JPH08248598A - 写真要素 - Google Patents

写真要素

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JPH08248598A
JPH08248598A JP8026932A JP2693296A JPH08248598A JP H08248598 A JPH08248598 A JP H08248598A JP 8026932 A JP8026932 A JP 8026932A JP 2693296 A JP2693296 A JP 2693296A JP H08248598 A JPH08248598 A JP H08248598A
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dye
scavenger
layer
compound
pyrocatechol
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JP8026932A
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Stephen P Singer
ポール シンガー スティーブン
Ronald E Leone
エドマンド レオン ロナルド
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/392Additives
    • G03C7/39208Organic compounds
    • G03C7/39212Carbocyclic
    • G03C7/39216Carbocyclic with OH groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化された現像主薬用のスカベンジャーとし
て作用する化合物を含有する、改良された写真要素を提
供すること。 【解決手段】 改良された写真要素は、酸化された現像
主薬用のスカベンジャーとして作用するピロカテコール
化合物と組み合わされた、少なくとも1つのハロゲン化
銀乳剤層を有する支持体を含む。前記ピロカテコール化
合物は、前記写真要素において実質的に非拡散性である
ために十分な嵩を有しかつその4位に第3級カルバモイ
ル置換基を有する。これらのスカベンジャー化合物は、
非常に高い活性を示し、長期間の保存に際して優れた安
定性を有し、そして処理後に着色残留物を残さない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に写真に関
し、詳細には少なくとも1つの輻射線感受性ハロゲン化
銀乳剤層を含む写真要素に関する。より詳細には、本発
明は、酸化された現像主薬用のスカベンジャー(scaven
ger)として作用する化合物を含有する改良された写真要
素に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化された現像主薬が要素内の望ましく
ない場所でまたは望ましくない時点で反応するのをスカ
ベンジャーが防ぐように、写真要素にスカベンジャーを
添加することは当該技術分野で既知である。特に、酸化
された現像主薬が、それが形成された画像形成層から別
のカラー記録中へ拡散し、間違った層において色素を形
成できることは望ましくない。幾つかのフォーマットで
は、足の規模およびカブリに関して、初期現像段階で色
素を形成する酸化された現像主薬を有するようにするこ
とも望ましくない。典型的には、いかなる永久色素も形
成することなく、スカベンジャーは酸化された現像主薬
を減少または排除し、かつ汚染を生じることも写真的活
性を有する断片を放出することもない。またそれらは、
抗拡散基(バラスト)の組み込みによりまたはポリマー
主鎖への付着により、典型的には要素に実質的に固定さ
れる。
【0003】酸化された現像主薬用の既知スカベンジャ
ーには、米国特許第 3,700,453号および同第 4,732,845
号明細書に記載されているバラスト化ヒドロキノン
(1,4−ジヒドロキシベンゼン)化合物、米国特許第
4,474,874号明細書に記載されているバラスト化没食子
酸(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)化合物、米
国特許第 4,205,987号および同第 4,447,523号明細書に
記載されているバラスト化スルホナミドフェノール、な
らびに米国特許第 3,770,431号明細書に記載されている
バラスト化レゾルシノール(1,3−ジヒドロキシベン
ゼン)化合物が含まれる。そのような既知物質は、それ
らの活性が不十分であり、高い物質使用量が要求され、
従って経費、保存および取扱の懸念が増大し、同様によ
り薄い層が要求され、従って増長された散乱路を経て形
状が崩れる。加えて、これらの既知物質が酸化条件に感
受性を有するため、それらは長期間保存する上であまり
安定ではないことが多い。最終的には、多数のこれらの
物質が処理最中に汚染または着色残留物を形成する。
【0004】また、例えば、米国特許第 4,923,787号、
同第 4,971,890号、同第 5,147,764号、同第 5,164,288
号および同第 5,230,992号明細書ならびに1992年 8月26
日に公開された特開平4-238347号公報に記載されている
ように、酸化された現像主薬用のスカベンジャーとして
特定のヒドラジド化合物を使用することが既知である。
しかしながら、これらのヒドラジド化合物は、ヒドロキ
ノン、没食子酸、スルホナミドフェノールおよびレゾル
シノール化合物と同様の多数の欠点および不足を有す
る。とりわけこれらのヒドラジド化合物は、活性および
長期間保存安定性が特に欠乏している。1986年11月 5日
に公開された特開昭61-248042 号公報には、写真要素の
生の貯蔵性を改良するために、特定のピロカテコール誘
導体を使用することが記載されている。しかしながら、
これらの誘導体は、バラスト化されておらず、また酸化
された現像主薬用の有効なスカベンジャーとして作用し
ない。
