JPH08231268A - 低損失フェライト材料 - Google Patents

低損失フェライト材料

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JPH08231268A
JPH08231268A JP7041026A JP4102695A JPH08231268A JP H08231268 A JPH08231268 A JP H08231268A JP 7041026 A JP7041026 A JP 7041026A JP 4102695 A JP4102695 A JP 4102695A JP H08231268 A JPH08231268 A JP H08231268A
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
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Abstract

(57)【要約】 【構成】55〜75重量%のFe2 3 と、1〜25重
量%のZnOと、5〜35重量%のNiOと、0.1〜
5重量%のCuOを主成分とするフェライト材料におい
て、上記主成分100重量%に対し、0.01〜2重量
%のCoOと、0.01〜1重量%のBi2 3 と、
0.01〜2重量%のAl2 3 を含有させる。 【効果】焼成後に再度焼鈍する必要がなく、高密度で機
械的強度や寸法精度が高く、高周波領域での損失が低い
フェライト材料を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波領域での損失が低
いフェライト材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェライト材料はインダクター素子等と
して広く使用されている。例えば、Fe2 3 −ZnO
−NiOを主成分とするフェライト材料(Ni−Zn系
フェライト)を用いてフェライトコアを製造し、この巻
線部にコイル線を巻回し、コイル線接続用のリードピン
をフェライトコアに取り付けた構造のインダクター素子
が使用されている。
【0003】ところで、Ni−Zn系フェライト材料は
従来より高周波用フェライトとして多用されているが、
粒成長により結晶が大きくなると30MHz以上の高周
波領域における損失が増大してしまうことから、これを
防止するために焼成温度を低くして粒成長を抑えること
が行われている。
【0004】また、Ni−Zn系フェライト材料は高周
波領域で電気抵抗値及びQ値が高いものであるが、さら
に高いQ値を得るためにFe2 3 を数%過剰に加えた
フェライトにCoOを添加し、焼成後に再度焼鈍するこ
とも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のNi
−Zn系フェライトにおいて、結晶径を制御するために
焼成温度を低くした場合、焼結密度が5.0g/cm3
以下と理論密度に比べて著しく低くなるため、機械的強
度が低下して信頼性が悪くなるだけでなく、焼成時の収
縮率の制御が難しくなって寸法精度が悪くなり、製造歩
留りが低下するという問題点があった。
【0006】また、Q値を高めるために、Fe2 3
数%過剰に加えたNi−Zn系フェライトにCoOを添
加した場合、焼成後に焼鈍する必要があるため、製造工
程が煩雑になるという問題点があった。
【0007】この他に、Ni−Zn系フェライトに各種
添加物を加えることによって特性を高めることも提案さ
れているが(特開昭49−2092号、49−2093
号、特公昭52−27358号公報等参照)、いずれも
上記問題点を解決するものではなかった。
【0008】そこで本発明は、30MHz以上で使用さ
れる高周波用途のNi−Zn系フェライト材料におい
て、焼結密度が5.0g/cm3 以上で、焼成後の焼鈍
を必要とせず、Q値が高く、損失が小さいフェライト材
料を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、55〜75重
量%のFe2 3 と、1〜25重量%のZnOと、5〜
35重量%のNiOと、0.1〜5重量%のCuOとを
主成分とするフェライト材料において、上記主成分10
0重量%に対し、0.01〜2重量%のCoOと、0.
01〜1重量%のBi2 3 と、0.01〜2重量%の
Al2 3 を含有することを特徴とする。
【0010】即ち、本発明は、Ni−Zn−Cu系フェ
ライトに対して、所定量のCoOとBi2 3 とAl2
3 を添加することによって、焼結密度が5.0g/c
3以上で、焼成後の焼鈍を必要とせず、30MHz以
上の高周波領域での損失特性を向上できるようにしたも
のである。
【0011】また、上記添加成分の範囲を限定したの
は、CoO又はBi2 3 又はAl23 0.01重量
%未満では30MHz以上の高周波領域でのQ値が低下
してしまい、一方CoOが2重量%を超えると温度特性
が劣化し、またBi2 3 が1重量%を超えると粒成長
が起こってQ値が著しく低下し、さらにAl2 3 が2
重量%を超えると焼結性が低下してしまうためである。
【0012】さらに、Ni−Zn−Cu系フェライトの
主成分の組成比を上記範囲としたのは、Fe2 3 が5
5重量%未満では透磁率が低下し、Fe2 3 が75重
量%を超えるとQ値が低下し、ZnOが25重量%を超
えるとキュリー点が低下し、NiOが35重量%を超え
ると加圧安定性が悪くなり、CuOが5重量%を超える
と磁気特性が劣化するためである。
【0013】また、本発明のフェライト材料は、上記成
分以外に3重量%以下のSiO2 及び/又は2重量%以
下のMgOを含んでいても良い。このSiO2 とMgO
は結晶粒界の抵抗値を高めることができるため、高周波
でのQ値を高くすることができるが、SiO2 が3重量
%を超えると焼結性と透磁率が低下し、MgOが2重量
%を超えると温度特性が劣化するため、上記範囲内が好
ましい。
【0014】本発明のフェライト材料の製造方法は、上
記範囲となるように各原料を調合し、ボールミル等で粉
