JP4485398B2 - 水中油型乳化組成物及びその応用 - Google Patents

水中油型乳化組成物及びその応用 Download PDF

Info

Publication number
JP4485398B2
JP4485398B2 JP2005096481A JP2005096481A JP4485398B2 JP 4485398 B2 JP4485398 B2 JP 4485398B2 JP 2005096481 A JP2005096481 A JP 2005096481A JP 2005096481 A JP2005096481 A JP 2005096481A JP 4485398 B2 JP4485398 B2 JP 4485398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
milk
oil
fatty acid
ppm
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005096481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006271278A (ja
Inventor
和彦 西村
誠治 笹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Priority to JP2005096481A priority Critical patent/JP4485398B2/ja
Publication of JP2006271278A publication Critical patent/JP2006271278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4485398B2 publication Critical patent/JP4485398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)

Description

本発明は、乳化安定効果が向上した水中油型乳化組成物に関する。より詳細には、水中油型乳化組成物として、例えば乳入り飲料を保存した際に生じる白色浮遊物を有意に抑制し、更にはミルク浮きや沈澱も抑制し、かつ風味に影響を及ぼさない水中油型乳化組成物に関する。
従来、缶入りコーヒーや缶入りミルクティーなどの乳入り飲料が数多く上市されているが、保存時に、乳入り飲料の乳化状態が不安定になり、乳入り飲料中の脂肪分等が浮上するミルク浮き、遊離したタンパク質成分、脂肪分が固化して飲料表面に浮上する白色浮遊物、乳入り飲料中の微量成分や乳成分が凝集、沈降する沈殿といった現象が生じることが問題になっている。
この様なミルク浮き、白色浮遊物、沈殿を抑制するために、従来より、種々の増粘多糖類や乳化剤等を用いた方法が提案されている。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用も種々検討されている。例えば、デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを配合する密封容器入り乳飲料(特許文献1)があるが、乳入り飲料を保存した際に生じる白色浮遊物などの点で改良の余地があった。
更には、特許文献2には、ペンタグリセリン脂肪酸エステルが乳成分を含有する飲料の保存時における、耐熱性芽胞菌の胞子の発芽・増殖が抑制でき、実施例3には、ペンタグリセリンモノステアレートの、耐熱性菌の最小発育阻止濃度が250ppmであることが記載されている。しかし、乳化安定効果について、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを250ppm添加すると、却って安定効果は低くなり、白色浮遊物が増えることがあった。
特公平4−6342号公報 特許第3506576号
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、例えば乳入り飲料等の水中油型乳化組成物を保存した際に生じる白色浮遊物を有意に抑制し、更にはミルク浮きや沈澱も抑制してかつ風味に影響を及ぼさない乳入り飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、乳入り飲料等の水中油型乳化組成物に、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを30〜150ppm添加することで、水中油型乳化組成物の風味に影響を及ぼさずに、保存した際に生じる白色浮遊物を有意に抑制することができることを見出した。
更には、静菌目的でショ糖脂肪酸エステルを200〜1000ppm併用することが好ましく、また、コハク酸モノグリセリド、カゼインナトリウム及びカラギナンから選ばれる1種以上を併用することにより、白色浮遊物の抑制効果を高め、更にはミルク浮きや沈澱も抑制でき、乳化安定効果が更に高まることが判った。
よって、本発明は、以下の態様を有する水中油型乳化組成物に関する;
項1.ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを1〜150ppm添加することを特徴とする水中油型乳化組成物。
項2.ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを1〜150ppm添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。
項3.ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを1〜150ppm添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の乳化安定方法。
更に、本発明は、以下の態様を有する乳入り飲料に関する;
項4.ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを1〜150ppm添加することを特徴とする乳化安定効果が向上した乳入り飲料。
項5.更に、ショ糖脂肪酸エステルを200〜1000ppm併用する、項4に記載の乳化安定効果が向上した乳入り飲料。
項5.更に、有機酸モノグリセリド、増粘多糖類及びカゼインナトリウムから選ばれる1種以上を併用する、項4又は5に記載の乳化安定効果が向上した乳入り飲料。
本発明により、乳入り飲料等の水中油型乳化組成物を保存した際に生じる白色浮遊物を有意に抑制し、更にはミルク浮きや沈澱も抑制してかつ風味に影響を及ぼさない水中油型乳化組成物を提供できるようになった。