【0005】米国特許第 4,175,968号明細書には、次式
のピロカテコール化合物の、酸化された現像主薬用のス
カベンジャーとしての用途が開示されている。
【化1】 上式中、R1 は、アシル基であり、そしてR2 およびR
3 は、水素、アルキル、ハロゲン、スルホもしくはカル
ボキシルである。しかしながら、そのような化合物は、
反応性が不十分であり、かつ過度の赤色汚染に係わって
いる。
【0006】米国特許第 4,252,893号明細書には、次式
のピロカテコール化合物の、酸化された現像主薬用のス
カベンジャーとしての用途が開示されている。
【化2】 上式中、R1 は、アルキル、アルケニルもしくはアシル
であり、そしてR4 は、ハロゲン、アルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、シアノ、−SO2 5 もしくは−
COR5 (ここで、R5 は、水素、ヒドロキシ、アルキ
ル、アルコキシ、シクロアルコキシ、リールオキシもし
くはアミノである)である。そのような化合物は、有用
な結果を提供するが、それらの商業的利用を促進するた
めに活性を改良して安定性を増強することが望ましい。
【0007】米国特許第 4,476,219号明細書には、次式
の没食子酸アミド誘導体(1,2,3−トリヒドロキシ
−5−カルバモイルベンゼン)の、酸化された現像主薬
用のスカベンジャーとしての用途が開示されている。
【化3】
【0008】上式中、R1 およびR2 は、各々、水素原
子、置換もしくは非置換の脂肪族基、置換もしくは非置
換の芳香族基、または置換もしくは非置換の複素環基を
表すが、但しそれらは両方とも水素原子であることはな
く、さらにそれらが相互に合わさって環を形成すること
ができる。そのような没食子酸アミド誘導体は、それら
がDmin およびDmax の両領域でそれらの商業的利用を
妨げる程度まで着色汚染を生成するという欠点を有す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】多種多様な写真要素、
特にカラー要素に組み入れて、層間の色汚濁を防止する
こと、汚染を防止すること、そしてカブリを低減するこ
とのできる、酸化された現像主薬用の新種の反応性スカ
ベンジャーを提供することが、本発明の目的である。高
い活性を有し、長期保存に際して優れた安定性を有し、
そして処理後に着色残留物を残さない、新種の反応性ス
カベンジャーを提供することが、特に本発明の目的であ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、写真要
素は、酸化された現像主薬用のスカベンジャーとして作
用するピロカテコール化合物と組み合わされた、少なく
とも1つのハロゲン化銀乳剤層を有する支持体を含み、
前記ピロカテコール化合物が、前記写真要素において実
質的に非拡散性であるために充分な嵩を有しかつその4
位に第3級カルバモイル置換基を有することを特徴とす
る。ピロカテコール(これは、カテコールともまたは
1,2−ジヒドロキシベンゼンとも称される)は、次式
で示される。
【0011】
【化4】
【0012】本発明で利用されるピロカテコール化合物
は、4位が第3級カルバモイル基で置換されている。カ
ルバモイル基は、次式の基である。
【化5】
【0013】本明細書中で用いられる「第3級カルバモ
イル基」なる語は、例えば、次式の基のように、それら
の窒素原子の3つの原子価結合のすべてが炭素原子に接
続しているカルバモイル基を意味する。
【化6】
【0014】本発明で利用されるピロカテコール化合物
は、要求される嵩が、ピロカテコール環にまたは第3級
カルバモイル基の窒素原子に結合した少なくとも1つの
バラスト化基により提供される。特に好ましいバラスト
化基は、12〜30個の炭素原子を含むものである。
【0015】本発明の好ましい態様に従えば、写真要素
は、酸化された現像主薬用のスカベンジャーとして作用
するピロカテコール化合物と組み合わされた、少なくと
も1つの写真乳剤を有する支持体を含み、前記ピロカテ
コール化合物が、次式
【化7】 (上式中、各々Gは、独立して、水素原子、または写真
要素の処理最中にそれが結合している酸素から開裂され
る不安定な基(labile group)を表し、R1 およびR2
は、別個に独立して、アルキル、置換アルキル、アリー
ル、置換アリール、アルカリル(alkaryl)もしくはアラ
ルキルを表し、R3 は、ハロゲン、アルキル、置換アル
キル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリ
ル、アルキルオキシもしくはアリールオキシを表し、そ
してiは、0、1、2もしくは3であるが、但し、
1 、R2 およびR3 のうち2つ以上が合わさって環系
を形成でき、さらにR1 、R2 およびR3 のうち少なく
とも1つがバラスト化基を含む)で表されることを特徴
とする。
【0016】本発明に利用されるピロカテコール化合物
は、4−(N,N−二置換カルバモイル)−ピロカテコ
ールである。それらは、酸化された現像主薬用のスカベ
ンジャーとして写真要素に使用したとき、高活性、長期
間安定性および最低の汚染生成性というすばらしい組合
せを示すことが思いがけず見出された。
【0017】
【発明の実施の形態】スカベンジャーは、交差酸化(cr
oss-oxidation)またはカプリングなどの機構により酸化
された現像主薬と反応し、そして永久画像を形成するこ
となく酸化された現像主薬を失活させる化合物である。
それらを、曲線の形状を調節するためにハロゲン化銀乳
剤層に混合することができる。それらを、色再現を改良
するために中間層に混入することができる。本発明のピ
ロカテコール化合物は、ハロゲン化銀乳剤層と関連して
利用される非常に有効なスカベンジャーである。前記ス
カベンジャーとは、それらをハロゲン化銀乳剤層にまた
は写真要素のいずれか別の層に混入させて、ハロゲン化
銀乳剤層の特性を変えることができるものを意味する。
【0018】本明細書で先に記載したように、本発明で
使用されるピロカテコール化合物は、下記一般式により
表される。
【化8】
【0019】上式中、各々Gは、独立して、水素原子ま
