JPH0826749A - 光学素子の搬送部材からの離型方法およびその搬送 部材 - Google Patents

光学素子の搬送部材からの離型方法およびその搬送 部材

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JPH0826749A
JPH0826749A JP17746694A JP17746694A JPH0826749A JP H0826749 A JPH0826749 A JP H0826749A JP 17746694 A JP17746694 A JP 17746694A JP 17746694 A JP17746694 A JP 17746694A JP H0826749 A JPH0826749 A JP H0826749A
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JP
Japan
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optical element
conveying member
molding
releasing
glass material
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JP17746694A
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Hideya Kitagawa
英哉 北川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送部材から光学素子を破損することなく離
型する。 【構成】 成形光学素子10を載置した搬送部材4を、
搬送部材台8の段部19で保持する。次に、搬送部材4
の上端に押圧部材9を押し付け、搬送部材4を半径方向
に拡げる。これにより、成形光学素子10の外周面27
と搬送部材4の嵌合面17の間隔が拡がり、嵌合面17
の付着物層24と外周面27との噛み合いによる抵抗を
緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学ガラス素材を搬送
部材に載置し、成形可能な粘度まで加熱軟化処理した
後、この加熱軟化処理された光学ガラス素材を上下の成
形型間に搬送し搬送部材に載置したまま押圧して光学素
子を成形する方法にあって、成形された光学素子を搬送
部材から離型する方法および搬送部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学素子の成形にあたって、光学
ガラス素材を加熱軟化し、上下一対の成形型間に搬送し
て押圧する方法が用いられている。図14は、上記光学
素子成形方法に一般的に用いられる成形装置を概略的に
示す断面図で、被成形体である光学ガラス素材41を載
置した搬送部材42を搬送アーム43上に載置し、駆動
装置(図示省略)を介して搬送アーム43を横軸方向に
進退操作させることにより、光学ガラス素材41を加熱
炉44内および成形室45内に搬出可能となっている。
成形室45内には、上下一対の成形型46,47が備え
ている。上下一対の成形型46,47は相対的に接近・
離反すべく一方または両方が昇降可能に設けられ、その
先端に形成した光学面形状を光学ガラス素材41に転写
するのに十分な加圧が可能となっている。そして、光学
素子を成形する際には、搬送部材42に光学ガラス素材
41を載置して搬送アーム43により加熱炉44内に搬
送し、光学ガラス素材41を成形可能な粘度にまで加熱
軟化処理する。その後、加熱軟化処理した光学ガラス素
材41を搬送アーム43により成形室45内の成形ポイ
ントまで搬送し、上下一対の成形型46,47を相対的
に接近させて搬送部材42により光学ガラス素材41の
外周面を規制しつつ光学ガラス素材41を上下から押圧
して光学素子を成形する。そして、冷却させた成形後の
光学素子を下方から押して搬送部材42から離型し取り
出す。
【0003】しかしながら、上記離型の際に、光学素子
が搬送部材42にかじる場合がある等、成形後の光学素
子を搬送部材42から良好な状態で確実に離型できない
不具合が生じるため、従来、特開平5−97457号公
報に記載された光学素子の離型方法および装置が提案さ
れている。
【0004】図15は、上記離型装置を示す斜視図で、
成形後の光学素子50が嵌合した搬送部材51を載置す
る搬送部材台52と、搬送部材台52に載置した搬送部
材51を上方から搬送部材台52に押し付けて固定する
蓋53が搬送部材51の上面に対して接離自在に設けら
れている。搬送部材台52は中空状に形成されており、
この中空部を介して蓋53の反対側より搬送部材51内
