JPH08229847A - 釘打機用アタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】狭く限定された部位に対し容易かつ正確に狙い
打ちすることができるとともに、打ち損じたときの釘の
飛び出しが少なく安全なアタッチメント。 【構成】釘打ち出し用ノーズ部３に着脱されるホルダ１
２と、ホルダの先端側にノーズ部３の中心軸Ｐを挟んで
対向配置され、かつ開閉可能に支持された釘のガイド部
材１３とを備え、ガイド部材１３は閉じ方向にバネ付勢
され、ガイド部材１３の先端部の外周面は先細に形成さ
れているとともに、各ガイド部材１３の内側には、テー
パー状に拡径してノーズ部３から打ち出された釘頭部５
ｂを案内する第１のガイド面２８を形成し、第１のガイ
ド面２８の先端側には釘軸部５ａの径と同じかそれより
も小さい内径の第２のガイド面２９を連続形成するとと
もに、２つのガイド面によって釘頭部５ｂと釘軸部５ａ
の全周面を案内する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は釘打機のノーズ部の先端
に着脱されて釘の狙い打ちを可能とする釘打機用アタッ
チメントに関する。

【０００２】

【従来技術】一般に２×４工法等では桁と梁とを直角に
接合する場合のように木材を接合するときは、図７のよ
うな金具３０が使用される。金具３０には多数の釘穴３
１が形成され、これらの釘穴３１から釘を打ち込んで木
材３２、３３と金具３０により固定する。通常の場合、
１個の接合部に多数の釘が使用されるため、工事全体に
おける釘の打ち込み回数は非常に多い。しかも、桁等の
構造材の連結には強度が要求されるので、太く長い釘が
使用される。また、構造材には比較的堅い木材が使用さ
れるため、釘打機に大きなパワーが必要である。このた
め、最近では１つの釘に対し連続的に多数回の打撃を与
えることにより、比較的小型の釘打機によっても太く長
い釘を堅い材料に打込むことが可能となっている。

【０００３】しかしながら、通常の場合釘を打ち出すノ
ーズ部の先端には安全装置の構成部材が配置されている
ため、釘が打ち出される部位を直接に目視することはで
きない。したがって、従来の釘打機によって釘を金具の
釘穴に正確に打込むことは相当に困難である。しかも、
釘の頭部径に対応した内径の釘打ち出し用射出口内で釘
の先端が自由に動くため、ノーズ部の先端を釘穴に合わ
せたとしても、釘が釘穴に入り込むとは限らない。

【０００４】また、釘打機の釘の打込み力の反動によっ
て釘打機が打ち込み方向と逆方向に動くことがあり、こ
の場合、釘打ち込み用のドライバが釘頭部から外れて打
ち損じが発生する。この現象は垂直な施工面に水平方向
に釘を打ち込もうとする場合に、釘打機の重量が重力方
向に作用してノーズ部から釘頭部が下方向に外れるとい
う状態が多く発生する。

【０００５】さらに、通常の釘打機ではノーズ部の先端
部分が円筒形状となっているため、金具の折り曲げ部分
に近い釘穴への狙い打ちができないという欠点があっ
た。

【０００６】これに対し、この種の狙い打ち機構として
実開昭４８ー３４９８１号公報に示されたように、ノー
ズ部の先端に穴狙いガイドを設けたものが知られてい
る。しかし、このガイドは釘の両側だけを案内するもの
であるから、釘が両側に対して直交する方向に飛び出す
のを防止することはできない。

【０００７】

【発明の目的】本発明は前記欠点を解消し、特に狭く限
定された部位に対し容易かつ正確に狙い打ちすることが
できるとともに、打ち損じたときの釘の飛び出しが少な
い安全な釘打機用アタッチメントを提供することをその
目的とする。

