JP2006156451A - コイル内蔵基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コイル内蔵基板の内蔵コイルの重畳特性を向上させると共に、上面や下面に搭載された半導体チップやチップ部品に対するコイル用導体から発生する磁力線の影響を大幅に抑制することができるコイル内蔵セラミック基板を提供すること。
【解決手段】 本発明のコイル内蔵基板は、内部にコイル用導体3が埋設されているフェライト層2を、各々が複数の非磁性フェライト層の積層体により形成されている一対の絶縁基体1で挟持するとともに、絶縁基体1の少なくとも一方とフェライト層2との間に、コイル用導体3と対向する接地導体層4を介在させて成る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非磁性フェライト焼結体から成る絶縁基体の内部に、コイル用導体が埋設されたフェライト層が設けられたコイル内蔵基板に関するものである。
従来、携帯電話機を始めとする移動体通信機器等の電子機器には、多数の電子装置が組み込まれている。かかる携帯電話機等の通信機器は、近年小型化が急激に進んでおり、これに搭載される各種電子装置も小型化、薄型化が要求されている。例えば、ガラスセラミック基板の内部にコイルを内蔵した構成のLCフィルタが知られている。このLCフィルタの場合、従来はチップ部品のコイルを用いて外付けしていたものを、セラミック基板等の絶縁基板の内部に内蔵することで小型化、薄型化ができるという利点を有する。なかでも、100nHを超えるインダクタンスの大きなコイルは、チップ部品として比較的大型であり、これを絶縁基板に内蔵することは小型化、薄型化への効果が大きいという利点を有する。
しかしながら、コイルを内蔵したセラミック等の絶縁基板では、磁性を持たない基板内にコイルを形成するため、100nH程度の比較的大きなインダクタンスを得ることができるコイルを内蔵させるにはコイルの巻き数を多くすることが必要となり、小型化、薄型化を効果的に達成することができないという不具合があった。
そこで、近年では絶縁基板に強磁性を有するフェライトを用いて、コイルをこのフェライト内部に埋設させることにより、コイルの巻き数を多くすることなく100nHを超えるインダクタンスを実現し効果的に小型化、薄型化ができるとともに、チップ部品を表面に実装する工程を省略し実装工程の簡略化を図ることが行なわれている。
しかしながら、絶縁基板にフェライトを用いた基板では、コイルと共に配線を形成した場合、磁性を持たせたくない配線に高いインダクタンスが生じ、この配線にノイズが起きることで回路が誤動作することがあった。そこで磁性を有さない非磁性フェライトの内部にフェライト層を内蔵させ、フェライト層にコイルを形成し、非磁性フェライトに配線を形成することで配線のインダクタンスを低減させ、回路が誤動作するのを防止するようにしていた。
例えば、携帯電話機に使用されるコイル内蔵基板は、図3に示すように、複数の非磁性フェライト層が積層されて成る絶縁基体11と、絶縁基体11に挟まれて積層されるとともに内部にコイル用導体13が埋設されたフェライト層12によって構成されている。
そして、このような非磁性フェライト基板内部にフェライト層およびコイル用導体を設けたコイル内蔵基板においても、今後さらに小型化、薄型化、高機能化を行なっていく必要があり、コイル内蔵基板の上面や下面に、さらに半導体チップやチップ部品を表面実装する必要性がでてきた。
特開平2−101714号公報 特開平6−20839号公報 特開平6−21264号公報 特開平6−333743号公報
しかしながら、従来の非磁性フェライト基板内部にフェライト層およびコイル用導体を設けたコイル内蔵基板においては、コイル用導体に発生する磁力線がコイル内蔵基板の外側に向かって放射され、磁力線が不安定なことから、磁力線の乱れによって生じるフェライト層の磁気飽和が起き易く、大きな電流を流した際にインダクタンスが低下するという、所謂重畳特性の低下を招いていた。さらに、コイル内蔵基板の外側に向かって放射された磁力線は、例えば、コイル内蔵基板の上面や下面に実装した半導体チップやチップ部品や配線に対して電気的に影響を及ぼし、回路の誤動作の原因となっていた。
そこで、コイル用導体に発生する磁力線がコイル内蔵基板の上面や下面に実装した半導体チップやチップ部品や配線に対して電気的に影響を及ばさないようにするためには、コイル用導体と半導体チップやチップ部品や配線との間の距離を十分に取る必要があり、その結果、コイル内蔵基板全体が厚くなり、薄型化に適さないものとなっていた。