たは写真要素の処理最中にそれが結合している酸素から
開裂される不安定な基を表す。従って、G基は両方とも
水素であってもよく、または両方とも不安定な基であっ
てもよく、あるいは一方が水素でありかつ他方が不安定
な基であってもよい。不安定な基は、写真要素の処理最
中にヒドロキシル基を形成する。そのような不安定な基
の具体例には、アルキルエステル、スルホニルエステ
ル、カルバメート、ホスフェートおよびカルボネートが
含まれる。不安定な基は、ヒドロキシル基の水素原子
が、アルカリと接触すると脱離するブロッキング基で置
換されているアルカリ分解性基である。典型的なブロッ
キング基は、加水分解または分子間求核置換により脱離
できるものである。加水分解により脱離できるブロッキ
ング基の典型的な具体例には、アシル基、例えば、脂肪
族および芳香族カルボニル基、ならびにスルホニル基が
含まれる。具体的なブロッキング基は、米国特許第 4,3
10,612号、同第 4,358,525号、同第 4,554,243号および
同第 4,690,885号明細書に記載されている。
【0020】R1 およびR2 は、別個に独立して、アル
キル、例えば、メチル、エチル、ブチルもしくはオクチ
ル;置換アルキル;アリール、例えば、フェニルもしく
はナフチル;置換アリール;アルカリル、例えば、ベン
ジル;またはアラルキル、例えば、フェネチルを表す。
有用なアルキル基には、炭素原子数30個までのものが含
まれ、一方有用なアリール基には、7〜18個の炭素原子
を含有するものが含まれる。R1 およびR2 で表される
アルキルおよび/またはアリール基が置換されていても
よい場合の置換基の具体例には、ハロ、シアノ、アルコ
キシ、アリールオキシ、ヒドロキシおよびニトロが含ま
れる。R1 およびR2 のうちの1つがn−オクタデシル
基(−C1837-n)であることが好ましい。
【0021】R3 は、ハロゲン、例えば、クロロ;アル
キル、例えば、メチル、エチル、ブチルもしくはオクチ
ル;置換アルキル、例えば、クロロメチル;アリール、
例えば、フェニルもしくはナフチル;置換アリール、例
えば、メトキシフェニル;アルカリル、例えば、ベンジ
ル;アラルキル、例えば、フェネチル;アルキルオキ
シ、例えば、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシ;
ならびにアリールオキシ、例えば、ベンゾキシを表す。
1 、R2 およびR3 のうち少なくとも1つが、バラス
ト化基を含む。バラスト化基とは、ピロカテコール化合
物が、写真要素に固定されかつ水にまたはアルカリ性写
真現像水溶液には溶解性をほとんど示さない程大きい嵩
および疎水性を有する基を意味する。
【0022】長期間保存する間に写真要素においてピロ
カテコール化合物が移動するのを防止するが、疎水性
(活性を低減する)が過度にならないように、本発明に
利用されるピロカテコール化合物の分子量が 350を越え
るが 600未満であることが好ましい。当該技術分野で周
知であるように、抗拡散性を維持するのに充分な嵩を保
持しながら、水可溶化もしくは極性基、例えば、カルボ
ン酸基、スルホン酸基、エーテル基およびアミド基の組
み込みにより、バラスト化化合物全体の疎水性を調整で
きる。上式中R1 およびR2 が両方とも非置換アルキル
基である場合、疎水性が過度になるのを防ぐことによっ
て良好な活性を維持するために、R1 およびR2 におけ
る炭素原子の和が20個以下であることが好ましい。本発
明で使用するのに特に好ましいピロカテコール化合物
は、次式のものである。
【0023】
【化9】
【0024】上式中、R1 およびR2 は、別個に独立し
て、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリー
ル、アルカリルもしくはアラルキル表し、そしてR
4 は、炭素原子数1〜8個のアルキルもしくは炭素原子
数1〜8個のアルキルオキシであるが、但し、R1 およ
びR2 は、互いに合わさって環系を形成し、さらに、R
1 およびR2 のうちの少なくとも1つがバラスト化基を
含む。本発明の写真要素にスカベンジャーとして有用に
使用されるピロカテコール化合物の具体例には、以下の
ものが含まれる。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】比較するために本明細書中で評価された、
本発明の範囲外のスカベンジャーには、以下のものが含
まれる。
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】本発明の写真要素は、ハロゲン化銀乳剤の
層を有する支持体を含む単純な黒白もしくはモノクロー
ム要素であっても、またはそれらが多層および/または
多色要素であってもよい。本発明のカラー写真要素は、
典型的には、3つの主要なスペクトル領域の各々に感受
性である色素画像形成性単位を含む。各単位は、単一ハ
ロゲン化銀乳剤層からなっても、または所定のスペクト
ル領域に感受性である複数の乳剤層からなってもよい。
画像形成性単位の層を包含する要素の層は、当該技術分
野で周知である様々な順序で配置できる。
【0036】本発明に従う好ましい写真要素は、イエロ
ー画像色素提供性物質と組合わさった少なくとも1つの
青感性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ画像色素提供性物
質と組合わさった少なくとも1つの緑感性ハロゲン化銀
乳剤層、およびシアン画像色素提供性物質と組合わさっ
た少なくとも1つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含み、
かつ要素は、本発明に従うスカベンジャーとして作用す
るピロカテコール化合物を含有する。好ましくは、スカ
ベンジャーが、異なる可視スペクトル領域に感受性のハ
ロゲン化銀乳剤層間の中間層に組み入れられるとはい
え、同じ可視スペクトル領域に感受性のハロゲン化銀乳
剤層間の中間層に組み入れることもできる。スカベンジ
ャーを、別の機能を有する層、例えば、ハレーション防
止層もしくはフィルター層に組み入れることもできる。
