JPH06316632A - 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Info

Publication number
JPH06316632A
JPH06316632A JP6022698A JP2269894A JPH06316632A JP H06316632 A JPH06316632 A JP H06316632A JP 6022698 A JP6022698 A JP 6022698A JP 2269894 A JP2269894 A JP 2269894A JP H06316632 A JPH06316632 A JP H06316632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prepolymer
compound
thermosetting resin
resin composition
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6022698A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Hayashi
利明 林
Yoichi Ueda
陽一 上田
Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Hisashi Watabe
久 渡部
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shinichiro Kitayama
慎一郎 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP6022698A priority Critical patent/JPH06316632A/ja
Publication of JPH06316632A publication Critical patent/JPH06316632A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】低誘電性、耐水性ににすぐれ、実用に耐える耐
熱性を有する熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板を
提供する。 【構成】(A)下記一般式(1) 〔式中、R、Qは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以
上7以下のシクロアルキル基、炭素数5以上7以下のシ
クロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素
基のいずれかを示す。またi、jはそれぞれ独立に、0
以上4以下の整数値をとる。Mは下記一般式(2) (式中、Tは上のR、Qと同じである。kは0以上10
以下の整数値をとり、mは0以上8以下の整数値をと
る。)を示す。〕で表されるシアネート化合物またはそ
のプレポリマーと、(B)硬化剤とを必須成分とする熱
硬化性樹脂組成物、およびこの熱硬化性樹脂組成物を加
熱成形してなる銅張り積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシアネート化合物を含む
熱硬化性樹脂組成物(シアネート樹脂組成物ということ
がある)およびそれ用いた銅張り積層板に関する。本発
明の銅張り積層板は、低誘電性が必要とされるプリント
配線基板として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子用途に用いられる熱硬
化性樹脂組成物のなかで、プリント配線基板用の材料と
しては、主としてビスフェノール型エポキシ樹脂とジシ
アンジアミドの組み合わせ、あるいはビスマレイミド化
合物とアミン化合物との付加物が用いられている。近
年、プリント配線基板の多層化に伴い、主に信号速度向
上の目的から樹脂の低誘電性が要求されてきており、こ
の要求に応えるための手段として従来の熱硬化性樹脂組
成物では、低誘電性の熱可塑性樹脂の添加が周知である
が、この方法によれば、熱硬化性樹脂の耐熱性等を損な
う欠点が指摘され、実用に耐え得る低誘電性樹脂の要求
を十分に満たすことができなかった。
【0003】これらの点から、シアネート樹脂が開発さ
れ、独国特許2533122号、国際特許88/054
43号等に提案されている。現在一般的に用いられてい
るシアネート樹脂としてはビスフェノールAのジシアネ
ートが知られているが、コンピュータ技術の高度化にと
もなってさらなる低誘電性化が求められていた。また、
上記のシアネート化合物は一般に樹脂組成物として使用
され、その必要特性に応じてビスマレイミドまたはエポ
キシ化合物等と共用(特公昭54−30440)される
ことが知られている。しかしながら、この場合、樹脂組
成物の誘電率は大きく上昇し、満足されるレベルには至
っていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のシアネート樹脂組成物および銅張り積層板の諸性質を
損なうことなく、低誘電性、耐水性ににすぐれ、実用に
耐える耐熱性を有する熱硬化性樹脂組成物および銅張り
積層板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、シアネー
ト化合物の骨格構造について鋭意研究を続けた結果、特
定の構造を有する化合物の組成物が上記目的を満足する
ことを見い出し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明は次のような発明に関する。 (1)(A)下記一般式(1)
【0006】
【化6】 〔式中、R、Qは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以
上7以下のシクロアルキル基、炭素数5以上7以下のシ
クロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素
基のいずれかを示す。またi、jはそれぞれ独立に、0
以上4以下の整数値をとり、i、jが2以上の場合は
R、Qはそれぞれ同一であっても異なってもよい。Mは
