JP2007061053A - 乳脂肪を含有する乳入り飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温や加温での保存を行う乳脂肪を含有する乳入り飲料に関し、乳脂肪由来の白色浮遊物の発生を抑制し、乳脂肪を安定化させた乳入り飲料を提供する。
【解決手段】乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加する。更には、乳化剤を乳入り飲料全体に対して0.03〜0.5重量%添加する。好ましくは、乳入り飲料に添加する乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである。
【選択図】なし
【解決手段】乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加する。更には、乳化剤を乳入り飲料全体に対して0.03〜0.5重量%添加する。好ましくは、乳入り飲料に添加する乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである。
【選択図】なし
Description
本発明は、乳脂肪を含有する乳入り飲料に関する。詳細には、特に常温や加温での保存を行う当該乳入り飲料に関し、白色浮遊物の発生を抑制し、乳脂肪を安定化させた乳入り飲料を提供することにある。
缶や紙パック等の密閉容器に保存流通されるミルクコーヒーなどの乳入り飲料において、乳脂肪を多く含むものは、風味やこくが増すため消費者の需要が高い。一方、乳脂肪の添加量を多くすると、乳脂肪自体は固体脂であるため、保存時、特に加温条件下では、乳化状態が不安定になり、遊離した乳脂肪などが固化して飲料表面に浮上する、いわゆる白色浮遊物が生成しやすくなる。近年、販売形態も多種多様になり、低温から高温まで様々な温度帯での販売が行われている。特に牛乳由来の乳脂肪を含有する乳入り飲料においては、ホットベンダーといわれる高温での保存が可能な販売形態による保存により白色浮遊物が生じ、商品価値を低下させるという問題が生じていた。
この様な白色浮遊物を防止ないしは抑制するために、従来より、種々の乳化剤や増粘剤等を含有させることが提案されている。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤(特許文献1)、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びキサンタンガム、カラギーナン、カゼインナトリウムの一種又は二種以上(特許文献2)、グリセリン脂肪酸エステル、イオタカラギーナンからなる安定剤(特許文献3)、増粘タイプのカラギーナンおよび親水性乳化剤(特許文献4)、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびイオタカラギーナン(特許文献5)、カッパカラギーナン、タマリンド種子及びカゼインナトリウム(特許文献6)等を含有させることが知られている。しかしながら、上記化合物を含有させることによっても、充分な効果が得られなかったり、あるいは、充分な効果を得るためには、乳化剤等を多量に添加する必要があり、その際には乳入り飲料に与える風味、食感の悪化が問題となることがあった。
また、乳成分を含有する密閉容器入り中性飲料において、脂肪分として、中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有させることにより、乳化安定な中性飲料となることが開示されている(特許文献7)。しかし、特許文献7に記載の、高温状態において乳化破壊が起こらず、低温状態においても脂肪が凝固しないという効果は、乳脂肪の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライドを使用しているため、白色浮遊物が生じる原因となる原料(乳脂肪)が添加されていないからである。
更には、一般的に、中鎖脂肪酸トリグリセライドや、大豆油、ナタネ油、コーン油などの植物油脂を乳入り飲料に添加した場合、油脂由来のコク味は付与されるものの、油っぽい後味が残ると言われており、実際に、特許文献7に記載の、実施例3の中鎖脂肪酸トリグリセライドを大量に使用した場合や、比較例2のコーン油を使用した場合に風味がややくどい、劣化するなど、風味に悪影響を与えることが記載されている。更に、特許文献7には、乳脂肪由来の白色浮遊物を抑制することについては何ら記載がされていない。
本発明が解決しようとする課題は、乳脂肪を含む乳入り飲料について、特に常温や加温での保存を行う当該乳入り飲料に関し、乳脂肪由来の白色浮遊物の発生が抑制され、乳脂肪が安定化された乳入り飲料を提供することにある。