本発明は上記問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、コイル用導体に発生する磁力線を抑制することで、重畳特性が向上するとともに、コイル内蔵基板の上面や下面に搭載される半導体チップやチップ部品に対する電気的な影響を改善した小型のコイル内蔵基板を提供することにある。
本発明のコイル内蔵基板は、内部にコイル用導体が埋設されているフェライト層を、各々が複数の非磁性フェライト層の積層体により形成されている一対の絶縁基体で挟持するとともに、該絶縁基体の少なくとも一方と前記フェライト層との間に、前記コイル用導体と対向する接地導体層を介在させて成ることを特徴とするものである。
また、本発明のコイル内蔵基板は、前記コイル用導体は、平面視して、その全面が前記接地導体層と重なるように配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明のコイル内蔵基板は、前記フェライト層は、Fe、CuO、NiO及びZnOを含有して成り、Feの含有量をa質量%、CuOの含有量をb質量%、NiOの含有量をc質量%、ZnOの含有量をd質量%としたとき、前記a,b,c,dが“63≦a≦73、5≦b≦10、5≦c≦12、10≦d≦23、a+b+c+d≦100”を満足することを特徴とするものである。
本発明のコイル内蔵基板によれば、内部にコイル用導体が埋設されているフェライト層を、各々が複数の非磁性フェライト層の積層体により形成されている一対の絶縁基体で挟持するとともに、絶縁基体の少なくとも一方とフェライト層との間に、コイル用導体と対向する接地導体層を介在させて成ることから、コイル用導体に発生する磁力線がコイル用導体の上下の接地導体層間に閉じ込められて磁力線が安定し、磁力線の乱れによって生じるフェライト層の磁気飽和が起きにくくなるため、重畳特性の低下を有効に防止することができる。
また、コイル用導体に発生する磁力線がコイル内蔵基板の上面や下面に搭載される半導体チップやチップ部品に電気的な影響を与えることが少なく、その結果、コイル内蔵基板に形成された回路の誤動作を防ぎ、コイル内蔵基板を小型、薄型にすることができる。
さらに本発明のコイル内蔵基板によれば、コイル用導体を、平面視して、その全面が接地導体層と重なるように配置することにより、コイル用導体の上下面を接地導体層が完全に覆う形となるため、コイル用導体に発生する磁力線がより安定し、磁気飽和がより起きにくくなるため、重畳特性の低下を一層効果的に防ぐことができ、また、コイル用導体に発生する磁力線がコイル内蔵基板の上面や面に搭載される半導体チップやチップ部品に電気的な影響を与えることが少なく、その結果、コイル内蔵基板に形成された回路の誤動作をより有効に防止することができる。
またさらに、本発明のコイル内蔵基板によれば、上記構成において、フェライト層をFe、CuO、NiO及びZnOを含有して形成し、Feの含有量をa質量%、CuOの含有量をb質量%、NiOの含有量をc質量%、ZnOの含有量をd質量%としたとき、a,b,c,dが“63≦a≦73、5≦b≦10、5≦c≦12、10≦d≦23、a+b+c+d≦100”を同時に満足するものとした場合には、低温で焼結可能なCuZnフェライトを高周波帯域特性に優れたNiZnフェライトに組み合わせたNiCuZnフェライトを用いて、非磁性フェライト層と同じ大きさで、内部にコイルが埋設されたフェライト層を形成することができる。その結果、フェライト層にガラス粉末やSiO,Al等の焼結助剤を添加しなくても、絶縁基板と同時焼成が可能なため、収縮挙動の違いによるデラミネーション、クラックなどを防ぐことができ、かつ、高周波帯で高い透磁率を得ることができ、高いインダクタンスをもつコイル内蔵基板を得ることが可能となる。
また、フェライト層が低温焼成可能となることから、配線導体に高周波に対応可能なCu,Ag,Au,Ag合金等の低抵抗金属を用いることでき、高機能なコイル内蔵基板を得ることができる。
以上の構成により、本発明によれば、コイル用導体に発生する磁力線を抑制することができ、重畳特性が向上するとともに、コイル内蔵基板の上面や下面に搭載される半導体チップやチップ部品に対する電気的な影響を改善した小型のコイル内蔵基板を提供することができる。
本発明のコイル内蔵基板(以下、基板ともいう)を添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は本発明の基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は複数の非磁性フェライト層から成る絶縁基体、2はフェライト層、3はコイル用導体、4はコイル用導体3の上下に設けられた接地用導体層、5は半導体チップやチップ部品を搭載する搭載用電極、6は基板を外部電気回路に電気的に接続するための電極パッドである。
