JP2003238655A - 積層板用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物

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JP2003238655A JP2002038432A JP2002038432A JP2003238655A JP 2003238655 A JP2003238655 A JP 2003238655A JP 2002038432 A JP2002038432 A JP 2002038432A JP 2002038432 A JP2002038432 A JP 2002038432A JP 2003238655 A JP2003238655 A JP 2003238655A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プリント配線板材料において、誘電特性に優
れ、さらに成形性、耐熱性等にも優れた熱硬化性樹脂組
成物及びこれを用いた積層板、プリント配線板を提供す
ること。 【構成】数平均分子量が700〜3,000の両末端にエポキシ
基を有する構造式(1)で示されるポリフェニレンエー
テルオリゴマーのエポキシ体、及び硬化剤を含有するこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた積
層板、プリント配線板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエポキシ樹脂を
用いた組成物、およびそれを用いた銅張積層板に関す
る。得られた組成物は低誘電特性であり、成形性に優
れ、吸湿後のハンダ耐熱性等の高い信頼性が要求される
プリント配線板に有用な熱硬化性樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】近年、通信やコンピューター等の進歩に
伴い高周波化が進んでおり、信号伝達速度の向上を目的
として、プリント配線板に対して低誘電特性化が要求さ
れている。この要求に対応するために、誘電特性に優れ
たふっ素樹脂や通常ポリフェニレンエールなどの、熱可
塑樹脂が用いられているが、作業性、成形性、耐熱性等
に問題がある。ワニスにするときの溶剤が限定されるこ
と、溶融粘度が高く高多層化できず、成型時に高温、高
圧が必要であることなどである。
【0003】一方、熱硬化樹脂としてはポリフェニレン
エ−テル変性エポキシ樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエ
−テルなどがあげられるが、これまでのものでは上記の
熱可塑性樹脂と同様の問題が残っていた。また、誘電特
性、成形性の良好な熱硬化性樹脂としてシアネートエス
テル樹脂が知られているが、シアネートエステル樹脂単
独では硬化物が硬すぎて脆く、接着性、耐半田性に問題
がある。そこで、エポキシ樹脂と併用することでこれら
の欠点をカバーできるが、これまでのエポキシ樹脂との
併用では、さらに厳しくなる積層板の低誘電特性化の要
求に対応することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ント配線板材料において、ますます厳しくなる要求性能
の中で誘電特性に優れ、さらに成形性、耐熱性等にも優
れた熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた積層板、プ
リント配線板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、誘電特性、成
形性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物と目指し、エ
ポキシ樹脂について鋭意検討した結果、両末端にエポキ
シ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエー
テルオリゴマーのエポキシ体を、積層板用エポキシ樹脂
組成物の構成材料として使用することで、上記目的を満
たすことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の請求項1に係わる積層板用
エポキシ樹脂組成物は、構成材料として数平均分子量が
700〜3,000の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で
表されるポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ
体、及び硬化剤を含有することを特徴とする。
【化3】
【0007】(式(1)中、-(O-X-O)-は、構造式(2)で表
され、R1、R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよ
く、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基また
はフェニル基を示す。R4、R5、R6は、同一または異なっ
てもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下
のアルキル基またはフェニル基を示す。-(Y-O)-は、構
造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で
定義される2種類以上の構造がランダムに配列したもの
である。R9、R10は、同一または異なってもよく、ハロ
ゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニ
ル基を示す。R11、R12は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基を示す。Zは、炭素数1以上の有機基
であり、酸素原子を含むこともある。a、bは、少なくと
もいずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。c、dは、
少なくともいずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。
iは、それぞれ独立に0または1の整数を示す。jは、0〜6
