JP2003238655A - 積層板用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
積層板用エポキシ樹脂組成物Info
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Abstract
れ、さらに成形性、耐熱性等にも優れた熱硬化性樹脂組
成物及びこれを用いた積層板、プリント配線板を提供す
ること。 【構成】数平均分子量が700〜3,000の両末端にエポキシ
基を有する構造式(1)で示されるポリフェニレンエー
テルオリゴマーのエポキシ体、及び硬化剤を含有するこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた積
層板、プリント配線板。
Description
用いた組成物、およびそれを用いた銅張積層板に関す
る。得られた組成物は低誘電特性であり、成形性に優
れ、吸湿後のハンダ耐熱性等の高い信頼性が要求される
プリント配線板に有用な熱硬化性樹脂組成物である。
伴い高周波化が進んでおり、信号伝達速度の向上を目的
として、プリント配線板に対して低誘電特性化が要求さ
れている。この要求に対応するために、誘電特性に優れ
たふっ素樹脂や通常ポリフェニレンエールなどの、熱可
塑樹脂が用いられているが、作業性、成形性、耐熱性等
に問題がある。ワニスにするときの溶剤が限定されるこ
と、溶融粘度が高く高多層化できず、成型時に高温、高
圧が必要であることなどである。
エ−テル変性エポキシ樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエ
−テルなどがあげられるが、これまでのものでは上記の
熱可塑性樹脂と同様の問題が残っていた。また、誘電特
性、成形性の良好な熱硬化性樹脂としてシアネートエス
テル樹脂が知られているが、シアネートエステル樹脂単
独では硬化物が硬すぎて脆く、接着性、耐半田性に問題
がある。そこで、エポキシ樹脂と併用することでこれら
の欠点をカバーできるが、これまでのエポキシ樹脂との
併用では、さらに厳しくなる積層板の低誘電特性化の要
求に対応することが困難であった。
ント配線板材料において、ますます厳しくなる要求性能
の中で誘電特性に優れ、さらに成形性、耐熱性等にも優
れた熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた積層板、プ
リント配線板を提供することである。
形性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物と目指し、エ
ポキシ樹脂について鋭意検討した結果、両末端にエポキ
シ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエー
テルオリゴマーのエポキシ体を、積層板用エポキシ樹脂
組成物の構成材料として使用することで、上記目的を満
たすことを見出し、本発明を完成するに至った。
エポキシ樹脂組成物は、構成材料として数平均分子量が
700〜3,000の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で
表されるポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ
体、及び硬化剤を含有することを特徴とする。
され、R1、R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよ
く、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基また
はフェニル基を示す。R4、R5、R6は、同一または異なっ
てもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下
のアルキル基またはフェニル基を示す。-(Y-O)-は、構
造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で
定義される2種類以上の構造がランダムに配列したもの
である。R9、R10は、同一または異なってもよく、ハロ
ゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニ
ル基を示す。R11、R12は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基を示す。Zは、炭素数1以上の有機基
であり、酸素原子を含むこともある。a、bは、少なくと
もいずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。c、dは、
少なくともいずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。
iは、それぞれ独立に0または1の整数を示す。jは、0〜6
の整数を示す。)
シ樹脂組成物は、構成材料として、数平均分子量が700
〜3,000の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表さ
れるポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、
及びシアネートエステル樹脂を含有することを特徴とす
る。
シ樹脂組成物は、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂
組成物において、構造式(1)で表される両末端にエポキ
シ基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマー体の-
(O-X-O)-で表される構造式(2)の少なくともR1、R2、
R3、R7、R8がメチル基であり、あるいは、さらにR4、
R5、R6のうち1つ以上がメチル基であり、-(Y-O)-が構造
式(4)、あるいは構造式(5)、あるいは構造式(4)と構造
式(5)がランダムに配列した構造を有することを特徴と
する。
両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表されるポリ
フェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び硬化
剤を含有する。
キシ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエ
ーテルオリゴマーのエポキシ体を含有することで、低誘
電率で可撓性に優れ、且つ樹脂組成物の溶融粘度を小さ
くすることができる。上記樹脂組成物の溶融粘度が小さ
いと、積層成形の際に樹脂の埋め込み性がよく、ボイド
の発生が無く成形性が良好となる。
キシ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエ
ーテルオリゴマーのエポキシ体(以下、2官能OPE-2Epと
記す)について説明する。
と1価のフェノールとを酸化共重合して得られる構造式
(6)で表されるポリフェニレンエーテルオリゴマー体(以
下、2官能OPEと記す)を、エピクロロヒドリン等のハロ
ゲン化グリシジルと塩基の存在下で脱ハロゲン化水素反
応させることにより得られる。
-O)-が構造式(2)で表され、-(Y-O)-が構造式(3)で定義
される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種
類以上の構造がランダムに配列したものである。式中、
R1、R2、R3、R7、R8、R9、R10は、同一または異なって
もよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基
またはフェニル基である。R4、R5、R6、R11、R12は、同
一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子また
は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。
a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜20の整数
を示す。好ましくは、-(O-X-O)-がR1、R2、R3、R6、
R7、R8がメチル基であり、更にR4、R5が水素原子であ
り、-(Y-O)-が構造式(4)、あるいは構造式(5)、あるい
は構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列した構造を有
することが望ましい。
構造式(7)で表される2価のフェノールと、構造式(8)で
定義される1価のフェノールの単独または混合物を、ト
ルエン−アルコールあるいはケトン溶媒中で酸化重合す
ることで効率的に製造することができる。
は、R1、R2、R3、R7、R8は同一または異なってもよく、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。R4、R5、R6は、同一または異なっても
よく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のア
ルキル基またはフェニル基であり、R1、R2、R3、R7、R8
が水素原子でないことが必須の2価のフェノールであ
り、2,3,3',5,5'-ペンタメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,
4'-ジオール、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-(1,1'-
ビフェニル)-4,4'-ジオールなどが好ましい。
R9、R10は同一または異なってもよく、ハロゲン原子ま
たは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であ
る。R11、R12は同一または異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。特に、2,6位に置換基を有するもの単
独、またはこれと3位あるいは3,5位に置換基を有するも
のが併用されることが好ましい。さらに好ましくは、単
独では2,6-ジメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェ
ノールがよく、併用では2,6-ジメチルフェノールと2,3,
6-トリメチルフェノールがよい。
いは空気を使用する方法がある。また、電極酸化の方法
もある。いずれの方法でも良く、特に限定されない。安
全性および設備投資が安価であることから空気酸化が好
ましい。
をする場合の触媒としては、CuCl、CuBr、Cu2SO4、CuCl
2、CuBr2、CuSO4、CuI等の銅塩等の一種または二種以上
が用いられ、上記触媒に加えて、モノ及びジメチルアミ
ン、モノ及びジエチルアミン、モノ及びジプロピルアミ
ン、モノ-及びジ-n-ブチルアミン、モノ-及びジ-sec-ジ
プロピルアミン、モノ及びジベンジルアミン、モノ及び
ジシクロヘキシルアミン、モノ及びジエタノールアミ
ン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチ
ルジメチルアミン、アリルエチルアミン、メチルシクロ
ヘキシルアミン、モルホリン、メチル-n-ブチルアミ
ン、エチルイソプロピルアミン、ベンジルメチルアミ
ン、オクチルベンジルアミン、オクチルクロロベンジル
アミン、メチル(フェニルエチル)アミン、ベンジルエ
チルアミン、N-n-ブチルジメチルアミン、N,N'-ジ-tert
-ブチルエチレンジアミン、ジ(クロロフェニルエチ
ル)アミン、1-メチルアミノ-4-ペンテン、ピリジン、
メチルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ピペリジ
ン等を一種または二種以上のアミンが併用される。銅塩
及びアミンであれば、特にこれらに限定されるものでは
ない。
キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライ
ド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶剤等に加えて、アルコール系溶剤あるいはケトン系
溶剤などと併用することができる。アルコール系溶剤と
しては、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパ
ノール、メチルプロピレンジグリコール、ジエチレング
リコールエチルエーテル、ブチルプロピレングリコー
ル、プロピルプロピレングリコール等が挙げられ、ケト
ン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等が挙げられ、その他にはテトラヒドロフラン、