【0037】乳剤層および中間層に加えて、本発明の要
素は、写真要素に伝統的な補助層、例えば、オーバーコ
ート層、スペーサー層、フィルター層、ハレーション防
止層、pH低減層(酸層および中和層と称されることも多
い)、タイミング層、不透明反射層、不透明光吸収層な
どを含むことができる。支持体は、写真要素に用いられ
るいずれか適当な支持体でありうる。典型的な支持体に
は、ポリマーフィルム、紙(ポリマー塗布紙を包含す
る)、ガラスなどが含まれる。支持体および本発明の写
真要素の別の層に関する詳細は、リサーチ・ディスクロ
ージャー(Research Disclosure), Item 36544, 1994年
9月に含まれている。
【0038】本発明の写真要素に使用される感光性ハロ
ゲン化銀乳剤は、粗粒子、規定粒子もしくは微粒子状の
ハロゲン化銀結晶またはそれらの混合物を含むことがで
き、そしてハロゲン化銀、例えば、塩化銀、臭化銀、臭
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀および
それらの混合物からなるものでありうる。乳剤は、例え
ば、平板状粒子感光性ハロゲン化銀乳剤でありうる。乳
剤は、ネガ型または直接ポジ乳剤でありうる。それら
は、主にハロゲン化銀粒子の表面上にまたはハロゲン化
銀粒子の内部に潜像を形成できる。それらは、慣習に従
って化学および分光増感できる。典型的には、乳剤はゼ
ラチン乳剤であるだろうが、別の親水性コロイドを慣習
に従って使用できる。ハロゲン化銀乳剤に関する詳細
は、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclos
ure), Item 36544, 1994年 9月およびそこに列挙される
文献に含まれている。
【0039】本発明に利用される写真ハロゲン化銀乳剤
は、写真技術分野において伝統的な別の添加剤を含むこ
とができる。有用な添加剤は、例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure), Item 36544,
1994年 9月に記載されている。有用な添加剤には、分光
増感色素、減感剤、カブリ防止剤、マスキングカプラ
ー、DIRカプラー、DIR化合物、汚染防止剤、画像
色素安定剤、フィルター色素およびUV吸収体のような
吸収物質、光散乱物質、塗布助剤、可塑剤ならびに滑剤
などが含まれる。写真要素に使用される色素画像提供性
物質に依存して、ハロゲン化銀乳剤層もしくは乳剤層に
係わる別の層にそれを組み入れることができる。色素画
像提供性物質は、多数の当該技術分野で既知のもの、例
えば、色素生成性カプラー、漂白可能な色素、色素現像
剤および酸化還元色素放出体および要素の性質および所
望される画像の型に依存して使用される特定のもののい
ずれかでありうる。
【0040】別々の溶液で処理するように設定された従
来のカラー材料に使用される色素画像提供性物質は、好
ましくは色素生成性カプラー、すなわち、酸化された現
像主薬とカプリングして色素を生成する化合物である。
シアン色素画像を形成する好ましいカプラーは、フェノ
ール系およびナフトール系である。マゼンタ色素画像を
形成する好ましいカプラーは、ピラゾロン系およびピラ
ゾロトリアゾール系である。イエロー色素画像を形成す
る好ましいカプラーは、ベンゾイルアセトアニリド系お
よびピバリルアセトアニリド系である。使用されるスカ
ベンジャー化合物の量は、スカベンジャーを使用しよう
とする特定の目的および所望される掃去性の程度に依存
するであろう。典型的には、5〜2000mg/m2 の量でスカ
ベンジャーを使用するとき、有用な結果が得られる。ピ
ロカテコール化合物は、典型的には、適当な溶剤、例え
ば、カプラー溶剤を用いて写真要素に組み入れられる。
本発明にこの目的で利用できる好ましいカプラー溶剤の
具体例には、以下のものが含まれる。
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】
【0044】本発明の実施に際して、界面活性剤を写真
要素の1つ以上の層に組み入れることは望ましい。有用
な界面活性剤の具体例には、非イオン界面活性剤、例え
ば、OLIN MATHIESON CORPORATION市販のSURFACTANT 10
G、およびアニオン界面活性剤、例えば、ROHM AND HAAS
CORPORATION 市販のTRITON X-200E もしくはAMERICANC
YANAMID COMPANY 市販のAEROSOL OTが含まれる。本発明
に従ってスカベンジャーを使用することにより最低限に
抑えられるかまたは排除される増感色素汚染の問題は、
平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を利用する写真要素にとっ
ては、そのような乳剤が典型的には非常に高レベルの増
感色素を使用するため、特に過酷である。しかしなが
ら、それらの別の優れた特性により、平板状粒子ハロゲ
ン化銀乳剤を使用して、本発明の特に重要な態様を示
す。
【0045】本発明に使用することが特に考えられる平
板状粒子乳剤は、乳剤粒子の総投影面積の50パーセント
を越える面積が、 0.3ミクロン未満の厚さおよび25を越
える(好ましくは 100を越える)平均平板状性(T)を
有する平板状粒子によって占められているものである。
ここで、「平板状性」なる語は、 T=ECD/t2 (上式中、ECDは、平板状粒子の平均等価円直径をミ
クロンで示したものであり、そしてtは、平板状粒子の
平均厚さをミクロンで示したものである)として慣例的
に当該技術分野で使用されている。
【0046】写真乳剤の有用な平均ECDは、約10ミク
ロンまでの範囲であるとはいえ、実際には乳剤のECD
が、まれに約4ミクロンを越えることもある。ECDの
増加に従って写真スピードおよび平板状性が両方とも増
加するので、最小ECDの平板状粒子を使用して目標の
スピード要件の達成を両立することが好ましい。乳剤の
平板状性は、平板状粒子の厚さが薄くなるにつれ著しく
増大する。目標の平板状粒子投影面積が、薄型(t<0.