の整数を示す。)
【0008】本発明の請求項2に係わる積層板用エポキ
シ樹脂組成物は、構成材料として、数平均分子量が700
〜3,000の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表さ
れるポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、
及びシアネートエステル樹脂を含有することを特徴とす
る。
【0009】本発明の請求項3に係わる積層板用エポキ
シ樹脂組成物は、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂
組成物において、構造式(1)で表される両末端にエポキ
シ基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマー体の-
(O-X-O)-で表される構造式(2)の少なくともR1、R2
R3、R7、R8がメチル基であり、あるいは、さらにR4
R5、R6のうち1つ以上がメチル基であり、-(Y-O)-が構造
式(4)、あるいは構造式(5)、あるいは構造式(4)と構造
式(5)がランダムに配列した構造を有することを特徴と
する。
【化4】
【0010】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物は、
両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表されるポリ
フェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び硬化
剤を含有する。
【0011】上記エポキシ樹脂組成物は、両末端にエポ
キシ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエ
ーテルオリゴマーのエポキシ体を含有することで、低誘
電率で可撓性に優れ、且つ樹脂組成物の溶融粘度を小さ
くすることができる。上記樹脂組成物の溶融粘度が小さ
いと、積層成形の際に樹脂の埋め込み性がよく、ボイド
の発生が無く成形性が良好となる。
【0012】本発明に特徴的に用いられる両末端にエポ
キシ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエ
ーテルオリゴマーのエポキシ体(以下、2官能OPE-2Epと
記す)について説明する。
【0013】上述の2官能OPE-2Epは、2価のフェノール
と1価のフェノールとを酸化共重合して得られる構造式
(6)で表されるポリフェニレンエーテルオリゴマー体(以
下、2官能OPEと記す)を、エピクロロヒドリン等のハロ
ゲン化グリシジルと塩基の存在下で脱ハロゲン化水素反
応させることにより得られる。
【化5】
【0014】構造式(6)で表される2官能OPEとは、-(O-X
-O)-が構造式(2)で表され、-(Y-O)-が構造式(3)で定義
される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種
類以上の構造がランダムに配列したものである。式中、
R1、R2、R3、R7、R8、R9、R10は、同一または異なって
もよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基
またはフェニル基である。R4、R5、R6、R11、R12は、同
一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子また
は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。
a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜20の整数
を示す。好ましくは、-(O-X-O)-がR1、R2、R3、R6
R7、R8がメチル基であり、更にR4、R5が水素原子であ
り、-(Y-O)-が構造式(4)、あるいは構造式(5)、あるい
は構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列した構造を有
することが望ましい。
【0015】上述の構造式(6)で表される2官能OPEは、
構造式(7)で表される2価のフェノールと、構造式(8)で
定義される1価のフェノールの単独または混合物を、ト
ルエン−アルコールあるいはケトン溶媒中で酸化重合す
ることで効率的に製造することができる。
【化6】
【0016】ここで、構造式(7)の2価のフェノールと
は、R1、R2、R3、R7、R8は同一または異なってもよく、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。R4、R5、R6は、同一または異なっても
よく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のア
ルキル基またはフェニル基であり、R1、R2、R3、R7、R8
が水素原子でないことが必須の2価のフェノールであ
り、2,3,3',5,5'-ペンタメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,
4'-ジオール、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-(1,1'-
ビフェニル)-4,4'-ジオールなどが好ましい。
【0017】次に、構造式(8)の1価のフェノールとは、
R9、R10は同一または異なってもよく、ハロゲン原子ま
たは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であ
る。R11、R12は同一または異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。特に、2,6位に置換基を有するもの単
独、またはこれと3位あるいは3,5位に置換基を有するも
のが併用されることが好ましい。さらに好ましくは、単
独では2,6-ジメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェ
ノールがよく、併用では2,6-ジメチルフェノールと2,3,
