JP2017085996A - 最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最終発酵後に冷凍されるパン生地を焼成した時に、歯切れの良い食感と十分なボリュームのあるパンとなる、低トランス脂肪酸且つ最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物を提供すること。【解決手段】 練り込み油脂組成物全体中、油脂含量が87〜99.85重量%且つ水含量が8重量%以下であり、モノアシルグリセロールを0.1〜5重量%、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.05〜0.3重量%含有し、前記油脂全体中、リノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%以下の液油の含有量は97.8〜99.9重量%、融点が50℃を超える油脂の含有量は0.1〜2.2重量部%であり、前記油脂の構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量が5重量%以下である練り込み油脂組成物を、穀粉100重量部に対して2〜50重量部練り込んだ生地を最終発酵後に冷凍し、その冷凍パン生地を焼成してパンを作製する。【選択図】なし

Description

本発明は、最終発酵後に冷凍されるパン生地用の練り込み油脂組成物に関する。
誰でも簡単に、タイムリーに焼きたてのパンを提供するための技術として、最終発酵後に冷凍する製法がある。この製法を用いると、製パン技術者を必要とせず、店頭で冷凍庫から生地を取り出しオーブンで焼成するだけで焼きたてのパンを提供することが可能である。しかし、最終発酵後に冷凍したパンを焼成するとパンの歯切れが悪かったりボリュームが不足しているため、食感とボリュームを同時に満足できるものはなかった。
これまでは、最終発酵後に冷凍するパン生地用の油脂組成物を用いると焼いたパンのボリュームが出て且つソフトで口溶けの良いパンとなる例として、菜種油87.4重量%、極度硬化菜種油2.4重量%、モノグリセリド(モノアシルグリセロール)6.2重量%、酒石酸モノグリセライド0.8重量%、コハク酸モノグリセライド0.8重量%を含む油脂組成物(ショートニング)が挙げられる(特許文献1、実施例4)。そして該文献には、油脂組成物においてそれらの乳化剤を合わせて0.1〜9.5重量%とできる旨の記載や、油脂として綿実油、落花生油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油などが使える旨の記載がある。
特開2014−113101号公報
我々は、パン生地に練り込む油脂組成物中の液油が多過ぎると歯切れが悪くなり、乳化剤が多すぎるとボリュームが出ないことを見出した。つまり、上記特許文献1に従い菜種油のみをパン生地に練り込むと得られるパンの歯切れが悪くなり、乳化剤が多い油脂組成物をパン生地に練り込むと得られるパンのボリュームが十分ではない(特許文献1、実施例4)。
そこで上記課題に鑑み、本発明の目的は、最終発酵後に冷凍されるパン生地を焼成した時に、歯切れの良い食感と十分なボリュームのあるパンとなる、低トランス脂肪酸且つ最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、トランス脂肪酸含量が特定量以下で、特定のリノレン酸含量の液油、特定の融点である油脂、特定の乳化剤を特定量含有する油脂組成物を練り込んだパン生地を最終発酵後に冷凍した後で焼成して得られたパンは、歯切れの良い食感と十分なボリュームのあるパンとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物全体中、油脂含量が87〜99.85重量%且つ水含量が8重量%以下であり、モノアシルグリセロールを0.1〜5重量%、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.05〜0.3重量%含有し、前記油脂全体中、リノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%以下の液油の含有量は97.8〜99.9重量%、融点が50℃を超える油脂の含有量は0.1〜2.2重量%であり、前記油脂の構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量が5重量%以下である、最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物に関する。好ましい実施態様は、モノアシルグリセロールが融点60℃以上である上記記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物に関する。より好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸が酢酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体の有機酸がクエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物、更に好ましくは、融点50℃を超える油脂が、パームステアリンのエステル交換油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物に関する。本発明の第二は、請求項1〜4何れか記載の最終発後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物を、穀粉100重量部に対して2〜50重量部含む最終発酵済みの冷凍パン生地に関する。好ましい実施態様は、パン生地に含まれる穀粉100重量部に対して酸化剤を0.005〜0.015重量部及び増粘剤を0.05〜2.0重量部含有する上記記載の最終発酵済みの冷凍パン生地に関する。本発明の第三は、上記記載の最終発酵済みの冷凍パン生地が焼成されたパンに関する。
