JPH08260367A - 伸縮性布帛の製造方法 - Google Patents

伸縮性布帛の製造方法

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JPH08260367A
JPH08260367A JP7057460A JP5746095A JPH08260367A JP H08260367 A JPH08260367 A JP H08260367A JP 7057460 A JP7057460 A JP 7057460A JP 5746095 A JP5746095 A JP 5746095A JP H08260367 A JPH08260367 A JP H08260367A
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polyester
fiber
elastic
polyether
fabric
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JP7057460A
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Kentaro Mitani
健太郎 三谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエーテルエステル系弾性繊維を含む布帛
を分散染料で染色するにもかかわらず,染色堅牢度の良
好な伸縮性布帛を製造することができる方法を提供す
る。 【構成】 ポリエーテルエステル系弾性繊維を含む布帛
をアゾ系分散染料で染色した後,縮合時に活性水素が発
生するオルガノポリシロキサンを付与し,熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,染色堅牢度の良好な伸
縮性布帛の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,衣料用や産業用等の高伸縮布
帛としては,弾性に富むポリウレタン系繊維を含有する
ものが広く用いられている。このポリウレタン系繊維を
用いて布帛を形成する際,単独で用いられることは少な
く,一般に次のごとき態様で用いられることが多い。す
なわち,ポリウレタン系繊維よりなる糸条とポリアミド
繊維やポリエステル繊維等よりなる糸条とを用い,交編
織して布帛が形成されたり,ポリウレタン系繊維よりな
る糸条とポリアミド繊維等よりなる糸条とを混繊した混
繊糸条を用い,これを製編織して布帛が形成されたり,
あるいはポリウレタン系繊維よりなる糸条にポリアミド
繊維,ポリエステル繊維,綿,アクリル系繊維等をカバ
リング加工した被覆糸を用い,これを製編織して布帛が
形成されたりしている。
【0003】従って,例えば,ポリウレタン系繊維とポ
リエステル繊維より構成される高伸縮布帛を染色加工す
る場合,両繊維の染色性が異なるため,染色加工を行い
にくいという問題があった。すなわち,ポリエステル繊
維を良好に染色するために分散染料を用いて高温高圧下
で染色加工すると,ポリウレタン系繊維を構成するウレ
タン系重合体が加水分解を起こし,ポリウレタン系繊維
が劣化して布帛の高伸縮性が極端に低下するという問題
があった。また,ポリウレタン系繊維を劣化させること
なく染色するために常圧下で染色加工を行うと,ポリエ
ステル繊維を良好に染色することができないという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため,最近では,
弾性に富む繊維として,ポリエステル繊維と染色性が近
似しているポリエーテルエステル系弾性繊維を使用する
方法が行われている。ポリエステル繊維とポリエーテル
エステル系弾性繊維より構成される高伸縮布帛の場合に
は,分散染料を用いて高温高圧下で染色加工しても,ポ
リエーテルエステル系弾性繊維が劣化しにくく,両繊維
とも良好に染色され,従って,この高伸縮布帛は染色性
が良好で,均一に染色されるとともに,ポリエーテルエ
ステル系弾性繊維の劣化も少なく,衣料用等として好適
に使用されるものである。
【0005】しかしながら,分散染料で染色されたこの
ような高伸縮布帛は,染色堅牢度が非常に悪く,実用に
耐えるものではなかった。本発明者らは,ポリエステル
繊維とポリエーテルエステル系弾性繊維より構成された
