JP6393621B2 - 樹脂用難燃剤、それを含む難燃性樹脂組成物および有機リン化合物の製造方法 - Google Patents

樹脂用難燃剤、それを含む難燃性樹脂組成物および有機リン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂用難燃剤、それを含む難燃性樹脂組成物および有機リン化合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、樹脂用難燃剤、特にポリウレタンフォームを難燃化する際の添加型難燃剤として優れた難燃性を発揮し、しかもその持続性において経時変化が少なく、耐フォギング性(低揮発性)に優れ、揮発性有機化合物(VOC)、低分子量の単量型化合物が少ないポリホスホネ一トホスフェートタイプの有機リン化合物を主成分とする樹脂用難燃剤およびそれを含む難燃性樹脂組成物ならびに有機リン化合物の製造方法に関する。
樹脂に難燃性を付与するためには、樹脂成形品の調製時に難燃剤を添加する方法が採用されている。難燃剤としては、無機化合物、有機リン化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物などがあり、有機ハロゲン化合物およびハロゲン含有有機リン化合物が優れた難燃効果を発揮する。良好な難燃効果が得られる難燃剤として、有機リン化合物、特に有機リン酸エステル類、ハロゲン含有有機リン酸エステル類が汎用されている。
このようなハロゲン含有有機リン酸エステル類については、例えば、米国特許第3192242号明細書(特許文献1)、特公昭49−43272号公報(特許文献2)、特開昭56−36512号公報(特許文献3)および特開平11−100391号公報(特許公報4)などに記載されている。
種々の樹脂の中でも、ポリウレタン樹脂の発泡体(ポリウレタンフォーム)は可燃性であるため、その用途に制限があり、近年ポリウレタンフォームの難燃化のために様々な研究がなされてきたが未だ充分ではない。
一般にポリウレタンフォーム用難燃剤としては次のような諸条件が要求される。
(1)スコーチ(フォームの焼け)が起らないこと
(2)フォームの難燃性の持続性があること
(3)粘度が適度であること
(4)フォーム成分との混和性がよいこと
(5)加水分解し難いこと
(6)煙や毒ガスを減少させること
(7)フォームの物性を劣化させないこと
(8)耐フォギング性に優れること
(9)VOC、低分子量の単量型化合物が少ないこと
上記の諸条件の中で、ポリウレタンフォームでは、スコーチが起らないこと、難燃性が良好でしかも物性劣化が少ないこと、耐フォギング性に優れること、VOC、低分子量の単量型化合物が少ないことが特に要求される。特に近年では、耐フォギング性およびVOC、低分子量の単量型化合物の要求が高まっている。
従来からポリウレタンフォーム用難燃剤として、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、卜リス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートなどが使用されていた。
卜リス(2−クロロエチル)ホスフェートおよびトリス(ジクロロプロピル)ホスフェートのような有機リン化合物は、ポリウレタンフォームに配合された場合、初期には難燃効果を発揮するが、経時変化と共に難燃効果が著しく低下し、耐フォギング性が悪く、VOC、低分子量の単量型化合物も多いという問題がある。これは、これら有機リン化合物の分子量が小さく、難燃剤が揮発するためであると考えられる。
また、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートは、難燃性およびその持続性の点で優れているが、耐熱性に劣り、ポリウレタンフォームに添加した場合には、フォーム製造時にスコーチが生じ、好ましくない。
さらに、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートは、ポリエステル繊維用難燃剤としても使用されていたが、発ガン性の疑いから、現在では使われていない。
近年では、一分子中にリン原子を2個有する化合物、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート)(特許文献1参照)およびテトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート(特許文献2参照)がポリウレタンフォーム用難燃剤として注目されてきた。しかし、これらの化合物は、難燃性およびその持続性の点で充分ではなく、また製造時に塩素ガスを使用する必要があり、製造面で問題がある。
そこで、これらを改良するために、トリス〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル(ジメチル)メチル〕ホスフェート、2−クロロエチルビス〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル(ジメチル)メチル〕ホスフェートが検討されてきた(特許文献3および4参照)。
しかしながら、これらの化合物は、製造工程において副生されるトリス(2−クロロエチル)ホスフェートなどのリン化合物単量体を多く含み、耐フォギング性、VOCおよび低分子量の単量型化合物の低減の要求に充分に応えるものではなく、そのようなハロゲン含有有機リン化合物およびその製造方法の開発が所望されていた。
米国特許第3192242号明細書 特公昭49−43272号公報 特開昭56−36512号公報 特開平11−100391号公報
本発明は、樹脂用難燃剤、特にポリウレタンフォームを難燃化する際の添加型難燃剤として優れた難燃性を発揮し、しかもその持続性において経時変化が少なく、耐フォギング性に優れ、VOCおよび低分子量の単量型化合物が少ないポリホスホネ一トホスフェートタイプの有機リン化合物を主成分とする樹脂用難燃剤およびそれを含む難燃性樹脂組成物ならびに有機リン化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、低分子量の単量型化合物、すなわちリン酸エステル単量体の含有量を低減したポリホスホネートホスフェートタイプの有機リン化合物が、樹脂、特にポリウレタンフォーム用難燃剤の諸条件の大半を満たす、優れた難燃剤であること、およびその有機リン化合物の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、一般式(I):
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基であり、Z1およびZ2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基であり、nは0〜10である)
で示される有機リン化合物を含有する樹脂用難燃剤において、
前記有機リン化合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したときに、前記一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ前記一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.5である樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明によれば、上記の樹脂用難燃剤と樹脂とを含有する難燃性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、
工程(1)として、一般式(a):
(式中、R1およびR2は一般式(I)と同義であり、R5は炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基である)
で示される化合物(a)、一般式(b):
