JPH107767A - 熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物および銅張り積層板

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JPH107767A
JPH107767A JP16720496A JP16720496A JPH107767A JP H107767 A JPH107767 A JP H107767A JP 16720496 A JP16720496 A JP 16720496A JP 16720496 A JP16720496 A JP 16720496A JP H107767 A JPH107767 A JP H107767A
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thermosetting resin
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represented
epoxy resin
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JP16720496A
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Inventor
Toshiaki Hayashi
利明 林
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低誘電性や耐熱性のみならず、吸湿後の半田耐
熱性にも優れる熱硬化性樹脂組成物およびこれらを用い
た銅張り積層板を提供すること。 【解決手段】(A)一般式(1) 【化1】 (nは0以上10以下の値をとる。R1、R2は水素原
子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上
7以下のシクロアルキル基、あるいは炭素数5以上7以
下のシクロアルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭
化水素基のいずれかを示す。iは1以上4以下の整数値
である。Rは、少なくとも1つは炭素数4以上10以下
のアルキル基あるいは炭素数5以上7以下のシクロアル
キル基である。Glyはグリシジル基を表す。)で表さ
れるエポキシ樹脂と、(B)分子内に−OCN基を2個
以上有する多官能シアン酸エステル樹脂と、(C)特定
のエポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電性や吸湿後
の半田耐熱性に優れる硬化物を与える熱硬化性樹脂組成
物およびこれらを用いた銅張り積層板に関する。本発明
の熱硬化性樹脂組成物とこれらを用いた銅張り積層板
は、特に低誘電性や吸湿後の半田耐熱性が必要とされる
プリント配線板として有用である。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられる熱硬化性樹
脂のうち、プリント配線基板である銅張り積層板の材料
としては、従来ビスフェノール型エポキシ樹脂とジシア
ンジアミドの組み合わせ、またポリイミドではビスマレ
イミドとジアミノジフェニルメタンの組み合わせが用い
られている。近年、プリント配線基板の多層化に伴い、
主に信号速度向上の目的から樹脂の低誘電率化が要求さ
れてきている。しかしながら、この要求に対して上記し
た樹脂組成物は、満足されるものではなかった。これを
解決するために、誘電特性に優れるシアン酸エステル樹
脂をビスマレイミド樹脂やエポキシ樹脂と組み合わせる
例が多数報告されている。しかしながら、シアン酸エス
テル樹脂単独では低誘電性を示すものの、ビスマレイミ
ド樹脂やエポキシ樹脂と組み合わせると、誘電率の上昇
を招いてしまい、これらの樹脂組成系でも十分には満足
されていなかった。そこで最近、シアン酸エステル樹脂
を低誘電性エポキシ樹脂と組み合わせた樹脂組成物が提
案されている(特開平06- 256470)。この樹脂組成物
は、低誘電性のみならず耐熱性にも優れており、プリン
ト配線板用の樹脂として適している。しかしながら、プ
リント配線板用材料に求められる要求水準はますます厳
しくなっており、特に吸湿後の半田耐熱性が、以前より
一層求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低誘
電性や耐熱性のみならず、吸湿後の半田耐熱性にも優れ
る熱硬化性樹脂組成物およびこれらを用いた銅張り積層
板を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エポキシ
樹脂とシアン酸エステル樹脂の組合わせについて鋭意研
究を続けた結果、低誘電性の骨格構造を持つエポキシ樹
脂と特定のノボラックタイプのエポキシ樹脂を多官能シ
アン酸エステル樹脂と組み合わせた熱硬化性樹脂組成物
が前記目的を満足することを見出し、本発明を完成させ
るに至った。すなわち、本発明は、次のとおりである。 〔1〕(A)一般式(1)
【0005】
【化5】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
値をとる。R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数
1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシ
クロアルキル基、あるいは炭素数5以上7以下のシクロ
アルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素基の
いずれかを示す。iは1以上4以下の整数値であり、i
が2以上の場合、Rはそれぞれ同一であっても異なって
いてもよい。Rは、少なくとも1つは炭素数4以上10
以下のアルキル基あるいは炭素数5以上7以下のシクロ
アルキル基であり、iが2以上の場合、その他の置換基
は炭素数1以上10以下のアルキル基あるいは炭素数5
以上7以下のシクロアルキル基である。Glyはグリシ
ジル基を表す。)で表されるエポキシ樹脂と、(B)分子
内に−OCN基を2個以上有する多官能シアン酸エステ
ル樹脂と、(C)下記一般式(2)
【0006】
【化6】 (式中、kは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
値をとる。mは1以上4以下の整数を表わし、お互いに
異なってもよい。また、R3 は水素原子または炭素数1
以上3以下のアルキル基を表わし、同一または異なる芳
香核上の複数のR3はお互いに異なってもよい。)で表
わされるエポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂組
成物。 〔2〕(A)成分が一般式(1)で表わされるエポキシ
樹脂とテトラブロモビスフェノールAとを予め反応させ
て得られるエポキシ樹脂である〔1〕に記載の熱硬化性
樹脂組成物。 〔3〕(A)成分が一般式(1)で表わされるエポキシ
樹脂とテトラブロモビスフェノールAとテトラブロモビ
スフェノールAのグリシジルエーテルとを予め反応させ
て得られるエポキシ樹脂である〔1〕に記載の熱硬化性
樹脂組成物。 〔4〕上記〔1〕、〔2〕または〔3〕に記載の熱硬化
性樹脂組成物と、硬化触媒とを必須成分とする熱硬化性
樹脂組成物。 〔5〕一般式(1)において、R1、R2 が共に水素原
子である〔1〕、〔2〕、〔3〕または〔4〕に記載の
熱硬化性樹脂組成物。 〔6〕(B)成分が、下記構造式(3)
【0007】
【化7】 で表わされるシアン酸エステル樹脂またはそのプレポリ
マーである〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または
〔5〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。 〔7〕(B)成分が、下記構造式(4)
【0008】
【化8】 (式中、t−Buはt−ブチル基を、n−Prはn−プ
ロピル基を表わす。)で表わされるシアン酸エステル樹
脂またはそのプレポリマーである〔1〕、〔2〕、
〔3〕、〔4〕または〔5〕に記載の熱硬化性樹脂組成
物。 〔8〕上記の〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、
〔5〕、〔6〕または〔7〕に記載の熱硬化性樹脂組成
物を用いて得られるプリプレグと銅箔とを加熱成形して
なる銅張り積層板。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される(A)成分の一般式(1)で表され
るエポキシ樹脂の一般的な合成法としては、一般式
(5)
【0010】
【化9】 (式中、n、R1、R2、R、iは、前記一般式(1)の
場合と同様に定義される)。で表される多価フェノール
化合物とエピハロヒドリンとの塩基による脱ハロゲン化
水素反応といった公知の方法で合成することができる。
【0011】上記一般式(5)で表される多価フェノー
ル化合物の一般的な製法としては、フェノール類とカル
ボニル化合物とを酸触媒存在下で反応させる方法が例示
されるが、この限りではない。
【0012】この場合のフェノール類としては、少なく
とも1つは炭素数4以上10以下のアルキル基あるいは
炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を含むフェノー
ル性水酸基を1個有する化合物が使用できる。使用しう
るフェノール類を例示すると、n-ブチルフェノール、
イソブチルフェノール、t-ブチルフェノール、アミル
フェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、
t-ブチルメチルフェノール、2−t−ブチル−5−メ
チルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ジ(t−ブチル)フェノール、2,4−ジ
(t−アミル)フェノール、2−シクロヘキシルフェノ
ール、2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール等を
例示できる。
【0013】これらのフェノ−ル類の中でも低誘電率化
のために好ましいものとして、2−t−ブチル−5−メ
チルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ジ(t−ブチル)フェノール、2,4−ジ
(t−アミル)フェノール、2−シクロヘキシル−5−
メチルフェノール等を例示することができる。
【0014】カルボニル化合物について例示するとケト
ン類、アルデヒド類が挙げられる。ケトン類としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、シクロペンチルメチルケトン、シ
クロヘキシルメチルケトン、メチルシクロヘキシルメチ
ルケトン等が例示できる。またアルデヒド類としては、
アルデヒド基を1つ有する化合物が使用できる。例示す
