JPH08244087A - 射出成形機における圧力データの表示方法 - Google Patents

射出成形機における圧力データの表示方法

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JPH08244087A
JPH08244087A JP7079317A JP7931795A JPH08244087A JP H08244087 A JPH08244087 A JP H08244087A JP 7079317 A JP7079317 A JP 7079317A JP 7931795 A JP7931795 A JP 7931795A JP H08244087 A JPH08244087 A JP H08244087A
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pressure
injection
deviation
display
data
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JP7079317A
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Masao Kamiguchi
賢男 上口
Tetsuaki Neko
哲明 根子
Kaoru Hiraga
薫 平賀
Motohiro Hase
元弘 長谷
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/77Measuring, controlling or regulating of velocity or pressure of moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C37/00Component parts, details, accessories or auxiliary operations, not covered by group B29C33/00 or B29C35/00
    • B29C2037/90Measuring, controlling or regulating
    • B29C2037/906Measuring, controlling or regulating using visualisation means or linked accessories, e.g. screens, printers

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形作業中に生じる圧力のばらつきの量
やばらつきの発生するタイミング等を正確に読み取るこ
とのできる圧力データ表示方法を提供すること。 【構成】 射出成形作業の基準となる射出圧力波形IP
を予め決めておき、射出成形作業中に実射出圧力IPR
を検出して、対応する基準射出圧力IPiとの圧力偏差
MPiを求め、圧力偏差のグラフMPを表示する。複数
の射出工程における射出圧力波形を重複表示して圧力偏
差を読み取る従来の表示方法とは違って射出圧力波形の
全容を表示する必要がないので、圧力偏差のグラフMP
の表示スケールを大きく設定することができる。この結
果、グラフ表示の分解能が実質的に向上し、圧力のばら
つきの量やばらつきの発生するタイミング等を正確に読
み取ることができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機における圧
力データの表示方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出や計量の異常を検出するため、射出
成形作業時における射出圧力や背圧を所定周期毎にサン
プリングし、時系列またはスクリュー位置を基準として
表示画面上にグラフ表示したり、更に、これらのグラフ
表示を複数の射出成形サイクルに亘って重ねて表示する
ようにした圧力データの表示方法が既に公知である。そ
の一例として、所定のサンプリング周期で射出圧力を検
出し、複数の射出成形サイクルに亘って射出圧力のグラ
フ表示を重ねて表示するようにしたものを図7に示す。
【0003】図7に示す圧力データの表示方法では、表
示装置のファンクションキーを選択的に操作することに
より、射出圧力のグラフ表示を1成形サイクル毎に消去
して新たに書き替える“1回書き”と、射出圧力のグラ
フ表示を複数の成形サイクルに亘って重ねて表示する
“重ね書き”、および、“1回書き”や“重ね書き”に
おける圧力データの追加表示や更新表示を停止してその
時点におけるグラフの表示状態をそのまま維持する“重
ね書き終了”の各機能が任意に選択できるようになって
おり、図示例においては、“重ね書き”の機能により2
成形サイクル分の射出圧力データが表示された状況につ
いて示している。
【0004】このまま“重ね書き”を継続してゆけば、
図7に破線で示されるように、各成形サイクルに対応す
る多数の圧力変化のグラフが重ねて表示されることにな
り、このグラフの波形のばらつきを吟味することによっ
て射出や計量の異常の有無を知ることが可能である。例
えば、同じ検出タイミングにおいて常に射出圧力のばら
つきが大きくしかもその大きさがほぼ一定であるような
場合では、金型の設計上の問題等によって定常的な射出
異常が生じていることが考えられ、また、射出圧力のば
らつきが大きくしかもその変動が激しいような場合で
は、不適当な射出条件の設定によって射出異常が生じて
いることが考えられる。また、射出圧力にばらつきがあ