(式中、Z1およびZ2は一般式(I)と同義である)
で示される化合物(b)および一般式(c):
(式中、R3およびR4は一般式(I)と同義であり、Xはハロゲン原子である)
で示される化合物(c)を、前記化合物(a)1モルに対して前記化合物(c)を1.5〜3.5モルの割合とし、さらに前記化合物(c)1モルに対して前記化合物(b)を1.3〜2.0モルの割合で、−20〜60℃の温度で反応させて、一般式(d):
(式中、R1、R2、R3、R4、Z1、Z2およびnは一般式(I)と同義である)
で示される化合物(d)を得る工程、
次いで、工程(2)として、前記工程(1)で得られた化合物(d)を酸化剤で酸化して、前記一般式(I)で示され、GPCで測定したときに、前記一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ前記一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.5である有機リン化合物を得る工程
を含む有機リン化合物の製造方法が提供される。
本発明によれば、樹脂用難燃剤、特にポリウレタンフォームを難燃化する際の添加型難燃剤として優れた難燃性を発揮し、しかもその持続性において経時変化が少なく、耐フォギング性に優れ、VOCおよび低分子量の単量型化合物が少ないポリホスホネ一トホスフェートタイプの有機リン化合物を主成分とする樹脂用難燃剤およびそれを含む難燃性樹脂組成物ならびに有機リン化合物の製造方法を提供することができる。
本発明の樹脂用難燃剤は、主成分の一般式(I)の有機リン化合物の揮発性が非常に小さく、樹脂に添加、特に所定の処方により発泡前のポリウレタンフォーム成分に添加することにより優れた難燃効果を発揮する。得られたポリウレタンフォームは、後述するように、MVSS−302などの燃焼性試験法により優れた難燃性および耐フォギング性(低揮発性)を示し、揮発成分が非常に少ない。
本発明の樹脂用難燃剤は、次のいずれか1つの条件:
・有機リン化合物をGPCで測定したときに、一般式(I)におけるn=1の化合物の含有量が10〜50面積%である、および
・一般式(I)における平均縮合度(N)が1.8〜3.0である
を満たすときに、上記の効果をさらに発揮する。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、次のいずれか1つの条件:
・樹脂が、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂および合成ゴムから選択される樹脂である、特にポリウレタン樹脂がポリウレタンフォームである、および
・樹脂100重量部に対して前記樹脂用難燃剤を1〜40重量部含有する
を満たすときに、上記の効果をさらに発揮する。
さらに、本発明の有機リン化合物の製造方法は、次のいずれか1つの条件:
・有機リン化合物をGPCで測定したときに、一般式(I)におけるn=1の化合物の含有量が10〜50面積%である、および
・一般式(I)における平均縮合度(N)が1.8〜3.0である
を満たすときに、上記の効果をさらに発揮する。
本発明の樹脂用難燃剤の難燃持続性を示す図である。 本発明の樹脂用難燃剤のリン原子含有量維持率を示す図である。
本発明の樹脂用難燃剤は、一般式(I):
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基であり、Z1およびZ2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基であり、nは0〜10である)
で示される有機リン化合物を含有する樹脂用難燃剤において、
前記有機リン化合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したときに、前記一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ前記一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.5であることを特徴とする。
なお、本発明において数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下を意味する。
以下、[1]本発明の樹脂用難燃剤に含まれる一般式(I)で示される有機リン化合物(以下、「有機リン化合物(I)」ともいう)、[2]有機リン化合物(I)の製造方法および[3]本発明の難燃性樹脂組成物の順に説明する。
[1]有機リン化合物(I)
本発明の樹脂用難燃剤に含まれる有機リン化合物(I)は、一般式(I)で示される。
一般式(I)における置換基R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基であり、炭素数1〜4のアルキル基またはハロアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のハロアルキル基がさらに好ましい。
ハロアルキル基のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、塩素および臭素が好ましく、塩素が特に好ましい。
置換基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、へキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基:クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロイソプロピル、ジクロロプロピル、ジクロロイソプロピル、クロロブチル、ジクロロブチル、ジクロロイソブチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモイソプロピル、ジブロモプロピル、ジブロモイソプロピル、ブロモブチル、ジブロモブチル、ジブロモイソブチル、ブロモクロロプロピル、ブロモクロロイソプロピル、ブロモクロロブチル、ブロモクロロイソブチルなどのハロアルキル基が挙げられる。
これらの中でも、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロイソプロピル、ジクロロプロピル、ジクロロイソプロピル、クロロブチル、ジクロロブチル、ジクロロイソブチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモイソプロピル、ジブロモプロピル、ジブロモイソプロピル、ブロモブチル、ジブロモブチル、ジブロモイソブチル、ブロモクロロプロピル、ブロモクロロイソプロピル、ブロモクロロブチル、ブロモクロロイソブチルなどの炭素数1〜4のハロアルキル基がより好ましく、クロロエチル、クロロプロピル、クロロイソプロピル、ジクロロプロピル、ジクロロイソプロピルが特に好ましい。
一般式(I)における置換基Z1およびZ2は、それぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基である。
一般式(I)における繰り返し単位数nは0〜10であり、有機リン化合物(I)を構成する成分としての化合物は、nが0〜10である化合物の混合体であるが、n値が異なり、縮合度が異なっていても、基本的に樹脂用難燃剤としての特性は殆んど同じである。
このように一般式(I)におけるnは、0〜10を取り得るが、樹脂用難燃剤および難燃性樹脂組成物としての作業性や得られる効果を考慮するならば、粘度が適度である必要がある。
また、耐フォギング性に優れ、リン酸エステル単量体が少ない樹脂用難燃剤とするためには、有機リン化合物(I)の主成分となる化合物のnが1〜5のいずれかであるのが好ましく、1〜3のいずれかであるのが特に好ましい。
具体的な繰り返し単位数nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10であり、1、2、3、4および5が好ましく、1、2および3が特に好ましい。