るとホルムアルデヒド;アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド等
に代表されるアルキルアルデヒド;シクロペンタンカル
バルデヒド、シクロヘキサンカルバルデヒド、メチルシ
クロヘキサンカルバルデヒド、シクロヘキシルアセトア
ルデヒド、シクロヘプタンカルバルデヒド等に代表され
るシクロアルキルアルデヒドが挙げられる。また、上記
ケトン類およびアルデヒド類の代わりに、上記ケトン類
およびアルデヒド類のアセタールを用いることも可能で
ある。
【0015】また前記一般式(1)において、平均繰り
返し数nは0以上10以下の任意の値をとりうるが、エ
ポキシ樹脂の操作性や硬化反応速度を損なわないため
に、nは0以上5以下であることが好ましい。
【0016】本発明で使用される(A)成分である一般
式(1)で表されるエポキシ化合物とテトラブロモビス
フェノールA、またはこれらとテトラブロモビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテルとの反応は公知の方法で
行うことが出来る。例えば、上記の成分をトリフェニル
フォスフィンまたはイミダゾール等の塩基性触媒の存在
下で反応させることができる。反応させることにより、
架橋点間距離の変化によるガラス転移温度の制御や含ハ
ロゲン化合物を用いた難燃性付与を、硬化時の低分子量
物の揮散なしに行うことができる。またこ場合Br含量
が20〜30%となるように配合比を決定するのが望ま
しい。本発明で使用される(B)成分である多官能シア
ン酸エステル樹脂は、下記一般式(6)
【0017】
【化10】 [式中、q は2以上の整数を表わす。Arは、芳香環
を含む有機基であり、上記−OH基は、芳香環に結合し
ている。]で表わされる多価フェノール類と、クロロシ
アン、ブロモシアンに代表されるハロゲン化シアンとを
適当な有機溶媒中、塩基存在下で脱ハロゲン化水素反応
させることによって得ることができる。ここで用いられ
る多価フェノール類は、公知のいかなる方法で得られた
ものでも用いることができる。多価フェノール類として
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(5−t−ブチル−2−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)ブタンが特に好ましい。
【0018】本発明で用いられる多官能シアン酸エステ
ル樹脂は、モノマーで用いてもよいし、プレポリマーと
して用いてもよい。プレポリマーは、多官能シアン酸エ
ステル樹脂を単独または2種類以上の混合物として、溶
媒またはバルク中で50〜200℃程度に加熱すること
によって、もしくは後述の硬化触媒と共に溶媒またはバ
ルク中で50から200℃程度に加熱することによって
得ることができる。本発明で使用される(C)成分の一
般式(2)で表されるエポキシ樹脂は、公知のいかなる
方法で得られたものでも用いることができる。一般式
(2)で表されるエポキシ樹脂の合成は、一般式(1)
のエポキシ樹脂の場合に準じて行われる。その場合の多
価フェノール化合物の合成原料としてホルムアルデヒド
とともに用いられるフェノール類としては、例えば、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
【0019】本発明において、エポキシ樹脂成分と多官
能シアン酸エステル樹脂成分の混合割合は任意の割合を
とりえるが、硬化特性を考慮すると好ましくは重量比で
1/1程度の混合割合がよい。エポキシ樹脂の(A)成
分と(C)成分との割合は、任意の値をとりえるが、エ
ポキシ樹脂中(C)成分は50重量%以下が好ましい。
(C)成分の割合がこれより多いと、(A)成分による
低誘電性の効果が薄らぐ。また樹脂組成物に難燃性を付
与する場合は、組成物中に一般式(1)で表わされるエ
ポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAを予め反応
させて得られるエポキシ樹脂、もしくは一般式(1)で
表わされるエポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノール
AとテトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテ
ルを予め反応させて得られるエポキシ樹脂を、難燃性の
指針であるUL規格V−0が達成できる程度まで加え
る。必要以上に加えると、本発明の効果が薄らいでしま
う。
【0020】本発明の樹脂組成物の硬化触媒としては、
公知のものを用いることが可能である。例示すれば、塩
酸、燐酸に代表されるプロトン酸;塩化アルミニウム、
3フッ化ホウ素錯体、塩化亜鉛に代表されるルイス酸;
フェノール、ピロカテコール、ジヒドロキシナフタレン
に代表される芳香族ヒドロキシ化合物;ナフテン酸亜
鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸すず、オクチル酸
コバルト等といった有機金属塩;銅アセチルアセトナー
ト、アルミニウムアセチルアセトナート等といった有機
金属錯体;トリエチルアミン、トリブチルアミン、キノ
リン、イソキノリンなどといった第三級アミン類;塩化
テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニ
ウムに代表される四級アンモニウム塩;イミダゾール
