JPH049506B2 - - Google Patents

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JPH049506B2
JPH049506B2 JP57135858A JP13585882A JPH049506B2 JP H049506 B2 JPH049506 B2 JP H049506B2 JP 57135858 A JP57135858 A JP 57135858A JP 13585882 A JP13585882 A JP 13585882A JP H049506 B2 JPH049506 B2 JP H049506B2
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acid
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【発明の詳細な説明】
本発明は乳化油脂組成物に関するものである。 製菓、製パン等種々の食品に使用されている油
脂は、液状及び結晶状の油脂が均一に混りあつた
可塑性を有する固形脂であるのが良いとされ、古
くからバターやラードが使用されてきた。近年に
なり、この分野の研究が進み、可塑性を有する油
脂中の結晶状の油脂量を簡便に測定する方法が案
出され、現在では固体脂指数(Solid Fat
Index)として通常使用されている。製菓製パン
用練込み油脂においても固体脂指数で油脂を表現
するようになり、その固体脂指数は作業温度(通
常20〜30℃)において15〜25(パン科学会誌、55
年6月号)であるのが最も良好であることが明ら
かになつてきた。ところがバター、ラードの固体
脂指数は、通常、20℃ではバターで12〜14、ラー
ドで14〜16、30℃ではバターで4〜6、ラードで
4〜6であり、20℃では使用可能であるが、30℃
では特に製菓製パン用練込み油脂としては好まし
くないことがわかつてきた。そこで通常の作業温
度において良好に使用できる練込み油脂としてマ
ーガリン、シヨートニング等の可塑性を有する加
工油脂が使われるようになつてきた。 上記、可塑性を有するマーガリン、シヨートニ
ング等を使用するとバター、ラードに比べ、作業
性は向上したが、製品の品質、例えば体積、キ
メ、クラフトの厚さ等に於いて十分満足のいく物
が得られていない。又、製品の老化防止性におい
ても、全く満足の行く物は得られていない。特
に、製品中に固形物、例えば小豆、乾ぶどう等の
ドライフルーツ、フルーツピール、チーズ等が含
まれると製品の老化が速く、かつ品質の老化が著
しくなり、特に製菓、製パン業界に於いては、い
まだ解決されてい問題として残つているのが現状
である。 本発明は、上記問題、とくに製品中に固形物が
含まれた時の製品の老化防止と品質の改良を目的
として鋭意研究した結果、有機酸モノグリセリド
を水相部に含有した乳化油脂組成物が、この目的
に叶うことを見出し、本発明を完成するに至つ
た。 即ち、本発明は有機酸モノグリセリドを水相部
に含有することを特徴とする乳化油脂組成物を提
供するものである。 本発明の乳化油脂組成物は製菓、製パン用油脂
として使用されるほか、クリーム用、調理用、ス
プレツド用等にも使用し得る。 本発明の乳化油脂組成物は、有機酸モノグリセ
リドを予め水相部に溶解若しくは分散させてお
き、次いで油脂を主体とする油相部と混合乳化さ
せて製造される有機酸モノグリセリドを水相部に
含有する水中油型若しくは油中水型乳化油脂組成
物である。有機酸モノグリセリドを予め油相部に
溶解させたものは水−油界面に凝集しパン生地と
混練して後製パンしても本発明の如き効果は奏さ
ない。また、有機酸モノグリセリドを粉末状のま
ま他成分と混合しても成分中の分散が均一でなく
充分な効果は得られない。 本発明において使用する有機酸モノグリセリド
は、次の一般式()で表わされる物質である。 (式中、RCO−は炭素数12〜24の脂肪酸残基を、
また、A−は有機酸残基を表わす。) 一般式(1)の脂肪酸残基RCO−としてはラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、ベヘン酸等に由来する脂肪酸残