ジオキサン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
が、25〜50℃が好ましい。酸化重合が発熱反応のため、
50℃以上では温度制御が困難で分子量制御が困難とな
る。25℃以下では反応速度が極端に遅くなるために、効
率的な製造ができなくなる。
れる。すなわち、-(O-X-O)-は構造式(2)で表され、R1、
R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよく、ハロゲ
ン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル
基である。R4、R5、R6は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で示さ
れ、R9、R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン
原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基
である。R11、R12は、同一または異なってもよく、水素
原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基ま
たはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義され
る1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以
上の構造がランダムに配列したものである。Zは、炭素
数1以上の有機基であり、酸素原子を含むこともある。
a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜20の整
数を示す。c,dは、少なくともいずれか一方が0でない、
0〜20の整数を示す。iは、それぞれ独立に0または1の整
数を示す。jは、0から6の整数を示す。
もよい有機基をおくことができる。例示すると、-(-CH2
-)-、-(CH2-CH2-)-、-(-CH2-Ar-O-)-などであるが、こ
れらに限定されることはない。付加する方法は、構造式
(6)で示される2官能OPEに直接付加する方法や、誘導体
合成時に炭素鎖の長いハロゲン化物を使用する方法があ
るが、これらに限定されることはない。
式(6)で示される2官能OPEからの誘導体について説明す
る。2官能OPE-2Epを製造するには、上述の構造式(6)で
表される2官能OPEを用いるが、反応液から分離した粉末
または反応液に溶解した形のどちらでも用いることがで
きる。
例示する。上述の構造式(6)で表される両末端にフェノ
ール性水酸基を有する化合物をエピクロロヒドリン等の
ハロゲン化グリシジルと、塩基の存在下で、脱ハロゲン
化水素反応させて合成することができる。
カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、これ
らに限定されるものではない。
が好ましい。
平均分子量は700〜3,000の範囲に制限される。上記数平
均分子量が3,000を超えると樹脂組成物の溶融粘度が増
大し、数平均分子量が700未満であると機械的強度や耐
熱性が低下する。上記の2官能OPE-2Epは、溶融粘度が低
く流動性が良好で、他の樹脂との相溶性に優れ、また両
末端にエポキシ基を有するため樹脂組成物の接着性が良
好である。その結果吸湿後、半田等高温に曝された際
に、ふくれの発生を防ぐことができる。さらに、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂は低誘電特性を有する材料である
ため、低誘電特性の積層板が提供できる。
材料である硬化剤としては通常使用される第一級、第二
級アミン等のアミン系、ビスフェノールA、フェノ−ル
ノボラック等のフェノール系、酸無水物系、シアネート
エステル系などを挙げることができる。これらは、単独
あるいは複合して使用できる。
途に応じて種々の樹脂と組み合わせて使用することがで
きる。具体的に例示すると、各種エポキシ樹脂類;変性
されたエポキシ樹脂類;オキセタン樹脂類;(メタ)ア
クリル酸エステル類;ジアリルベンゼン、ジアリルテレ
フタレートなどのポリアリル化合物類;N−ビニル−2
−ピロリドン、ジビニルベンゼンなどのビニル化合物
類;不飽和ポリエステルなどの重合性二重結合含有モノ
マー類;多官能性マレイミド類;ポリイミド類;ポリブ
タジエン等のゴム類;ポリエチレン、ポリスチレン等の
熱過疎性樹脂類;ABS樹脂、ポリカーボネート等のエ
ンプラ類、シアネートエステル樹脂等が挙げられるが、
これらに限定されない。
有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、カ
ップリング剤、光増感剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの
各種添加剤を所望により添加することができる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノール
F型エポキシ、ビスフェノールZ型エポキシ、ビフェノ
ール・エポキシ、テトラメチルビフェノール・エポキ
シ、ヘキサメチルビフェノール・エポキシ、キシレンノ
ボラック・エポキ、ビフェニルノボラック・エポキシ、
ジシクロペンタジエンノボラック・エポキシ、フェノー
ルノボラック・エポキシ、クレゾールノボラック・エポ
キシ、あるいはこれらの臭素化された難燃性エポキシ樹
脂などが挙げられ、これらを単独または適宜2種類以上
配合してなる組成物、または反応物などが挙げられる。
合物としては例えば、1,3-または1,4-ジシアネートベン
ゼン、1,3,5-トリシアネートベンゼン、1,3-、1,4-、1,
6-、1,8-、2,6-または2,7-ジシアネートナフタレン、1,
3、6-トリシアネートナフタレン、4,4'-ジシアネートビ
フェニル、ビス(4-シアネートフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアネートフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,
5-ジブロモ-4-シアネートフェニル)プロパン、ビス(4
-シアネートフェニル)エーテル、ビス(4-シアネート