類;水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ジアザ
ビシクロ[2,2,2]オクタン、トリフェニルホスフ
ィン、またはこれらの混合物などが挙げられる。これら
の硬化触媒の中でも本目的達成のためにより好ましく
は、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸
すずなどの有機金属塩、銅アセチルアセトナートなどの
有機金属錯体、イミダゾール類、フェノール類またはこ
れらの混合系が挙げられる。本発明の樹脂組成物中に
は、プレポリマー化に使用した硬化触媒以外に、上記し
た硬化触媒をさらに添加し、使用することが可能であ
る。硬化触媒の使用割合は任意の値をとりえるが、例え
ば、プリント配線板用の樹脂組成物の場合は、通常、B
ステージ化する際に、樹脂組成物のゲルタイムが3〜3
0分になるように配合される。
【0021】なお、本発明の樹脂組成物には目的を損な
わない範囲で、他の熱硬化性樹脂を併用することができ
る。例示すれば、ビスフェノールAおよびビスフェノー
ルFのジグリシジルエーテルに代表されるエポキシ樹
脂;ビスマレイミド類またはビスマレイミド類とジアミ
ン化合物との付加重合物;ビスフェノールAのビスビニ
ルベンジルエーテル化物、ジアミノジフェニルメタンの
ビニルベンジル化物に代表されるアルケニルアリールエ
ーテルまたはアミン樹脂;ビスフェノールAのジプロパ
ルギルエーテル、ジアミノジフェニルメタンのプロパル
ギル化物に代表されるアルキニルエーテルまたはアミン
樹脂;その他、フェノール樹脂、レゾール樹脂、アリル
エーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニル基
含有ポリオレフィン化合物等が挙げられるが、これらに
限定されない。熱可塑性樹脂も添加することが可能であ
り、例示すればポリフェニレンエーテル、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリ
カーボネートおよびそれらの変性物が挙げられるがこれ
らに限定されない。これらの樹脂は本発明の樹脂組成物
中に混合されていても良いし、予め反応させておいて用
いることもできる。
【0022】本発明では、使途により組成物中に無機系
難燃剤、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の添加剤
を加えても良い。無機系難燃剤としては、三酸化アンチ
モン、水酸化アルミニウム、赤リン等を、離型剤として
はワックス類、ステアリン酸亜鉛等を、表面処理剤とし
てはシランカップリング剤を挙げることができる。充填
剤としてはシリカ、アルミナ、タルク、クレー等を挙げ
ることができる。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用した銅
張り積層板は、低誘電性、耐熱性そして吸湿後の半田耐
熱性が必要とされるプリント配線基板に用いられる。本
発明の銅張り積層板の製造は、いかなる方法を用いても
行うことができる。一般的な製法としては、熱硬化性樹
脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液である樹脂ワニスを
基材に含浸させ、熱処理してプリプレグとした後に、プ
リプレグと銅箔とを積層、加熱成形して銅張り積層板と
する方法であるが、これに限定されるものではない。
【0024】使用される有機溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルジメチルエーテル、トルエン、キシレン、1,4-ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムア
ミド等の単独または二種以上の混合物があげられる。樹
脂ワニスを含浸させる基材としては、ガラス繊維、アル
ミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機
または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙ある
いはこれらの組み合わせがあげられる。
【0025】プリプレグの熱処理条件は、使用する溶
媒、添加触媒、その他の各種添加剤の種類や使用量に応
じて適宜選択されるが、通常100℃〜200℃の温度
で3分〜30分の条件で行われる。プリプレグと銅箔と
の積層、加熱成形方法としては、150℃〜300℃の
温度で、10kg/cm2 〜100kg/cm2 の成形
圧で、20分〜300分の時間で熱プレス成形する方法
が例示される。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。OH当量は、OH基1個あたりのOH化合物
の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明で用いられるエポキシ樹脂の原料と
なる多価フェノール化合物の製法に関するものである。
2−t−ブチル−5−メチルフェノール2231.0g
(13.6mol)、p−トルエンスルホン酸12.9
g(0.07mol)、イオン交換水223gを温度
計、攪拌装置、コンデンサーを付けた5リットル4つ口
丸底フラスコに仕込み、100℃に昇温する。37%ホ
ルムアルデヒド溶液218.4g(2.69mol)を
滴下管を用いて2時間かけて滴下した後、100℃で2
時間保温してノボラック化反応を行った。その後80℃
まで冷却し、10%苛性ソーダ水溶液27.7g(0.