下記一般式(2)
【0007】
【化7】 (式中、Tは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上
10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロア
ルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を含
む炭素数6以上20以下の炭化水素基のいずれかを示
す。kは0以上10以下の整数値をとり、mは0以上8
以下の整数値をとり、kまたはmが2以上の場合はTは
同一でも異なってもよい。)を示す。〕で表されるシア
ネート化合物またはそのプレポリマーと、(B)硬化剤
とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【0008】(2)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化エポキシ化
合物またはそのプレポリマーと、硬化剤とを必須成分と
する熱硬化性樹脂組成物。
【0009】(3)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤と、分子内に
2個以上のN−マレイミド基を有するポリマレイミド化
合物またはそのプレポリマーとを必須成分とする熱硬化
性樹脂組成物。
【0010】(4)一般式(1)で表されるシアネート
化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤と、分子内に
2個以上のN−マレイミド基を有するポリマレイミド化
合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化エポキシ化合
物またはそのプレポリマーとを必須成分とする熱硬化性
樹脂組成物。
【0011】(5)上記(1)〜(4)記載の熱硬化性
樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基材に含浸して
得られるプリプレグと、銅箔とを積層、加熱成形してな
る銅張り積層板。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
シアネート化合物は、下記一般式(10)
【化8】 (式中、R、Q、M、i、jは一般式(1)と同様に定
義される。)で表されるビスフェノール類と、クロルシ
アン、ブロムシアンに代表されるハロゲン化シアンとを
適当な有機溶媒中、塩基存在下で脱ハロゲン化水素反応
をさせることによって得ることができる。
【0013】上記のビスフェノール類は、公知のいかな
る方法で得られたものでも用いることができる。上記ビ
スフェノール類の一般的な製法としては、シクロヘキサ
ノン誘導体、シクロヘキセノン誘導体もしくはジペンテ
ンとフェノール類を、酸触媒存在下で反応させる方法が
例示されるが、この限りではない。
【0014】ここでフェノール類としては、フェノール
性水酸基を1個有する化合物が用いられ、例示するとフ
ェノール;2−ブロモフェノール、2−クロロフェノー
ルなどのハロゲン化フェノール;o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、
2−オクチルフェノール、2−ノニルフェノール、2,
6−キシレノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノ
ール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4
−ジ(t−ブチル)フェノール、2−t−ブチルフェノ
ール、2−sec−ブチルフェノール、2−n−ブチル
フェノールに代表されるアルキル置換フェノール、また
はこれらの位置異性体;2−シクロヘキシルフェノー
ル、4−シクロヘキシルフェノール、2−シクロヘキシ
ル−5−メチルフェノールに代表されるシクロアルキル
置換フェノールまたはこれらの位置異性体が挙げられる
がこれらに限定されない。
【0015】これらのフェノール類のなかでも、本発明
の目的達成のためにより好ましいものとして、フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、2,6−キシレノール、2−t−ブチル−5−メチ
ルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ジ(t−ブチル)フェノール、2−シクロ
ヘキシル−5−メチルフェノール、2−t−ブチルフェ
ノール、2−sec−ブチルフェノール、2−n−ブチ
ルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、4−シ
クロヘキシルフェノールなどを例示することができる。
【0016】上記シクロヘキサノン誘導体としては、シ
クロヘキサノン;2−ブロモシクロヘキサノン、2−ク
ロロシクロヘキサノンなどのハロゲン化シクロヘキサノ
ン;2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘ
キサノン、4−メチルシクロヘキサノン、2−イソプロ
ピルシクロヘキサノン、3−イソプロピルシクロヘキサ
ノン、4−イソプロピルシクロヘキサノン、2−n−ブ
チルシクロヘキサノン、3−n−ブチルシクロヘキサノ
ン、4−n−ブチルシクロヘキサノン、2−sec−ブ
チルシクロヘキサノン、3−sec−ブチルシクロヘキ
サノン、4−sec−ブチルシクロヘキサノン、2−イ
ソブチルシクロヘキサノン、3−イソブチルシクロヘキ
サノン、4−イソブチルシクロヘキサノン、2−t−ブ
チルシクロヘキサノン、3−t−ブチルシクロヘキサノ
ン、4−t−ブチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチ
ルシクロヘキサノン、2,4−ジイソプロピルシクロヘ
キサノン、3,5−ジイソプロピルシクロヘキサノン、
2,4−ジ(t−ブチル)シクロヘキサノン、3,5−
ジ(t−ブチル)シクロヘキサノン、2−t−ブチル−
6−メチルシクロヘキサノン、3,3,5−トリメチル