高伸縮布帛が何故に染色堅牢度の低下をきたすのかを検
討した。その結果ポリエーテルエステル系弾性繊維を構
成しているソフトセグメントに染色された分散染料が,
ポリエステル繊維の非晶部に染色された分散染料に比べ
て大幅に繊維表面にブリードしやすいために染色堅牢度
の低下をきたすことが判明した。
【0006】本発明は,このような現状に鑑みて行われ
たもので,ポリエーテルエステル系弾性繊維を含む布帛
を用いて,染色堅牢度の良好な伸縮性布帛を製造するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチ
レンテレフタレートを主体とするポリエステルをハード
セグメントとし,直鎖状ポリアルキレングリコールを主
体とするポリエーテルをソフトセグメントとするブロッ
ク共重合体よりなるポリエーテルエステル系弾性繊維を
含む布帛に,アゾ系分散染料で染色を施した後,縮合時
に活性水素が発生するオルガノポリシロキサンを付与
し,120〜150℃で熱処理を行うことを特徴とする
高染色堅牢度を有する伸縮性布帛の製造方法を要旨とす
るものである。以下,本発明を詳細に説明する。
【0008】まず,本発明で用いられるポリエーテルエ
ステル系弾性繊維について以下に説明する。ここでいう
ポリエーテルエステル系弾性繊維は,ポリエーテルとポ
リエステルとのブロック共重合体を溶融紡糸して得られ
るものである。このポリエーテルエステル系弾性繊維
は,ブロック共重合体中においてポリエーテルがソフト
セグメントとなっており,ポリエステルがハードセグメ
ントとなっているため,この両セグメントによって高伸
縮性が発揮されるのである。
【0009】ここで,ポリエステルとしては,ポリエチ
レンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレー
トが使用され,また,これらを主体とするポリエステル
が使用される。ポリエーテルとしては,ポリエチレング
リコールもしくはポリテトラメチレングリコール等の直
鎖状ポリアルキレングリコールまたはこれらを主体とす
るものが使用される。特に,高伸縮性および耐光性を得
るためには,ポリテトラメチレングリコールを用いるの
が最も好ましい。
【0010】ポリエーテルの重量平均分子量は,500
〜5000であるのが好ましい。ポリエーテルの分子量
が500より少ないと,ポリエーテルエステル系弾性繊
維の伸縮性や耐光性が低下する傾向が生じる。逆にポリ
エーテルの分子量が5000を超えると,ハードセグメ
ントであるポリエステルとのブロック共重合時において
相溶性が低下し,得られるポリエーテルエステル系弾性
繊維の均質性が低下しひいては伸縮性が低下する傾向が
生じる。
【0011】また,ブロック共重合体中におけるポリエ
ーテルとポリエステルとの重量比はポリエーテル/ポリ
エステル=0.65〜4.0/1が好ましい。ポリエーテル
のポリエステルに対する重量比が0.65よりも少なくな
ると,得られるポリエーテルエステル系弾性繊維の伸縮
性が低下する傾向が生じる。逆にポリエーテルの重量比
が4.0を超えると,ブロック共重合体の融点降下が大き
くなって,ポリエーテルエステル系弾性繊維の熱的特性
が低下し,染色加工時もしくは熱処理時等においてポリ
エーテルエステル系弾性繊維が脆化もしくは変質する傾
向が生じる。
【0012】なお,ポリエーテルとポリエステルとのブ
ロック共重合体には,染色性等を改良するために,少量
ならばさらに他の成分が共重合されていてもよい。他の
成分が共重合されると,ハードセグメントであるポリエ
ステルによる結晶構造が乱れ,伸縮性を発現するための
固定点が消失し,伸縮性に悪影響を及ぼすおそれがある
ため,他の成分の共重合量は5モル%以下にするのが好
ましい。
【0013】上で説明したポリエーテルエステル系弾性
繊維の具体的な製造方法としては,例えば,以下のごと
き方法が挙げられる。まず,エステル化反応器にテレフ
タル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールをモル比1/1.
6で仕込み,常圧下で160〜230℃の温度で2〜5
時間のエステル交換反応を行ってポリエステルを得る。
得られたポリエステルを重合缶に移送し,必要量のポリ
テトラメチレングリコールを添加し,次いで,230〜
