JP3506576B2 - 乳成分含有飲料及びその乳化剤 - Google Patents

乳成分含有飲料及びその乳化剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー、紅茶、
ココア等の乳成分を含有する飲料に関し、更に詳しく
は、耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖が抑制され、且つ
含有されている乳成分の凝集、オイルオフ、フェザーリ
ング、沈殿、ネックリングなどの問題が生じることを抑
制することができる、安定した乳成分含有飲料に関す
る。
【0002】本発明は、アルミニウムやスチール等の金
属缶入り、ガラスや陶磁器等のビン入り、紙製や合成樹
脂製等の各種容器入りの状態で保存ないし流通される乳
成分含有飲料に適用される。
【0003】
【従来の技術】コーヒー、紅茶、ココア等の飲料の殆ど
には、風味の向上、まろやかさの付与などのために、乳
成分が含有されている。使用される乳成分の種類、使用
量は多種多様であるが、生牛乳、生クリーム、全脂粉
乳、脱脂粉乳、インスタントクリーミングパウダー(I
CP)等が使用されている。
【0004】乳成分含有飲料は、長期にわたって保存さ
れた場合、乳成分の分離、オイルオフ、フェザーリン
グ、沈殿、ネックリング等の問題が生じ、飲食特性(商
品性)が失われることがある。更に、乳成分含有飲料
は、通常レトルト加熱減菌処理が行なわれるが、この処
理の条件では耐熱性芽胞菌の胞子が残存する場合があ
る。そこで乳成分含有飲料が自動販売機などで低温保存
状態で貯蔵・販売される場合には、残存した耐熱性芽胞
菌の胞子が発芽・増殖することが少なく、品質上の問題
は生じない。然しながら、例えば55℃の如き加温状態
に置かれた場合には、残存した耐熱性芽胞菌の胞子が発
芽・増殖して、飲料内容物にフラットサワー変敗を生じ
させる結果、飲食適性(商品性)が失われることがあ
る。
【0005】耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖を防止し
て飲料内容物の変敗を防ぎ、同時に物理的化学的変化に
よって生じる悪影響を防ぐための方法として、ラウリン
酸とミリスチン酸とから成るポリグリセリン脂肪酸エス
テルとグリセリン酸脂肪酸エステルとを併用する方法
(特開平6−121640号)や、ショ糖脂肪酸エステ
ルとグリセリンクエン酸脂肪酸エステルとを併用する方
法(特開平5−15349号)等が提案されているが、
前者は、低級脂肪残であるラウリン酸が著しく風味を害
し、また抗菌効果も不十分であり、後者は、ショ糖脂肪
酸エステルを用いているため、耐熱性芽胞菌の胞子の発
芽・増殖を防止する効果が不足であり満足できるもので
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記から明らかなよう
に、通常の温度条件で滅菌処理するだけでよく、しかも
通常のレトルト滅菌処理を行なった後に高温状態で保存
した場合であっても耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖す
ることが抑制され、乳成分含有飲料内容物が長期にわた
って物理的化学的変化を生じないように考慮された乳成
分含有飲料を明らかにすることを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記構成によって達成される。 1.トリ、テトラ、ペンタグリセリンの内、1種類又は
2種類以上の混合物からなるポリグリセリンと脂肪酸を
エステル化して得られる混合物を分離精製して得られる
ポリグリセリン脂肪酸モノエステルであって、該エステ
ル中のモノエステル含有量が50重量%以上であるポリ
グリセリン脂肪酸モノエステルを有効成分とすることを
特徴とする乳成分含有飲料用の乳化剤。 2.下記(a)、(b)又は(c)に記載の混合物であ
るポリグリセリンと脂肪酸をエステル化して得られる混
合物を分離精製して得られるポリグリセリン脂肪酸モノ
エステルであって、該エステル中のモノエステル含有量
が50重量%以上であるポリグリセリン脂肪酸モノエス
テルを有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料
用の乳化剤。 (a)ジグリセリン、トリグリセリン及びテトラグリセ
リンの混合物 (b)ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン及びペンタグリセリンの混合物 (c)トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリ
セリン及びヘキサグリセリンの混合物
【0008】3.トリグリセリンを90重量%含有する
