JPH08259577A - 含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法 - Google Patents
含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法Info
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- JPH08259577A JPH08259577A JP6110295A JP6110295A JPH08259577A JP H08259577 A JPH08259577 A JP H08259577A JP 6110295 A JP6110295 A JP 6110295A JP 6110295 A JP6110295 A JP 6110295A JP H08259577 A JPH08259577 A JP H08259577A
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Abstract
グ性および耐スコーチ性を付与しうる作業性良好な含ハ
ロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 オキシ塩化リンとアルキレングリコールとを
1.5〜3.0:1.0のモル比で反応させ、次いで反
応液中に存在する塩酸と未反応のオキシ塩化リンを除去
した後に、その反応生成物にアルキレンオキシドを反応
させる一般式(1): 【化1】 〔式中、Rは水素原子、またはアルキル基もしくはクロ
ロアルキル基、Yは−(CH2 )X −(xは3〜6の整
数)または−CH2 CH2 (OCH2 CH2 )ZOCH
2 CH2 −(zは0〜3の整数)、nは0〜5の整数〕
の含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法。
Description
酸エステルの製造方法に関し、詳しくは、ポリウレタン
フォームに難燃性と極めて低いフォギング性を付与する
含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法に関する。
ン樹脂は、比較的安価に得られ、かつ成形が容易である
などの優れた特性を有するため、自動車部品をはじめ、
生活用品全般にわたり広く使用されている。しかし、ポ
リウレタンフォームは可燃性で一度の着火で制御不能の
燃焼を起こす性質があり、その難燃化のためにこの業界
では様々な努力が重ねられてきた。また、今日では自動
車内装品等、ポリウレタンフォームの利用分野の一部で
は法律で難燃化が義務づけられている。さらに、近年環
境問題が社会的にもクローズアップされ、ダイオキシン
問題やフロン問題が騒がれている中、ポリウレタンフォ
ームの自動車部品においても難燃性の他にフォギング性
が問題視されている。
ためには、例えば我々の特開昭48−96649で提供
される含ハロゲン系縮合リン酸エステルを添加する方法
がとられている。しかしながら、そこで開示された方法
で得られる含ハロゲン系縮合リン酸エステルは、約10
〜20wt%のトリス(クロロエチル)ホスフェートや
トリス(クロロプロピル)ホスフェート等のモノマー成
分と、ある種のオリゴマー成分を含むことが分かった。
ルを難燃剤として使用する場合に、上記のモノマー成分
は、熱により飛散しやすく、フォギング性に悪影響を及
ぼすため、出来るだけ少量であることが望まれる。一
方、オリゴマー成分は、低分子のモノマーが存在する含
ハロゲン系縮合リン酸エステルの粘度に影響を及ぼし、
ある程度のオリゴマーは作業性にプラスの効果を及ぼ
す。しかし、オリゴマーの分子量が高くなりすぎると作
業性にマイナスの効果を及ぼし、適宜な分子量であるこ
とが望まれる。
ム用難燃剤において、モノマー成分が少量の低フォギン
グ性で、かつ作業性良好な粘度を有する含ハロゲン系縮
合リン酸エステルが望まれていた。
な先行技術の欠点を解決するため、ポリウレタンフォー
ムに難燃性、低フォギング性および耐スコーチ性を付与
しうる作業性良好な含ハロゲン系縮合リン酸エステルの
製造方法を提供することを目的とする。具体的には、合
成する際、必要以上に縮合度を上げず、低粘度で作業性
が良く、かつモノマー成分の含有量を低減させる含ハロ
