JPH0822910A - 高耐食性永久磁石およびその製造方法 - Google Patents
高耐食性永久磁石およびその製造方法Info
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- JPH0822910A JPH0822910A JP6156288A JP15628894A JPH0822910A JP H0822910 A JPH0822910 A JP H0822910A JP 6156288 A JP6156288 A JP 6156288A JP 15628894 A JP15628894 A JP 15628894A JP H0822910 A JPH0822910 A JP H0822910A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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-
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- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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- H01F41/026—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets protecting methods against environmental influences, e.g. oxygen, by surface treatment
-
- H—ELECTRICITY
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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- H01F1/0575—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は膜厚の精密コントロ−ルが良くピン
ホ−ルの無い樹脂膜を有し、密着強度が強く、防錆性能
に優れた耐食性の良好なR−TM−B系永久磁石及び製
造方法を提供する。 【構成】 R−TM−B系永久磁石体表面にクロメ−ト
皮膜とポリイミド樹脂皮膜を積層する。
ホ−ルの無い樹脂膜を有し、密着強度が強く、防錆性能
に優れた耐食性の良好なR−TM−B系永久磁石及び製
造方法を提供する。 【構成】 R−TM−B系永久磁石体表面にクロメ−ト
皮膜とポリイミド樹脂皮膜を積層する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性を改善したR−T
M−B系永久磁石とその製造方法に関するものである。
M−B系永久磁石とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の高性能化、小型化に伴
って、その一部たる永久磁石にも同様の要求が強まって
きた。即ち以前の最強の永久磁石は希土類・コバルト
(R−Co)系であったが、近年、より強力なR−TM
−B系永久磁石が台頭してきた(特開昭59−4600
8号)。ここにRは、Yを含む希土類元素の1種または
2種類以上の組み合わせであり、TMはFe、Co等の
遷移金属を中心として、一部を他の金属元素または非金
属元素で置換したもの、Bはホウ素である。しかし、R
−TM−B系永久磁石は極めて錆やすいという問題点が
あった。そのため、耐食性を改善するために、永久磁石
体表面に耐酸化性の被覆層を設ける手段がとられてき
た。表面被覆方法としては電気めっき法、電着塗装法等
種々の方法が知られているが、なかでも樹脂被覆法は簡
便さの割に防食性が高く盛んに用いられている。そして
従来、樹脂被覆としたR−TM−B系永久磁石として
は、エポキシ樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、アルキド樹
脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂等の樹脂層を有する永
久磁石(特開昭60−63901号公報)、化成皮膜と
前記樹脂層を順次積層被覆した永久磁石(特開昭60−
