JP3261840B2 - シアネート樹脂組成物を用いた銅張り積層板 - Google Patents

シアネート樹脂組成物を用いた銅張り積層板

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JP3261840B2
JP3261840B2 JP32243693A JP32243693A JP3261840B2 JP 3261840 B2 JP3261840 B2 JP 3261840B2 JP 32243693 A JP32243693 A JP 32243693A JP 32243693 A JP32243693 A JP 32243693A JP 3261840 B2 JP3261840 B2 JP 3261840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシアネート樹脂組成物
(シアネート化合物を含む熱硬化性樹脂組成物)を用い
た銅張り積層板に関する。本発明の銅張り積層板は、低
誘電性が必要とされるプリント配線基板として特に有用
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子用途に用いられる熱硬
化性樹脂組成物のなかで、プリント配線基板用の材料と
しては、主としてビスフェノール型エポキシ樹脂とジシ
アンジアミドの組み合わせ、あるいはビスマレイミド化
合物とアミン化合物との付加物が用いられている。近
年、プリント配線基板の多層化に伴い、主に信号速度向
上の目的から樹脂の低誘電性が要求されてきており、こ
の要求に応えるための手段として従来の熱硬化性樹脂組
成物では、低誘電性の熱可塑性樹脂の添加が周知である
が、この方法によれば、熱硬化性樹脂の耐熱性等を損な
う欠点が指摘され、実用に耐え得る低誘電性樹脂の要求
を十分に満たすことができなかった。
【0003】これらの点から、シアネート樹脂が開発さ
れ、独国特許2533122号、国際特許88/054
43号等に提案されている。現在一般的に用いられてい
るシアネート樹脂としてはビスフェノールAのジシアネ
ートが知られているが、コンピュータ技術の高度化にと
もなってさらなる低誘電性化が求められていた。また、
上記のシアネート化合物は一般に樹脂組成物として使用
され、その必要特性に応じてビスマレイミドまたはエポ
キシ化合物等と共用(特公昭54−30440)される
ことが知られている。しかしながら、この場合、樹脂組
成物の誘電率は大きく上昇し、満足されるレベルには至
っていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の銅張り積層板の諸性質を損なうことなく、低誘電性、
耐水性ににすぐれ、実用に耐える耐熱性を有する銅張り
積層板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、シアネー
ト化合物の骨格構造について鋭意研究を続けた結果、t
−ブチル基のかさ高さによる分子体積の増加と、大きな
疎水基による非極性の増大が低誘電性に多大な寄与し、
これを有する特定のシアネート化合物を使用する銅張り
積層板が上記目的を満足することを見い出し、本発明を
完成させるに至った。すなわち、本発明は、次のとうり
である。 (1)下記一般式(1)
【0006】
【化10】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に、水素原子ある
いは炭素数1以上5以下のアルキル基である。Aは、炭
素数1以上3以下のアルキル基であり、iは0以上3以
下の整数値をとる。)で表されるシアネート化合物また
はそのプレポリマーと硬化剤とを必須成分とする熱硬化
性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸し
て得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加熱成形して
なる銅張り積層板。
【0007】(2)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化エポキシ化
合物またはそのプレポリマーと、硬化剤とを必須成分と
する熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基
材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加
熱成形してなる銅張り積層板。
【0008】(3)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤と、分子内に
2個以上のN−マレイミド基を有するポリマレイミド化
合物またはそのプレポリマーとを必須成分とする熱硬化
性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸し
て得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加熱成形して
なる銅張り積層板。
【0009】(4)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤と、分子内に
2個以上のN−マレイミド基を有するポリマレイミド化
合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化エポキシ化合
物またはそのプレポリマーとを必須成分とする熱硬化性
樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸して
得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加熱成形してな
る銅張り積層板。本発明の樹脂組成物の必須成分である
シアネート化合物は、下記一般式(10)
【0010】
