JPH08266211A - パン用品質改良剤、その製法およびパンの製造法 - Google Patents

パン用品質改良剤、その製法およびパンの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪酸エ
ステルを含み、さらにレシチンを5〜20重量%および
粒径30μm以下の蛋白質粉末を3〜20重量%含有し
てなるパン用品質改良剤。また前記成分の混合物を加熱
処理するパン用品質改良剤の製法。さらに小麦粉100
重量部に対してパン用品質改良剤0.5〜10重量部を
添加することを特徴とするパンの製造法。 【効果】 風味や食感を低下させることなく、老化が防
止されたパン製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食用油脂中にグリセリ
ン脂肪酸エステル、レシチンおよび粒径30μm以下の
蛋白質粉末を含有するパン用品質改良剤およびそれを用
いたパンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パンの保存中の硬化いわゆる老化
を防止する方法として、パン生地への添加水量を増加さ
せる方法や乳化剤を添加する方法等が知られている。し
かし、添加水量を増加させると生地がべたつきパン製造
時の作業性が低下し、また、乳化剤を添加するとパンの
食感や風味の低下が生じるという欠点がある。そこで、
これらを改善するため、添加水量を増加させても生地
がべたつかないように油中水型乳化油脂組成物として添
加するもの(特開昭61−15640号公報)、特定
結晶構造の乳化剤を添加するもの(特開平6−2176
92号公報)、特定のガム質と乳化剤とを添加する方
法(特公平6−85675号公報)等が提案されてい
る。
【0003】しかしながら前記およびの方法では、
パン生地にいわば乳化油脂組成物を添加することになる
ので、乳化油脂組成物そのものの形態を維持するため
に、パンの老化防止および食感改良に作用する以上の多
量の乳化剤を必要とし、このためパンの風味を悪化させ
る。また、の方法ではガム質由来の風味とその食感の
ためパン本来の風味や食感が損なわれる。
【0004】一方、油脂を介して蛋白質をパン生地に添
加する方法も提案されている(例えば特開平3−229
40号公報、特公平1−13328号公報)。このうち
前者は活性グルテンのパン生地中への分散性を向上させ
ることによって、活性グルテンの機能をより発揮させよ
うとするものであるが、この方法は活性グルテンを該生
地中に単に均一分散させるものであるため、本質的に活
性グルテン単独の機能を超えるものとはならないし、パ
ンの老化防止や食感改良といった点では不十分である。
また、後者はパン生地中に大豆蛋白質を大量に添加する
際に生じる悪影響(大豆臭の存在、パン容積の低下等)
を緩和させるための手段であり、この発明もパンの老化
防止や食感改良といった点での積極的な改良とはならな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、パンの食感や風味を低下させることなく、老化を防
止するパン用品質改良剤を提供し、併せて食感や風味が
良好で老化が防止されたパンの製造法を開発することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪
酸エステル、レシチンおよび粒径30μm以下に微細化
処理または分級処理された蛋白質粉末を含有してなる特
定のパン用品質改良剤をパン生地中に所定量添加するこ
とによって、前記課題が解決され得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の要旨の第1は、食用油脂
中に少なくともグリセリン脂肪酸エステルを含み、さら
にレシチンを5〜20重量%および粒径30μm以下の
蛋白質粉末を3〜20重量%含有してなることを特徴と
するパン用品質改良剤にあり、要旨の第2は、食用油脂
と少なくともグリセリン脂肪酸エステル、レシチンおよ
び粒径30μm以下の蛋白質粉末との混合物を60〜1
50℃に加熱処理することを特徴とするパン用品質改良
剤の製法にあり、また要旨の第3は、かかるパン用品質
改良剤を小麦粉100重量部に対して0.5〜10重量
部添加することを特徴とするパンの製造法にある。
【0008】まず、本発明のパン用品質改良剤について
以下に説明する。本発明のパン用品質改良剤で用いられ
る食用油脂とは大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、パ
ーム油、パーム核油、椰子油、牛脂、豚脂、魚油等のこ
とである。また、これらの水素添加処理物、エステル交
換処理物、分別処理物のいずれも用いることができる。
またグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリン脂肪酸