ゲン系縮合リン酸エステルの製造方法を提供することを
目的とする。
ロゲン系リン酸エステルの合成反応について種々検討
し、以下の知見を得た。含ハロゲン系縮合リン酸エステ
ルの合成に用いられるオキシ塩化リンとアルキレングリ
コールの反応は、一般のハロゲン化反応で行われるよう
に、ハロゲン化剤を過剰に用いて反応させても、モル当
量の反応が完了せず、ハロゲン化剤のオキシ塩化リンが
残存してしまう。これは、オキシ塩化リンとアルキレン
グリコールの反応で、アルキレングリコールの1つの水
酸基にオキシ塩化リンが置換されると、これが他の分子
のアルキレングリコールの水酸基と反応が起こり、順次
起こるオリゴマーエステルの生成が避けられないためと
考えられる。
分子量が高くなるにつれて、粘度が上昇し、次のアルキ
レンオキシドとの反応時の作業性を低下させるのみなら
ず、アルキレンオキシドとの反応で生じたエステルは、
難燃剤としてポリマーに添加する時の作業性を低下させ
る要因となる。また、残存する未反応のオキシ塩化リン
は、アルキレンオキシドとの反応を経て製品に混在した
場合、低沸点のエステルとなり、フォギング性を悪化さ
せる要因となる。
ン酸エステルを合成する際、従来連続的に行っていた反
応段階をオキシ塩化リンとアルキレングリコールの第1
反応と、生成されたエステルとアルキレンオキシドの第
2反応の2工程に分け、第2反応前に、反応液中に存在
する未反応のオキシ塩化リンを除去することにより、式
(2)で示される製品中のモノマー成分が約6wt%以
下(従来の約1/2)に低減され、フォギング性が向上
することを見出した。
もしくはクロロアルキル基) 前記手法により合成される難燃剤は、モノマー成分が低
減されるため、製品粘度は増加する。オリゴマー生成
は、反応機構上、完全に抑制することは不可能であるも
のの、オキシ塩化リンとアルキレングリコールとの反応
比を変化させることにより、生成量および重合度をある
程度制御できることが一般に知られている。そこで作業
性が良好に保たれる製品粘度が得られるように、オキシ
塩化リンの反応量を設定する。
ンとアルキレングリコールとを1.5〜3.0:1.0
のモル比で反応させ、次いで反応液中に存在する塩酸と
未反応のオキシ塩化リンを除去した後に、その反応生成
物にアルキレンオキシドを反応させる一般式(1):
もしくはクロロアルキル基、Yは−(CH2 )X −(x
は3〜6の整数)または−CH2 CH2 (OCH2 CH
2 )ZOCH2 CH2 −(zは0〜3の整数)、nは0
〜5の整数〕の含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造
方法が提供される。以下に本発明の具体的な反応工程を
説明する。
2 )X −(Xは3〜6の整数)または−CH2 CH
2 (OCH2 CH2 )Z OCH2 CH2 −(Zは0〜3
の整数)〕で示される第1反応において、オキシ塩化リ
ンとアルキレングリコールを連続的に反応させると、発
熱反応で塩酸を生成する。その際、原料であるオキシ塩
化リンが系内に未反応のまま残存する。未反応のまま残
存するオキシ塩化リンは、第2反応でアルキレンオキシ
ドと反応し、低分子量のリン酸エステルのモノマーを生
成し、フォギング性、難燃性能を低下させる。
未反応のオキシ塩化リンとを減圧下で除去する。すなわ
ち、第1反応にて、オキシ塩化リンとアルキレングリコ
ールを1.5〜3.0:1.0のモル比、好ましくは
1.7〜1.8:1.0のモル比で連続的に反応槽に供
給する。オキシ塩化リンがこの範囲外の場合、オリゴマ
ー成分の生成量の増減および重合度の変化で製品粘度が
変化し、作業性が低下する。
20℃で、生成する熱は反応槽に付属したジャケットま
たはコイルに冷媒を通し除去する。生成される縮合型ホ
スホロクロリデートは熱に不安定であり、出来るだけ低
温でかつ短時間に塩酸と残存するオキシ塩化リンを除去
することが求められる。そこで、脱塩化水素を温度15
〜20℃、真空度10〜50torrにて行い、次いで
窒素を5〜15m3 /時間で吹き込み、塩酸の除去を早
めると共にオキシ塩化リンを除去する。窒素吹き込み終
了後、温度20℃以下、真空度1〜10torrで塩酸
とオキシ塩化リンを除去する。
り、温度16〜20℃、真空度1〜10torrの範囲