260℃の温度で1Torr以下の減圧下で1〜5時間重縮
合反応を行い,ポリエステルとポリエーテルとのブロッ
ク共重合体を得る。
【0014】重縮合反応は,一般に重縮合触媒の存在下
で行われる。重縮合触媒としては,チタン化合物,アン
チモン化合物,錫化合物,カルシウム化合物,マンガン
化合物,ゲルマニウム化合物等が用いられる。特に好ま
しい重縮合触媒は,チタン化合物およびアンチモン化合
物である。また,ポリエーテルエステル製造時におい
て,必要に応じて各種安定剤や顔料等を添加してもよ
い。
【0015】以上のようにして得られたブロック共重合
体を溶融紡糸し,延伸もしくは延伸および熱処理してポ
リエーテルエステル系弾性繊維を得る。延伸および熱処
理を施すに際し,延伸後,連続して弛緩熱処理を行え
ば,さらに優れた性能を有するポリエーテルエステル系
弾性繊維を製造することができる。
【0016】次に,このポリエーテルエステル系弾性繊
維を集束した弾性糸条を用いて,製編織して布帛を製造
する。一般的には,この弾性糸条のみを使用して布帛を
得ることは少なく,この弾性糸条とポリエステル繊維等
が集束された非弾性糸条とを任意の形態で組み合わせ
て,製編織して布帛を製造する。例えば,非弾性糸条と
弾性糸条とをエアーにより混繊および交絡して混繊糸条
を得る方法,中空スピンドルにて弾性糸条を芯とし,非
弾性糸条を鞘としてカバリング糸条を得る方法,2フィ
ードタイプの撚糸機を用いて弾性糸条に張力を付与しな
がら非弾性糸条と合撚して合撚糸条を得る方法等によ
り,まず混用糸条を製造し,この混用糸条を用いて製編
織して布帛を得るのである。
【0017】製編の場合の編組織としては,シングルニ
ットやダブルニット等の丸編組織,ラッセルやトリコッ
ト等の経編組織等の従来公知の任意の編組織が採用され
る。また,製織の場合の織組織としては,ツイル織組織
やサテン織組織等が採用される。製織の場合には,混繊
糸条を経糸および緯糸の両方に用いてもよいし,片方の
み混繊糸条を用い,他方を任意の糸条を用いてもよい。
【0018】また,非弾性糸条と弾性糸条とを製編時に
組み合わせてもよい。例えば,非弾性糸条が表側とな
り,弾性糸条が裏側(非弾性糸条による編目の内側)と
なるように添糸編で編地を製編してもよい。このような
添糸編で製編することにより,非弾性糸条が均一に編地
の表側に配置され,弾性糸条が均一に裏側に配置される
ため,紫外線によって弾性糸条を構成するポリエーテル
エステル系弾性繊維が攻撃されにくくなり,ポリエーテ
ルエステル系弾性繊維が脆化しにくくなる。具体的に添
糸編で製編するには,編機の2穴給糸口に弾性糸条と非
弾性糸条とを別個に規則正しく配列し,糸条の張力や編
針に対する糸条の入角度を均一にして行うのが好まし
い。さらに非弾性糸条と弾性糸条とを単に引き揃えて製
編織することも可能である。また,非弾性糸条と弾性糸
条とを別個の給糸口に給糸して,別個の編目を形成する
ようにして製編することも可能である。
【0019】なお,弾性糸条,非弾性糸条または混繊糸
条等の糸条形態としては,マルチフィラメント糸条また
はこのマルチフィラメント糸条が仮撚加工された仮撚加
工糸条,ニット・デ・ニット加工糸条,エアー処理加工
糸条等の形態が採用される。
【0020】ポリエーテルエステル系弾性繊維よりなる
弾性糸条とポリエステル繊維等よりなる非弾性糸条とを
用いて布帛を得る場合,布帛中におけるポリエーテルエ
ステル系弾性繊維の割合は,布帛重量に対して2〜60
重量%の範囲にあるのが好ましく,特に5〜20重量%
の範囲にあるのが最も好ましい。ポリエーテルエステル
系弾性繊維の割合が2重量%未満であると,布帛の伸縮
性が低下する傾向が生じる。ポリエーテルエステル系弾
性繊維の割合が60重量%を超えると,布帛を熱処理す
る際の収縮率が大きくなりすぎたり,布帛重量が重くな
りすぎたり,あるいは布帛表面にいらつきが生じたりす
る傾向がある。
【0021】本発明では,以上のようにして得た布帛に
アゾ系分散染料で染色を施す。アゾ系分散染料は,発色
団として1つ以上のアゾ基−N=N−を有する水不溶性
染料であり,水に分散し,懸濁化された染液によってポ
リエステル繊維等の合成繊維の染色に使用される。本発
明における染色条件は,ポリエーテルエステル系弾性繊
維と交編,交織される繊維により適宜決定すればよい
が,ポリエステル繊維と交編,交織される場合には,染