モノエステル、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、
ポリグリセリン脂肪酸モノエステル等を指す。ここに脂
肪酸はステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の
長鎖飽和脂肪酸の単独または混合のものが好ましく、有
機酸はコハク酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ
酸、クエン酸、酢酸、乳酸等が好ましい。
【0009】レシチンとは大豆、菜種等の油糧種子から
得られるリン脂質や、卵黄から得られるリン脂質等を指
す。かかるレシチンとして、実際的には中性油分を含有
するペースト状レシチンが使用でき、またこれを出発原
料として溶剤分別、カラム精製処理を単独または組み合
わせて行い、さらにリン脂質の純度を高めた粉末状レシ
チンや顆粒状レシチンおよび高純度リン脂質(例えば高
純度のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノー
ルアミン、ホスファチジルイノシトール等)を用いるこ
とができる。さらにまた、上記の各種レシチンまたはリ
ン脂質をホスホリパーゼA2 やD等の酵素により選択的
に加水分解した酵素分解レシチン(リゾレシチンやホス
ファチジン酸)を用いることが可能である。これらのう
ち、本発明では粉末状レシチン、顆粒状レシチン、ペー
スト状レシチンが好ましい。
【0010】蛋白質粉末はグルテン、大豆蛋白、乳蛋白
またはこれらの加水分解物である。グルテンは一般的に
製パンに用いられる小麦活性グルテンが好ましい。大豆
蛋白は全脂大豆粉、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白粉、分離
大豆蛋白粉等が使用でき、またアルコール処理、熱処理
等を施したものでもさしつかえない。乳蛋白はカゼイン
またはそのナトリウム塩、ホエー蛋白等が使用できる。
これらの蛋白質の加水分解物は蛋白分解酵素、酸および
アルカリの1種以上を用いた処理によって得ることがで
き、それらのいずれも使用可能である。
【0011】かかる蛋白質粉末は、本発明では、粒径が
30μm以下に微細化されたものであることを必須とす
る。この粒径が30μmを超えると本発明の所望の効果
を得にくくなる。蛋白質を30μm以下に微細化処理す
る方法は、乾式粉砕もしくは、非水系分散媒を用いた湿
式粉砕が可能である。用いられる粉砕機としては、ハン
マーミル、ロールミル、ボールミル、マッキンタイヤー
などがある。もしくは、蛋白質の粗粉砕物の30μm以
下の分級品を用いることができる。
【0012】本発明のパン用品質改良剤は、前記した原
材料を用い、食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪酸
エステルを含み、さらにレシチンを5〜20重量%およ
び粒径が30μm以下に微細化処理もしくは分級処理さ
れた蛋白質粉末を3〜20重量%含有してなることを特
徴とする。さらに好ましくは、本発明のパン用品質改良
剤は、食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪酸エステ
ルを3〜15重量%、レシチンを5〜16重量%、およ
び粒径が30μm以下に微細化処理もしくは分級処理さ
れた蛋白質粉末を3〜15重量%含有してなるものであ
る。本発明のパン用品質改良剤において、レシチンが5
重量%未満であるとパンの老化防止や食感改良の点で十
分な効果を得にくくなり、20重量%超過ではレシチン
特有の風味が強くなりすぎて好ましくない。また蛋白質
粉末が3重量%未満では乳化剤に由来するパンの食感の
低下が大きくなり、20重量%超過ではパンが硬すぎて
好ましくない。
【0013】なお、本発明のパン用品質改良剤には必要
に応じて酵素類、糖類、酸類、塩類等を含有させること
ができる。酵素類にはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパ
ーゼ、ホスホリパーゼ、グルコースオキシダーゼ、ホス
ファターゼ、リポキシゲナーゼ等が使用できる。糖類に
はグルコース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類
やマルトース、シュークロース、ラクトース等の二糖
類、オリゴ糖類、ガム質や澱粉等の多糖類等が使用でき
る。酸類にはクエン酸、アスコルビン酸、乳酸、コハク
酸、グルコン酸等が使用できる。塩類には上記酸類のア
ルカリ金属中和塩類、食塩等が使用できる。
【0014】次に、本発明のパン用品質改良剤の製造法
について述べる。食用油脂中にグリセリン脂肪酸エステ
ルとレシチンと30μm以下の粒径に微細化処理もしく
は分級処理した蛋白質粉末とを加え、この混合物を望ま
しくは60〜150℃、より好ましくは80〜120℃
に加熱して一定時間(好ましくは10〜60分間)攪拌