63902号公報)、電着塗装による耐食性樹脂層を有
する永久磁石(特開昭61−130453号公報)、薄
膜コーティング法によりフッ素樹脂をコーティングした
永久磁石(特開昭61−168221号公報)が知られ
ている。
って、その一部たる永久磁石にも同様の要求が強まって
きた。即ち以前の最強の永久磁石は希土類・コバルト
(R−Co)系であったが、近年、より強力なR−TM
−B系永久磁石が台頭してきた(特開昭59−4600
8号)。ここにRは、Yを含む希土類元素の1種または
2種類以上の組み合わせであり、TMはFe、Co等の
遷移金属を中心として、一部を他の金属元素または非金
属元素で置換したもの、Bはホウ素である。しかし、R
−TM−B系永久磁石は極めて錆やすいという問題点が
あった。そのため、耐食性を改善するために、永久磁石
体表面に耐酸化性の被覆層を設ける手段がとられてき
た。表面被覆方法としては電気めっき法、電着塗装法等
種々の方法が知られているが、なかでも樹脂被覆法は簡
便さの割に防食性が高く盛んに用いられている。そして
従来、樹脂被覆としたR−TM−B系永久磁石として
は、エポキシ樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、アルキド樹
脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂等の樹脂層を有する永
久磁石(特開昭60−63901号公報)、化成皮膜と
前記樹脂層を順次積層被覆した永久磁石(特開昭60−
63902号公報)、電着塗装による耐食性樹脂層を有
する永久磁石(特開昭61−130453号公報)、薄
膜コーティング法によりフッ素樹脂をコーティングした
永久磁石(特開昭61−168221号公報)が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂被覆した永久磁石においては、膜の厚みの精密コン
トロール及びピンホールという面で問題点があり、十分
な耐食性が得られなかった。ここで、ピンホールとは、
素材がポーラス(多孔質)なため、その孔部分にコーテ
ィング膜がのらずに空隙になった部分をいう。例えば、
電着塗装の場合、膜の厚みの精密コントロールという面
では、スプレーコーティングよりは優れるが、エッジ部
分は面をとらないと不均一になるという問題点があり、
また一度に大量に処理を行えるバレル装置による塗装は
困難であり、引っかけないと処理できず、接点のタッチ
アップが必要であり、小物品には実用的でないという問
題点があった。また、電気めっき法による場合は、バレ
ルめっきは可能であるが、膜厚の精密コントロールにお
いて問題点があった。即ち、膜厚の精密コントロールが
悪い場合や、ピンホールがある場合は膜厚の薄い部分及
びピンホールから水分の浸透が速くなり、耐食性を低下
させる結果となった。また、膜厚の精密コントロールが
良好でピンホールもないポリイミド樹脂による皮膜の場
合でもR−TM−B系永久磁石の場合には、表面に酸化
物がないと、耐湿試験を行うと磁石体との密着強度が悪
く耐食性も悪いという問題点があった。そこで本発明は
膜厚の精密コントロールが良くピンホールの無い樹脂膜
を有し、密着強度が強く、防錆性能に優れた耐食性の良
好なR−TM−B系永久磁石及びその製造方法の提供を
目的とする。
樹脂被覆した永久磁石においては、膜の厚みの精密コン
トロール及びピンホールという面で問題点があり、十分
な耐食性が得られなかった。ここで、ピンホールとは、
素材がポーラス(多孔質)なため、その孔部分にコーテ
ィング膜がのらずに空隙になった部分をいう。例えば、
電着塗装の場合、膜の厚みの精密コントロールという面
では、スプレーコーティングよりは優れるが、エッジ部
分は面をとらないと不均一になるという問題点があり、
また一度に大量に処理を行えるバレル装置による塗装は
困難であり、引っかけないと処理できず、接点のタッチ
アップが必要であり、小物品には実用的でないという問
題点があった。また、電気めっき法による場合は、バレ
ルめっきは可能であるが、膜厚の精密コントロールにお
いて問題点があった。即ち、膜厚の精密コントロールが
悪い場合や、ピンホールがある場合は膜厚の薄い部分及
びピンホールから水分の浸透が速くなり、耐食性を低下
させる結果となった。また、膜厚の精密コントロールが