ポリグリセリンと脂肪酸をエステル化して得られる混合
物を分離精製して得られるポリグリセリン脂肪酸モノエ
ステルであって、該エステル中のモノエステル含有量が
50重量%以上であるポリグリセリン脂肪酸モノエステ
ルを有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料用
の乳化剤。 4.ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを構成する脂肪
酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸の内、1種類又は2種類以上の混合物からなり、
且つ、その合計量が70重量%以上であることを特徴と
する前記1、2又は3に記載の乳成分含有飲料用の乳化
剤。 5.前記1〜4のいずれかに記載の乳化剤が含有されて
いることを特徴とする乳成分含有飲料。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で乳化剤として用いられる
ポリグリセリン脂肪酸モノエステルはトリ、テトラ、ペ
ンタグリセリンの内、1種類又は2種類以上の混合物か
ら成るポリグリセリンと脂肪酸をエステル化して得られ
た混合物を蒸留分別、液液抽出分離、クロマト分離等の
方法により分離精製して得られるものである。
【0010】本発明で乳化剤として用いられるポリグリ
セリン脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸は、主とし
て、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸の内1種類又は2種類以上の混合物から成り、そ
れらの合計量が70wt%以上であり、好ましくは90
wt%以上含有されていることが望ましい。70wt%
未満の場合には、耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖を抑
制する効果が不十分で好ましくない。
【0011】また、本発明で用いられるポリグリセリン
脂肪酸モノエステルのエステル混合物中に占めるモノエ
ステル含有量は50wt%以上である。ジエステル以上
の多価エステルや遊離のポリグリセリン等には耐熱性芽
胞菌の胞子の発芽・増殖を抑制する効果が殆どなく、モ
ノエステル含有量が50wt%未満の場合では、耐熱性
芽胞菌の胞子の発芽・増殖を抑制する効果が不十分とな
り好ましくない。
【0012】市販されているポリグリセリンは、一般
に、多種重合度のポリグリセリンの混合物であり、重合
度分布が広く、環状のポリグリセリンも存在する。例え
ば、テトラグリセリンと名付けられているものでも、そ
れはあくまでも水酸基価から算出された重合度である。
よって、そのようなポリグリセリンを使用して脂肪酸と
エステル化反応を行なっても、多種重合度のポリグリセ
リンエステルの多種エステル化度のエステルが得られ、
モノエステル含有量を高めることは難しく、更に、エス
テル化した反応品を抽出等により精製してもモノエステ
ル含有量を高めることは難しい。
【0013】本発明の乳化剤を使用するには、乳成分含
有飲料中に直接添加するか、乳成分含有飲料を構成する
水或いは乳成分中に配合して添加するようにしてもよ
い。後述するように、本発明の乳化剤を添加することに
より、Bacillus stearothermo
philus,Clostridium therm
o−aceticum, Desulfotomacu
kum nigrificans等の耐熱性芽胞菌の
胞子の発芽・増殖を抑制することができる。このような
効果が期待できる乳化剤の最小有効濃度は、1ppmで
あるが、添加量としては、乳成分含有飲料に対し100
〜10000ppmが好ましく、より好ましくは、10
0〜5000ppmである。100ppm未満では耐熱
性芽胞菌の胞子の発芽・増殖を抑制する効果が不十分で
あり、10000ppmを越える添加量では味を損ねる
ので好ましくない。
【0014】本発明における乳化剤は、ポリグリセリン
脂肪酸モノエステルを有効成分とするものであり、ポリ
グリセリン脂肪酸モノエステルの特徴、利点を損なわな
い範囲で、グリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリン脂
肪酸モノエステルを含む)、グリセリンクエン酸脂肪酸
エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセ
リンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸ジ以上の多価エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、又は、レ