シクロヘキサノン、3,3,5,5−テトラメチルシク
ロヘキサノン、2,4,6−トリ(t−ブチル)シクロ
ヘキサノンに代表されるアルキル置換シクロヘキサノ
ン、またはこれらの位置異性体;4−シクロペンチルシ
クロヘキサノン、4−シクロヘキシルシクロヘキサノ
ン、4−シクロヘキシル−2−メチルシクロヘキサノン
に代表されるシクロアルキル置換シクロヘキサノン、ま
たはこれらの位置異性体が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0017】これらのシクロヘキサノン誘導体のなかで
も、本発明の目的達成のためにより好ましいものとし
て、シクロヘキサノン、2−sec−ブチルシクロヘキ
サノン、3−sec−ブチルシクロヘキサノン、4−s
ec−ブチルシクロヘキサノン、2−イソブチルシクロ
ヘキサノン、3−イソブチルシクロヘキサノン、4−イ
ソブチルシクロヘキサノン、2−t−ブチルシクロヘキ
サノン、3−t−ブチルシクロヘキサノン、4−t−ブ
チルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサ
ノン、2,4−ジイソプロピルシクロヘキサノン、3,
5−ジイソプロピルシクロヘキサノン、2,4−ジ(t
−ブチル)シクロヘキサノン、3,5−ジ(t−ブチ
ル)シクロヘキサノン、2−t−ブチル−6−メチルシ
クロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ノン、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノ
ン、2,4,6−トリ(t−ブチル)シクロヘキサノ
ン、4−シクロヘキシルシクロヘキサノンを例示するこ
とができる。
【0018】またシクロヘキセノン誘導体としては、2
−シクロヘキセノン、3−シクロヘキセノン;6−ブロ
モ−2−シクロヘキセノン、6−クロロ−2−シクロヘ
キセノンなどのハロゲン化シクロヘキセノン;2−メチ
ル−2−シクロヘキセノン、6−メチル−2−シクロヘ
キセノン、4−イソプロピル−2−シクロヘキセノン、
4−イソブチル−2−シクロヘキセノン、4−t−ブチ
ル−2−シクロヘキセノン、イソホロン、2−メチル−
3−シクロヘキセノン、6−メチル−3−シクロヘキセ
ノン、4−イソプロピル−3−シクロヘキセノン、4−
イソブチル−3−シクロヘキセノン、4−t−ブチル−
3−シクロヘキセノン、3,5,5−トリメチル−3−
シクロヘキセノンに代表されるアルキル置換シクロヘキ
セノン、またはこれらの位置異性体;4−シクロヘキシ
ル−2−シクロヘキセノン、4−シクロヘキシル−3−
シクロヘキセノン、4−シクロペンチル−2−シクロヘ
キセノン、4−シクロヘキシル−6−メチル−2−シク
ロヘキセノンに代表されるシクロアルキル置換シクロヘ
キセノン、またはこれらの位置異性体が挙げられるがこ
れらに限定されない。
【0019】これらのシクロヘキセノン誘導体のなかで
も、本発明の目的達成のためにより好ましいものとし
て、2−シクロヘキセノン、4−イソプロピル−2−シ
クロヘキセノン、4−イソブチル−2−シクロヘキセノ
ン、4−t−ブチル−2−シクロヘキセノン、3,3,
5−トリメチル−3−シクロヘキセノン、2−メチル−
3−シクロヘキセノン、6−メチル−3−シクロヘキセ
ノン、4−イソプロピル−3−シクロヘキセノン、4−
イソブチル−3−シクロヘキセノン、4−t−ブチル−
3−シクロヘキセノン、イソホロン、4−シクロヘキシ
ル−2−シクロヘキセノン、4−シクロヘキシル−6−
メチル−2−シクロヘキセノンを例示することができ
る。
【0020】本発明の銅張り積層板に難燃性を付与する
場合には、例えば、ブロモ化エポキシ化合物をブロモ含
有率が5〜25%となるように組成物中に配合する。入
手のしやすさ、経済的効果等から、ブロモ化エポキシ化
合物としてはテトラブロモビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル、ブロモ化フェノールノボラックのグリシジ
ルエーテルを例示できるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0021】本発明で用いられるポリマレイミド化合物
は、分子内に2個以上のNーマレイミド基を含むポリマ
レイミド化合物であり、いかなる方法で得られたもので
も用いることができる。ポリマレイミド化合物の合成法
としては、例えば、原料フェノールとpークロロニトロ
ベンゼンを反応させた後、還元して得られたアミン化合
物を無水マレイン酸と反応させる方法を例示できるが、
これに限定されるものではない。本発明の目的達成のた
めに好ましいポリマレイミド化合物を例示すれば、次の
とうりである。すなわち、下記一般式(3)
【0022】
【化9】 〔式中、Xは下記構造式(4)、(5)、(6)、
(7)、(8)または(9)
【0023】
【化10】 (構造式(7)中、n−Prはn−プロピル基、t−B
uはt−ブチル基を示す。)
【0024】
【化11】 で表される基である。〕で表される化合物。
【0025】本発明で用られるシアネート化合物、ブロ
モ化エポキシ化合物、ポリマレイミド化合物はモノマー
で用いてもよいし、単独またはこれらの混合物のプレポ
リマーとして用いてもよい。プレポリマーは、シアネー
ト化合物、ブロモ化エポキシ化合物、ポリマレイミド化
合物の単独または混合物を、後述の硬化剤とともに50
〜200℃程度に加熱することによって得ることができ
る。
【0026】ポリマレイミド化合物またはそのプレポリ
マーは、これらとシアネート化合物またはそのプレポリ
マーとの合計量に対して好ましくは1〜50重量%、さ
らに好ましくは3〜35重量%の割合で混合することが
できる。
【0027】本発明の樹脂組成物の硬化剤としては、公
知のものを用いることが可能である。例示すれば、塩
酸、燐酸に代表されるプロトン酸;塩化アルミニウム、
3フッ化ホウ素錯体、塩化亜鉛に代表されるルイス酸;
フェノール、ピロカテコール、ジヒドロキシナフタレン
に代表される芳香族ヒドロキシ化合物;ナフテン酸亜
鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸すず、オクチル酸