っても様々な検出タイミングにおいてそのばらつきが検
出されるような場合では、樹脂の部分的な可塑化異常や
異物の混入といったことが考えられ、金型自体の構造や
大半の成形条件等には問題のないこともある。
【0005】以上はほんの一例であって、必ずしも全て
の金型や様々な成形条件の組み合わせについて前述のよ
うな現象を一様に論じることはできないが、射出や計量
時の圧力変化やグラフのばらつきを吟味することによ
り、オペレータの技量に応じた情報を抽出できるのは間
違いのないところである。
【0006】そこで問題となるのは情報源となるグラフ
表示自体の見易さや分解能である。従来式の圧力データ
の表示方法では、射出圧力や背圧の変化を示すグラフの
全容を表示する必要上、固定された圧力スケールまたは
設定最大射出圧力に基いて決められた圧力スケールに基
いて、射出圧力や背圧の検出値をそのまま単純にプロッ
トしてグラフを描画させるようにしていたため、各グラ
フ間の圧力のばらつきをグラフから検出しようとして
も、圧力表示のスケールのオーダーが高すぎて微妙な圧
力のばらつきを検出できないという問題がある。
【0007】また、グラフの形状自体が複雑で、しか
も、多数のグラフが複雑に絡み合うため、圧力のばらつ
き、つまり、グラフの上下方向のずれを適確に検出でき
ない場合がある。例えば、図7で示すような例では、A
点での圧力のばらつきに比べてB点における圧力のばら
つきの方が大きくなっているが、各々の位置におけるグ
ラフの法線方向のずれ量がほぼ同一となってしまってい
るために相対的なずれ量が同じように見えてしまい、圧
力の差を客観的に読み取ることが難しい場合が多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、射出圧力のグラフを
表示するためのスケール設定に左右されることなく、射
出成形作業中に生じる圧力のばらつきの量やばらつきの
発生するタイミング、更には、ばらつきが繰り返し発生
する検出タイミング等を正確に読み取ることのできる射
出成形機における圧力データの表示方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形作業
の基準となる圧力波形を予め決めておき、射出成形作業
中に所定の検出タイミングで前記圧力波形に対応する圧
力を検出し、この検出タイミングに対応して前記圧力波
形に記憶された圧力と前記検出した圧力との圧力偏差を
求め、各検出タイミング毎の圧力偏差を表示画面上にグ
ラフ表示することにより前記目的を達成した。
【0010】また、基準となる圧力波形と圧力偏差のグ
ラフを検出タイミングを基準として表示画面上に並列表
示することにより、圧力のばらつきの発生するタイミン
グを容易に把握できるようにした。
【0011】圧力偏差のグラフ表示における圧力軸のス
ケールを基準となる圧力波形の表示スケールと独立して
設定することにより、基準となる圧力波形を表示する場
合であっても、圧力偏差のグラフ表示のスケールが圧力
波形のスケールによって制限されないようにした。
【0012】また、複数の射出成形サイクルの圧力偏差
のグラフを重ねて表示することにより、ばらつきの分布
状態やばらつきが繰り返し発生する検出タイミング等を
正確に読み取って圧力異常の原因を予測できるようにし
た。
【0013】
【作用】射出成形作業の基準となる圧力波形を予め決め
ておき、射出成形作業中に所定の検出タイミングで前記
圧力波形に対応する圧力を検出し、この検出タイミング
に対応して前記圧力波形に記憶された圧力と前記検出し
た圧力との圧力偏差を求め、各検出タイミング毎の圧力
偏差を表示画面上にグラフ表示する。圧力偏差のグラフ
を独立して表示するので、射出圧力等のグラフを全体表
示する場合に比べて単位量の小さな表示スケールを適用
することができ、グラフの判読が容易となる。また、圧
力偏差零の直線を基準としてその上下方向に検出圧力の
ばらつきが示されるようになるので、基準となる圧力波
形自体が複雑な形状を有する従来の表示方法に比べ、各
検出タイミングにおける圧力偏差の大小関係を容易に把
握することができる。
【0014】また、検出タイミングを基準として基準と
なる圧力波形と圧力偏差のグラフを表示画面上に並列表
示するようにしたので、圧力のばらつきの発生するタイ
ミングを容易に把握することができる。
【0015】圧力偏差のグラフ表示における圧力軸のス
ケールは基準となる圧力波形の圧力軸のスケールと独立
して設定するようにしたので、基準となる圧力波形を表
示する場合であっても、圧力偏差のグラフ表示のスケー
ルが圧力波形の圧力軸のスケールによって制限されるこ
とはなく、常に、圧力のばらつきの表示に適したスケー
ルを用いて圧力偏差の表示を行うことができる。
【0016】また、複数の射出成形サイクルの圧力偏差
のグラフを重ねて表示するようにしたので、圧力偏差の
ばらつきの分布状態やばらつきが繰り返し発生する検出
タイミング等を確認して圧力異常の原因を予測すること
が可能となる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明による圧力データ表示方法を適用し
た一実施例の電動式射出成形機の要部を示すブロック図
である。シリンダ2,スクリュー3,ロードセル8,動
力伝達機構4,射出用サーボモータ5の構成は従来の電
動式射出成形機と全く同様で、射出用サーボモータ5の
回転運動を直線運動に変換する動力伝達機構4によって
スクリュー3が射出軸方向に駆動されるようになってい
る。
【0018】ロードセル8は動力伝達機構4の出力軸と