料の染着性とポリエーテルエステル系弾性繊維の強度低
下を考慮すれば,染色温度は120〜130℃の範囲が
望ましく,染色時間についても,15〜60分の範囲が
望ましい。
【0022】染色後の布帛に,本発明では,縮合時に活
性水素が発生するオルガノポリシロキサンを付与し,1
20〜150℃で熱処理を行う。ここでいう縮合時に活
性水素が発生するオルガノポリシロキサンとは,−Si
−O−Si−結合を有する有機ケイ素高分子体が,触媒
の存在下で加熱されて縮合により網状に樹脂化する際
に,還元力の強い水素を発生するシリコン樹脂をいい,
具体的には,メチルハイドロジェンポリシロキサン,ジ
メチルポリシロキサン,ジエチルポリシロキサン,メチ
ルフェニルポリシロキサン等を挙げることができる。こ
のようなオルガノポリシロキサンは,加熱縮合時に反応
の促進剤となるアルカリ,脂肪酸の金属塩等の触媒が必
要である。
【0023】上記オルガノポリシロキサンは,通常,布
帛重量に対して0.1〜5.0重量%付与するが,特に0.3
〜2.0重量%付与すると,最も好ましい本発明の効果を
得ることができる。ここで付与量が0.1重量%未満であ
ると,染色堅牢度の向上が望めず,逆に5.0重量%を超
えると,布帛の表面がすべりすぎ,風合が大幅に悪化す
るので好ましくない。
【0024】上記オルガノポリシロキサンの付与方法
は,まず,オルガノポリシロキサンを水に乳化分散する
か,または可溶溶剤に溶解した後に,触媒をオルガノポ
リシロキサン重量の1.0〜100%添加して処理浴を調
整し,この処理浴に布帛を浸漬し,マングル等で絞液す
る方法や,ノズル等で布帛に噴霧して付与する方法等,
適宜の方法で行えばよく,本発明では特に限定しない。
【0025】オルガノポリシロキサンの付与後,乾燥
し,熱処理を施す。この熱処理は,オルガノポリシロキ
サンの縮合反応を行うためのものである。本発明では,
この縮合反応時にシロキサン鎖に結合している水素基,
メチル基等が裂断し架橋形成することによって活性水素
を発生し,この活性水素によって繊維表面にブリードし
たアゾ系分散染料を還元し,消色化する。
【0026】熱処理は,乾熱で120〜150℃の温度
範囲で処理しなければならない。ここで温度が120℃
未満であれば,十分な縮合反応を行うことができず,活
性水素による染色堅牢度向上の効果が期待できない。ま
た,温度が150℃を超えると,ポリエーテルエステル
系弾性繊維内部に染着されているアゾ系分散染料の繊維
表面へのブリードが多くなりすぎて,活性水素による染
色堅牢度向上効果が低下するので好ましくない。熱処理
時間は,10〜300秒の範囲で適宜行うとよい。本発
明は,以上の構成を有するものである。
【0027】
【作用】分散染料は,合成繊維を構成している非晶部へ
吸着されて染着するものであり,この非晶部の構造がル
ーズであればあるほど,分散染料は容易に吸着するとと
もに,容易に繊維表面にブリードしやすい性質がある。
ポリエーテルエステル系弾性繊維は,通常のポリエステ
ル繊維に比べてこの非晶部の構造が非常にルーズである
ので,染着された分散染料が繊維表面にブリードしやす
く,このことが染色堅牢度を大きく低下させる原因とな
っている。
【0028】本発明方法のごとく,ポリエーテルエステ
ル系弾性繊維を含む布帛をアゾ系分散染料で染色した後
にオルガノポリシロキサンを付与し,熱処理を行うと,
オルガノポリシロキサン処理時に,繊維の非晶部のブリ
ードしやすいアゾ系分散染料が殆ど繊維表面へサーモマ
イグレーションし,これと同時に,オルガノポリシロキ
サンが縮合して発生する還元力の強い水素によって表面
に移行した染料中の発色団のアゾ基−N=N−が−N−
N−に変化し,消色化するので,非晶部のブリードしや
すい染料が残存しなくなり,従って,高染色堅牢度を有
する伸縮性布帛を得ることができるようになる。
【0029】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定,評価
は,下記の方法で行った。 (1)伸長率および伸長回復率 JIS L−1018 定速伸長法 (2)摩擦染色堅牢度 JIS L−0849 学振形法 (3)洗濯染色堅牢度 JIS L−0844 C−2法
【0030】実施例1 まず,次のようにしてポリエーテルエステル系弾性繊維
を得た。エステル化反応器にテレフタル酸ジメチル19.