コバルト等といった有機金属塩;トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、キノリン、イソキノリンなどといった
第三級アミン類;塩化テトラエチルアンモニウム、臭化
テトラブチルアンモニウムに代表される四級アンモニウ
ム塩;イミダゾール類;水酸化ナトリウム、ナトリウム
メチラート、ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタ
ン、トリフェニルホスフィン、またはこれらの混合物な
どが挙げられるが、目的達成のためにより好ましくは、
ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸すず
などの有機金属塩、またはこれらの有機金属塩とイミダ
ゾール類の混合系が用いられる。
【0028】本発明の樹脂組成物には目的を損なわない
範囲で、他の熱硬化性樹脂を併用することができる。例
示すれば、ビスフェノールAおよびビスフェノールFの
ジグリシジルエーテル、フェノールノボラックおよびク
レゾールノボラックのグリシジルエーテルなどに代表さ
れるエポキシ樹脂、ビスマレイミド類とジアミン化合物
との付加重合物、ビスフェノールAおよびテトラブロム
ビスフェノールAのビスビニルベンジルエーテル化物、
ジアミノジフェニルメタンのビニルベンジルエーテル化
物に代表されるアルケニルアリールエーテル樹脂、ビス
フェノールAおよびテトラブロムビスフェノールAのジ
プロパルギルエーテル、ジアミノジフェニルメタンのプ
ロパルギルエーテル等に代表されるアルキニルエーテル
樹脂、その他、フェノール樹脂、レゾール樹脂、アリル
エーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ビニル基
含有ポリオレフィン化合物等が挙げられるが、これらに
限定されない。熱可塑性樹脂も添加することが可能であ
り、例示すればポリフェニレンエーテル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド、およ
びそれらの変性物が挙げられるがこれらに限定されな
い。これらの樹脂はシアネート樹脂組成物中に混合され
ていても良いし、予め反応させておいて用いることもで
きる。
【0029】本発明では、使途により組成物中に硬化促
進剤、難燃剤、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の
添加剤を加えても良い。硬化促進剤としてはイミダゾー
ル類、三級アミン類、リン系化合物、アルキルフェノー
ル類を、難燃剤としては、三酸化アンチモン、赤リン等
を、離型剤としてはワックス類、ステアリン酸亜鉛等
を、さらに表面処理剤としてはシランカップリング剤を
挙げることができる。充填剤としてはシリカ、アルミ
ナ、タルク、クレー、ガラス繊維等を挙げることができ
る。
【0030】本発明のシアネート樹脂組成物を使った銅
張り積層板は、低誘電性が必要とされるプリント配線基
板に用いられる。本発明の銅張り積層板の製造は、公知
の方法に従って行うことができる。すなわち、シアネー
ト化合物等を含む熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解
した溶液である樹脂ワニスを基材に含浸させ、熱処理し
てプリプレグとした後に、プリプレグと銅箔とを積層、
加熱成形して銅張り積層板とする方法である。
【0031】使用される有機溶媒としては、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチル
エーテル、トルエン、キシレン、1,4-ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の単
独または二種以上の混合物があげられる。
【0032】樹脂ワニスを含浸させる基材としては、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維等の無機または有機繊維からなる織布、不織布、
マット、紙あるいはこれらの組み合わせがあげられる。
【0033】プリプレグの熱処理条件は、使用する溶
媒、添加触媒、その他の各種添加剤の種類や使用量に応
じて適宜選択されるが、通常100℃〜200℃の温度
で3分〜30分の条件で行われる。
【0034】プリプレグと銅箔との積層、加熱成形方法
としては、150℃〜300℃の温度で、10kg/c
2 〜100kg/cm2 の成形圧で、20分〜300
分の時間で熱プレス成形する方法が例示される。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0036】合成例1 本合成例は、本発明で用いられるシアネート化合物の原
料となる、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)シクロヘキサンの製法に関するものである。
シクロヘキサノン147.3g(1.50mol)を温
度計、攪拌装置、コンデンサーのついた反応容器に仕込
み、o−クレゾール648.6g(6.00mol)に
溶解させ、濃塩酸600gを添加し、60℃で10時間
撹拌した。反応終了後、トルエンを加え、o−クレゾー
ルとシクロヘキサノンの縮合物を含む沈澱を濾取した。
得られた沈澱を水洗により、塩酸を除去し、目的物のビ
ス−o−クレゾールヘキサン222gを得た。FD−M
ASSスペクトルによる分子量は296、融点は190
〜195℃であった。
【0037】合成例2 本合成例は、本発明で用いられるシアネート化合物であ
る1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサ
ンの製法に関するものである。原料となる1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(商品名ア
ンチゲンW、住友化学工業(株)製)200g(0.7
5mol)を、アセトン1200gに溶解し、−2℃に
冷却した。クロルシアン90.1ml(1.79mo
l)を加えた後、トリエチルアミン158.6g(1.
