JPH0825388B2 - 車両用スライドパネルのシ−ル構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスライド式ウインドパネルを備えた車両にお
けるスライドパネル間のシール構造に関する。

従来の技術 従来より第３図に示す自動車１のウインド２には複数
枚のウインドパネル3,4がスライド開閉自在に配設され
ているが、同図のIV−IV断面を示す第４図の如く一対の
スライドパネル3,4の突合せ端縁に、閉時に相互に嵌合
するエンドカバー5,6を装着しておいて、ウインド閉時
の気密性及び水密性を高めた構成例が用いられている。
両エンドカバー5,6はその接合部分が相互に入り組む構
成としてあつて、ラビリンス効果に基づくシール性の向
上をはかつているものである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながらこのような従来のスライドパネルのシー
ル構造にあつては、エンドカバー5,6がアルミ等金属材
料により形成されているので、スライドパネルの僅かな
取付け精度のばらつきによつてエンドカバー5,6間に隙
間が発生しやすい欠点があつた。その結果、洗車時等の
大きな水圧がかかつた際に車室内へ水分が侵入する難点
があり、水密性が低下するという問題点を有している。

そこで本発明は上記した如き従来の車両用スライドパ
ネルのシール構造が有している問題点を解決した装置の
提供を目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、車体開口縁に
スライド開閉自在に配設した一対のスライドパネルの突
合せ端縁に、スライドパネル閉時に相互に嵌合するエン
ドカバーを装着した構造において、前記スライドパネル
の端縁に装着した少なくとも一方側のエンドカバーを硬
質弾性体で形成するとともに、一方のエンドカバー端部
両側面にテーパを付与し、他方のエンドカバーには、そ
れと対応するよう凹部内側両側面にテーパを付与し、且
つ前記凹部内に軟質弾性体を固着し、スライドパネル閉
時に両エンドカバーのテーパ部分が相互に接合すること
を特徴とする車両用スライドパネルのシール構造を提供
するものである。

作用 上記の構成としたことによつて、ウインドの閉時に、
一方のエンドカバー端部両側面に付与したテーパと他方
のエンドカバーの凹部内側両側面に付与したテーパとが
衝接して緊密なシールが行われ、しかもスライドパネル
の動きに応動して少なくとも一方のエンドカバーを構成
する硬質弾性体が撓んでエンドカバー間に発生し易い隙
間をなくし、且つ凹部内に固着された軟質弾性体の圧縮
変形によってシール性がより高められるという作用が得
られる。

実 施 例 以下図面に基づいて本発明に係る車両用スライドパネ
ルのシール構造の説明を行う。即ち第１図に示した構成
において11,12は車両のウインドを構成するスライドパ
ネルであつて、車体の開口縁に沿つてスライド開閉自在
に配設されている。両スライドパネル11,12の突合せ端
縁にはエンドカバー13,14が夫々装着されているが，エ
ンドカバー13,14の中で少なくとも一方側図示例の場合
エンドカバー14は塩化ビニール又はポリエチレンで成る
硬質の弾性体で形成されていて、一方のエンドカバー13
の端部に形成された凸部13aの両側面にはテーパが付与
され、他方のエンドカバ14ーに形成された凹部14aの内
側両側面に上記テーパと対応するようなテーパが付与さ
れている。そして凹部14a内に軟質弾性体15が固着され
ていて、スライドパネルの閉時に前記凸部13aと凹部14a
とが嵌合して両テーパーの作用によつて緊密なシールが
行われる一方、軟質の弾性体15の圧縮変形によつて、よ
りシール性が向上する作用がある。又エンドカバー13,1
4のどちら側を硬質弾性体を用いて構成しても良く、場
合によつては両者ともに硬質弾性体を用いることも可能
である。

第２図は本発明の他の実施例を示しており、エンドカ
バー13b,14bを嵌合させるとともにエンドカバー13bの内
端よりリブ16を突設した構造となつている。エンドカバ
ー13b及び14bの何れか一方側を硬質弾性体で形成したこ
とは前記実施例と同様である。この実施例によればエン
ドカバー14bのたわみ変形時にリブ16の先端がエンドカ
バー14bの内端に当接して水密性を保持する作用をもた
らす。従つて洗車時等の水圧により両エンドカバー13b,
14b間に水分が侵入しても、前記リブ16の衝立効果によ
つて水圧が緩和され、室内への水分の受入を防ぐ作用を
もたらすものである。

発明の効果 以上説明した本発明に係る車両用スライドパネルのシ
ール構造によれば、以下に記す作用効果をもたらすこと
ができる。即ちエンドカバーの何れか一方又は両方が硬
質弾性体を基材として形成されているので、スライドパ
ネルのスライド移動時のぶれ、突合せ位置のばらつき等
があつても、前記硬質弾性体のたわみ変形によつて吸収
することができるので、水密性が低下することがない。
従つてウインド閉時における両スライドパネルの突合せ
端縁における水密性を極めて高く保持することが可能で
ある。更に両エンドカバーの衝接する部位に介装固着し
た軟質弾性体の圧縮変形に伴うシール性向上効果も大で
あり、硬質弾性体のたわみ変形作用と相俟つて、シール
性は万全となる。又エンドカバーの少なくとも一方側が
硬質弾性体で形成されているので、ウインド閉時におけ
るスライドパネルの衝撃音が緩和されて、静かなウイン
ド開閉が行える利点があり、車両用スライドパネルのシ
ールに適用して有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る車両用スライドパネルのシール構
造を示す要部断面図、第２図は本発明の他の実施例を示
す要部断面図、第３図は車両の外観図、第４図は従来の
スライドパネルのシール構造を示す要部断面図である。 11,12……スライドパネル、13,14,13a,14a……エンドカ
バー、15……軟質弾性体、16……リブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体開口縁にスライド開閉自在に配設した
   一対のスライドパネルの突合わせ端縁に、スライドパネ
   ル閉時に相互に嵌合するエンドカバーを装着した構造に
   おいて、 前記スライドパネルの端縁に装着した少なくとも一方の
   エンドカバーを硬質弾性体で形成するとともに、一方の
   エンドカバー端部両側面にテーパを付与し、他方のエン
   ドカバーには、それと対応するよう凹部内側両側面にテ
   ーパを付与し、且つ前記凹部内に軟質弾性体を固着し、
   スライドパネル閉時に両エンドカバーのテーパ部分が相
   互に接合することを特徴とする車両用スライドパネルの
   シール構造。