本発明の水中油型乳化組成物は、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを1〜150ppm、好ましくは、30〜100ppm添加することを特徴とする。また、本発明で使用するペンタグリセリンモノステアリン酸エステルのHLBは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは13〜18のものを使用するのが好ましい。このペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを上記特定量使用することにより、水中油型乳化組成物を保存した際に生じる白色浮遊物を有意に抑制し、かつ風味に影響を及ぼさない水中油型乳化組成物となる。なお、これより添加量が少ないと白色浮遊物を抑制する効果が低く、また、これより添加量が多くなると、乳入り飲料の風味に影響が出るばかりか、却って乳化安定効果が悪くなり、白色浮遊物が生じやすくなる場合がある。本発明で使用するペンタグリセリンモノステアリン酸エステルは商業上入手可能である。
水中油型乳化組成物としては、前記ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル、油脂を含む乳成分及び水系原料が含まれており、前記課題を有するものであれば特に限定はないが、特には、乳入り飲料が好ましい。乳入り飲料は、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、濃縮乳、生クリーム、練乳等の乳成分が含有されている飲料であり、缶、瓶、ペットボトル、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填されている乳入り飲料である。乳入り飲料中に含まれる乳成分の量にかかわらず、少量でも乳成分が含まれると、保存中に、ミルク浮き、白色浮遊物、オイルオフ、沈殿等の問題が起こる。特に、牛乳由来の乳成分を含有する乳入り飲料においては、白色浮遊物の抑制効果が高い。なお、乳入り飲料中に含まれる、牛乳等の乳成分の含有量は、無脂乳固形分に換算して、0.05〜5重量%程度を例示することができ、好ましくは0.4〜2.5重量%である。
乳入り飲料の具体例としては、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶類、ミルク入りココア、ミルクセーキ、ミルクシェイク、酸乳飲料、ミルク入り果汁飲料等が挙げられるが、特に、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶類に関しては、白色浮遊物抑制の高い効果が期待されているため、特に好適に使用される。なお、本発明の乳入り飲料は、密封状態で流通、販売されるものである。また、常温で販売されるものであっても、ホットベンダーで販売されるものであっても、チルド流通されるものであっても良い。
なお、本発明では各種乳入り飲料により、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルの最適な添加量が異なる。ミルクコーヒーやミルク入り茶類については、最適な添加量は30〜100ppm、ミルク入りココアについては、50〜150ppmである。
また、本発明では、前記に加えて、乳入り飲料に静菌目的でショ糖脂肪酸エステルを添加することが望ましい。ショ糖脂肪酸エステルは、静菌性が強く、且つ微生物に対する静菌スペクトルが広いという点で、炭素数8〜18の脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルを使用するのが好ましい。中でも、静菌性の強さの点から、ショ糖パルミチン酸エステルが好ましく使用される。更に、使用するショ糖脂肪酸エステルのHLBとしては15〜16のものを好適に使用できる。ショ糖脂肪酸エステルの添加量としては、200〜1000ppm、好ましくは、250〜800ppmである。
また、本発明ではHLB15〜16のショ糖脂肪酸エステルとHLBの比較的低いHLB 1〜10のショ糖脂肪酸エステルを併用して使用しても良い。併用することにより、白色浮遊物の抑制効果を高め、更にはミルク浮きや沈澱を抑制することができる。HLBの比較的低いHLB 1〜10のショ糖脂肪酸エステルの添加量としては、100〜1000ppmを例示することができる。
なお、本発明では、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルに加えて、より一層白色浮遊物の抑制効果を高め、更にはミルク浮きや沈澱を抑制するために、有機酸モノグリセリド、増粘多糖類及びカゼインナトリウムから選ばれる1種以上の化合物を加えることが好ましい。
本発明で使用する有機酸モノグリセリドとしては、コハク酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリドなどを挙げることができるが、中でもコハク酸モノグリセリドを使用するのが好ましい。また、有機酸モノグリセリドのHLBは1〜9、好ましくは5〜6である。特に、ミルクコーヒーに好適に使用される。有機酸モノグリセリドの添加量としては、乳飲料に対して、1〜1000ppm、好ましくは、30〜500ppmを例示することができる。
本発明で使用する増粘多糖類は、具体的には、カラギナン(イオタ、ラムダ、カッパ)、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水溶性大豆多糖類、タマリンドシードガム、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、プルラン、ラムザンガム、アラビアガム、水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースなど)等を挙げることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上の増粘多糖類を使用することが出来る。
中でも、カラギナン(イオタ、ラムダ、カッパ)、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水溶性大豆多糖類から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、これらの増粘多糖類の中でも効果の点より、特に、イオタ−カラギナンが望ましい。増粘多糖類の添加量としては、用いる増粘多糖類の種類により一概には規定することが出来ないが、一般的には、乳入り飲料に対して、10〜600ppmが望ましい。これよりも少ないと充分な効果を得ることが出来ず、これより多くしても乳入り飲料の調製における作業効率が悪くなるためである。中でも、イオタカラギナンについては、ミルク入りコーヒー、ミルク入りココア飲料に好適に使用される。
本発明で使用するカゼインナトリウムは、タンパク質系の水溶性高分子で、脱脂乳に酸を加えて沈殿して得られたカゼインを水酸化ナトリウム、もしくは炭酸水素ナトリウムと反応させて製造したものである。カゼインナトリウムの添加量としては、乳入り飲料に対して50〜2000ppmが望ましい。これよりも少ないと充分な効果を得ることができず、これより多くしても更なる効果が望めないためである。カゼインナトリウムについては、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶飲料に好適に使用される。
