JPH11332452A - 製パン用油脂組成物及びそれを用いた製パン用冷凍生地 - Google Patents

製パン用油脂組成物及びそれを用いた製パン用冷凍生地

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JPH11332452A
JPH11332452A JP14911798A JP14911798A JPH11332452A JP H11332452 A JPH11332452 A JP H11332452A JP 14911798 A JP14911798 A JP 14911798A JP 14911798 A JP14911798 A JP 14911798A JP H11332452 A JPH11332452 A JP H11332452A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パン生地の冷凍・解凍耐性を向上させるととも
に、食感、外観及び耐老化性に優れ、商品価値の高い製
パン用冷凍生地を製造しうる製パン用油脂組成物、及び
この油脂組成物を用いた製パン用冷凍生地を提供する。 【解決手段】(A)食用油脂、及び(B)酵素活性量比
10:0.1ないし10:2のグルコースオキシダーゼ
とプロテアーゼとの組合せを含有する製パン用油脂組成
物、並びにこの油脂組成物を用いてなる製パン用冷凍生
地である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製パン用油脂組成
物及びそれを用いた製パン用冷凍生地に関し、さらに詳
しくは、パン生地の冷凍・解凍耐性を向上させるととも
に、食感、外観及び耐老化性に優れ、商品価値の高い製
パン用冷凍生地を製造しうる製パン用油脂組成物、及び
この油脂組成物を用いた上記特性を有する製パン用冷凍
生地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パンは、イーストの発酵を利用した食品
であり、かつ焼成された製品の寿命が3〜4日程度と短
いことを特徴とする食品である。このため、製造に時間
がかかる、多品種少量生産などの生産調整が難しい、あ
るいは、見込み生産量と販売量とのギャップを埋めるこ
とが難しい(相当量の廃棄が出る)など、数々の問題を
抱えている。このような問題の解決策の一つとして、冷
凍生地製パン法が知られている。この冷凍生地製パン法
は、パン生地段階で冷凍することによりイーストの発酵
を一時的に休止させ、必要な時期、量、場所に応じて解
凍、発酵、焼成することができるため、極めて合理的な
製パン法である。近年では、消費者に焼き立てのパンが
美味しいという認識が高まり、冷凍生地を利用したオー
ブンフレッシュベーカリーがますます隆盛している。し
かしながら、冷凍生地を用いる製パン法は、一般的な生
地をミキシングしてから焼成まで連続して行うスクラッ
チ製パン法では行われない冷凍工程が加わるため、パン
生地及びイーストの冷凍による損傷の発生がさけられな
い。冷凍による生地の損傷とは、生地の冷凍時及び冷凍
保管時に形成される生地中の氷結晶によるグルテンの破
壊が主要因である。そこで、パン生地の冷凍損傷に対処
する目的で、生地への加水量を低減させたり、グルテン
を加えたり、アスコルビン酸などの食用酸化剤を添加す
る、あるいは、これらを含有する市販の冷凍生地改良剤
を使用するなどして生地を強化する手段が一般的にとら
れており、現在では、商品価値のある冷凍生地の製造
は、それほど困難ではない。しかしながら、上記改善法
を採用することにより冷凍生地から製造されるパンは、
一般的な製パン法によるパンと比較してパンの老化が速
い、パンの歯切れが悪い、形状が悪いなどの品質が劣る
点が欠点として指摘されており、まだ改善の余地を多く
残している。ところで、グルコースオキシダーゼ(GO
x)は、グルコースをグルコン酸へ酸化する際に発生す
る過酸化水素の効果により、グルテン同士の結合を高
め、パン生地を強化する働きがあることが知られてお
り、生地の冷凍障害を改善する手段として有望である。
しかしながら、GOxのこの効果は、添加量の影響を受
けやすく過剰に添加された場合は、パン生地物性が硬く
なりすぎ、生地の機械適性に問題が生じたり、焼成され
たパンのボリュームが低下するなど、好ましくない事態
を招来する。したがって、この問題に対し、なんらかの
改良手段が必要となり、例えばセルラーゼの併用(特公
平4−57302号公報)、リパーゼやリポキシゲナー
ゼの併用(特開平4−84848号公報)などが提案さ