2 ミクロン)平板状粒子により満たされることが一般的
には好ましい。最低レベルの平板状性を達成するため
に、目標の平板状粒子投影面積が超薄型(t<0.06ミク
ロン)平板状粒子で満たされることが好ましい。平板状
粒子の厚さは、典型的には約0.02ミクロンより下の範囲
である。しかしながら、より低い平板状粒子の厚さが考
えられる。例えば、Daubendiek他の米国特許第 4,672,0
27号明細書には、 0.017ミクロンの粒子厚さを有するヨ
ウ化物3モルパーセントの平板状粒子臭ヨウ化銀乳剤が
報告されている。
【0047】前記のように、特定の厚さよりも薄い平板
状粒子が、乳剤の総粒子投影面積の少なくとも50パーセ
ントを占める。高平板状性の利点を最大にするために、
所定の厚さ規準を満たす平板状粒子が、乳剤の総粒子投
影面積の都合良く到達可能な最高パーセントを占めるこ
とが一般的に好ましい。例えば、好ましい乳剤では、前
記所定の厚さ規準を満たす平板状粒子が、総粒子投影面
積の少なくとも70パーセントを占める。最高性能の平板
状粒子乳剤では、前記所定の厚さ規準を満たす平板状粒
子が、総粒子投影面積の少なくとも90パーセントを占め
る。特に好ましい態様では、本発明は、支持体上に、青
記録性イエロー色素画像形成性層単位、緑記録性マゼン
タ色素画像形成性層単位、および赤記録性シアン色素画
像形成性層単位、を有する、色素画像を形成できる多色
写真要素であって、色素画像形成性層単位の各々が、少
なくとも1つの増感色素を含有する少なくとも1つのハ
ロゲン化銀乳剤層を含み、前記要素が、異なる可視スペ
クトル領域に感光性である色素画像形成性層単位間に置
かれた少なくとも1つの中間層ならびに本明細書に先に
記載されたピロカテコール化合物を含有する少なくとも
1つの中間層を含む多色写真要素を提供する。
【0048】本発明の写真要素は、化学輻射線、典型的
には可視スペクトル領域の化学輻射線に対して露光され
ると、潜像を形成でき、次いで処理されると可視色素画
像を形成できる。可視色素画像を形成するための処理
は、要素を発色現像主薬と接触させて、現像可能なハロ
ゲン化銀を還元し、そして発色現像主薬を酸化する段階
を含む。次いで酸化された発色現像主薬はカプラーと反
応して色素を与える。好ましい発色現像主薬は、p−フ
ェニレンジアミン、例えば、4−アミノ−N,N−ジエ
チルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N
−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−
N−エチル−N−(b−(メタンスルホナミド)エチ
ル)アニリン セスキ硫酸塩水和物、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−(b−ヒドロキシエチル)ア
ニリン硫酸塩、4−アミノ−3−b−(メタンスルホナ
ミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、およ
び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチ
ル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸で
ある。
【0049】通常現像に続いて、漂白、定着または漂白
定着(銀もしくはハロゲン化銀を除去するため)、洗浄
そして乾燥といった伝統的な段階がある。実施例では、
以下のごとく表示する:スカベンジャー,S−A;ハレ
ーション防止色素,DYE−1,DYE−2,DYE−
3,DYE−4,DYE−5およびDYE−6;イエロ
ー色素生成性カプラー,Y−1,Y−2およびY−3;
イエローフィルター色素,YFD−1;シアン色素生成
性カプラー,C−1;漂白促進剤放出性カプラー,B−
1;マスキングカプラー,MC−1およびMC−2;現
像抑制剤放出性カプラー,DIR−1,DIR−2,D
IR−3,DIR−4,DIR−5およびDIR−6;
赤色増感色素,CD−A,CD−BおよびCD−C;緑
色増感色素,MD−AおよびMD−B;青色増感色素,
YD−A;ならびにマゼンタ色素生成性カプラー,M−
1およびM−2。これらの化合物は、下記構造を有す
る。
【0050】
【化23】
【0051】
【化24】
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】
【化29】
【0057】
【化30】
【0058】
【化31】
【0059】
【化32】
【0060】実施例では、「色素セット1」なる語は、
CD−AおよびCD−Bのモル比9:1の混合物を称す
る。「色素セット2」なる語は、MD−AおよびMD−
Bのモル比6:1の混合物を称する。本発明でスカベン
ジャーとして利用されるピロカテコール化合物は、有機
化学合成分野で周知である反応および方法により調製で
きる。以下の実施例は、ピロカテコール化合物S−11
の合成を具体的に示すものである。
【0061】
【化33】
【0062】
【化34】 ここで、Meはメチルである。ここで、Etはエチルで
ある。ここで、THFはテトラヒドロフランである。こ
こで、Acはアセチルである。ここで、DMFはN,N
−ジメチルホルムアミドである。
【0063】化合物A3 ベンズアルデヒドA1(10.6g,0.10モル)およびn−
オクタデシルアミンA2(27.0g,0.10モル)をメタノ
ール( 400mL)に混合した。混合物を攪拌し、そして2
時間加熱還流した。得られた熱溶液を氷浴中で冷却し
た。冷混合物を濾過しそして採取した固体を冷メタノー
ルで洗浄した。生成物を窒素下の室温の真空炉(vacuum
oven)で一晩乾燥した。これにより、ふわふわの白色固
体として化合物A3が得られた,m.p.33〜35°,収量3
1.8g(89%)。
【0064】化合物A4 化合物A3(31.5g, 0.088モル)を無水メタノール
( 125mL)および乾燥テトラヒドロフラン( 125mL)と
混合した。混合物を窒素雰囲気下室温で攪拌して、溶液
を生成した。反応フラスコを、ポット温度が10°になる
まで氷浴中で冷却した。ホウ水素化ナトリウム( 3.6
g, 0.095モル)を少しずつ15分間かけて添加した。ガ
ス発生および発泡が生じた。氷浴を外し、混合物を室温
で2時間攪拌した。過剰のホウ水素化ナトリウムを、酢
酸(2mL)をゆっくりと添加することにより破壊した。
得られた混合物を氷および水( 800mL)中に注ぎ入れ
た。水性混合物をガラス繊維濾紙を介して濾過した。採
取した固体を水で洗浄した。生成物を五酸化燐の上で真
空炉中室温で一晩乾燥した。これにより、白色非晶質固
体として化合物A4が得られた,m.p.37〜39°,収量3