内で、第1反応液中の塩酸とオキシ塩化リンの残存量を
最小にすることができる。反応に使用されるアルキレン
グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール等があるが、勿論これのみに限定される
ものではない。
もしくはクロロアルキル基、Yは−(CH2 )X −(x
は3〜6の整数)または−CH2 CH2 (OCH2 CH
2 )ZOCH2 CH2 −(zは0〜3の整数)、nは0
〜5の整数〕で示される第2反応において、含ハロゲン
系縮合リン酸エステルを半連続的に製造する。
デートとアルキレンオキシドを反応させ、目的物である
含ハロゲン系縮合リン酸エステルを得るが、この反応も
第1反応と同様、発熱を伴う。縮合型ホスホロクロリデ
ートは熱に弱く不安定なため、第2反応は、受熱時間が
長くなる回分式反応より連続反応が好ましい。受熱時間
が長くなると縮合型ホスホロクロリデートが熱分解し、
好ましくない副反応を伴う。一方、連続反応では、縮合
型ホスホロクロリデートの受熱時間は短くなり、熱分解
及び好ましくない副反応の生起率は、回分式に比べ格段
に少なくなる。
四塩化チタンを使用することができる。添加量は、縮合
型ホスホロクロリデート1モルに対して約5〜15ミリ
モル、好ましくは9〜13ミリモルである。反応に使用
されるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロ
ロヒドリン等があるが、勿論これのみに限定されるもの
ではない。
従って算出する。
(g)、Bは縮合型ホスホロクロリデートの塩素含有率
(%)、Cはアルキレンオキシドの分子量、35.5は
塩素の原子量] アルキレンオキシドの実際の使用量は、理論使用量乃至
理論使用量の10wt%過剰、好ましくは理論使用量の
2〜6wt%過剰である。6wt%以上の過剰量では、
反応完結に必要な熟成時間を短縮できる利点があるが、
一方、アルキレンオキシドの使用量を増加させるため経
済的に不利である。反応温度は40〜80℃、好ましく
は60〜70℃である。40℃以下の温度では、反応の
進行が非常に遅くなり実用的でなくなり、80℃以上の
温度では、反応液の着色や副反応物の増加などの現象が
起き、高品位の製品を得ることが出来なくなる。
は、原料を経済的に使用して工業的規模の反応で10〜
20時間の範囲にあり、例えば、縮合型ホスホロクロリ
デートに対してプロピレンオキシドを5%モル過剰に使
用して反応温度を55〜60℃で連続反応を行った場
合、良好な品質をもった生成物を得るための滞留時間は
12〜15時間である。
および脱水工程を経て製品化される。洗浄工程は一般に
公知の方法で行われ、回分法、連続法いずれの方法でも
行うことができる。具体的には、反応混合物を硫酸、塩
酸などの鉱酸溶液で洗浄した後、アルカリ洗浄および水
洗浄して減圧下にて脱水する。あるいは、反応混合物を
鉱酸で洗浄することなく、アルカリ洗浄し、生成した水
に不溶のチタン化合物(触媒成分)を濾過あるいは遠心
分離で除去し、水洗浄し減圧下で脱水する。
フォーム用難燃剤は、一例として、ポリウレタンフォー
ムの原料であるポリオール100重量部に対し、式
(1)の含ハロゲン系縮合リン酸エステル0.1〜60
重量部と、必要に応じて難燃性可塑剤として作用する非
反応性有機リン化合物0〜40重量部とペンタエリスリ
トールのブロムヒドリン化合物0〜50重量部、および
酸化防止剤0〜5重量部の組成で使用される。
形成の原料として使用されるものであれば特に限定され
ないが、一分子当たり約2〜8個の水酸基を含有し、約
250〜6500の分子量を有するポリエステルポリオ
ールおよびポリエーテルポリオール等のポリオールが好
適に用いられる。分子量が250より小さい場合は、活
性が強くウレタンフォーム形成に適さず、分子量が65
00より大きい場合は、粘度が高くなり作業性が悪くな
る。
オール;およびソルビトール、スクロース、またはエチ
レンジアミン等のアミン類等を開始剤としてエチレンオ
キシドおよび/またはプロピレンオキシドを重合させた
ポリオール等が挙げられる。具体的には、ポリオキシエ
チレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等
のジオール;ポリオキシエチレングリセロール、ポリオ