を行う。60℃未満では添加した成分が分散しづらく、
150℃超過では褐変や着色が激しくなる。加熱処理さ
れた液を攪拌しながら60℃未満に冷却して、本発明の
パン用品質改良剤を得る。このとき、食用油脂は予め6
0〜150℃に加熱していてもよく、また食用油脂中に
本発明の特定三成分以外の添加物を加えるタイミングは
その趣旨を逸脱しない限りにおいて加熱前でもよい。例
えば酵素類は加熱処理して冷却した後に添加するのがよ
い。また蛋白質の微細化処理時に食用油脂やグリセリン
脂肪酸エステル、レシチンを共存させておくことも可能
である。
【0015】粒径30μm以下に微細化処理または分級
処理された蛋白質粉末を、グリセリン脂肪酸エステルお
よびレシチンを含む食用油脂中に添加し、これを加熱処
理することによって、蛋白質とグリセリン脂肪酸エステ
ルとレシチンとの非水系媒体(食用油脂)中での複合体
化が促進される。この複合体の機能によって、パンの食
感や風味を低下させずに老化を効果的に防止できる。ま
たこの複合体の作用により、複合体化に関与しなかった
添加成分のパン生地中への分散性が向上するため、本発
明では少量のグリセリン脂肪酸エステルおよびレシチン
の添加でも前記効果が十分に発揮される。
【0016】次に、本発明においてパンを製造するに
は、小麦粉、イースト、イーストフード、食塩、砂糖、
水、ショートニング、マーガリン等の公知の製パン用原
材料とともに、前記のパン用品質改良剤を、小麦粉10
0重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜
6重量部用い、例えば公知の中種法によればよい。すな
わち本発明の品質改良剤を添加した中種生地を調製、醗
酵後、本捏材料とともにミキシングして本捏生地を調製
し、所定のフロアータイムの後に分割、さらに所定のベ
ンチタイムの後に成形、醗酵(ホイロ)、焼成する。な
お本発明のパン用品質改良剤は、本捏材料の一部として
配合してもさしつかえない。
【0017】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1〜10 表1に示した原材料の配合でパン用品質改良剤を調製し
た。すなわち、実施例1〜5では、予め80〜100℃
に加熱した菜種サラダ油に所定量のグリセリン脂肪酸エ
ステル、レシチンおよび蛋白質粉末(ただしグルテン分
解物、活性グルテン、大豆蛋白または乳蛋白は、ロール
ミルを用いて粉砕し、篩で粒径が30μm以下のものを
分け、微細化蛋白質粉末としたもの。)を添加し、30
分間攪拌して分散後、室温(25℃)に冷却して本発明
のパン用品質改良剤を得た。また実施例6〜10では、
未加熱の菜種サラダ油に前記三成分を添加し、100〜
150℃に加熱して同様に攪拌後、冷却した。
【0018】
【表1】
【0019】 注 1) 理研ビタミン(株)製、エマルジーMS 2) 日清製油(株)製、レシチンDX 3) (株)片山化学工業研究所製、グルパール19 4) 長田産業(株)製、フメリットA 5) 日清製油(株)製、ソルピーNY 6) 日本プロテン(株)製、TMP1100
【0020】次に、表2に示した配合により、70%中
種法でプルマン型食パンを製造した。中種配合材料を縦
型ミキサーにより低速2分、中速2分でミキシングし、
捏上温度24℃の中種生地を調製した。この生地を27
℃、相対湿度75%の条件下で4時間醗酵させた(生地
終点温度29.5℃)のち、本捏配合材料(ショートニ
ングを除く)と共に低速2分、中速4分のミキシングを
行い、ショートニングを添加し、さらに低速2分、中速
4分、高速1分のミキシングを行い、捏上温度27℃の
本捏生地を調製した。なおパン用品質改良剤は、実施例
1〜9のものは中種配合材料として、また実施例10の
ものは本捏配合材料として添加した。次に、フロアータ
イムを20分とったのち、220gに分割し、丸めを行
なった。次にベンチタイムを20分とり、モルダーで成
形したのち、3斤のプルマン型に220gの生地を6個
ずつ入れ、38℃、相対湿度85%で45分醗酵(ホイ
ロ)させた。次に、型に蓋をして200℃で45分焼成
を行った。
【0021】
【表2】
【0022】焼成後室温で90分放冷した後、ビニール
袋で密封し冷蔵庫で72時間保存した。その後、20℃
に戻して厚さ2cmにスライスし、スライスしたパンの中
心部の硬さと凝集性の測定を、レオメーター(不動工業
(株)製)を用いて行った。5スライスの平均値をもっ
てそのパンの硬さと凝集性値とした。硬さの値は小さい
ほど柔らかく、凝集性値は大きいほど口溶けが良くなる
傾向にある。また官能試験として風味、食感、内相のき
めを比較した。評価は5段階評価で、5:最良、4:良
好、3:普通、2:やや劣る、1:劣る、とした。この
結果を表3にまとめて示す。後述する比較例と比べて、
本発明のパン用品質改良剤を添加したパン(実施例1〜
10)では、いずれも風味と食感に優れ、きめが良好で
あり、適度な硬さと口溶け性を有し、老化が防止されて