フェニル)チオエーテル、ビス(4-シアネートフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアネートフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(4-シアネートフェニル)ホスフェー
ト、4,4’−ジシアナト−3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニルまたは4,4’−ジシアナト−2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニルお
よびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得ら
れるシアネート類である。
とにより硬化させることも可能であるが、硬化速度を速
くして作業性、経済性などを改善する目的で熱硬化触媒
を添加することができる。熱硬化触媒は、組み合わせる
樹脂用の熱硬化触媒として一般に公知のものが使用でき
る。
張積層板は、低誘電性が要求されるプリント配線板に特
に好適に用いられる。本発明の銅張積層板の製法は、一
般的な製法で行うことができる。すなわち、熱硬化性樹
脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液である樹脂ワニスを
基材に含浸させ、熱処理してプリプレグとした後に、プ
リプレグと銅箔とを積層、加熱成形して銅張積層板にす
る方法であるが、これに限定されるものではない。
メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエー
テル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、N,
N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、特に溶媒を限
定することなく、広範囲の有機溶媒が使用可能である。
またこれらは単独もしくは2種以上の溶剤を混合して使
用することができる。樹脂ワニスを含浸させる基材とし
ては、ガラスクロス、ガラス不織布等の無機基材;ポリ
アミド不織布、液晶ポリエステル不織布等の有機基材等
熱硬化性樹脂積層板に用いられるものはすべて使用する
ことができる。本発明の低誘電特性を活かすには、Dガ
ラスクロス、NEガラスクロスなど誘電特性に優れた基
材と併用することにより一層効果的となる。
脂組成、添加触媒、その他の添加剤の種類や使用量に応
じて適宜選択されるが、通常100〜250℃の温度で
3〜30分の条件で行われる。プリプレグと銅箔との積
層、加熱方法としては、プリプレグの種類および銅箔の
形態により異なるが、一般的には、温度を170〜23
0℃、圧力が10〜30kg/cm2で40〜120分の時間
で真空熱プレス成形することが好ましい。
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。尚、実施例および比較例を通じて
「部」および「%」は特に断らない限り重量部をあらわ
す。
ま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mo
l)、ジ-n-ブチルアミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチル
ケトン 600gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、
あらかじめ600gのメチルエチルケトンに溶解させた2,
2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,
4’-ジオール41.8g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール
56.7g(0.46 mol)と2,3,6-トリメチルフェノール21.1g
(0.16mol)の混合溶液(2価のフェノールと1価のフェノー
ルのモル比率1:4)を2 L/minの空気のバブリングを行い
ながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2
L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。
これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶
液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で
3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得
られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥
を行い、2官能OPE 111.9gを得た。得られた2官能OPEを
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法
で測定した結果、数平均分子量は1,000であった。また
水酸基当量は520であった。
滴下漏斗のついた反応器を100℃まで加熱し、上記で得
られた2官能OPE 40.0g(水酸基:0.077mol)とエピクロロ
ヒドリン213.5gを仕込んだ。その後、あらかじめエタノ
ール22.0gにナトリウムエトキシド6.3g(0.092mol)を溶
解した溶液を滴下漏斗から、60分かけて滴下し、さらに
滴下終了後5時間の撹拌を行った。その後、0.1Nの塩酸
水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗、さらにはろ
過を行い、生成塩と不純物を除去した。得られた溶液か
ら過剰のエピクロロヒドリンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、2官能OPE-2Ep 43.1gを得た(数平均分子量:1,1
50)。得られた2官能OPE-2Ep [A]は、IRの分析によりフ
ェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さ
らにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピーク
の発現から、100%の官能基変換を確認した。
ルAエポキシ(大日本インキ化学(株)製、商品名:EP
ICLON-153)20部、4,4'-ジアミノジフェニルメタン1