れているが、必ずしも十分に満足しうるものではない。
特に冷凍生地のようにグルテン損傷の激しい環境下で
は、GOxの生地強化量はスクラッチ製パン法よりも大
きなものが要求されるため、GOxがもつ上記欠点が、
一層大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、パン生地の冷凍・解凍耐性を向上させる
とともに、食感、外観及び耐老化性に優れ、商品価値の
高い製パン用冷凍生地を製造しうる製パン用油脂組成
物、及びこの油脂組成物を用いた上記特性を有する製パ
ン用冷凍生地を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、グルコースオ
キシダーゼに、特定の割合でプロテアーゼを組み合わせ
たものを含有させてなる油脂組成物が、その目的に適合
しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、(1)(A)食用
油脂、及び(B)酵素活性量比10:0.1ないし1
0:2のグルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの組
合せを含有することを特徴とする製パン用油脂組成物、
及び(2)第(1)項記載の油脂組成物を用いてなる製パ
ン用冷凍生地、を提供するものである。また、本発明の
好ましい態様は、(3)グルコースオキシダーゼが、小
麦粉1kgに対して50〜500活性単位の範囲でパン生
地に添加されるように含有されてなる第(1)項記載の製
パン用油脂組成物、(4)グルコースオキシダーゼ及び
プロテアーゼのいずれか1種が乳化相の油相中に含有さ
れるとともに、残りの酵素が乳化相の水相中に含有され
てなる第(1)、(3)項記載の製パン用油脂組成物、及び
(5)さらに、アミラーゼ及び/又はヘミセルラーゼを
含有する第(1)、(3)、(4)項記載の製パン用油脂組成
物、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の油脂組成物における
(A)成分の食用油脂としては特に制限はなく、通常の
マーガリンやショートニングに使用される油脂の中か
ら、任意のものを選択して用いることができる。この食
用油脂の例としては、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、パーム
油、ナタネ油、大豆油、コーン油などの天然の動植物油
脂及びこれらの硬化油、エステル交換油などが挙げら
れ、これらは、1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。また、これら油脂中に製パン改良
を目的とした食用乳化剤、例えばグリセリン脂肪酸エス
テル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどを含有させるこ
とができる。また、必要であればトコフェロールなどの
酸化防止剤、香料、着色料などの使用も可能である。次
に、本発明の油脂組成物においては、(B)成分とし
て、グルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの組合せ
が用いられる。上記グルコースオキシダーゼとしては、
食品用として使用しうるものであればよく、その由来に
ついては特に制限はない。また、このグルコースオキシ
ダーゼの油脂組成物中の含有量については、通常の2〜
3ヶ月間程度の冷凍期間で流通される冷凍生地を想定す
れば、小麦粉1kgに対し、グルコースオキシダーゼ50
〜500活性単位、好ましくは100〜300活性単位
の範囲でパン生地に添加されるように、油脂組成物中に
含有させるのが望ましい。この場合、50単位未満では
冷凍生地改良効果が十分に発揮されないおそれがある
し、500単位を超えるとパン生地物性が硬くなりすぎ
たり、焼成されたパンのボリュームが低下する原因とな
る。一方、プロテアーゼとしては、食品用として使用し
うるものであればよく、その由来については特に制限は
ない。本発明においては、このプロテアーゼは、前記グ
ルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの活性量比が1
0:0.1ないし10:2の範囲になるように使用され
る。プロテアーゼは、グルテンを切断する作用をもつた
め、その添加量には注意が必要であり、この比率は、例
えば小麦粉の質、配合によって適宜設定する必要があ
る。グルコースオキシダーゼの活性量10に対し、プロ