【化11】 (式中、R1 、R2 、A、iは一般式(1)と同様に定
義される。)で表されるビスフェノール類と、クロルシ
アン、ブロムシアンに代表されるハロゲン化シアンとを
適当な有機溶媒中、塩基存在下で脱ハロゲン化水素反応
をさせることによって得ることができる。
【0011】上記のビスフェノール類は、公知のいかな
る方法で得られたものでも用いることができ、一般的な
製法としては、カルボニル化合物とフェノール類を、酸
触媒存在下で反応させることが例示されるが、この限り
ではない。
【0012】ここでカルボニル化合物としては、炭素数
1以上11以下のカルボニル基を有する化合物が用いら
れ、例示すれば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチ
ルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド等に代表されるアルデヒド化合物、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、エチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ジ
プロピルケトン、ジブチルケトン等に代表されるケトン
化合物が挙げられるが、本発明の目的を達するために
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒドが好ましい。
【0013】また、ここでフェノール類としては、t−
ブチル基をOH基のオルソ位に有し、パラ位に置換基を
有さず、炭素数3以下のアルキル基を有しても良いもの
が用いられ、例示すれば、2−t −ブチルフェノール、
2−t −ブチル−5−メチルフェノール、2−t −ブチ
ル−3−メチルフェノール、2−t −ブチル−6−メチ
ルフェノール、2−t−ブチル−5−エチルフェノー
ル、2−t−ブチル−3−エチルフェノール、2−t−
ブチル−3−プロピルフェノールなどが挙げられるが、
本発明の目的達成のためには、2−t −ブチルフェノー
ル、2−t −ブチル−5−メチルフェノールが好まし
い。
【0014】本発明で用いられるシアネート化合物の代
表例として、下記構造式(9)
【化12】 で表される化合物が挙げられる。
【0015】本発明の銅張り積層板に難燃性を付与する
場合には、例えば、ブロモ化エポキシ化合物をブロモ含
有率が5〜25%となるように組成物中に配合する。入
手のしやすさ、経済的効果等から、ブロモ化エポキシ化
合物としてはテトラブロモビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル、ブロモ化フェノールノボラックのグリシジ
ルエーテルを例示できるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0016】本発明で用いられるポリマレイミド化合物
は、分子内に2個以上のNーマレイミド基を含むポリマ
レイミド化合物であり、いかなる方法で得られたもので
も用いることができる。ポリマレイミド化合物の合成法
としては、例えば、原料フェノールとpークロロニトロ
ベンゼンを反応させた後、還元して得られたアミン化合
物を無水マレイン酸と反応させる方法を例示できるが、
これに限定されるものではない。本発明の目的達成のた
めに好ましいポリマレイミド化合物を例示すれば、次の
とうりである。すなわち、下記一般式(2)
【0017】
【化13】 〔式中、Xは下記構造式(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)または(8)
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】 (式中、n−Prはn−プロピル基を示す。)
【0022】
【化18】
【0023】
【化19】 で表される基である。)で表される化合物。
【0024】本発明で用られるシアネート化合物、ブロ
モ化エポキシ化合物、ポリマレイミド化合物はモノマー
で用いてもよいし、単独またはこれらの混合物のプレポ
リマーとして用いてもよい。プレポリマーは、シアネー
ト化合物、ブロモ化エポキシ化合物、ポリマレイミド化
合物の単独または混合物を、後述の硬化剤とともに50
〜200℃程度に加熱することによって得ることができ
る。
【0025】ポリマレイミド化合物またはそのプレポリ
マーは、これらとシアネート化合物またはそのプレポリ
マーとの合計量に対して好ましくは1〜50重量%、さ
らに好ましくは3〜35重量%の割合で混合することが
できる。
【0026】本発明の樹脂組成物の硬化剤としては、公
知のものを用いることが可能である。例示すれば、塩
酸、燐酸に代表されるプロトン酸;塩化アルミニウム、
3フッ化ホウ素錯体、塩化亜鉛に代表されるルイス酸;
フェノール、ピロカテコール、ジヒドロキシナフタレン
に代表される芳香族ヒドロキシ化合物;ナフテン酸亜
鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸すず、オクチル酸
コバルト等といった有機金属塩;トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、キノリン、イソキノリンなどといった
第三級アミン類;塩化テトラエチルアンモニウム、臭化
テトラブチルアンモニウムに代表される四級アンモニウ
ム塩;イミダゾール類;水酸化ナトリウム、ナトリウム
メチラート、ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタ
ン、トリフェニルホスフィン、またはこれらの混合物な
どが挙げられるが、目的達成のためにより好ましくは、
ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸すず
などの有機金属塩、またはこれらの有機金属塩とイミダ
ゾール類の混合系が用いられる。
