JPH08230102A - 銅張り積層板 - Google Patents

銅張り積層板

Info

Publication number
JPH08230102A
JPH08230102A JP7041893A JP4189395A JPH08230102A JP H08230102 A JPH08230102 A JP H08230102A JP 7041893 A JP7041893 A JP 7041893A JP 4189395 A JP4189395 A JP 4189395A JP H08230102 A JPH08230102 A JP H08230102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
epoxy resin
group
acid
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7041893A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Yoichi Ueda
陽一 上田
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP7041893A priority Critical patent/JPH08230102A/ja
Publication of JPH08230102A publication Critical patent/JPH08230102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】低誘電率、低誘電正接を改善した銅張り積層板
の提供。 【構成】(A)エポキシ樹脂と、(B)一般式(1) (式中、nは平均繰り返し数を表し、0.1以上20以
下である。Ar、Ar’は、ベンゼン核あるいはナフタ
レン核。P、P’は、ハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、あるいはアラルキル基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基を表す。Rは、水素原子、
アルキル基、アリール基、あるいはアラルキル基を表
す。Z、Z’は、水素原子もしくはアシル基を表すが、
Z、Z’のすべてが水素原子ではない。iは1〜3の整
数、kは1〜4の整数を表すが、k+iは4以下。jは
0〜4の整数、mは1〜5の整数を表すが、j+mは5
以下。)で表されるアリールエステル化合物と、(C)
硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物を有機
溶剤に溶解せしめ、基材に含浸して得られるプリプレグ
と、銅箔とを加熱成形してなる銅張り積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化剤と
してアリールエステル化合物を含有するエポキシ樹脂組
成物を用いた、低誘電率であり、且つ低誘電正接の銅張
り積層板に関する。これらは、特に高周波対応のプリン
ト配線板に適する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられるエポキシ樹
脂のうちプリント配線基板の材料としては、従来主とし
てビスフェノール型エポキシ樹脂とジシアンジアミドの
組み合わせが用いられている。近年、プリント配線基板
の薄型化、多層化に伴い、信号速度向上と回路のインピ
ーダンス整合の目的から樹脂の低誘電率性が、また信号
の高周波化に伴い、信号の伝送損失低減の目的から樹脂
の低誘電正接性が要求されてきている。それに対して従
来のエポキシ樹脂に低誘電率、低誘電正接の熱可塑性樹
脂を組み合わせる方法が考案されている。例えば、反応
性ポリブタジエン樹脂で変性する方法、ポリテトラフル
オロエチレン樹脂の粉末を分散させる方法等である。し
かし、これら従来の技術においては、基本となるエポキ
シ樹脂の誘電率が高いため望ましい誘電率を達成するに
は組み合わせる熱可塑性樹脂の占める割合が大きくな
り、エポキシ樹脂の特長である耐熱性、接着性、寸法安
定性、耐薬品性等が損なわれてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低誘
電率、低誘電正接を改善した銅張り積層板を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エポキシ
樹脂と熱硬化反応し得る化合物の官能基構造、骨格構造
について鋭意研究を続けた結果、下記エポキシ樹脂組成
物を用いた銅張り積層板が前記目的を満足することを見
出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、(A)エポキシ樹脂と、(B)下記一般式(1)
【0005】
