JPH08230121A - 包装用多層フィルム - Google Patents

包装用多層フィルム

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Publication number
JPH08230121A
JPH08230121A JP4088195A JP4088195A JPH08230121A JP H08230121 A JPH08230121 A JP H08230121A JP 4088195 A JP4088195 A JP 4088195A JP 4088195 A JP4088195 A JP 4088195A JP H08230121 A JPH08230121 A JP H08230121A
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JP
Japan
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resin composition
film
weight
layer resin
inner layer
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Pending
Application number
JP4088195A
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English (en)
Inventor
Keiji Watanabe
啓二 渡辺
Masahiro Kishine
真佐寛 岸根
Naoyuki Yazaki
尚行 矢崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08230121A publication Critical patent/JPH08230121A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適度の伸び弾性と粘着性を有し、透明性、カ
ット性、ヒートシール性、防曇性等に優れるなど、バラ
ンスのとれた性能を有し、食品等の被包装物のプリパッ
クその他の包装に用いられる安価な包装用多層フィルム
を得る。 【構成】 下記の組成の外層樹脂組成物からなる外層間
に、下記の組成の内層樹脂組成物からなる内層が積層さ
れている包装用多層フィルム。 外層樹脂組成物: (A)線状低密度ポリエチレン 40〜85重量% (B)高圧法低密度ポリエチレン 0〜30重量% (C)エチレン系エラストマー 2〜50重量% (D)防曇剤 0.5〜10重量% 内層樹脂組成物: (E)ブテン系ポリマー 20〜100重量% (F)プロピレン系ポリマー 0〜80重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスーパーマーケット等で
のプリパック用、ヒートシール包装用などの各種包装用
途に使用されるポリオレフィン系の包装用多層フィルム
に関し、さらに詳しくは透明性、ヒートシール性等の性
能とともに、カット性にも優れた包装用多層フィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からスーパーマーケット等におい
て、野菜等の食品をプリパックする業務用の包装フィル
ムとして、プラスチックフィルムが用いられている。こ
のプリパックフィルムは、小分けされてプラスチックト
レイ等に収容された食品、あるいは、裸のままの食品等
を包むように覆って包装するためのフィルムであり、透
明で適度の伸び弾性と粘着性を持ちながら容易にカット
できるとともに、包装した際にフィルムの内側が曇らな
いこと、ヒートシール性能が優れていることなどの性能
が要求されている。従来このような包装フィルムとして
ポリ塩化ビニル系ポリマーやエチレン・酢酸ビニル共重
合体からなるフィルムが用いられてきた。このうちポリ
塩化ビニル系のポリマーは優れた性能を持っているが、
近年の環境問題から塩素を含有しない素材が求められて
いる。またエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルムは高
価で包装費用が高くなる。
【0003】このような点を改善する包装フィルムとし
て、特開平4−246536号には、線状低密度エチレ
ン・α−オレフィン系共重合体と低密度ポリエチレンお
よび/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体とからなる
外層間に、ブテン系樹脂からなる中間層が積層された多
層フィルムがストレッチフィルムとして開示されてい
る。しかしこのような多層フィルムは透明性、伸び弾
性、カット性等には優れているが、粘着性、ヒートシー
ル性が必ずしも十分ではないという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、この多層
フィルムの素材をポリオレフィン系の樹脂にすることを
検討し、従来のエチレン・酢酸ビニル共重合体系のフィ
ルムに比べ低コストで強度が優れ、さらにポリ塩化ビニ
ル系のフィルムの性能に比肩し得る物性を有し、実用に
耐え得る多層フィルムについて検討した結果、特定の多
層構造とすることにより、透明性、カット性が優れ、バ
ランスの取れた性能を有するポリオレフィン系のポリマ
ーからなる包装用多層フィルムが得られることを見いだ
し本発明に至った。本発明の目的は適度の伸び弾性と粘
着性を有し、透明性、カット性、ヒートシール性、防曇
性等に優れるなど、バランスのとれた性能を有する包装