テアーゼの活性量が0.1未満ではプロテアーゼによる
生地物性改良効果が得られず、機械適性のない弾性の強
い生地となってしまい、また、活性量が2を超えるとプ
ロテアーゼの影響が強すぎるため、弾性が著しく低下
し、パンの成型が困難となる。また、プロテアーゼの種
類についても比較的ランダムにタンパク質を分解するタ
イプのプロテアーゼよりも、作用部位の限定度の高いプ
ロテアーゼを使用した方が、パン生地物性のコントロー
ルがしやすいため望ましい。なお、上記グルコースオキ
シダーゼ及びプロテアーゼの活性量は、以下に示すよう
に定義される。 グルコースオキシダーゼ pH5.4、38℃の条件下で1分間に基質グルコース1
μmolを酸化する量を1単位とする。 プロテアーゼ pH6.7、38℃の条件下で、1分間に基質牛血清アル
ブミン1μmolを加水分解する量を1単位とする。 また、本発明の油脂組成物においては、グルコースオキ
シダーゼ及びプロテアーゼを、油脂あるいは乳化油脂中
に含有させた方が、生地中への均一分散性に優れ、かつ
作用性がマイルドになるため、これらの酵素の作用が向
上する。また、本発明の油脂組成物は、油脂中へ上記酵
素類を分散させたショートニング状でも一定の効果が得
られるが、グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼの
いずれか1種を乳化相の油相中に含有させるとともに、
残りの酵素を乳化相の水相中に含有させた方が、より効
果的である。乳化油脂中に、上記酵素を含有させる場
合、水中油型(O/W)乳化、油中水型(W/O)乳化
のいずれでも可能であるが、内相部位にプロテアーゼを
含有させた方が、生地の取り扱い性が向上するので有利
である。本発明の油脂組成物が乳化油脂組成物である場
合、水相には、所望により、液糖類、例えば水飴、澱粉
の加水分解物、糖アルコール類などを含有させることが
できるし、乳化を損なわない範囲で、水溶性呈味成分、
香料などを含有させることができる。上記呈味成分は、
食用として好ましい風味を呈するもので、例えば、牛
乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、発酵乳、カゼインなどのタン
パク成分や、食塩、砂糖、澱粉類、各種エキス類、香辛
料などが挙げられる。また、本発明の油脂組成物におい
ては、パンの老化抑制を目的として、アミラーゼや、ヘ
ミセルラーゼの糖質分解酵素を併用することも効果的で
ある。本発明に使用される糖質分解酵素としては、食品
として使用できるものであればよく、その由来や添加量
については特に制限はないが、冷凍生地に使用する場
合、生地のハンドリング時の温度が低温であるため、上
記酵素の中でも15〜40℃の範囲で活性の高いものが
好ましい。
【0006】
〔冷凍生地の配合〕
強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部 イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部 上白糖 12重量部 脱脂粉乳 3重量部 液卵 12重量部 上記食用油脂組成物 12重量部 小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部 アスコルビン酸 100ppm 水 48重量部 〔冷凍生地の製造条件〕 ミキシング :低速2分、中高速5分、油脂組成物を添加、 低速2分、中高速6分 捏上温度 :20℃ フロアタイム:20℃、30分 分割 :35g 成型 :モルダー成型 冷凍 :−25℃、急速冷凍、1時間 冷凍保管 :ポリ袋内で冷凍(−25℃)保管 次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管
後下記条件でロールパンを焼成した。 〔焼成条件〕 解凍:20℃、1時間 ホイロ:38℃、80%RH、50分 焼成:210℃、8分 比容積、形状、焼成翌日と2日目のパンの硬さ、及び食
感について下記の評価基準で評価し、その結果を第2表
に示した。 〔評価基準〕 (1)生地物性;官能評価で伸展性を求めた。 ◎:伸展性非常に良好、かつ適度な弾力性あり ○:伸展性良好。 △:やや伸展性良好。 ×:弾力が過剰に強く伸展性悪い。 *:生地が軟化し、成型に難あり。 (2)比容積;菜種置換法による、ロールパン10個の
平均値を求めた。 (3)形状 ◎:腰高でパン表面の荒れなし。 ○:腰高であるが、若干パン表面荒れあり。 △:やや生地ダレが認められる。 ×:生地ダレが顕著で商品価値なし。 (4)老化性;焼成したパンを20℃に保管。ロールパ