【化2】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0.1以上20以
下である。Ar、Ar’は、それぞれ独立に、ベンゼン
核あるいはナフタレン核を表す。P、P’は、それぞれ
独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20の
アリール基、あるいは炭素数7〜20のアラルキル基、
炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリ
ーロキシ基を表す。Rは、水素原子、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、ある
いは炭素数7以上20以下のアラルキル基を表す。Z、
Z’は、それぞれ独立に、水素原子もしくは炭素数20
以下のアシル基を表すが、Z、Z’のすべてが水素原子
ではない。iは1〜3の整数、kは1〜4の整数を表す
が、k+iは4以下である。jは0〜4の整数、mは1
〜5の整数を表すが、j+mは5以下である。)で表さ
れるアリールエステル化合物と、(C)硬化促進剤を必
須成分とするエポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解せし
め、基材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを加
熱成形してなる銅張り積層板に関する。
【0006】一般式(1)において、平均繰り返し数n
は、0.1以上20以下の任意の値をとりえるが、操作
性と耐熱性のバランスの点からは、1以上20以下、さ
らに好ましくは、1以上10以下である。また、Zは、
分子中で全てが水素原子(アシル化率0%)である場合
以外、任意のものでありうるが、1分子平均のアシル化
率が30%以上が低誘電性の点では好ましく、より好ま
しくは、50%以上であるように定義される。本発明に
用いられる一般式(1)で表される化合物の一般的な合
成法としては、一般式(2)
【0007】
【化3】 (式中、n、Ar、Ar’、P、P’、R、i、k、
j、mは一般式(1)と同様に定義される。)で表され
る多価フェノール化合物と、有機酸もしくは有機酸ハロ
ゲン化物、有機酸無水物等の有機酸誘導体との塩基性化
合物存在下のエステル化反応といった公知の方法にて合
成することができる。その場合の有機酸、有機酸誘導体
について例示すると蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、ラウリン酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、ブ
ロモ酢酸等の脂肪族モノカルボン酸およびそれらの酸ハ
ロゲン化物および酸無水物、安息香酸、メチル安息香
酸、ナフトエ酸、ビフェニルカルボン酸等の芳香族モノ
カルボン酸およびそれらの酸ハロゲン化物および酸無水
物、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、シクロヘプタンカルボン酸等の脂環式モノカルボ
ン酸およびそれらの酸ハロゲン化物および酸無水物等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0008】ここで使用する塩基性化合物について例示
すると水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機
塩基性化合物、ピリジン、トリエチルアミン、トリフェ
ニルホスフィン、イミダゾール化合物のような有機塩基
性化合物等が挙げられる。また、エステル化反応におい
ては、公知の有機溶媒を用いてもよく、トルエン、キシ
レン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドなどが例示されるが、これらに限定
されない。一般式(2)の多価フェノール化合物は、下
記一般式(3)
【0009】
【化4】 (式中、Ar、P、k、iは一般式(1)と同様に定義
される。)で表されるフェノール類と、下記一般式
(4)
【0010】
【化5】 (式中、Ar’、P’、R、j、mは一般式(1)と同
様に定義される。)で表されるヒドロキシアリールカル
ボニル化合物との、酸存在下での縮合反応のような公知
の方法で得ることができる。
【0011】上記一般式(3)のフェノール類として
は、フェノール、およびクレゾール、n−プロピルフェ
ノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、イソブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オ
クチルフェノール、ノニルフェノール等のモノアルキル
フェノールの各種o −、m −、p −異性体、キシレノー
