JPH06256470A - 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

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JPH06256470A
JPH06256470A JP4839293A JP4839293A JPH06256470A JP H06256470 A JPH06256470 A JP H06256470A JP 4839293 A JP4839293 A JP 4839293A JP 4839293 A JP4839293 A JP 4839293A JP H06256470 A JPH06256470 A JP H06256470A
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JP
Japan
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compound
carbon atoms
resin composition
thermosetting resin
component
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Pending
Application number
JP4839293A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Hayashi
利明 林
Yoichi Ueda
陽一 上田
Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shinichiro Kitayama
慎一郎 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】従来の銅張り積層板の諸性質を損なう事無く、
低誘電率の銅張り積層板を与えるような熱硬化性樹脂組
成物を提供する。 【構成】(A)一般式(1) (式中、nは0〜10、R1 、R2 はH、C1〜10
ルキル基等。Rは少なくともC4〜10のアルキル基あ
るいはC5〜7のシクロアルキル基であり、その他はC
1〜10のアルキル基あるいはC5〜7のシクロアルキ
ル基であり、iは1〜4。Glyはグリシジル基を表
す。)で表されるエポキシ化合物と、(B)分子内にシ
アネート基を2個以上有するポリシアネ−ト化合物とを
必須成分とする熱硬化性樹脂組成物;上記(A)成分と
テトラブロモビスフェノールAまたはこれらとテトラブ
ロモビスフェノールAのグリシジルエーテルとを予め反
応させて得られるエポキシ化合物および上記(B)成分
を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物;およびこれらで
つくった銅張り積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成物お
よびそれを原料として得られる銅張り積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられる熱硬化性樹
脂のうちプリント配線基板である銅張り積層板の材料と
しては、従来ビスフェノール型エポキシ樹脂とジシアン
ジアミドの組み合わせ、またポリイミドではビスマレイ
ミドとジアミノジフェニルメタンの組み合わせが用いら
れている。近年、プリント配線基板の多層化に伴い、主
に信号速度向上の目的から樹脂の低誘電性が要求されて
きているが、それに対して上記樹脂の他に誘電特性に優
れるシアネート樹脂とビスマレイミドやエポキシ樹脂と
を組み合わせる例が多数報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
技術においてはエポキシ樹脂の場合、基本となるビスフ
ェノールA型のエポキシ樹脂の誘電率が高いため望まし
い誘電率を達成することは困難である。またポリイミド
樹脂の場合その成形物が脆く基材と銅箔との接着強度が
弱いと言う欠点があり、誘電率についても目的を満たす
ほどは低くなっていない。一方シアネート樹脂の場合、
主にビスフェノールA型のジシアネートが使用されてい
るがシアネート樹脂単独では低誘電性を示すものの難燃
性を持たせるためにブロモ化エポキシ樹脂と組み合わせ
るとエポキシ骨格が導入された事により誘電率の上昇を
招いてしまう。そこで近年低誘電性骨格を持ったシアネ
ート化合物が多数報告されている。しかしこれらのシア
ネート化合物は一般に脆いという性質を持っており、こ
れを補うためにエポキシ化合物やビスマレイミド化合物
で変性して用いられているためやはり誘電率の上昇を招
いている。
【0004】本発明の目的は従来の銅張り積層板の諸性
質を損なう事無く、低誘電率の銅張り積層板を与えるよ
うな熱硬化性樹脂組成物を提供する事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エポキシ
化合物とシアネート化合物の組合わせについて鋭意研究
を続けた結果、低誘電性の骨格構造を持つエポキシ化合
物とシアネート化合物とを組み合わせた熱硬化性樹脂組
成物が前記目的を満足することを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は次のような発明に関す
る。 (1)(A)下記一般式(1)