6-トリメチルフェノールがよい。
【0018】酸化の方法については直接酸素ガス、ある
いは空気を使用する方法がある。また、電極酸化の方法
もある。いずれの方法でも良く、特に限定されない。安
全性および設備投資が安価であることから空気酸化が好
ましい。
【0019】酸素ガス、あるいは空気を用いて酸化重合
をする場合の触媒としては、CuCl、CuBr、Cu2SO4、CuCl
2、CuBr2、CuSO4、CuI等の銅塩等の一種または二種以上
が用いられ、上記触媒に加えて、モノ及びジメチルアミ
ン、モノ及びジエチルアミン、モノ及びジプロピルアミ
ン、モノ-及びジ-n-ブチルアミン、モノ-及びジ-sec-ジ
プロピルアミン、モノ及びジベンジルアミン、モノ及び
ジシクロヘキシルアミン、モノ及びジエタノールアミ
ン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチ
ルジメチルアミン、アリルエチルアミン、メチルシクロ
ヘキシルアミン、モルホリン、メチル-n-ブチルアミ
ン、エチルイソプロピルアミン、ベンジルメチルアミ
ン、オクチルベンジルアミン、オクチルクロロベンジル
アミン、メチル(フェニルエチル)アミン、ベンジルエ
チルアミン、N-n-ブチルジメチルアミン、N,N'-ジ-tert
-ブチルエチレンジアミン、ジ(クロロフェニルエチ
ル)アミン、1-メチルアミノ-4-ペンテン、ピリジン、
メチルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ピペリジ
ン等を一種または二種以上のアミンが併用される。銅塩
及びアミンであれば、特にこれらに限定されるものでは
ない。
【0020】反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライ
ド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶剤等に加えて、アルコール系溶剤あるいはケトン系
溶剤などと併用することができる。アルコール系溶剤と
しては、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパ
ノール、メチルプロピレンジグリコール、ジエチレング
リコールエチルエーテル、ブチルプロピレングリコー
ル、プロピルプロピレングリコール等が挙げられ、ケト
ン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等が挙げられ、その他にはテトラヒドロフラン、
ジオキサン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0021】反応温度については、特には限定されない
が、25〜50℃が好ましい。酸化重合が発熱反応のため、
50℃以上では温度制御が困難で分子量制御が困難とな
る。25℃以下では反応速度が極端に遅くなるために、効
率的な製造ができなくなる。
【0022】上述の2官能OPE-2Epは、構造式(1)で表さ
れる。すなわち、-(O-X-O)-は構造式(2)で表され、R1
R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよく、ハロゲ
ン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル
基である。R4、R5、R6は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で示さ
れ、R9、R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン
原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基
である。R11、R12は、同一または異なってもよく、水素
原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基ま
たはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義され
る1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以
上の構造がランダムに配列したものである。Zは、炭素
数1以上の有機基であり、酸素原子を含むこともある。
a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜20の整
数を示す。c,dは、少なくともいずれか一方が0でない、
0〜20の整数を示す。iは、それぞれ独立に0または1の整
数を示す。jは、0から6の整数を示す。
【0023】Z部には、炭素数1以上で酸素原子を含んで
もよい有機基をおくことができる。例示すると、-(-CH2
-)-、-(CH2-CH2-)-、-(-CH2-Ar-O-)-などであるが、こ
れらに限定されることはない。付加する方法は、構造式
(6)で示される2官能OPEに直接付加する方法や、誘導体
合成時に炭素鎖の長いハロゲン化物を使用する方法があ
るが、これらに限定されることはない。
【0024】以下に、便宜上、最も単純構造である構造
式(6)で示される2官能OPEからの誘導体について説明す
る。2官能OPE-2Epを製造するには、上述の構造式(6)で
表される2官能OPEを用いるが、反応液から分離した粉末
または反応液に溶解した形のどちらでも用いることがで
きる。
【0025】本発明の2官能OPE-2Epの製造方法について
例示する。上述の構造式(6)で表される両末端にフェノ
ール性水酸基を有する化合物をエピクロロヒドリン等の
ハロゲン化グリシジルと、塩基の存在下で、脱ハロゲン
化水素反応させて合成することができる。
【0026】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、これ
らに限定されるものではない。
【0027】反応温度は、-10℃と110℃の間で行うこと
が好ましい。
【0028】上述の如くして得られる2官能OPE-2Epの数
平均分子量は700〜3,000の範囲に制限される。上記数平
均分子量が3,000を超えると樹脂組成物の溶融粘度が増
大し、数平均分子量が700未満であると機械的強度や耐