良好でピンホールもないポリイミド樹脂による皮膜の場
合でもR−TM−B系永久磁石の場合には、表面に酸化
物がないと、耐湿試験を行うと磁石体との密着強度が悪
く耐食性も悪いという問題点があった。そこで本発明は
膜厚の精密コントロールが良くピンホールの無い樹脂膜
を有し、密着強度が強く、防錆性能に優れた耐食性の良
好なR−TM−B系永久磁石及びその製造方法の提供を
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明の第1の発明は
R−TM−B系永久磁石体表面にクロメート皮膜とポリ
イミド樹脂皮膜を積層したことを特徴とする高耐食性永
久磁石及びその製造方法である。また第2の発明はR−
TM−B系永久磁石表面にクロメート皮膜とシランカッ
プリング剤及びポリイミド樹脂皮膜を積層したことを特
徴とする高耐食性永久磁石及びその製造方法である。即
ち、本発明は均一な膜厚で、ピンホールのないポリイミ
ド樹脂の蒸着膜のR−TM−B系永久磁石体への適用に
おいて、樹脂皮膜と素材の界面にクロメート皮膜やシラ
ンカップリング剤を介在させることにより、蒸着膜と永
久磁石体の密着強度を向上させ耐食性が従来のものに比
べて良好であるという本発明者の知見によるものであ
る。上記、R−TM−B系永久磁石体は焼結磁石のみな
らず磁性粉末と樹脂をバインダーとしたいわゆるボンド
磁石を含む。また、いずれの場合も磁粉の製造方法によ
って大別される超急冷法によって磁粉を得る方法と鋳塊
を粉砕し磁粉を得る方法を含んだ意味である。
R−TM−B系永久磁石体表面にクロメート皮膜とポリ
イミド樹脂皮膜を積層したことを特徴とする高耐食性永
久磁石及びその製造方法である。また第2の発明はR−
TM−B系永久磁石表面にクロメート皮膜とシランカッ
プリング剤及びポリイミド樹脂皮膜を積層したことを特
徴とする高耐食性永久磁石及びその製造方法である。即
ち、本発明は均一な膜厚で、ピンホールのないポリイミ
ド樹脂の蒸着膜のR−TM−B系永久磁石体への適用に
おいて、樹脂皮膜と素材の界面にクロメート皮膜やシラ
ンカップリング剤を介在させることにより、蒸着膜と永
久磁石体の密着強度を向上させ耐食性が従来のものに比
べて良好であるという本発明者の知見によるものであ
る。上記、R−TM−B系永久磁石体は焼結磁石のみな
らず磁性粉末と樹脂をバインダーとしたいわゆるボンド
磁石を含む。また、いずれの場合も磁粉の製造方法によ
って大別される超急冷法によって磁粉を得る方法と鋳塊
を粉砕し磁粉を得る方法を含んだ意味である。
【0005】
【作用】本発明において、ポリイミド樹脂の積層はめっ
き膜あるいは樹脂膜の上にも行え、ピンホールを埋める
ことができ耐食性は向上する。また、逆も行え、ポリイ
ミド樹脂の保護にもなる。更に、本発明において、クロ
メート皮膜は永久磁石体あるいはシランカップリング剤
との反応を促進させ、ひいてはポリイミドの密着性を向
上させるものであり、耐食性向上には不可欠である。即
ち、シランカップリング剤は縮合反応をするため永久磁
石体表面に酸化皮膜がないと反応ができず、そのためク
ロメート皮膜で酸化皮膜を設け反応を促進しているわけ
である。また永久磁石体表面に直接ポリイミド樹脂を蒸
着する場合も、磁石体との密着強度を強くするためにク
ロメート皮膜で酸化皮膜を設けることが必要である。こ
こでシランカップリング剤は、ボンド磁石の場合はバイ
ンダーによって種々選択できるが、焼結磁石も含め、好
ましくはビニル基(−CH=CH2)をもったシランカ
ップリング剤、更に好ましくはr−メタアクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(CH2=CCH3COOC3
H6Si(OCH3)3)が良い。ここで酸化皮膜作成の
ための化成処理液は、クロム酸水溶液、クロム酸塩等種
々であり、いずれも効果があるが好ましくはクロム酸水
溶液が最も良い。コーティング材としてのポリイミド樹
脂は電気絶縁性、耐熱性、耐候性に優れていると共に硬
度が高いため、保護膜としても有効であり、本発明にお
けるような永久磁石のコーティング材として好適であ
る。コーティング材の蒸着方法は特に限定はしないが、
真空蒸着法が好ましい。ポリイミドの場合は、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)と4−4’ジアミンジフェ