1.0g(98%)。
【0065】化合物A6 3,4−ジヒドロ安息香酸A5(30.8g,0.20モル)を
無水酢酸( 142.8g,1.40モル)と混合した。得られた
懸濁液を攪拌し、すこし温めた。濃硫酸(5滴)を添加
すると、黄色溶液が得られた。この溶液を5分間75〜80
°で加熱した。温溶液を攪拌しながら水( 600mL)に注
ぎ入れた。水性混合物を激しく攪拌し、55〜60°で20分
間加熱した。約5分後に、透明な溶液が得られた。次い
で固体が溶液から分離し始めた。混合物を室温に冷却
し、次いで氷中で冷却した。冷混合物を濾過し、採取し
た固体を水で洗浄した。生成物を約45°の真空炉中窒素
下で一晩乾燥した。これにより、クリーム色の粉末とし
て化合物A6が得られた,m.p. 157〜160 °,収量43.3
g(91%)。
【0066】化合物A7 化合物A6(24.3g, 0.102モル)および塩化オキサリ
ル(14.0g, 0.110モル)をジクロロメタン( 400mL)
と混合した。混合物を室温で攪拌するとスラリーが生成
した。N,N−ジメチルホルムアミド(5滴)を添加す
ると、ガスが発生した。反応が進行すると、溶液が得ら
れた。ガス発生は3時間後に止まった。溶剤および過剰
の塩化オキサリルをロータリー・エバポレーターで除去
した。残留する残渣を新しいジクロロメタン( 300mL)
に再溶解した。溶剤を再度ロータリー・エバポレーター
で除去した。これにより、褐色油状物としてA7が得ら
れた。収量26.2g( 100%)。生成物をさらに精製する
こなく即座に使用した。
【0067】化合物A8 化合物A7(26.2g, 0.102モル)を乾燥テトラヒドロ
フラン( 400mL)に溶解した。この溶液を窒素雰囲気下
室温で攪拌した。化合物A4(36.8g, 0.102モル)を
少しずつ15分間かけて添加した。濃厚な白色沈殿が生成
した。混合物を室温で30分間攪拌した。次いでトリエチ
ルアミン(10.3g, 0.102モル)を乾燥テトラヒドロフ
ラン(50mL)中に含む溶液を20分間かけて滴下した。ポ
ット温度はわずかに上昇し、そして混合物はあまり濃厚
ではなくなってきた。この添加が完了した後、混合物を
室温で2時間攪拌した。反応混合物を、攪拌しながら氷
および水(1000mL)ならびに濃塩酸(50mL)の混合物中
に注ぎ入れた。生成物が溶液から油状物として分離し
た。水性混合物を酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を
合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。抽
出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてNorit で処理
した。この混合物を濾過し、そしてロータリー・エバポ
レーターで溶剤を濾液から取り除いた。これにより、褐
色油状物が得られ、それをP513リグロイン( 100mL)と
共に室温で4時間攪拌した。約15分以内に、生成物が結
晶化し始めた。混合物をさらにP513リグロイン(75mL)
で希釈して、それが攪拌するには濃厚になりすぎるよう
になることを防止した。最終混合物を濾過した。採取し
た固体を最初にP513リグロインで洗浄し、次いでペンタ
ンで洗浄した。生成物を窒素下の真空炉中室温で一晩乾
燥させた。これにより、クリーム色のふわふわの固体が
得られた。m.p.63〜66°,収量43.8g(74%)。NMR
スペクトルおよび元素分析は、構造A8が正しいことを
示した。
【0068】化合物S−11 化合物A8(43.5g, 0.075モル)および濃塩酸( 3.0
g)をエタノール( 350mL)と混合した。混合物を攪拌
し、 1.5時間加熱還流した。反応混合物として溶解した
A8すべてを温めた。反応溶液を約40°に冷却し、次い
で攪拌しながら氷および水(1000mL)中に注ぎ入れた。
生成物が、微細乳化固体として溶液から分離した。水性
混合物を酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を合わせ
て、飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。抽出物を
硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてNorit で処理した。
混合物を濾過した。ロータリー・エバポレーターで溶剤
を濾液から除去した。これにより、褐色油状物が得ら
れ、それをP513リグロイン(80mL)と共に室温で5時間
攪拌した。最初に透明な溶液が生成し、約30分後に固体
が溶液から結晶化し始めた。混合物を濾過し、そして採
取した固体を最初にP513リグロインで洗浄し、次いでペ
ンタンで洗浄した。生成物を窒素下室温の真空炉中で乾
燥させた。これにより、ふわふわの白色固体としてS−
11が得られた,m.p.69〜72°,収量20.1g(54%)。
S−11の構造は、そのNMRスペクトルによりそして
元素分析により確認した。高速液体クロマトグラフィー
は、化合物が97.6%純粋であることを示した。
【0069】
【実施例】
実施例1〜28 酢酸酪酸セルロースフィルム支持体に、最初に4.89g/m2
のゼラチンおよび0.32g/m2の灰色コロイド銀を含有する
ハレーション防止層を塗布し、続いて2.42g/m2のヨウ臭
化銀乳剤(CD−AおよびCD−Cの混合物で増感され
た)、1.08g/m2のイエロー色素生成性カプラーY−3、
0.325g/m2のカブリ防止剤5−メチル−s−トリアゾー
ル−〔2,3−a〕−ピリミジン−7−オールならびに
2.15g/m2のゼラチンを含有する感光層を塗布することに
より、4層写真試験要素を調製した。次いでこれらの層
を、0.65g/m2のゼラチンを 0.007モル/m2 の所定のスカ
ベンジャー(特に断らない限り、その重量の半量のN,
N−ジブチルラウラミドに分散させた)と共に含有する
中間層でオーバーコートし、続いて2.69g/m2のゼラチン
を0.33g/m2のマゼンタ色素生成性カプラーM−2と共に
含有する受容体層でオーバーコートし、最後に 5.4g/m2
のゼラチンを総ゲル量に基づいて1.75重量パーセントの
ビスビニルスルホニルメチルエーテル硬膜剤と共にオー
バーコートした。
【0070】各要素の試料を、階段濃度試験被写体を介
して像様露光し、そして新しい未調整の処理溶液を用い
て、British Journal of Photography Annual, 1988, 1
96-198ページに記載されるように、KODAK FLEXICOLOR
(C41)プロセスにかけた。前記試験要素のフォーマッ