スクリュー3との間に設けられた圧力センサであり、射
出時や計量時においてスクリュー3に作用する樹脂反
力、即ち、射出圧力や背圧を検出するためのものであ
る。射出成形金型1に作用する樹脂圧力を直接検出する
ような場合では金型内圧センサ7を配備する場合もある
が、この金型内圧センサ7を背圧検出手段として利用す
るのは不適当である。なお、射出圧力や背圧を共に検出
するための手段としては、ロードセル8の他、シリンダ
2の先端内部に取り付けるシリンダ内圧センサ等を利用
することが可能である。
【0019】射出成形機を駆動制御する制御装置10
は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用C
PU25、プログラマブルマシンコントローラ用のマイ
クロプロセッサであるPMC用CPU18、サーボ制御
用のマイクロプロセッサであるサーボCPU20と、A
/D変換器16を介してロードセル8や金型内圧センサ
7から射出圧力等を検出してサンプリング処理を行うた
めの圧力モニタ用CPU17とを有し、バス22を介し
て相互の入出力を選択することにより各マイクロプロセ
ッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0020】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御する制御プログラム等を記憶し
たROM27および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM28が接続されている。
【0021】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、射出圧力のサンプリング処理
等に関する制御プログラムを格納したROM11やデー
タの一時記憶に用いられるRAM12が接続されてい
る。更に、サーボCPU20には、該CPU20からの
指令に基いて型締め用,射出用,スクリュー回転用,エ
ジェクタ用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボア
ンプが接続され、各軸のサーボモータに取付けられたパ
ルスコーダからの出力がサーボCPU20に帰還される
ようになっている。そして、各軸の現在位置およびその
移動速度等がパルスコーダからのフィードバックパルス
に基いてサーボCPU20により算出される。図1にお
いては射出軸用のサーボアンプ15と射出用サーボモー
タ5および該モータ5のパルスコーダ6についてのみ示
しているが、型締め用,エジェクタ用等の各軸の構成は
皆これと同様である。但し、スクリュー回転用のものに
関しては現在位置を検出する必要はなく、速度のみを検
出すればよい。
【0022】インターフェイス23は射出成形機本体の
各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を
受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達
したりするための入出力インターフェイスである。
【0023】ディスプレイ付手動データ入力装置29は
CRT表示回路26を介してバス22に接続され、グラ
フ画面の表示や機能メニューの選択および各種データの
入力操作等が行えるようになっており、数値データ入力
用のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設け
られている。
【0024】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を
記憶する成形データ保存用のメモリである。
【0025】圧力偏差のグラフ表示を特徴とする本発明
は、射出圧力のモニタ表示に対しても計量時の背圧のモ
ニタ表示に対しても適用することができるが、ここでは
一例として射出圧力に関する圧力偏差のグラフを表示す
る場合を例に取って説明するものとする(従って、圧力
検出手段としてはロードセル8,金型内圧センサ7,シ
リンダ内圧センサ等が共に使用可能である)。
【0026】図5は射出成形作業の基準となる圧力波形
のデータ、つまり、射出圧力の波形データを記憶するた
めに不揮発性メモリ24内に設けられたデータファイル
の一例を示す概念図で、このデータファイルには、記憶
領域のアドレスを時間軸に対応させて射出開始後の各時
点における射出圧力の基準値が記憶されている。詳しく
は後述するが、この実施例では良品成形時における射出
工程で射出圧力のサンプリング処理を行って射出圧力の
基準波形データを抽出するようにしており、射出開始時
点を時刻零、また、サンプリング周期をΔtとするな
ら、前述のデータファイルのアドレスiの記憶領域には
射出開始後(i−1)・Δt経過時点の基準圧力IPi
が記憶されることになる。
【0027】以上の構成により、PMC用CPU18が
射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用C
PU25がROM27の制御プログラムや不揮発性メモ
リ24の成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対し
てパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸に対して
パルス分配された移動指令とパルスコーダ等の検出器で
検出された位置および速度のフィードバック信号に基い