ニルエーテル(ODA)を蒸着し、磁石体表面上にポリ
アミック酸を形成する。その後、加熱・脱水等によるイ
ミド化処理を行い、ポリイミドの皮膜を形成する。コ−
ティング膜厚は2〜15μmが好ましく、更に好ましく
は5〜10μmである。
き膜あるいは樹脂膜の上にも行え、ピンホールを埋める
ことができ耐食性は向上する。また、逆も行え、ポリイ
ミド樹脂の保護にもなる。更に、本発明において、クロ
メート皮膜は永久磁石体あるいはシランカップリング剤
との反応を促進させ、ひいてはポリイミドの密着性を向
上させるものであり、耐食性向上には不可欠である。即
ち、シランカップリング剤は縮合反応をするため永久磁
石体表面に酸化皮膜がないと反応ができず、そのためク
ロメート皮膜で酸化皮膜を設け反応を促進しているわけ
である。また永久磁石体表面に直接ポリイミド樹脂を蒸
着する場合も、磁石体との密着強度を強くするためにク
ロメート皮膜で酸化皮膜を設けることが必要である。こ
こでシランカップリング剤は、ボンド磁石の場合はバイ
ンダーによって種々選択できるが、焼結磁石も含め、好
ましくはビニル基(−CH=CH2)をもったシランカ
ップリング剤、更に好ましくはr−メタアクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(CH2=CCH3COOC3
H6Si(OCH3)3)が良い。ここで酸化皮膜作成の
ための化成処理液は、クロム酸水溶液、クロム酸塩等種
々であり、いずれも効果があるが好ましくはクロム酸水
溶液が最も良い。コーティング材としてのポリイミド樹
脂は電気絶縁性、耐熱性、耐候性に優れていると共に硬
度が高いため、保護膜としても有効であり、本発明にお
けるような永久磁石のコーティング材として好適であ
る。コーティング材の蒸着方法は特に限定はしないが、
真空蒸着法が好ましい。ポリイミドの場合は、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)と4−4’ジアミンジフェ
ニルエーテル(ODA)を蒸着し、磁石体表面上にポリ
アミック酸を形成する。その後、加熱・脱水等によるイ
ミド化処理を行い、ポリイミドの皮膜を形成する。コ−
ティング膜厚は2〜15μmが好ましく、更に好ましく
は5〜10μmである。
【0006】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 (実施例1)重量%で28.6Nd−3.8Dy−1.
0B−0.3Al−0.1Si−1.5Nb−残Feな
る組成を有する合金をア−ク溶解によって作成した。得
られたインゴットを水素処理し、得られたH2吸蔵によ
り自然破壊し、冷却した粗粒粉を脱水素処理し、32メ
ッシュ以下に粗粉砕した後ジェットミルで微粉砕した。
粉砕媒体はN2ガスであり粉砕粒度は3.5μm(F.
S.S.S)である。得られた微粉砕粉を15KOeの
磁場中で横磁場成形(加圧方向と磁場方向が直交)し
た。成形圧力は2ton/cm2である。得られた成形
体をAr雰囲気中で1100℃×1hr焼結し、焼結後
Ar気流中で放冷し、永久磁石を作成した。得られた永
久磁石体を濃度6.0g/l(PH1.3)の無水クロム
酸液に60℃×10分浸漬し、75℃で乾燥しクロメ−
ト皮膜を得、次いでr−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシランで処理し、80℃で1時間反応させポリ
イミド10μmを蒸着させ、テスト用サンプルを得た。
こうして得られた永久磁石を80℃・95%RHとPC
T(120℃・2気圧水蒸気中)試験前後で外観、テー
ピング剥離テスト(セロテープ幅18mm)及び80℃
・90%RH保持による重量変化(含水および酸化によ
る重量増)の測定を行った。その結果を表1及び図1に
示す。重量変化測定には電子天秤を用い、耐湿試験後3
0℃・40%RHにて2hr、更に大気中に1hr放置
後、重量測定に供した。
0B−0.3Al−0.1Si−1.5Nb−残Feな
る組成を有する合金をア−ク溶解によって作成した。得
られたインゴットを水素処理し、得られたH2吸蔵によ
り自然破壊し、冷却した粗粒粉を脱水素処理し、32メ
ッシュ以下に粗粉砕した後ジェットミルで微粉砕した。
粉砕媒体はN2ガスであり粉砕粒度は3.5μm(F.