本発明に従えば、最終発酵後に冷凍されるパン生地を焼成した時に、歯切れの良い食感と十分なボリュームのあるパンとなる、低トランス脂肪酸且つ最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の最終発酵後に冷凍されるパン生地即ち最終発酵済みの冷凍パン生地用練り込み油脂組成物は、トランス脂肪酸含量が特定量以下で、特定量の油脂を含み、特定の乳化剤を特定量含有する。そして前記油脂は、特定のリノレン酸含量である液油および特定の融点である油脂を含有する。
本発明における最終発酵済みの冷凍パン生地とは、製パン工程における最終発酵(ホイロ)をとった後に、ショックフリーザー等の冷凍庫を用いて冷凍することで得られる生地である。即ち、該生地は、小麦粉等の穀類、水、イースト、イーストフード、食塩、卵、乳製品、糖、前記油脂組成物などの原材料を混捏した後、必要に応じて一次発酵をとり、分割、成型を行い、最終発酵した後に冷凍することで得られる。更に、該生地には酵素、乳化剤、酸化剤、還元剤、カルシウム等の強化剤、ビタミン、タンパク質、アミノ酸等を含有することができる。なお、本発明において最終発酵(ホイロ)とは、製パン工程における成型から焼成までの間にとられる発酵工程のことを指す。
本発明の練り込み油脂組成物は、前記最終発酵後に冷凍されるパン生地に練り込んで用いられ、該生地を焼成して得られるパンは、最終発酵済みの冷凍パン生地を焼成して得られるパンとしては、歯切れの良い食感と十分なボリュームのあるパンとなる。
前記練り込み油脂組成物においては、健康の観点から、油脂の構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量は少ない程良く、5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1.5重量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。ここでトランス脂肪酸を実質的に含有しないとは、水素添加した油脂原料を使用しないことであり、原料由来のごく微量のトランス酸は含む場合がある。なお、油脂中のトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce 1f−96に準じて測定できる。
また前記練り込み油脂組成物全体中には、油脂を87〜99.85重量%且つ水を8重量%以下含有することが好ましい。そして油脂量が87重量%未満且つ水が8重量%を超えると、水相部が増え過ぎて水中油型の乳化形態になる場合があり、生地への練り込まれ方が異なるため、得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。そして前記油脂中には、特定のリノレン酸含量である液油および特定の融点である油脂を含有している。
前記液油とは、常温で液状の油脂を指し、特に−10〜−30℃の冷凍中に結晶化するトリグリセライドの割合が少ないものが良く、前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含量が30重量%以下であるものが好ましい。前記油脂の構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量は少ないほど良く、5.5重量%以下が好ましく、3.0重量%以下がより好ましく、2.0重量%以下が更に好ましい。リノレン酸含量が5.5重量%を超えると、焼成して得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。
なお、前記構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量が5.5重量%以下となる範囲であれば、構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量が5.5重量%を超える液油と構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量が5.5重量%以下の液油を混合することもできる。構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量が5.5重量%を超える液油として、例えば、菜種油、大豆油、カノーラ油等が挙げられる。構成脂肪酸全体中のリノレン酸含量が5.5重量%以下の液油として、コーン油、米油、ヒマワリ油、綿実油、サフラワー油、落花生油、ごま油、オリーブ油、低リノール酸カノーラ油、高オレイン酸カノーラ油、高オレイン酸ヒマワリ油等が挙げられるが、入手しやすさの観点からコーン油、米油、綿実油が好ましい。