【0007】
【化2】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
値をとる。R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下の
シクロアルキル基、あるいは炭素数5以上7以下のシク
ロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素基
のいずれかを示す。Rはそれぞれ独立に、少なくとも1
つは炭素数4以上10以下のアルキル基あるいは炭素数
5以上7以下のシクロアルキル基であり、その他は炭素
数1以上10以下のアルキル基あるいは炭素数5以上7
以下のシクロアルキル基であり、iは1以上4以下の整
数値である。iが2以上の場合、Rはそれぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。Glyはグリシジル基を表
す。)で表されるエポキシ化合物と、(B)分子内にシ
アネート基を2個以上有するポリシアネート化合物とを
必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【0008】(2)上記(1)記載の(A)成分とテト
ラブロモビスフェノールAとを予め反応させて得られた
エポキシ化合物および上記(1)記載の(B)成分を必
須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【0009】(3)上記(1)記載の(A)成分とテト
ラブロモビスフェノールAとテトラブロモビスフェノー
ルAのグリシジルエーテルとを予め反応させて得られた
エポキシ化合物および上記(1)記載の(B)成分を必
須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【0010】(4)上記(1)、(2)または(3)記
載の熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基
材に含浸して得られるプリプレグと銅箔とを加熱成形し
てなる銅張り積層板。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。前記一般
式(1)で表されるエポキシ化合物の一般的な合成法と
しては、一般式(2)
【0012】
【化3】 (式中、n、R1 、R2 、R、iは、前記一般式(1)
の場合と同様に定義される)。で表される多価フェノー
ル化合物とエピハロヒドリンとの塩基による脱ハロゲン
化水素反応といった公知の方法で合成することができ
る。
【0013】上記一般式(2)で表される多価フェノー
ル化合物の一般的な製法としては、フェノール類とカル
ボニル化合物とを酸触媒存在下で反応させる方法が例示
されるが、この限りではない。
【0014】この場合のフェノール類としては、フェノ
ール性水酸基を1個有する化合物が使用できる。使用し
うるフェノール類を例示するとフェノール;クレゾー
ル、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソ
プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、イソブチ
ルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノ
ール、ノニルフェノール、キシレノール、メチルブチル
フェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−t−アミ
ルフェノール等を代表とするアルキルフェノールの各種
o−、m−、p−異性体;シクロぺンチルフェノール、
シクロヘキシルフェノール、シクロヘキシルクレゾール
等を代表とするシクロアルキルフェノール;アリールフ
ェノール;アラルキルフェノール等が挙げられる。
【0015】これらのフェノ−ル類の中でも低誘電率化
のために好ましいものとして、2−t−ブチル−5−メ
チルフェノール、2,6−キシレノール、2−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,4−ジ(t−ブチル)
フェノール、2,4−ジ(t−アミル)フェノール、2
−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、2−t−ブ
チルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−
n−ブチルフェノール、2−(t−アミル)フェノー
ル、2−シクロヘキシルフェノール、4−シクロヘキシ
ルフェノール等を例示することができる。
【0016】カルボニル化合物について例示するとケト
ン類、アルデヒド類が挙げられる。ケトン類としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、シクロペンチルメチルケトン、シ
クロヘキシルメチルケトン、メチルシクロヘキシルメチ
ルケトン等が例示できる。またアルデヒド類としては、
アルデヒド基を1つ有する化合物が使用できる。例示す
るとホルムアルデヒド;アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド等
に代表されるアルキルアルデヒド;シクロペンタンカル