57mol)を反応温度が0℃以上にならないように注
意しながら1時間で滴下した。滴下終了後、5〜8℃で
2時間保温した後に、クロロホルム500gで希釈し
た。濾過により塩を除去した後に、水洗し、溶媒を減圧
留去して赤色液状物207.1gを得た。
【0038】このようにして得られたシアネート化合物
は、赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OH
の吸収3200〜3600cm-1は消失し、シアネート
のニトリルの2250cm-1の吸収を有することが確認
された。
【0039】合成例3 本合成例は、本発明で用いられるシアネート化合物であ
る1,1−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)
シクロヘキサンの製法に関するものである。合成例1で
得られたビスフェノール200g(0.68mol)を
アセトン600gに溶解し、−5℃に冷却した。クロル
シアン81.6ml(1.62mol)を加えた後、ト
リエチルアミン143.6g(1.42mol)を反応
温度が0℃以上にならないように注意しながら1時間で
滴下した。滴下終了後、2〜5℃で1時間保温した後
に、クロロホルム500gで希釈した。濾過により塩を
除去した後に、水洗し、溶媒を減圧留去して赤色樹脂状
物233.8gを得た。
【0040】このようにして得られたシアネート化合物
は、赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OH
の吸収3200〜3600cm-1は消失し、シアネート
のニトリルの2250cm-1の吸収を有することが確認
された。
【0041】合成例4 本合成例は、本発明で用いられる4−〔1−〔4−〔4
−ヒドロキシフェニル〕−4−メチルシクロヘキシル〕
−1−メチルエチル〕フェノールのジシアネートの製法
に関するものである。温度計、撹拌装置、還流冷却装
置、滴下漏斗を付けた2リットル4つ口平底セパラブル
フラスコに、商品名YP−90(ヤスハラケミカル製、
ジペンテンとフェノールの反応生成物)200g(0.
645mol)、クロルシアン84.4ml(1.67
7mol)、クロロホルム900gを仕込み、−5℃で
溶解させた。トリエチルアミン143.6g(1.41
9mol)を1.5時間で滴下した。滴下後5℃まで昇
温し、3時間保持した。反応液を濾過して塩を取り除い
た後、濃縮し、減圧乾燥させ、褐色オイル状の目的化合
物210.3gを得た。
【0042】このようにして得られたシアネート化合物
は、赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OH
の吸収3200〜3600cm-1は消失し、シアネート
のニトリルの2250cm-1の吸収を有することが確認
された。
【0043】合成例5 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−ビス(4−アミノフェノキシフェニ
ル)メンタンビスマレイミドの製法に関するものであ
る。5リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸23
7.3gとクロロベンゼン2373gを仕込み、窒素気
流下撹拌して溶解させた。商品名、YP−90(ヤスハ
ラケミカル製、ジペンテンとフェノールの反応生成物、
水酸基当量162g/eq)とp−クロロベンゼンを反
応させた後、還元して得られた(4−アミノフェノキシ
フェニル)メンタンのジメチルアセトアミド(DMA
c)溶液(濃度を34.3重量%に調整。)1625.
1gを滴下ロートを用いてフラスコに25±5℃で2時
間かけて滴下した。35℃で2時間反応を続けアミド酸
化反応を完結させた。
【0044】続いてp−トルエンスルホン酸一水和物1
0.46gを加え、減圧下、共沸脱水を行いながら10
0℃で1時間、110℃で1時間、続いて徐々に常圧に
戻しながら135℃で4時間脱水閉環反応を行った。生
成した水を、Dean−Stark共沸脱水装置を用い
て系外に分離しながら反応を進めた。次に減圧下に、ク
ロロベンゼン、続いてDMAcを合計89%回収した。
続いてメチルイソブチルケトン(MIBK)2200g
を加えて溶解させた。溶液を60℃まで冷却してから、
水層のpHが5〜7となる様に計量した重曹および水1
000gを加え中和してから洗浄、分液を行った。さら
に60℃で15%食塩水1000gで2回洗浄、分液を
行ってから減圧下に共沸脱水を行い、濾過により塩を除
いた。濾液を減圧下に濃縮、最終的に150℃/5To
rrの条件に到達してから製品をフラスコから溶融状態
で取りだし、淡褐色固体を収量724g(収率98.7
%)で得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)から、N,N’−ビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)メンタンビスマレイミドが95%、高分子
量成分が5%含まれていた。
【0045】このものの物性を下記に示す。 質量スペクトル M+=666 ・融点 96〜98℃ ・ 1H−NMRスペクトル δ:0.6〜2.1ppm(m、脂肪族)、2.8 p
pm(m、メチン)、6.8 ppm(s、イミド
基)、6.9〜7.4ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1238cm-1(エーテル結
合)、1712cm-1(イミド結合)
【0046】合成例6 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ジシク
ロペンタンビスマレイミドの製法に関するものである。
合成例2で商品名、YP−90(ヤスハラケミカル製、
ジペンテンとフェノールの反応生成物、水酸基当量16
2g/eq)から誘導されたビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)メンタンの代わりに、商品名、DPPー6
00T(日本石油(株)社製)から同様にして誘導され
たビス(4−アミノフェノキシフェニル)ジシクロペン
タンのDMAc溶液932.9g(濃度を34.3%に
調整)を用い、合成例2と同様の操作を行ない617.
