JPH08228676A - 乳成分含有飲料 - Google Patents

乳成分含有飲料

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JPH08228676A
JPH08228676A JP7144075A JP14407595A JPH08228676A JP H08228676 A JPH08228676 A JP H08228676A JP 7144075 A JP7144075 A JP 7144075A JP 14407595 A JP14407595 A JP 14407595A JP H08228676 A JPH08228676 A JP H08228676A
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milk
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文子 吉田
Hitoshi Murakami
斎 村上
Keizo Tsuji
慶三 辻
Taketo Ifuku
威人 伊福
Tomotaka Ootsuki
智香 大槻
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Riken Vitamin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 乳成分を含有する飲料において、高温で長期間保存して
も、耐熱性芽胞菌胞子の発芽及び増殖がなく保存性の優
れた飲料製品を提供する。 【構成】 乳化剤としてミリスチン酸及び/又はパルミ
チン酸の合計量が70重量%以上の脂肪酸組成で構成され
るジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物を含有する乳
成分を含む飲料製品。 【効果】 本発明による、ミリスチン酸及び/又はパル
ミチン酸の合計量が70重量%以上の脂肪酸組成で構成さ
れ、かつモノエステル含量が70%以上であるジグリセリ
ン脂肪酸モノエステル組成物を配合することにより、乳
成分を含む飲料において、耐熱性の芽胞菌胞子の発芽及
び増殖が抑制され、フラットサワー変敗が防止されるた
め高温で長期間の保存が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性の芽胞菌胞子の発
芽及び増殖が抑制されフラットサワー変敗の防止された
乳成分含有飲料に関する。さらに詳しくは、ミリスチン
酸及び/又はパルミチン酸の合計量が70重量%以上の脂
肪酸組成で構成され、かつモノエステル含有量が70重量
%以上であるジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物を
配合することを特徴とする、耐熱性芽胞菌胞子の発芽及
び増殖が抑制され、自動販売機による加温販売に適する
保存性の優れた乳成分含有飲料製品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】果汁飲料、清涼飲料、栄養飲料等数多い
種類の缶飲料が市販されているが、その中にあって、嗜
好飲料としての紅茶あるいはコーヒー飲料は冷熱両面で
の飲用が可能なこともあり、年間を通して大きな市場を
有している。これら紅茶あるいはコーヒー飲料には多種
の製品があるが、大きくは乳成分を含有するものとしな
いものとに分類され、前者がその大半を占めている。
【0003】その乳成分としては、生牛乳、生クリー
ム、全脂粉乳、脱脂粉乳、インスタントクリーミングパ
ウダー(ICP)などが使用され、風味の向上、まろや
かさの付与等の食味の向上等の効果を有する。使用され
る乳の種類、配合量は多種多様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら紅茶あるいはコ
ーヒー缶飲料は、商業的には通常レトルト加熱滅菌が施
されるが、乳成分を含有する製品においては、この滅菌
処理条件では耐熱性芽胞菌B.stearothermophilusおよび
C.thermoaceticumの胞子が残存する場合がある。これら
残存耐熱性芽胞菌胞子は常温保存においては成育性はな
く、そのような貯蔵条件では通常品質上の問題は生じな
いが、嗜好性のため、あるいは冬期の飲食のため、自動
販売機で45〜65℃、例えば55℃の如き加温状態で保存さ
れる場合には、残存耐熱性芽胞菌胞子は発芽し当該菌の
増殖による変敗が生じ飲食適性(商品性)を失うことが
ある。