バルデヒド、シクロヘキサンカルバルデヒド、メチルシ
クロヘキサンカルバルデヒド、シクロヘキシルアセトア
ルデヒド、シクロヘプタンカルバルデヒド等に代表され
るシクロアルキルアルデヒドが挙げられる。また、上記
ケトン類およびアルデヒド類の代わりに、上記ケトン類
およびアルデヒド類のアセタールを用いることも可能で
ある。
【0017】また前記一般式(2)において、平均繰り
返し数nは0以上10以下の任意の値をとりうるが、エ
ポキシ樹脂の操作性や硬化反応速度を損なわないため
に、nは、0以上5以下であることが好ましい。
【0018】本発明において、(A)成分の一般式
(1)で表されるエポキシ化合物とテトラブロモビスフ
ェノールA、またはこれらとテトラビスフェノールAの
ジグリシジルエーテルとの反応は公知の方法で行うこと
が出来る。例えば、上記の成分をトリフェニルフォスフ
ィン等のリン系化合物、イミダゾールまたは三級アミン
等の塩基性触媒の存在下で反応させることができる。反
応させることにより、架橋点間距離の変化によるガラス
転移温度の制御や含ハロゲン化合物を用いた難燃性付与
を、硬化時の低分子量物の揮散なしに行うことができ
る。またこの場合Br含量が20〜30%程度となるよ
うに配合比を決定するのが望ましい。
【0019】本発明に用いられるポリシアネート化合物
は分子内にシアノ基を2個以上有する化合物であり、例
えば、下記一般式(3)
【0020】
【化4】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
値をとる。Qはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1以上
10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロア
ルキル基、あるいは炭素数5以上7以下のシクロアルキ
ル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素基のいずれ
かを示す。kは1以上4以下の整数値である。kが2以
上の場合、Qはそれぞれ同一であっても異なっていても
よい。Rは2価の有機基を示す。)で表される化合物で
ある。これらの化合物は、相当するポリフェノール化合
物とハロゲン化シアンとの反応によって得られる。この
反応は公知であり、例えば、米国特許No.3,755,402
および4,028,393 明細書に記載されている。これらのポ
リシアネート化合物の中でも低誘電率化のためにより好
ましいものとして上記一般式(3)でRが下記構造式
(4)〜(10)
【0021】
【化5】 (これらの式中、n−Prはn−プロピル基を示す。ま
た、mは平均繰り返し数を表し、0.5以上20以下の
値をとる。)で表されるポリシアネート化合物が挙げら
れるがこれらに限定されるものでない。
【0022】本発明において、(A)成分のエポキシ化
合物と(B)成分のシアネート化合物の混合割合は任意
の割合をとりうるが、硬化特性を考慮すると好ましくは
重量比で1/1の割合がよい。また、(A)成分のエポ
キシ化合物とテトラビブロムビスフェノールAを予め反
応させて得られるエポキシ化合物と、(B)成分のシア
ネート化合物、または(A)成分のエポキシ化合物とテ
トラビブロムビスフェノールAとテトラビブロムビスフ
ェノールAのグリシジルエーテルを予め反応させて得ら
れるエポキシ化合物と、(B)成分のシアネート化合物
の混合割合は樹脂硬化物に難燃性を付与するためにBr
含量が10〜20%程度となるように配合比を決定する
のが望ましい。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、目的に
応じて組成物中に難燃剤、表面処理剤等の公知の添加剤
を加えても良い。難燃剤としては三酸化アンチモン、水
酸化アルミニウム、赤リン等;表面処理剤としてはシラ
ンカップリング剤を挙げることができる。また、本発明
の熱硬化性樹脂組成物に目的を損なわない範囲でビスマ
レイミド類、ポリフェニレン系化合物、アリルエーテル
系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリルシアヌレ
ート、アルケニルフェノール系化合物、ビニル基含有ポ
リオレフィン化合物等を添加することもできる。また他
の熱硬化性樹脂、例えば熱硬化性ポリイミド樹脂、フェ
ノール樹脂等も目的に応じて適宜配合する事も可能であ
る。
【0024】本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化させる
に当たって用いる硬化促進剤としてはナフテン酸亜鉛、
オクチル酸コバルト等といった有機金属塩が挙げられる
が、必要に応じてイミダゾール類、第三級アミン類、フ
ェノール類を共触媒として用いても良い。
【0025】本発明の銅張り積層板の製造は公知の方法
に従って行うことができる。即ち、本発明の熱硬化性樹
脂組成物またはそのプレポリマー化物を有機溶剤に溶解
した溶液である樹脂ワニスを基材に含浸させ、熱処理し
てプリプレグとした後にプリプレグと銅箔とを積層加熱
成形して銅張り積層板とする方法である。
【0026】使用される有機溶剤はアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、トルエン、キシレン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の中