4kgおよび1,4−ブタンジオール9.0kgを仕込んで,テ
トラブチルチタネート10gを触媒とし,常圧下210
℃で2時間30分エステル交換反応を行った。得られた
ポリブチレンテレフタレートを重合缶に移送し,ポリテ
トラメチレングリコール(重量平均分子量2000)3
3kgと酸化防止剤(チバガイギー社製品のイルガノック
ス1010)50gを添加して,250℃の温度で3時
間,減圧下で重縮合反応を行った。このようにして得ら
れたポリエステルとポリエーテルのブロック共重合体の
極限粘度〔η〕は2.25であった。このブロック共重合
体を減圧乾燥後,溶融紡糸機にて紡糸温度230℃およ
び吐出量40g/分で溶融紡糸した後,紡出糸条にシリ
コーン系油剤をローラ給油方式で付着させ,1000m
/分の速度で引き取り,未延伸糸を巻き取った。
【0031】次に,この未延伸糸を延伸熱処理機に導入
し,延伸速度200m/分,延伸倍率は延伸域で2.50
倍および弛緩熱処理域で0.70倍,熱処理板温度140
℃,巻取張力1gの条件で,ポリエーテルエステル系弾
性繊維よりなる弾性糸条を得た。この弾性糸条は,50
デニール/3フィラメントであり,弾性回復率は96%
であった。また,このポリエーテルエステル系弾性繊維
の熱水収縮率は33%であった。一方,非弾性糸条とし
ては,通常のポリエステルマルチフィラメント75デニ
ール/36フィラメントを仮撚捲縮加工した仮撚加工糸
条を準備した。この非弾性糸条の熱水収縮率は5%であ
った。
【0032】上述の弾性糸条と非弾性糸条を用い,編地
の表面が無地調で,裏面に凹凸のある鹿の子調の編組織
で,福原精機製のダブルニット機LPJ−H型を用い
て,釜径33吋,ゲージ28Gにて編成し,編地を得
た。この編地に,常法により80℃で10分間のリラッ
クス精練を施し,脱水,乾燥した。
【0033】次に,下記処方1の組成のアゾ系分散染料
液を使用し,株式会社日阪製作所製のサーキュラー液流
染色機を用いて,温度130℃で時間30分間の条件で
染色加工を行った。
【0034】 処方1 Dianix Violet 4RS−FS 400 2.0%o.w.f. (三菱ヘキスト株式会社製,アゾ系分散染料) ニッカサンソルト SN−130 0.5g/リットル (日華化学株式会社製,均染剤) 酢 酸(48%) 0.2cc/リットル
【0035】染色後,下記処方2により,温度80℃,
時間20分間の条件にて還元洗浄を行い,続いて,10
0℃で3分間の乾燥を行った。
【0036】処方2 ハイドロサルファイト 1g/リットル 水酸化ナトリウム 1g/リットル サンモール FL 1g/リットル (日華化学株式会社製,界面活性剤)
【0037】ここで,下記処方3の樹脂加工水溶液に浸
漬し,マングルにて絞り率100%で絞液後,温度10
0℃,時間3分間の乾燥を行い,最後にヒートセッター
にて温度150℃で30秒間の熱処理を行った。 処方3 Apkophob WI 10g/リットル (ヘキストジャパン株式会社製,オルガノポリシロキサ
ンエマルジョン) Catalyst WK 5g/リットル (ヘキストジャパン株式会社製,触媒)
【0038】以上のようにして得られた布帛は,幅13
0cm,目付390g/m2 にて,色相は紺色を呈してい
た。
【0039】本発明との比較のため,本実施例において
処方1に代えて下記処方4を用いるほかは,本実施例と
まったく同一の方法により比較用の伸縮性布帛(比較例
1)を得た。
【0040】 処方4 Dianix Violet HFRL−SE 150 4.0%o.w.f. (三菱ヘキスト株式会社製,アントラキノン系分散染料) ニッカサンソルト SN−130 0.5g/リットル (日華化学株式会社製,均染剤) 酢 酸(48%) 0.2cc/リットル
【0041】また,本発明との比較のため,本実施例に
おいてオルガノポリシロキサンによる処方3の処理工程
を省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により比
較用の伸縮性布帛(比較例2)を得た。本発明および比
較用の伸縮性布帛の性能を測定,評価し,その結果を合
わせて表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
る布帛は,良好な染色堅牢度を有した伸縮性に優れた布
帛であった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法によれば,良好な染色堅牢度
を有し,優れた伸縮性を有する布帛を得ることができ
る。このように優れた性能を有する本発明方法による布
帛は,スポーツ衣料,紳士衣料,婦人衣料,ユニフォー
ム衣料等に好適な素材となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 3/36 D06P 3/36 5/20 5/20 C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートまたはポリ
    ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルをハ
    ードセグメントとし,直鎖状ポリアルキレングリコール
    を主体とするポリエーテルをソフトセグメントとするブ
    ロック共重合体よりなるポリエーテルエステル系弾性繊
    維を含む布帛に,アゾ系分散染料で染色を施した後,縮
    合時に活性水素が発生するオルガノポリシロキサンを付
    与し,120〜150℃で熱処理を行うことを特徴とす
    る高染色堅牢度を有する伸縮性布帛の製造方法。
JP7057460A 1995-03-16 1995-03-16 伸縮性布帛の製造方法 Pending JPH08260367A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003042448A3 (en) * 2001-11-13 2004-04-15 Du Pont Heat-setting method

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003042448A3 (en) * 2001-11-13 2004-04-15 Du Pont Heat-setting method

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