JP3891377B2 - 製パン用油脂組成物及びそれを用いた製パン用冷凍生地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製パン用油脂組成物及びそれを用いた製パン用冷凍生地に関し、さらに詳しくは、パン生地の冷凍・解凍耐性を向上させるとともに、食感、外観及び耐老化性に優れ、商品価値の高い製パン用冷凍生地を製造しうる製パン用油脂組成物、及びこの油脂組成物を用いた上記特性を有する製パン用冷凍生地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パンは、イーストの発酵を利用した食品であり、かつ焼成された製品の寿命が3〜4日程度と短いことを特徴とする食品である。このため、製造に時間がかかる、多品種少量生産などの生産調整が難しい、あるいは、見込み生産量と販売量とのギャップを埋めることが難しい(相当量の廃棄が出る)など、数々の問題を抱えている。
このような問題の解決策の一つとして、冷凍生地製パン法が知られている。この冷凍生地製パン法は、パン生地段階で冷凍することによりイーストの発酵を一時的に休止させ、必要な時期、量、場所に応じて解凍、発酵、焼成することができるため、極めて合理的な製パン法である。近年では、消費者に焼き立てのパンが美味しいという認識が高まり、冷凍生地を利用したオーブンフレッシュベーカリーがますます隆盛している。しかしながら、冷凍生地を用いる製パン法は、一般的な生地をミキシングしてから焼成まで連続して行うスクラッチ製パン法では行われない冷凍工程が加わるため、パン生地及びイーストの冷凍による損傷の発生がさけられない。
冷凍による生地の損傷とは、生地の冷凍時及び冷凍保管時に形成される生地中の氷結晶によるグルテンの破壊が主要因である。そこで、パン生地の冷凍損傷に対処する目的で、生地への加水量を低減させたり、グルテンを加えたり、アスコルビン酸などの食用酸化剤を添加する、あるいは、これらを含有する市販の冷凍生地改良剤を使用するなどして生地を強化する手段が一般的にとられており、現在では、商品価値のある冷凍生地の製造は、それほど困難ではない。しかしながら、上記改善法を採用することにより冷凍生地から製造されるパンは、一般的な製パン法によるパンと比較してパンの老化が速い、パンの歯切れが悪い、形状が悪いなどの品質が劣る点が欠点として指摘されており、まだ改善の余地を多く残している。
ところで、グルコースオキシダーゼ(GOx)は、グルコースをグルコン酸へ酸化する際に発生する過酸化水素の効果により、グルテン同士の結合を高め、パン生地を強化する働きがあることが知られており、生地の冷凍障害を改善する手段として有望である。しかしながら、GOxのこの効果は、添加量の影響を受けやすく過剰に添加された場合は、パン生地物性が硬くなりすぎ、生地の機械適性に問題が生じたり、焼成されたパンのボリュームが低下するなど、好ましくない事態を招来する。
したがって、この問題に対し、なんらかの改良手段が必要となり、例えばセルラーゼの併用(特公平4−57302号公報)、リパーゼやリポキシゲナーゼの併用(特開平4−84848号公報)などが提案されているが、必ずしも十分に満足しうるものではない。特に冷凍生地のようにグルテン損傷の激しい環境下では、GOxの生地強化量はスクラッチ製パン法よりも大きなものが要求されるため、GOxがもつ上記欠点が、一層大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、パン生地の冷凍・解凍耐性を向上させるとともに、食感、外観及び耐老化性に優れ、商品価値の高い製パン用冷凍生地を製造しうる製パン用油脂組成物、及びこの油脂組成物を用いた上記特性を有する製パン用冷凍生地を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、グルコースオキシダーゼに、特定の割合でプロテアーゼを組み合わせたものを含有させてなる油脂組成物が、その目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)食用油脂、及び(B)酵素活性量比10:0.1ないし10:2のグルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの組合せを含有することを特徴とする製パン用油脂組成物、及び
(2)第(1)項記載の油脂組成物を用いてなる製パン用冷凍生地、
を提供するものである。
また、本発明の好ましい態様は、
(3)グルコースオキシダーゼが、小麦粉1kgに対して50〜500活性単位の範囲でパン生地に添加されるように含有されてなる第(1)項記載の製パン用油脂組成物、
(4)グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼのいずれか1種が乳化相の油相中に含有されるとともに、残りの酵素が乳化相の水相中に含有されてなる第(1)、(3)項記載の製パン用油脂組成物、及び
(5)さらに、アミラーゼ及び/又はヘミセルラーゼを含有する第(1)、(3)、(4)項記載の製パン用油脂組成物、