キシプロピレングリセロール、ポリ(オキシエチレン)
ポリ(オキシプロピレン)グリセロール、ポリオキシエ
チレンネオヘキサントリオール、ポリオキシプロピレン
ペンタネオヘキサントリオール、ポリ(オキシエチレ
ン)ポリ(オキシプロピレン)ネオヘキサントリオー
ル、ポリ(オキシプロピレン)1,2,6−ヘキサント
リオール、およびポリオキシプロピレンアルカノール等
のトリオール;ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプ
ロピレン)エチレンジアミン;ポリオキシエチレンソル
ビトール、ポリオキシプロピレンソルビトール等のヘキ
ソール;ポリオキシエチレンスクロース、ポリオキシプ
ロピレンスクロース等のオクトール;およびこれらの混
合物等が挙げられる。さらに、特殊グレードとして市販
されているメラミンまたはポリリン酸アンモニウムが分
散された、ポリオールおよび含リンポリオール等も使用
されうる。好ましくは、ポリ(オキシエチレン/オキシ
プロピレン)トリオール類で平均分子量が約250〜約
6500の範囲のポリエーテルポリオールが挙げられ
る。
熱により飛散しやすいことから平均分子量350以上の
ものが好ましい。具体的には、トリス(ジクロロプロピ
ル)ホスフェート、アンチブレーズ78〔塩素化ポリホ
スホネート〕(A&W社製)、サーモリン101〔テト
ラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート〕
(オーリン社製)、フォースガード2XC20〔2,2
ビス(クロロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロ
エチル)ジホスフェート〕(モンサント社製)、CR−
530、CR−570、CR−509〔含ハロゲン系ホ
スフェートホスホネートオリゴマーエステル〕(大八化
学社製)、CR−504、CR−505〔含ハロゲン系
ジホスフェートオリゴマーエステル〕(大八化学社
製)、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート等が挙げられる。
合物は、具体的には、ジブロモネオペンチルグリコー
ル、トリブロモネオペンチルアルコールなどであり、融
点をもつ固体である。これらは、加熱撹拌により、液体
とすることができ、更に常温に戻しても液状を保つこと
ができる。酸化防止剤としては、式(3):
それぞれ水素原子またはC1〜C14のアルキル基)で
示されるヒドロキノン化合物および/または3価の有機
リン化合物が挙げられる。上記ヒドロキノン化合物の具
体例としては、ヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミル
ヒドロキノン、2,5−ジオクチルヒドロキノン、t−
アミルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、オクチ
ルヒドロキノン等が挙げられ、特に耐熱性に優れたヒド
ロキノン化合物として、2,5−ジ−t−アミルヒドロ
キノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン等が挙げ
られる。
は、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、テトラキス−(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホ
スホナイト等の化合物が挙げられる。
ームの製造方法の一例を示す。すなわち、ポリオールと
トルエンジイソシアネート(TDI)の反応に、触媒、
水または発泡剤、分散剤等の共存下、上記組成物を添
加、撹拌加熱して製造する。TDIとしては、2,4お
よび2,6−トルエンジイソシアネートの異性体を含
み、これらの異性体の濃度は制限的でない通常80/2
0TDIの比率が約80〜120のインデックスを有す
るのが好ましい。
チレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N−エチ
ルモルホリン等)を用いることができる。発泡剤として
は、水、フロロカーボン、メチレンクロライド等のよう
な低沸点化合物を用いることができる。分散剤として