S.S.S)である。得られた微粉砕粉を15KOeの
磁場中で横磁場成形(加圧方向と磁場方向が直交)し
た。成形圧力は2ton/cm2である。得られた成形
体をAr雰囲気中で1100℃×1hr焼結し、焼結後
Ar気流中で放冷し、永久磁石を作成した。得られた永
久磁石体を濃度6.0g/l(PH1.3)の無水クロム
酸液に60℃×10分浸漬し、75℃で乾燥しクロメ−
ト皮膜を得、次いでr−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシランで処理し、80℃で1時間反応させポリ
イミド10μmを蒸着させ、テスト用サンプルを得た。
こうして得られた永久磁石を80℃・95%RHとPC
T(120℃・2気圧水蒸気中)試験前後で外観、テー
ピング剥離テスト(セロテープ幅18mm)及び80℃
・90%RH保持による重量変化(含水および酸化によ
る重量増)の測定を行った。その結果を表1及び図1に
示す。重量変化測定には電子天秤を用い、耐湿試験後3
0℃・40%RHにて2hr、更に大気中に1hr放置
後、重量測定に供した。
【0007】(実施例2)実施例1と同様の方法で得ら
れた永久磁石体を濃度6.0g/l(PH1.3)の無水
クロム酸液に60℃×10分浸漬し、75℃で乾燥しク
ロメート皮膜を得、次いでポリイミド10μmを蒸着さ
せ、実施例1と同様の耐食テストを行った結果を表1及
び図1に示す。
れた永久磁石体を濃度6.0g/l(PH1.3)の無水
クロム酸液に60℃×10分浸漬し、75℃で乾燥しク
ロメート皮膜を得、次いでポリイミド10μmを蒸着さ
せ、実施例1と同様の耐食テストを行った結果を表1及
び図1に示す。
【0008】(比較例1)実施例1と同様の方法で得ら
れた永久磁石体にポリイミド10μmを蒸着させ、実施
例1と同様の耐食テストを行った結果を表1及び図1に
示す。
れた永久磁石体にポリイミド10μmを蒸着させ、実施
例1と同様の耐食テストを行った結果を表1及び図1に
示す。
【0009】(比較例2)実施例1と同様の方法で得ら
れた永久磁石体をr−メタアクリロキシプロピルトリメ
トキシシランで処理し、80℃で1時間反応させ次に、
ポリイミド10μmを蒸着させ実施例1と同様の耐食テ
ストを行った結果を表1及び図1に示す。
れた永久磁石体をr−メタアクリロキシプロピルトリメ
トキシシランで処理し、80℃で1時間反応させ次に、
ポリイミド10μmを蒸着させ実施例1と同様の耐食テ
ストを行った結果を表1及び図1に示す。
【0010】(比較例3)実施例2と同様の方法でエポ
キシ電着塗装20μmを行っただけの試料を実施例1と
同様の耐食テストを行った結果を表1及び図1に示す。
キシ電着塗装20μmを行っただけの試料を実施例1と
同様の耐食テストを行った結果を表1及び図1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】以上、表1の耐食テストの結果より、本願
発明のR−TM−B系永久磁石体表面にクロメ−ト皮膜
とポリイミド樹脂皮膜を積層する方法やクロメ−ト皮膜
とシランカップリング剤及びポリイミド樹脂皮膜を積層
することにより密着性、耐食性が向上することがわか
る。更に図1からも、従来法に比較して重量変化が少な
く耐食性が良好であることがわかる。
発明のR−TM−B系永久磁石体表面にクロメ−ト皮膜
とポリイミド樹脂皮膜を積層する方法やクロメ−ト皮膜
とシランカップリング剤及びポリイミド樹脂皮膜を積層
することにより密着性、耐食性が向上することがわか
る。更に図1からも、従来法に比較して重量変化が少な
く耐食性が良好であることがわかる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、従来不十分であったR
−TM−B系永久磁石の耐食性が良好なものが得られ
る。即ち、これはピンホ−ルがなく膜厚が均一で、しか
も密着性の良い膜が得られるためである。
−TM−B系永久磁石の耐食性が良好なものが得られ
る。即ち、これはピンホ−ルがなく膜厚が均一で、しか
も密着性の良い膜が得られるためである。
【図1】R−TM−B系永久磁石の酸化増量を示す図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 G
Claims (5)
- 【請求項1】 R(ここでRは、Yを含む希土類元素の
1種または2種類以上の組み合わせ)、TM(ここでT
Mは、Fe、Coを中心とする遷移金属であって、一部
を他の金属元素または非金属元素で置換してもよい)、
B(ホウ素)からなるR−TM−B系永久磁石体表面に
クロメ−ト皮膜とポリイミド樹脂皮膜を積層したことを
特徴とする高耐食性永久磁石。 - 【請求項2】 R(ここでRは、Yを含む希土類元素の
1種または2種類以上の組み合わせ)、TM(ここでT