4g(収率98%)のビス(4−アミノフェノキシフェ
ニル)ジシクロペンタンビスマレイミド191.7g
(収率97.4%)を黄色結晶として得た。
【0047】このものの物性を下記に示す。 ・ 質量スペクトル M+=662、1060 ・ 1H−NMRスペクトル δ:1.0〜2.5ppm(m、脂肪族)、2.7pp
m(m、メチン)、6.8ppm(s、イミド基)、
6.6〜7.3ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1222cm-1(エーテル結
合)、1712cm-1(イミド結合)
【0048】合成例7 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル〕ジシクロペンタンビ
スマレイミドオリゴマーの製法に関するものである。1
−リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸58.8g
とアセトン137.2gを仕込み、窒素気流下撹拌して
溶解させた。温度を室温〜35℃に保ちながら両末端に
4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル基を持つジシクロペンタンオリゴマー〔日本石油株
式会社製、商品名DXP−L−9−1(2,6−キシレ
ノールとジシクロペンタジエンとの反応生成物。水酸基
当量191g/eq)とp−クロロニトロベンゼンとを
反応させた後、ニトロ基を還元したもの。ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル〕ジシクロペンタンをGPC測定から90%含む。ア
ミン当量275g/eq)〕150.0gをアセトン3
50gに溶かした溶液をフラスコに2時間で滴下した。
さらに3時間撹拌を続けた。次にトリエチルアミン1
6.6gを加え室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル
0.58gを加え40℃まで昇温した。無水酢酸72.
4gを1時間で滴下した後、同温度で反応が終了するま
で保温した。反応終了後、純水1000gに反応混合物
を排出した。結晶を濾取し、水洗、ついでメタノールで
洗浄し、減圧下に加温して乾燥した。黄色結晶の目的物
を、収量189.4g(収率97.9%)で得た。
【0049】このものの物性を下記に示す。 ・ 質量スペクトル M+=718 ・ 1H−NMRスペクトル δ:1.0〜2.5ppm(m、脂肪族)、2.7 p
pm(m、メチン)、6.8 ppm(s、イミド
基)、6.5〜7.3ppm(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1220 cm-1(エーテル
結合)、1714 cm-1(イミド結合)
【0050】合成例8 本合成例は、本発明で用いられるポリマレイミド化合物
である、N,N’−1,1−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−5−t−ブチル−2−メチルフェニル〕ブ
タンビスマレイミドの製法に関するものである。2−リ
ットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸97.1gとア
セトン226.5gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解
させた。温度を室温〜35℃に保ちながら1,1−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−5−t−ブチル−2
−メチルフェニル〕ブタン256.5gをアセトン59
8.5gに溶かした溶液を2時間で滴下した。さらに3
時間撹拌を続けた。トリエチルアミン27.3gを加え
室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル0.95gを加
え40℃まで昇温した。無水酢酸119.9gを1時間
で滴下した後、同温度で反応を続けた。反応終了後、反
応混合物を水2.5kgに排出し、結晶を濾取した。こ
の結晶を水洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加
温して乾燥した。黄色結晶の目的物を収量306.1g
(収率93.9%)で得た。このものはメチルセロソル
ブ/イソプロピルアルコール混合溶媒から再結晶でき
る。
【0051】このものの物性を下記に示す。 ・ 融点 127〜130℃ ・ 質量スペクトル M+=724 ・ 1H−NMRδ:0.97 ppm(t、−CHC
2 CH2 CH3 )、1.34 ppm(s、t−ブチ
ル基)、1.92 ppm(q、−CHCH2 CH2
3 )、2.17 ppm(s、メチル基)、4.13
ppm(t、−CHCH2 CH2 CH3 )、6.65
ppm(s、イミド基)、6.8〜7.2 ppm
(m、芳香族) ・ 赤外吸収スペクトル:1219 cm-1(エーテル
結合) 1712 cm-1(イミド結合)
【0052】実施例1〜9 合成例2〜4で得られたシアネ−ト化合物を表1、2で
示す割合(単位は重量部である)で硬化剤と共に配合し
た。なお、実施例4〜9については硬化剤の他に、樹脂
に難燃性を付与するためにテトラブロモビスフェノール
Aのグリシジルエーテル(住友化学工業(株)製、商品
名スミエポキシESB−400、エポキシ当量403g
/eq)をBr含量が10%となるように配合物中に加
えた。実施例1〜6は配合物を170℃で溶融混合し、
得られたプレポリマー化物を200℃×2時間プレス成
形することにより樹脂単独硬化物を作成しTg、誘電特
性を測定した。実施例7〜9については配合物を一旦1
40℃で溶融混合させプレポリマー化を行ない、得られ
たプレポリマー化物にさらに触媒のナフテン酸亜鉛を加
え、メチルエチルケトンに融解して均一な樹脂ワニスと
した。該ワニスをガラスクロス(KS−1600S96
2LP, 鐘紡(株)製)に含浸し、160℃の熱風乾燥
器で3〜10分処理してプリプレグを得た。プリプレグ
5枚と銅箔(TTAI処理、35μ厚、古河サーキット
ホイル(株)製)を重ね合わせ、200℃で50Kg/
cm2 の圧力下、120分熱プレス成形した後アフター
キュアーを200℃で120分行い1mm厚の銅張り積
層板を得た。物性を表1および2に示す。
【0053】ガラス転移温度(Tg)は島津製作所製熱
分析装置DT−30を用いて熱膨張曲線の変曲点から求
めた。室温の誘電率および誘電正接は横河ヒューレット
パッカード社(株)製、4275A Multi−Fr