更に、本発明の水中油型乳化組成物は、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限度において、前述以外の乳化安定剤を添加しても良い。例えば、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル以外のポリグリセリン脂肪酸エステル)、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン(酵素処理レシチンを含む)、ポリソルベート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等を挙げることができる。
更に、本発明の水中油型乳化組成物には不溶性粉末を含んでもよく、特には、不溶性粉末を含む乳入り飲料に適用可能である。特に、ミルク入りココア、抹茶ミルク、カルシウム強化乳飲料等の不溶性粉末を含む乳入り飲料には、前記に加えてセルロースを併用することが好ましい。なお、不溶性粉末とは、飲料に添加可能な、不溶性の粉末成分で有れば特に限定はないが、ココア、抹茶、カルシウム等の金属塩、きなこや酵母などを挙げることができる。
セルロースとは、木材パルプ、精製リンター、再生セルロース、穀物もしくは果実由来の食物繊維等のセルロース系素材、微生物由来のセルロースなどで、セルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、セルロース複合体、発酵セルロースとよばれるものも含み、食品、医薬品、化粧品をはじめ幅広い分野で使用されているものであれば良い。形状は液体、ペースト、粉末等何れの形状のものでもよい。具体的には、セルロースと親水性高分子とからなるセルロース複合体もしくは発酵セルロースが効果の上から好ましい。また、親水性高分子の異なるセルロース複合体同士の併用や水分散後の平均粒子径が異なるセルロース複合体同士の併用でもよい。
セルロースの添加量としては、水中油型乳化組成物として例えば乳入り飲料に対して、0.05〜0.6重量%、より好ましくは、0.3〜0.5重量%が望ましい。0.05重量%よりも少ないと充分な効果を得ることができず、0.6重量%より多くしても更なる効果が望めないためである。
なお、本発明では、前記原料を一剤化して水中油型乳化組成物に添加することも可能である。その形状として、粉末状、フレーク状、粒状、ペースト状、液状等いずれの形態でも用いることが出来る。一剤化製剤の製造方法としては、従来公知の方法をとることができる。例えば、粉体混合したり、原料を水に撹拌分散させたり、ホモゲナイズ分散させたりすることにより調製することができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、その効果を妨げない範囲において、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、フィチン酸等の有機酸、無機酸及び/又はその塩類、ショ糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、デンプン糖化物、還元デンプン水飴、デキストリン、サイクロデキストリン、トレハロース等の糖類、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムK、ソーマチン等の高甘味度甘味料類等を添加することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル及び必要に応じて、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、増粘多糖類、カゼインナトリウム、セルロース等を組み合わせて含むことを特徴とするが、前記原料の本発明の水中油型乳化組成物への含有方法は、従来公知の方法をとることができる。例えば、乳入り飲料を製造する場合、湯または水に前記原料を粉体及び液状等の形態で投入し、撹拌分散した後に、糖液、牛乳または牛乳及び他の乳成分(全脂粉乳、脱脂粉乳、濃縮乳、生クリームを含む)を加え、これに別途抽出したコーヒーエキス、紅茶エキス、果汁成分や、不溶性粉末を添加する場合は、ココア粉末、抹茶、炭酸カルシウム、乳清カルシウム、卵殻カルシウム、貝カルシウム等の不溶性粉末を添加し、必要であればpH調整した後ホモゲナイズし、瓶、缶、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填した後、殺菌処理を行う方法や、ホモゲナイズした後に殺菌処理を行い、密封容器に充填する方法などを挙げることができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、その効果を妨げない範囲において、一般的に使用される成分、例えば、乳入り飲料においては、天然香料、合成香料等の香料類、プロテアーゼ、セルラーゼ等の酵素、カラメル色素等の着色料、調味料、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトシウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤等を添加することが出来る。
以下、本発明をより詳細に説明するために実験例、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
なお、実施例中、ショ糖脂肪酸エステルとして、三菱化学フーズ株式会社製のエステルP−1670(HLB16)、エステルS−570(HLB5)を、コハク酸モノグリセリドとして、花王株式会社製のステップSSを、イオタ−カラギナンとして、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のカラギニンCS−470を、カゼインナトリウムとして、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のカゼインナトリウムを使用した。
実験例1:缶入りコーヒーの調製
下記表1に掲げる処方のうち、コーヒー豆に豆の7倍量の熱湯を加え、10分間攪拌浸漬した後ろ紙ろ過し、室温まで冷却してコーヒー抽出液を調製した。水に砂糖と乳化剤の粉体混合物を添加し、70℃10分間加熱攪拌溶解し、室温まで冷却したものに、炭酸水素ナトシウム水溶液を添加し、次に牛乳と添加混合した後、調製したコーヒー抽出液を添加し、水にて全量調整した後、これを70℃まで加温し、第一段 9.8MPa(100kg/cm )、第二段 4.9MPa(50kg/cm )の圧力でホモゲナイズした後、缶に充填し、121℃20分間の条件でレトルト殺菌し、缶入りコーヒーを調製した。
調製した缶入りコーヒーについて、室温、37℃、60℃にて各4週間保存後に2℃の恒温機にて一日冷却した後、飲料の状態(白色浮遊物の有無)を評価した。各温度帯の評価を総合して、乳化安定効果の高いものから◎・○・△・×の4段階で評価した。結果を表2に示す。