トでは、酸化された現像主薬が、それが生じる層から中
間層を介してマゼンタカプラーを含有する層へ移動する
ことによってのみ、マゼンタ色素が生成する。従って、
酸化された現像主薬が移動するのを防ぐというスカベン
ジャーの能力は、最小および最大露光量で測定された緑
色濃度差により測ることができる。下記第I表では、デ
ルタ緑は、(スカベンジャーを含有する試料のDmax
緑色濃度−Dmin の緑色濃度)−(スカベンジャーを含
まない対照標準塗膜のDma x の緑色濃度−Dmin の緑色
濃度)である。デルタ赤は、(スカベンジャーを含有す
る試料のDmin の赤色濃度)−(スカベンジャーを含ま
ない対照標準塗膜のDmin の赤色濃度)である。デルタ
緑に関してより負の値は掃去性が改良されたことを反映
し、一方デルタ赤に関してより小さい値は赤色汚染が低
減したことを示す。
【0071】
【表1】 * トリクレシルホスフェートに分散させた。 ** パラ−ドデシルフェノールに分散させた。 *** ジブチルフタレートの分散させた。
【0072】第I表のデータに示されるように、実施例
1〜28に使用された本発明のスカベンジャーは、デル
タ緑濃度値が低いことから明らかなように良好な活性
と、そしてデルタ赤濃度値が低いことから明らかなよう
に赤色汚染が低いことの両方を示す。比較スカベンジャ
ーCS−3を使用して−0.057 のデルタ緑値を提供する
対照3と、本発明のスカベンジャーS−10を使用して
−0.256 のデルタ緑値を提供する実施例1との比較は、
カルバモイル窒素が2置換されることで、掃去活性が改
良されたことを明瞭に示している。そのような改良は、
比較スカベンジャーCS−6を使用して−0.099 のデル
タ緑値を提供する対照6と、本発明のスカベンジャーS
−12を使用して−0.234 のデルタ緑値を提供する実施
例6との比較によっても明瞭に示されている。
【0073】対照9は、米国特許第 4,252,893号明細書
に記載されるように、6−アルコキシ置換基を有する
が、しかし第3級というよりむしろ第2級カルバモイル
基を4位に有する、ピロカテコール化合物を使用してい
る。アルコキシ基を6位に有しかつ第3級カルバモイル
基を4位に有する本発明のスカベンジャーS−34を使
用する実施例28との比較は、デルタ緑値が実施例28
について−0.261 でありそして対照9について−0.227
であったので、従って実施例28の掃去活性がかなり良
好であったことを示している。対照7および対照8のス
カベンジャー化合物は、米国特許第 4,476,219号明細書
に記載されるように没食子酸アミド誘導体(1,2,3
−トリヒドロキシ−5−カルバモイルベンゼン)であ
る。対照7を対照8と比較すると、第2級カルバモイル
基よりもむしろ第3級カルバモイル基を使用する場合の
方が、これらの没食子酸アミド誘導体の掃去活性におい
て本発明のピロカテコール化合物を用いたときに示すも
のと同じ改良を示さなかった。
【0074】実施例29 本明細書に先に記載したものと同様の写真試験要素(対
照10と示した)を調製し、露光し、そしてプロセスA
で処理した。この要素はスカベンジャーを全く含有しな
いものであった。スカベンジャーが 0.108モル/m2 の化
合物CS−7である、対照11と示した同様の要素を調
製した。スカベンジャーが 0.108モル/m 2 の化合物S−
10である、実施例29と示した同様の要素を調製し
た。最小露光量(Emin )または最大露光量(Emax
について下記第II表で指定される波長における濃度を測
定した。
【0075】
【表2】
【0076】第II表のデータで示されるように、米国特
許第 4,476,219号明細書に記載の没食子酸アミド誘導体
である比較スカベンジャーCS−7を使用すると、本発
明の範囲内であるピロカテコール・スカベンジャーS−
10を使用したときよりもかなり大きい着色汚染がDmin
およびDmax の両方で生じた。本発明のピロカテコール
・スカベンジャーは、米国特許第 4,476,219号明細書の
没食子酸アミド誘導体よりも空気酸化に対して安定であ
る。これは、対照11および実施例29の試験要素を30
00spi の圧力下周囲温度で7日間保管し、次いで露光し
そして本明細書に先に記載した方法で処理することによ
り明らかとなった。下記第III 表に、非加圧試料と比較
した、デルタ緑における変化であるデルタ値を提供す
る。残留スカベンジャー(パーセント)を、塗膜から抽
出し、続いて標準分析技法を用いて高速液体クロマトグ
ラフィーにより測定した。
【0077】
【表3】 第III 表のデータにより示されるように、本発明のスカ
ベンジャー化合物S−10は分解せずかつ掃去活性を維
持できたのに対して、比較スカベンジャーCS−7は著
しく分解した。
【0078】実施例30 以下の層を三酢酸セルロース・フィルム支持体上に被覆
することにより、多層写真要素(ML−1)を生成した
(被覆量は1平方メートルあたりのグラム量で示し、乳
剤のサイズはディスク遠心分離方法により決定しかつ直
径×厚さをミクロンで報告する)。 層1(ハレーション防止層):黒色コロイド銀ゾル,
0.151;ゼラチン,2.44;DYE−1,0.075 ;DYE
−2,0.075 ;DYE−3,0.042 ;DYE−4,0.08
8 ;DYE−5,0.020 ;DYE−6,0.008 ;および
S−A,0.161 。 層2(低感度シアン層):2種の赤色増感(色素セット
1)ヨウ臭化銀乳剤の配合物:(i)小さい平板状乳剤
( 1.1×0.09, 4.1モル%I),0.430 および(ii)微
小平板状粒子乳剤( 0.5×0.08, 1.3モル%I),0.49
2 ;ゼラチン,1.78;シアン色素生成性カプラーC−
1,0.538 ;漂白促進剤放出性カプラーB−1,0.038
;マスキングカプラーMC−1,0.027 。 層3(中庸感度シアン層):赤色増感(前記と同様)ヨ
ウ臭化銀乳剤( 1.3×0.12, 4.1モル%I),0.699 ;
ゼラチン,1.79;C−1,0.204 ;DIR−1,0.010
;MC−1,0.022 。 層4(高感度シアン層):赤色増感(前記と同様)平板
状ヨウ臭化銀乳剤( 2.9×0.13, 4.1モル%I),1.07
6 ;C−1,0.072 ;DIR−1,0.019 ;DIR−
2,0.048 ;MC−1,0.032 ;ゼラチン,1.42。 層5(中間層):ゼラチン,1.29。 層6(低感度マゼンタ層):2種の緑色増感(色素セッ
ト2)ヨウ臭化銀乳剤の配合物:(i) 1.0×0.09,
4.1モル%I,0.308 および(ii) 0.5×0.08,1.3モル
%I,0.584 ;マゼンタ色素生成性カプラーM−1,0.