の成形光学素子50に接離自在な中空状の突き上げ軸5
4が設けられている。突き上げ軸54の上端には、成形
光学素子50に傷を付けないように軟質性の中空状突き
上げパット55が設けられている。また、突き上げ軸5
4には流体導管56を介して流体供給装置(図示省略)
が接続され、流体供給装置から自在に流体が供給される
ようになっている。
【0005】上記構成の装置による離型は以下のように
行われている。まず、成形光学素子50の嵌合した搬送
部材51を搬送部材台52に載置し、上方から蓋53に
よって押し付け、搬送部材51を搬送部材台52に固定
する。次に、流体供給装置から流体導管56を介して突
き上げ軸54に流体を供給し、突き上げ軸54、突き上
げパット55および搬送部材台52の各中空部を介して
搬送部材51内の成形光学素子50に流体圧を作用さ
せ、この流体圧により成形光学素子50を上方に押圧し
て搬送部材51との嵌合から離脱している。この離脱の
際、成形光学素子50は流体の等分布圧力で全体が均等
に押圧され、成形光学素子50は傾いてかじり等を起こ
すことなく離型される。そして、その後、蓋43を上動
するとともに突き上げ軸54を上昇させて、成形光学素
子50を搬送部材51内から取り出すようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては以下のような問題点があった。即ち、
図16に示すように、搬送部材51内面における光学素
子50外周面との接触面(嵌合面)およびその付近で
は、成形による焼き付き防止のため搬送部材51の耐熱
・耐摩耗性向上をを目的とした表面処理57を施すこと
が困難なことから、加熱・成形・冷却が繰り返されるこ
とによる析出物質の付着が見られる。この析出物質から
なる付着物層58は強固である上、平滑に付着せずに微
小な凹凸を形成する。このため、押圧成形により光学ガ
ラス素材は半径方向に膨張し、光学ガラス素材の外周面
は強固な付着物層58の凹凸形状に沿って成形される。
この結果、成形光学素子50と搬送部材51とは嵌合面
で複雑に噛み合った状態となり、この噛み合いが軸方向
の離型力に対する抵抗となる。よって上記従来技術で
は、その抵抗に妨げられ嵌合面でのかじり等により離型
が成立しない場合が発生し、抵抗力よりも大きな力で押
圧した場合には成形光学素子50を破損してしまう問題
点がある。また、搬送部材51の連続使用による離型性
能の低下を解消するため、付着物層58の除去作業が頻
繁に必要となる問題点がある。更に、上記従来技術で
は、押圧のための流体供給装置を必要とし、嵌合・摺動
部の精度も要求されるため、離型工程の装置全体が複雑
なものとなる問題点がある。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであって、請求項1の発明は、搬送部材内
面における付着物の有無にかかわらず、成形光学素子を
搬送部材から確実かつ破損させることなく離型すること
ができる方法を提供することを目的とする。
【0008】請求項2および請求項3の発明は、搬送部
材に対して離型に有効な弾性変形を生じさせることがで
きる光学素子の搬送部材からの離型方法を提供すること
を目的とする。
【0009】請求項4の発明は、離型に有効な弾性変形
を生じやすい搬送部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、光学ガラス素材を搬送部材に載
置し、成形可能な粘度まで加熱軟化処理した後、この加
熱軟化処理された光学ガラス素材を上下の成形型間に搬
送して押圧成形する光学素子成形方法における光学素子
の搬送部材からの離型方法において、光学素子を押圧成
形した後、搬送部材に外力を加えて搬送部材を弾性変形
させ光学素子を搬送部材から離型するように構成した。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において外力
を搬送部材の軸方向に加えるように構成した。
【0012】請求項3の発明は、請求項1において外力
を搬送部材の軸方向および半径方向へ同時に加えるよう
に構成した。
【0013】請求項4の発明は、加熱軟化処理した光学
ガラス素材を上下の成形型で押圧して光学素子を成形す
る際に光学ガラス素材および光学素子を載置する光学素
子の搬送部材において、半径方向へ変形可能な軸方向に
屈曲断面を有する段付中空筒形状に形成して構成した。
【0014】
【作用】請求項1の作用は、成形後の光学素子の嵌合し
た搬送部材に所定の方向から外力を加えることにより、
搬送部材の内径を拡大しかつ光学素子を搬送部材から押
し出す方向の変形を生じさせることである。
【0015】請求項2および3の作用は、搬送部材を軸
方向に圧縮あるいは軸方向および半径方向成分を含む方