複数の非磁性フェライト層から成る絶縁基体1は、まず、非磁性フェライト組成の主成分および第1酸化物成分、または、非磁性フェライト組成の主成分ならびに第1酸化物成分および第2酸化物成分、さらに有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によって非磁性フェライトグリーンシートを製作し、この非磁性フェライトグリーンシートを複数積層した後、大気中または加湿窒素雰囲気中にて、800〜1100℃の温度で焼成して作製される。
非磁性フェライト組成の主成分としては、FeとCuOおよびZnOの少なくとも1種との粉体を用いることができ、例えば、これらを湿式混合し、次いで仮焼し、顆粒としてこれを粉砕した後、原料粉末とすることができる。この場合、Feの含有量は46〜50質量%、CuOの含有量は2〜20質量%、ZnOの含有量は33〜52質量%に設定しておくことが好ましい。
フェライト層2は、コイル用導体3の上下面を覆うようにして、絶縁基体1の内層にコイル用導体3とともに形成されている。このフェライト層12は、主成分の組成を、Fe63〜73質量%、CuO5〜10質量%、NiO5〜12質量%、ZnO10〜23質量%とした場合には、低温での焼成が可能となり、かつ、高周波帯域で十分に高い透磁率を得ることができるので好ましい。
Feは、フェライトの基幹成分であり、そのフェライトの主成分をX−Fe(XはCu,Ni,Zn等)として示される逆スピネル構造の固溶体とすれば、フェライト層2のうちFeが63〜73質量%を構成していなくてはならない。Feが63質量%未満の場合、十分な透磁率を得ることが困難になる。他方、Feが73質量%を超える場合、焼結密度の低下により機械的強度が低下してしまう。
CuOはフェライト層2の主成分のうち5〜10質量%を構成していなくてはならない。これは、CuOは焼結温度の低温化に大きく寄与しており、CuOが低温で液層を形成することにより焼結を促進させる効果を用いて、磁気特性を損なわずに非磁性フェライトの焼成温度である800〜1000℃で焼成するためである。5質量%未満であると、本発明の目的とする低温度域で焼成を行う場合に焼結密度が不十分になり機械強度が不足する。また、10質量%より多い場合、磁気特性の低いCuFeの割合が多くなるため磁気特性を損なうこととなる。
NiOはフェライトの高周波域における透磁率を確保するために含有させる。NiFeは高周波域まで共振による透磁率の減衰を起さず、高周波域での透磁率を比較的高い値に維持することができるが、初期透磁率は低い特徴をもつため、5質量%未満であると、10MHz以上の高周波域での透磁率が低下する。また、12質量%より多い場合、NiFeの割合が多くなることに起因して初期透磁率が低下する。従って、フェライトの主成分中の含有量は5〜12質量%に設定することが重要である。
ZnOはフェライトの透磁率向上のために重要な要素であり、フェライト主成分のうち10質量%未満であると、磁気特性不十分の問題を生じ、逆に23質量%より多くても磁気特性が悪くなる。
フェライト層2の形成は、まずフェライト粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法、圧延法、カレンダーロール法等によってフェライトグリーンシートを製作する。次に、このフェライトグリーンシートを所定のコイル用導体3を覆うものとしてガラスセラミックグリーンシートと平面視で同じ大きさの同形状にカットし、ガラスセラミックグリーンシート積層体の内部に、間にコイル用導体3となる導体パターンを配置して、そのコイル用導体3の上面および下面を覆うようにして積層する。
このとき、コイル用導体3のインダクタンスを効果的に高くするためには、コイル用導体3の上下面をフェライト層2で完全に覆う必要がある。よって、そのようなコイル用導体3およびフェライト層2を形成するためには、所定のガラスセラミックグリーンシートの表面に、下面のフェライト層2となるフェライトグリーンシート、コイル用導体3となる導体ペーストのパターン、上面のフェライト層2となるフェライトグリーンシートの順番に各層を配置して積層するとよい。