本発明者は、前記課題の解決について研究を重ねた結果、従来の乳脂肪を含む飲料に、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することにより、乳脂肪由来の白色浮遊物の発生が抑制され、乳脂肪が乳入り飲料中で安定化されることを新たに見出した。特に常温や加温での保存を行う際に確認される白色浮遊物の発生を顕著に抑制することを確認した。
更に、付随する効果として、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳脂肪を含む乳入り飲料に添加することにより、乳脂肪を含む乳入り飲料のコク味が付与されることも見いだして本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加することを特徴とする乳入り飲料。
(2)更には、乳化剤を乳入り飲料全体に対して0.03〜0.5重量%添加する、(1)記載の乳入り飲料。
(3)乳入り飲料に添加する乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである、(2)記載の乳入り飲料。
(4)中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有することを特徴とする、乳入り飲料用安定化剤。
(5)中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することを特徴とする、乳入り飲料に含まれる乳脂肪分の安定化方法。
(1)乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加することを特徴とする乳入り飲料。
(2)更には、乳化剤を乳入り飲料全体に対して0.03〜0.5重量%添加する、(1)記載の乳入り飲料。
(3)乳入り飲料に添加する乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである、(2)記載の乳入り飲料。
(4)中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有することを特徴とする、乳入り飲料用安定化剤。
(5)中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することを特徴とする、乳入り飲料に含まれる乳脂肪分の安定化方法。
本発明により、乳脂肪を含む乳入り飲料について、白色浮遊物の発生を抑制することができ、特に常温や高温保存時にも安定で、例えば、ホットベンダーなどにより高温保存される場合に問題となる、白色浮遊物の発生が抑制され、商品価値の低下を防ぐことができるという点で顕著な効果を有する。更には、付随する効果として、乳脂肪を含む乳入り飲料のコク味が付与されるという効果も有する。
本発明の対象となる乳入り飲料は、乳脂肪を乳入り飲料全体に対して通常0.2重量%以上含む。好ましくは、0.2〜2.0重量%含む。常温流通やホットベンダーなどでの加温下での保存がされる場合は、0.2〜2.0重量%含むことが好ましい。乳脂肪の含有量が0.2重量%より低くなると、白色浮遊物が発生することが少なくなる。更には、乳脂肪の含有量が2.0重量%を超えると、冷蔵(チルド)流通される乳入り飲料が一般的となり、白色浮遊物発生の課題が少なくなる。
なお、本発明では、前記乳脂肪を含む乳入り飲料であれば特に限定されない。乳入り飲料の具体例としては、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶類、ミルクココア、ミルクセーキ、ミルクシェイク、酸乳入り飲料、ミルクイチゴ、フルーツ牛乳等が挙げられるが、これに限定されない。特に、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶類およびミルクココアに関しては、白色浮遊物の高い抑制効果が期待されているため望ましい。
本発明において、乳入り飲料に使用できる乳脂肪の原料としては、例えば、牛乳、バター、生クリーム、濃縮乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、発酵乳、加工乳等、一般的に食用可能な乳原料に含まれるものが挙げられる。中でも、風味や入手の容易性から、牛乳や牛乳由来の原料を使用するのが一般的である。
本発明の対象となる乳入り飲料は、通常、缶、ビン、ペット容器、紙パック、ラミネートパック、プラスティック容器等の密閉容器に充填され、通常、常温、加温もしくはチルド保存で流通販売されるものである。特には、常温流通、加温流通される乳入り飲料、更に好ましくは、加温流通される乳入り飲料については、特に乳脂肪由来の白色浮遊物の抑制効果が期待されるため、好適に使用される。
本発明は、前記乳入り飲料に、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加することを特徴とする。