は、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型など
の非イオン性界面活性剤が使用できる。具体例として
は、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ア
ミル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシ
ル、トリデシル)およびアリール(フェニル、トリル、
キシリル、ビフェニル、ナフチル)ポリオキシエチレン
エーテル、アルキルアリールホルムアルデヒド縮合ポリ
オキシエチレンエーテル、グリセリンエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、プロピレングリコールエステル、ポリグリセ
リン、ソルビタンエステル、脂肪酸モノグリセリド、お
よびこれらの混合物等が挙げられる。
ルを合成する際の反応段階をオキシ塩化リンとアルキレ
ングリコールの第1反応と、生成されたエステルとアル
キレンオキシドの第2反応の2工程に分け、第2反応前
に、反応液中に存在する未反応のオキシ塩化リンを除去
することにより、必要以上に縮合度を上げず、低粘度で
作業性が良く、かつ飛散および分解の発生原因となるモ
ノマー成分およびポリマー成分の含有量の少ない含ハロ
ゲン系縮合リン酸エステルを提供する。モノマー成分は
約6wt%以下(従来の約1/2)に低減され、フォギ
ング性が向上する。すなわち、本発明は、難燃性、高い
熱安定性、耐スコーチ性および低フォギング性を付与し
うる作業性良好なポリウレタンフォーム用難燃剤の製造
方法を提供する。
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。 実施例1 (第1反応)攪拌機、温度計、滴下漏斗および水スクラ
バーを連結したコンデンサーを装着した4つ口フラスコ
に、オキシ塩化リン282.4g(1.8モル)を充填
し、滴下漏斗のジエチレングリコール106g(1.0
モル)を16〜18℃にて1時間で滴下した。滴下終了
後、同温で1時間熟成反応させた。次いで窒素を流量1
0m3 /時間、真空度400torrで6時間吹き込
み、塩酸とオキシ塩化リンを除去し、縮合型ホスホロク
ロリデート307.1gを得、塩素%は37.1%であ
った。 (第2反応)触媒として四塩化チタン1.6g(8.4
ミリモル)を添加した縮合型ホスホロクロリデートと、
プロピレンオキシド199.3g(3.4モル)とを5
0〜55℃で連続的に反応させた。第1反応槽に第1反
応の縮合型ホスホロクロリデートと四塩化チタンをチュ
ーブ式定量ポンプで供給した。プロピレンオキシドは流
量計を通じて反応液中に連続的に反応させ、2時間熟成
反応を行った。
ず、反応液に炭酸カルシウと水を添加することにより中
和し、80℃で攪拌混合した後、混合液を濾過して固形
成分(触媒成分)を除去した。次いで水洗浄、真空脱水
で製品を得た。得られた製品は、酸値0.1以下、粘度
900cps(25℃)、モノマー成分3.0wt%
で、構造式はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)分
析の結果、式(4)が得られた。
1に示す。 式(4):
2.4g(1.8モル)とジエチレングリコール106
g(1.0モル)を16〜18℃で反応させ、同温で1
時間熟成反応させた。次いで脱塩化水素を真空度15t
orrで3時間行い、更に窒素を流量10m3 /時間、
真空度200torrで4時間吹き込み、塩酸とオキシ
塩化リンを除去し、縮合型ホスホロクロリデート30
1.7gを得、塩素%は36.1%であった。
実施例1に記載された方法で第2反応、後処理を行っ
た。得られた製品のモノマー成分は、1.4wt%であ
った。第1反応条件、製品の組成および物性を表1に示
す。 実施例3 実施例1と同様の装置を用いて、オキシ塩化リン28
2.4g(1.8モル)とジエチレングリコール106
g(1.0モル)を16〜18℃で反応させ、同温で3
時間熟成反応させた。次いで脱塩化水素を真空度10t
orrで6時間行い、更に窒素を流量10m3 /時間、
真空度10torrで2時間吹き込み、塩酸とオキシ塩
化リンを除去し、縮合型ホスホロクロリデート307.