向に加圧し、搬送部材の内径の拡大および光学素子を搬
送部材から押し出す方向の変形を生じさせることであ
る。
【0016】請求項4の作用は、段付中空円筒状の搬送
部材の大径側に光学素子を保持させることにより、搬送
部材に対し軸方向の圧縮または半径方向の拡大に作用す
る外力を、内径の拡大および光学素子を搬送部材から押
し出す方向の変形に変換することである。
【0017】
【実施例1】図1は本発明の実施例1の離型方法の実施
例に用いる装置を示す断面図、図2は搬送部材を示す半
截断面図である。図1において1は成形室で、その内部
には光学面形状を有する成形面2a,3aを対向させて
上型2と下型3が同軸上に配置されている。上型2と下
型3は接近・離反可能に設けられており、例えば上型2
と下型3の両型が移動自在あるいは一方の型が移動自在
となっている。成形室1の対向する壁面には、光学ガラ
ス素材を載置した搬送部材4の搬入口5と排出口6が設
けられている。搬入口5を形成した成形室1の外側には
加熱炉7が設けられており、排出口6を形成した成形室
1の外側近傍には本実施例の離型を行うため搬送部材台
8と押圧部材9が同軸上で上下に対向配置されている。
また、装置には図示を省略した搬送アームが備えられて
おり、光学ガラス素材を載置した搬送部材4を載置して
加熱炉7内と成形室1内および成形光学素子10を載置
した搬送部材4を搬送部材台8と押圧部材9との間に搬
送可能となっている。
【0018】搬送部材4は、その材質がタングステン合
金からなっており、上方から力を加えた際に外方向に拡
大する弾性変形を生じ得るようになっている。なお、タ
ングステン合金以外に、その他の高温工具材料またはス
テンレス鋼等の非脆性の耐熱・耐食材料を用いることが
できる。搬送部材4は、図2に示すように、その上端面
11と下端面12が平行で円筒部中間に段部13を有す
るリング状に形成され、段部13の上部が大径部14お
よび段部13の下部が小径部15となっており、その寸
法の一例として図中に示してある。大径部14は光学ガ
ラス素材を収容し得る大きさに形成されており、段部1
3の上面を載置面16とし、この載置面16に光学ガラ
ス素材の外縁部を載置して大径部14内に保持し得るよ
うになっている。また、大径部14の内周面は成形光学
素子10の外周面との嵌合面17となっている。小径部
15の内径は下型3を挿通可能な大きさに形成されてい
る。そして、搬送部材4には、耐熱・耐摩耗性の向上を
目的としたセラミック質、例えば窒化チタニウム、炭化
チタニウムのPVD膜の表面被覆層18が形成されてい
るが、成形光学素子との嵌合面17には、成形の際に成
形光学素子との焼付きを防止するため未処理で表面被覆
層18が設けられていない。
【0019】搬送部材台8は、その上面に搬送部材4の
小径部15内径に挿入脱可能な段部19が形成されてお
り、小径部15内径と段部19を嵌合させて搬送部材4
の水平方向の拘束が可能な状態で、搬送部材台8上に搬
送部材4を載置し得るようになっている。押圧部材9
は、成形光学素子10の外形より大きく搬送部材4の上
端面11の外形より小さい内径を有する円筒部分21が
設けられ、円筒部分21の下端は搬送部材台8上面と平
行な平面とした押圧面22に形成されている。そして、
押圧部材9はその昇降により押圧面22が搬送部材4の
上面11に接離可能となっている。
【0020】次に、上記構成の装置を用いた本実施例の
離型方法を、光学ガラス素材の加熱軟化処理、押圧成形
およびその作用とともに図1、図3〜図7を用いて説明
する。
【0021】まず、図3に示すように、常温において光
学ガラス素材23を搬送部材4内の載置面16上に挿入
・載置し、光学ガラス素材23が成形可能な温度となる
まで、加熱炉7中において加熱軟化処理する。搬送部材
4の嵌合面17においては未処理のため、析出物質が付
着物層24を不規則な凹凸形状に形成している。ここで
光学ガラス素材23の外周面25と嵌合面17とは、光
学ガラス素材23の挿入・離脱に十分な隙間26を有す
る。
【0022】続いて、加熱処理後の搬送部材4および光
学ガラス素材23は搬送アーム(図示省略)により成形
室1内に搬送され、図4に示すように昇降可能な上型2
と下型3により光学ガラス素材23は押圧成形される。
この成形により、上下両型2,3の成形面2a,3aの
光学面形状が光学ガラス素材23に転写され、成形光学
素子10を形成するとともに、流動性のある光学ガラス
素材23は半径方向に膨張するため、成形光学素子10
の外周面27は、嵌合面17における析出物質の強固な
付着物層24の凹凸形状に沿って成形される。
【0023】成形光学素子10を上下両型2,3より離
型し冷却後、図5に示すように、成形光学素子10を保
持する搬送部材4を搬送部材台8上に搬送し、段部19