07mol)で中和した。分液後の有機層を700gの
イオン交換水で2回洗浄した。洗浄後の有機層を減圧濃
縮(180℃/10mmHg/1時間)して樹脂状物8
57.2gを得た。得られた樹脂状物のOH当量は17
6.0 g/eqであった。またこの多価フェノール化
合物の繰り返し単位数(前記一般式(1)中のn)は、
平均1.25であった。
【0027】合成例2 本合成例は、合成例1で得た多価フェノール化合物とエ
ピクロロヒドリンとの反応によるエポキシ樹脂の製法例
に関するものである。合成例4の多価フェノール化合物
246.4g(1.4当量)、エピクロロヒドリン90
6.5g(9.8mol)、ジメチルスルホキシド45
3g、イオン交換水14gを、温度計、攪拌装置、分離
管付きコンデンサーを付けた2リットル4つ口丸底フラ
スコに仕込み、49℃、42torrの条件下で48.
6%苛性ソーダ水溶液108.3g(1.32mol)
を5時間かけて滴下した。この間、温度は49℃に保ち
ながら、共沸するエピクロロヒドリンと水を冷却液化
し、有機層を反応系内に戻しながら反応させた。 反応
終了後、未反応のエピクロロヒドリンを減圧濃縮により
除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含むエポキシ
樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解させ、副生塩とジ
メチルスルホキシドを温水洗浄により除去した。減圧下
で溶媒を除くことによりにより、エポキシ樹脂304.
9gを得た。この後さらに同様の操作をもう一度繰り返
すことにより、計615.3gのエポキシ樹脂を得た。
このようにして得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は
256g/eqであった。赤外吸収スペクトル測定の結
果、フェノール性OHの吸収3200〜3600cm−
1は消失し、エポキシドの吸収1240、910cm−
1の吸収を有することが確認された。
【0028】合成例3 本合成例は、合成例2で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよび
テトラブロモビスフェノールAとの付加反応により、ブ
ロモ含量が27%の末端エポキシ樹脂を得る方法に関す
るものである。合成例2で得られたエポキシ樹脂47.
4g 、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジル
エーテル(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキシ
ESB−400、エポキシ当量403g/eq)42.
7g、テトラブロモビスフェノールA9.9gを、温度
計、冷却管および攪拌装置を付けた300ml4つ口丸
底フラスコに仕込み、110℃で加熱溶融させた。その
後、トリフェニルホスフィン40mg (対樹脂 4×
10−4wt%)をメチルエチルケトン2.3gに溶解
した液を加え、110℃で4時間保持しエポキシ基とフ
ェノール性水酸基の付加反応を行った。反応後、系内を
90℃まで冷却しメチルエチルケトン22.8gを滴下
しながら加えて樹脂固形分80.6wt%の樹脂溶液1
23.9gを得た。この後さらに同様の操作を3度繰り
返すことにより、計485.2gの樹脂溶液を得た。得
られた樹脂付加物のエポキシ当量は、399.0 g/
eq.であった。
【0029】合成例4 本合成例は、本発明で用いられるシアン酸エステル樹
脂、1,1−ビス(5−t−ブチル−2−メチル−4−
シアナートフェニル)ブタンの製法に関するものであ
る。1,1−ビス(5−t−ブチル−2−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン(住友化学工業(株)製、
商品名スミライザーBBM−S)428.0g(1.1
2mol)とトリエチルアミン316.8g(3.12
mol)を、メチルイソブチルケトン2400gに溶解
し、0℃に冷却した。反応溶液を撹拌しながらクロルシ
アン192.0g(3.12mol)を、反応温度が3
℃以上にならないように注意しながら4時間かけて滴下
し、滴下終了後さらに120分間撹拌した。反応終了
後、水1200mlで3回水洗し、トリエチルアミン塩
酸塩を取り除いた。メチルイソブチルケトンを留去し、
さらにメタノール800gを加え結晶化させ、析出物を
濾過し、冷メタノールで洗浄、乾燥する事により目的物
である1,1-ビス(5−t−ブチル−2−メチル−4
−シアナートフェニル)ブタンを白色結晶として460
g(収率95%)得た。
【0030】実施例1〜4 本実施例は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた硬化
物の作製例に関するものである。表1中に記載の配合割
合で配合した熱硬化性樹脂組成物を溶融混合し、170
℃で予備硬化を行った。予備硬化後の半硬化生成物を1
75℃/50kg/cm2の条件下で2時間熱プレスし、
目的の硬化物を得た。得られた硬化物の樹脂単独硬化物
物性を表1に示す。
【0031】実施例5〜8 本実施例は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた銅張
り積層板の作製例に関するものである。表2中に記載の
配合割合で配合した熱硬化性樹脂組成物を溶融混合し、
100℃で10分間プレポリマーを行った。このプレポ
リマーをMEKに溶解して樹脂含有率60%の均一な樹
脂ワニスとした。該ワニスをガラスクロス(商品名KS
−1600S962LP、鐘紡(株)製)に含浸し、1
60℃の熱風乾燥器で6分処理してプリプレグを得た。
プリプレグ5枚と銅箔(TSTO処理、35μm厚さ、
古河サーキットホイル(株)製)を重ね合わせ、175
℃で2時間熱プレスを行ない、1mm厚さの銅張り積層
板を得た。得られた銅張り積層板の物性を表2に示す。
【0032】比較例1〜3 表1中に記載した樹脂組成物を使用し、実施例1と同様
の方法で硬化物を作製した。得られた硬化物の樹脂単独
硬化物物性を表1に示す。
【0033】比較例 4〜6 表2中に記載した樹脂組成物を使用し、実施例2と同様