て、位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ルー
プ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサー
ボ処理を実行する。
【0028】図2は基準となる射出圧力波形のデータを
抽出してデータファイルに設定するための「圧力波形設
定処理」の概略を示すフローチャートであり、この処理
は、射出成形機の稼働中、圧力モニタ用CPU17によ
り所定のサンプリング周期Δt毎に繰り返し実行されて
いる。
【0029】「圧力波形設定処理」を開始した圧力モニ
タ用CPU17は、まず、「基準登録モード」の機能メ
ニューが選択されているか否かを判別し(ステップa
1)、この機能メニューが選択されている場合に限り、
ステップa2以降の処理を継続して行う。従って、実質
的な「圧力波形設定処理」が実施されるのは「基準登録
モード」の機能メニューが選択されている場合のみであ
る。なお、「基準登録モード」の機能メニューが選択さ
れていない場合には、更に、「モニタ処理」の実行/非
実行がステップb1の判別処理で判定されることになる
が、「モニタ処理」に関しては後に独立して詳しく説明
するものとし、ここでは説明しない。「圧力波形設定処
理」は圧力偏差の算出に際して比較基準となる圧力の波
形を設定するための処理であるから、良品成形時におい
て実行させることが望ましい。なお、「基準登録モー
ド」の選択や「モニタモード」の選択は、連続成形作業
中にオペレータがディスプレイ付手動データ入力装置2
9のファンクションキーを操作して行うようになってい
る。
【0030】「基準登録モード」の機能メニューが選択
されている場合、つまり、ステップa1の判別結果が真
となった場合、圧力モニタ用CPU17は、次いで、サ
ンプリング実行フラグF′がセットされているか否かを
判別する(ステップa2)。「基準登録モード」の機能
メニューを選択した直後の段階ではサンプリング実行フ
ラグF′が未設定の状態にあるので、圧力モニタ用CP
U17は、更に、射出開始検出フラグF″がセットされ
ているか否かを判別する(ステップa3)。「基準登録
モード」の機能メニューを選択した直後の段階では射出
開始検出フラグF″も未設定の状態にあり、圧力モニタ
用CPU17は、更に、PMC用CPU18のRAM1
4にアクセスし、射出実行フラグFがセットされている
か否かを判別する(ステップa4)。射出実行フラグF
は、全体のシーケンス制御を司るPMC用CPU18に
より射出工程の開始指令が出力された時にセットされる
フラグであるから、この時点においても、射出実行フラ
グFがセットされている場合とセットされていない場合
とがある。つまり、オペレータが「基準登録モード」の
機能メニューを選択した時点で既に或る成形サイクルの
射出工程が開始されていれば射出実行フラグFがセット
されており、また、オペレータが「基準登録モード」の
機能メニューを選択した時点で射出工程の処理が行われ
ていなければ、射出実行フラグFがセットされていない
ことになる。
【0031】既に射出実行フラグFがセットされている
場合、この時点でサンプリングデータの抽出を開始して
しまうと射出開始直後からこの時点までのデータが抽出
されないことになるので、圧力モニタ用CPU17は、
この時点でサンプリングデータの抽出を開始することは
せず、この成形サイクルにおけるサンプリング処理の実
施を見送って当該処理周期の処理を終わらせ、次の成形
サイクルにおける射出工程の開始を待機することにな
る。また、射出実行フラグFがセットされていなけれ
ば、オペレータが「基準登録モード」の機能メニューを
選択した時点で射出工程の処理が行われていなかったこ
とを意味するので、当然、射出工程におけるサンプリン
グ処理を行うことはできず、圧力モニタ用CPU17
は、射出開始検出フラグF″をセットして(ステップa
5)、次の成形サイクルにおける射出工程の開始を待機
することになる。つまり、このようにして射出開始検出
フラグF″のセットが完了した後、以降のサンプリング
処理周期において射出実行フラグFのセットが検出され
れば、射出実行フラグFがOFFからONに変化する瞬
間、要するに、射出工程の立上りを検出できるのであ
る。
【0032】結果的に、オペレータが「基準登録モー
ド」の機能メニューを選択した時点で既に射出工程が開
始されていた場合では、この射出工程が完了するまでの
間ステップa1〜ステップa4の判別処理のみが繰り返
し実行され、更に、この射出工程が完了してステップa
5の処理で射出開始検出フラグF″がセットされた後
は、次の射出工程の処理が開始されるまでの間、ステッ
プa1〜ステップa3およびステップa6の判別処理の
みが繰り返し実行されることになる。また、オペレータ
が「基準登録モード」の機能メニューを選択した時点で
射出工程の処理が行われていなかった場合には、既に述
べた通り、ステップa5の処理によりその時点で射出開
始検出フラグF″をセットし、以下、前記と同様にして
ステップa1〜ステップa3およびステップa6の判別
処理のみを繰り返し実行することになる。なお、ステッ
プa6の処理の内容は実質的にステップa4の処理と同
一である。
【0033】そして、圧力モニタ用CPU17がステッ
プa1〜ステップa3およびステップa6の判別処理を
繰り返し実行する間に次の射出工程が開始されると、P
MC用CPU18によって射出実行フラグFがセットさ
れ、圧力モニタ用CPU17はステップa6の判別処理
でこれを検出する。つまり、前述した射出工程の立上り
の検出である。そこで、圧力モニタ用CPU17は、射