フェライト層2となるフェライトグリーンシートを形成するのに用いるフェライト粉末は、仮焼済みのフェライト粉末であり、平均粒径が0.1μm〜0.9μmの範囲で均一であり、球形状に近い粒が望ましい。これは、平均粒径が0.1μmより小さいと、フェライトグリーンシートの製作においてフェライト粉末の均一な分散が困難であり、平均粒径が0.9μmより大きいとフェライトの焼結温度が高くなるからである。また、粒径が均一で球状に近いことにより均一な焼結状態を得ることができるからであり、例えばフェライト粉末で部分的に小さい粒径が存在した場合は、その部分のみ結晶粒の成長が低下し、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しにくい傾向がある。
メタライズ配線層から成るコイル用導体3は、フェライト層2に上下面を覆われてフェライト層2に埋設されており、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりフェライトグリーンシートの表面に塗布し、セラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートと同時焼成されて形成される。
メタライズ層から成る搭載用電極5は、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりセラミックグリーンシートの表面に塗布しておくことによって、絶縁基体1の上面や下面に形成される。
なお、搭載用電極5は、半田等による半導体チップやチップ部品,外部電気回路の配線導体との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層をメッキ法により順次被着するとよい。
外部電気回路に電気的に接続されるメタライズ配線層から成る電極パッド6は、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりセラミックグリーンシートの表面に塗布しておくことによって、絶縁基体1の上面、下面の少なくとも一方に形成されている。
なお、メタライズ配線層から成る電極パッド6は、半田等による半導体チップやチップ部品,外部電気回路の配線導体との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層をメッキ法により順次被着するとよい。
本実施形態のコイル内蔵基板において、接地用導体層4は、フェライト層2の上下面に少なくともコイル用導体3と対向するようにそれぞれ形成されている。
この接地用導体層4は、フェライト層2の上下面にその全面が上面視でコイル用導体3と重なるように形成することがより望ましい。これは、コイル導体3に発生する磁力線が接地用導体層4で遮断されることにより、外部に漏れにくくなるため、より安定させることができ、これにより重畳特性を十分に改善し、更にコイル内蔵基板の上面や下面に搭載される半導体チップやチップ部品に対する電気的な影響を改善するからである。
メタライズ配線層から成る接地用導体層4は、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりセラミックグリーンシートまたはフェライトグリーンシートの表面に塗布し、セラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートと同時焼成されて形成される。
実施例1では、フェライト層の上下面にコイル用導体と対向するように接地導体層を形成した図1の構成のコイル内蔵基板を作製し、重畳特性と透磁率を測定した。
絶縁基体は、1層が50μm厚みの非磁性フェライト層が2層積層されて成る。絶縁基体の内部には、非磁性フェライト層と同時焼成されて形成されるとともに、内部にAgから成る厚み30μmのコイル用導体が埋設され、絶縁基体に挟まれて積層された透磁率500(H/m)のフェライト層が内蔵されている。
また、フェライト層の上下面には、コイル用導体に対向するようにそれぞれ形成されたAgから成る厚み10μm内層接地導体層が設けられている。
重畳特性の測定は、インピーダンスアナライザー(HP−4194A:ヒューレットパッカード社製)を用い、電流電圧法にて測定した。
また、透磁率の測定は、図2に示すような、外径16mm、内径8mmのリング形状の評価用の試験片を作製し測定した。透磁率の測定は、インピーダンスアナライザー(HP−4291A:ヒューレットパッカード社製)を用い、高周波電流電圧法にて測定した。
実施例2では、実施例1のコイル内蔵基板において、接地導体層がコイル用導体を完全に覆うように構成したコイル内蔵基板を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