【0005】このような耐熱性芽胞菌胞子を完全に死滅
させるには、滅菌温度をさらに高くして行う方法もある
が、かかる高温条件においては製品に物理的・化学的な
悪影響を及ぼし、風味的にも嗜好性を満足しないものと
なり、一定温度以上に滅菌温度を上げることは好ましく
ない。
【0006】一方、蔗糖脂肪酸エステルを添加する方法
(特公昭62− 33860号公報)や、ポリグリセリン脂肪酸
エステルと蔗糖脂肪酸エステルを併用する方法(特公昭
62−215345号公報)等が提案されているが、これらは乳
成分の配合量の多い飲料では発芽及び増殖抑制効果が不
十分で変敗を完全に抑えることができない場合が生じ
る。また、それらの添加量を多くするとそれらエステル
の苦味やエグ味等の味が表に出てきて飲料の風味を損な
う問題もある。
【0007】本発明は、乳成分を含む飲料において滅菌
温度条件を不都合に上昇させることなく、あるいは滅菌
温度条件を緩和しても、耐熱性芽胞菌胞子の発芽及び増
殖を抑制し、当該乳飲料を加温状態にて長期間保存した
場合にも、残存する耐熱性芽胞菌胞子の発芽・増殖によ
る変敗を防止し、かつ風味の良好な乳成分含有の飲料を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明は、構成する脂肪酸
が主としてミリスチン酸及び/又はパルミチン酸とから
なり、それらの合計量が70重量%以上であり、かつ、構
成するジグリセリン脂肪酸エステル混合物中のモノエス
テル含有量が70重量%以上であるジグリセリン脂肪酸モ
ノエステル組成物を乳成分含有飲料に添加することによ
り、耐熱性芽胞菌によるフラットサワー変敗が防止され
ることを見出し本発明に到達したものである。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物は、
ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、ジグリセリ
ンと脂肪酸メチル等の他のエステルとのエステル交換反
応、あるいは、ジグリセリンの脂肪酸ハライドによるエ
ステル化等によって得られたエステル混合物を、蒸留分
別、吸着クロマト分離、あるいは液抽出分離等の方法に
より分離生成して得られるが、通常は分子蒸留法により
目的にあった組成物が得られ、効率的、経済的である。
しかしながら、これらの方法に固定されるものではな
い。
【0010】本発明に用いられるジグリセリン脂肪酸モ
ノエステル組成物の構成脂肪酸は、主としてミリスチン
酸及び/又はパルミチン酸とからなり、それらの合計量
が70重量%以上、好ましくは90重量%以上含有されてい
ることが望ましい。70重量%未満の場合では、耐熱性芽
胞菌胞子の発芽及び増殖抑制効果が不十分となり、好ま
しくない。
【0011】また、本発明に用いられるジグリセリン脂
肪酸モノエステル組成物の、エステル混合物中に占める
モノエステル含有量は70重量%以上、さらに好ましくは
80重量%以上であることが好ましい。70重量%未満の場
合は、耐熱性芽胞菌胞子の発芽及び増殖抑制効果が不十
分となり好ましくない。
【0012】本発明の乳成分含有飲料としては、コーヒ
ー飲料、ココア飲料、あるいは紅茶飲料等があり、いず
れにも適用できるが、また、これらに限定されるもので
はない。
【0013】本発明のジグリセリン脂肪酸モノエステル
組成物の添加方法は、飲料中に直接添加するか、水ある
いは乳成分中に配合して添加してもよい。
【0014】添加量は乳成分含有飲料に対し、0.01〜
1.0重量%、好ましくは0.01〜 0.5重量%である。0.01
重量%未満では耐熱性芽胞菌胞子の発芽及び増殖抑制効
果が不十分であり、 1.0重量%より多い添加量では風味
に影響を及ぼすおそれがある。
【0015】また、本発明のジグリセリン脂肪酸モノエ
ステル組成物と共に、グリセリン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸クエン酸エステル、グリセリン脂肪酸コハ
ク酸エステル、グリセリン脂肪酸ジアセチル酒石酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、あるいはレシチン等の乳化剤を必要
に応じ併用してもよい。
【0016】このようにして得られる乳成分含有飲料
は、ジグリセリン脂肪酸モノエステルの耐熱性芽胞菌胞
子の発芽あるいは増殖を抑制する効果により、それらの
菌に由来するフラットサワー変敗を防止し、風味が良好
で、保存性に優れた製品となる。
【0017】特に、本発明によれば、ジグリセリン脂肪