用多層フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次の包装用多層
フィルムである。 (1)下記の外層樹脂組成物からなる外層間に、下記の
内層樹脂組成物からなる内層が積層されていることを特
徴とする包装用多層フィルム。 外層樹脂組成物: (A)線状低密度ポリエチレン 40〜85重量% (B)高圧法低密度ポリエチレン 0〜30重量% (C)エチレン系エラストマー 2〜50重量% (D)防曇剤 0.5〜10重量% 内層樹脂組成物: (E)ブテン系ポリマー 20〜100重量% (F)プロピレン系ポリマー 0〜80 重量% (2)多層フィルムがプリパック用またはヒートシール
包装用フィルムであることを特徴とする上記(1)記載
の包装用多層フィルム。
【0006】外層樹脂組成物 本発明において外層樹脂組成物の(A)成分として用い
られる線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は特に制
限はなく、一般にLLDPEとされているものが広く使
用できるが、エチレンと炭素数が3〜20、好ましくは
3〜16のα−オレフィンを共重合して得られるX線回
折法による結晶化度が約20〜50%程度のポリマーで
あって、エチレン単位が主成分、例えば90〜99モル
%、好ましくは92〜98モル%、より好ましくは93
〜97モル%のエチレン−α−オレフィン・ランダム共
重合体であり、その密度は通常0.880〜0.930
g/cm3、好ましくは0.885〜0.920g/c
3、より好ましくは0.890〜0.910g/cm3
であり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフ
ローレート(MFR)が0.3〜20g/10分、好ま
しくは0.5〜10g/10分、より好ましくは0.5
〜6g/10分のものが望ましい。
【0007】上記のような共重合体は、通常遷移金属触
媒の存在下にエチレンとα−オレフィンを気相または液
相下で共重合して得ることができる。製造のための触媒
や重合方法などには特に制約はなく、例えばチーグラー
型触媒、フィリップス型触媒、メタロセン型触媒などを
使用し、気相法、溶液法、バルク重合法などの重合方法
により重合することができる。またα−オレフィンとし
ては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン等が例示される。コモノマーとしてのα−オレ
フィンは1種類に限らず、ターポリマーのように2種類
以上用いることもできる。上記のLLDPEとしては市
販品を用いてもよい。
【0008】上記(A)成分のLLDPEは外層樹脂組
成物中40〜85重量%、好ましくは45〜80重量
%、より好ましくは50〜80重量%配合する。LLD
PEの配合割合が40重量%より少ない場合は透明性、
強度に劣り、85重量%より多い場合は成形性に劣る。
【0009】本発明において外層樹脂組成物の(B)成
分として用いられている高圧法低密度ポリエチレン(H
PLD)は、いわゆる高圧ラジカル重合により製造され
る長鎖分岐を有する分岐の多いポリエチレンであり、1
90℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01〜
100g/10分、好ましくは0.05〜10g/10
分、より好ましくは0.1〜8g/10分、密度が0.
910〜0.930g/cm3の範囲にあることが望ま
しい。
【0010】この高圧法低密度ポリエチレンは、長鎖分
岐の度合を表わすスウェル比、すなわち毛細式流れ特性
試験機を用い、190℃の条件下で内径(D)2.0m
m、長さ15mmのノズルより押出速度10mm/分で
押し出したストランドの径(Ds)と、ノズル内径Dと
の比(Ds/D)が1.3以上であることが望ましい。
また、高圧法低密度ポリエチレンは、本発明の目的を損
なわない範囲で、50モル%以下、好ましくは30モル
%以下、より好ましくは20モル%以下の他のα−オレ
フィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等の重合性単
量体との共重合体であってもよい。
【0011】上記(B)成分のHPLDは外層樹脂組成
物中0〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より
好ましくは10〜20重量%配合する。HPLDは必ず
しも配合しなくてもよいが、配合すると成形性が向上す
る。またHPLDの配合割合が30重量%を超えると透
明性、柔軟性が悪化する。
【0012】本発明において外層樹脂組成物の(C)成
分として用いられるエチレン系エラストマー(C)は、
エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜16のα−
オレフィンの共重合体であり、密度が0.900g/c
3以下、好ましくは0.860〜0.900g/c
3、より好ましくは0.860〜0.890g/cm3
の範囲にあり、190℃、2.16kg荷重におけるM
FRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.0
5〜50g/10分、より好ましくは0.1〜20g/
10分の範囲にあることが望ましい。このようなエチレ
ン系エラストマーは、X線回折法によって測定した結晶
化度が30%未満、または非晶質であることが望まし
い。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、た
とえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
このうち炭素原子数3〜10のα−オレフィンを用いる
ことが特に好ましい。
【0013】上記のエチレン系エラストマーは、その特
性を損なわない範囲内で、ジエン化合物から誘導される
成分単位等のようなα−オレフィン単位以外の成分単位
を含んでいてもよい。このような成分単位としては、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メ
チル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのよう
な鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペ
ンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル
ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5
−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン
−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロ
ペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;
2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−
エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネ
ン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のジ
エン化合物から誘導される成分単位を挙げることができ
る。このようなジエン成分は、単独であるいは組合わせ
て用いることができる。ジエン成分の含有量は通常10
モル%以下、好ましくは0〜5モル%、より好ましくは
0〜3モル%である。
【0014】このようなエチレン系エラストマーとして
具体的には、例えばエチレンから誘導される成分単位が
30〜95モル%、好ましくは50〜92モル%、より
好ましくは60〜90モル%、炭素原子数3〜20のα
−オレフィンから誘導される成分単位が5〜70モル
%、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは20
〜40モル%、ジエン成分から誘導される成分単位が0
〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、より好ましく
は0〜3モル%からなる共重合体を挙げることができ
る。このようなエチレン系エラストマーは、Ti系、V
系、Zr系などの触媒を用いて、従来公知の方法で製造
することができる。
【0015】上記(C)成分のエチレン系エラストマー
は外層樹脂組成物中2〜50重量%、好ましくは5〜4
5重量%、より好ましくは10〜40重量%配合する。
エチレン系エラストマーの配合量が2重量%より少ない
場合は透明性、柔軟性が劣る。また50重量%より多い
場合はブロッキングしやすくなり、透明性が悪くなる。
【0016】外層樹脂組成物の(D)成分として用いら
れる防曇剤は、フィルムの表面に空気中の水分が凝縮し
て曇らせるのを防止するために配合される薬剤であり、
フィルムの表面を親水性にして、生じた水滴を拡がらせ
る作用をするものであれば特に制限はなく、一般に防曇
剤として用いられているものがそのまま使用できる。こ
のような防曇剤としては界面活性剤が用いられ、例えば
ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノステアレー
ト等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレ
ート、グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪
酸エステル;ジグリセリンモノオレート、ジグリセリン
セスキラウレート、ジグリセリンセスキオレート、テト
ラグリセリンモノオレート、テトラグリセリンモノステ
アレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグ
リセリンモノオレート、デカグリセリンモノオレート、
デカグリセリンモノラウレート等のポリグリセリン脂肪
酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の
ポリオキシアルキレンエーテル;ラウリルジエタノール
アミン等の脂肪酸アミン;オレイン酸アミド等の脂肪酸
アミドなどが挙げられるが、これらに限定されるもので
はなく、またこれらは単独で、または混合物として使用
される。
【0017】上記(D)成分の防曇剤は外層樹脂組成物
中0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、
より好ましくは1〜5重量%配合する。防曇剤の配合割
合が0.5重量%より少ない場合は防曇効果が得られ
ず、また10重量%より多い場合は防曇剤のブリードの
ために透明性が悪化する。防曇剤は予め(A)〜(C)
成分のいずれか、好ましくは(A)成分の一部に混合し
てマスターバッチを形成し、これを残余の成分と混合し
て樹脂組成物を得るのが好ましい。(A)成分を用いて
マスターバッチを形成する場合は、防曇剤の分散をよく
するために、前記(A)成分の密度範囲のうち比較的密
度の高いものを1種または2種以上混合して用いるのが