と搬送部材4の小径部15とを嵌合して水平方向を拘束
するよう載置する。
【0024】この時の搬送部材4および成形光学素子1
0は常温付近まで冷却されており、図6に拡大して示す
ように、その嵌合面17付近では両者の熱膨張率の差に
より微小なクリアランス28が形成されている。しか
し、前述の通り成形光学素子10の外周面27は付着物
層24の凹凸に沿って成形されており、この外周面27
と付着物層24との噛み合いが離型を妨げる軸方向の抵
抗となっている。
【0025】ここで押圧部材9を下降させ、搬送部材4
の上端面11に対し軸方向の圧縮力1000Nを負荷す
る。この結果搬送部材4は、図7に拡大して示すように
上部が外方向に拡大する弾性変形を生じる。その特徴と
して、まず嵌合面17は26〜40μmの内径の拡大が
見られ、同時に載置面16が傾斜し、段部角29は嵌合
面17に対し相対的に14μm程度上昇する。この弾性
変形により、付着物層24と成形光学素子10の外周面
27との噛み合いによる抵抗は緩和されると同時に、段
部角29が成形光学素子10の全周を均等に押し上げる
力が発生し、残る付着物層24による抵抗はこの押上力
で破壊される。この時点で成形光学素子10は搬送部材
4から離脱自在な状態となり、押圧部材9の円筒部21
を通して成形光学素子10を上方に取り出すことにより
離型は完了する。
【0026】本実施例の離型方法および搬送部材4によ
れば、搬送部材4に生じる弾性変形が付着物層24によ
る離型への抵抗を緩和すると同時に成形光学素子10を
押し出すように作用するため、付着物層24と成形光学
素子外周面27との噛み合いによる抵抗に妨げられるこ
となく離型が行われる。よって付着物層24の有無にか
かわらず成形光学素子10は確実に搬送部材4から離型
され、無理な押圧による成形光学素子10の破損が防止
できる。また、離型動作は押圧部材9を押し付けて搬送
部材4に対して軸方向に圧縮するのみであるため、その
機構は極めて簡単である。よって、信頼性の高い自動化
が可能な上、離型に必要な装置の規模を抑えることがで
きる。更に、搬送部材4の長期連続使用から生じる付着
物層24の成長による離型性能の低下が起こりにくいこ
とから、付着物層24の除去作業の頻度を大幅に低減す
ることができる。
【0027】
【実施例2】図8は、本発明の実施例2の離型方法の実
施に用いる装置を示す断面図である。上記装置は、搬送
部材台31と押圧部材32のみが異なり、他の構成は実
施例1に用いた装置と同様であるため、同一部材には同
一番号を付してその説明を省略する。
【0028】搬送部材台31は、その上面に搬送部材4
の下端面12の外径部が挿入脱可能な凹状の段部33が
形成され、搬送部材4の水平方向の拘束が可能なように
構成されている。また、押圧部材32は、その下面に搬
送部材4の上端面11の外径部が挿入脱可能な凹状の段
部34が形成され、搬送部材4を半径方向に拘束可能な
ように構成されている。
【0029】上記構成の装置を用いた本実施例の離型方
法は、離型時における搬送部材4の保持・加圧方法およ
び搬送部材4に生じる変形の形態が実施例1と異なるも
のであり、以下、図3、図4および図8〜図10を用い
てその作用とともに説明する。
【0030】まず、実施例1と同様に、光学ガラス素材
23を搬送部材4内に挿入・載置し、加熱炉7内で加熱
軟化処理した後、成形室1内に搬送して上型2と下型3
で押圧成形を行う。そして、成形光学素子10を上型
2、下型3から離型し、冷却した後、図9に示すように
搬送部材4を搬送部材台31上に搬送し、水平方向を拘
束するように段部33と搬送部材4の下端面12外径部
を嵌合させて載置する。この時も実施例1と同様に、図
6に示すように嵌合面17付近において、成形光学素子
外周面27と搬送部材4の付着物層24との噛み合いが
離型を妨げる抵抗を生じさせている。
【0031】ここで押圧部材32を下降させ、搬送部材
4の上端面11に対し軸方向の圧縮力1000Nを負荷
する。この結果搬送部材4は、図10に示すような傾向
の弾性変形を生じる。その特徴として、本実施例では搬
送部材4は上端面11の外径部が段部33により半径方
向に固定されているため、まず嵌合面17の内径は6〜
12μm拡大する。同時に載置面16が傾斜し、段部角
29は嵌合面17に対し相対的に18μm程度上昇す
る。この弾性変形により、実施例1と同様に成形光学素
子10は搬送部材4から離脱自在な状態となり、これを
上方に取り出すことにより離型は完了する。
【0032】本実施例の離型方法によれば、実施例1に
比べ端部角29の嵌合面17に対する相対的上昇量が4
μm程度大きいことから、成形光学素子10への押し出
し力を強力に作用させることができる。よって、付着物
層24と成形光学素子10とが強固に噛み合い、固着あ