酸モノエステルの制菌作用により、密閉容器入りの乳成
分含有飲料を自動販売機により加温販売しても、耐熱性
菌の発芽増殖による製品の変敗を防止することができ
る。しかも内容液の分離、変色、pHの変化、苦味、エ
グみの発生等製品の品質の劣化を生じることがない。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明する。 (実施例1〜3、比較例1〜9)コーヒー豆抽出液 4K
g、グラニュー糖 0.8Kg、牛乳4Kg、全脂粉乳 1.2Kgを
混合し、表1に示した各種乳化剤を5g配合した(乳脂
肪 1.5%)。これを予備乳化後、ピストホモゲナイザー
により、 150Kg/cm2 にて均質化を行なった。次に得ら
れたコーヒー乳飲料を 250cc毎に分注(40本)し、芽胞
懸濁液(B.stearothermophilus、濃度104 コ/ml)を1
ml添加、 121℃・1分加熱滅菌した後55℃下に30日間保
存し、40本中の変敗本数を測定した。これらの結果を表
1に併せて示す。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例4〜5、比較例10〜14)コーヒー
豆抽出液 7.6Kg、グラニュー糖 600g、牛乳 960cc、脱
脂粉乳 830g、重層10gを混合し、表2に示した各種乳
化剤を10g配合した(乳脂肪 2.5%)。これを予備乳化
後、ピストホモゲナイザーにより、 150Kg/cm2 にて均
質化を行なった。次に得られたコーヒー乳飲料を 250cc
毎に分注(40本)し、芽胞懸濁液(C.thermoaceticum、
濃度104 コ/ml)を1ml添加、 121℃・20分加熱滅菌し
た後55℃下に30日間保存し、40本中の変敗本数を測定し
た。これらの結果を表2に併せて示す。
【0021】
【表2】
【0022】(実施例6〜8)次に、本発明者らは、缶
等の密閉容器入り乳成分含有飲料を自動販売機により加
温販売しても耐熱性菌の発芽増殖による製品の変敗を防
止することができるジグリセリンモノパルミテートの添
加量を見出すため、試験対象耐熱性菌としてB.stearoth
ermophilus(濃度 6.9×103 /mlの芽胞懸濁液)および
C.thermoaceticum(濃度 2.4×104 /ml)の芽胞懸濁
液)を使用して、以下の実施例に示すように、缶入りミ
ルク入りコーヒー(ノーマルタイプ)、缶入りカフェオ
ーレ、および缶入りコーヒー牛乳について、種々の濃度
のジグリセリンモノパルミテートを添加した場合の変敗
の有無、製品の安定性およびフレーバーについて試験し
た。添加ジグリセリンモノパルミテートとしては上記し
た実施例2で添加した乳化剤(理研ビタミン株式会社製
のDP−100 )を使用した。また、ジグリセリンモノパ
ルミテートとの比較のため、ジグリセリンモノパルミテ
ートに代えて蔗糖脂肪酸エステルP−1670を使用して同
様の試験を行った。
【0023】試験缶詰製造に際しては、各低酸性飲料の
内容液を調合し取分けた後60℃で加温してDP−100
(またはP−1670)を添加溶解し、内容液をホモゲナイ
ザー(150+50Kg/cm2 )で均質化した。次にこの内容
液を90℃で 200g缶にホットパックした後各缶に上記2
種類の耐熱性菌のいずれかの芽胞懸濁液 1mlを接種し、
巻締めた後レトルト殺菌を行った。各試験区の製造缶数
は30缶である。
【0024】実施例6 次の成分組成のミルク入りコーヒー(ノーマルタイプ)
モデル液を調合した。
【0025】 コーヒー抽出液(Brix9) 26.5Kg グラニュー糖 18.75 脱脂粉乳 2.0 全脂粉乳 2.0 重曹 0.2 水 200.55 250.0Kg 上記製造方法および配合に従って試験缶詰を製造した。
DP−100 またはP−1670の添加量は0ppm 、100ppm、
200ppm、300ppmであった。またレトルト殺菌条件は、B.
stearothermophilus接種の場合 115℃、4分(F0 値1.
01、1.02)、C.thermoaceticum接種の場合 123℃、15分
(F0 値22.51 、22.89 )であった。
【0026】試験缶詰を55℃で4週間保存後全数開缶
し、目視及びpH測定により変敗缶の有無を調べた。そ
の結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3から、ジグリセリンモノパルミテート
の添加量の下限値は 200ppm であることが判る。またC.