出開始検出フラグF″をリセットしてサンプリング実行
フラグF′をセットし、サンプリングデータの記憶領域
を決めるアドレス指標iを零に初期化して(ステップa
7)、射出圧力の現在値IPR のサンプリング処理を開
始することになる。なお、サンプリングデータを一時記
憶するためにRAM12内に設けられているテーブルの
構成は図5に示すデーファイルの構成と同様である。
【0034】サンプリング処理を開始した圧力モニタ用
CPU17は、まず、アドレス指標iの値を1インクリ
メントし(ステップa8)、ロードセル8からの射出圧
力の現在値IPR を読み込み、その値をアドレス指標i
の値に対応させ、RAM12内のテーブルの記憶領域I
Piに記憶する(ステップa9)。次いで、圧力モニタ
用CPU17は、射出実行フラグFがリセットされてい
るか否か、即ち、或る成形サイクルの一射出工程が完了
しているか否かを判別するが(ステップa10)、完了
していなければ、この処理周期における「圧力波形設定
処理」をこのまま終了する。なお、射出実行フラグFの
リセット操作は、そのセット時の操作と同様、PMC用
CPU18によって行われるものであって、圧力モニタ
用CPU17の動作とは直接の関係はない。
【0035】以降の処理周期では、前述したステップa
7の処理によって既にサンプリング実行フラグF′がセ
ットされているので、ステップa1およびステップa2
の判別処理とステップa8〜ステップa10の処理のみ
が繰り返し実行され、順次インクリメントされるアドレ
ス指標iの値に基いて、各サンプリング周期毎の射出圧
力の現在値IPR の値が前記RAM12内のテーブルの
記憶領域IPiに次々と記憶されてゆくことになる。
【0036】そして、PMC用CPU18によって射出
実行フラグFがリセットされ、当該一射出工程の射出お
よび保圧制御が終了したことがステップa10の判別処
理によって検出されると、圧力モニタ用CPU17は
「基準登録モード」の機能メニューの選択を解除してサ
ンプリング実行フラグF′をリセットし、アドレス指標
iの値を初期化して前記テーブルの記憶内容の全てを不
揮発性メモリ24のデータファイルに転送して記憶さ
せ、RAM12内のテーブルのデータを消去する(ステ
ップa11)。
【0037】以上、一実施例として、良品成形時の射出
工程で得られた射出圧力のサンプリングデータIPiの
各値を基準圧力波形のデータとしてそのまま制御装置1
0に設定記憶するようにしたものについて述べたが、射
出工程をこの基準圧力波形データに基いて圧力制御を行
う場合には、更に、これらのデータに修正や編集等の作
業を加え、該修正後または編集後のデータを改めて不揮
発性メモリ24のデータファイルに記憶させるようにし
てもよい。修正や編集等の作業方法としては、不揮発性
メモリ24に転送されたデータに対してテンキー等によ
る直接の数値入力操作で書き替えを行う方法や、このデ
ータをプロットして得られる線図をディスプレイ付手動
データ入力装置29に表示させてグラフィックカーソル
を用いた操作で線図の形状を変え、これを改めて数値化
して前記データファイルの対応位置にデータとして自動
的に書き込ませる等の方法があるが、いずれもデータの
編集方法それ自体は従来技術に属するものでり、詳細な
説明は省略する。
【0038】図3は、前述のようにして得られた基準圧
力波形のデータに基いて射出工程における各検出タイミ
ング毎の射出圧力の圧力偏差を求めるための「モニタ処
理」の概略を示すフローチャートである。この処理は、
「モニタモード」の機能メニューが選択されている間、
圧力モニタ用CPU17により前述の「圧力波形設定処
理」の場合と同様の所定のサンプリング周期Δt毎に繰
り返し実行されるようになっている。
【0039】また、「モニタモード」の機能メニューが
選択されるとディスプレイ付手動データ入力装置29の
画面表示が切替わり、不揮発性メモリ24に記憶された
基準圧力データIPiに基く基準射出圧力波形の線図I
Pと基準射出圧力の表示スケールおよび圧力偏差の表示
スケールが図6のようにして描画される(この段階では
圧力偏差のグラフMPは表示されていない)。基準射出
圧力波形IPの表示スケールは固定、もしくは、従来の
自動スケーリング処理により自動決定されるもので、図
示例では1目盛りを500Kg/cm2 として零Kg/
cm2 から2000Kg/cm2 まで設定されている。
また、圧力偏差の表示スケールの圧力原点は、基準射出
圧力波形IPと干渉しないように基準射出圧力の表示ス
ケールを基準に1500Kg/cm2 の位置までオフセ
ットした位置に設定され、目盛り自体は基準射出圧力の
ものと共通だが、1目盛りが300Kg/cm2 、要す
るに、基準射出圧力の表示スケールに対して5/3倍の
拡大率で設定されている。この拡大率の設定は任意であ
り、ディスプレイ付手動データ入力装置29からのテン
キー操作等で自由に切り替えることができ、拡大率の設
定変更に応じて圧力偏差のスケール表示も自動的に切替
わる。例えば、拡大率が2倍の場合では1目盛りが25
0Kg/cm2 となる。なお、時間軸はいずれの場合に
おいても共通である。モニタモードにおける“1回書
き”,“重ね書き”,“重ね書き終了”等のファンクシ
ョンキーの操作はCRT表示回路26内のバッファに一
旦ラッチされ、各CPUによってファンクションキーの
操作状態が確認できるようになっている。
【0040】「モニタ処理」を開始した圧力モニタ用C
PU17は、まず、「モニタモード」の機能メニューが
選択されているか否かを判別し(ステップb1)、この
