剰アルカリを中和し、亜鉛カルシウムシリカ複合水
酸化物;593g、ケン化物;23.9gの複合生成物
(試料H−14)を得、その物性を表1に、硬質及び軟
質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3
に示した。
【0097】(実施例15)平均粒子径5.0μmの活
性ケイ酸粉末15.3g(水分10%、SiO2 純度9
6.5%)、純度99.9%の水酸化カルシウム60.
8g及びイオン交換水1.5Lを実施例1と同様のボー
ルミルにいれ、回転数60rpmで摩砕下に20時間回
転した。次いでケン化価173の菜種油200gを添加
し、回転数60rpmで摩砕下に50時間回転し、ケン
化反応を完結し、更に20.1gの活性ケイ酸粉末を再
度ボールミルに仕込み、24時間摩砕下に反応して過剰
アルカリを中和し、カルシウムシリカ複合水酸化物;6
3.2g、ケン化生成物;235.4gの複合生成物
(試料H−15)を得、その物性を表1に、硬質及び軟
質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3
に示した。
【0098】(比較例1)4A型ゼオライト(試料HT
−1)の粉体物性を表1に、硬質及び軟質PVC配合に
組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0099】(比較例2)活性白土(試料HT−2)の
粉体物性を表1に、硬質及び軟質PVC配合に組み込ん
だ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0100】(比較例3)珪酸カルシウムCSH−1
(試料HT−3)の粉体物性を表1に、硬質及び軟質P
VC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表3に示
した。
【0101】(比較例4)4A型ゼオライト400g、
ステアリン酸カルシウム200g、及びグリセリン58
gを川田製作所製10Lスーパーミキサーに仕込み、8
00rpmの回転速度で3分間混合した試料HT−4硬
質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2
及び表3に示した。
【0102】(比較例5)活性白土400g、ステアリ
ン酸カルシウム200g、及びグリセリン58gを川田
製作所製10Lスーパーミキサーに仕込み、800rp
mの回転速度で3分間混合した試料HT−5の硬質及び
軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び表
3に示した。
【0103】(比較例6)珪酸カルシウム(CSH−
1)1600g、ステアリン酸カルシウム300g、及
びグリセリン170gを川田製作所製10Lスーパーミ
キサーに仕込み、800rpmの回転速度で3分間混合
した試料HT−6の硬質及び軟質PVC配合に組み込ん
だ場合の諸性能を表2及び表3に示した。
【0104】(比較例7)珪酸カルシウム(CSH−
1)1600g、ステアリン酸カルシウム300gを川
田製作所製10Lスーパーミキサーに仕込み、800r
pmの回転速度で3分間混合した試料HT−7の硬質及
び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性能を表2及び
表3に示した。
【0105】(実施例16)試料C−1のスラリーにケ
ン化価214の牛脂32gを添加して、室温下、60r
pmで20時間摩砕下に油脂のケン価反応を終了させ、
スラリーを蒸発乾固させ622gの乾燥物を得た。ケン
化反応の終了判定は赤外線スペクトルの解析で行った。
得られた油脂ケン化物複合PbSH(試料H−16)の
物性を表4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込ん
だ場合の諸性能を表5及び表6に示した。
【0106】(実施例17)試料C−1のスラリーにケ
ン化価214の牛脂420g及びPbO179gを添加
して、室温下、60rpmで20時間摩砕後、該スラリ
ーを加熱下に油脂のケン価反応を終了させ、スラリーを
蒸発乾固させ1205gの乾燥物を得た。ケン化反応の
終了判定は赤外線スペクトルの解析で行った。得られた
油脂ケン化物複合PbSH(試料H−17)の物性を表
4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の
諸性能を表5及び表6に示した。
【0107】(実施例18)試料D−1のスラリーにケ
ン化価214の牛脂32gを添加して、室温下、60r
pmで20時間摩砕下に油脂のケン価反応を終了させ、
スラリーを蒸発乾固させ625gの乾燥物を得た。ケン
化反応の終了判定は赤外線スペクトルの解析で行った。
得られた油脂ケン化物複合PbCSH(試料H−18)
の物性を表4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込
んだ場合の諸性能を表5及び表6に示した。