ここで、主成分とは、有機リン化合物(I)を構成する成分のうち、最も含有量が多い成分を意味する。
したがって、本発明の樹脂用難燃剤に含まれる有機リン化合物(I)は、それを後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)で測定したときに、一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.5である。
具体的なn=0の化合物の含有量(面積%)は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3.0などである。
有機リン化合物(I)には、一般式(I)におけるn=0の化合物、すなわち単量型リン酸エステルが含まれていないのが最も好ましいが、その製造工程において副生することから、一般式(I)におけるn=0の化合物は、GPC測定において0.1〜3.0面積%であれば含まれていてもよい。
また、上記の理由から、一般式(I)におけるn=1の化合物の含有量は、GPC測定において10〜50面積%であるのが好ましい。その上限は45面積%がより好ましく、40面積%がさらに好ましい。またその下限は15面積%がより好ましく、20面積%がさらに好ましい。
具体的なn=1の化合物の含有量(面積%)は、例えば、10、15、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45および50などである。
以上のことから、有機リン化合物(I)の平均縮合度(N)は、1.5〜3.5である。その上限は3.0がより好ましい。またその下限は1.8がより好ましく、2.0がさらに好ましい。
具体的な平均縮合度(N)は、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4および3.5などである。
平均縮合度(N)は、GPC測定におけるn=0〜10の各成分のGPC面積分率(An)を用いて次式により求めることができる。
N=Σ(n・An)/Σ(An
GPC測定による有機リン化合物(I)のn=0〜10の各化合物(成分)の含有量は、例えば、次のようにして分析(測定)することができる。
具体的には、試料0.09gにテトラヒドロフラン(THF)10mlをホールピペットで添加し、試料溶液とし、下記の機器および分析条件で分析し、RI検出器の面積%を各化合物の含有量(組成)とする。
(機器)
GPC分析装置(東ソー株式会社製、型式:HLC−8220または相当品)
データ分析装置(東ソー株式会社製、型式:SC−8010または相当品)
(カラム)
ガードカラム
(東ソー株式会社製、型式:TSKguardcolumnSuperHZ−L
4.6mmI.D.×2.0cm)1本
サンプルカラム
(東ソー株式会社製、型式:TSKGEL SuperHZ1000
6.0mmI.D.×15cm)3本
(東ソー株式会社製、型式:TSKGEL SuperHZ2000
6.0mmI.D.×15cm)1本
(分析条件)
INLET温度 40℃
カラム温度 40℃
RI温度 35℃
溶媒流量 0.25ml/分
検出器 RI(Refractive Index:屈折率)
試料溶液注入量 10μl(ループ管)
(データ処理条件)
START TIME (分) 25.00
STOP TIME (分) 50.00
本発明のポリホスホネートホスフェートタイプの有機リン化合物(I)としては、上記の置換基および繰り返し単位数の組み合わせを有する化合物が挙げられ、置換基の異なる2種以上の混合物であってもよい。
これらの中でも、n=1の化合物として、
1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェート、および
1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕エチルビス(2−クロロエチル)ホスフェート、ならびに
これらのn=2以上で示される縮合体が特に好ましい。
本発明の一般式(I)で示されるポリホスホネートホスフェートタイプの有機リン化合物を含有する樹脂用難燃剤は、各種の樹脂用難燃剤として用いることができる。
添加対象となる好ましい樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂および合成ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂がより好ましく、ポリウレタン樹脂の発泡体、すなわちポリウレタンフォームが特に好ましい。
ポリウレタンフォームは、軟質、半硬質および硬質のいずれであってもよく、本発明の難燃剤は、これらの添加型難燃剤として好適に使用することができる。
ポリウレタンフォームは通気性の連続セルを有しているので、従来の樹脂用難燃剤では揮発飛散し、難燃持続性が低下したり、その機能がなくなることがあったり、耐フォギング性が低下した。また、リン酸エステル単量体が多いという問題もあった。本発明の樹脂用難燃剤では、揮発成分が少なく、持続的に難燃性を発揮し、耐フォギング性が向上し、リン酸エステル単量体を低減させることができる。
[2]有機リン化合物(I)の製造方法
本発明の有機リン化合物(I)は、例えば、後述する条件下での公知の2段階反応により製造することができる。
すなわち、工程(1)により化合物(a)、(b)および(c)を反応させて化合物(d)を得、次いで工程(2)により、工程(1)で得られた化合物(d)を酸化剤で酸化することにより得ることができる。
工程(1)および(2)は、理論的にはそれぞれ次の反応式(1)および(2)のように示すことができる(式中、OAは酸化剤を示す)。
以下、各工程について説明する。
工程(1)
工程(1)では、化合物(a)、(b)および(c)を、化合物(a)1モルに対して化合物(c)を1.5〜3.5モルの割合とし、さらに化合物(c)1モルに対して化合物(b)を1.3〜2.0モルの割合で、−20〜60℃の温度で反応させて、化合物(d)を得る。すなわち、q=1.5〜3.5であり、かつp/q=1.3〜2.0である。化合物(a)、(b)および(c)の反応により、RX(RはR1、R2、R3、R4およびR5と同義であり、Xはハロゲン原子である)を脱離させる。
式中、「+OA」は、酸化剤を加えることを意味する。
ここで、係数qの値について、q=1.5〜3.5とする理由を説明する。
本発明の有機リン化合物(I)の平均縮合度(N)は、理論的には、反応式(1)における係数qに対応した縮合度になるので、平均縮合度(N)を本発明における規定の範囲にするためには、化合物(a)、(b)および(c)の比率を対応するモル倍数で使用すればよい。
工程(1)では化合物(c)の係数qは1を超えていなければならない。
なぜなら、係数qが1未満では、未反応の化合物(a)が必ず存在し、それが化合物(d)および一般式(I)におけるn=0で示される単量型リン酸エステルの生成源となるからである。
また、係数qが1である場合、理論反応式上は一般式(I)におけるn=0で示される単量型リン酸エステルが生成しないが、実際には反応率が100%とはなり得ないので、化合物(d)および一般式(I)におけるn=0で示される単量型リン酸エステルの含有量を少なくするためには、係数qは1を超えていなければならないからである。
さらに、係数pの値について、qとの比を、p/q=1.3〜2.0とする理由を説明する。
工程(1)の反応において、化合物(b)は化合物(a)と化合物(c)の間に結合し、縮合剤のような挙動を示す。したがって、理論反応式上では化合物(b)は化合物(c)と等モルで化合物(d)を生成するはずであるが、実際には反応率が100%とはなり得ない。そこで、より過剰に化合物(b)を加える必要が生じる。