基が例示され、就中、飽和脂肪酸に由来する脂肪
酸残基が例示され、就中、飽和脂肪酸に由来する
脂肪酸残基が好適である。脂肪酸残基は単一でも
良いが2種以上の混合でもよい。 一般式()の有機酸残基Aは次の有機酸から
由来する残基の総称である。すなわち、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸で構成される脂
肪族モノカルボン酸、シユウ酸、コハク酸等の脂
肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族不飽和ジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、
酒石酸、ジアセチル酸石酸、クエン酸等のオキシ
酸、及びグリシン、アスパラギン酸等のアミノ酸
が例示される。本発明の目的には上記有機酸であ
れば、いずれの有機酸モノグリセリドでも有効で
あるが、特に酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、
酒石酸、ジアセチル酒石酸が好ましい。 本発明の乳化油脂組成物中における有機酸モノ
グリセリドの配合量は、全組成物中0.3重量%
(以下、%と略記する)以上であれば良く、通常
30%以下で使用されるが好ましくは1.0〜10.0%
あれば好適である。 本発明で用いられる油脂としては食用油脂であ
れば特に制限は付されず、大豆油、ナタネ油、パ
ーム油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油
等々の植物油脂類、牛脂、豚脂、魚油、鯨油、乳
脂等の動物油脂類のいずれも使用することがで
き、またこれらを水添処理したもの及びエステル
交換したものも使用することができる。 本発明の乳化油脂組成物の乳化型は水中油型、
油中水型のいずれでも良く、固形物を含有する製
品の老化防止及び品質改良効果において両者の間
には顕著な差は認められない。しかし、水中油型
の場合は、水分飛散、微生物汚染を受け易い等水
中油型乳化系の一般的性状から由来する欠点を有
する為に油中水型乳化油脂組成物として使用する
のが良い。 本発明の乳化油脂組成物を製造する方法は特に
何等制限されず、単に予め有機酸モノグリセリド
を水相に水和若しくは分散させ必要に応じて加熱
し、次いで、必要に応じて加熱溶解した油相と混
合撹拌し粗乳物を作り、次いで常法により急冷・
練り合わせ等を実施することにより達成される。
尚、急冷・練り合わせをする際に不活性ガスを混
入する事も可能である。 乳化油脂組成物を製造するに際し油相と水相と
の比率(重量比)は40:60〜90:10とするのが適
当である。 本発明の油脂組成物中には上記必須成分の他
に、必要要に応じてシヨ糖高級脂肪酸エステル、
グリセリン高級脂肪酸モノエステル、プロピレン
グリコール高級脂肪酸モノエステル、ソルビタン
高級脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン高級脂肪酸エステル、レシチン等の乳化
剤を併用しても良い。 また必要があれば本発明油脂組成物中には、嗜
好、栄養、乳化油脂の乳化安定性を高めるため
に、乳製品、植物性クリーム、香料、着色料、調
味料、甘味料、糖類、食塩、乳化安定用糊料等の
物質を添加しても良い。 以下に実施例、比較例、試験例をもつて本発明
をより詳細に説明するが本発明はこの実施例に限
定されるものではない。 実施例 1 魚硬化油(融点35℃)50%、ラード30%、大豆
白絞油20%からなる混合油77.4Kgにグリセリン高
級脂肪酸モノエステル(脂肪酸はパルミチン酸及
びステアリン酸が主体)0.5Kg、大豆レシチン0.1
Kgを加え、加熱溶解して油相とした。次に水17Kg
にコハク酸モノグリセリド(脂肪酸はパルミチン
酸及びステアリン酸が主体)5Kgを加え、加熱撹
拌によりコハク酸モノグリセリドを分散させ、水
相とした。油相を撹拌しながら、水相を徐々に加
えて乳化混合後、急冷、練合せをして油脂組成物
を得た。 実施例 2 実施例1で使用した混合油77.4Kgにグリセリン
高級脂肪酸モノエステル0.5Kg、大豆レシチン0.1