ル、ジイソプロピルフェノール、メチルブチルフェノー
ル、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−t−アミルフェノ
ール、2,3,5−トリメチルフェノール等を代表とす
る多置換アルキルフェノールの各種異性体、あるいはシ
クロぺンチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、
シクロヘキシルクレゾール等を代表とするシクロアルキ
ルフェノールの各種o −、m −、p −異性体、フェニル
フェノール、トリルフェノール、ナフチルフェノールの
ようなアリールフェノール、ベンジルフェノール、フェ
ネチルフェノールのようなアラルキルフェノール、メト
キシフェノール、エトキシフェノール、ブトキシフェノ
ールのようなアルコキシフェノール、フェノキシフェノ
ール、ナフトキシフェノールのようなアリーロキシフェ
ノール、レゾルシノール、ピロカテコール、ヒドロキノ
ン、メチルレゾルシノール、ピロガロール、フロログル
シノールなどの単核多価フェノール、α−ナフトール、
β−ナフトール、メチルナフトールなどのナフトール
類等が例示され、これらは単独であるいは2種類以上の
混合物として用いても良い。
【0012】上記一般式(4)のヒドロキシアリールカ
ルボニル化合物の例としては、ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、ヒドロキシナフトアルデヒド、ジヒドロキシベン
ズアルデヒド、ジヒドロキシナフトアルデヒド等の各異
性体を挙げることができる。
【0013】これらの縮合反応に使用する酸は、公知の
ものを用いることができるが、例示すれば、塩酸、硫酸
などの鉱酸、酢酸、安息香酸、トルエンスルホン酸など
の有機酸、酸性白土、活性アルミナ、ゼオライトなどの
固体酸、酸性イオン交換樹脂などが挙げられる。また、
本縮合反応においては、水と共沸する溶媒を用いて、系
中から水分を除去しながら反応を行う方が、転化率が上
がり、かつ副生成物生成も抑制されて良い結果を与え
る。
【0014】本発明で使用するエポキシ樹脂とは、分子
内に2個以上のエポキシ基を含む公知の化合物のことで
あり、特にその化学構造を限定するものではない。例示
すれば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テ
トラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルの
ような2官能型エポキシ化合物、あるいはトリス(4−
ヒドロキシフェニル)メタンのグリシジルエーテル、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
のグリシジルエーテルのような3官能型エポキシ化合
物、あるいはフェノールノボラックのグリシジルエーテ
ル、クレゾールノボラックのグリシジルエーテル、フェ
ノール類とヒドロキシアリールアルデヒド類とを脱水縮
合して得られるノボラックのグリシジルエーテル、ポリ
(4−ヒドロキシスチレン)のグリシジルエーテル、フ
ェノール変性ポリブタジエンのグリシジルエーテル、フ
ェノール−ジシクロペンタジエン付加物のグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAノボラックのグリシジルエー
テルのような多官能型エポキシ化合物、エポキシ樹脂と
ビスフェノールA、レゾルシン、テトラブロモビスフェ
ノールAあるいはテトラクロロビスフェノールA等のフ
ェノール化合物を予め反応させて得られた生成物、2種
以上のエポキシ樹脂の混合物などが挙げられるが、さら
に本発明の目的とする低誘電性を与えるのには、置換基
として、少なくとも1分子中に1つ炭素数4以上のアル
キル基を芳香環に有するエポキシ樹脂がより好ましく、
例示すれば、2−t−ブチル−5−メチルフェノールの
ノボラックのグリシジルエーテル、シクロヘキシルフェ
ノールノボラックのグリシジルエーテル、オクチルフェ
ノールノボラックのグリシジルエーテル、1,1−(4
−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチルフェニル)
ブタンのジグリシジルエーテル、リモネンビス(2−s
ec−ブチルフェノール)のジグリシジルエーテルなど
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】さらに本発明におけるエポキシ樹脂と一般
式(1)で表される化合物との量的割合はエポキシ樹脂
中のエポキシ基のモル数と、一般式(1)の官能基Z+
Z’のモル数の和との比率が、エポキシ基1モルに対
し、ZとZ’のモル数の和が0.3〜1.5モルになる
ように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.