ンを頂部から直径4cmのプランジャーで1.5cm圧縮し
たときの応力(104dyne/cm2)を測定し、ロールパン
10個の平均値を求めた。 (5)食感 ○:しっとりとしており、歯切れがよい。 △:歯切れはよいがパサツク。 ×:歯切れが悪く、パサツキが強い。 実施例2 第1表の配合により菜種硬化油(融点36℃)30kg、
パーム油50kg及び菜種油20kgを配合、加熱溶解し、
食用乳化剤としてレシチン500g、ステアリン酸モノ
グリセライド[理研ビタミン(株)製]1.0kgをこの食
用油脂に添加し加熱溶解した。その後、油相部の温度を
50℃まで降温後、グルコースオキシダーゼ製剤[ダニ
スコ・イングリーディエンツ社製;活性単位1000
0]100gとプロテアーゼ製剤[天野製薬(株)製;活
性単位400]100gとを分散させた油相部をボテー
ターで急冷捏和して可塑化したショートニング状の食用
油脂組成物を試作した。次に、この食用油脂組成物を用
い、実施例1と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地
を試作したのち、ロールパンを焼成して、評価した。そ
の結果を第2表に示す。 実施例3 第1表の配合により菜種硬化油(融点36℃)30kg、
パーム油50kg及び菜種油20kgを配合、加熱溶解し、
食用乳化剤としてレシチン500g、ステアリン酸モノ
グリセライド[理研ビタミン(株)製]1.0kgをこの食
用油脂に添加し加熱溶解した。その後、油相部の温度を
50℃まで降温後、グルコースオキシダーゼ製剤[ダニ
スコ・イングリーディエンツ社製;活性単位1000
0]100gを分散させ油相部を得た。次に水20kgを
昇温殺菌し、プロテアーゼ製剤[天野製薬(株)製;活性
単位400]100g、α−アミラーゼ製剤[ダニスコ
・イングリーディエンツ社製]100gとヘミセルラー
ゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製]50g
をこの水に溶解撹拌し水相部とし、先の油相にこの水相
部を徐々に加えてW/O乳化させた後、ボテーターで急
冷捏和して可塑化したマーガリン状の食用油脂組成物を
試作した。次に、この食用油脂組成物を用い、実施例1
と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地を試作したの
ち、ロールパンを焼成して、評価した。その結果を第2
表に示す。 比較例1〜4 第1表に示した配合で、実施例3に準じた方法により、
食用油脂組成物を試作した。次に、この食用油脂組成物
を用い、実施例1と同様にして、ロールパンの成型冷凍
生地を試作したのち、ロールパンを焼成して、評価し
た。その結果を第2表に示す。
【0007】
【表1】
【0008】実施例4 実施例3で試作した食用油脂組成物を用い、以下の配
合、製法により菓子パン成型冷凍生地を試作した。 〔冷凍生地の配合〕 強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部 イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部 上白糖 25重量部 食塩 1重量部 脱脂粉乳 3重量部 液卵 8重量部 上記食用油脂組成物 10重量部 小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部 アスコルビン酸 100ppm 水 48重量部 〔冷凍生地の製造条件〕 ミキシング :低速2分、中高速5分、油脂組成物を添加、 低速2分、中高速6分 捏上温度 :20℃ フロアタイム:20℃、30分 分割 :40g 成型 :モルダー成型 冷凍 :−25℃、急速冷凍、1時間 冷凍保管:ポリ袋内で冷凍(−25℃)保管 次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管
後下記条件で菓子パンを焼成した。 〔焼成条件〕 解凍 :20℃、1時間 ホイロ:38℃、80%RH、50分 焼成 :210℃、8分 焼成された菓子パンについて比容積、形状、焼成翌日及
び2日目の硬さ及び食感について実施例1と同じ評価基
準で評価し、結果を第2表に示した。 比較例5 比較例1で試作した食用油脂組成物を用い、実施例4と
同様にして、菓子パン成型冷凍生地を試作したのち、菓
子パンを焼成し、評価した。その結果を第2表に示す。 比較例6 比較例2で試作した食用油脂組成物を用い、実施例4と
同様にして、菓子パン成型冷凍生地を試作したのち、菓