【0108】(比較例8)三塩基性硫酸鉛(水澤化学
製、スタビネックスTc、試料HT−8)の粉体物性を
表4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合
の諸性能を表5及び表6に示した。
【0109】(比較例9)ステアリン酸鉛(水澤化学
製、スタビネックスNC18、試料HT−9)の粉体物
性を表4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ
場合の諸性能を表5及び表6に示した。
【0110】(比較例10)二塩基性ステアリン酸鉛
(水澤化学製、スタビネックスC18、試料HT−1
0)の粉体物性を表4に示し、硬質及び軟質PVC配合
に組み込んだ場合の諸性能を表5及び表6に示した。
【0111】(比較例11)二塩基性亜りん酸鉛(水澤
化学製、スタビネックスD、試料HT−11)の粉体物
性を表4に示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ
場合の諸性能を表5及び表6に示した。
【0112】(比較例12)ケイ酸鉛(水澤化学製、ス
タビネックスS、試料HT−12)の粉体物性を表4に
示し、硬質及び軟質PVC配合に組み込んだ場合の諸性
能を表5及び表6に示した。
【0113】(実施例19〜26、比較例13〜16)
表7に示した所定量(単位:PHR)の塩化ビニル系樹
脂(平均重合度1050)、油脂ケン化物複合珪酸塩A
(実施例10、試料H−10)、油脂ケン化物複合珪酸
塩B(実施例2、試料H−2)、ステアリン酸亜鉛(水
澤化学製、スタビネックスNT−Z1)、ジペンタエリ
スリトール(広栄化学製、ジペンタエリスリトール30
0)、ジベンゾイルメタン(ローヌプーラン社製、ロー
デアスタブ83)、ジフェニルトリデシルフォスファイ
ト(ボルグワーナー社製、XR1518)、ポリエチレ
ンワックス(三井石油化学社製、Hiwax220MP)、ハイド
ロタルサイト(協和化学製、DHT−4A)、ゼオライ
ト4A(水澤化学製、ミズカライザーDS)をヘンシェ
ルミキサーに供給して均一混合し、塩化ビニル樹脂組成
物を得た。得られた塩化ビニル樹脂組成物を後述の硬質
ポリ塩化ビニル成形法により成形し、後述の硬質ポリ塩
化ビニル評価法で評価し、その結果を表7に示した。
【0114】(硬質ポリ塩化ビニルによる評価)以下の
配合、成形などの手法により硬質塩化ビニルシートを作
製し、評価試験をした。上記各例の試料について、得ら
れた結果を下記表に示す。 (配合1;実施例1〜15、比較例1〜7の試料に適用) 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100重量部 ステアリン酸亜鉛 0.5重量部 ジペンタエリスリトールアジピン酸エステル 0.5重量部 ジベンゾイルメタン 0.05重量部 ポリエチレンワックス 0.1重量部 試料 2.0重量部 (配合2;実施例16〜18、比較例8〜12の試料に適用) 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100重量部 ステアリン酸 0.3重量部 ポリエチレンワックス 0.2重量部 2,2−ビス(4’−オキシフェニル)プロパン 0.1重量部 試料 2.0重量部
【0115】(成形方法)上記配合の組成物を温度17
0℃、6分間ロールミル混練を行い、厚さ0.4mmの
均一な混和物を作製し、次いで温度180℃、圧力15
0kg/cm2 、5分間加圧加熱し、厚さ1mmの硬質
塩化ビニル板を作製した。
【0116】(試験方法) (1)熱安定持続時間 厚さ0.4mmの試料板を190℃に調整したギヤ式熱
老化試験機に吊るし入れ、10分毎に取りだしてその着
色度を目視判定し、焦げ茶色に分散するまでの時間を測
定した。 (2)発泡性 厚さ2.5mmの試料板をステンレス板上に置き、19
0℃に調整したギヤ式熱老化試験機中で30分間加熱
後、発泡による試料板表面の凹凸を目視判定した。 (3)透明性 日本電色工業製1001DP色差計を用い、厚さ0.5
mmの試料シートの白色光透過率を測定した。 (4)シャルビー衝撃試験 硬質プラスチックのシャルビー衝撃試験方法 JISK
7111により行なった。 (5)分散性 厚さ0.2mmの試料板を光学顕微鏡の試料台に置き、
試料透過光を垂直に見た、倍率60倍の顕微鏡視野内の
シート中に分散している試料粒子の粒度分布を目視判定
する。 (6)ゲル化特性 東洋精機製ラボプラストミルModel;30R150を使用し、1
80℃、40rpm、樹脂量60g、試料2.4gを投
入して各試料のゲル化特性を測定した。 (7)プレートアウト性 東洋精機製ラボプラストミルModel;30R150を使用し、1
80℃、40rpm、樹脂量60g、試料2.4gを投
入して各試料のゲル化終了時のプレートアウト性を目視
判定した。評価は以下の基準で行った。 ◎:プレートアウトなし ○:プレートアウト有り ●:プレートアウト大
【0117】(軟質ポリ塩化ビニルによる評価)以下の