本発明において添加する中鎖脂肪酸トリグリセライドは、炭素数6から12の飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする中鎖脂肪酸トリグリセライドであり、好ましくは、炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸などの飽和脂肪酸のトリグリセライドが挙げられる。これらの飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする中鎖脂肪酸トリグリセライドは、異なる飽和脂肪酸が結合していても良いし、同じ飽和脂肪酸が結合してもよい。また乳入り飲料に添加される中鎖脂肪酸トリグリセライドは、1種類でも、または2種以上を組み合わせて使用しても良い。
中鎖脂肪酸トリグリセライドは、化学合成により製造されたものや、天然物から得られたものなどを使用できる。更には、本発明では中鎖脂肪酸トリグリセライドを主成分として含むものであれば良く、本発明の効果に悪影響を与えない限度において、副成分として、中鎖脂肪酸や、中鎖脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライドなどが含まれているものを添加しても良い。
本発明中の乳入り飲料中における中鎖脂肪酸トリグリセライドの添加量は、前記乳入り飲料全重量に対して、0.01〜1重量%、好ましくは、0.03〜0.5重量%、更に好ましくは、0.1〜0.2重量%である。これより添加量が低ければ白色浮遊物を抑制する効果が期待できなくなる場合があり、また、これより添加量が高くても、白色浮遊物の更なる抑制効果が期待できず、また、乳入り飲料の風味に影響を及ぼす場合があるからである。
なお、本発明中の乳入り飲料中における中鎖脂肪酸トリグリセライドの乳脂肪に対する割合は、重量比率として、乳脂肪:中鎖脂肪酸トリグリセライドは、200:1〜20:100、好ましくは、200:3〜20:50である。更に好ましくは200:3〜1:1である。
本発明においては、乳入り飲料に一般的に用いられている乳化剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。例えば、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン(酵素処理レシチンを含む)、ポリソルベート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウムなどから選ばれる1種又は2種以上を添加することができる。
特に、白色浮遊物の抑制効果の点から、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる、1種又は2種以上を本発明の乳化剤として用いることが好ましい。さらに好ましくは、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを単独でまたは組み合わせて用いることが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルは、高HLBのものと中〜低HLBのものを組み合わせても良い。グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は長鎖の飽和脂肪酸を主体とするものが好ましく、長鎖の脂肪酸とは例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などを挙げることが出来る。
乳化剤の添加量としては、上記乳脂肪の範囲内において、乳入り飲料全重量に対して、0.03〜1重量%となるように調整して添加できる。好ましくは、0.03〜0.5重量%である。さらに、好ましくは、0.03〜0.2重量%である。
本発明の乳入り飲料には、中鎖脂肪酸トリグリセライド単独または、中鎖脂肪酸トリグリセライドに乳化剤を併用して添加する乳入り飲料が挙げられる。本発明の乳入り飲料中における乳化剤の中鎖脂肪酸トリグリセライドに対する割合は、重量比率として、中鎖脂肪酸トリグリセライド:乳化剤は、100:3〜1:100、好ましくは、50:3〜3:50である。更に好ましくは、20:3〜3:20の割合を挙げることができる。
本発明における乳入り飲料には、さらに、通常飲食物製造時に使用される原料を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、甘味料としては、ショ糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、デンプン糖化物、還元デンプン水飴、デキストリン、サイクロデキストリン、トレハロース等の糖類、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アリテーム、ネオテーム、サッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料類等を挙げることができる。