好ましい。
【0018】本発明の外層樹脂組成物には、本発明の目
的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯
電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、滑
剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収
剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に応じて配合されてい
てもよい。
【0019】本発明の外層樹脂組成物は、公知の方法を
利用して製造することができ、例えば下記のような方法
で製造することができる。 1)(A)〜(D)成分および所望により添加される他
成分を、押出機、ニーダー等を用いて機械的にブレンド
する方法。 2)(A)〜(D)成分、および所望により添加される
他成分を適当な良溶媒(たとえば;ヘキサン、ヘプタ
ン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよ
びキシレン等の炭化水素溶媒)に溶解し、次いで溶媒を
除去する方法。 3)(A)〜(D)成分、および所望により添加される
他成分を適当な良溶媒にそれぞれ別個に溶解した溶液を
調製した後混合し、次いで溶媒を除去する方法。 4)上記1)〜3)の方法を組合わせて行う方法。
【0020】内層樹脂組成物 本発明において内層樹脂組成物の(E)成分として用い
られるブテン系ポリマーは1−ブテンを主要モノマーと
する重合体であり、1−ブテンが70モル%以上、X線
回折法による結晶化度が50%以下のものが好ましい。
また密度が0.890〜0.920g/cm3、好まし
くは0.895〜0.910g/cm3の範囲にあり、
190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1〜
10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分、よ
り好ましくは0.5〜3g/10分のものが望ましい。
1−ブテンと共重合させる他のモノマーとしてはエチレ
ン、プロピレンおよび炭素数4〜20の他のα−オレフ
ィンがあげられる。これらのブテン系ポリマーの重合方
法も限定されず、前記LLDPEについて説明したのと
同様の方法が使用できる。
【0021】上記(E)成分のブテン系ポリマーは内層
樹脂組成物中20〜100重量%、好ましくは30〜1
00重量%、より好ましくは40〜100重量%配合す
る。配合割合が20重量%より少ない場合はカット性が
悪くなる。
【0022】本発明において内層樹脂組成物の(F)成
分として用いられるプロピレン系ポリマーはプロピレン
を主要モノマーとする重合体であり、プロピレンが80
モル%以上、X線回折法による結晶化度が70%以下の
ものが好ましい。また密度が0.890〜0.920g
/cm3、好ましくは0.895〜0.915g/cm3
の範囲にあり、230℃、2.16kg荷重におけるM
FRが0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜2
0g/10分、より好ましくは1〜10g/10分のも
のが望ましい。プロピレンと共重合させる他のモノマー
としてはエチレンおよび炭素数4〜20の他のα−オレ
フィンがあげられる。これらのプロピレン系ポリマーの
重合方法も限定されず、前記LLDPEについて説明し
たのと同様の方法が使用できる。
【0023】上記(F)成分のプロピレン系ポリマーは
内層樹脂組成物中0〜80重量%、好ましくは0〜70
重量%、より好ましくは0〜60重量%配合する。プロ
ピレン系ポリマーは必ずしも配合しなくてもよいが、配
合すると耐熱性が向上する。また配合割合が80重量%
を超えるとカット性が悪くなる。
【0024】内層樹脂組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止
剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、顔
料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸
化防止剤等の添加剤が必要に応じて配合されていてもよ
い。
【0025】内層樹脂組成物は上記(E)、(F)成分
および必要により添加される他の成分を機械的にブレン
ドし、あるいは溶媒に溶解して混合したのち溶媒を除去
するなど、外層樹脂組成物について述べたのと同様の方
法により製造することができる。
【0026】多層フィルム 本発明の多層フィルムは、前記内層樹脂組成物からなる
内層の両側に前記外層樹脂組成物からなる外層が積層さ
れた外層/内層/外層の3層構造からなる三層構造フィ
ルムである。このフィルムの両側の外層は同一組成の表
面層を使用してもよく、あるいは上記の組成物の範囲に
属するものの、その成分組成の異なる組成物を使用して
もよい。
【0027】本発明の多層フィルムの厚さは全体の厚さ
で通常5〜30μm、好ましくは10〜20μmであ
る。フィルムの厚さが5μm未満ではフィルムの強度や
腰の低下によってフィルムの取扱い性が著しく低下し、
30μmを超えるとフィルムの引き延ばし時の応力が大
きくなりトレーや被包装物を変形しやすくなり好ましく
ない。このフィルムの内層の厚さは、フィルム全厚さの
10〜50%が好ましく、具体的には0.5〜15μ
m、好ましくは2.0〜8.0μmとしたものが好適で
ある。ここで内層のフィルムの厚さがフィルム厚さの1