配合、成形などの手法により軟質塩化ビニルシートを作
製し、評価試験を行なった。上記各例の試料について、
得られた結果を下記表に示す。 (配合3;実施例1〜15、比較例1〜7の試料に適用) 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 ステアリン酸亜鉛 0.5重量部 ジペンタエリスリトール 0.25重量部 ビスフェノールA 0.1重量部 ジベンゾイルメタン 0.05重量部 試料 2.5重量部 (配合4;実施例16〜18、比較例8〜12の試料に適用) 塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 ポリエチレンワックス 0.2重量部 2,2−ビス(4’−オキシフェニル)プロパン 0.1重量部 試料 2.0重量部
【0118】(成形方法)上記配合の組成物を温度15
0℃、6分間ロールミル混練を行い、厚さ0.4mmの
均一な混和物を作製し、次いで温度175℃、圧力15
0kg/cm2 、5分間加圧加熱し、厚さ1mmの軟質
塩化ビニルシートを作製した。
【0119】(試験方法) (1)熱安定持続時間 厚さ0.4mmの試料板をテフロン板上に置き、185
℃に調整したギヤ式熱老化試験機に入れ、15分毎に取
り出してその着色度を目視判定し、黒色に分解するまで
の時間を測定した。 (2)熱安定性 JISK6723に準拠し、試料シートを1mm×1m
mに裁断し、コンゴーレッド紙を装着した試験管に試料
チップ2gを充填、180℃に加熱し、塩化ビニルの熱
分解による塩化水素脱離時間を測定した。 (3)電気絶縁性 JISK6723に準拠し、試料シートの30℃におけ
る体積固有抵抗値を測定した。 (4)透明性 日本電色工業製1001DP色差計を用い、厚さ1.0
mmの試料シートの白色光透過率を測定した。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【発明の効果】本発明の製法によれば、PVC熱安定化
効果のある油脂鹸化物とケイ酸質化合物と周期律表第II
族金属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物、
水酸化物及び反応性塩から成る群より選ばれる少なくと
も一種とが、競争反応的に水系の摩砕条件下で反応し、
目的の安定剤を生成させることができる。また、塩基性
の水系摩砕条件下では、油脂と水との接触頻度が向上
し、通常の撹拌系より油脂の加水分解速度が向上する。
更に、本発明工程によれば、廃白土や粗製油脂を用いる
ことが出来、油脂から直接的に分子量及び不飽和度の多
様な金属石鹸を安価に製造しPVC安定剤に供すること
が出来るという利点がある。また、油脂の鹸化生成物と
してのグリセリンや低分子量の金属石鹸はそれ自体は粘
稠液体であるが、高比表面積のカルシウムシリケート・
ハイドレート等を主体とするケイ酸質化合物粒子に化学
的、物理的に吸着される結果、安定な固体粉末と同様の
形態になり、同時にPVCの発泡原因になるカルシウム
シリケート・ハイドレート等の吸湿複水性をも改善す
る。本発明の安定剤は、透明性、自発滑性、非発泡性、
高耐熱性のPVC用無毒性安定剤としてもすぐれてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1に、カルシウムシリカ複合水酸化物(CS
H−1:試料A−1),亜鉛カルシウムシリカ複合水酸
化物(ZCSH−1:試料B−1)及び比較として水酸
化カルシウムのX線回折スペクトルを示す。
【図2】本発明の実施例1の油脂ケン化複合ケイ酸塩か
らなる安定剤の加熱復水曲線(曲線2)、試料B−1粉
末の加熱復水曲線(曲線1)及び加熱温度の変化(曲線
3)を示す。
【図3】ケイ酸鉛(PbSH;試料C−1)、カルシウ
ム鉛シリケートハイドレート(PbCSH;試料D−
1)及び比較として酸化鉛PbOのX線回折スペクトル
を示す。
【図4】各試料の赤外線吸収スペクトルを示す。 スペクトル1:実施例1の生成物スラリーの風乾物 スペクトル2:加熱直後の実施例1の生成物 スペクトル3:実施例1の乾固生成物、加熱後、室温7
5%関係湿度下、7日経過した実施例1の生成物
【図5】各試料の赤外線吸収スペクトルを示す。 スペクトル1:油脂類を使用しない以外は実施例1と同
様にして得られた複合ケイ酸塩のスラリーの風乾物 スペクトル2:同風乾物を加熱冷却した直後のもの
【図6】各試料の赤外線吸収スペクトルを示す。 スペクトル1:実施例1と同様の操作による試料B−1
とステアリン酸カルシウム(スラリー風乾物の約20重
量%を添加)の混合物の均一スラリーの風乾粉末 スペクトル2:同スラリーの加熱乾燥直後の粉末 スペクトル3:同粉末の室温75%関係湿度下、7日経