【０００８】

【目的を達成するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る釘打機用アタッチメントは、釘打機の
釘打ち出し用ノーズ部の先端に着脱されるホルダと、ホ
ルダの先端側に上記ノーズ部の中心軸を挟んで対向配置
され、かつ前記中心軸と直角な回転軸により開閉可能に
支持された釘のガイド部材とを備え、上記ガイド部材は
ノーズ部の中心軸方向にバネ付勢され、上記ガイド部材
の先端部の外周面は先細に形成されているとともに、各
ガイド部材の内側には、ホルダ側に向けてテーパー状に
拡径して上記ノーズ部から打ち出された釘頭部を案内す
る第１のガイド面を形成し、該第１のガイド面の先端側
には釘軸部の径と同じかそれよりも小さい内径の第２の
ガイド面を連続形成し、上記２つのガイド面によって釘
頭部と釘軸部の全周面を案内させるとともに、上記各ガ
イド部材の外周面が、前記第２のガイド面の先端縁に向
けて先細となるテーパー状に形成されていることを特徴
とする。

【０００９】なお、前記各ガイド部材を支持している回
転軸は、釘打機のグリップ部の延長方向線と平行に設け
られ、各ガイド部材の外周面の一部は前記回転軸の軸線
と直角な平面に沿って切除された扁平な外形形状に形成
されるのが好ましい。

【００１０】

【発明の作用、効果】請求項１の発明によれば、先細に
形成されたガイド部材の端端を被打込み材の所定部材に
当接して釘打機を起動させると、ノーズ部内の釘が打撃
され、釘軸部はガイド部材の第１のガイド面と第２のガ
イド面により案内されてガイド部材の先端から打ち出さ
れる。さらに、釘頭部はガイド部材の第１のガイド面に
ガイドされて打ち込まれる。第１のガイド面はテーパー
状に拡径されているので、ガイド部材は釘頭部によって
押し広げられるが、その分だけ第１のガイド面にはバネ
力がより強く働くから、釘頭部を強力に案内する。最後
に釘頭部がガイド部材から出ると釘打ち込みが終了す
る。

【００１１】したがって、上記発明によれば、アタッチ
メントの各ガイド部材の外周面が、第２のガイド面の先
端縁に向けて先細となるテーパー状に形成されているか
ら、狭い限定された部位にも釘を容易かつ正確に狙って
打ち込むことができる。

【００１２】また、第１のガイド面と第２のガイド面と
によって釘頭部と釘軸部の全周面を案内するから、確実
に狙い打ちできるほか、さらにガイド部材を閉じ方向に
付勢する弦巻バネのバネ力を強く設定することにより、
ガイド部材が簡単に開くのを抑え、打ち損じが生じた場
合でも、釘が外に飛び出さないように釘をガイド部材の
内側に保持することができるので安全であり、また駆動
されたドライバが釘頭部に当たり損ねて釘を折ったりす
ることも良好に防止される。

【００１３】請求項２の発明によれば、ガイド部材の先
端がテーパー状に形成され、かつ扁平状に形成されてい
るので、釘打機を少し傾けることによって、金具の直角
の折り曲げ部に近い釘穴に釘を打ち込む場合のような隅
打ちも楽に正確に狙って打ち込むことができる。この場
合、釘の頭部がガイド部材を通過する際に各ガイド部材
が開くが、開き方向を上記折り曲げ部に平行にすること
により、ガイド部材が折り曲げ部の壁に当たることが避
けられる。

【００１４】

【実施例】図１は連打式釘打機を示すもので、この釘打
機は１本の釘に対してボディ１の内部に設けられたドラ
イバ（図６に示す）によってマガジン２から釘打ち出し
用のノーズ部３内に供給された釘を圧縮エアにより連続
的に繰り返し打撃して被打込み材内に打ち込むもので、
打撃機構は例えば実公平５ー４６８５４号公報に示され
たものと同じでよい。このような釘打機は通常は長い釘
を打込むときに使用される。なお、上記釘打機に使用さ
れる釘は連結釘４で、この連結釘４は多数の釘５を連結
帯４ａに連結して成り、マガジン２に巻き回し状に装填
され、順次ノーズ部３内に供給されるように形成されて
いる。