前記液油の含有量は、練り込み油脂組成物に含まれる油脂全体中97.8〜99.9重量%が好ましく、98〜99.7重量%がより好ましく、98.5〜99.6重量%が更に好ましい。97.8重量%より少ないと、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。また99.9重量%より多いと得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。
前記リノレン酸含量及び飽和脂肪酸含量は、日本油化学会制定 基準油脂分析試験法暫11−2003及び暫15−2003に記載のメチルエステル化法及びガスクロマトグラフ法に準じて測定できる。
前記特定の融点である油脂とは、上昇融点が50℃を超える油脂のことである。そのような油脂としては動物性、植物性の何れでも良く、分別やエステル交換、水素添加を行って得られる分別油やエステル交換油、極度硬化油も使用でき、それらを数種混ぜて使用してもよい。該油脂としては、パームステアリンのエステル交換油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油などが例示できる。なお、該融点が50℃を超える油脂の含有量は、前記練り込み油脂組成物全体中0.1〜2.2重量%が好ましく、0.2〜2.0重量%がより好ましく、0.3〜1.5重量%が更に好ましい。0.1重量%より少ないと、得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。2.2重量%より多いと、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。なお、前記融点は、日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.4.2−1996に準じて測定できる。
前記モノアシルグリセロールとは、1分子のグリセロールと1分子の脂肪酸のモノエステルのことを指すが、前記油脂組成物に添加する時はジエステルとの混合物も使用することができる。脂肪酸は炭素数が12〜26の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を問わず使用することができる。ただし、得られるパンの食感の観点から、モノアシルグリセロールの融点は、60〜95℃が好ましい。融点が60℃未満であると、得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。融点が95℃より高いとパンの焼成時に融解しないため、得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。なお、該モノアシルグリセロールの含有量は、前記練り込み油脂組成物全体中0.1重量%〜5重量%が好ましく、0.3〜4重量%がより好ましく、0.5〜3重量%が更に好ましい。0.1重量%より少ないと、得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。また5重量%より多いと、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。
前記練り込み油脂組成物には、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。それらの含有量は、前記練り込み油脂組成物全体中0.05〜0.3重量%であることが好ましく、0.07〜0.2重量%がより好ましく、0.08〜0.15重量%が更に好ましい。0.05重量%より少ないと、モノアシルグリセロールの結晶が微細化されず冷凍中にパン生地が損傷するため、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。また0.3重量%より多いと、それら自身の結晶により冷凍中にパン生地が損傷するため得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。
前記ソルビタン脂肪酸エステルは、1分子のソルビタンに脂肪酸が結合したものである。結合している脂肪酸は炭素数が12〜26の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を問わず使用することができるが、モノアシルグリセロールの結晶微細化の観点から飽和脂肪酸が好ましく、特に入手しやすさの観点からラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記ショ糖脂肪酸エステルは、1分子のショ糖に脂肪酸が結合したものである。結合している脂肪酸は炭素数が2〜26の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を問わず使用できるが、モノアシルグリセロールの結晶微細化の観点から飽和脂肪酸が好ましく、特に入手しやすさの観点から酢酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、ショ糖脂肪酸エステルは1分子のショ糖に結合する脂肪酸の種類及び分子数によってHLBが異なるが、モノアシルグリセロールの結晶微細化の観点から、HLBは1〜7であることが好ましい。