以上より、確実に化合物(a)、(b)および(c)を縮合させ、かつ未反応の化合物(a)および化合物(c)を残存させず、平均縮合度(N)を1.5〜3.5とするためには、化合物(a)1モルに対して化合物(c)を1.5〜3.5モルの割合で使用することが必要である。すなわちq=1.5〜3.5である。その上限は3.0が好ましく、またその下限は1.7が好ましい。さらには同時に、化合物(c)1モルに対して化合物(b)を1.3〜2.0モルの割合で使用することも必要である。すなわちp/q=1.3〜2.0である。その上限は1.7が好ましく、またその下限は1.4が好ましい。
具体的な係数qの値は、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3.0などである。
また、具体的な係数pの値とqとの比p/qは、例えば、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9および2.0などである。
工程(1)における反応温度は、−20〜60℃である。
反応温度が−20℃より低いと反応が遅く、充分に進行しないことがある。一方、反応温度が60℃より高いと、反応が急激に進み、その制御が難しくなることがある。反応温度の下限は−10℃が好ましく、0℃がより好ましい。その上限は50℃が好ましく、40℃がより好ましい。
具体的な反応温度(℃)は、例えば、−20、−15、−10、−5、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55および60などである。
ここで、置換基R1、R2、R3、R4およびR5はすべて同一であることが好ましい。
これらの置換基がすべて同一のハロアルキル基である場合には、相当するアルキレンオキシドと三ハロゲン化リンのモル比を調節して反応させることにより、工程(1)における化合物(a)であるホスファイトと化合物(c)であるホスホロハリダイトを同時に調製することができる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドが特に好ましい。
このときの反応液中の活性ハロゲン原子(X)を測定し、化合物(c)のX原子の濃度を計算することにより、必要な化合物(b)の量を求めることができる。
例えば、R1、R2、R3、R4およびR5がクロロエチル基であり、活性ハロゲン原子が塩素である場合、活性ハロゲン原子の濃度は9〜11重量%が好ましく、9〜10重量%がより好ましい。
具体的な活性ハロゲン原子の濃度(重量%)は、例えば、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9および11.0などが挙げられる。
次に工程(1)の原料化合物について説明する。
化合物(a)は、次式で示される。
(式中、R1およびR2は一般式(I)と同義であり、R5は炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基である)
5の炭素数1〜8のアルキル基およびハロアルキル基としては、R1およびR2として一般式(I)に例示のものが挙げられる。
化合物(a)は、卜リアルキルホスファイトまたはトリス(ハロアルキル)ホスファイトであり、例えば、米国特許第3803272号明細書に記載のような公知の方法、具体的には、三塩化リンとアルキルアルコールまたはアルキレンオキシドとの反応により製造することができる。
化合物(a)の具体例としては、卜リメチルホスファイ卜、トリエチルホスファイ卜、メチルジエチルホスファイト、ジメチルエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、メチルエチルプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイ卜、トリブチルホスファイ卜、トリイソブチルホスファイ卜、トリヘキシルホスファイ卜、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ(n−オクチル)ホスファイ卜、卜リ(イソオクチル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(クロロメチル)ホスファイト、トリス(クロロエチル)ホスファイト、クロロメチルジ(クロロエチル)ホスファイト、ジ(クロロメチル)クロロエチルホスファイト、卜リス(クロロプロピル)ホスファイト、トリス(ジクロロプロピル)ホスファイ卜、クロロエチルジ(クロロプロピル)ホスファイト、ジ(クロロエチル)クロロプロピルホスファイト、クロロメチルクロロエチルクロロプロピルホスファイト、卜リス(クロロイソプロピル)ホスファイト、クロロエチルジ(クロロイソプロピル)ホスファイト、ジ(クロロエチル)クロロイソプロピルホスファイト、クロロメチルクロロエチルクロロイソプロピルホスファイト、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスファイ卜、トリス(ブロモメチル)ホスファイト、トリス(ブロモエチル)ホスファイト、卜リス(ブロモプロピル)ホスファイ卜、卜リス(ジブロモプロピル)ホスファイト、卜リス(ブロモイソプロピル)ホスファイト、トリス(ジブロモイソプロピル)ホスファイ卜、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスファイ卜、トリス(ブロモクロロイソプロピル)ホスファイ卜などが挙げられ、これらの中でも、トリス(クロロエチル)ホスファイト、卜リス(クロロプロピル)ホスファイト、トリス(ジクロロプロピル)ホスファイ卜、卜リス(クロロイソプロピル)ホスファイト、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスファイ卜が特に好ましい。
化合物(b)は、次式で示される。
(式中、Z1およびZ2は一般式(I)と同義である)
化合物(b)の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどが挙げられ、これらの中でも、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトンが好ましく、アセトアルデヒド、アセトンがより好ましく、アセトンが特に好ましい。
化合物(c)は、次式で示される。
(式中、R3およびR4は一般式(I)と同義であり、Xはハロゲン原子である)
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、塩素および臭素が好ましく、塩素が特に好ましい。
化合物(c)は、ジアルキルホスホロハリダイトまたはジ(ハロアルキル)ホスホロハリダイトであり、例えば、米国特許第3803272号明細書に記載のような公知の方法で、反応をジエステルで停止させること、具体的には、三塩化リンなどの三ハロゲン化リンとアルキルアルコールまたはアルキレンオキシドとの反応をジエステルで停止させることにより製造することができる。