thermoaceticumに対しジグリセリンモノパルミテート20
0ppmで充分な制菌効果を奏するが、蔗糖脂肪酸エステル
は最低300ppmを必要とし、同一の制菌効果を得るために
必要なジグリセリンモノパルミテートの添加量は蔗糖脂
肪酸エステルよりも少量であることが判る。
【0029】また、蔗糖脂肪酸エステルはもともと乳成
分含有飲料の乳化剤として添加されていたものであり、
耐熱性菌に対する制菌作用の他に乳成分含有飲料中のク
リームの経時的分離を防止する等製品を安定化させる作
用を有するものであるが、蔗糖脂肪酸エステルに代えて
ジグリセリンモノパルミテートを使用した場合の製品の
安定性を調べるため、レーザー解析粒径測定装置HOR
IBA−LA500 を用いて缶詰の製造直後、55℃で2週
間保存後および55℃で4週間保存後の各サンプルの粒径
を測定した。その結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】表4から明らかなように、ジグリセリンモ
ノパルミテート添加の場合、メジアン径、1μm以下の
粒子の比率において製造直後の値と55℃で4週間保存後
の値には有意差はなく、製品は蔗糖脂肪酸エステル添加
の場合と同等の安定性を示した。
【0032】また、サンプル缶詰を製造直後、55℃で2
週間保存後、55℃で4週間保存後の状態においてそれぞ
れ試験管に移し、室温で12時間以上放置した後、試料を
静かに転倒させた時の沈澱量、静置時のクリーム分離量
および軽く振とうした時の分離クリームの再分散性につ
いて、ガラスを通して目視観察を行った。その結果を表
5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】表5から明らかなように、ジグリセリンモ
ノパルミテート添加の場合、沈澱量、クリームの分離お
よび再分散性とも実質的に経時変化はなく、蔗糖脂肪酸
エステル添加の場合と同等の安定性を示した。
【0035】また、サンプル缶詰を製造直後、55℃で
1週間、2週間、3週間、4週間保存後のpHと色調を
調べた。その結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】表6から、ジグリセリンモノパルミテート
添加の場合、pH、色調とも実質的に経時変化は少な
く、蔗糖脂肪酸エステル添加の場合と同等の安定性を示
した。
【0038】また、ジグリセリンモノパルミテート添加
の場合の製品のフレーバーを試験するため、製造直後よ
り冷蔵保存(0週)と55℃で4週間保存後のサンプル缶
詰のフレーバー試験を行った。3点式識別試験法によ
り、P−1670を300ppm添加した場合の0週対4週の比
較、DP−100 を300ppm添加した場合の0週対4週の比
較、およびP−1670を300ppm添加した場合とDP−100
を300ppm添加した場合の各4週間後の比較を行い、さら
に識別試験結果正解者により嗜好試験を行った。その結
果を表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】表7に示されるとおり、300ppmの添加量に
おいては識別試験、嗜好試験ともジグリセリンモノパル
ミテートと蔗糖脂肪酸エステルとの間に有意差は生じな
かった。
【0041】さらに、ジグリセリンモノパルミテートの
官能面における添加上限量を決定するため、種々の濃度
でDP−100 を加温溶解し、冷却後試飲して官能面にお
ける添加上限量を決定した。その結果を表8に示す。
【0042】
【表8】
【0043】表8から、ミルク入りコーヒーにおけるジ
グリセリンモノパルミテートの添加上限量は600ppmであ
ることが判る。
【0044】実施例7 次の成分組成のカフェオーレモデル液を調合した。
【0045】 コーヒー抽出液(Brix9) 26.5kg グラニュー糖 18.75 3.5牛乳 52.5 SE(S−570 ) 0.025 重曹 0.2 水 152.025 250.0Kg 上記配合に従って試験缶詰を製造した。なお、製造方法
は実施例6と同一であった。DP−100 またはP−1670
の添加量は0ppm 、200ppm、300ppm、400ppm、500ppmで
あった。またレトルト殺菌条件は、B.stearothermophil
us接種の場合115 ℃、4分(F0 値1.01、1.02)、C.th
ermoaceticum接種の場合 123℃、15分(F0 値22.51 、
22.89 )であった。
【0046】さらに、C.thermoaceticumの 7.9×104 m