【0027】本発明の樹脂組成物には目的を損なわない
範囲で、他の熱硬化性樹脂を併用することができる。例
示すれば、ビスフェノールAおよびビスフェノールFの
ジグリシジルエーテル、フェノールノボラックおよびク
レゾールノボラックのグリシジルエーテルなどに代表さ
れるエポキシ樹脂、ビスマレイミド類とジアミン化合物
との付加重合物、ビスフェノールAおよびテトラブロム
ビスフェノールAのビスビニルベンジルエーテル化物、
ジアミノジフェニルメタンのビニルベンジルエーテル化
物に代表されるアルケニルアリールエーテル樹脂、ビス
フェノールAおよびテトラブロムビスフェノールAのジ
プロパルギルエーテル、ジアミノジフェニルメタンのプ
ロパルギルエーテル等に代表されるアルキニルエーテル
樹脂、その他、フェノール樹脂、レゾール樹脂、アリル
エーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ビニル基
含有ポリオレフィン化合物等が挙げられるが、これらに
限定されない。熱可塑性樹脂も添加することが可能であ
り、例示すればポリフェニレンエーテル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド、およ
びそれらの変性物が挙げられるがこれらに限定されな
い。これらの樹脂はシアネート樹脂組成物中に混合され
ていても良いし、予め反応させておいて用いることもで
きる。
【0028】本発明では、使途により組成物中に硬化促
進剤、難燃剤、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の
添加剤を加えても良い。硬化促進剤としてはイミダゾー
ル類、三級アミン類、リン系化合物、アルキルフェノー
ル類を、難燃剤としては、三酸化アンチモン、赤リン等
を、離型剤としてはワックス類、ステアリン酸亜鉛等
を、さらに表面処理剤としてはシランカップリング剤を
挙げることができる。充填剤としてはシリカ、アルミ
ナ、タルク、クレー、ガラス繊維等を挙げることができ
る。
【0029】本発明のシアネート樹脂組成物を使った銅
張り積層板は、低誘電性が必要とされるプリント配線基
板に用いられる。本発明の銅張り積層板の製造は、公知
の方法に従って行うことができる。すなわち、シアネー
ト化合物等を含む熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解
した溶液である樹脂ワニスを基材に含浸させ、熱処理し
てプリプレグとした後に、プリプレグと銅箔とを積層、
加熱成形して銅張り積層板とする方法である。
【0030】使用される有機溶媒としては、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチル
エーテル、トルエン、キシレン、1,4-ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の単
独または二種以上の混合物があげられる。
【0031】樹脂ワニスを含浸させる基材としては、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維等の無機または有機繊維からなる織布、不織布、
マット、紙あるいはこれらの組み合わせがあげられる。
【0032】プリプレグの熱処理条件は、使用する溶
媒、添加触媒、その他の各種添加剤の種類や使用量に応
じて適宜選択されるが、通常100℃〜200℃の温度
で3分〜30分の条件で行われる。
【0033】プリプレグと銅箔との積層、加熱成形方法
としては、150℃〜300℃の温度で、10kg/c
2 〜100kg/cm2 の成形圧で、20分〜300
分の時間で熱プレス成形する方法が例示される。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 合成例1 本合成例は、シアネート化合物である、1,1−ビス
(5−t−ブチル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタンのジシアネートの製法に関するものである。
1,1−ビス(5−t−ブチル−2−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン(住友化学工業(株)製、商品
名スミライザーBBM−S)200g (1.05 moleq) を、ア
セトン800gに溶解し、−5℃に冷却する。クロルシアン
77.3g (1.26mol) を加えた後、トリエチルアミン 111.3
g (1.10mol) を反応温度が0℃以上にならないように注
意しながら1時間で滴下する。滴下終了後、2〜5℃で
1時間保温した後に、クロロホルム500gで希釈する。濾
過により塩を除去した後に、水洗し、溶媒を減圧留去し
て黄色樹脂状物194.8gを得た。
【0035】このようにして得られたシアネート化合物
は、赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OHの
吸収3200−3600cm-1は消失し、シアネートのニトリルの
吸収2270cm-1を有することが確認された。
【0036】合成例2 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−ビス(4−アミノフェノキシフェニ
ル)メンタンビスマレイミドの製法に関するものであ
る。5リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸23
7.3gとクロロベンゼン2373gを仕込み、窒素気
流下撹拌して溶解させた。YP−90(商品名、ヤスハ
ラケミカル製、ジペンテンとフェノールの反応化合物、
水酸基当量162g/eq)とp−クロロベンゼンを反
応させた後、還元して得られた(4−アミノフェノキシ
フェニル)メンタンのジメチルアセトアミド(DMA
c)溶液(濃度を34.3重量%に調整。)1625.