安定剤としては、具体的には、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水溶性大豆多糖類、タマリンドシードガム、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、プルラン、ラムザンガム、アラビアガム、微結晶セルロース、水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースなど)等を挙げることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用することが出来る。
pH調整剤としては、重曹、クエン酸三ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなど公知のものを使用することができる。更には、別途抽出したコーヒーエキス、紅茶エキス、果汁成分や、ココア粉末、抹茶、炭酸カルシウム、乳清カルシウム、卵殻カルシウム、貝カルシウム等の不溶性粉末などが挙げられる。これらは単独でも組み合わせて使用しても良い。また、本発明の効果を妨げない範囲において、一般的に使用される成分、例えば、天然香料、合成香料等の香料類、プロテアーゼ、セルラーゼ等の酵素、カラメル色素等の着色料、調味料等を添加することが出来る。
本発明の乳入り飲料は、常法に従って製造できる。例えば、湯または水に乳化剤を粉体及び液状等の形態で投入し、撹拌分散した後に、糖液、中鎖脂肪酸トリグリセライド、乳原料を加えても良いし、又は、乳化剤の溶液に中鎖脂肪酸トリグリセライドを投入し、撹拌分散した後に、糖液、乳原料を加えても良い。それに、別途抽出したコーヒーエキス、紅茶エキス、果汁成分や、不溶性粉末などを必要に応じて添加し、必要であればpH調整した後ホモゲナイズし、瓶、缶、ラミネートパック等の密封容器に充填した後、殺菌処理を行う方法や、ホモゲナイズした後に殺菌処理を行い、PETボトル、紙パック等の密封容器に充填する方法などを挙げることができる。このように乳入り飲料の製造工程に中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することにより、密封容器入り乳入り飲料における乳脂肪を安定化させ白色浮遊物を抑制することができる。
更に、本発明は、中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有することを特徴とする乳入り飲料用安定化剤に関する。特に本発明では、乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有する乳入り飲料用安定化剤を添加することにより、特に、常温や加温での保存における白色浮遊物の発生を顕著に抑制することが出来る。更には、付随する効果として、乳脂肪を含む飲料のコク味が付与される。本発明の乳入り飲料用安定化剤は、最終的に乳入り飲料中に中鎖脂肪酸トリグリセライドが添加される状態にあればよく、添加の方法は特に限定されない。更には、前記乳化剤と併用する場合は、中鎖脂肪酸トリグリセライドと乳化剤を予め混合して、中鎖脂肪酸トリグリセライド・乳化剤混合組成物を調製しても良く、また、中鎖脂肪酸トリグリセライドと乳化剤を乳入り飲料の調製時別々に添加しても良い。
更に、本発明は、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することを特徴とする、乳入り飲料に含まれる乳脂肪分の安定化方法に関する。本発明の乳入り飲料に含まれる乳脂肪分の安定化方法は、前述したように乳入り飲料の製造工程において、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することにより実施でき、乳脂肪を安定化させ乳脂肪由来の白色浮遊物の生成を抑制することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に述べる。なお、以下の実施例は、本発明を説明するものであって、本発明をこれに限定するものではない。
実験例1(コーヒー乳入り飲料の調製)
下記、表1および表2の配合のうち、挽き粉砕したコーヒー豆に熱湯を加え、10分間95±3℃にて浸漬し、ろ過後20℃まで冷却して、コーヒー抽出液(Brix3.2)を調製した。更には、グラニュー糖、乳化剤の粉体混合物を80℃の水に投入し、80℃10分間加熱撹拌して、撹拌溶解物を調製した。牛乳に中鎖脂肪酸トリグリセライド、前記撹拌溶解物を加えて、全量調整後、pHが6.8となる量の重曹を添加混合し、調製したコーヒー抽出液を添加混合したものを、75℃まで加熱し、9.8M/4.9MPa(100/50kgf/cm2)でホモゲナイズ処理を行った。ホモゲナイズ処理後、缶に充填し密閉し、レトルト殺菌(123℃、23分)を行い、コーヒー乳入り飲料を調製した。