から単独あるいは二種以上の混合溶媒として選択され
る。
【0027】樹脂ワニスを含浸させる基材はガラス繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機繊維、
有機繊維からなる織布、もしくは不織布またはマット、
紙等でありこれらを単独あるいは組み合わせて用いられ
る。
【0028】プリプレグの熱処理条件は使用する溶剤、
添加触媒、各種添加剤の種類や使用量に応じて適宜選択
されるが通常100℃〜200℃の温度で3分〜30分
といった条件で行われる。
【0029】加熱成形条件は150℃〜300℃の温度
で10kg/cm2 〜100kg/cm2 の成形圧で2
0分〜300分の熱プレス成形が例示される。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。OH当量は、OH基1個あたりのOH化合物
の分子量で定義される。
【0031】合成例1 本合成例は、本発明で用いられるエポキシ化合物の原料
となる多価フェノール化合物の製法に関するものであ
る。2−t−ブチル−5−メチルフェノール328.0
g(2.0mol)、トルエン428.0gを温度計、
攪拌装置、分離管付きコンデンサーを付けた2リットル
4つ口丸底フラスコに仕込み、80℃に昇温する。p−
トルエンスルホン酸5.70g(0.03mol)を添
加後、n−ブチルアルデヒド100.8g(1.40m
ol)を滴下管を用いて2時間かけて滴下して昇温し、
1時間共沸脱水させて反応で生成した水を系中から除去
した。その後120℃で2時間保温した。反応後トルエ
ン571.0gで希釈し、10%苛性ソーダ水溶液12
gで中和後、200gのイオン交換水で2回洗浄した。
洗浄後の有機層を減圧濃縮(170℃/5mmHg/
0.5時間)して樹脂状物259.0gを得た。得られ
た樹脂状物のOH当量は192.3 g/eqであっ
た。
【0032】合成例2 本合成例は、合成例1で得られた多価フェノールからの
エポキシ化合物の製法に関するものである。合成例1で
得られた多価フェノール化合物115.4g(0.6
OH mol)、エピクロロヒドリン388.5g
(4.2mol)、ジメチルスルホキシド194.3g
を、温度計、攪拌装置、分離管付きコンデンサーを付け
た2リットル4つ口平底フラスコに仕込み、54℃ 4
8torrの条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液4
9.38g(0.6mol)を4時間かけて滴下する。
この間、温度は55℃〜60℃に保ちながら、共沸する
エピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系
内に戻しながら反応させた。反応終了後は、未反応のエ
ピクロロヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジ
メチルスルホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソブ
チルケトンに溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシド
を温水洗浄により除去した。減圧下で溶媒を除くことに
より、エポキシ化合物138.7gを得た。このように
して得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は、それぞ
れ305.7g/eqであった。赤外吸収スペクトル測
定の結果フェノール性OHの吸収3200〜3600c
-1は消失し、エポキシドの吸収1240、910cm
-1の吸収を有することが確認された。また、高速液体ク
ロマトグラフィー測定により決定された平均繰り返し数
nは0.26であった。
【0033】合成例3 本合成例は、合成例2で得られたエポキシ化合物とテト
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テ
トラブロモビスフェノールAとの付加反応により、ブロ
モ含量が20%の末端エポキシ化合物を得る方法に関す
るものである。合成例2で得られたエポキシ化合物5
5.8g(0.1825当量)、テトラブロモビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテル(住友化学工業(株)
製、商品名ESB−400、エポキシ当量403g/e
q)22.8g(0.0283mol)を、温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた300ml4つ口丸底フラ
スコに仕込み、110℃で加熱溶融させた後、テトラブ
ロモビスフェノールA11.4g(0.0210 mo
l)を加えて溶解させる。トリフェニルホスフィン18
mg(0.0687mmol)をメチルエチルケトン
2.0gに溶解した液を加えた後、溶媒を除去しながら
130℃に昇温し、4時間保持し、反応物を冷却して取
り出すことにより目的の付加物90.0gを得る。得ら
れた付加物のエポキシ当量は、455.6 g/eqで
あった。
【0034】合成例4 本合成例は、本発明で用いられるエポキシ化合物の原料
となる多価フェノール化合物の製法に関するものであ
る。2−t−ブチル−5−メチルフェノール2231.