Mは、Fe、Coを中心とする遷移金属であって、一部
を他の金属元素または非金属元素で置換してもよい)、
B(ホウ素)からなるR−TM−B系永久磁石体表面に
クロメ−ト皮膜とシランカップリング剤及びポリイミド
樹脂皮膜を積層したことを特徴とする高耐食性永久磁
石。 - 【請求項3】 R(ここでRは、Yを含む希土類元素の
1種または2種類以上の組み合わせ)、TM(ここでT
Mは、Fe、Coを中心とする遷移金属であって、一部
を他の金属元素または非金属元素で置換してもよい)、
B(ホウ素)からなるR−TM−B系永久磁石体表面を
クロム酸処理し、更にポリイミド樹脂を真空蒸着するこ
とを特徴とする高耐食性永久磁石の製造方法。 - 【請求項4】 R(ここでRは、Yを含む希土類元素の
1種または2種類以上の組み合わせ)、TM(ここでT
Mは、Fe、Coを中心とする遷移金属であって、一部
を他の金属元素または非金属元素で置換してもよい)、
B(ホウ素)からなるR−TM−B系永久磁石体表面を
クロム酸処理し、その後シランカップリング剤で表面処
理し、更にポリイミド樹脂を真空蒸着することを特徴と
する高耐食性永久磁石の製造方法。 - 【請求項5】 ポリイミド樹脂皮膜の膜厚が2〜15μ
mであることを特徴とする請求項1〜2に記載の高耐食
性永久磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6156288A JPH0822910A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 高耐食性永久磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6156288A JPH0822910A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 高耐食性永久磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0822910A true JPH0822910A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15624540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6156288A Pending JPH0822910A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 高耐食性永久磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0822910A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001160508A (ja) * | 1999-09-24 | 2001-06-12 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | R−Fe−B系永久磁石およびその製造方法 |
WO2006059603A1 (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-08 | Aichi Steel Corporation | モータ用永久磁石、モータ筐体及びモータ装置 |
JP2006156788A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Tdk Corp | 小型リング磁石及びそれを用いたムービングマグネット型モータ |
JP2014165992A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Ebara Corp | 真空ポンプ用モータロータ及びこれを備えるモータ並びに真空ポンプ |
-
1994
- 1994-07-07 JP JP6156288A patent/JPH0822910A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7812484B2 (en) | 2004-11-30 | 2010-10-12 | Aichi Steel Corporation | Permanent magnet for motor, motor housing, and motor device |
JP2014165992A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Ebara Corp | 真空ポンプ用モータロータ及びこれを備えるモータ並びに真空ポンプ |
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