Figure 0004485398
Figure 0004485398
表2より、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルの添加量が10〜150ppm、好ましくは、30〜150ppmで、白色浮遊物が少なく、缶入りコーヒーの乳化安定性が良好であった。更には、コハク酸モノグリセリドを併用すると良好であり、更には、カゼインナトリウム、イオタ−カラギナン、コハク酸モノグリセリドを組み合わせて併用することにより、白色浮遊物の抑制効果が高まり、更にはミルク浮きや沈澱の抑制効果も見られ、乳化安定性が向上した。
実験例2:ミルクティーの調製
下記表3に掲げる処方のうち、紅茶葉に茶葉の35倍量の熱湯を加え、10分間攪拌浸漬した後ろ紙ろ過し、室温まで冷却して紅茶抽出液を調製した。水に砂糖と乳化剤の粉体混合物を添加し、70℃10分間加熱攪拌溶解し、室温まで冷却したものに、炭酸水素ナトシウム水溶液を添加し、次に牛乳と添加混合した後、調製した紅茶抽出液を添加し、水にて全量調整した後、これを70℃まで加温し、第一段 9.8MPa(100kg/cm )、第二段 4.9MPa(50kg/cm )の圧力でホモゲナイズした後、缶に充填し、121℃20分間の条件でレトルト殺菌し、缶入りミルクティーを調製した。調製した缶入りミルクティーについて、実験例1と同様に乳化安定性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004485398
Figure 0004485398
表4より、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステルの添加量が30〜150ppmの缶入りミルクティーは、白色浮遊物が少なく、乳化安定性は良好であった。更には、コハク酸モノグリセリドを併用すると良好であり、更には、カゼインナトリウム、イオタ−カラギナン、コハク酸モノグリセリド、HLB5のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせて併用すると白色浮遊物の抑制効果が高まり、更にはミルク浮きや沈澱の抑制効果も見られ、乳化安定性が向上した。
実施例21:缶入りミルクココアの調製
下記表5に掲げる処方の添加量に従い、乳化安定剤、微結晶セルロース及び砂糖とを粉体混合し、この混合物を水に加え、80℃10分間加熱溶解後、室温まで冷却し、牛乳、食塩、ココア粉末を添加し、水にて全量補正後、70℃まで加温し、第一段 9.8MPa(100kg/cm )、第二段 4.9MPa(50kg/cm )の圧力でホモゲナイズ処理した。ホモゲナイズ後、缶に充填、密閉し、その後レトルト殺菌(125℃30分)を行い缶入りミルクココアを調製した。得られた缶入りミルクココアは、白色浮遊物が少なく、更には、ミルク浮きや沈澱の抑制効果も見られ、乳化安定性は良好であった。
Figure 0004485398
本発明により、乳入り飲料等の水中油型乳化組成物を保存した際に生じる、白色浮遊物を有意に抑制し、更にはミルク浮きや沈澱も抑制してかつ風味に影響を及ぼさない水中油型乳化組成物を提供できる。