equency LCR meterを用い、誘電率の
値はサンプルの静電容量から算出した。積層板の銅箔剥
離強度、半田耐熱性、煮沸吸水率はJIS−C−648
1に準じて測定した。なお、半田耐熱性の評価におい
て、O印は、積層板試料を半田浴(260℃)に3分間
浸漬した場合に、外観に変化が生じなかったことを示
す。以下の比較例、実施例の物性も同様の方法で測定し
た。
【0054】比較例1〜2 ビスフェノールAのジシアネート化合物を硬化剤、もし
くは硬化剤とブロモ化エポキシ樹脂ESB−400と共
に表1に示す割合で配合した。この配合物を実施例1〜
6と同様の方法で樹脂単独硬化物とし、その物性を表1
に示す。
【0055】比較例3 ビスフェノールAのジシアネート化合物と硬化剤、ブロ
モ化エポキシ樹脂ESB−400を表6〜8に示す割合
(単位は重量部である)で配合し、メチルエチルケトン
溶媒に溶解して均一な樹脂ワニスとした。該ワニスを用
いて実施例7〜9と同様の方法で銅張り積層板とし、そ
の物性を実施例7〜9と同様に測定した。測定結果を表
2に示す。
【0056】実施例10〜27 合成例2〜4で得られたシアネート化合物は、使用する
に当たって一旦硬化剤であるナフテン酸亜鉛と共に14
0℃で溶融混合し、プレポリマー化を行なった。このシ
アネートプレポリマー化物と合成例5〜8で得られたポ
リマレイミド化合物、またはN,N’−ビス(4−アミ
ノフェニル)メタンビスマレイミド(ケイ・アイ化成
(株)社製)、N,N’−2,2−ビス(4−アミノフ
ェノキシフェニル)プロパンビスマレイミド(商品名、
MB8000、三菱油化(株)製)を表3〜5に示す割
合で、硬化剤と共に配合し、200℃/50Kg/cm
2 で2時間熱プレスし、硬化物を作成した。これらの物
性値を表3〜5に示す。同表中の配合割合の数値は重量
部を示す。
【0057】実施例28〜48 合成例2〜4で得られたシアネート化合物は、使用する
に当たって一旦硬化剤であるナフテン酸亜鉛と共に14
0℃で溶融混合し、プレポリマー化を行った。このシア
ネートプレポリマー化物と合成例5〜8で得られたポリ
マレイミド化合物、またはN, N’ービス(4ーアミノ
フェニル)メタンビスマレイミド(ケイ・アイ化成
(株)社製)、N, N’ー2, 2ービス(4ーアミノフ
ェノキシフェニル)プロパンビスマレイミド(商品名、
MB8000、三菱油化(株)製)を表6〜8で示す割
合で、硬化剤と共に配合し、ジメチルホルムアミドに溶
かして均一な樹脂ワニスとした。この樹脂ワニスを使用
し、実施例7〜9と同様にして銅張り積層板を作製し
た。
【0058】なお、実施例34、41、48では、難燃
性を付与するためにテトラブロモビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル(上記の商品名スミエポキシESB
−400)を樹脂組成物中のBr含有率が5重量%とな
るように加えた。得られた銅張り積層板の物性を表6〜
8に示した。同表において、配合割合の数値は重量部を
示す。ただし、ナフテン酸亜鉛および2−エチル−4−
メチルイミダゾールの数値は、シアネート化合物および
エポキシ化合物の合計量100重量部当たりの重量部
(phr)を示す。
【0059】比較例4〜6 ビスフェノールAのジシアネート化合物を用いて、表3
〜5の配合割合で配合したものを実施例10〜27と同
様にして硬化物を作成した。これらの物性値を表3〜5
に示す。
【0060】比較例7〜9 ビスフェノールAのジシアネート化合物を用いて、表6
〜8の配合割合で配合したものを使用して実施例28〜
48と同様にして銅張り積層板を作成した。その物性を
表6〜8に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【発明の効果】本発明のシアネート樹脂組成物を使って
得た銅張り積層板は従来のものに比べ低誘電性であり、
耐水性かつ耐熱性にも優れる。このため特に高速演算処
理用の多層プリント配線基板に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 久 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 柴田 充弘 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1) 【化1】 〔式中、R、Qは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以
    上7以下のシクロアルキル基、炭素数5以上7以下のシ
    クロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素
    基のいずれかを示す。またi、jはそれぞれ独立に、0
    以上4以下の整数値をとり、i、jが2以上の場合は
    R、Qはそれぞれ同一であっても異なってもよい。Mは
    下記一般式(2) 【化2】 (式中、Tは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上
    10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロア
    ルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を含
    む炭素数6以上20以下の炭化水素基のいずれかを示
    す。kは0以上10以下の整数値をとり、mは0以上8
    以下の整数値をとり、kまたはmが2以上の場合はTは
    同一でも異なってもよい。)を示す。〕で表されるシア
    ネート化合物またはそのプレポリマーと、(B)硬化剤
    とを必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化
    エポキシ化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤とを
    必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物とブロモ化エポキシ化合物をそれぞれ
    単独でもしくは混合物として硬化剤と共に溶融混合して
    得られるプレポリマーと、硬化剤とを必須成分とする熱
    硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤
    と、分子内に2個以上のN−マレイミド基を有するポリ
    マレイミド化合物またはそのプレポリマーとを必須成分