0部、2−メチルイミダゾール0.07部をメチルエチ
ルケトンに溶解し、樹脂含量60%のワニスを調製した。
このワニスをガラスクロス(NEガラス品:商品名WEX9
83 日東紡製)に含浸させ、熱風乾燥器にて処理してB-
stageのプリプレグを得た。プリプレグ8枚と銅箔(18
μm厚、三井金属(株)製、商品名:3EC-3 )を重ね合わ
せて、200℃で2時間の真空熱プレスを行い、0.8mm厚の
銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表−2
に示した。
は実施例1と同様にして銅張積層板を得た。ただし比較
例2のみ、メチルエチルケトンに溶解しないために、溶
媒としてトルエンを用いた。
4,000ヒ゛スフェノール A型シアネ-トフ゜レホ゜リマー:2,2-ヒ゛ス(4-シアナトフェニル)フ゜ロハ゜
ンのフ゜レホ゜リマーテトラフ゛ロモヒ゛スフェノ -ルAエホ゜キシ:EPICLON-153大日本インキ化学
(株)ヒ゛スフェノ -ルAエホ゜キシ:DER-331Lダウケミカル日本(株)フェノールノホ゛ラック 型エホ゜キシ:EPPN-201日本化薬(株)
装置および方法を用いて測定したものである。 ・ガラス転移温度(Tg): 動的粘弾性測定の損失正接
(tan δ)ピークより求めた。 ・比誘電率および誘電正接: 空洞共振器法により測定し
た。 ・銅箔剥離強度: JIS規格C6481に基づき、幅10mmの銅箔
の90度方向の引き剥がし強さを測定した。 ・吸湿後のはんだ耐熱性: 銅箔を全面除去したサンプル
を、121℃、0.2MPaのPCT条件で1〜3時間の吸湿処理を行
い、260℃のはんだ浴に30秒浸漬し層間剥離(ふくれ)
が発生するかを目視で観察した。 ・成形性: 70μm厚の銅箔の内層パタ−ンをボイドなく
埋め込めるかどうかで判定した。
エーテルオリゴマーのエポキシ体を含む樹脂組成物は高
耐熱、低比誘電率、低誘電正接の優れた電気特性を有
し、さらに成形性が優れたバランスの取れた樹脂組成物
である。この性能はシアネートエステル樹脂と組み合わ
せることでさらに性能が向上する。この樹脂を用いた積
層板や多層プリント板は多層成形時の成形が良好であ
り、信頼性も高く、さらに高周波信号の高速処理や低損
失の回路設計が可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】構成材料として、数平均分子量が700〜3,0
00の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表される
ポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び
硬化剤を含有することを特徴とする積層板用エポキシ樹
脂組成物。 【化1】 (式(1)中、-(O-X-O)-は、構造式(2)で表され、R1、
R2、R3、R7、R8は、同一または異なってもよく、ハロゲ
ン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル
基を示す。R4、R5、R6は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基を示す。-(Y-O)-は、構造式(3)で定
義される1種類の構造、または構造式(4)で定義される2
種類以上の構造がランダムに配列したものである。R9、
R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子また
は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を示す。R
11、R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェ
ニル基を示す。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素
原子を含むこともある。a、bは、少なくともいずれか一
方が0でない0〜20の整数を示す。c、dは、少なくともい
ずれか一方が0でない0〜20の整数を示す。iは、それぞ
れ独立に0または1の整数を示す。jは、0〜6の整数を示
す。) - 【請求項2】構成材料として、数平均分子量が700〜3,0
00の両末端にエポキシ基を有する構造式(1)で表される
ポリフェニレンエーテルオリゴマーのエポキシ体、及び
シアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする積
層板用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】上記構成材料の構造式(1)で表される両末
端にエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルオリゴ
マー体において、-(O-X-O)-で表される構造式(2)の少な
くともR1、R2、R3、R7、R8がメチル基であり、あるい
は、さらにR4、R5、R6のうち1つ以上がメチル基であ
り、-(Y-O)-が構造式(4)、あるいは構造式(5)、あるい
は構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列した構造を有
することを特徴とする請求項1記載の積層板用エポキシ
樹脂組成物。 【化2】 - 【請求項4】請求項1、2、3に記載の、両末端にエポキ
シ基を有する構造式(1)で表されるポリフェニレンエー
テルオリゴマーのエポキシ体を含有することを特徴とす
る積層板用エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグおよ
び積層板、プリント配線板。
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JP2011187999A (ja) * | 2011-06-30 | 2011-09-22 | Namics Corp | 多層配線板 |
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- 2002-02-15 JP JP2002038432A patent/JP3959615B2/ja not_active Expired - Lifetime
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