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の油脂組成物における(A)成分の食用油脂としては特に制限はなく、通常のマーガリンやショートニングに使用される油脂の中から、任意のものを選択して用いることができる。この食用油脂の例としては、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、パーム油、ナタネ油、大豆油、コーン油などの天然の動植物油脂及びこれらの硬化油、エステル交換油などが挙げられ、これらは、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら油脂中に製パン改良を目的とした食用乳化剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどを含有させることができる。また、必要であればトコフェロールなどの酸化防止剤、香料、着色料などの使用も可能である。
次に、本発明の油脂組成物においては、(B)成分として、グルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの組合せが用いられる。上記グルコースオキシダーゼとしては、食品用として使用しうるものであればよく、その由来については特に制限はない。また、このグルコースオキシダーゼの油脂組成物中の含有量については、通常の2〜3ヶ月間程度の冷凍期間で流通される冷凍生地を想定すれば、小麦粉1kgに対し、グルコースオキシダーゼ50〜500活性単位、好ましくは100〜300活性単位の範囲でパン生地に添加されるように、油脂組成物中に含有させるのが望ましい。この場合、50単位未満では冷凍生地改良効果が十分に発揮されないおそれがあるし、500単位を超えるとパン生地物性が硬くなりすぎたり、焼成されたパンのボリュームが低下する原因となる。
一方、プロテアーゼとしては、食品用として使用しうるものであればよく、その由来については特に制限はない。本発明においては、このプロテアーゼは、前記グルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの活性量比が10:0.1ないし10:2の範囲になるように使用される。プロテアーゼは、グルテンを切断する作用をもつため、その添加量には注意が必要であり、この比率は、例えば小麦粉の質、配合によって適宜設定する必要がある。グルコースオキシダーゼの活性量10に対し、プロテアーゼの活性量が0.1未満ではプロテアーゼによる生地物性改良効果が得られず、機械適性のない弾性の強い生地となってしまい、また、活性量が2を超えるとプロテアーゼの影響が強すぎるため、弾性が著しく低下し、パンの成型が困難となる。また、プロテアーゼの種類についても比較的ランダムにタンパク質を分解するタイプのプロテアーゼよりも、作用部位の限定度の高いプロテアーゼを使用した方が、パン生地物性のコントロールがしやすいため望ましい。
なお、上記グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼの活性量は、以下に示すように定義される。
グルコースオキシダーゼ
pH5.4、38℃の条件下で1分間に基質グルコース1μmolを酸化する量を1単位とする。
プロテアーゼ
pH6.7、38℃の条件下で、1分間に基質牛血清アルブミン1μmolを加水分解する量を1単位とする。
また、本発明の油脂組成物においては、グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼを、油脂あるいは乳化油脂中に含有させた方が、生地中への均一分散性に優れ、かつ作用性がマイルドになるため、これらの酵素の作用が向上する。また、本発明の油脂組成物は、油脂中へ上記酵素類を分散させたショートニング状でも一定の効果が得られるが、グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼのいずれか1種を乳化相の油相中に含有させるとともに、残りの酵素を乳化相の水相中に含有させた方が、より効果的である。乳化油脂中に、上記酵素を含有させる場合、水中油型(O/W)乳化、油中水型(W/O)乳化のいずれでも可能であるが、内相部位にプロテアーゼを含有させた方が、生地の取り扱い性が向上するので有利である。
本発明の油脂組成物が乳化油脂組成物である場合、水相には、所望により、液糖類、例えば水飴、澱粉の加水分解物、糖アルコール類などを含有させることができるし、乳化を損なわない範囲で、水溶性呈味成分、香料などを含有させることができる。上記呈味成分は、食用として好ましい風味を呈するもので、例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、発酵乳、カゼインなどのタンパク成分や、食塩、砂糖、澱粉類、各種エキス類、香辛料などが挙げられる。
また、本発明の油脂組成物においては、パンの老化抑制を目的として、アミラーゼや、ヘミセルラーゼの糖質分解酵素を併用することも効果的である。本発明に使用される糖質分解酵素としては、食品として使用できるものであればよく、その由来や添加量については特に制限はないが、冷凍生地に使用する場合、生地のハンドリング時の温度が低温であるため、上記酵素の中でも15〜40℃の範囲で活性の高いものが好ましい。