過物 スペクトル4:ステアリン酸カルシウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 宏 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 若木 誠治 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 太田 覚 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 傑 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸、ケイ酸塩及びアルミノケイ酸塩
    及びそれらの酸処理物から成る群より選択され且つ反応
    性ケイ酸を含有するケイ酸質化合物と、油脂類とを含有
    する組成物と、油脂類のケン化に要するKOHの当量と
    反応性ケイ酸中和量との合計量以上の周期律表第II族金
    属、第IV族金属及び/または第V族金属の酸化物、水酸
    化物及び反応性塩から成る群より選ばれる少なくとも一
    種とを水の存在下に混合、反応させ、反応性ケイ酸を周
    期律表第II族金属、第IV族金属及び/または第V族金属
    のケイ酸塩に転化させると共に該油脂類のケン化生成物
    をケイ酸質化合物に担持させることを特徴とする油脂ケ
    ン化物複合ケイ酸塩からなる塩素含有重合体用安定剤の
    製法。
  2. 【請求項2】 前記ケイ酸質化合物が10重量%以上の
    反応性ケイ酸を含有するものである請求項1記載の製
    法。
  3. 【請求項3】 前記ケイ酸質化合物が10m2 /g以上
    の範囲の比表面積を有するものである請求項1記載の製
    法。
  4. 【請求項4】 前記組成物が2成分基準で2乃至99重
    量%のケイ酸質化合物と、1乃至98重量%の油脂類と
    を含有する組成物である請求項1記載の製法。
  5. 【請求項5】 前記組成物が油脂精製工程で排出される
    廃白土である請求項1記載の製法。
  6. 【請求項6】 第II族金属が、アルカリ土類金属及び/
    または亜鉛である請求項1記載の製法。
  7. 【請求項7】 アルカリ土類金属がカルシウムである請
    求項6記載の製法。
  8. 【請求項8】 第IV族金属が、鉛である請求項1記載の
    製法。
  9. 【請求項9】 第II族金属、第IV族金属及び/または第
    V族金属の酸化物、水酸化物及び反応性塩から成る群よ
    り選ばれる少なくとも一種を、油脂類のケン化に要する
    KOHの当量の1.01乃至2000重量倍の量で用い
    る請求項1記載の製法。
  10. 【請求項10】 前記組成物が亜鉛の酸化物、水酸化物
    及び反応性塩から成る群より選ばれる少なくとも一種を
    ケイ酸質化合物当り0.1乃至60重量%で含有する組
    成物である請求項1記載の製法。
  11. 【請求項11】 前記湿式混合が摩砕混合である請求項
    1記載の製法。
  12. 【請求項12】 非晶質或いは低結晶性のケイ酸の周期
    律表第II族金属塩、第IV族金属塩及び/または第V族金
    属塩を主体とするケイ酸質化合物粒子と、該ケイ酸質化
    合物の細孔或いは表面に保持された高級脂肪酸の第II族
    金属塩、第IV族金属塩及び/または第V族金属塩とグリ
    セリン及び/又はグリセリン誘導体を含有する組成物の
    疎水性粒子から成ることを特徴とする油脂ケン化物複合
    ケイ酸塩からなる塩素含有重合体用安定剤。
  13. 【請求項13】 三成分基準でケイ酸質化合物を1乃至
    99重量%、高級脂肪酸の周期律表第II族金属塩、第IV
    族金属塩及び/または第V族金属塩を0.4乃至97重
    量%、グリセリン及び/又はその誘導体をグリセリン分
    として0.02乃至60重量%含有する請求項12記載
    の塩素含有重合体用安定剤。
  14. 【請求項14】 前記第II族金属塩がアルカリ土類金属
    塩及び/または亜鉛塩である請求項12又は13記載の
    塩素含有重合体用安定剤。
  15. 【請求項15】 前記第IV族金属塩が鉛塩である請求項
    12又は13記載の塩素含有重合体用安定剤。
  16. 【請求項16】 前記アルカリ土類金属塩がカルシウム
    塩である請求項14記載の塩素含有重合体用安定剤。
  17. 【請求項17】 前記安定剤が大気圧乃至減圧下に50
    ℃乃至300℃で加熱処理されたものである請求項12
    記載の塩素含有重合体用安定剤。
  18. 【請求項18】 塩素含有重合体100重量部当たり、
    (A)油脂ケン化物複合ケイ酸塩を0.1乃至50重量
    部、(B)亜鉛の酸化物、水酸化物及び反応性塩を0.
    1乃至50重量部、(C)アルコール類及び/またはそ
    の部分エステルを0.1乃至25重量部及び(D)β−
    ジケトン乃至β−ケト酸エステル化合物及び/または亜
    燐酸エステル化合物を0.05乃至5重量部を含有して
    成ることを特徴とする塩素含有重合体組成物。
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