機能メニューが選択されている場合に限り、ステップb
2以降の処理を継続して行う。従って、実質的な「モニ
タ処理」が実施されるのは「モニタモード」の機能メニ
ューが選択されている場合のみである。
【0041】ステップb2〜ステップb5およびステッ
プb6〜ステップb7の各処理は前述の「圧力波形設定
処理」におけるステップa2〜ステップa5およびステ
ップa6〜ステップa7の各処理と同様、射出開始直後
から射出圧力の現在値IPRのサンプリングを開始させ
るためのものである。但し、この「モニタ処理」におい
ては、基準圧力波形のデータIPiと各検出タイミング
毎の射出圧力の現在値IPR とに基いて各検出タイミン
グ毎の圧力偏差MPiの値を求めるための処理(ステッ
プb9)を実行する必要上、予め不揮発性メモリ24の
データファイルからRAM12のデータテーブルに基準
圧力波形のデータを取り込んでおく必要がある。この処
理は、「モニタモード」の機能メニューが選択された直
後の時点もしくは直前の射出保圧工程の処理が完了した
時点においてステップb5′の処理で行われるようにな
っている。
【0042】新たな射出工程の立上りを検出し(ステッ
プb2〜ステップb6)、射出開始検出フラグF″のリ
セット,サンプリング実行フラグF′のセット,アドレ
ス指標iの初期化に関する処理(ステップb7)を実行
した圧力モニタ用CPU17は、指標iの値を1インク
リメントし(ステップb8)、該指標iの値に基いてR
AM12のデータテーブルから当該サンプリング周期に
対応する射出圧力の基準値IPiの値を読込むと共に、
ロードセル8から射出圧力の現在値IPR を読込み、基
準射出圧力IPiから現在値IPR を減じて当該サンプ
リング周期iにおける圧力偏差の値を求め、この値をR
AM12のデータテーブルのi番目のアドレスの記憶領
域に圧力偏差MPiとして記憶する(ステップb9)。
【0043】次いで、圧力モニタ用CPU17は、射出
実行フラグFがリセットされているか否か、即ち、成形
サイクルの一射出工程が完了しているか否かを判別する
が(ステップb10)、完了していなければ、この処理
周期における「モニタ処理」をこのまま終了する。
【0044】以降の処理周期では、前述したステップb
7の処理によって既にサンプリング実行フラグF′がセ
ットされているので、ステップb1およびステップb2
の判別処理とステップb8〜ステップb10の処理のみ
が繰り返し実行され、順次インクリメントされるアドレ
ス指標iの値に基いて、各サンプリング周期i毎の射出
圧力の圧力偏差の値がRAM12のテーブルの記憶領域
MPiに次々と記憶されてゆくことになる。
【0045】そして、PMC用CPU18によって射出
実行フラグFがリセットされ、当該一射出工程の射出お
よび保圧制御が終了したことがステップb10の判別処
理によって検出されると、圧力モニタ用CPU17は、
サンプリング実行フラグF′をリセットし、アドレス指
標iの最終値、即ち、サンプリングの実行回数をレジス
タnに移しかえた後、アドレス指標iの値を初期化して
表示処理実行フラグWをセットし、サンプリングの実行
回数nの値とテーブルに記憶した圧力偏差のデータの全
てを不揮発性メモリ24に転送してデータファイルに記
憶させ、RAM12内の圧力偏差のデータを消去する
(ステップb11)。
【0046】「モニタモード」の機能メニューが選択さ
れている間は前述の「モニタ処理」が継続して実行され
るので、不揮発性メモリ24のデータファイルには、1
射出工程の終了毎に、この1射出工程分の圧力偏差のデ
ータMP1〜MPnが転送されてくることになる。
【0047】図4は前述の「モニタ処理」により得られ
た圧力偏差のデータMP1〜MPnに基いて計量開始時
点でPMC用CPU18によって実施される「表示処
理」の概略を示すフローチャートである。なお、この実
施例に関しては計量時の背圧を検出するためのサンプリ
ング処理は行っていないので、「モニタ処理」における
ステップb11の処理が完了した時点でこの「表示処
理」と同等の処理を圧力モニタ用CPU17によって実
施させるようにすることも可能である。
【0048】計量開始によって「表示処理」を開始した
PMC用CPU18は(ステップc1)、まず、表示処
理実行フラグWがセットされているか否かを判別する
(ステップc2)。前述した通り、射出工程の実行途中
で「モニタモード」の機能メニューが選択された場合で
は、その射出工程に対する射出圧力のサンプリング処理
が非実行とされるが、その場合は表示処理実行フラグW
もセットされないので、「表示処理」におけるステップ
c3以降の処理も自動的にキャンセルされることにな
る。つまり、「表示処理」が実施されるのは、表示処理
実行フラグWがセットされている場合、要するに、「モ
ニタモード」の機能メニューが選択され、かつ、直前の
1射出工程の全期間に亘って「モニタ処理」による圧力
偏差の算出が行われている場合に限られる。
【0049】そこで、表示処理実行フラグWがセットさ
れていると判定された場合、PMC用CPU18は、デ
ィスプレイ付手動データ入力装置29に“重ね書き終
了”の指令が入力されているか否かを判定する(ステッ
プc3)。“重ね書き終了”の指令が入力されていれ
ば、PMC用CPU18は、表示処理実行フラグWをリ
セットし、不揮発性メモリ24のデータファイルにおけ
る圧力偏差のデータMP1〜MPnを消去して(ステッ
プc8)、この回の「表示処理」を終了する。従って、
この場合は圧力偏差のグラフの新たな書き替え表示(1
回書き)も圧力偏差のグラフの追加表示(重ね書き)も