の方法で銅張り積層板を作製した。得られた積層板の物
性を表2に示す。
【0034】なお、表1および表2において、物性は次
の方法で測定した。 ・ガラス転移温度:(株)島津製作所製熱機械分析装置
DT−30を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた。 ・誘電率、誘電正接:(株)日本ヒューレットパッカー
ド社製インピーダンスアナライザー4291Aを用いて
測定した。 ・吸湿後の半田耐熱性:サンプルをPCT(121℃/
100%)で所定時間吸湿させた後、260℃の半田浴
中に30秒間浸漬させ、層間剥離が発生するまでの時間
を目視で観察した。 ・吸水率:サンプルを煮沸水中に48時間浸漬させた
後、その重量変化から算出した。 ・銅箔剥離強度は、JIS−C−6481に準じて測定
した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物およびこれ
を使用した銅張り積層板は、低誘電性や耐熱性のみなら
ず、吸湿後の半田耐熱性にも優れている。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
    値をとる。R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数
    1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシ
    クロアルキル基、あるいは炭素数5以上7以下のシクロ
    アルキル基を含む炭素数6以上20以下の炭化水素基の
    いずれかを示す。iは1以上4以下の整数値であり、i
    が2以上の場合、Rはそれぞれ同一であっても異なって
    いてもよい。Rは、少なくとも1つは炭素数4以上10
    以下のアルキル基あるいは炭素数5以上7以下のシクロ
    アルキル基であり、iが2以上の場合、その他の置換基
    は炭素数1以上10以下のアルキル基あるいは炭素数5
    以上7以下のシクロアルキル基である。Glyはグリシ
    ジル基を表す。)で表されるエポキシ樹脂と、(B)分子
    内に−OCN基を2個以上有する多官能シアン酸エステ
    ル樹脂と、(C)下記一般式(2) 【化2】 (式中、kは平均繰り返し数を表し、0以上10以下の
    値をとる。mは1以上4以下の整数を表わし、お互いに
    異なってもよい。また、R3 は水素原子または炭素数1
    以上3以下のアルキル基を表わし、同一または異なる芳
    香核上の複数のR3はお互いに異なってもよい。)で表
    わされるエポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】(A)成分が一般式(1)で表わされるエ
    ポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAとを予め反
    応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1に記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分が一般式(1)で表わされるエ
    ポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAとテトラブ
    ロモビスフェノールAのグリシジルエーテルとを予め反
    応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1に記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載の熱硬化性樹
    脂組成物と、硬化触媒とを必須成分とする熱硬化性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】一般式(1)において、R1、R2が共に水
    素原子である請求項1、2、3または4に記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B)成分の多官能シアン酸エステル樹脂
    が、下記構造式(3) 【化3】 で表わされるシアン酸エステル樹脂またはそのプレポリ
    マーである、請求項1、2、3、4または5に記載の熱
    硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(B)成分の多官能シアン酸エステル樹脂
    が、下記構造式(4) 【化4】 (式中、t−Buはt−ブチル基を、n−Prはn−プ
    ロピル基を表わす。)で表わされるシアン酸エステル樹
    脂またはそのプレポリマーである、請求項1、2、3、
    4または5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6または7に
    記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて得られるプリプレグ
    と銅箔とを加熱成形してなる銅張り積層板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4676027A (en) * 1984-12-11 1987-06-30 Roto-Finish Company, Inc. Vibratory finishing chamber
JP2001131309A (ja) * 1999-11-04 2001-05-15 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高比誘電率bステージシート及びそれを用いたプリント配線板
KR101019738B1 (ko) * 2006-02-24 2011-03-08 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 수지 조성물, 프리프레그 및 금속-호일-클래드 라미네이트

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