実施例3では、実施例2のコイル内蔵基板において、フェライト層の組成をFeの含有量を65質量%、CuOの含有量を6質量%、NiOの含有量を6質量%、ZnOの含有量を23質量%としたコイル内蔵基板を作製し、実施例1,2と同様の評価を行なった。
比較例
上述した実施例1〜3と比較するために、従来構成として実施例1、3において接地導体層を設けない従来のコイル内蔵基板を比較例1、比較例2として作成し、実施例1〜3と同様の評価を行なった。
以上の実施例1〜3および比較例1,2について、重畳特性、透磁率を評価した結果を表1に示す。
Figure 2006156451
表1の重畳特性の評価欄において、◎は500mAでのインダクタンス値が規格2μHを満たすもの、○は300mAでのインダクタンス値が規格2μHを満たすもの、△は100mAでのインダクタンス値が規格2μHを満たすもの×は規格を全然満たさないものをあらわしている。一般的に携帯電話に使用されるコイルは300mA以上で2μH以上あれば、十分に機能する。
表1より、フェライト層の上下面にコイル用導体と対向するように接地導体層が形成した実施例1が、比較例1の重畳特性と比べ、優れていることが確認された。
また、接地導体層がコイル用導体を完全に覆った実施例2は、重畳特性が実施例1よりも高く、磁力線が外部により漏れにくくなるため、磁力線を安定させることができ、重畳特性が優れることが確認された。
また、請求項3に記載の組成を有するフェライト層を用いた実施例3は、実施例2の透磁率と比べ、特性が優れていることが確認された。
一方、実施例3と同じフェライト層を用いた比較例2においては、接地導体層が設けられていないことから、重畳特性において劣っている。
種々の調合組成比に設定された原料を各々250g秤量し、1Lの純水とともにジルコニア粉砕用ボールを使用した2Lのボールミルにて24時間調合後、原料粉を分別乾燥し、ジルコニアるつぼにて730℃の仮焼を行った。仮焼後、X線回折により所要の化合物が得られていることを確認し、ボールミルにて粉砕、乾燥後メッシュふるいにて分別して、仮焼粉の粒子径が0.5〜0.7μmとなるように整粒した。これに10重量%のPVA溶液を添加して、ライカイ機にて造粒し、造粒粉を金型にてプレス成型した後、大気中にて900℃、2時間の焼成を行い、外径16mm、内径8mm、厚さ2mmのトロイド形の焼結試験片を作成した。試験片の密度は液中秤量法により測定し、透磁率の測定はインピーダンスアナライザー(HP−4291A:ヒューレットパッカード社製)を用いて1.0MHz、10MHzにおける値を求めた。
なお、焼成試験片の作製に使用した原料の調合組成比は表2に示すとおりであり、各焼成試験片の焼結密度および透磁率の測定結果についてもあわせて同表に示す。
Figure 2006156451
この表2によれば、主成分の組成が本発明にて定める範囲内にあるものは、いずれも焼結密度および透磁率が優れていることが確認される。
本発明のコイル内蔵セラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 実施例の透磁率測定に用いた評価用の試験片を示す断面図である。 従来のコイル内蔵セラミック基板の例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・絶縁基体
2・・・フェライト層
3・・・コイル用導体
4・・・接地導体層
5・・・搭載用電極
6・・・電極パッド

Claims (3)

  1. 内部にコイル用導体が埋設されているフェライト層を、各々が複数の非磁性フェライト層の積層体により形成されている一対の絶縁基体で挟持するとともに、該絶縁基体の少なくとも一方と前記フェライト層との間に、前記コイル用導体と対向する接地導体層を介在させて成るコイル内蔵基板。
  2. 前記コイル用導体は、平面視して、その全面が前記接地導体層と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル内蔵基板。
  3. 前記フェライト層は、Fe、CuO、NiO及びZnOを含有して成り、Feの含有量をa質量%、CuOの含有量をb質量%、NiOの含有量をc質量%、ZnOの含有量をd質量%としたとき、前記a,b,c,dが下記式を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコイル内蔵基板。
    63≦a≦73
    5≦b≦10
    5≦c≦12
    10≦d≦23
    a+b+c+d≦100
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