1gを滴下ロートを用いてフラスコに25±5℃で2時
間かけて滴下した。35℃で2時間反応を続けアミド酸
化反応を完結させた。
【0037】続いてp−トルエンスルホン酸一水和物1
0.46gを加え、減圧下、共沸脱水を行いながら10
0℃で1時間、110℃で1時間、続いて徐々に常圧に
戻しながら135℃で4時間脱水閉環反応を行った。生
成した水を、Dean−Stark共沸脱水装置を用い
て系外に分離しながら反応を進めた。次に減圧下に、ク
ロロベンゼン、続いてDMAcを合計89%回収した。
続いてメチルイソブチルケトン(MIBK)2200g
を加えて溶解させた。溶液を60℃まで冷却してから、
水層のpHが5〜7となる様に計量した重曹および水1
000gを加え中和してから洗浄、分液を行った。さら
に60℃で15%食塩水1000gで2回洗浄、分液を
行ってから減圧下に共沸脱水を行い、濾過により塩を除
いた。濾液を減圧下に濃縮、最終的に150℃/5To
rrの条件に到達してから製品をフラスコから溶融状態
で取りだし、淡褐色固体を収量724g(収率98.7
%)で得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)から、N,N’−ビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)メンタンビスマレイミドが95%、高分子
量成分が5%含まれていた。
【0038】このものの物性を下記に示す。 質量スペクトル M+=666 ・融点 96〜98℃ ・ 1H−NMRスペクトル δ:0.6〜2.1ppm(m、脂肪族)、2.8 p
pm(m、メチン)、6.8 ppm(s、イミド
基)、6.9〜7.4ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1238cm-1(エーテル結
合)、1712cm-1(イミド結合)
【0039】合成例3 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ジシク
ロペンタンビスマレイミドの製法に関するものである。
合成例2でYP−90(商品名、ヤスハラケミカル製、
ジペンテンとフェノールの反応化合物、水酸基当量 1
62g/eq)から誘導されたビス(4−アミノフェノ
キシフェニル)メンタンの代わりに、DPPー600T
(商品名、日本石油(株)社製)から同様にして誘導さ
れたビス(4−アミノフェノキシフェニル)ジシクロペ
ンタンのDMAc溶液932.9g(濃度を34.3%
に調整)を用い、合成例2と同様の操作を行ない61
7.4g(収率98%)のビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)ジシクロペンタンビスマレイミド191.7
g(収率97.4%)を黄色結晶として得た。
【0040】このものの物性を下記に示す。 ・ 質量スペクトル M+=662、1060 ・ 1H−NMRスペクトル δ:1.0〜2.5ppm(m、脂肪族)、2.7pp
m(m、メチン)、6.8ppm(s、イミド基)、
6.6〜7.3ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1222cm-1(エーテル結
合)、1712cm-1(イミド結合)
【0041】合成例4 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル〕ジシクロペンタンビ
スマレイミドオリゴマーの製法に関するものである。1
−リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸58.8g
とアセトン137.2gを仕込み、窒素気流下撹拌して
溶解させた。温度を室温〜35℃に保ちながら両末端に
4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル基を持つジシクロペンタンオリゴマー[日本石油株
式会社製DXP−L−9−1(2,6−キシレノールと
ジシクロペンタジエンとの反応物。水酸基当量191g
/eq)とp−クロロニトロベンゼンとを反応させた
後、ニトロ基を還元したもの。ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕ジシクロペ
ンタンをGPC測定から90%含む。アミン当量275
g/eq)150.0gをアセトン350gに溶かした
溶液をフラスコに2時間で滴下した。さらに3時間撹拌
を続けた。次にトリエチルアミン16.6gを加え室温
で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル0.58gを加え4
0℃まで昇温した。無水酢酸72.4gを1時間で滴下
した後、同温度で反応が終了するまで保温した。反応終
了後、純水1000gに反応混合物を排出した。結晶を
濾取し、水洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加
温して乾燥した。黄色結晶の目的物を、収量189.4
g(収率 97.9%)で得た。
【0042】このものの物性を下記に示す。 ・ 質量スペクトル M+=718 ・ 1H−NMRスペクトル δ:1.0〜2.5ppm(m、脂肪族)、2.7 p
pm(m、メチン)、6.8 ppm(s、イミド
基)、6.5〜7.3ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1220 cm-1(エーテル
結合)、1714 cm-1(イミド結合)