前記有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体とは、モノアシルグリセロールに有機酸がエステル結合したものである。有機酸としては、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸、コハク酸が挙げられるが、モノアシルグリセロールの結晶微細化の観点から、クエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸が好ましい。
本発明の最終発酵済みの冷凍パン生地は、前記練り込み油脂組成物を、パン生地中の穀粉100重量部に対して2〜50重量部含有することが好ましく、より好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。2重量部より少ないと、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。50重量部より多いと、油脂がグルテン架橋構造の形成阻害をして良好な生地が得られないためか、得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。
前記最終発酵済みの冷凍パン生地は、さらに酸化剤を含有することが好ましい。前記酸化剤としては、アスコルビン酸、ビタミンE、ブロメート、シスチン、グルコン酸類、カタラーゼ又はグルコースオキシダーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができ、パン生地の酸化によるグルテン架橋構造形成能力が優れ、また安全性の面から消費者に受け入れられやすいという観点から、アスコルビン酸が好ましい。前記酸化剤の含有量は、前記パン生地に含まれる穀粉100重量部に対して0.005〜0.015重量部が好ましく、0.01〜0.015重量部がより好ましく、0.012〜0.015重量部が更に好ましい。0.005重量部より少ないと得られるパンのボリュームが十分でない場合があり、0.015重量部より多いと得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。
前記最終発酵済みの冷凍パン生地は、さらに増粘剤を含有することが好ましい。前記増粘剤としては、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができ、パン生地の架橋構造補強と冷凍・解凍耐性を持ったゲル形成という観点から、アルギン酸エステルが好ましい。前記増粘剤の含有量は、前記パン生地に含まれる穀粉100重量部に対して0.05〜2.0重量部が好ましく、0.10〜0.50重量部がより好ましく、0.10〜0.30重量部が更に好ましい。0.05重量部より少ないと得られるパンのボリュームが十分でない場合があり、2.0重量部より多いと得られるパンの食感が歯切れ良くないものになる場合がある。
前記最終発酵済みの冷凍パン生地を必要に応じて解凍した後、焼成することで、本発明のパンを得ることができる。例えば、ロールパン、菓子パン、惣菜パン、クロワッサン等のデニッシュペストリー、フランスパン等の堅焼きパン、ピザ、揚げパン又はそれらの二次加工品、或いはレンジ調理を必要とするもの等が挙げられる。なお、揚げパンとはイーストで醗酵させた生地を揚げて得られるパンを指し、イーストドーナツ等が該当できる。
本発明の最終発酵済みの冷凍パン生地用練り込み油脂組成物、該練り込み油脂組成物を用いた最終発酵済みの冷凍パン生地及び該生地を焼成して得られるパンの製造方法を以下に例示する。
<最終発酵済みの冷凍パン生地用練り込み油脂組成物の製造方法>
まず、融点が50℃を超える油脂を溶解して液油と混合したものに、モノアシルグリセロールと、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種とを加え、必要に応じて他の油溶性成分を溶解させて油相部を調製する。そして必要に応じて殺菌工程を経てから、捏和装置にて冷却捏和して本発明の練り込み油脂組成物を得ることができる。前記練り込み油脂組成物は必要であれば水及び/または水溶性成分からなる水相部を含有することもできる。水相部を含む場合は、前記油相部を撹拌しながらそこに前記水相部を加えて油中水型乳化物を調製し、同様に捏和して得ることができる。
<最終発酵済みの冷凍パン生地の製造方法>
次に、前記で得られる練り込み油脂組成物を、他の生地原材料に所定量混合して混捏し、必要に応じて発酵をとり、生地を分割、成型し、最終発酵をとって前記パン生地を得る。該生地は、最終発酵後に−20〜−40℃で生地が−11〜−25℃まで降温するように冷凍する。
<パンの製造方法>
そして、得られた冷凍パン生地は、冷凍庫から取り出し直接オーブンで焼成するか、解凍後に焼成してパンが得られる。直接オーブンで焼成する場合には、一般に知られる方法で焼成でき、好ましくはコンベクションオーブンを用いて20〜100℃の低温度から段階的に昇温し、140〜250℃で10〜30分間焼き上げることが好ましい。解凍をとる場合には0〜40℃で解凍した後、一般に知られている方法で焼成して得られる。そして、パン用固定釜やリールオーブンを用いて140〜250℃で10〜30分間焼き上げることで前記パンを得る。また、生地を揚げる場合は一般に知られる方法で揚げることができ、好ましくは160〜200℃のフライヤーで30秒間〜10分間揚げるのがよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<食感(歯切れ)の評価>