5〜1.2モルの範囲である。ZとZ’のモル数の和が
この範囲を外れると硬化不良が起こり、良好な硬化物が
得られない。
【0016】本発明における硬化促進剤とは、エポキシ
樹脂と当該硬化剤の硬化反応を促進させる塩基性の化合
物のことであり、例示すると2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、4−メチルイミダゾールの様なイミダゾー
ル類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジル
ジメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデセ
ン-7(慣用名 DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オク
タン(慣用名 DABCO)の様な3級アミン類、臭化テトラ
n−ブチルアンモニウム、臭化テトラn−アミルアンモ
ニウムの様な4級アンモニウム塩類、トリフェニルホス
フィンの様なリン系化合物等が挙げられる。またその量
的割合は全樹脂中に0.05〜3重量%になるように添
加することが望ましい。
【0017】また、本発明で用いるエポキシ樹脂組成物
には、本発明の効果を損なわない程度に、エポキシ樹脂
以外の他の熱硬化性樹脂あるいは官能基を有する熱可塑
性樹脂等を併用することも可能である。具体的には、シ
アネート樹脂、マレイミド樹脂、グリシジル修飾ポリブ
タジエン、無水マレイン酸修飾ポリエチレン等である。
また、目的に応じて組成物中に難燃剤、表面処理剤等の
公知の添加剤を加えても良い。難燃剤としては三酸化ア
ンチモン、水酸化アルミ、赤リン等を、表面処理剤とし
てはシランカップリング剤を挙げることができる。
【0018】本発明の銅張り積層板の作成は公知の方法
に従って行うことができる。即ち、上記エポキシ樹脂組
成物を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを基材に含浸さ
せ、熱処理してプリプレグとした後にプリプレグと銅箔
とを積層加熱成形して銅張り積層板とする方法である。
使用される有機溶剤はアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、モノグライム、ジグライム、トルエン、キシレン、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ
ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の中から単独あ
るいは二種以上の混合溶媒として選択される。樹脂ワニ
スを含浸させる基材はガラス繊維、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維等の無機繊維、有機繊維からなる織布、
不織布、マットまたは紙等であり、これらを単独あるい
は組み合わせて用いられる。プリプレグの熱処理条件は
使用する溶剤、添加触媒、各種添加剤の種類や使用量に
応じて適宜選択されるが、通常80℃〜220℃の温度
で3分〜30分といった条件で行われる。加熱成形条件
は150℃〜300℃の温度で10kg/cm2 〜10
0kg/cm2 の成形圧で20分〜300分の熱プレス
成形が例示される。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義され、OH当量とはOH基1個あたりのポリフェノール化
合物の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明で用いるエポキシ樹脂の原料であ
る、2−t−ブチル−5−メチルフェノールのノボラッ
クのグリシジルエーテルの製法に関するものである。2
−t−ブチル−5−メチルフェノール 2231.0g(13.58 O
Hmol) 、p−トルエンスルホン酸 12.9g(0.068mol)、イ
オン交換水 223.2g を温度計、攪拌装置、冷却管、滴下
管を付けた5リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、10
0 ℃に昇温する。ホルムアルデヒド 218.4g(2.715mol)
を2時間かけて滴下した後、100 ℃で2時間保温して反
応を行った。その後 80 ℃まで冷却し、10%NaOH水溶液
27.7g(0.069mol)で中和した。分液後の有機層を700gの
イオン交換水で2回洗浄した。洗浄後の有機層を減圧濃
縮 (180 ℃/10mmHg/1 時間) して樹脂状物857.2gを得
た。得られた樹脂状物の OH 当量は176.0 g/eqであっ
た。上記のようにして得られた反応生成物 246.4g(1.4
OHmol)、エピクロロヒドリン 906.5g(9.8 mol)、ジメチ
ルスルホキシド 453.3g 、イオン交換水 14.0gを、温度
計、攪拌装置、分離管付き冷却管を付けた2リットル4
つ口丸底フラスコに仕込み、49℃ 42torrの条件下で48.