【0043】合成例5 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−1,1−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−5−t−ブチル−2−メチルフェニル〕ブ
タンビスマレイミドの製法に関するものである。2−リ
ットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸97.1gとア
セトン226.5gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解
させた。温度を室温〜35℃に保ちながら1,1−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−5−t−ブチル−2
−メチルフェニル〕ブタン256.5gをアセトン59
8.5gに溶かした溶液を二時間で滴下した。さらに三
時間撹拌を続けた。トリエチルアミン27.3gを加え
室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル0.95gを加
え40℃まで昇温した。無水酢酸119.9gを1時間
で滴下した後、同温度で反応を続けた。反応終了後、反
応混合物を水2.5kgに排出し、結晶を濾取した。こ
の結晶を水洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加
温して乾燥した。黄色結晶の目的物を収量306.1g
(収率93.9%)で得た。このものはメチルセロソル
ブ/イソプロピルアルコール混合溶媒から再結晶でき
る。
【0044】このものの物性を下記に示す。 ・ 融点 127〜130℃ ・ 質量スペクトル M+=724 ・ 1H−NMR δ:0.97 ppm(t、−CHCH2 CH2
3 )、1.34 ppm(s、t−ブチル基)、1.
92 ppm(q、−CHCH2 CH2 CH3 )、2.
17 ppm(s、メチル基)、4.13 ppm
(t、−CHCH2 CH2 CH3 )、6.65 ppm
(s、イミド基)、6.8〜7.2 ppm(m、芳香
族) ・ 赤外吸収スペクトル:1219 cm-1(エーテル
結合) 1712 cm-1(イミド結合)
【0045】実施例1〜3 合成例1で得られたシアネート化合物を表1で示す割合
で硬化剤と共に配合した。なお、実施例2については、
硬化剤の他に、樹脂に難燃性を付与するためにテトラブ
ロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル(住友化
学工業(株)製、商品名スミエポキシESB−400、
エポキシ当量403g/eq)をBr含量が10%とな
るように樹脂組成物中に加えた。これらの配合物は一旦
140℃で溶融混合してプレポリマー化を行ない、得ら
れたプレポリマー化物にさらに触媒のナフテン酸亜鉛を
加えてメチルエチルケトンに溶解して均一な樹脂ワニス
とした。該ワニスを、実施例1、2ではガラスクロス
(商品名KS−1600S962LP、鐘紡(株)
製)、実施例3ではアラミド繊維(商品名テクノーラ、
帝人(株)製)に含浸し、160℃の熱風乾燥器で3〜
10処理してプリプレグを得た。プリプレグ5枚と銅箔
(TTAI処理、30μm厚さ、古河サーキットホイル
(株)製)を重ね合わせ、200℃で120分行ない、
1mm厚さの銅張り積層板を得た。その物性を表1に示
した。表1において、配合割合の数値は重量部を示す。
ただし、ナフテン酸亜鉛の数値は、シアネート化合物お
よびエポキシ化合物の合計量100重量部当たりの重量
部(phr)を示す。
【0046】比較例1、2 ビスフェノールAのジシアネートを硬化物、もしくは硬
化物とテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(上記の商品名スミエポキシESB−400)と
共に表1に示す割合で配合した。この配合物を実施例1
〜3と同様の方法で銅張り積層板とし、その物性を表1
に示した。
【0047】
【表1】
【0048】実施例4〜10 合成例1で得られたシアネート化合物は、使用するに当
たって一旦硬化剤であるナフテン酸亜鉛と共に140℃
で溶融混合し、プレポリマー化を行った。このシアネー
トプレポリマー化物と合成例2〜5で得られたポリマレ
イミド化合物、またはN, N´ービス(4ーアミノフェ
ニル)メタンビスマレイミド(ケイ・アイ化成(株)社
製)、N, N´ー2, 2ービス(4ーアミノフェノキシ
フェニル)プロパンビスマレイミド(商品名、MB80
00、三菱油化(株)製)を表2で示す割合で、硬化剤
と共に配合し、ジメチルホルムアミドに溶かして均一な
樹脂ワニスとした。この樹脂ワニスを使用し、実施例1
〜3と同様にして銅張り積層板を作製した。なお、実施
例10では、難燃性を付与するためにテトラブロモビス
フェノールAのジグリシジルエーテル(上記の商品名ス
ミエポキシESB−400)を樹脂組成物中のBr含有
率が5重量%となるように加えた。得られた銅張り積層
板の物性を表2に示した。表2において、配合割合の数
値は重量部を示す。ただし、ナフテン酸亜鉛および2−
エチル−4−メチルイミダゾールの数値は、シアネート
化合物およびエポキシ化合物の合計量100重量部当た
りの重量部(phr)を示す。
【0049】比較例3 ビスフェノールAのジシアネート化合物を用いて、表2
の配合割合で配合したものを使用して実施例4〜10と
同様にして銅張り積層板を作製した。その物性を表2に
した。
【0050】
【表2】
【0051】なお、表1および表2において、物性は次
の方法で測定した。 ・ガラス転移温度:(株)島津製作所製熱機械分析装置
DT−30を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた。 ・誘電率、誘電正接:横河ヒューレットパッカード