熱性が低下する。上記の2官能OPE-2Epは、溶融粘度が低
く流動性が良好で、他の樹脂との相溶性に優れ、また両
末端にエポキシ基を有するため樹脂組成物の接着性が良
好である。その結果吸湿後、半田等高温に曝された際
に、ふくれの発生を防ぐことができる。さらに、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂は低誘電特性を有する材料である
ため、低誘電特性の積層板が提供できる。
【0029】本発明の積層用エポキシ樹脂組成物の構成
材料である硬化剤としては通常使用される第一級、第二
級アミン等のアミン系、ビスフェノールA、フェノ−ル
ノボラック等のフェノール系、酸無水物系、シアネート
エステル系などを挙げることができる。これらは、単独
あるいは複合して使用できる。
【0030】本発明の2官能OPE-2Ep組成物は、目的、用
途に応じて種々の樹脂と組み合わせて使用することがで
きる。具体的に例示すると、各種エポキシ樹脂類;変性
されたエポキシ樹脂類;オキセタン樹脂類;(メタ)ア
クリル酸エステル類;ジアリルベンゼン、ジアリルテレ
フタレートなどのポリアリル化合物類;N−ビニル−2
−ピロリドン、ジビニルベンゼンなどのビニル化合物
類;不飽和ポリエステルなどの重合性二重結合含有モノ
マー類;多官能性マレイミド類;ポリイミド類;ポリブ
タジエン等のゴム類;ポリエチレン、ポリスチレン等の
熱過疎性樹脂類;ABS樹脂、ポリカーボネート等のエ
ンプラ類、シアネートエステル樹脂等が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0031】また、樹脂組成物には、公知の無機或いは
有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、カ
ップリング剤、光増感剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの
各種添加剤を所望により添加することができる。
【0032】本発明に使用するエポキシ樹脂としては、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノール
F型エポキシ、ビスフェノールZ型エポキシ、ビフェノ
ール・エポキシ、テトラメチルビフェノール・エポキ
シ、ヘキサメチルビフェノール・エポキシ、キシレンノ
ボラック・エポキ、ビフェニルノボラック・エポキシ、
ジシクロペンタジエンノボラック・エポキシ、フェノー
ルノボラック・エポキシ、クレゾールノボラック・エポ
キシ、あるいはこれらの臭素化された難燃性エポキシ樹
脂などが挙げられ、これらを単独または適宜2種類以上
配合してなる組成物、または反応物などが挙げられる。
【0033】本発明で使用されるシアネートエステル化
合物としては例えば、1,3-または1,4-ジシアネートベン
ゼン、1,3,5-トリシアネートベンゼン、1,3-、1,4-、1,
6-、1,8-、2,6-または2,7-ジシアネートナフタレン、1,
3、6-トリシアネートナフタレン、4,4'-ジシアネートビ
フェニル、ビス(4-シアネートフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアネートフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,
5-ジブロモ-4-シアネートフェニル)プロパン、ビス(4
-シアネートフェニル)エーテル、ビス(4-シアネート
フェニル)チオエーテル、ビス(4-シアネートフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアネートフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(4-シアネートフェニル)ホスフェー
ト、4,4’−ジシアナト−3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニルまたは4,4’−ジシアナト−2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニルお
よびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得ら
れるシアネート類である。
【0034】本発明の組成物は、それ自体を加熱するこ
とにより硬化させることも可能であるが、硬化速度を速
くして作業性、経済性などを改善する目的で熱硬化触媒
を添加することができる。熱硬化触媒は、組み合わせる
樹脂用の熱硬化触媒として一般に公知のものが使用でき
る。
【0035】本発明の2官能OPE-2Ep組成物を使用した銅
張積層板は、低誘電性が要求されるプリント配線板に特
に好適に用いられる。本発明の銅張積層板の製法は、一
般的な製法で行うことができる。すなわち、熱硬化性樹
脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液である樹脂ワニスを
基材に含浸させ、熱処理してプリプレグとした後に、プ
リプレグと銅箔とを積層、加熱成形して銅張積層板にす
る方法であるが、これに限定されるものではない。
【0036】使用される有機溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエー
テル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、N,
N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、特に溶媒を限
定することなく、広範囲の有機溶媒が使用可能である。
またこれらは単独もしくは2種以上の溶剤を混合して使
用することができる。樹脂ワニスを含浸させる基材とし
ては、ガラスクロス、ガラス不織布等の無機基材;ポリ
アミド不織布、液晶ポリエステル不織布等の有機基材等
熱硬化性樹脂積層板に用いられるものはすべて使用する
ことができる。本発明の低誘電特性を活かすには、Dガ
ラスクロス、NEガラスクロスなど誘電特性に優れた基
材と併用することにより一層効果的となる。
【0037】プリプレグの熱処理は、使用した溶媒、樹
脂組成、添加触媒、その他の添加剤の種類や使用量に応