Claims (3)

  1. ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル1〜150ppm及びショ糖脂肪酸エステルを添加し、レシチン類を含まないことを特徴とする水中油型乳化組成物。
  2. ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル1〜150ppm及びショ糖脂肪酸エステルを添加し、レシチン類を含まないことを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。
  3. ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル1〜150ppm及びショ糖脂肪酸エステルを添加し、レシチン類を含まないことを特徴とする水中油型乳化組成物の乳化安定方法。
JP2005096481A 2005-03-29 2005-03-29 水中油型乳化組成物及びその応用 Active JP4485398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096481A JP4485398B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 水中油型乳化組成物及びその応用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096481A JP4485398B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 水中油型乳化組成物及びその応用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006271278A JP2006271278A (ja) 2006-10-12
JP4485398B2 true JP4485398B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=37206623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005096481A Active JP4485398B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 水中油型乳化組成物及びその応用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4485398B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101369884B1 (ko) 2012-03-21 2014-03-06 주식회사농심 수중유형 나노 들깨유지
JP6191816B2 (ja) * 2013-06-19 2017-09-06 不二製油株式会社 高油分水中油型乳化物
JP7072979B2 (ja) * 2018-03-29 2022-05-23 日清オイリオグループ株式会社 飲料用チョコレート
JP7308038B2 (ja) * 2019-01-25 2023-07-13 アサヒ飲料株式会社 容器入り起泡性ブラックコーヒー飲料

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09275948A (ja) * 1996-04-11 1997-10-28 Meiji Milk Prod Co Ltd 液状食品における不溶性固形物の 沈降防止・風味改善法
JPH10165152A (ja) * 1996-12-11 1998-06-23 Riken Vitamin Co Ltd 乳成分含有飲料及びその乳化剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09275948A (ja) * 1996-04-11 1997-10-28 Meiji Milk Prod Co Ltd 液状食品における不溶性固形物の 沈降防止・風味改善法
JPH10165152A (ja) * 1996-12-11 1998-06-23 Riken Vitamin Co Ltd 乳成分含有飲料及びその乳化剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006271278A (ja) 2006-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102307480B (zh) 低蛋白质和无蛋白质的具有延长的贮存期限(esl)和耐贮存的无菌液体奶精及其制造方法
JP5078870B2 (ja) 植物性ステロール含有乳飲料及びその製造方法
EP3338564A1 (en) Welan gum-containing composition
JP4624959B2 (ja) 密封容器入り乳飲料用安定剤
US20110020512A1 (en) Method for enhancing form retention property of beverage
US20140044855A1 (en) Creamers and methods of making same
JP2007330256A (ja) 乳成分入り飲料用安定剤
JP2008212107A (ja) バターを含有する水中油型乳化物及びバター含有飲料
KR20070114174A (ko) 식물성 스테롤 함유 유음료 및 그 제조 방법
JP4485398B2 (ja) 水中油型乳化組成物及びその応用
JP2007159573A (ja) 乳入り飲料用乳化安定剤
JP4112512B2 (ja) 起泡性飲料
JP4354352B2 (ja) 乳飲料用安定剤及びその応用
JP2004267013A (ja) 飲料用組成物
JP2010004827A (ja) 乳成分入り起泡性抹茶飲料
JP2007061053A (ja) 乳脂肪を含有する乳入り飲料
JP2007166913A (ja) 酸性蛋白含有飲料及びその製造方法
JP2015512267A (ja) タンパク質及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
JP2008099676A (ja) ココナッツミルク含有飲食品及びその風味向上方法
JP2007166917A (ja) 乳含有飲料の安定化方法
JP2004173636A (ja) 密封容器入り乳飲料用安定剤
KR20080112239A (ko) 식물성 스테롤 함유 유음료 및 그 제조 방법
JP4354351B2 (ja) 乳飲料用安定剤及びその応用
JP2004049095A (ja) 密閉容器入り乳飲料用安定剤
JP4302569B2 (ja) 食用酢用安定剤及び食用酢

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091116

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4485398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4