シチン等の乳化剤との併用も可能である。
【0015】このようにして得られる乳成分含有飲料
は、本発明のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの耐熱
性芽胞菌の胞子の発芽及び増殖を抑制する効果により、
それらの菌に由来するフラットサワー変敗が防止され、
風味が良好で、保存性に優れた製品となる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果を例証す
る。 実施例1(トリグリセリン脂肪酸モノエステル) グリセリン20KgにCaOを40g加え、260℃で
3時間グリセリンの縮合反応を行なった後、HPO
を72g添加して中和し、冷却した。得られた組成物
は、グリセリン59wt%、ジグリセリン23wt%、
トリグリセリン12wt%、テトラグリセリン5wt
%、ペンタグリセリン1wt%であった。この組成物を
分子蒸留にて蒸留温度を上げながら、順にフラクション
を留去し、トリグリセリン90wt%のフラクションを
得た。このトリグリセリンを活性炭処理して精製した後
に、高純度のラウリン酸(純度99%)、ミリスチン酸
(純度99%)、パルミチン酸(純度96%)を、それ
ぞれ1:1(モル比)で仕込み260℃で1時間エステ
ル化反応を行なった。得られた反応物をヘキサンと90
%メタノールにて抽出し、90%メタノール側の抽出物
を更にクロロホルムと水で抽出した。クロロホルム側に
残存した抽出物より以下の乳化剤(トリグリセリン脂肪
酸モノエステル)を得た。 乳化剤1A:トリグリセリンモノラウレート(モノエス
テル含有量70wt%) 乳化剤1B:トリグリセリンモノミリステート(モノエ
ステル含有量80wt%) 乳化剤1C:トリグリセリンモノパルミテート(モノエ
ステル含有量83wt%)
【0017】実施例2(テトラグリセリン脂肪酸モノエ
ステル) 実施例1と同様のグリセリン縮合反応を行ない、分子蒸
留にて蒸留温度を上げながら順にフラクションを留去
し、最終的に残った残渣よりテトラグリセリン70%の
組成物を得た。このテトラグリセリンを活性炭処理して
精製した後、高純度のラウリン酸、ミリスチン酸、ステ
アリン酸(純度97%)を用いて実施例1と同様のエス
テル化反応及び抽出を行ない、以下の乳化剤(テトラグ
リセリン脂肪酸モノエステル)を得た。 乳化剤2A:テトラグリセリンモノラウレート(モノエ
ステル含有量63wt%) 乳化剤2B:テトラグリセリンモノミリステート(モノ
エステル含有量76wt%)乳化剤2C:テトラグリセ
リンモノステアレート(モノエステル含有量82wt
%)
【0018】実施例3(ペンタグリセリン脂肪酸モノエ
ステル) 反応時間を、5時間にする以外は実施例1と同様のグリ
セリン縮合反応を行ない、グリセリン30wt%、ジグ
リセリン29wt%、トリグリセリン25wt%、テト
ラグリセリン10wt%、ペンタグリセリン5wt%、
へキサグリセリン1wt%の組成物を得た。この組成物
を分子蒸留にて蒸留温度を上げながら順にフラクション
を留去し、最終的に残った残渣よりトリグリセリン13
wt%、テトラグリセリン63wt%、ペンタグリセリ
ン20wt%、へキサグリセリン4wt%の組成物を得
た。この組成物を活性炭処理にて精製した後、高純度の
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸を用い実施
例1と同様のエステル化反応を行ない、得られた反応品
を薄層クロマトグラフ(展開液:クロロホルム45、メ
タノール5)にて繰り返し抽出し、以下の乳化剤(ペン
タグリセリン脂肪酸モノエステル)を得た。 乳化剤3A:ペンタグリセリンモノミリステート(モノ
エステル含有量53wt%)乳化剤3B:ペンタグリセ
リンモノパルミテート(モノエステル含有量53wt
%)乳化剤3C:ペンタグリセリンモノステアレート
(モノエステル含有量56wt%)
【0019】比較例1 実施例1において得られたトリグリセリンと高純度のオ
レイン酸(純度80%)とを用い実施例1と同様のエス
テル化反応及び抽出を行ない、以下の比較物(トリグリ
セリン脂肪酸モノエステル)を得た。 比較物1A:トリグリセリンモノオレート(モノエステ
ル含有量80wt%)
【0020】比較例2 実施例1において得られたトリグリセリンと高純度のミ
リスチン酸、パルミチン酸とを実施例1と同様のエステ
ル化反応を行ない、静置分離して遊離のポリオールを除
去した後、抽出操作を行なわずに以下の比較物を得た。 比較物2A:トリグリセリンミリステート(モノエステ
ル含有量32wt%) 比較物2B:トリグリセリンパルミテート(モノエステ
ル含有量30wt%)
【0021】比較例3 実施例2において得られたテトラグリセリンと高純度の