化合物(c)の具体例としては、ジメチルホスホロクロリダイト、ジエチルホスホロクロリダイト、メチルエチルホスホロクロリダイト、ジプロピルホスホロクロリダイト、メチルプロピルホスホロクロリダイト、エチルプロピルホスホロクロリダイト、ジイソプロピルホスホロクロリダイト、エチルイソプロピルホスホロクロリダイト、ジブチルホスホロクロリダイト、ジイソブチルホスホロクロリダイト、ジヘキシルホスホロクロリダイト、ジシクロヘキシルホスホロクロリダイト、ジ(n−オクチル)ホスホロクロリダイト、ジ(イソオクチル)ホスホロクロリダイト、ジ(2−エチルヘキシル)ホスホロクロリダイト、ジ(クロロメチル)ホスホロクロリダイト、ジ(クロロエチル)ホスホロクロリダイト、クロロメチルクロロエチルホスホロクロリダイト、ジ(クロロプロピル)ホスホロクロリダイト、クロロエチルクロロプロピルホスホロクロリダイト、ジ(ジクロロプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(クロロイソプロピル)ホスホロクロリダイト、クロロエチルクロロイソプロピルホスホロクロリダイト、ジ(ジクロロイソプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモメチル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモエチル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ジブロモプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモイソプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ジブロモイソプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモクロロプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ブロモクロロイソプロピル)ホスホロクロリダイトなどが挙げられ、これらの中でも、ジ(クロロエチル)ホスホロクロリダイト、ジ(クロロプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ジクロロプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(クロロイソプロピル)ホスホロクロリダイト、ジ(ジクロロイソプロピル)ホスホロクロリダイトが特に好ましい。
工程(2)
工程(2)では、工程(1)で得られた化合物(d)を酸化剤で酸化して、本発明の有機リン化合物(I)を得る。すなわち、工程(2)では、化合物(d)のホスファイト部分を酸化する。
酸化剤の具体例としては、過酢酸および過酸化水素が挙げられ、過酸化水素が特に好ましい。過酸化水素は水溶液を用いてもよく、工業用によく用いられる35(重量/体積)%過酸化水素水が特に好ましい。
工程(2)では、必要に応じて水酸化ナトリウム水溶液を反応液に適宜添加して、反応液をpH9.5〜10.5に維持しながら、過酸化水素を滴下してもよい。水酸化ナトリウム水溶液としては工業用によく用いられる30(重量/体積)%水溶液が好ましい。
具体的なpHは、例えば、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4および10.5などである。
工程(2)における反応温度は、5〜50℃であるのが好ましく、その上限は40℃が好ましく、下限は10℃が好ましい。
具体的な反応温度(℃)は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45および50などである。
以上、本発明の有機リン化合物(I)の製造方法について説明したが、反応の主原料となるホスファイト、ホスホロハリダイト、アルデヒドおよびケトンの種類の選択によっては多くの化合物を製造することが可能であり、それらは本発明の範囲内であることはいうまでもない。
また、本発明の有機リン化合物(I)の製造方法は、リン含有率、ハロゲン含有率、分子量などを調整することができ、目的に応じた種々の有機リン化合物(I)を製造することができる利点がある。
実際の製造ではこれらの化合物から所望の化合物が選択して得られ、2種以上の化合物の混合物であってもよく、また縮合度が異なるものの混合物であってもよいが、優れた耐フォギング性を達成するためには、一般式(I)におけるn=0で示される単量型リン酸エステルの含有量をできるだけ少なくすることが必要である。
[3]難燃性樹脂組成物
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の樹脂用難燃剤と樹脂とを含有することを特徴とする。
樹脂としては、樹脂用難燃剤の添加対象として例示した樹脂が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂100重量部に対して樹脂用難燃剤を1〜40重量部含有するのが好ましい。樹脂用難燃剤の添加量は、樹脂の種類や所望する難燃化の程度などにより適宜設定すればよい。
具体的な樹脂100重量部に対する樹脂用難燃剤の添加量(重量部)は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35および40などである。
本発明の有機リン化合物を用いた難燃性樹脂組成物には、樹脂の物性に悪影響を与えない範囲内で、公知の樹脂添加剤、すなわち他の難燃剤や難燃剤以外の他の添加剤を含んでいてもよい。
他の難燃剤としては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾルシノール−テトラフェニルビスホスフェート、ビスフェノールA−テトラフェニルビスホスフェートなどの非ハロゲンリン酸エステル系難燃剤;2,2ビス(クロロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ジホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、(ポリ)アルキレングリコール系含ハロゲンポリホスフェート、トリス(トリブロモ)ネオペンチルホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤;デカブロモジフエニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンなどの臭素系難燃剤;三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミンなどの窒素系難燃剤などが挙げられる。
難燃剤以外の他の添加剤としては、酸化防止剤、充填剤、滑剤、改質剤、香料、抗菌剤、顔料、染料、耐熱剤、耐候剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、強化剤、ドリップ防止剤、アンチブロッキング剤、木粉、でんぷんなどが挙げられる。
本発明の有機リン化合物である樹脂用難燃剤は、特にポリウレタンフォームに好適に用いることができ、本発明の樹脂用難燃剤とポリウレタンフォームとを含有する難燃性樹脂組成物、すなわち難燃性ポリウレタンフォームは、既存の有機リン化合物系の難燃剤によって難燃化されたポリウレタンフォームに比べて難燃性とその持続性に優れ、さらに耐フォギング性に優れた性能を有する。
ポリウレタンフォームの製造法は既に公知であり、難燃剤を添加した難燃性ポリウレタンフォームも公知の方法で製造することができる。
例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどを含むポリオール100重量部に対して本発明の一般式(I)で示される樹脂用難燃剤を1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部混合する。さらに得られた混合物に、整泡剤、触媒、発泡剤などを加え、攪拌した後、有機ポリイソシアネートを加えて反応させると、難燃性ポリウレタンフォームが得られる。
具体的なポリオール100重量部に対する樹脂用難燃剤の添加量(重量部)は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29および30などである。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、卜リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロペンタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明を以下の実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
[実施例1]
(反応工程:工程(1))