6%苛性ソーダ水溶液 108.31g(1.316mol)を5 時間かけ
て滴下する。この間、温度は49℃に保ちながら、共沸す
るエピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応
系内に戻しながら反応させた。反応終了後は、未反応の
エピクロロヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩と
ジメチルスルホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソ
ブチルケトンに溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシ
ドを温水洗浄により除去した。減圧下で溶媒を除くこと
によりにより、エポキシ樹脂 304.9g を得た。このよう
にして得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は256 g/eq
であった。赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール
性OHの吸収3200-3600cm -1は消失し、エポキシドの吸収
1240、910cm -1を有することが確認された。
【0020】合成例2 本合成例は、合成例1で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールA のジグリシジルエーテル、およ
びテトラブロモビスフェノールA との付加反応により、
末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。合成
例1で得られたエポキシ樹脂 62.0g 、テトラブロモビ
スフェノールA のジグリシジルエーテル(住友化学工業
(株)製、商品名スミエポキシESB-400 、エポキシ当量
403g/eq )25.3g 、テトラブロモビスフェノールA 12.7
g を、温度計、冷却管および攪拌装置を付けた300 ml4
つ口丸底フラスコに仕込み、110 ℃で加熱溶融させた。
その後、トリフェニルホスフィン 40 mg (対樹脂 4 ×
10-4wt%)をメチルエチルケトン2.25g に溶解した液を
加え、110 ℃で4時間保持しエポキシ基とフェノール性
水酸基の付加反応を行った。反応後、系内を90℃まで冷
却しメチルエチルケトン22.75gを滴下しながら加えて樹
脂固形分 80.62wt%の樹脂溶液123.9gを得た。得られた
樹脂付加物のエポキシ当量は、399.0 g/eq.であった。
【0021】合成例3 本合成例は、合成例1で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールA のジグリシジルエーテル、およ
びテトラブロモビスフェノールA との付加反応により、
末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。合成
例1で得られたエポキシ樹脂 47.4g 、テトラブロモビ
スフェノールA のジグリシジルエーテル(住友化学工業
(株)製、商品名スミエポキシESB-400 、エポキシ当量
403g/eq )42.7g 、テトラブロモビスフェノールA 9.9g
を、温度計、冷却管および攪拌装置を付けた300 ml4つ
口丸底フラスコに仕込み、110 ℃で加熱溶融させた。そ
の後、トリフェニルホスフィン 40 mg (対樹脂 4 ×10
-4wt%)をメチルエチルケトン2.25g に溶解した液を加
え、110℃で4時間保持しエポキシ基とフェノール性水
酸基の付加反応を行った。反応後、系内を90℃まで冷却
しメチルエチルケトン22.75gを滴下しながら加えて樹脂
固形分80.5wt%の樹脂溶液123.7gを得た。得られた樹脂
付加物のエポキシ当量は、385.0 g/eq. であった。
【0022】合成例4 本合成例は、本発明で用いるアリールエステルの原料と
なる、o-クレゾールのp-ヒドロキシベンズアルデヒドノ
ボラックを得る方法に関するものである。o-クレゾール
486.6g(4.50mol)、p-ヒドロキシベンズアルデヒド 91.
6g(0.75mol) 、p-トルエンスルホン酸 2.85g (0.015mo
l) 、トルエン 405g を温度計、攪拌装置、冷却管、分
離管を付けた1.0 リットル4つ口丸底フラスコに仕込
み、系内の水分を除去しながら120 ℃で5時間縮合反応
を行なった。80℃に冷却して10%苛性ソーダ水溶液
6.0g (0.015mol)をで中和した後、溶媒と過剰のo-クレ
ゾールを減圧留去して濃紫色樹脂状固体231.0gを得た。
OH当量は107g/eq.であった。ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー測定により、平均繰り返し数nは1.28で
あった。
【0023】合成例5 本合成例は、本発明で用いるアリールエステル化合物で
ある、1,1,1−トリス(4−アセトキシフェニル)
エタンの製法に関するものである。1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン 102.0g (1.00 OHmo
leq.) 、メチルイソブチルケトン 336.0g を、温度計、
攪拌装置、冷却管、滴下漏斗を付けた 1.0リットル4つ
口丸底フラスコに仕込み、100 ℃に昇温した。ピリジン
0.72g を仕込んだ後、無水酢酸112.2g(1.10mol) を1時
間で滴下した。3時間100 ℃に保持した後、水洗、分液
して水層を除き、室温まで冷却して終夜静置すると結晶
が析出した。結晶を濾別した後、冷メタノールで洗浄し
て60℃で減圧乾燥して、白色結晶122.4gを得た(収率85
%)。(融点171.5-173.0 ℃、非補正値) 下記分析値より目的物であることを確認した。また、高
速液体クロマトグラフィーにより、アシル化率は100
%であった。 分析値: 赤外線吸収スペクトル測定(KBr錠剤法)/2970, 17
55(C=O), 1500, 1365, 1200, 1165, 1010, 910, 850 cm