【００１５】ノーズ部３は釘打機の先端に形成され、こ
のノーズ部３には狙い打ち用のアタッチメント６が装着
されている。なお、ノーズ部３の周面の一部には図２に
示されるように、コンタクトロッド７のガイド凸部８が
形成されている。コンタクトロッド７はボディ１に対し
釘の打ち出し方向に相対的に移動可能に設けられ、常時
先端側に突出するようにバネ付勢されているとともに、
バネ付勢に抗して押し込まれることにより釘打機を起動
させるトリガ機構を作動可能な状態にするもので、上記
公報に「コンタクト部材９」として示されたものと同様
の安全装置を構成している。また、ノーズ部３の先端に
は段部を介して小径部１０が形成されている。さらに、
ノーズ部３の他の一部には底部が平面状のアタッチメン
ト用取付溝１１が形成されている。

【００１６】上記アタッチメント６は図２〜図５に示さ
れるようにノーズ部３に対して着脱されるホルダ１２
と、ホルダ１２の先端側に開閉可能に支持されて打ち出
される釘を案内する１対のガイド部材１３とから構成さ
れている。

【００１７】ホルダ１２はノーズ部３に嵌合可能な大き
さの筒状に形成され、互いに対向する側壁の一方にはコ
ンタクトロッド７の先端部とガイド凸部８を受容する切
欠き溝１４が形成され、他方には連結釘４を受容する切
欠き溝１５が形成されている。また、ホルダ１２の一方
の開口端側には取付軸体１６の軸受部１７が形成されて
いる。この軸受部１７の中央部はホルダ１２の内面に開
口し、取付軸体１６の軸側面の中央部１６ａは断面半円
形状に形成されている。取付軸体１６の一端側には取付
軸体１６を回転させるレバー１８が設けられ、レバー１
８の回転により上記中央部１６ａがホルダ１２の内方に
突出したり、退避したりするように形成されている（図
３は突出した状態）。さらに、ホルダ１２の他方の開口
端側には対向する部位に連結凸部１９が形成され、その
両側にはバネ受け溝２０が形成されている。

【００１８】ガイド部材１３の基部の互いに対向する側
にはホルダ１２の連結凸部１９に対応する連結凹部２１
がホルダ１２側に突出形成されている。そして、ホルダ
１２の連結凸部１９を連結凹部２１内に嵌入し、両者の
軸受孔２２に回転軸２３を嵌合させることにより、１対
のガイド部材１３がホルダ１２の先端側に対向配置さ
れ、かつ回転軸２３に対し先端部が開閉可能に支持され
ている。上記回転軸２３は釘打機のグリップ１ａの延長
方向線Ｑ（図１参照）と平行な線上に設けられている。
また、回転軸２３には２重構成の弦巻バネ２４が巻き付
けられ、弦巻バネ２４の両端はホルダ１２のバネ受け溝
２０に係合している。したがって、各ガイド部材１３は
常時閉じ方向（ノーズ部３の中心軸Ｐ方向）に付勢され
ている。なお、上記弦巻バネ２４は大きいバネ力に設定
されている。

【００１９】また、ガイド部材１３の基部にはホルダ１
２の先端面を受ける受け面２５が形成され、受け面２５
の中央にはノーズ部３が嵌合する嵌合口２６が開口形成
されている。そして、ガイド部材１３の内側は剔られ、
図６(a) に示すように上記嵌合口２６に連続してノーズ
部３の先端の小径部１０を受ける受け部２７が形成さ
れ、さらにテーパー状に拡径して釘頭部５ｂを案内する
第１のガイド面２８が形成され、続いて第１のガイド面
２８の先端側に釘軸部５ａの径よりも小さい（同じでも
よい）内径の第２のガイド面２９が連続形成されてい
る。上記２つのガイド部材１３のガイド面２８、２９は
釘頭部５ｂと釘軸部５ａの全周面を案内するように、閉
じ時にはホルダ１２の中心軸のまわりに連続し、全体的
には嘴状に形成されている。そして、先端の外周面は、
第２のガイド面２９の先端縁に向けて先細となるテーパ
ー状に形成され、それぞれの外周面の基部側は回転軸２
３の軸線と直角な平面に沿って切除されたカット面３５
が形成されて全体として扁平な外形形状に形成されてい
る。