ミリスチン酸、パルミチン酸とを用いて実施例1と同様
のエステル化反応を行ない、静置分離して遊離のポリオ
ールを除去した後、抽出操作を行なわずに以下の反応物
(比較物)を得た。 比較物3A:テトラグリセリンミリステート(モノエス
テル含有量25wt%) 比較物3B:テトラグリセリンパルミテート(モノエス
テル含有量23wt%)
【0022】比較例4 市販品のポリグリセリン2種類(テトラグリセリン、デ
カグリセリン)と高純度のミリスチン酸、パルミチン酸
とを用い、実施例1と同様のエステル化反応を行ない、
静置分離して遊離のポリオールを除去した後、抽出操作
を行なわずに以下の反応物(比較物)を得た。 比較物4A:テトラグリセリンミリステート 比較物4B:テトラグリセリンパルミテート 比較物4C:デカグリセリンミリステート 比較物4D:デカグリセリンパルミテート
【0023】
【実験例】
実験例1 普通寒天培地に、実施例1〜3で得られた乳化剤をそれ
ぞれ20、50、100、250、500、1000p
pm添加し滅菌した。次いで、変法ブドウ糖ブイヨンの
中で2日間培養したBacillus stearo
thermophilusの培養液を生理食塩水で1×
10倍に希釈した菌懸濁液0.1mlと上記の減菌し
た培地20mlを無菌シャーレに流し込み、放冷して固
化した。55℃で2日間培養した後、菌の発育を阻止す
るために必要な乳化剤の最小量を判定した。結果を表1
に示す。
【0024】実験例2 変法TGC培地(チオグリコレート培地、日水製薬社
製)に、実施例1〜3で得られた乳化剤をそれぞれ2
0、50、100、250、500、1000ppm添
加し滅菌した。次いで、BR培地(BeerensとD
es Rosierの培地)の中で15日間培養したC
lostridium thermoaceticu
mの培養液を生理食塩水で1×10倍に希釈した菌懸
濁液0.1mlと上記の減菌した培地20mlを予め減
菌したねじ蓋付き試験管に流し込んだ。55℃で15日
間培養した後、菌の発育を阻止するために必要な乳化剤
の最小量を判定した。結果を表1に示す。
【0025】実験例3 変法TGC培地に、実施例1〜3で得られた乳化剤をそ
れぞれ20、50、100、250、500、1000
ppm 添加し滅菌した。次いで、BR培地の中で7日
間培養したDesulfotomacukum ni
grificansの培養液を生理食塩水で1×10
倍に希釈した菌懸濁液0.1mlと上記の減菌した培地
20mlを予め減菌したねじ蓋付き試験管に流し込ん
だ。55℃で7日間培養した後、菌の発育を阻止するた
めに必要な乳化剤の最小量を判定した。結果を表1に示
す。
【0026】実験例4 実験例1に準じて、比較例1〜4で得られた比較物につ
いて、菌の発育を阻止するために必要な比較物の最小量
を判定した。結果は表2に示した。
【0027】実験例5 実験例2に準じて、比較例1〜4で得られた比較物につ
いて、菌の発育を阻止するために必要な比較物の最小量
を判定した。結果は表2に示した。
【0028】実験例6 実験例3に準じて、比較例1〜4で得られた比較物つい
て、菌の発育を阻止するために必要な比較物の最小量を
判定した。結果は表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】実験例7 コーヒー豆抽出液4Kg、グラニュウ糖0.8Kg、牛
乳4Kg、全脂粉乳1.2Kgを混合し、実施例1及び
2に示した乳化剤を5g 配合した(乳脂肪1.5
%)。これを予備乳化後、ピストンホモゲナイザーによ
り、150 Kg/cmにて均質化を行なった。次
に、得られたコーヒー乳飲料250 ml毎に分注(4
0本)し、芽胞懸濁液(Bacillus stea
rothermophilus、濃度1×10/m
l)を1ml添加、121 ℃、1分間滅菌した後、5
5℃下に30日間保存し、40本中の変敗本数を測定し
た。これらの結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】実験例8 乳化剤として比較例1〜4で得られた比較物を使用する
外は実験例4に準じて行なった。これらの結果を表4に
示す。
【0034】実験例9 乳化剤としてショ糖パルミチン酸エステル(三菱化学フ
ーズ社製、リョートーシュガーエステルP−1670を
使用)を使用する外は実験例7に準じて行なった。これ
らの結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】実験例10 コーヒー豆抽出液800g、グラニュウ糖160g、牛
乳800g、全脂粉乳240gを混合し実施例1〜3に
示した乳化剤を2g 配合した(乳脂肪1.5%)。こ
れを予備乳化後、ピストンホモゲナイザーにより150