(株)製、4275A Multi-Frequency LCR meterを用い
て得た静電容量の値より算出して求めた。 ・銅箔剥離強度、煮沸吸水率、半田耐熱性は、JIS−
C−6481に準じて測定した。
【0052】
【発明の効果】本発明のシアネート樹脂組成物は、低誘
電性に優れ、実用に耐える耐熱性(例えば、ガラス転移
温度180℃以上)を有する硬化物を与える。
フロントページの続き (72)発明者 渡部 久 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 柴田 充弘 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平6−49238(JP,A) 特開 平4−192489(JP,A) 特開 平2−218751(JP,A) 特開 昭56−95951(JP,A) 特開 昭56−10991(JP,A) 特開 昭55−58224(JP,A) 特開 昭55−38823(JP,A) 特開 昭50−116595(JP,A) 特開 平6−306165(JP,A) 特開 昭52−14696(JP,A) 特表 平4−507110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 C08G 73/02 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に、水素原子ある
    いは炭素数1以上5以下のアルキル基である。Aは、炭
    素数1以上3以下のアルキル基であり、iは0以上3以
    下の整数値をとる。)で表されるシアネート化合物また
    はそのプレポリマーと硬化剤とを必須成分とする熱硬化
    性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸し
    て得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加熱成形して
    なる銅張り積層板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化
    エポキシ化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤とを
    必須成分とする熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解し
    た溶液を基材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔と
    を積層、加熱成形してなる銅張り積層板。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂組成物が、請求項1に記載の
    一般式(1)で表されるシアネート化合物とブロモ化エ
    ポキシ化合物をそれぞれ単独でもしくは混合物として硬
    化剤と共に溶融混合して得られるプレポリマーと、硬化
    剤とを必須成分とするものである、請求項2記載の銅張
    り積層板。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤
    と、分子内に2個以上のN−マレイミド基を有するポリ
    マレイミド化合物またはそのプレポリマーとを必須成分
    とする熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を
    基材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを積層、
    加熱成形してなる銅張り積層板。
  5. 【請求項5】熱硬化性樹脂組成物が、請求項1に記載の
    一般式(1)で表されるシアネート化合物と分子内に2
    個以上のN−マレイミド基を有するポリマレイミド化合
    物またはそのプレポリマーをそれぞれ単独でもしくは混
    合物として硬化剤と共に溶融混合して得られるプレポリ
    マーと、硬化剤とを必須成分とするものである、請求項
    4記載の銅張り積層板。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤
    と、分子内に2個以上のN−マレイミド基を有するポリ
    マレイミド化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化
    エポキシ化合物またはそのプレポリマーとを必須成分と
    する熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基
    材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加
    熱成形してなる銅張り積層板。
  7. 【請求項7】ポリマレイミド化合物が下記構造式(2) 【化2】 〔式中、Xは下記構造式(3)、(4)、(5)、
    (6)、(7)または(8) 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (式中、n−Prはn−プロピル基を示す。) 【化7】 【化8】 で表される基である。)で表される化合物である請求項
    4、5または6記載の銅張り積層板。
  8. 【請求項8】シアネート化合物が、下記構造式(9) 【化9】 で表されるシアネート化合物である、請求項1、2、
    3、4、5、6または7記載の銅張り積層板。
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