0%未満ではカット性の改良効果が期待できず、50%
をこえると透明性を損ねるおそれがある。外層の厚さは
両側がほぼ等しい厚さとし、それぞれ1〜20μm、好
ましくは2〜10μmとするのが望ましい。
【0028】このような多層フィルムの製造方法は、上
記の各樹脂組成物を使用して従来行われている成形法、
具体的には通常のインフレーション成形、空冷二段イン
フレーション成形、Tダイフィルム成形、押し出しラミ
ネート成形法等によって積層することによって製造する
ことができる。これらの中でも、縦横の物性バランスが
良好なインフレーション成形が好ましい。
【0029】こうして得られる本発明の包装用多層フィ
ルムは適度の伸び弾性と粘着性を有し、透明性、カット
性、ヒートシール性、防曇性に優れているため、プリパ
ック用フィルムその他の包装用フィルムとして利用でき
る。プリパック用フィルムとして用いる場合食品等の被
包装物をプラスチックトレイに載せ、あるいは裸のまま
本発明の多層フィルムで包装すると、適度の伸び弾性に
より被包装物を傷つけることなく、その形状に合った状
態にストレッチ包装することができ、また適度の粘着性
により自己粘着して、他の固着手段を用いなくても、包
装状態を維持する。この場合優れたカット性により、フ
ィルムを任意の場所でカットして包装を行うことが可能
であり、包装体は透明性により被包装物を視認すること
ができるとともに、防曇性により内部が曇らない。
【0030】本発明の多層フィルムはフィルムの状態で
そのままラップフィルムとして使用できるほか、ヒート
シール性に優れるため、袋、バッグ、その他のヒートシ
ール包装材に成形して被包装物を収容し、あるいはビ
ン、ブリスタパック等の容器のふたなどとして使用する
こともできる。いずれの場合も前記のような包装フィル
ムとしての優れた特性が得られる。
【0031】上記の包装用多層フィルムは従来のエチレ
ン・酢酸ビニルフィルムに比べると安価であり、また可
塑化ポリ塩化ビニルのような用済後の廃棄処理性の問題
もなく、食品衛生上も全く問題のない包装材料である。
そしてこのフィルムは食品包装用ストレッチフィルムと
して種々の食品をストレッチ包装することができ、プリ
パック用あるいはヒートシール包装用フィルムに幅広く
利用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の通り、本発明の包装用多層フィル
ムは特定の組成からなる外層と内層との積層体からなる
ため、適度の伸び弾性と粘着性を有し、透明性、カット
性、ヒートシール性、防曇性等に優れるなど、バランス
のとれた性能を有する安価な包装用フィルムが得られ
る。
【0033】また上記のフィルムをプリパック用または
ヒートシール包装用フィルムとして用いることにより、
被包装品を傷つけることなく、その形状に合った状態で
ストレッチ包装することができ、自己粘着性により包装
状態を維持できるほか、カット性により包装が容易にな
り、包装状態では内容物が鮮明に視認でき、曇りも発生
せず、またヒートシールも容易で、優れた包装体が得ら
れる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明の前記説明および以下の実施例における物性測定お
よび評価は下記の方法で行った。 1)MFR ; ASTM D1238 2)密 度 ; ASTM D1505 3)ヘイズ ; ASTM D1003 4)ヤング率; ASTM D638 5)自己粘着性 幅50mmの2枚の試料を長さ50mmの範囲で荷重1
kg、1時間でブロッキングさせる。次に、二枚のフィ
ルム間にアルミ棒を挟み、アルミ棒を用いて二枚のフィ
ルムを引きはがすときの抗力を測定する。 6)カット性 エルメンドルフ引き裂き試験(ASTM,D1922−
67)を行った際に、縦方向、横方向共にきれいに裂け
た場合、カット性は良好(○)とする。 7)ヒートシール開始温度 幅1cmのフィルムを長さ5mmの範囲、荷重2kgで
1秒シールした後、それぞれの一端を固定し引き剥すと
きの抗力を測定する。このときシール温度を変化させ、
抗力が発生する温度をシール開始温度とする。
【0035】防曇剤マスターバッチ エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(エチレ
ン含量95.5モル%、結晶化度38%、密度0.91
0g/cm3、190℃、荷重2.16kgにおけるM
FR2.0g/10分)50重量%、エチレン・4−メ
チル−1−ペンテン共重合体(エチレン含量97.2モ
ル%、結晶化度43%、密度0.920g/cm3、1
90℃、荷重2.16kgにおけるMFR2.2g/1
0分)44重量%、ジグリセリンセスキラウレート5重
量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.75重
量%、ラウリルジエタノールアミン0.25重量%から
なる組成物を口径30mm、L/D=26の二軸押出機
を用いて樹脂温度200℃で混練、造粒し、これを防曇
剤マスターバッチ(D)とした。
【0036】実施例1 エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)
(エチレン含量94.7モル%、結晶化度27%、密度
0.905g/cm3、190℃、荷重2.16kgに
おけるMFR2.0g/10分)30重量%、高圧法低
密度ポリエチレン(B)(密度0.925g/cm3
190℃、荷重2.16kgにおけるMFR0.57g
/10分)10重量%、エチレン系エラストマー(C−
1)(エチレン含量89.3モル%、ブテン含量10.