Kg/cmにて均質化を行なった。次に、得られたコ
ーヒー乳飲料を50ml毎に分注(40本)し、芽胞懸
濁液(Clostridium thermoace
ticum、濃度1×10/ml)を1ml添加、1
23℃、15分間減菌した後、55℃下に30日間保存
し、40本中の変敗本数を測定した。これらの結果を表
5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】実験例11 乳化剤として比較例1〜4で得られた比較物を使用する
外は実験例10に準じて行なった。これらの結果を表6
に示す。
【0039】実験例12 乳化剤としてショ糖パルミチン酸エステル(三菱化学フ
ーズ社製、リョートーシュガーエステルP−1670を
使用)を使用する外は実験例10に準じて行なった。こ
れらの結果を表6に示す。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】本発明に係る乳化剤は、耐熱性芽胞菌の
胞子の発芽・増殖を抑制する機能を有しており、これを
添加した乳成分含有飲料は、自動販売機などでの加温状
態の下で保存しても、耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖
が抑制され、フラットサワー変敗が防止され、且つ、乳
成分の凝集、オイルオフ、フェザーリング、沈殿、ネッ
クリング等の発生の問題が生じることがないので頭記し
た課題が解決される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−242567(JP,A) 特開 平2−261366(JP,A) 特開 平3−285643(JP,A) 特開 昭59−95847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 - 2/60 A23L 1/035 A23C 9/156

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリ、テトラ、ペンタグリセリンの内、1
    種類又は2種類以上の混合物からなるポリグリセリンと
    脂肪酸をエステル化して得られる混合物を分離精製して
    得られるポリグリセリン脂肪酸モノエステルであって、
    該エステル中のモノエステル含有量が50重量%以上で
    あるポリグリセリン脂肪酸モノエステルを有効成分とす
    ることを特徴とする乳成分含有飲料用の乳化剤。
  2. 【請求項2】下記(a)、(b)又は(c)に記載の混
    合物であるポリグリセリンと脂肪酸をエステル化して得
    られる混合物を分離精製して得られるポリグリセリン脂
    肪酸モノエステルであって、該エステル中のモノエステ
    ル含有量が50重量%以上であるポリグリセリン脂肪酸
    モノエステルを有効成分とすることを特徴とする乳成分
    含有飲料用の乳化剤。 (a)ジグリセリン、トリグリセリン及びテトラグリセ
    リンの混合物 (b)ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリ
    ン及びペンタグリセリンの混合物 (c)トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリ
    セリン及びヘキサグリセリンの混合物
  3. 【請求項3】トリグリセリンを90重量%含有するポリ
    グリセリンと脂肪酸をエステル化して得られる混合物を
    分離精製して得られるポリグリセリン脂肪酸モノエステ
    ルであって、該エステル中のモノエステル含有量が50
    重量%以上であるポリグリセリン脂肪酸モノエステルを
    有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料用の乳
    化剤。
  4. 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを構成
    する脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
    酸、ステアリン酸の内、1種類又は2種類以上の混合物
    からなり、且つ、その合計量が70重量%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3に記載の乳成分含有
    飲料用の乳化剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の乳化剤が
    含有されていることを特徴とする乳成分含有飲料。
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