    とする熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物と分子内に2個以上のN−マレイミド
    基を有するポリマレイミド化合物またはそのプレポリマ
    ーをそれぞれ単独でもしくは混合物として硬化剤と共に
    溶融混合して得られるプレポリマーと、硬化剤とを必須
    成分とする熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    シアネート化合物またはそのプレポリマーと、硬化剤
    と、分子内に2個以上のN−マレイミド基を有するポリ
    マレイミド化合物またはそのプレポリマーと、ブロモ化
    エポキシ化合物またはそのプレポリマーとを必須成分と
    する熱硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】ポリマレイミド化合物が下記一般式(3) 【化3】 〔式中、Xは下記構造式(4)、(5)、(6)、
    (7)、(8)または(9) 【化4】 (構造式(7)中、n−Prはn−プロピル基、t−B
    uはt−ブチル基を示す。) 【化5】 で表される基である。〕で表される化合物である請求項
    4、5または6記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液を基
    材に含浸して得られるプリプレグと、銅箔とを、積層、
    加熱成形してなる銅張り積層板。
JP6022698A 1993-03-10 1994-02-21 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板 Pending JPH06316632A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6022698A JPH06316632A (ja) 1993-03-10 1994-02-21 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-49430 1993-03-10
JP4943093 1993-03-10
JP6022698A JPH06316632A (ja) 1993-03-10 1994-02-21 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06316632A true JPH06316632A (ja) 1994-11-15

Family

ID=26359964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6022698A Pending JPH06316632A (ja) 1993-03-10 1994-02-21 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06316632A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5726257A (en) Esterified resorcinol-carbonyl compound condensates and epoxy resins therewith
US4529790A (en) Epoxy resin composition
US5252687A (en) Thermosetting resin composition and use thereof for an electronic part
JP3230025B2 (ja) エピスルフィド化合物、それを含む熱硬化性樹脂組成物
EP0612783B1 (en) Cyanate resin composition and copper-clad laminate
JP3399774B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板
JPH08253582A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板
JPH06316632A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板
EP0957123A2 (en) Cyanate ester composition and cured product thereof
JPH11140275A (ja) 多官能シアン酸エステル樹脂組成物およびプリント配線板
JP3348490B2 (ja) シアネート樹脂組成物
JPH05293929A (ja) エポキシ樹脂銅張り積層板
JP3261840B2 (ja) シアネート樹脂組成物を用いた銅張り積層板
JP3442240B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板
US6037438A (en) Cyanite composition and copper-clad laminate using the composition
JP2002060593A (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物及びその用途
JP3331661B2 (ja) シアネート化合物およびその組成物
JPH10251380A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH06246871A (ja) エポキシ樹脂銅張り積層板
JP3874096B2 (ja) 熱硬化性ppeのオリゴマー体
JPH08269325A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板
JPH0873423A (ja) シアネート化合物とその組成物および銅張り積層板
JPH02182719A (ja) 積層板用エポキシ樹脂組成物
JPH1121453A (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物及びこれを用いたプリプレグ,積層板
JPH107767A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090518

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090518

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140518

Year of fee payment: 13