269 ;マスキングカプラーMC−2,0.064 ;ゼラチ
ン,1.72。 層7(中庸感度マゼンタ層):緑色増感(前記と同様)
ヨウ臭化銀乳剤: 1.3×0.12, 4.1モル%I,0.968 ;
M−1,0.071 ;MC−2,0.064 ;DIR−3,0.02
4 ;ゼラチン,1.37。 層8(高感度マゼンタ層):緑色増感(前記と同様)平
板状ヨウ臭化銀乳剤(2.3×0.13, 4.1モル%I),0.9
68 ;ゼラチン,1.275 ;カプラーM−1,0.060 ;M
C−2,0.054 ;DIR−4,0.0011;およびDIR−
5,0.0011。 層9(イエローフィルター層):YFD−1,0.108 ;
およびゼラチン,1.29。 層10(低感度イエロー層):3種の青色増感(YD−
Aによる)平板状ヨウ臭化銀乳剤の配合物:(i) 0.5
×0.08, 1.3モル%I,0.295 、(ii) 1.0×0.25, 6
モル%I,0.50および(iii)0.81×0.087 , 4.5モル%
I,0.215 ;ゼラチン,2.51;イエロー色素生成性カプ
ラーY−1,0.725 およびY−2,0.289 ;DIR−
6,0.064 ;C−1,0.027 ;およびB−1,0.003 。 層11(高感度イエロー層):2種の青色増感(前記と
同様)ヨウ臭化銀乳剤の配合物:(i)大きい平板状乳
剤, 3.3×0.14, 4.1モル%I,0.227 および(ii)3
−D乳剤, 1.1×0.4 , 9モル%I,0.656 ;Y−1,
0.725 ;Y−2,0.289 ;DIR−6,0.029 ;C−
1,0.048 ;B−1,0.007 ;ならびにゼラチン,2.5
7。 層12(UVフィルター層):ゼラチン,0.699 ;臭化
銀リップマン乳剤,0.215 ;DYE−1,0.011 ;およ
びDYE−2,0.011 。 層13(保護オーバーコート):ゼラチン,0.882 。
【0079】硬膜剤(ビス(ビニルスルホニル)メタン
硬膜剤,総ゼラチン重量の1.75%)、カブリ防止剤(4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
アザインデン)、界面活性剤、塗布助剤、乳剤添加剤、
金属イオン封鎖剤、滑剤、艶消しおよび着色色素を、当
該技術分野では一般的にあるように適当な層に添加し
た。S−11を層5および9に0.054 で添加したことを
除いてML−1のように、ML−2を調製した。これら
の多層フィルムを、KODAK WRATTEN 74フィルターを用い
て階段状に露光し、そして前記プロセスAを用いて処理
すると、緑色層が得られた。赤色および青色濃度を、緑
色濃度 1.5、 2.0および 2.5で測定した。緑色層のみを
露光して、完全に現像するのだから、赤色および青色の
いずれについても濃度量は緑色層で生成された酸化され
た現像主薬の拡散から生じるものであろう。最低濃度値
は、酸化された現像主薬の掃去性が改良されたことを意
味する。
【0080】
【表4】
【0081】第IV表からわかるように、本発明のピロカ
テコール・スカベンジャー(ML−2)を含有する多層
要素は、酸化された現像主薬が露光されていない層へ移
動することによる着色汚染を(特に青記録において)ほ
とんど示さない。本発明により要求される構造特徴を有
するピロカテコール化合物は、以前から知られているピ
ロカテコール・スカベンジャーよりも際立って優れてお
り、同様に別の周知クラスの掃去性化合物よりも際立っ
て優れている。必須の構造特徴には、ピロカテコール化
合物が写真要素において実質的に非拡散性であるのに充
分な嵩およびピロカテコール環の4位における第3級カ
ルバモイル置換基の存在が含まれる。特に好ましいピロ
カテコール化合物は、これが掃去活性と長期間保存安定
性との間の特に良好なバランスを提供するような、 350
を越えるが 600未満の分子量を有するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化された現像主薬用のスカベンジャー
    として作用するピロカテコール化合物と組み合わされ
    た、少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を有する支持
    体を含む写真要素であって、前記ピロカテコール化合物
    が、前記写真要素において実質的に非拡散性であるため
    に十分な嵩を有しかつその4位に第3級カルバモイル置
    換基を有することを特徴とする写真要素。
JP8026932A 1995-02-15 1996-02-14 写真要素 Pending JPH08248598A (ja)

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