0gを得、塩素%は37.0%であった。
実施例1に記載された方法で第2反応、後処理を行っ
た。得られた製品のモノマー成分は、3.0wt%であ
った。第1反応条件、製品の組成および物性を表1に示
す。 比較例1 (従来の製造方法)実施例1と同様の装置を用いて、オ
キシ塩化リン282.4g(1.8モル)とジエチレン
グリコール106g(1.0モル)を16〜18℃で反
応させ、同温で4時間熟成反応させた。次いで脱塩化水
素を真空度50torrで2.5時間行い、塩酸を除去
し、縮合型ホスホロクロリデート318.4gを得、塩
素%は38.4%であった。
実施例1に記載された方法で第2反応、後処理を行っ
た。得られた製品のモノマー成分は、10.1wt%で
あった。第1反応条件、製品の組成および物性を表1に
示す。 比較例2 実施例1と同様の装置を用いて、オキシ塩化リン21
4.7g(1.4モル)とジエチレングリコール106
g(1.0モル)を16〜18℃で反応させ、同温で4
時間熟成反応させた。次いで脱塩化水素を真空度50t
orrで2.5時間行い、塩酸を除去し、縮合型ホスホ
ロクロリデート277.5gを得、塩素%は37.7%
であった。
実施例1に記載された方法で第2反応、後処理を行っ
た。得られた製品のモノマー成分は、5.3wt%であ
った。第1反応条件、製品の組成および物性を表1に示
す。
作業性の難易を示す。表1より製品組成は、本発明によ
る製造法のほうが、モノマー成分とポリマー成分が共に
少なく、粘度が低いことがわかる。次に上記処方で得ら
れた難燃性組成物のフォギング性の試験を行った。 (低フォギング性難燃ポリウレタンフォームの製造) 処方(部は重量部) ポリオール(三井東圧化学社製、ポリエーテルポリオール、分子量3000) : 100部 イソシアネート(三井東圧化学社製、トルレンジイソシアネート 42,4/2,6 80/20):59.5部 シリコン油(信越シリコン株式会社 商品名F-242T) : 1.2部 錫系触媒(三共有機合成株式会社 商品名STANN BL) : 0.3部 アミン系触媒(花王株式会社 商品名カオライザーNO.1) : 0.1部 水 : 4.5部 メチレンクロライド :所要部 難燃剤 :所要部 上記の処方でワンショット法によって軟質ウレタン発泡
体を製造した。 (ポリウレタンフォームの製造法)ポリオール、シリコ
ン油、触媒、水および難燃剤を上記の処方に示した数量
を配合し、3000rpmの回転数を持つ撹拌機で1分
間撹拌して均一に混和した後、イソシアネートを加え、
さらに3000rpmで5〜7秒間撹拌後、内容物を手
早く正方形のボール箱に注いだ。直ちに発泡が起こり、
数分後最大の容積に達した。このものを更に30分間8
0℃の炉内で硬化せしめた。得られた発泡体は、白色軟
質通気泡型セル組織であった。
料を切り取り、フォギング性の試験において、DIN7
5201(欧州のフォギングテスト法)に基づき温度1
10℃、3および16時間で、ガラスへの付着量の測定
を行った。また物性においては、密度(JIS K−7
222)〔kg/m3 〕と通気度(JIS L−100
4,ASTM D−737−46)〔ml/cm2 /s
ec〕の測定を行った。
す。表2より、リン酸ポリエステル中のモノマー成分含
有率が高い程、フォギング性能は悪くなり、またポリマ
ー成分含有率が高い程、分解しやすく、アミン塩を形成
しやすくなりフォギング性は悪くなるといえる。
リン酸エステルのモノマー成分およびポリマー成分含有
率を低下させ、低フォギング性、耐スコーチ性および作
業性の良好なポリウレタンフォーム用難燃剤の製造方法
を提供する。
Claims (2)
- 【請求項1】 オキシ塩化リンとアルキレングリコール
とを1.5〜3.0:1.0のモル比で反応させ、次い
で反応液中に存在する塩酸と未反応のオキシ塩化リンを
除去した後に、その反応生成物にアルキレンオキシドを
反応させる一般式(1): 【化1】 〔式中、Rは水素原子、またはアルキル基もしくはクロ
ロアルキル基、Yは−(CH2 )X −(xは3〜6の整
数)または−CH2 CH2 (OCH2 CH2 )ZOCH
2 CH2 −(zは0〜3の整数)、nは0〜5の整数〕
の含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 含ハロゲン系縮合リン酸エステルを製造
する際に含有する式(2)のリン酸エステルが、6wt
%以下であることを特徴とする請求項1に記載の含ハロ
ゲン系縮合リン酸エステルの製造方法。 式(2): 【化2】 (式中、Rは水素原子、またはアルキル基もしくはクロ
ロアルキル基)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7061102A JP2862490B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 含ハロゲン系縮合リン酸エステルの製造方法 |
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