7モル%、結晶化度21%、密度0.885g/c
3、190℃、荷重2.16kgにおけるMFR0.
5g/10分)20重量%および防曇剤マスターバッチ
(D)40重量%をブレンドして外層樹脂組成物を得
た。ブテン・プロピレン共重合体(1−ブテン含量78
モル%、結晶化度39%、密度0.900g/cm3
190℃、荷重2.16kgにおけるMFR1.0g/
10分)80重量%およびプロピレン・エチレン・ブテ
ン共重合体(プロピレン含量95.2モル%、ブテン含
量1.6モル%、結晶化度55%、密度0.910g/
cm3、230℃、荷重2.16kgにおけるMFR
7.0g/10分)20重量%をブレンドして内層樹脂
組成物を得た。上記の外層および内層樹脂組成物をそれ
ぞれ口径50mm、L/D=26の押出機三台を用い
て、樹脂温度200℃、ブローアップ比4.1で、内層
樹脂組成物が中間層になるように押出成形し、各層の厚
さ6/3/6μm、全厚さが15μmのフィルムを得
た。このフィルムを使用して前記方法でフィルム物性の
評価を行った。
【0037】実施例2 実施例1において、外層樹脂組成物のエチレン・4−メ
チル−1−ペンテン共重合体(A)を40重量%、エチ
レン系エラストマー(C−2)(エチレン含量81.9
モル%、ブテン含量18.1モル%、結晶化度9%、密
度0.865g/cm3、190℃荷重2.16kgに
おけるMFR=0.5g/10min)を10重量%と
したほかは同様に行った。
【0038】比較例1 実施例1において、外層樹脂組成物のエチレン・4−メ
チル−1−ペンテン共重合体(A)を40重量%とし、
エチレン系エラストマーを配合しなかったほかは同様に
行った。
【0039】比較例2 実施例1において、内層樹脂組成物を用いることなく、
外層樹脂組成物を用いて3層に成形するほかは同様に行
った。上記の各例の結果をまとめて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果より、実施例のものはいずれも
適度の伸び弾性率と粘着性を有し、透明性、カット性に
優れ、ヒートシール開始温度が低いが、エチレン系エラ
ストマーを含まない比較例1では粘着性が低いととも
に、ヒートシール温度が高く、また内層にブテン系ポリ
マーを用いない比較例2では粘着性が高すぎるととも
に、カット性に劣ることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の外層樹脂組成物からなる外層間
    に、下記の内層樹脂組成物からなる内層が積層されてい
    ることを特徴とする包装用多層フィルム。 外層樹脂組成物: (A)線状低密度ポリエチレン 40〜85重量% (B)高圧法低密度ポリエチレン 0〜30重量% (C)エチレン系エラストマー 2〜50重量% (D)防曇剤 0.5〜10重量% 内層樹脂組成物: (E)ブテン系ポリマー 20〜100重量% (F)プロピレン系ポリマー 0〜80 重量%
  2. 【請求項2】 多層フィルムがプリパック用またはヒー
    トシール包装用フィルムであることを特徴とする請求項
    1記載の包装用多層フィルム。
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