実施例、比較例で得られたロールパンを熟練したパネラー10人に食してもらい、以下の基準で評価を行い、その平均を評価値とした。
5点:歯切れの良い食感で、極めて良好である。
4点:歯切れの良い食感で、非常に良好である。
3点:歯切れの良い食感で、良好である。
2点:ややくちゃつきを感じ、歯切れが悪い。
1点:くちゃつきを感じ、非常に歯切れが悪い。
<ボリュームの評価>
実施例、比較例で得られたロールパンの比容積を測定し、その値を評価値とした。比容積は、重量(g)を電子天びん「CB−III1500」(イシダ社製)で、体積(ml)をレーザー体積計測器「WinVM200」(ASTEX社製)で測定し、得られた体積を重量で割った値である。得られた比容積を、以下の基準で評価した。
5点:比容積が7.1ml/g以上で、極めて良好なボリュームである。
4点:比容積が6.5ml/g以上7.1ml/g未満で、非常に良好なボリュームである。
3点:比容積が6.0ml/g以上6.5ml/g未満で、良好なボリュームである。
2点:比容積が5.5ml/g以上6.0ml/gで、あまりボリュームがない。
1点:比容積が5.5ml/g未満で、ボリュームがない。
(製造例1)
コーン油(カネカ社製、リノレン酸含量:0.7重量%)を45重量部と菜種油(カネカ社製、リノレン酸含量:9.2重量%)を55重量部とを混和して製造例1の油脂(リノレン酸含量:5.4重量%)を得た。
(製造例2)
コーン油(カネカ社製、リノレン酸含量:0.7重量%)を42重量部と菜種油(カネカ社製、リノレン酸含量:9.2重量%)を58重量部とを混和して製造例2の油脂(リノレン酸含量:5.6重量%)を得た。
(実施例1)
表1に示す配合に従って、練り込み油脂組成物を作製した。即ち、コーン油、パーム極度硬化油(太陽油脂社製、融点59.8℃)、モノアシルグリセロール、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンを所定量混合し、70℃で加温し、攪拌した。捏和装置にて捏和しながら10℃程度まで冷却し、練り込み油脂組成物を得た。さらに、この練り込み油脂組成物を用いてロールパンを作製した。即ち、表2の配合に従って、原料を縦型ミキサー「HPI−20M」(関東混合機工業社製)で低速3分間、次いで中速7分間、高速7分間ミキシングし、22℃±1℃で捏ね上げた。ミキシング終了後、25℃で30分間生地を保管した後に、70gずつに分割した。さらに25℃で30分間生地を保管した後に、モルダー生地をロール状に成型した。モルダーの展圧は2.0mmとした。成型物を30℃、湿度75%で90分間最終発酵させた。最終発酵後、冷却速度1.2℃/分で−30℃の雰囲気でショックフリーザーを使って冷却終点温度まで冷却し、最終発酵後に冷凍される生地を得た。該生地を−20℃に1週間保管した後、25℃で40分間解凍した後に190℃のオーブンで11分間焼成してロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
Figure 2017085996
Figure 2017085996
(実施例2)
表1に示す配合に従って、コーン油を米油に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(実施例3)
表1に示す配合に従って、コーン油を綿実油に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(実施例4)
表1に示す配合に従って、コーン油をコーン油/菜種油の混合油(製造例1の油脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(実施例5)
表1に示す配合に従って、パーム極度硬化油を菜種極度硬化油に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(比較例1)
表1に示す配合に従って、コーン油、レシチンを所定量混合し、70℃で加温し、攪拌した。捏和装置にて捏和しながら10℃程度まで冷却し、練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(比較例2)
表1に示す配合に従って、コーン油を菜種油に変えた以外は、比較例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(比較例3)
表1に示す配合に従って、コーン油をリノレン酸含量が多い菜種油に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(比較例4)
表1に示す配合に従って、コーン油をリノレン酸含量が多いコーン油/菜種油の混合油(製造例2の油脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
(比較例5) 特開2011−113101号公報準拠
表1に示す配合に従って、菜種油、菜種極度硬化油及びパーム油を加熱溶解し、モノアシルグリセロール、酒石酸モノグリセライド及びコハク酸モノグリセライドを所定量加え、75℃で20分間攪拌した。この混合物を25℃の攪拌タンク中で16時間ゆっくり攪拌し、練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表1にまとめた。