砕混合した後、スプレードライヤー等で造粒し、得られ
た粉体をプレス成形にて所定形状に成形し、1000〜
1300℃の範囲で焼成することによって得られる。
【0015】
【実施例】実施例1 64重量%のFe2 3 と、31重量%のNiOと、
1.5重量%のZnOを、3.5重量%のCuOからな
るフェライト粉末100重量%に対し、2重量%のSi
2 と1重量%のMgOを添加し、さらにCoO、Bi
2 3 、Al2 3 の添加量を表1に示すように種々に
変化させて各原料を調合した。
【0016】得られた原料を振動ミルで混合した後、8
00〜900℃で仮焼し、この仮焼粉体をボールミルに
て粉砕し、所定のバインダを加えて造粒した後、圧縮成
形してトロイダルコイル状に成形した。この成形体を1
100℃で2時間焼成したのち、得られた焼結体に線径
0.2μmの導線を巻付け、YHP社製LCRメータで
周波数30MHzにて透磁率μとQ値を測定した。損失
係数は、tanδ/μ(=1/μQ)で計算して求め
た。また、得られた焼結体の密度も測定した。
【0017】結果は表1に示す通りであり、CoO,B
2 3 ,Al2 3 の添加量が本発明の範囲外である
No.1〜7、13ではtanδ/μが500×10-6
以上と損失係数が大きく、さらにNo.2〜7では焼結
密度が5.0g/cm3 未満と小さかった。
【0018】これらに対し、本発明実施例であるNo.
8〜12ではtanδ/μが500×10-6以下と損失
係数が小さく、かつ焼結密度が5.0g/cm3 以上と
大きかった。
【0019】
【表1】
【0020】実施例2 次に、65重量%のFe2 3 と、22重量%のNiO
と、9重量%のZnOと、4重量%のCuOからなるフ
ェライト粉末100重量%に対し、2.5重量%のSi
2 と1重量%のMgOを添加し、さらにCoO,Bi
2 3 ,Al23 の添加量を表2に示すように種々に
変化させて各原料を調合した。それぞれ上記実施例と同
様にしてフェライトコアを作製し、周波数30MHzで
の透磁率μとQ値を測定してtanδ/μを求め、焼結
密度を測定した。
【0021】結果は表2に示す通りであり、CoO,B
2 3 ,Al2 3 の添加量が本発明の範囲外である
No.14〜17、22、23では、tanδ/μが5
00×10-6以上と損失係数が大きく、さらにNo.1
4、15では焼結密度が5.0g/cm3 未満と小さか
った。
【0022】これらに対し、本発明実施例であるNo.
18〜21ではtanδ/μが300×10-6以下と損
失係数が小さく、かつ焼結密度が5.0g/cm3 以上
と大きかった。
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 次に、60.5重量%のFe2 3 と、22.5重量%
のNiOと、13重量%のZnOと、4重量%のCuO
からなるフェライト粉末100重量%に対し、2.5重
量%のSiO2 を添加し、さらにCoO,Bi2 3
Al2 3 の添加量を表3に示すように種々に変化させ
て各原料を調合した。それぞれ上記実施例と同様にして
フェライトコアを作製し、周波数30MHzでの透磁率
μとQ値を測定してtanδ/μを求め、焼結密度を測
定した。
【0025】結果は表3に示す通りであり、CoO,B
2 3 ,Al2 3 の添加量が本発明の範囲外である
No.24〜27、32では、tanδ/μが500×
10-6以上と損失係数が大きく、さらにNo.26では
焼結密度が5.0g/cm3未満と小さかった。
【0026】これらに対し、本発明実施例であるNo.
28〜31ではtanδ/μが500×10-6以下と損
失係数が小さく、焼結密度が5.0g/cm3 以上と大
きかった。
【0027】
【表3】
【0028】さらに実験を重ねた結果、主成分の組成比
として、Fe2 3 が55〜75重量%、ZnOが1〜
25重量%、NiOが5〜35重量%、CuOが0.1
〜5重量%の範囲を満たすフェライト材料に、0.01
〜2重量%のCoOと、0.01〜1重量%のBi2
3 と、0.01〜2重量%のAl2 3 を添加すること
により、30MHz以上の高周波領域でtanδ/μが
500×10-6以下と低損失で、かつ焼結密度が5.0
g/cm3 以上の緻密なフェライトコアを得られること
がわかった。
【0029】なお、以上の実施例ではフェライトコアに
ついてのみ述べたが、本発明のフェライト材料はその他
のさまざまな用途に用いることができる。例えば、各種
電子部品を搭載したり、分割して電子部品とするための
フェライト基板や、電磁波を吸収して磁気ヘッド等をシ
ールドしたり、発熱するための電磁波吸収体等として用
いることができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように 本発明によれば、55〜
75重量%のFe2 3 と、1〜25重量%のZnO
と、5〜35重量%のNiOと、0.1〜5重量%のC
uOを主成分とするフェライト材料において、上記主成
分100重量%に対し、0.01〜2重量%のCoO
と、0.01〜1重量%のBi2 3 と、0.01〜2
重量%のAl2 3 を含有させることによって、焼成後
に再度焼鈍する必要がなく、高密度で機械的強度や寸法
精度が高く、高周波領域での損失が低いフェライト材料
を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】55〜75重量%のFe2 3 と、1〜2
    5重量%のZnOと、5〜35重量%のNiOと、0.
    1〜5重量%のCuOから成る主成分100重量%に対
    し、0.01〜2重量%のCoOと、0.01〜1重量
    %のBi2 3 と、0.01〜2重量%のAl2 3
    含有することを特徴とする低損失フェライト材料。
  2. 【請求項2】さらに3重量%以下のSiO2 及び/又は
    2重量%以下のMgOを含有することを特徴とする請求
    項1記載の低損失フェライト材料。
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