【００２０】次に、前記構成のアタッチメント６を釘打
機のノーズ部３に装着するときは、レバー１８を回転し
て取付軸体１６の中央部１６ａを退避させた後、ノーズ
部３の先端部をホルダ１２に挿入し、先端の小径部１０
の端面がガイド部材１３の受け部２７に当接するまで嵌
め込む。このとき、切欠き溝１４にコンタクトロッド７
とそのガイド凸部８が受け入れられる。他方の切欠き溝
１５はマガジン２側に臨む位置に配置され、連結釘４が
ノーズ部３内に供給可能となる。レバー１８を逆回転さ
せることにより、取付軸体１６の中央部１６ａはノーズ
部３の取付溝１１内に係合し、アタッチメント６は取付
溝１１の範囲内でノーズ部３の中心軸に沿って摺動可能
に装着され、通常はコンタクトロッド７を付勢するバネ
によりアタッチメント６も突出方向に付勢されている。
また、ガイド部材１３はノーズ部３の中心軸Ｐを挟んで
対称的に対向配置される。なお、アタッチメント６を取
り外すときもレバー１８を回転させて行なえばよい。

【００２１】ここで、アタッチメント６を装着した釘打
機によって前記図７に示された金具３０の釘穴３１に釘
を狙い打ちする例について説明する。まず、図６(a) の
ようにノーズ部３を所定の釘穴３１に向け、先細に形成
されたガイド部材１３の先端を上記釘穴３１の内側に係
合させる。さらにノーズ部３を上記金具３０に押し付け
ることによりアタッチメント６とともにコンタクトロッ
ド７をバネ付勢に抗して押し込んでトリガ機構を作動可
能な状態とする。トリガレバー１８を引き操作すること
により釘打機が起動され、ドライバ３４によりノーズ部
３内の釘が連続的に繰り返し打撃される。まず、釘の先
端はガイド部材１３の第１のガイド面２８と第２のガイ
ド面２９により案内されて同図(b) のようにガイド部材
１３の先端から金具３０の釘穴３１に入り込む。ガイド
部材１３の先端から釘軸部５ａが出るときに、ガイド部
材１３は釘軸部５ａにより押し広げられるので、弦巻バ
ネ２４のバネ力に抗して開き作動し、上記釘穴３１から
退避するが、上記バネ力によって釘軸部５ａは引き続き
ガイドされる。さらに、釘頭部５ｂはガイド部材１３の
第１のガイド面２８にガイドされて打ち込まれる。第１
のガイド面２８はテーパー状に拡径されているので、ガ
イド部材１３は釘頭部５ｂによって同図(c)のようにさ
らに押し広げられるが、その分だけ第１のガイド面２８
には弦巻バネ２４のバネ力がより強く働くから、釘頭部
５ｂを強力に案内する。最後に釘頭部５ｂが金具３０に
当たって停止し、釘打ち込みが終了する。

【００２２】釘打ち込み終了後にガイド部材１３を釘穴
３１から離すと、ガイド部材１３はコンタクトロッド７
とともに再び突出位置に復帰移動し、次の釘打ち込みが
準備される。

【００２３】上述のように、釘打ち込み作業の場合、ア
タッチメント６の各ガイド部材１３の外周面が、第２の
ガイド面２９の先端縁に向けて先細となるテーパー状に
形成されているから、狭い限定された部位にも釘を容易
かつ正確に狙って打ち込むことができる。