【0006】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
第1表の配合により菜種硬化油(融点36℃)30kg、パーム油50kg及び菜種油20kgを配合、加熱溶解した。その後、油相部の温度を50℃まで降温したのち、グルコースオキシダーゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製;活性単位10000]100gとプロテアーゼ製剤[天野製薬(株)製;活性単位400]100gとを分散させた油相部をボテーターで急冷捏和して可塑化したショートニング状の食用油脂組成物を試作した。また下記の配合・製造条件により、この食用油脂組成物を使用してロールパンの成型冷凍生地を試作した。
〔冷凍生地の配合〕
強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部
イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部
上白糖 12重量部
脱脂粉乳 3重量部
液卵 12重量部
上記食用油脂組成物 12重量部
小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部
アスコルビン酸 100ppm
水 48重量部
次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管後下記条件でロールパンを焼成した。
〔焼成条件〕
解凍:20℃、1時間
ホイロ:38℃、80%RH、50分
焼成:210℃、8分
比容積、形状、焼成翌日と2日目のパンの硬さ、及び食感について下記の評価基準で評価し、その結果を第2表に示した。
〔評価基準〕
(1)生地物性;官能評価で伸展性を求めた。
◎:伸展性非常に良好、かつ適度な弾力性あり
○:伸展性良好。
△:やや伸展性良好。
×:弾力が過剰に強く伸展性悪い。
*:生地が軟化し、成型に難あり。
(2)比容積;菜種置換法による、ロールパン10個の平均値を求めた。
(3)形状
◎:腰高でパン表面の荒れなし。
○:腰高であるが、若干パン表面荒れあり。
△:やや生地ダレが認められる。
×:生地ダレが顕著で商品価値なし。
(4)老化性;焼成したパンを20℃に保管。ロールパンを頂部から直径4cmのプランジャーで1.5cm圧縮したときの応力(104dyne/cm2)を測定し、ロールパン10個の平均値を求めた。
(5)食感
○:しっとりとしており、歯切れがよい。
△:歯切れはよいがパサツク。
×:歯切れが悪く、パサツキが強い。
実施例2
第1表の配合により菜種硬化油(融点36℃)30kg、パーム油50kg及び菜種油20kgを配合、加熱溶解し、食用乳化剤としてレシチン500g、ステアリン酸モノグリセライド[理研ビタミン(株)製]1.0kgをこの食用油脂に添加し加熱溶解した。その後、油相部の温度を50℃まで降温後、グルコースオキシダーゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製;活性単位10000]100gとプロテアーゼ製剤[天野製薬(株)製;活性単位400]100gとを分散させた油相部をボテーターで急冷捏和して可塑化したショートニング状の食用油脂組成物を試作した。
次に、この食用油脂組成物を用い、実施例1と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地を試作したのち、ロールパンを焼成して、評価した。その結果を第2表に示す。
実施例3
第1表の配合により菜種硬化油(融点36℃)30kg、パーム油50kg及び菜種油20kgを配合、加熱溶解し、食用乳化剤としてレシチン500g、ステアリン酸モノグリセライド[理研ビタミン(株)製]1.0kgをこの食用油脂に添加し加熱溶解した。その後、油相部の温度を50℃まで降温後、グルコースオキシダーゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製;活性単位10000]100gを分散させ油相部を得た。次に水20kgを昇温殺菌し、プロテアーゼ製剤[天野製薬(株)製;活性単位400]100g、α−アミラーゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製]100gとヘミセルラーゼ製剤[ダニスコ・イングリーディエンツ社製]50gをこの水に溶解撹拌し水相部とし、先の油相にこの水相部を徐々に加えてW/O乳化させた後、ボテーターで急冷捏和して可塑化したマーガリン状の食用油脂組成物を試作した。
次に、この食用油脂組成物を用い、実施例1と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地を試作したのち、ロールパンを焼成して、評価した。その結果を第2表に示す。
比較例1〜4
第1表に示した配合で、実施例3に準じた方法により、食用油脂組成物を試作した。
次に、この食用油脂組成物を用い、実施例1と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地を試作したのち、ロールパンを焼成して、評価した。その結果を第2表に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