じて適宜選択されるが、通常100〜250℃の温度で
3〜30分の条件で行われる。プリプレグと銅箔との積
層、加熱方法としては、プリプレグの種類および銅箔の
形態により異なるが、一般的には、温度を170〜23
0℃、圧力が10〜30kg/cm2で40〜120分の時間
で真空熱プレス成形することが好ましい。
【0038】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。尚、実施例および比較例を通じて
「部」および「%」は特に断らない限り重量部をあらわ
す。
【0039】2官能OPE-2Epの製法 (2官能OPEの製法)撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃ
ま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mo
l)、ジ-n-ブチルアミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチル
ケトン 600gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、
あらかじめ600gのメチルエチルケトンに溶解させた2,
2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,
4’-ジオール41.8g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール
56.7g(0.46 mol)と2,3,6-トリメチルフェノール21.1g
(0.16mol)の混合溶液(2価のフェノールと1価のフェノー
ルのモル比率1:4)を2 L/minの空気のバブリングを行い
ながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2
L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。
これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶
液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で
3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得
られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥
を行い、2官能OPE 111.9gを得た。得られた2官能OPEを
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法
で測定した結果、数平均分子量は1,000であった。また
水酸基当量は520であった。
【0040】(2官能OPE-2Epの製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を100℃まで加熱し、上記で得
られた2官能OPE 40.0g(水酸基:0.077mol)とエピクロロ
ヒドリン213.5gを仕込んだ。その後、あらかじめエタノ
ール22.0gにナトリウムエトキシド6.3g(0.092mol)を溶
解した溶液を滴下漏斗から、60分かけて滴下し、さらに
滴下終了後5時間の撹拌を行った。その後、0.1Nの塩酸
水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗、さらにはろ
過を行い、生成塩と不純物を除去した。得られた溶液か
ら過剰のエピクロロヒドリンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、2官能OPE-2Ep 43.1gを得た(数平均分子量:1,1
50)。得られた2官能OPE-2Ep [A]は、IRの分析によりフ
ェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さ
らにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピーク
の発現から、100%の官能基変換を確認した。
【0041】実施例1 上記の2官能OPE-2Ep70部、テトラブロモビスフェノー
ルAエポキシ(大日本インキ化学(株)製、商品名:EP
ICLON-153)20部、4,4'-ジアミノジフェニルメタン1
0部、2−メチルイミダゾール0.07部をメチルエチ
ルケトンに溶解し、樹脂含量60%のワニスを調製した。
このワニスをガラスクロス(NEガラス品:商品名WEX9
83 日東紡製)に含浸させ、熱風乾燥器にて処理してB-
stageのプリプレグを得た。プリプレグ8枚と銅箔(18
μm厚、三井金属(株)製、商品名:3EC-3 )を重ね合わ
せて、200℃で2時間の真空熱プレスを行い、0.8mm厚の
銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表−2
に示した。
【0042】実施例2および比較例1〜3 表-1中の配合割合で熱硬化性樹脂を混合して、その他
は実施例1と同様にして銅張積層板を得た。ただし比較
例2のみ、メチルエチルケトンに溶解しないために、溶
媒としてトルエンを用いた。
【0043】
【表1】 汎用PPEホ゜リマー:三菱ガス化学(株)、数平均分子量:2
4,000ヒ゛スフェノール A型シアネ-トフ゜レホ゜リマー:2,2-ヒ゛ス(4-シアナトフェニル)フ゜ロハ゜
ンのフ゜レホ゜リマーテトラフ゛ロモヒ゛スフェノ -ルAエホ゜キシ:EPICLON-153大日本インキ化学
(株)ヒ゛スフェノ -ルAエホ゜キシ:DER-331Lダウケミカル日本(株)フェノールノホ゛ラック 型エホ゜キシ:EPPN-201日本化薬(株)
【0044】
【表2】
【0045】実施例、比較例における測定値は、以下の
装置および方法を用いて測定したものである。 ・ガラス転移温度(Tg): 動的粘弾性測定の損失正接
(tan δ)ピークより求めた。 ・比誘電率および誘電正接: 空洞共振器法により測定し
た。 ・銅箔剥離強度: JIS規格C6481に基づき、幅10mmの銅箔