0g(13.58mol)、p−トルエンスルホン酸1
2.9g(0.068mol)、イオン交換水223.
2gを温度計、攪拌装置、コンデンサーを付けた5リッ
トル4つ口丸底フラスコに仕込み、100℃に昇温す
る。ホルムアルデヒド218.4g(2.715mo
l)を滴下管を用いて2時間かけて滴下した後、100
℃で2時間保温してノボラック化反応を行った。その後
80℃まで冷却し、10%苛性ソーダ水溶液27.7g
(0.069mol)で中和した。分液後の有機層を7
00gのイオン交換水で2回洗浄した。洗浄後の有機層
を減圧濃縮(180℃/10mmHg/1時間)して樹
脂状物857.2gを得た。得られた樹脂状物のOH当
量は176.0g/eqであった。またこの多価フェノ
ール化合物の繰り返し単位数(前記一般式(2)中の
n)は、平均1.25であった。
【0035】合成例5 本合成例は、合成例4で得た多価フェノール化合物とエ
ピクロロヒドリンとの反応によるエポキシ化合物の製法
例に関するものである。合成例4の多価フェノール化合
物246.4g(1.4当量)、エピクロロヒドリン9
06.5g(9.8mol)、ジメチルスルホキシド4
53.3g、イオン交換水14.0gを、温度計、攪拌
装置、分離管付きコンデンサーを付けた2リットル4つ
口丸底フラスコに仕込み、49℃、42torrの条件
下で48.6%苛性ソーダ水溶液108.31g(1.
316mol)を5時間かけて滴下する。この間、温度
は49℃に保ちながら、共沸するエピクロロヒドリンと
水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反応さ
せた。反応終了後は、未反応のエピクロロヒドリンを減
圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを
含むエポキシ化物をメチルイソブチルケトンに溶解さ
せ、副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄により除
去した。減圧下で溶媒を除くことによりにより、エポキ
シ化合物304.9gを得た。このようにして得られた
エポキシ化合物のエポキシ当量は256g/eqであっ
た。赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OH
の吸収3200〜3600cm-1は消失し、エポキシド
の吸収1240、910cm-1の吸収を有することが確
認された。
【0036】合成例6 本合成例は、合成例5で得られたエポキシ化合物とテト
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよ
びテトラブロモビスフェノールAとの付加反応により、
ブロモ含量が20%の末端エポキシ化合物を得る方法に
関するものである。合成例2で得られたエポキシ化合物
62.0g 、テトラブロモビスフェノールAのジグリ
シジルエーテル(住友化学工業(株)製、商品名スミエ
ポキシESB−400、エポキシ当量403g/eq)
25.3g、テトラブロモビスフェノールA12.7g
を、温度計、冷却管および攪拌装置を付けた300ml
4つ口丸底フラスコに仕込み、110℃で加熱溶融させ
た。その後、トリフェニルホスフィン40mg(対樹脂
4×10-4wt%)をメチルエチルケトン2.25g
に溶解した液を加え、110℃で4時間保持しエポキシ
基とフェノール性水酸基の付加反応を行った。反応後、
系内を90℃まで冷却しメチルエチルケトン22.75
gを滴下しながら加えて樹脂固形分80.62wt%の
樹脂溶液123.9gを得た。得られた樹脂付加物のエ
ポキシ当量は、399.0 g/eq.であった。
【0037】合成例7 本合成例は、本発明で用いられるポリフェノール化合物
から誘導されるポリシアネート化合物の製法に関する。
原料となるポリフェノール化合物は下記構造式(11)
で表されるポリフェノール化合物であり、特開昭58−
13528公報に記載されている合成法に従って合成し
たものである。
【0038】
【化6】 温度計、撹拌装置、還流冷却装置、滴下漏斗を付けた2
リットル4つ口平底セパラブルフラスコに、上記ポリフ
ェノール化合物200g(0.498mol)、クロル