/l 芽胞懸濁液を 1ml接種したカフェオーレに対しDP
−100 またはP−1670の添加量を600ppm、700ppmとし、
レトルト殺菌条件を 123℃、15分(F0 値22.79 )とし
て追加試験を行った。
【0047】各試験缶詰を55℃で4週間保存後全数開缶
し、目視及びpH測定により変敗缶の有無を調べた。そ
の結果を表9に示す。
【0048】
【表9】
【0049】表9から、ジグリセリンモノパルミテート
の添加量の下限値は500ppmであることが判る。またC.th
ermoaceticumに対しジグリセリンモノパルミテートは50
0ppmで充分な制菌効果を奏するが、蔗糖脂肪酸エステル
は最低600ppmを必要とし、同一の制菌効果を得るために
必要なジグリセリンモノパルミテートの添加量は蔗糖脂
肪酸エステルよりも少量であることが判る。
【0050】また、ジグリセリンモノパルミテートを使
用した場合の製品の安定性を調べるため、実施例6と同
一の方法により各サンプルの粒径を測定した。その結果
を表10に示す。
【0051】
【表10】
【0052】表10から明らかなように、ジグリセリンモ
ノパルミテート添加の場合、メジアン径、1μm以下の
粒子の比率において製造直後の値と55℃で4週間保存後
の値には有意差はなく、製品は蔗糖脂肪酸エステル添加
の場合と同等の安定性を示した。
【0053】また、実施例6と同一方法により、沈澱
量、クリームの分離および再分散性について試験した。
その結果を表11に示す。
【0054】
【表11】
【0055】表11において、ジグリセリンモノパルミテ
ート添加の場合、沈澱量およびクリームの再分散性にお
いては経時変化はほとんどなかったが、クリームの分離
性については、壁に沿って濃く中心に薄くなる傾向が製
造直後から見られた。しかしこの程度の分離性は他の公
知の乳化剤を小量添加することにより容易に解消しうる
ものである。
【0056】また、サンプル缶詰を製造直後、55℃で1
週間、2週間、3週間、4週間保存後のpHと色調を調
べた。その結果を表12に示す。
【0057】
【表12】
【0058】表12から、ジグリセリンモノパルミテート
添加の場合、pH、色調とも実質的に経時変化は少な
く、蔗糖脂肪酸エステル添加の場合と同等の安定性を示
した。
【0059】また、ジグリセリンモノパルミテート添加
の場合の製品のフレーバーを試験するため、実施例6と
同一の方法によりサンプル缶詰のフレーバー試験を行っ
た。P−1670またはDP−100 の添加量はそれぞれ600p
pmであった。その結果を表13に示す。
【0060】
【表13】
【0061】表13に示されるとおり、ジグリセリンモノ
パルミテート添加の場合のフレーバーの経時変化では有
意義を生じたが、600ppmの添加量においては識別試験、
嗜好試験ともジグリセリンモノパルミテートと蔗糖脂肪
酸エステルとの間に有意差は生じなかった。
【0062】カフェオーレにおけるジグリセリンモノパ
ルミテート添加上限量については特に試験は行わなかっ
たが、他の乳成分含有飲料についての添加上限量が試験
の結果制菌効果の得られる添加量の約2倍量であること
が判ったので、カフェオーレにおけるジグリセリンモノ
パルミテート添加上限量は制菌効果の得られる500ppmの
2倍量である1,000ppmであると推定される。
【0063】実施例8 市販コーヒー牛乳を使用し、実施例6と同じ製造方法に
従って試験缶詰を製造した。DP−100 またはP−1670
の添加量は0ppm 、600ppm、800ppm、1000ppm、1200ppm
であった。
【0064】またレトルト殺菌条件はB.stearothermoph
ilus接種の場合 115℃、4分(F0値1.10、1.03)、C.t
hermoaceticum接種の場合 123℃、15分(F0 値22.22
、22.42 )であった。
【0065】さらに、C.thermoaceticumの 7.9×104 m
/l 芽胞懸濁液を 1ml接種したコーヒー牛乳に対しDP
−100 またはP−1670の添加量を1,500ppmとし、レトル
ト殺菌条件を 123℃、15分(F0 値22.87 、23.12 )と
して追加試験を行った。
【0066】各試験缶詰を55℃で4週間保存後全数開缶
し、目視及びpH測定により変敗缶の有無を調べた。そ
の結果を表14に示す。
【0067】
【表14】
【0068】表14から、ジグリセリンモノパルミテート
の添加量の下限値は1,500ppmであることが判る。またB.