比較例として、中鎖脂肪酸トリグリセライドを0.005%含有するコーヒー乳入り飲料、ブランクとして、中鎖脂肪酸トリグリセライドを含まないコーヒー乳入り飲料を同様に調製した。
下記、表1および表2の配合のうち、挽き粉砕したコーヒー豆に熱湯を加え、10分間95±3℃にて浸漬し、ろ過後20℃まで冷却して、コーヒー抽出液(Brix3.2)を調製した。更には、グラニュー糖、乳化剤の粉体混合物を80℃の水に投入し、80℃10分間加熱撹拌して、撹拌溶解物を調製した。牛乳に中鎖脂肪酸トリグリセライド、前記撹拌溶解物を加えて、全量調整後、pHが6.8となる量の重曹を添加混合し、調製したコーヒー抽出液を添加混合したものを、75℃まで加熱し、9.8M/4.9MPa(100/50kgf/cm2)でホモゲナイズ処理を行った。ホモゲナイズ処理後、缶に充填し密閉し、レトルト殺菌(123℃、23分)を行い、コーヒー乳入り飲料を調製した。
比較例として、中鎖脂肪酸トリグリセライドを0.005%含有するコーヒー乳入り飲料、ブランクとして、中鎖脂肪酸トリグリセライドを含まないコーヒー乳入り飲料を同様に調製した。
(製品名)
エステルP−1670:HLB16のショ糖脂肪酸(パルミチン酸)エステル(リョートーシュガーエステルP−1670;三菱化学フーズ(株)製)
エステルS−570:HLB5のショ糖脂肪酸(ステアリン酸)エステル(リョートーシュガーエステルS−570;三菱化学フーズ(株)製)
ステップSS: コハク酸モノグリセライド(ステアリン酸)(花王(株)製)
スコレー64G: 中鎖脂肪酸トリグリセライド(日清オイリオグループ(株)製)
エステルP−1670:HLB16のショ糖脂肪酸(パルミチン酸)エステル(リョートーシュガーエステルP−1670;三菱化学フーズ(株)製)
エステルS−570:HLB5のショ糖脂肪酸(ステアリン酸)エステル(リョートーシュガーエステルS−570;三菱化学フーズ(株)製)
ステップSS: コハク酸モノグリセライド(ステアリン酸)(花王(株)製)
スコレー64G: 中鎖脂肪酸トリグリセライド(日清オイリオグループ(株)製)
(評価方法)
得られた密閉容器入りコーヒー飲料を、それぞれ室温、37℃、および60℃で4週間保存した後、2℃で1日保存後に開缶して、白色浮遊物の有無を観察した。結果を表3に示す。
得られた密閉容器入りコーヒー飲料を、それぞれ室温、37℃、および60℃で4週間保存した後、2℃で1日保存後に開缶して、白色浮遊物の有無を観察した。結果を表3に示す。
表中、記号「+++」は「多い」、「++」は「やや多い」、「+」は「少ない」「−」は「無し」を表す。
結果は表3に示すように、室温および37℃で保存した場合、2℃1日放置後にいずれも白色浮遊物は認められなかった。一方60℃で保存した場合は、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加しない場合は、多くの白色浮遊物を認めた。一方、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加したサンプルでは、白色浮遊物の量は0.01重量%で減少し、0.03%以上でさらに減少し、0.1パーセント以上では観察されなかった。高温保存時に生成する白色浮遊物に対して、中鎖脂肪酸トリグリセライドの少量の添加が顕著な抑制効果を示した。
加えて、中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加した実施例品は、油っぽくなく、コク味が付与されており、更には、後味がすっきりとしていてしつこくなかった。
Claims (5)
- 乳脂肪を乳入り飲料全体に対して0.2重量%以上含む乳入り飲料について、中鎖脂肪酸トリグリセライドを乳入り飲料全体に対して0.01〜1重量%添加することを特徴とする乳入り飲料。
- 更には、乳化剤を乳入り飲料全体に対して0.03〜0.5重量%添加する、請求項1記載の乳入り飲料。
- 乳入り飲料に添加する乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである、請求項2記載の乳入り飲料。
- 中鎖脂肪酸トリグリセライドを含有することを特徴とする、乳入り飲料用安定化剤。
- 中鎖脂肪酸トリグリセライドを添加することを特徴とする、乳入り飲料に含まれる乳脂肪分の安定化方法。
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