シアン60.1ml(1.194mmol)、アセトン
467gを仕込み、−5℃で溶解させる。トリエチルア
ミン105.7g(1.044mol)を1.5時間で
滴下する。滴下後8℃まで昇温し、1時間保持する。反
応液を濾過して塩を除いた後アセトン100gで希釈
し、10%食塩水で水洗後、無水硫酸ナトリウムで有機
層を乾燥する。濾過により塩を除いて、減圧下で濃縮し
て樹脂状物170.5gが得られる。赤外吸収スペクト
ルによりOH基の吸収(3400〜3600cm-1)が
消失し、シアノ基の吸収(2300cm-1)が確認され
た。さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より目的物であることを確認した。
【0039】合成例8 本合成例は、本発明で用いられるポリフェノール化合物
から誘導されるポリシアネート化合物の製法に関する。
原料となるフェノールは下記構造式(12)で表される
ポリフェノール化合物であり、特開平4−26642公
報に記載されている合成法に従って合成したものであ
る。
【0040】
【化7】 温度計、撹拌装置、還流冷却装置、滴下漏斗を付けた2
リットル4つ口平底セパラブルフラスコに、上記ポリフ
ェノール化合物200g(0.617mol)、クロル
シアン84.4ml(1.677mmol)、クロロホ
ルム900gを仕込み、−5℃で溶解させる。トリエチ
ルアミン143.6g(1.419mol)を1.5時
間で滴下する。滴下後5℃まで昇温し、3時間保持す
る。反応液を濾過して塩を除いた後クロロホルム100
gで希釈し、10%食塩水で水洗後、無水硫酸ナトリウ
ムで有機層を乾燥する。濾過により塩を除いて、減圧下
で濃縮して樹脂状物210.3gが得られる。赤外吸収
スペクトルによりOH基の吸収(3400〜3600c
-1)が消失し、シアノ基の吸収(2300cm-1)が
確認された。さらにゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーにより目的物であることを確認した。
【0041】合成例9 本合成例は、本発明で用いられるビスフェノールAから
誘導されるジシアネート化合物の製法に関する。温度
計、撹拌装置、還流冷却装置、滴下漏斗を付けた2リッ
トル4つ口平底セパラブルフラスコに、上記ビスフェノ
ールA200g(0.877mol)、クロルシアン1
06.0ml(2.105mmol)、アセトン467
gを仕込み、−3℃で溶解させる。トリエチルアミン1
86.4g(1.846mol)を2.0時間で滴下す
る。滴下後8℃まで昇温し、1時間保持する。反応液を
濾過して塩を除いた後、水に投入して水沈させ、濾過、
減圧乾燥して、結晶として目的化合物176.0gを得
た。赤外吸収スペクトルによりOH基の吸収(3400
〜3600cm-1)が消失し、シアノ基の吸収(230
0cm-1)が確認された。さらにゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより目的物であることを確認し
た。
【0042】実施例1〜12 合成例2,3,5,6で得られたエポキシ化合物と合成
例7,8,9で得られたシアネート化合物を表1、2で
示す割合で配合した。実施例1〜6については配合物を
170℃で溶融混合し、得られたプレポリマー化物を2
00℃×2時間プレス成形することにより樹脂単独硬化
物を作成しTg、誘電特性を測定した。実施例7〜12
については配合物を140℃で溶融混合させプレポリマ
ー化を行ない、得られたプレポリマー化物にさらに触媒
のナフテン酸亜鉛を加えメチルエチルケトンに溶解して
均一な樹脂ワニスとした。該ワニスをガラスクロス(K
S−1600S962LP, 鐘紡(株)製)に含浸し、
160℃の熱風乾燥器で3〜10分処理してプリプレグ
を得た。プリプレグ5枚と銅箔(TTAI処理 35μ
厚、古河サーキットホイル(株)製)を重ね合わせ、2
00℃で50Kg/cm2 の圧力下、120分熱プレス
成形して1mm厚の銅張り積層板を得た。実施例7,8,
10,11に関してはさらにアフターキュアをー200
℃で120分行った。
【0043】ガラス転移温度(Tg)は島津製作所製熱
分析装置DT−30を用いて熱膨張曲線の変曲点から求
めた。室温の誘電率および誘電正接は横河ヒューレット