実施例4
実施例3で試作した食用油脂組成物を用い、以下の配合、製法により菓子パン成型冷凍生地を試作した。
〔冷凍生地の配合〕
強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部
イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部
上白糖 25重量部
食塩 1重量部
脱脂粉乳 3重量部
液卵 8重量部
上記食用油脂組成物 10重量部
小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部
アスコルビン酸 100ppm
水 48重量部
次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管後下記条件で菓子パンを焼成した。
〔焼成条件〕
解凍 :20℃、1時間
ホイロ:38℃、80%RH、50分
焼成 :210℃、8分
焼成された菓子パンについて比容積、形状、焼成翌日及び2日目の硬さ及び食感について実施例1と同じ評価基準で評価し、結果を第2表に示した。
比較例5
比較例1で試作した食用油脂組成物を用い、実施例4と同様にして、菓子パン成型冷凍生地を試作したのち、菓子パンを焼成し、評価した。その結果を第2表に示す。
比較例6
比較例2で試作した食用油脂組成物を用い、実施例4と同様にして、菓子パン成型冷凍生地を試作したのち、菓子パンを焼成し、評価した。その結果を第2表に示す。
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】
実施例5
第3表の配合により菜種油30kgにレシチン300g、ステアリン酸モノグリセライド5.0kg、ポリグリセリン酸脂肪酸エステル1.0kgを添加し、加熱溶解させた。次いで油温が50℃以下に低下した後、プロテアーゼ(前出)2.0kgを添加、撹拌し、均一分散させ油相部を得た。次に水20kgと糖アルコール40kgを混合後、α−アミラーゼ(前出)200g、グルコースオキシダーゼ(前出)2.0kgを添加、撹拌、分散させ、水相部を得た。この水相部に上記油相部を徐々に添加、撹拌することによりO/W乳化物とし、これを冷却することにより、食用油脂組成物を得た。
次いで、下記の配合、製法により上記食用油脂組成物を使用してロールパンの成型冷凍生地を試作した。
〔冷凍生地の配合〕
強力粉[日清製粉社製、カメリヤ] 100重量部
イースト[オリエンタル酵母社製、FDイースト] 6重量部
上白糖 12重量部
脱脂粉乳 3重量部
液卵 12重量部
マーガリン 12重量部
上記食用油脂組成物 2重量部
小麦グルテン[昭和産業社製] 1重量部
アスコルビン酸 100ppm
水 48重量部
次に、試作した冷凍生地を1、2、4、8週間冷凍保管後下記条件でロールパンを焼成した。
〔焼成条件〕
解凍:20℃、1時間
ホイロ:38℃、80%RH、50分
焼成:210℃、8分
比容積、形状、焼成翌日と2日目のパンの硬さ、及び食感について実施例1と同様に評価し、結果を第4表に示した。
比較例7、8
第3表に示した配合で、実施例5に準じた方法により、食用油脂組成物を試作した。
次に、この食用油脂組成物を用い、実施例5と同様にして、ロールパンの成型冷凍生地を試作したのち、ロールパンを焼成して評価した。その結果を第4表に示す。
【0012】
【表4】
【0013】
【表5】
【0014】
【表6】
【0015】
【発明の効果】
本発明の製パン用油脂組成物においては、グルコースオキシダーゼの生地強化作用により、生地における、特にグルテンの冷凍障害の抑制、あるいは修復作用が得られるため、冷凍生地より焼成されるパンのボリューム、保形性、見栄えが向上する。また、同様の効果を持つグルテンの添加量を低減できるため、歯切れなどの食感が向上する。しかも、冷凍保管中のパン生地の劣化も抑制されるため、冷凍生地の品質安定化が図れるなど、冷凍生地より製造されるパンの品質向上効果が得られる。
さらに、本発明では、α−アミラーゼ、ヘミセルラーゼのようなパンの老化抑制効果の高い酵素を同時に含有させることにより、冷凍生地の課題である速い老化の問題が顕著に改善され、総合的な冷凍生地の品質改良手段として有効である。
Claims (4)
- (A)食用油脂、及び(B)酵素活性量比10:0.1ないし10:2のグルコースオキシダーゼとプロテアーゼとの組合せを含有することを特徴とする製パン用油脂組成物。
- グルコースオキシダーゼ及びプロテアーゼのいずれか1種が乳化相の油相中に含有されるとともに、残りの酵素が乳化相の水相中に含有されてなる請求項1記載の製パン用油脂組成物。
- さらに、アミラーゼ及び/又はヘミセルラーゼを含有する請求項1又は2記載の製パン用油脂組成物。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の油脂組成物を用いてなる製パン用冷凍生地。
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