Kgを加え、加熱溶解して油相とした。次に水17Kg
にコハ酸モノグリセリドモノナトリウム塩3Kg、
ジアセチル酒石酸モノグリセリドモノナトリウム
塩2Kgを加え、加熱撹拌により2種の有機酸モノ
グリセリドを分散させ水相とした。油相を撹拌し
ながら、水相を徐々に加えて、乳化混合後、急
冷、練合せをして油脂組成物を得た。 比較例 1 実施例1で使用した混合油95Kgに実施例1に使
用したコハク酸モノグリセリド5Kgを加え、加
熱、撹拌、溶解後、急冷、練合せをして、コハク
酸モノグリセリドのシヨートニングへの溶解物を
得た。 比較例 2 コハク酸モノグリセリドを機械的に粉砕し、
100メツシユパスの微粉末を得た。 試験例 1 油脂組成物の評価試験をレーズンブレツドにつ
いて行なつた。レーズンブレツドの配合及び工程
条件は、雁瀬大二郎著「パン実技」(沼田書店発
行)の203頁に従つた。即ち、先ず、小麦粉(強
力)70部(重量基準、以下同じ)、小麦粉(薄力)
30部、砂糖8部、食塩1.5部、脱脂粉乳3部、全
卵8部、バニラエツセンス0.3部、ラム酒1部、
イースト4部、イーストフード0.1部、水52部を
ボールに入れ、ミキサーで低速3分間、高速3分
間ミキシング後、油脂組組成物又はコハク酸モノ
グリセリド(実施例1、2或いは比較例1の油脂
組成物10部、又は比較例2の粉末コハク酸モノグ
リセリド0.5部と通常のシヨートニング9.5部との
混合物)を加え低速で2分間、ミキシング後、レ
ーズン80部を加え、低速で1分間、高速で30秒間
ミキシングを行なつた後(〓上温度27℃)醗酵を
1時間45分間行なう。なお、醗酵終了後の生地温
度は28℃となるようにする。次に生地を分割し、
ベンチタイムを室温で17分間とつた後成型し、焙
炉湿度85%で焙炉時間50分間をとる。そして、焼
成温度195℃で30分間焼成し、レーズンブレツド
を製造した。この方法で製造したレーズンブレツ
ドにつき、体積をなたね置換法で測定した。結果
は第1図に示した。第1図より実施例1及び2の
油脂組成物を使用したレーズンブレツドは、比較
例1のシヨートニングにコハク酸モノグリセリド
を溶解した油脂、及び比較例2の粉末コハク酸モ
ノグリセリドと通常のシヨートニングとの混合物
を用いて製造したレーズンブレツドよりも明らか
に体積が大きいことがわかる。また、レーズンブ
レツドの品質評価(キメ、クラフトの厚さ、外
観、香り、味等)をパン製造技術者5名により、
5段階評価で官能評価を行なつた結果、第1表の
如き結果が得られた。
【表】
【表】 次に、エーズンブレツドの老化防止評価につい
ては、コンプレツシメーターによるレーズンブレ
ツドのかたさの測定と、レーズンブレツドを直接
手で触れて前記5名により、かたさの官能評価を
行なつた。なお、老化防止評価は焼成したパンを
20℃に2日間放置したものについて行なつた。そ
の結果は第2表に示した。
【表】
【表】 第2表より明らかな如く、実施例1及び2の油
脂組成物を使用したレーズンブレツドは比較例2
及び3に比べコンプレツシメーター値は明らかに
小さく、やわらかい事がわかる。また、レーズン
ブレツドのかたさの官能評価でも比較例2及び3
に比べ明らかにやわらかいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験例1で製造した4種のレーズンブ
レツドの体積を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の一般式() (式中、RCO−は炭素数12〜24の脂肪酸残基を、
    A−は有機酸残基を表わす) で表わされる有機酸モノグリセリドを予め水相部
    に溶解若しくは分散させておき、次いで油脂を主
    体とする油相部と混合乳化させて製造された、水
    相部に有機酸モノグリセリドを含有することを特
    徴とする乳化油脂組成物。
JP57135858A 1982-08-04 1982-08-04 乳化油脂組成物 Granted JPS5925644A (ja)

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