子パンを焼成し、評価した。その結果を第2表に示す。
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】実施例5 第3表の配合により菜種油30kgにレシチン300g、
ステアリン酸モノグリセライド5.0kg、ポリグリセリ
ン酸脂肪酸エステル1.0kgを添加し、加熱溶解させ
た。次いで油温が50℃以下に低下した後、プロテアー
ゼ(前出)2.0kgを添加、撹拌し、均一分散させ油相
部を得た。次に水20kgと糖アルコール40kgを混合
後、α−アミラーゼ(前出)200g、グルコースオキ
シダーゼ(前出)2.0kgを添加、撹拌、分散させ、水
相部を得た。この水相部に上記油相部を徐々に添加、撹
拌することによりO/W乳化物とし、これを冷却するこ
とにより、食用油脂組成物を得た。次いで、下記の配
合、製法により上記食用油脂組成物を使用してロールパ
ンの成型冷凍生地を試作した。 〔冷凍生地の配合〕 強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部 イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部 上白糖 12重量部 脱脂粉乳 3重量部 液卵 12重量部 マーガリン 12重量部 上記食用油脂組成物 2重量部 小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部 アスコルビン酸 100ppm 水 48重量部 〔冷凍生地の製造条件〕 ミキシング :低速2分、中高速5分、マーガリン、油脂組成物を添加、 低速2分、中高速6分 捏上温度 :20℃ フロアタイム:20℃、30分 分割 :35g 成型 :モルダー成型 冷凍 :−25℃、急速冷凍、1時間 冷凍保管 :ポリ袋内で冷凍(−25℃)保管 次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管
後下記条件でロールパンを焼成した。 〔焼成条件〕 解凍:20℃、1時間 ホイロ:38℃、80%RH、50分 焼成:210℃、8分 比容積、形状、焼成翌日と2日目のパンの硬さ、及び食
感について実施例1と同様に評価し、結果を第4表に示
した。 比較例7、8 第3表に示した配合で、実施例5に準じた方法により、
食用油脂組成物を試作した。次に、この食用油脂組成物
を用い、実施例5と同様にして、ロールパンの成型冷凍
生地を試作したのち、ロールパンを焼成して評価した。
その結果を第4表に示す。
【0012】
【表4】
【0013】
【表5】
【0014】
【表6】
【0015】
【発明の効果】本発明の製パン用油脂組成物において
は、グルコースオキシダーゼの生地強化作用により、生
地における、特にグルテンの冷凍障害の抑制、あるいは
修復作用が得られるため、冷凍生地より焼成されるパン
のボリューム、保形性、見栄えが向上する。また、同様
の効果を持つグルテンの添加量を低減できるため、歯切
れなどの食感が向上する。しかも、冷凍保管中のパン生
地の劣化も抑制されるため、冷凍生地の品質安定化が図
れるなど、冷凍生地より製造されるパンの品質向上効果
が得られる。さらに、本発明では、α−アミラーゼ、ヘ
ミセルラーゼのようなパンの老化抑制効果の高い酵素を
同時に含有させることにより、冷凍生地の課題である速
い老化の問題が顕著に改善され、総合的な冷凍生地の品
質改良手段として有効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)食用油脂、及び(B)酵素活性量比
    10:0.1ないし10:2のグルコースオキシダーゼ
    とプロテアーゼとの組合せを含有することを特徴とする
    製パン用油脂組成物。
  2. 【請求項2】グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼ
    のいずれか1種が乳化相の油相中に含有されるととも
    に、残りの酵素が乳化相の水相中に含有されてなる請求
    項1記載の製パン用油脂組成物。
  3. 【請求項3】さらに、アミラーゼ及び/又はヘミセルラ
    ーゼを含有する請求項1又は2記載の製パン用油脂組成
    物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の油脂
    組成物を用いてなる製パン用冷凍生地。
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