るいは融着している場合においても、確実に成形光学素
子10を搬送部材4から離型することができる。
【0033】
【実施例3】図11は、本発明の実施例3の離型方法の
実施に用いる装置を示す断面図である。上記装置に配備
した搬送部材台35は、その上面に搬送部材4の小径部
15内径に挿入脱可能な段部36が形成されており、小
径部15内径と段部36を嵌合させて搬送部材4の水平
方向の拘束が可能になっている。また、押圧部材37
は、下端方向に傾斜した4つの押圧面38を等間隔に分
割配置して構成され、押圧面38で搬送部材4の大径部
14内径を半径方向斜め下45°の向きに押圧し得るよ
うに移動可能に設けられている。その他の構成は実施例
1,2に用いた装置と同様であるため、同一部分には同
一番号を付してその説明を省略する。
【0034】上記構成の装置を用いた本実施例の離型方
法は、離型時における搬送部材4の加圧方法および搬送
部材4に生じる変形の形態が実施例1と異なるものであ
り、以下、図3、図4および図11〜図13を用いてそ
の作用とともに説明する。
【0035】まず、実施例1と同様、光学ガラス素材2
3を搬送部材4内に挿入・載置し、加熱炉7内で加熱軟
化処理した後、成形室1内に搬送して上型2と下型3で
押圧成形を行う。そして、成形光学素子10を上型2、
下型3から離型し、冷却した後、図12に示すように搬
送部材4を搬送部材台35上に搬送し、水平方向を拘束
するように段部36と搬送部材4の下端面12外径部を
嵌合させて載置する。この時も実施例1と同様に、嵌合
面17付近において、成形光学素子外周面27と搬送部
材4の付着物層24との噛み合いが離型を妨げる抵抗を
生じさせている。
【0036】ここで押圧部材37の押圧面38をそれぞ
れ半径斜め下45°の方向へ移動させることにより、搬
送部材4の内径上部の1箇所に対しそれぞれ上記45°
の方向に200Nの力を4箇所において負荷する。この
結果、搬送部材4は、図13に拡大して示すような傾向
の弾性変形を生じる。その特徴として、まず嵌合面17
の内径は16〜52μm拡大する。同時に載置面16が
傾斜し、段部角29は嵌合面17に対し相対的に8μm
程度上昇する。この弾性変形により、実施例1と同様に
成形光学素子10は搬送部材4から離脱自在な状態とな
り、成形光学素子10を上方に取り出すことにより離型
は完了する。
【0037】本実施例の離型方法によれば、搬送部材4
に生じる弾性変形による嵌合面17まの内径拡大量が、
実施例1に比べ12μm程度大きいため、付着物層24
による離型への抵抗を十分に緩和することができる。よ
って、付着物層24が複雑な凹凸形状に、あるいは長期
の連続使用により厚く形成されることにより、搬送部材
4と成形光学素子10とが深く噛み合う場合において
も、確実に成形光学素子10を搬送部材4から離型する
ことができる。
【0038】なお、本発明は、搬送部材内面における付
着物の有無にかかわらず、成形光学素子を搬送部材から
確実かつ破損させることなく離型することを目的とし
て、以下のように構成することができる。
【0039】光学ガラス素材を搬送部材に載置し、成形
可能な粘度まで加熱軟化処理した後、この加熱軟化処理
された光学ガラス素材を上下の成形型間に搬送して押圧
成形する光学素子成形方法における光学素子の搬送部材
からの離型方法において、光学素子を押圧成形した後、
搬送部材に外力を加えて搬送部材を弾性変形させ光学素
子を搬送部材から離型する搬送部材の下端を搬送部材台
で保持するとともに、搬送部材の上端を前記搬送部材台
の方向に押圧し、搬送部材を弾性変形させ光学素子を搬
送部材から離型するようにしてもよい。
【0040】上記構成によれば、搬送部材は半径方向に
拡張され、搬送部材から光学素子の離型が容易になる。
【0041】
【発明の効果】請求項1および4の発明によれば、搬送
部材内面における析出物質の付着物層の有無によらず、
成形光学素子を搬送部材より確実に離型させることがで
き、無理な押圧による成形光学素子の破損も防止でき
る。請求項2の発明によれば、付着物層と成形光学素子
とが固着あるいは融着して強固に噛み合う場合において
も、確実に成形光学素子を搬送部材から離型することが
できる。また、離型工程に必要な機構を最も簡略なもの
とできるため、信頼性の高い自動化が可能な上、離型に
必要な装置の規模を抑えることができる。請求項3の発
明によれば、長期の連続使用により付着物層が厚く複雑
な凹凸に形成され、光学素子と深く噛み合う場合におい
ても、確実に成形光学素子は搬送部材から離型されるた
め、連続使用に伴う搬送部材の離型性能の低下を抑制
し、付着物の除去作業の頻度を大幅に削減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の離型方法の実施に使用する