パッカード社(株)製、4275A Multi−Fr
equency LCR meterを用い、誘電率の
値はサンプルの静電容量から算出した。積層板の銅箔引
き剥し強さ、半田耐熱性、煮沸吸水率はJIS−C−6
481に準じて測定した。測定結果を表1、2に示す。
【0044】比較例1 合成例9で得たシアネート化合物とブロモ化エポキシ樹
脂(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキシ ES
B−400、エポキシ当量 398g/eq)を表1に
示す割合で配合した。この配合物を用いて実施例1〜6
と同様の方法で樹脂単独硬化物を作成し、その物性を実
施例1〜6と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
【0045】比較例2〜4 合成例7〜9で得たシアネート化合物とブロモ化エポキ
シ樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキシ
ESB−400、エポキシ当量 398g/eq)を表
1に示す割合で配合しメチルエチルケトン溶媒に溶解し
て均一な樹脂ワニスとした。該ワニスを用いて実施例7
〜12と同様の方法で銅張り積層板とし、その物性を実
施例7〜12と同様に測定した。測定結果を表2に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂を使って得た銅張
り積層板は従来のものに比べ低誘電率であり、かつ耐熱
性や耐水性にも優れる。このため特に高速演算処理用の
多層プリント配線板に好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 充弘 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
    値をとる。R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下の
    シクロアルキル基、あるいは炭素数5以上7以下のシク
    ロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素基
    のいずれかを示す。Rはそれぞれ独立に、少なくとも1
    つは炭素数4以上10以下のアルキル基あるいは炭素数
    5以上7以下のシクロアルキル基であり、その他は炭素
    数1以上10以下のアルキル基あるいは炭素数5以上7
    以下のシクロアルキル基であり、iは1以上4以下の整
    数値である。iが2以上の場合、Rはそれぞれ同一であ
    っても異なっていてもよい。Glyはグリシジル基を表
    す。)で表されるエポキシ化合物と、(B)分子内にシ
    アネート基を2個以上有するポリシアネ−ト化合物とを
    必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の(A)成分とテトラブロモ
    ビスフェノールAとを予め反応させて得られるエポキシ
    化合物および請求項1記載の(B)成分を必須成分とす
    る熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の(A)成分とテトラブロモ
    ビスフェノールAとテトラブロモビスフェノールAのグ
    リシジルエーテルとを予め反応させて得られるエポキシ
    化合物および請求項1記載の(B)成分を必須成分とす
    る熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記一般式(1)においてR1 、R2 が共
    に水素原子である請求項1、2または3記載の熱硬化性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の熱硬化性
    樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸して
    得られるプリプレグと銅箔とを加熱成形してなる銅張り
    積層板。
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