攪拌棒、温度計、吹き込み管およびコンデンサーを備えた容量1000mlフラスコに、三塩化リン275g(2.0モル)、トリエチルアミン0.55gおよびエチレンクロルヒドリン0.65gを充填した。次いで、得られた混合物を攪拌下で40〜50℃に加熱し、ボンベから流量計および吹き込み管を通してガス状のエチレンオキシド208g(4.72モル)を4時間掛けて吹き込んだ。その後、50〜60℃に加熱して1時間保持(熟成)し、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ0.70モルおよび1.30モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は9.6%であった。
得られた反応混合物を0〜10℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.5モルの化合物(b)としてのアセトン113g(1.95モル)を、滴下ロートを通して2時間掛けて添加した。同温度で12時間反応させた後、徐々に反応温度を上げ、30〜40℃で24時間反応させた。反応混合物の酸価は2.2であった。
(反応工程:工程(2))
その後、得られた化合物(d)を含む反応混合物を5〜10℃に保持し、滴下ロートを通して30%水酸化ナトリウム水溶液6gを添加した。反応混合物のpHは10.5であった。
次いで、得られた反応混合物を10〜20℃に保持し、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液71g(0.73モル)を4時間掛けて添加した。過酸化水素水溶液を添加している間は、反応混合物のpHが9.5〜10.5になるように、適宜30%水酸化ナトリウム水溶液を添加しながらpHを調節した。30%水酸化ナトリウム水溶液の全使用量は25gであった。過酸化水素水溶液添加終了後、30〜40℃に保持して2時間反応を継続させた。
(後処理工程)
得られた反応混合物に30%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加し、40〜50℃に加熱して1時間攪拌した。次いで、得られた反応混合物を分液ロートで静置させ、水相と有機相に分離した。得られた有機相を、60〜70℃の温水200mlで2回洗浄した後、1〜3kPaの減圧下、90〜100℃で低沸分を除去した。得られた生成物を難燃剤Aとする。
難燃剤Aを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は0.9面積%、n=1の化合物は37.2面積%、平均縮合度(N)は2.12であった。
また、リン分(P)は13.8重量%、塩素分(Cl)は26.1重量%、粘度は4320mPa・s(25℃)、酸価は0.03KOHmg/gであった。
[実施例2]
エチレンオキシド208g(4.72モル)を206g(4.70モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ0.65モルおよび1.35モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は10.0%であった。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.5モルの化合物(b)としてのアセトン116g(2.00モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液71g(0.73モル)を65g(0.67モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤Bを得た。
難燃剤Bを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は0.5面積%、n=1の化合物は29.2面積%、平均縮合度(N)は2.41であった。
また、リン分(P)は13.9重量%、塩素分(Cl)は24.8重量%、粘度は6200mPa・s(25℃)、酸価は0.05KOHmg/gであった。
[実施例3]
実施例1と同様にして、トリス(2−クロロエチル)ホスファイトとジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトの混合物を得た。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.7モルの化合物(b)としてのアセトン128g(2.20モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液71g(0.73モル)を65g(0.67モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤C得た。
難燃剤Cを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は1.3面積%、n=1の化合物は34.7面積%、平均縮合度(N)は2.16であった。
また、リン分(P)は13.7重量%、塩素分(Cl)は25.1重量%、粘度は2200mPa・s(25℃)、酸価は0.02KOHmg/gであった。
[実施例4]
エチレンオキシド208g(4.72モル)を198g(4.50モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ0.59モルおよび1.40モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は10.5%であった。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.5モルの化合物(b)としてのアセトン123g(2.12モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液71g(0.73モル)を60g(0.62モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤Dを得た。
難燃剤Dを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は0.5面積%、n=1の化合物は22.9面積%、平均縮合度(N)は2.70であった。
また、リン分(P)は14.2重量%、塩素分(Cl)は24.5重量%、粘度は7700mPa・s(25℃)、酸価は0.05KOHmg/gであった。
[実施例5]
エチレンオキシド208g(4.72モル)を206g(4.70モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ0.73モルおよび1.27モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は9.4%であった。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.3モルの化合物(b)としてのアセトン97g(1.67モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤Eを得た。
難燃剤Eを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は2.4面積%、n=1の化合物は30.4面積%、平均縮合度(N)は2.22であった。
また、リン分(P)は13.8重量%、塩素分(Cl)は25.1重量%、粘度は3850mPa・s(25℃)、酸価は0.06KOHmg/gであった。
[比較例1]
エチレンオキシド208g(4.72モル)を222g(5.05モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ1.03モルおよび0.95モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は6.9%であった。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.1モルの化合物(b)としてのアセトン64g(1.10モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液71g(0.73モル)を98g(1.01モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤Fを得た。
難燃剤Fを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は14.8面積%、n=1の化合物は59.3面積%、平均縮合度(N)は1.19であった。
また、リン分(P)は13.0重量%、塩素分(Cl)は28.9重量%、粘度は520mPa・s(25℃)、酸価は0.03KOHmg/gであった。
[比較例2]
エチレンオキシド208g(4.72モル)を215g(4.90モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトと化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトとの混合物(それぞれ0.90モルおよび1.10モル)を得た。反応混合物の活性塩素濃度は8.0%であった。
また、得られた反応混合物を0〜10℃ではなく40℃に保持し、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して1.2モルの化合物(b)としてのアセトン77g(1.33モル)を、滴下ロートを通して2時間ではなく6時間掛けて添加し同温度で12時間反応させたこと、酸化剤としての35%過酸化水素水溶液87g(0.89モル)を65g(0.67モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤Gを得た。
難燃剤Gを分析したところ、主成分は、一般式(I)のR1、R2、R3およびR4が2−クロロエチル、Z1およびZ2がメチルである、1−〔ビス(2−クロロエトキシ)ホスフィニル〕−1−メチルエチルビス(2−クロロエチル)ホスフェートであることがわかった。
GPC測定の結果、n=0の化合物は9.0面積%、n=1の化合物は54.8面積%、平均縮合度(N)は1.43であった。
また、リン分(P)は13.4重量%、塩素分(Cl)は28.0重量%、粘度は850mPa・s(25℃)、酸価は0.04KOHmg/gであった。
得られた結果を表1に示す。
なお、比較参考例として、公知の難燃剤(難燃剤H)として市販のトリス(2−クロロエチル)ホスフェート(スプレスタ社製、製品名:ファイロールCEF)を表1に示す。
この化合物は、一般式(I)のnが0、R1、R2およびR3が2−クロロエチルであり、リン分(P)が10.8重量%、塩素分(Cl)が36.6重量%、粘度が45mPa・s(20℃)である。
表1の結果から、工程(1)の反応において、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイト1モルに対して化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトを1.74〜2.37モルの割合とし、さらに同時に化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して化合物(b)としてのアセトンを1.3〜1.7モルの割合で用いた実施例1〜5では、一般式(I)におけるn=0の化合物(単量型リン酸エステル)の含有量が0.5〜2.4面積%、平均縮合度(N)が2.12〜2.70の有機リン化合物(I)が得られた。
一方、化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイト1モルに対して化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトを0.92および1.22モルの割合とし、さらに同時に化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイト1モルに対して化合物(b)としてのアセトンを1.1モルおよび1.2モルの割合で用いた比較例1および2では、それぞれ一般式(I)におけるn=0の化合物(単量型リン酸エステル)の含有量が14.8面積%および9.0面積%と多い、有機リン化合物が得られた。このため比較例1および2の有機リン化合物の平均縮合度(N)は、実施例1〜5に比べて低くそれぞれ1.19および1.43であった。
比較例1は、比較例2に比べて、化合物(c)としてのジ(2−クロロエチル)ホスホロクロリダイトに対する化合物(a)としてのトリス(2−クロロエチル)ホスファイトの割合が多かったために、n=0の単量型リン酸エステルの含有量が多くなったものと考えられる。
[実施例6]
実施例1で得られた難燃剤Aを用いて、下記の処方および製造方法でポリウレタンフォーム(発泡体)を製造し、その難燃性、耐フォギング性、難燃持続性およびリン原子含有量維持率を評価した。
(処方)
ポリオール(三井化学株式会社製、商品名:アクトコールT−3000) 100部
シリコン油(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SZ−584) 1.0部
アミン系触媒
(エア・プロダクツ・アンド・ケミカル社製、商品名:DABCO 33LV) 0.2部
(エア・プロダクツ・アンド・ケミカル社製、商品名:DABCO BL−11) 0.05部
錫系触媒
(エア・プロダクツ・アンド・ケミカル社製、商品名:DABCO T−9) 0.35部
発泡剤(水) 4.3部
(メチレンクロリド) 8.0部
難燃剤(難燃剤A) 所要部
イソシアネート(トリレンジイソシアネート:TDI)
(三井化学株式会社製、商品名:コスモネートT−80(80/20)) 58.2部
上記の「部」は重量部を意味する。
難燃剤の添加部数を8、10、12および14部と変化させた。
(製造方法)
上記の処方で、ポリオール、シリコン油、触媒、発泡剤および難燃剤を配合し、攪拌機を用いて回転数3000rpmで1分間攪拌して配合物を均一に混和した後、さらにトリレンジイソシアネートを加え、回転数3000rpmで5〜7秒間攪拌し、直ちに内容物を、底面が正方形(一辺約200mm)の立方体(高さ約200mm)のボール箱に注いだ。
直ちに発泡が起こり、数分後最大の容積に達した。得られた発泡体を120℃の炉内に30分間静置して硬化させた。得られた発泡体は白色軟質連通気泡型セル構造であった。
[実施例7]
難燃剤Aの代わりに実施例2で得られた難燃剤Bを用いたこと以外は、実施例6と同様にして発泡体を製造し、その難燃性、耐フォギング性、難燃持続性およびリン原子含有量維持率を評価した。
[比較例3]
難燃剤Aの代わりに比較例1で得られた難燃剤Fを用いたこと以外は、実施例6と同様にして発泡体を製造し、その難燃性、耐フォギング性、難燃持続性およびリン原子含有量維持率を評価した。
[比較例4]
難燃剤Aの代わりに比較参考例の難燃剤Hを用いたこと以外は、実施例6と同様にして発泡体を製造し、その難燃性および耐フォギング性を評価した。難燃持続性およびリン原子含有量維持率については、耐フォギング性評価が悪かったので試験条件に耐えられず、試験できなかった。
(難燃性評価)
得られた発泡体から試料を切り取り、下記の条件で燃焼試験を行なった。
試験方法:FMVSS−302法(自動車内装用品の安全基準の試験方法)
ポリウレタンフォームの水平燃焼試験
試験条件:通気度200ml/cm2/secになるように調整した。
(通気度はJIS K6400−7 B法に準じて測定した。)
試料 :厚さ5mmおよび13mmの2種類
密度20〜25kg/m3程度になるように調整した。
合格基準: 燃焼距離38mm以下を合格とした。
得られた結果を表2に示す。
(耐フォギング性評価)
得られた発泡体から試料を切り取り、下記の条件でフォギング試験を行なった。