実施例1のロールパンは十分なボリュームがあって歯切れの良い食感であったが、融点が50℃を超える油脂や乳化剤を用いず、油脂量が多く且つリノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%以下の液油量が多い練り込み油脂組成物を用いた比較例1や、比較例1においてリノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%以下である液油の代わりに、リノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%を超える液油を使用した練り込み油脂組成物を用いた比較例2のロールパンは、ボリュームは十分得られているが、食感として歯切れが良くなかった。実施例1〜4のロールパンは十分なボリュームがあって歯切れの良い食感であったが、リノレン酸含量が5.5重量%を超える液油を用いた比較例3,4のロールパンは、歯切れの良い食感は得られたものの、ボリュームが十分でなかった。
また、異なる融点が50℃を超える油脂を用いた実施例1,5のロールパンは、何れも十分なボリュームがあって歯切れ良い食感のパンを得られた。さらに、実施例1に対して、乳化剤量が多く、リノレン酸含量が5.5重量%以下の液油の量が少なく且つ融点が50℃を超える油脂の量が多い特許文献1準拠の比較例5のロールパンは、歯切れの良い食感は得られたものの、十分なパンのボリュームは得られなかった。
(実施例6)
表3に示す配合に従って、コーン油の量及びパーム極度硬化油の量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
Figure 2017085996
(実施例7)
表3に示す配合に従って、コーン油の量及びパーム極度硬化油の量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(実施例8)
表3に示す配合に従って、練り込み油脂組成物を作製した。即ち、コーン油、パーム極度硬化油、モノアシルグリセロール、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンを所定量混合し、70℃で加温した。さらに水を所定量加えて攪拌し、油中水型乳化物を調製し、捏和装置にて捏和しながら10℃程度まで冷却し、練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(比較例6)
表3に示す配合に従って、コーン油の量及びパーム極度硬化油の量を変えた以外は、実施例1と同様に練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(比較例7)
表3に示す配合に従って、コーン油の量及びパーム極度硬化油の量を変えた以外は、実施例1と同様に練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(比較例8)
表3に示す配合に従って、コーン油、パーム極度硬化油及び水の量を変えた以外は、実施例8と同様に練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
実施例1,6,7のロールパンは十分なボリュームがあって食感も歯切れが良かったが、融点が50℃を超える油脂の量が多く且つリノレン酸含量が5.5重量%以下の液油の量が少ない練り込み油脂組成物を用いた比較例6のロールパンは歯切れの良い食感は得られたものの、ボリュームが十分でなかった。さらに、融点が50℃を超える油脂の量が少なく且つリノレン酸含量が5.5重量%以下の液油の量が多い練り込み油脂組成物を用いた比較例7のロールパンは、ボリュームは十分得られているが、食感として歯切れが良くなかった。また実施例8に対して、含水量が多くて油脂含量が少ない練り込み油脂組成物を用いた比較例8のロールパンは、ボリュームは十分得られているが、食感として歯切れが良くなかった。
(実施例9)
表4の配合に従って、ソルビタン脂肪酸エステルをショ糖脂肪酸エステルに変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表4にまとめた。
Figure 2017085996
(実施例10)
表4の配合に従って、ソルビタン脂肪酸エステルをクエン酸モノグリセライドに変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表4にまとめた。
(実施例11)
表4の配合に従って、ソルビタン脂肪酸エステルをコハク酸モノグリセライドに変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表4にまとめた。
実施例1,9〜11から、ソルビタン脂肪酸エステルに変えてショ糖脂肪酸エステル、クエン酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライドを使用しても十分なボリュームがあって歯切れ良い食感のパンを得られることが分かった。
(実施例12)
表5に示す配合に従って、コーン油及びモノアシルグリセロールの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