【００２４】また、第１のガイド面２８と第２のガイド
面２９とによって釘頭部５ｂと釘軸部５ａの全周面を案
内するから、確実に狙い打ちできるほか、さらにガイド
部材１３を閉じ方向に付勢する弦巻バネ２４のバネ力を
強く設定することにより、例えば金具３０の釘穴３１か
ら外れた位置に釘を打ち込んでしまったような場合で
も、ガイド部材１３が開くのを抑え、釘が外に飛び出さ
ないように釘をガイド部材１３の内側に保持することが
できるので、安全であり、また駆動されたドライバが釘
頭部５ｂに当たり損ねて釘を折ったりすることも良好に
防止される。

【００２５】さらに、ガイド部材１３の先端がテーパー
状に形成され、かつ扁平状に形成されているので、釘打
機を少し傾けることによって、金具３０の直角の折り曲
げ部に近い釘穴３１ａに釘を打ち込む場合のような隅打
ちも楽に正確に狙って打ち込むことができる。この場
合、釘の頭部がガイド部材１３を通過する際に各ガイド
部材１３が開くが、開き方向を上記折り曲げ部に平行に
することにより、ガイド部材１３が打ち込み面に対する
折り曲げ部に当たることが避けられる。

【００２６】なお、上記アタッチメント６は必ずしも連
打式の釘打機に装着されることに限定されない。単打式
の釘打機に装着してもよい。

【００２７】また、ガイド部材１３も２個に限定されな
い。３個以上あってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアタッチメントを装着した状態の
釘打機の斜視図

【図２】上記アタッチメントとノーズ部との分解図

【図３】上記アタッチメントの平面図

【図４】上記アタッチメントの正面図

【図５】上記アタッチメントの側面図

【図６】(a) (b) (c) は釘の打ち込み態様説明図

【図７】構造材の接合態様説明図

【符号の説明】 Ｐ 中心軸 ３ ノーズ部 ４ 釘 ５ａ 釘軸部 ５ｂ 釘頭部 ６ アタッチメント １２ ホルダ １３ ガイド部材 ２８ 第１のガイド面 ２９ 第２のガイド面

フロントページの続き (71)出願人 595043011 ＡＵＳＴＲＩＡ Ａ−3550 ＬＡＮＧＥＮ ＬＯＩＳ ＰＲＯＭＥＮＡＤＥＮＳＩＥＤ ＥＫＵＮＧ 18

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 釘打機の釘打ち出し用ノーズ部の先端に
   着脱されるホルダと、ホルダの先端側に上記ノーズ部の
   中心軸を挟んで対向配置され、かつ前記中心軸と直角な
   回転軸により開閉可能に支持された釘のガイド部材とを
   備え、 上記ガイド部材はノーズ部の中心軸方向にバネ付勢さ
   れ、上記ガイド部材の先端部の外周面は先細に形成され
   ているとともに、 各ガイド部材の内側には、ホルダ側に向けてテーパー状
   に拡径して上記ノーズ部から打ち出された釘頭部を案内
   する第１のガイド面を形成し、該第１のガイド面の先端
   側には釘軸部の径と同じかそれよりも小さい内径の第２
   のガイド面を連続形成し、上記２つのガイド面によって
   釘頭部と釘軸部の全周面を案内させるとともに、 上記各ガイド部材の外周面が、前記第２のガイド面の先
   端縁に向けて先細となるテーパー状に形成されているこ
   とを特徴とする釘打機用アタッチメント。
2. 【請求項２】 前記各ガイド部材を支持している回転軸
   が、釘打機のグリップ部の延長方向線と平行に設けられ
   ており、各ガイド部材の外周面の一部が前記回転軸の軸
   線と直角な平面に沿って切除された扁平な外形形状に形
   成されている請求項１記載の釘打機用アタッチメント。