試験条件:ウインドスクリーンフォギングテスター(スガ試験機株式会社製)を用い、その容器下部にポリウレタンフォーム(直径80mm、厚み10mm)の試料を設置し、試料を100℃で16時間加熱し、試料からの飛散物が容器上部のガラス板に付着した量をガラス付着分(mg)として測定した。
試料 :難燃剤の添加部数8部の1種類
得られた結果を表3に示す。
表2の結果から、難燃剤Aを含む実施例6および難燃剤Bを含む実施例7のポリウレタンフォームは、添加量を増加させた従来の難燃剤Hを含む比較例4のものと比べて非常に良好な難燃性を有するが、従来の縮合型難燃剤の難燃剤Fを含む比較例3のものと比べてやや良好な難燃性を有するものの、大差がないことがわかる。
しかしながら、表3の結果から明らかなように、実施例6および7のポリウレタンフォームは、比較例3のものと比べて、ガラス付着分、すなわち揮発成分が1/4以下に大きく低減し、耐フォギング性に優れている。
(難燃持続性評価)
得られた発泡体から試料を切り取り、下記の条件で難燃持続性試験を行なった。
試料を設定温度150℃のギヤーオーブンに入れ、2、4、6および8時間曝露した後に、難燃性評価と同様にして難燃性を評価した。
また、基準となる曝露時間0時間の試料についても同様に試験した。
得られた結果を表4および図1に示す。
表4および図1の結果から、難燃剤Aを含む実施例6および難燃剤Bを含む実施例7のポリウレタンフォームは、高温下に8時間曝された場合でも燃焼距離はやや長くなる程度であり、一方、従来の縮合型難燃剤の難燃剤Fを含む比較例3のポリウレタンフォームは、高温下に8時間曝された場合には燃焼距離が曝露前(曝露時間0時間)の2倍にも達することがわかる。すなわち、本発明の難燃剤AおよびBは、難燃剤Fに比べて優れた難燃性を維持でき、難燃持続性に優れている。
(リン原子含有量維持率評価)
得られた発泡体から試料を切り取り、下記の条件でリン原子含有量維持率を評価した。
試料を設定温度80℃のギヤーオーブンに14日間入れ、高温曝露の3日後、7日後および14日後の試料中のリン原子含有量をASTM D 1091に準拠して測定した。
同様に、試料を設定温度100℃のギヤーオーブンに7日間入れ、高温曝露の1日後、3日後および7日後の試料中のリン原子含有量をASTM D 1091に準拠して測定した。
また、基準となる未曝露の試料についても同様に測定し、得られたリン原子含有量を100%として、高温曝露後の試料中のリン原子含有量の割合をリン原子含有量維持率として算出した。
得られた結果を表5および図2に示す。
表5および図2の結果から、難燃剤Aを含む実施例6および難燃剤Bを含む実施例7のポリウレタンフォームは、80℃の高温下に長時間曝された場合でもリン原子含有量維持率はやや低下するものの14日の曝露で95%以上維持でき、一方、従来の縮合型難燃剤の難燃剤Fを含む比較例3のポリウレタンフォームは、リン原子含有量維持率が14日の曝露で86%に低下することがわかる。すなわち、本発明の難燃剤AおよびBは、難燃剤Fに比べて、リン原子の飛散が非常に低く、高い維持率を有する。
また、100℃で7日の曝露でも同様に、難燃剤AおよびBは82%以上のリン原子含有量維持率を有し、難燃剤Fの71%に比べて高いリン原子含有量維持率を有する。
難燃剤Fでは、高温に長時間曝されている間に含有する単量型リン酸エステル成分が揮発や飛散により失われ、その結果、発泡体中のリン原子含有量が減少し、難燃持続性が低下したものと考えられる。
これに対して、本発明の難燃剤AおよびBは、揮発成分である単量型リン酸エステル成分の含有量が難燃剤Fに比べて非常に少ないため、発泡体から失われるリン原子も非常に少なく、高いリン原子含有量維持率および優れた難燃持続性を有するものと考えられる。
以上の結果から、本発明の難燃剤およびそれを含む難燃性樹脂組成物は、要求される条件のうち、特に優れた難燃性を発揮し、しかもその持続性において経時変化が少なく、耐フォギング性に優れ、揮発成分が少ない。

Claims (10)

  1. 一般式(I):
    (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基であり、Z1およびZ2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基であり、nは0〜10である)
    で示される有機リン化合物を含有する樹脂用難燃剤において、
    前記有機リン化合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したときに、前記一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ前記一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.0である樹脂用難燃剤。
  2. 前記有機リン化合物をGPCで測定したときに、前記一般式(I)におけるn=1の化合物の含有量が10〜50面積%である請求項1に記載の樹脂用難燃剤。
  3. 前記一般式(I)における平均縮合度(N)が1.8〜3.0である請求項1または2に記載の樹脂用難燃剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂用難燃剤と樹脂とを含有する難燃性樹脂組成物。
  5. 前記樹脂が、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂および合成ゴムから選択される樹脂である請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記ポリウレタン樹脂が、ポリウレタンフォームである請求項5に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 前記樹脂100重量部に対して前記樹脂用難燃剤を1〜40重量部含有する請求項4〜6のいずれか1つに記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂用難燃剤の有機リン化合物の製造方法であり、
    工程(1)として、一般式(a):
    (式中、R1およびR2前記一般式(I)と同義であり、R5は炭素数1〜8のアルキル基またはハロアルキル基である)
    で示される化合物(a)、一般式(b):
    (式中、Z1およびZ2前記一般式(I)と同義である)
    で示される化合物(b)および一般式(c):
    (式中、R3およびR4前記一般式(I)と同義であり、Xはハロゲン原子である)
    で示される化合物(c)を、前記化合物(a)1モルに対して前記化合物(c)を1.5〜3.5モルの割合とし、さらに前記化合物(c)1モルに対して前記化合物(b)を1.3〜2.0モルの割合で、−20〜60℃の温度で反応させて、一般式(d):
    (式中、R1、R2、R3、R4、Z1、Z2およびnは前記一般式(I)と同義である)
    で示される化合物(d)を得る工程、
    次いで、工程(2)として、前記工程(1)で得られた化合物(d)を酸化剤で酸化して、前記一般式(I)で示され、GPCで測定したときに、前記一般式(I)におけるn=0の化合物の含有量が0.1〜3.0面積%であり、かつ前記一般式(I)におけるn=0〜10の各化合物の含有量から算出される平均縮合度(N)が1.5〜3.0である有機リン化合物を得る工程
    を含む有機リン化合物の製造方法。
  9. 前記有機リン化合物をGPCで測定したときに、前記一般式(I)におけるn=1の化合物の含有量が10〜50面積%である請求項8に記載の有機リン化合物の製造方法。
  10. 前記一般式(I)における平均縮合度(N)が1.8〜3.0である請求項8または9に記載の有機リン化合物の製造方法。
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