stearothermophilusに対しジグリセリンモノパルミテー
トは1,000ppmで充分な制菌効果を奏するが、蔗糖脂肪酸
エステルは1,200ppmを添加しても充分な制菌効果が得ら
れないことが判る。
【0069】また、ジグリセリンモノパルミテートを使
用した場合の製品の安定性を調べるため、実施例6と同
一の方法により各サンプルの粒径を測定した。その結果
を表15に示す。
【0070】
【表15】
【0071】表15から明らかなように、ジグリセリンモ
ノパルミテート添加の場合、メジアン径、1μm以下の
粒子の比率、最大粒径とも製造直後の値と55℃で4週間
保存後の値には有意差はなく、製品は蔗糖脂肪酸エステ
ル添加の場合と同等の安定性を示した。
【0072】また実施例6と同一方法により、沈澱量、
クリームの分離および再分散性について試験した。その
結果を表16に示す。
【0073】
【表16】
【0074】表16から明らかなように、ジグリセリンモ
ノパルミテート添加の場合、沈澱量、クリームの分離お
よび再分散性とも実質的に経時変化はなく、蔗糖脂肪酸
エステル添加の場合と同等の安定性を示した。
【0075】また、サンプル缶詰を製造直後、55℃で1
週間、2週間、3週間、4週間保存後のpHと色調を調
べた。その結果を表17に示す。
【0076】
【表17】
【0077】表17から、ジグリセリンモノパルミテート
添加の場合、pH、色調とも実質的に経時変化はなく、
蔗糖脂肪酸エステル添加の場合と同等の安定性を示し
た。
【0078】また、ジグリセリンモノパルミテート添加
の場合の製品のフレーバーを試験するため、実施例6と
同一の方法によりサンプル缶詰のフレーバー試験を行っ
た。その結果を表18に示す。
【0079】
【表18】
【0080】表18に示されるとおり、1,500ppmの添加量
においては識別試験、嗜好試験ともジグリセリンモノパ
ルミテートと蔗糖脂肪酸エステルとの間に有意差は生じ
なかった。
【0081】さらに、実施例6と同様の方法で官能面に
おける添加上限量を決定した。その結果を表19に示す。
【0082】
【表19】
【0083】表19から、コーヒー牛乳におけるジグリセ
リンモノパルミテートの添加上限量は3,000ppmであるこ
とが判る。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明のジグリセリン脂
肪酸モノエステル組成物を添加した乳成分含有飲料は、
耐熱性芽胞菌胞子の発芽及び増殖が抑制され、フラット
サワー変敗が防止されるため、自動販売機における高温
長期間保存が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊福 威人 東京都大田区中央2−20−7 (72)発明者 大槻 智香 神奈川県中郡二宮町山西675−8

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物
    を含むことを特徴とする乳成分含有飲料。
  2. 【請求項2】 乳成分を含む飲料にジグリセリン脂肪酸
    モノエステル組成物を配合したことを特徴とする耐熱性
    芽胞菌成育抑制効果を有する乳成分含有飲料。
  3. 【請求項3】 エステルを構成する脂肪酸組成が、ミリ
    スチン酸及び/又はパルミチン酸の合計量が70重量%以
    上であり、モノエステル含量が70重量%以上のジグリセ
    リン脂肪酸モノエステル組成物を配合した請求項1又は
    請求項2記載の乳成分含有飲料。
  4. 【請求項4】 該乳成分含有飲料はジグリセリン脂肪酸
    モノエステル組成物を 200〜 600ppm 添加したミルク入
    りコーヒーであることを特徴とする請求項3記載の乳成
    分含有飲料。
  5. 【請求項5】 該乳成分含有飲料はジグリセリン脂肪酸
    モノエステル組成物を 500〜1,000ppm添加したカフェオ
    ーレであることを特徴とする請求項3記載の乳成分含有
    飲料。
  6. 【請求項6】 該乳成分含有飲料はジグリセリン脂肪酸
    モノエステル組成物を 1,500〜3,000ppm添加したコーヒ
    ー牛乳であることを特徴とする請求項3記載の乳成分含
    有飲料。
  7. 【請求項7】 ジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物
    を用いて耐熱性芽胞菌による乳成分含有飲料の変敗を防
    止する方法。
  8. 【請求項8】 ジグリセリン脂肪酸モノエステル組成物
    を有効成分とする乳成分含有飲料用乳化剤。
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