の90度方向の引き剥がし強さを測定した。 ・吸湿後のはんだ耐熱性: 銅箔を全面除去したサンプル
を、121℃、0.2MPaのPCT条件で1〜3時間の吸湿処理を行
い、260℃のはんだ浴に30秒浸漬し層間剥離(ふくれ)
が発生するかを目視で観察した。 ・成形性: 70μm厚の銅箔の内層パタ−ンをボイドなく
埋め込めるかどうかで判定した。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリフェニレン
エーテルオリゴマーのエポキシ体を含む樹脂組成物は高
耐熱、低比誘電率、低誘電正接の優れた電気特性を有
し、さらに成形性が優れたバランスの取れた樹脂組成物
である。この性能はシアネートエステル樹脂と組み合わ
せることでさらに性能が向上する。この樹脂を用いた積
層板や多層プリント板は多層成形時の成形が良好であ
り、信頼性も高く、さらに高周波信号の高速処理や低損
失の回路設計が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 聖生 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 (72)発明者 宮本 真 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AA08 AD27 AD45 AG03 AL13 4J002 CD041 CM052 GF00 GQ05 4J036 AC11 AE07 FB14 JA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構成材料として、数平均分子量が700〜3,0
    00の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表される
    ポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び
    硬化剤を含有することを特徴とする積層板用エポキシ樹
    脂組成物。 【化1】 (式(1)中、-(O-X-O)-は、構造式(2)で表され、R1
    R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよく、ハロゲ
    ン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル
    基を示す。R4、R5、R6は、同一または異なってもよく、
    水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
    基またはフェニル基を示す。-(Y-O)-は、構造式(3)で定
    義される1種類の構造、または構造式(4)で定義される2
    種類以上の構造がランダムに配列したものである。R9
    R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子また
    は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を示す。R
    11、R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハ
    ロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェ
    ニル基を示す。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素
    原子を含むこともある。a、bは、少なくともいずれか一
    方が0でない0〜20の整数を示す。c、dは、少なくともい
    ずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。iは、それぞ
    れ独立に0または1の整数を示す。jは、0〜6の整数を示
    す。)
  2. 【請求項2】構成材料として、数平均分子量が700〜3,0
    00の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表される
    ポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び
    シアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする積
    層板用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記構成材料の構造式(1)で表される両末
    端にエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルオリゴ
    マー体において、-(O-X-O)-で表される構造式(2)の少な
    くともR1、R2、R3、R7、R8がメチル基であり、あるい
    は、さらにR4、R5、R6のうち1つ以上がメチル基であ
    り、-(Y-O)-が構造式(4)、あるいは構造式(5)、あるい
    は構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列した構造を有
    することを特徴とする請求項1記載の積層板用エポキシ
    樹脂組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】請求項1、2、3に記載の、両末端にエポキ
    シ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエー
    テルオリゴマーのエポキシ体を含有することを特徴とす
    る積層板用エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグおよ
    び積層板、プリント配線板。
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JP2011187999A (ja) * 2011-06-30 2011-09-22 Namics Corp 多層配線板

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