-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(溶媒 CDCl3)/δ(pp
m)2.15(s, 3H, methyl ofethylidene), 2.28(s, 9H, ac
etyl), 6.98(d, 2H, aryl), 7.09(d, 2H, aryl)
【0024】合成例6 本実施例は、合成例4で得られた、o-クレゾールのp-ヒ
ドロキシベンズアルデヒドノボラックを無水酢酸と反応
せしめて、本発明で用いるアリールエステル化合物を得
る製法に関するものである。合成例1で得たo-クレゾー
ルのp-ヒドロキシベンズアルデヒドノボラック(OH当
量:107g/eq.)70.0g(0.66 OHmoleq) 、トリエチルアミ
ン 73.7g(0.73mol) 、メチルイソブチルケトン228.9g
を温度計、攪拌装置、冷却管、滴下漏斗を付けた 1.0リ
ットル4つ口丸底フラスコに仕込み、80℃に昇温した。
無水酢酸74.5g(0.73mol)を1 時間で滴下した。4時間90
℃に保持した後、水洗、分液して水層を除き、溶媒を減
圧留去することにより、薄褐色樹脂状物93.5g を得た。
(収率95.3g ) 下記分析値より目的物であることを確認した。プロトン
核磁気共鳴スペクトルの芳香族プロトンとアセチル基の
プロトンとの積分比から、アシル化率は、100%であ
った。 分析値: 赤外線吸収スペクトル測定(KBr錠剤法)/3030, 17
60(C=O), 1500, 1370, 1215, 1190, 1120, 1015, 915,
760 cm-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(溶媒 CDCl3)/δ(pp
m) 2.07 and 2.11(s, (3n+3)H, methyl), 2.28 and 2.3
0(s, (6n+3)H, acetyl), 5.40-5.50(m, nH, methine),
6.77-7.12(m, (6n+4)H, aryl) (但し、n=1.28であ
る)
【0025】実施例1〜10 エポキシ樹脂としてビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(住友化学工業(株)製、商品名 スミエポキシ
ELA-128 、エポキシ当量 186g/eq)、合成例1、2、3
で得られたエポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノール
Aとを付加反応させて得られる末端エポキシ樹脂(住友
化学工業(株)製、商品名 スミエポキシ ESB-500)、
テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル
(住友化学工業(株)製、商品名 スミエポキシESB-40
0T)、オルソクレゾールノボラックのグリシジルエーテ
ル(住友化学工業(株)製、商品名 スミエポキシESCN
-220)、実施例5、6で得られた化合物、および硬化促
進剤の2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成
工業(株)製、商品名 キュアゾール2E4MZ )とを表1
に示す割合で配合し溶剤に溶解して均一な樹脂ワニスと
した。該ワニスをガラスクロス(商品名 KS-1600S962L
P、鐘紡(株)製)に含浸し、150 ℃の熱風乾燥器で 5
〜10分処理してプリプレグを得た。プリプレグ5枚と銅
箔(TTAI処理 35 μ厚、古河サーキットホイル(株)
製)を重ね合わせ、170 ℃×50kg/cm2×120 分熱プレス
成形して1mm厚の銅張り積層板を得た。
【0026】積層板のガラス転移温度(Tg)は島津製作
所製熱分析装置DT-30 を用いて熱膨張曲線の変曲点から
求めた。1GHz での誘電率、誘電正接は金蒸着により両
面に電極を施した積層板を同軸共振器(Boonton Electr
onics 社 Resonant CoaxialLine,Model 34A)にセット
し、ヒューレットパッカード社 85046A S-parametertes
t setを介してヒューレットパッカード社 8573A Networ
k Analyzerにて共振周波数、ならびに6.02dBダウンの周
波数を測定することで算出した。積層板の銅箔引き剥し
強さ、煮沸吸水率、半田耐熱性はJIS-C-6481に準じて測
定した。結果を表1および2に示す。
【0027】比較例1 エポキシ樹脂として、ビスフェノールAのジグリシジル
エーテルとテトラブロモビスフェノールAとを付加反応
させて得られる末端エポキシ樹脂(住友化学工業(株)
製、商品名スミエポキシ ESB-500)を、硬化剤にジシア
ンジアミドを用い、硬化促進剤に2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ )を用いて実施例
と同様に樹脂硬化板を作成し、1GHzでの誘電率、誘電
正接を測定した。配合と結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】銅張り積層板は、従来のものに比べ低誘
電率、低誘電正接等がすぐれており、特に高速演算処理
用あるいは高周波通信用の多層プリント配線板用に好適
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) エポキシ樹脂と、(B) 下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0.1以上20以
    下である。Ar、Ar’は、それぞれ独立に、ベンゼン
    核あるいはナフタレン核を表す。P、P’は、それぞれ
    独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20の
    アリール基、あるいは炭素数7〜20のアラルキル基、
    炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリ
    ーロキシ基を表す。Rは、水素原子、炭素数1〜10の
    アルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、ある
    いは炭素数7以上20以下のアラルキル基を表す。Z、
    Z’は、それぞれ独立に、水素原子もしくは炭素数20
    以下のアシル基を表すが、Z、Z’のすべてが水素原子
    ではない。iは0〜3の整数、kは1〜4の整数を表す
    が、k+iは4以下である。jは0〜4の整数、mは1
    〜5の整数を表すが、j+mは5以下である。)で表さ
    れるアリールエステル化合物と、(C) 硬化促進剤を必須
    成分とするエポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解せし
    め、基材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを加
    熱成形してなる銅張り積層板。
JP7041893A 1995-03-01 1995-03-01 銅張り積層板 Pending JPH08230102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7041893A JPH08230102A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 銅張り積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7041893A JPH08230102A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 銅張り積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08230102A true JPH08230102A (ja) 1996-09-10

Family

ID=12620973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7041893A Pending JPH08230102A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 銅張り積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08230102A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0699670B1 (en) Aryl ester compound, its production process, epoxy resin composition using said compound, and copper-clad laminate using the epoxy resin composition
JP3230025B2 (ja) エピスルフィド化合物、それを含む熱硬化性樹脂組成物
JP3067384B2 (ja) エポキシ樹脂銅張り積層板
JPH0834832A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板
KR100511482B1 (ko) 신규에스테르화합물및이를사용한열경화성수지조성물
JPH0899931A (ja) アリールエステル化合物およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物
JPH08169937A (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH08230102A (ja) 銅張り積層板
JPH06246871A (ja) エポキシ樹脂銅張り積層板
JP3147531B2 (ja) エポキシ樹脂銅張り積層板
JP3178058B2 (ja) エポキシ化合物およびその組成物
EP0612782B1 (en) Cyanate resin composition and copper-clad laminate using the composition
JP3383709B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH08269039A (ja) 新規なアリールエステル化合物とその製法、およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物
JP3331661B2 (ja) シアネート化合物およびその組成物
JP3374317B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH06172242A (ja) ポリヒドロキシ化合物とそれから誘導される熱硬化性化合物およびその組成物
JPH08267659A (ja) 銅張り積層板
JPH107767A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板
JP3261840B2 (ja) シアネート樹脂組成物を用いた銅張り積層板
JPH06100660A (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH08104739A (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH08169936A (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH0820710A (ja) エポキシ樹脂組成物および銅張り積層板
JPH06256470A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070714

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080714

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 10