実行されず、ディスプレイ付手動データ入力装置29の
表示画面には、それ以前に表示されていたグラフ等がそ
のまま固定表示されることになる。
【0050】また、表示処理実行フラグWがセットされ
ていた場合、PMC用CPU18は、更に、表示機能と
して“重ね書き”が選択されているか“1回書き”が選
択されているかを判定する(ステップc4)。“重ね書
き”が選択されていた場合、PMC用CPU18は、ス
テップb11の処理で初期化されたアドレス指標iの値
がデータ総数nに達するまでの間(ステップc7)、該
指標iの値を順次インクリメントし(ステップc5)、
その都度指標iの値に基いて不揮発性メモリ24のデー
タファイルから圧力偏差のデータMPiを読込み、表示
画面上の〔時間,圧力偏差〕=〔(i−1)・Δt,M
Pi〕の位置にドットを表示して(ステップc6)、図
6に示すような圧力偏差のグラフMPを作成し、表示ま
たは追加表示する。また、“1回書き”が選択されてい
た場合では、それ以前に表示画面上に表示されていたグ
ラフMPを消去した後(ステップc9,IPは残す)、
前記と同様の処理操作を行って直前の1射出工程分の圧
力偏差のグラフMPを新たに表示することになる(ステ
ップc5〜ステップc7)。そして、“重ね書き”もし
くは“1回書き”のグラフ表示に関する処理を終了した
PMC用CPU18は、表示処理実行フラグWをリセッ
トし、不揮発性メモリ24のデータファイルにおける圧
力偏差のデータMP1〜MPnを消去して(ステップc
8)、この回の「表示処理」を終了する。
【0051】この「表示処理」は、「モニタモード」の
機能メニューが選択されている間、各成形サイクルの計
量開始毎に繰り返し実行されることになるので、“重ね
書き”の機能が選択されている場合では、「モニタモー
ド」の機能メニュー選択以降の全ての射出工程に関わる
圧力偏差のグラフMPが順次重複して表示され、また、
“1回書き”の機能が選択されている場合では、直前の
1射出工程に関わる圧力偏差のグラフMPのみが、次の
射出工程の計量が開始されるまでの間だけ、ディスプレ
イ付手動データ入力装置29の表示画面に表示されるこ
とになる。いずれの場合も、ディスプレイ付手動データ
入力装置29から“重ね書き終了”の指令を入力するこ
とにより、次の成形サイクル以降のグラフの追加表示や
書替え表示をキャンセルしてその時点で表示されている
グラフをそのまま維持することができ、グラフを固定し
て検討を行うような時には便利である。また、一旦それ
以前のグラフ表示を消去して重ね書きを開始する場合に
は、改めて「モニタモード」の機能メニューを選択し、
“重ね書き”を指定すればよい。
【0052】このようにして表示される圧力偏差のグラ
フMPは、図6に示される通り、圧力偏差零の直線を基
準としてその上下方向に圧力のばらつきを示すものとな
るので、各検出タイミングにおける圧力偏差の大小関係
を容易に把握することができ、例えば、最大の圧力偏差
を生じる射出タイミング等を読み取る等の際に非常に便
利である。これは、圧力偏差零の水平な直線を起点とし
てその上下方向に圧力偏差の大きさが表示されるため、
つまり、同一直線上において各検出タイミング毎の圧力
偏差の大小関係を比較できるからであって、図7に示さ
れる従来例のように、基準となる線図自体が上下方向の
変動を含むような表示形態においては容易に行えない分
析行為の1つである。
【0053】また、圧力偏差のグラフMPは基準圧力波
形IPと独立して表示されるので、基準圧力波形IPの
値が大きく、この波形IPを表示するために基準圧力波
形の表示スケールの1目盛りの単位を大きく設定しなけ
ればならないような場合であっても、圧力偏差のグラフ
MPの表示スケールがその影響を受けることはなく、常
に、微妙な圧力偏差の変動を適切なスケール設定によっ
て判読容易に表示することができる。更に、検出タイミ
ングを基準として基準圧力波形IPと圧力偏差MPのグ
ラフを表示画面上に並列表示するようにしているので、
圧力のばらつきの発生するタイミングを基準圧力波形I
Pと対応させて容易に把握することができる。この実施
例では時間軸を基準として基準圧力波形IPと圧力偏差
MPのグラフを表示するようにしているが、スクリュー
位置を基準として基準圧力波形IPと圧力偏差MPを並
列表示するようにしてもよい。
【0054】また、“重ね書き”の機能を指定して複数
の射出成形サイクルの圧力偏差のグラフMPを重ねて表
示すれば、圧力偏差MPのばらつきの分布状態やばらつ
きが繰り返し発生する検出タイミング等を確認すること
によって圧力異常の原因を予測することも可能である。
例えば、複数の射出工程において同じ検出タイミングで
常に圧力偏差MPのばらつきが大きくしかもその大きさ
がほぼ一定であるような場合では、金型の設計上の問題
等によって定常的な射出異常が生じていることが考えら
れ、また、圧力偏差MPのばらつきが大きくしかもその
変動が激しいような場合では、不適当な射出条件の設定
によって射出異常が生じていることが考えられる。ま
た、圧力偏差MPにばらつきがあってもばらつきが発生
する検出タイミングに反復性が認められないような場合
では、樹脂の部分的な可塑化異常や異物の混入といった
ことが考えられ、金型自体の構造や大半の成形条件等に
は問題のないことも有り得る。このような射出異常の原
因の究明はオペレータの経験や知識等に負うところが大
きく、圧力偏差MPの表示スケールの適切化や分解能の
向上のみを以て補えるものではないが、これらの表示デ
ータは原因究明のための足掛かりとなるものであるか