Figure 2017085996
(実施例13)
表5に示す配合に従って、コーン油を及びモノアシルグリセロールの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(実施例14)
表5に示す配合に従って、コーン油、パーム極度硬化油及びソルビタン脂肪酸エステルの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(実施例15)
表5に示す配合に従って、コーン油及びソルビタン脂肪酸エステルの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(比較例9)
表5に示す配合に従って、コーン油及びモノアシルグリセロールの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(比較例10)
表5に示す配合に従って、コーン油及びモノアシルグリセロールの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(比較例11)
表5に示す配合に従って、コーン油、パーム極度硬化油及びソルビタン脂肪酸エステルの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
(比較例12)
表5に示す配合に従って、コーン油及びソルビタン脂肪酸エステルの量を変えた以外は、実施例1と同様にして練り込み油脂組成物を得た。さらに、実施例1と同様にしてロールパンを得た。得られたロールパンについて、食感(歯切れ)及びボリュームの評価を行い、それらの評価結果を表5にまとめた。
実施例1,12,13のロールパンは十分なボリュームがあって歯切れの良い食感であったが、モノアシルグリセロール量が少ない練り込み油脂組成物を用いた比較例9のロールパンは、ボリュームは十分であるものの歯切れの悪い食感であり、モノアシルグリセロール量が多い練り込み油脂組成物を用いた比較例10のロールパンは、歯切れの良い食感であるもののボリュームが十分でなかった。
また実施例1,14,15のロールパンは十分なボリュームがあって歯切れの良い食感であったが、ソルビタン脂肪酸エステル量が少なく且つショ糖脂肪酸エステルも有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体も含有しない練り込み油脂組成物を用いた比較例11のロールパンは、歯切れの良い食感であるもののボリュームが十分でなく、ソルビタン脂肪酸エステル量が多く且つショ糖脂肪酸エステルも有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体も含有しない練り込み油脂組成物を用いた比較例12のロールパンは、ボリュームが十分でなく、歯切れの悪い食感であった。

Claims (7)

  1. 最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物全体中、油脂含量が87〜99.85重量%且つ水含量が8重量%以下であり、モノアシルグリセロールを0.1〜5重量%、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.05〜0.3重量%含有し、前記油脂全体中、リノレン酸含量が構成脂肪酸全体中5.5重量%以下の液油の含有量は97.8〜99.9重量%、融点が50℃を超える油脂の含有量は0.1〜2.2重量%であり、前記油脂の構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量が5重量%以下である、最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物。
  2. モノアシルグリセロールが融点60℃以上である請求項1に記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物。
  3. ソルビタン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸が酢酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種、有機酸が結合したモノアシルグリセロール誘導体の有機酸がクエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物。
  4. 融点50℃を超える油脂が、パームステアリンのエステル交換油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載の最終発酵後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物。
  5. 請求項1〜4何れかに記載の最終発後に冷凍されるパン生地用練り込み油脂組成物を、穀粉100重量部に対して2〜50重量部含む最終発酵済みの冷凍パン生地。
  6. パン生地に含まれる穀粉100重量部に対して酸化剤を0.005〜0.015重量部及び増粘剤を0.05〜2.0重量部含有する請求項5に記載の最終発酵済みの冷凍パン生地。
  7. 請求項5又は6に記載の最終発酵済みの冷凍パン生地が焼成されたパン。
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