いることが明らかになった。
【0023】なお、パンの硬さおよび凝集性は次のよう
に測定した。すなわちスライスしたパン試験片(クラム
部分、縦5cm×横5cm×厚さ2cm)の表面にアタッチメ
ント(5cm×5cm)を接触させ、厚さが1cmになるまで
圧縮速度:30cm/分で圧縮し、ついで同速度で圧縮状
態を解き、アタッチメントを試験片表面から完全に離し
た。この操作を2回繰り返した。パンの硬さは、1回目
の圧縮操作で試験片の厚さが1cmになったときの応力で
示し、またパンの凝集性は、1回目および2回目の圧縮
操作によって得られる軌跡のデータ(図1参照)から求
めた面積比率(S1 :1回目圧縮操作のデータから求め
られる面積、S2 :2回目圧縮操作のデータから求めら
れる面積とするとき、S2 /S1 の値)で示した。
【0024】
【表3】
【0025】比較例1〜9 表4に示した原材料の配合でパン用品質改良剤を調製し
た。すなわち実施例1〜10と同じ原材料を用い、比較
例1〜5では、予め80〜100℃に加熱した菜種サラ
ダ油に所定量のグリセリン脂肪酸エステル、レシチンお
よび蛋白質粉末(ただし比較例9のみ、グルテン分解物
が微細化処理しない粒径:平均値として100μm以上
のものを使用。)を添加し、30分間攪拌して分散後、
室温まで冷却した。また比較例6および7では、未加熱
の菜種サラダ油に前記三成分を添加し、100〜150
℃に加熱して同様に攪拌後、冷却した。比較例8および
9では、加熱処理することなく同様に処理した。
【0026】
【表4】 注 1) 〜 4) :表1の 1) 〜 4) と同じ。
【0027】次に、比較例1〜7および9の場合には、
表2の実施例1のときと同様の配合(小麦粉100重量
部に対してパン用品質改良剤2重量部を中種配合材料と
して添加。)により、同例と同じ70%中種法でプルマ
ン型食パンを製造した。また比較例8の場合には、グル
テン分解物を添加しないパン用品質改良剤を調製し、こ
れ(小麦粉100重量部に対して1.8重量部)とグル
テン分解物(小麦粉100重量部に対して0.2重量
部)とを別々に中種配合材料に添加し、実施例1と同じ
70%中種法でプルマン型食パンを製造した。ついで同
例と同様に各食パンを試験評価した(表5参照)。この
結果から、比較例1〜9で調製したパン用品質改良剤を
添加して製造したパンは、いずれも風味および食感が低
下し、肉相のきめがやや粗く、硬さに対する満足度は小
さかった。また口溶け性もやや劣るものであった。
【0028】
【表5】表5 パンの評価結果
【0029】
【発明の効果】本発明のパン用品質改良剤は、優れたパ
ン製品の老化防止効果と食感低下防止効果とを有してい
ることが示された。また、このパン用品質改良剤を添加
して調製したパン製品は、風味および食感に優れ、ソフ
トで、老化が防止された好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】パン試験片の表面をレオメーターのアタッチメ
ントで圧縮し、該圧縮を解く操作を2回繰り返したとき
の軌跡を表わすモデル図である。横軸は時間、縦軸は応
力を示す。
【符号の説明】
1 :図1において、1回目の圧縮および解圧縮操作に
よって得られる軌跡で囲まれる面積。 S2 :図1において、2回目の圧縮および解圧縮操作に
よって得られる軌跡で囲まれる面積。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪
    酸エステルを含み、さらにレシチンを5〜20重量%お
    よび粒径30μm以下の蛋白質粉末を3〜20重量%含
    有してなることを特徴とするパン用品質改良剤。
  2. 【請求項2】 食用油脂中に少なくともグリセリン脂肪
    酸エステルを3〜15重量%、レシチンを5〜16重量
    %、粒径30μm以下の蛋白質粉末を3〜15重量%含
    有してなることを特徴とするパン用品質改良剤。
  3. 【請求項3】 蛋白質粉末がグルテン、大豆蛋白、乳蛋
    白およびこれらの加水分解物から選ばれる1種もしくは
    2種以上である請求項1または2に記載のパン用品質改
    良剤。
  4. 【請求項4】 食用油脂と、少なくともグリセリン脂肪
    酸エステル、レシチンおよび粒径30μm以下の蛋白質
    粉末との混合物を60〜150℃に加熱処理することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパン用
    品質改良剤の製法。
  5. 【請求項5】 小麦粉100重量部に対して請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のパン用品質改良剤を0.5〜
    10重量部添加することを特徴とするパンの製造法。
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