ら、オペレータの能力が同一であれば、当然、グラフ表
示自体が見易いものの方が有利である。
【0055】
【発明の効果】本発明による圧力データの表示方法は、
射出成形作業の基準となる圧力波形を予め決めておき、
射出成形作業中にこの圧力波形に対応する圧力を検出し
て各検出タイミングにおける圧力偏差を求め、各検出タ
イミング毎の圧力偏差を表示画面上にグラフ表示するよ
うにしたので、複数の成形サイクルの圧力グラフの全容
を重複表示してグラフ間の離間状況を把握することによ
って圧力のばらつきを見極める従来のデータ表示方法と
は相違し、射出成形作業中に生じる圧力のばらつきを知
るために基準となる圧力波形のグラフを画面上に表示す
る必要がない。つまり、圧力のばらつきを知るためには
圧力偏差のグラフを表示するだけでよく、しかも、この
際、基準となる圧力波形の大きさとは関わりなく、単位
量の小さなスケールにより圧力偏差を増幅した形でグラ
フ表示することができるので、グラフの実質的な分解能
が向上し、圧力のばらつきやばらつきの発生するタイミ
ング等を容易に判読することができるようになる。ま
た、圧力偏差零の直線を基準としてその上下方向に検出
圧力のばらつきが示されるようになるので、圧力偏差の
大小関係を同一直線上で評価できるようになり、各検出
タイミングにおける圧力偏差の大小関係を容易に把握す
ることができる。
【0056】また、検出タイミングを基準として基準圧
力波形と圧力偏差のグラフを表示画面上に並列表示する
ようにしたので、圧力のばらつきの発生するタイミング
を基準圧力波形に対応させて容易に把握することができ
る。
【0057】更に、基準圧力波形と圧力偏差のグラフを
表示画面上に並列表示する場合においては、圧力偏差の
グラフ表示における圧力軸のスケールを基準となる圧力
波形の圧力軸のスケールと独立して設定するようにした
ので、基準となる圧力波形を表示する場合であっても、
圧力偏差の表示スケールが圧力波形のスケールによって
制限されることはなく、常に、圧力のばらつきの表示に
適したスケールで圧力偏差の表示を行うことができる。
【0058】また、複数の射出成形サイクルの圧力偏差
のグラフを重ねて表示するようにしたので、圧力偏差の
ばらつきの分布状態やばらつきが繰り返し発生する検出
タイミング等を確認することにより、圧力異常の原因を
予測することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧力データ表示方法を適用した一
実施例の電動式射出成形機の要部を示すブロック図であ
る。
【図2】同実施例の射出成形機の制御装置による圧力波
形設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】同実施例の射出成形機の制御装置によるモニタ
処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】同実施例の射出成形機の制御装置による表示処
理の概略を示すフローチャートである。
【図5】データを記憶するためのテーブルおよびファイ
ルを概念的に示した図である。
【図6】同実施例の表示処理によって表示されるグラフ
を例示した図である。
【図7】従来の表示方法でモニタ表示された画面を例示
した図である。
【符号の説明】
F 射出実行フラグ F′ サンプリング実行フラグ F″ 射出開始検出フラグ i アドレス指標 IPR 射出圧力の現在値 IPi 基準射出圧力 MPi 射出圧力の圧力偏差 n サンプリングデータの総数 1 射出成形金型 2 シリンダ 3 スクリュー 4 動力伝達機構 5 射出用サーボモータ 6 パルスコーダ 7 金型内圧センサ 8 ロードセル 10 制御装置 16 A/D変換器 17 圧力モニタ用CPU 24 不揮発性メモリ 25 CNC用CPU 29 ディスプレイ付手動データ入力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平賀 薫 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 長谷 元弘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形作業の基準となる圧力波形を予
    め決めておき、射出成形作業中に所定の検出タイミング
    で前記圧力波形に対応する圧力を検出し、この検出タイ
    ミングに対応して前記基準となる圧力波形として記憶さ
    れた圧力と前記検出した圧力との圧力偏差を求め、各検
    出タイミング毎の圧力偏差を表示画面上にグラフ表示す
    るようにしたことを特徴とする射出成形機における圧力
    データの表示方法。
  2. 【請求項2】 基準となる圧力波形と圧力偏差のグラフ
    を検出タイミングを基準として表示画面上に並列表示す
    るようにした請求項1記載の射出成形機における圧力デ
    ータの表示方法。
  3. 【請求項3】 圧力偏差のグラフ表示における圧力軸の
    スケールを基準となる圧力波形の圧力軸のスケールと独
    立して設定するようにした請求項2記載の射出成形機に
    おける圧力データの表示方法。
  4. 【請求項4】 複数の射出成形サイクルの前記圧力偏差
    のグラフを重ねて表示するようにした請求項1,請求項
    2または請求項3記載の射出成形機における圧力データ
    の表示方法。
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