装置を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例の搬送部材を示す半截断面図
である。
【図3】本発明の各実施例において搬送部材および光学
ガラス素材の常温時での成形前状態を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の各実施例において光学素子の押圧成形
中の状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1において成形光学素子の搬送
部材からの離型工程における離型前状態を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の実施例1において成形光学素子の搬送
部材からの離型前の嵌合部付近を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1において成形光学素子を搬送
部材から離型中の状態を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の実施例2の離型方法の実施に使用する
装置を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例2において成形光学素子の搬送
部材からの離型工程における離型前状態を示す断面図で
ある。
【図10】本発明の実施例2において成形光学素子を搬
送部材から離型中の状態を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の実施例3の離型方法の実施に使用す
る装置を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例3において成形光学素子の搬
送部材からの離型工程における離型前状態を示す断面図
である。
【図13】本発明の実施例3において成形光学素子を搬
送部材から離型中の状態を示す拡大断面図である。
【図14】一般に光学ガラス素材を加熱軟化し上下一対
の成形型により押圧成形する装置の構成を示す断面図で
ある。
【図15】従来技術を示す斜視図である。
【図16】従来技術の欠点を示す搬送部材および成形光
学素子の断面図である。
【符号の説明】
2 上型 3 下型 4 搬送部材 8,31,35 搬送部材台 9,32,37 押圧部材 38 押圧面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス素材を搬送部材に載置し、成
    形可能な粘度まで加熱軟化処理した後、この加熱軟化処
    理された光学ガラス素材を上下の成形型間に搬送して押
    圧成形する光学素子成形方法における光学素子の搬送部
    材からの離型方法において、光学素子を押圧成形した
    後、搬送部材に外力を加えて搬送部材を弾性変形させ光
    学素子を搬送部材から離型することを特徴とする光学素
    子の搬送部材からの離型方法。
  2. 【請求項2】 前記外力は、搬送部材の軸方向に加える
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子の搬送部材か
    らの離型方法。
  3. 【請求項3】 前記外力は、搬送部材の軸方向および半
    径方向へ同時に加えることを特徴とする請求項1記載の
    光学素子の搬送部材からの離型方法。
  4. 【請求項4】 加熱軟化処理した光学ガラス素材を上下
    の成形型で押圧して光学素子を成形する際に光学ガラス
    素材および光学素子を載置する光学素子の搬送部材にお
    いて、半径方向へ変形可能とする軸方向に屈曲断面を有
    する段付中空筒形状に形成したことを特徴とする光学素
    子の搬送部材。
JP17746694A 1994-07-06 1994-07-06 光学素子の搬送部材からの離型方法およびその搬送 部材 Withdrawn JPH0826749A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009120450A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Olympus Corp 光学素子の製造装置
WO2019097866A1 (ja) * 2017-11-16 2019-05-23 オリンパス株式会社 成形型
CN109898284A (zh) * 2017-12-11 2019-06-18 青岛海尔洗衣机有限公司 一种洗涤剂投放装置及具有该投放装置的洗衣机

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